JP5778981B2 - 鋼製束 - Google Patents
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Description
この鋼製束と床パネルを利用した戸建住宅の1階床構造においては、従来の大引と根太による構成を無くして、木材資源の利用の低減化を図り、木材資源の枯渇を防止し、或いは木材の質低下による床鳴りをも防止でき、しかも強度的にも従来の大引と根太による支持に劣らないもの、即ちそのクッション性能と強度においてより向上させたものを提供することができるようになったのである。
この鋼製束の従来例を図5に図示している。図5(A)は、その一部切欠全体正面図であり、その(B)が一部切欠分解正面図である。
この従来の鋼製束50は、住宅の基礎部に載置されるベース部材51と、このベース部材51から立設する支持脚部55と、この支持脚部55の上端部に固定される天板56とから成るものである。
下方の長軸螺子棒52の下端部にはベース部材51が溶接着され、上方の長軸螺子棒54の上端部には天板56がやはり溶接着されている。
これら上下の長軸螺子棒52、54をそれぞれ中央のターンバックルパイプ53の両端部に螺合させることにより、鋼製束50が形成される。
鋼製束50の高さ調整が完了した後には、ロック用のナット部材57、57をターンバックルパイプ53側に向かって締着することにより、緩み止めの機能を発揮させることができるのである。
即ち、ターンバックルパイプ53を回転させて、天板56の高さ調整を行って、その高さを決定した後に、ロック用のナット部材57、57を締め付けてターンバックルパイプ53と上下の長軸螺子棒52、54との螺合が緩むことを防止しているが、このナット部材57を締め付けるに際して、天板56が浮き上がるという問題があった。
この従来の鋼製束にあっては、その防錆目的のために、溶融亜鉛メッキが施されるのであるが、このメッキにおいては50μ程度の膜厚が要求され、螺子のはめ合い規格基準に加えて、特に雌ネジ側でオーバータップを施しており、これも上記浮き上がりの一つの原因にもなっている。
図6(A)においては、高さ調整が完了した状態を図示しており、この図から(B)図の状態に移行して上下のナット部材57、57をターンバックルパイプ53の側に締め付けるのであるが、上方のナット部材57においては、そのナット部材57を締め付けることによって長軸螺子棒54が上方に少し持ち上げられる(B図矢印)のである。
同様に、この上昇分は、ターンバックルパイプ53と下方の長軸螺子棒52との間でも生じることとなる。
その結果、従来の鋼製束においては、ロック用のナット部材57、57の締め付けによって、天板56が約0.5〜1.2mm程度上昇することが確認されている。
更に、本発明では以下の問題点の解消をもその課題としている。
上記のように、ターンバックルパイプ53に溶融亜鉛メッキを施すと、両端側の雌ネジ部の再タップが必要と成るのである。
というのも、パイプ内に入った溶融亜鉛を振り切る際に、その出口側で雌ネジ部の谷底に亜鉛が溜まってしまうという現象が生じるからであり、そのままではネジ機能が失われるために、再タップが必要となる。
本発明では、このような再タップの要請を排除することもその課題となる。
本発明では、このようなメッキ効果に問題が生じないようにすることもその課題となるのである。
本発明では、このターンバックルパイプの肉厚をより小さいものとすることもその課題である。
このように、本発明では、これまでも課題となって来た、鋼製束の構成を簡素化し、且つその製造を容易なものとしてその生産性を向上させることもその課題となるのである。
同様に、上記ナット部材によるロック作業は従来の2度から1度で完了し、作業の簡素化に寄与する。
更に、本発明においては、各構成要素をカシメて製作することができ、即ち、各構成要素を予め単体として個別にメッキすることができることとなり、その後カシメ固定して組み立てることができるために、従来のようなメッキにより生じる種々の問題点は解消されるのである。
この短管部材の使用により、支持脚部の管体の肉厚を薄いものとすることができる。
また、上記第3の発明と同様に、この短管部材を用いることにより支持脚部の管体の肉厚をより薄くすることが出来る。
図1は、本発明に係る鋼製束の第1実施形態の一部切欠正面図である。
この実施形態に係る鋼製束10は、下端のベース部材11と、このベース部材11から上方に立設する支持脚部15と、この支持脚部15の上端部に固定される天板16とから成る。
長軸螺子棒12は、その下端部でベース部材11と回動自在にカシメて連結される。この回転カシメ構造は、次の図2で説明する。
管体13の下端開口部には、下端部に鍔部が形成された埋込ナット17が嵌入され、固定されている。
このような構成を採用することにより、管体13の厚みを薄いものとすることができる。
下方の長軸螺子棒12は、前記埋込ナット17と螺合し、支持脚部15の高さ調整を可能とする。
他方、管体13の上端部側においては、バルジ加工により、鍔部14が膨出成形されている。
この鍔部14の上には、平座金18を介装して、管体13の上端部を天板16の中央部に設けられた貫通孔に挿通させる。
以上の構成から成る本発明の第1実施形態に係る鋼製束は、管体13を回動させて、或いは、長軸螺子棒12の下端部分を回動させて高さ調整をし、その高さを決定した後、ロック用のナット部材57を工具により締め付けて固定することができるのである。
この図に示した通り、ベース部材11と長軸螺子棒12の下端部とは回動可能にカシメて結合されている。
即ち、長軸螺子棒12の筒状下端部12bを上方に向かって拡開し、押し潰すように成形して、ベース部材11の中央貫通孔の周縁部を遊嵌抱持するように構成している。
図4は、図3に図示した第2実施形態の管体の上端部分の一部切欠拡大説明図である。
この第2実施形態に係る鋼製束20においては、前記第1実施形態とその管体の上端部分の構成が異なる。その他の構成は、前記第1の実施形態と同じである。
即ち、管体13の上端部には、その長手方向長さの短い略筒体形状から成る短管部材23が圧入されている。
従って、この短管部材23の鍔部24の下方部分23dを管体13の上端開口部内に圧入し、その後管体13の外周を圧着して、管体13の壁面を前記環状凹部23h内に圧入させてカシメて固定する。
この第2実施形態においても、鍔部24と天板16との間に平座金18を介装している。
また、その他の構成は、上記第1実施形態と同一であるために、説明は省略する。
ベース部材、支持脚部及び天板のそれぞれのサイズや材質等は種々設計変更可能である。
天板やベース部材の形状も適宜必要に応じて設計変更可能である。
天板は、上記のそれぞれの実施形態において、木材を使用したが、これを金属製の板材で形成しても事情は全く同じである。
管体の上端部に嵌入させる短管部材の鍔部下方の外周面に設けた環状凹部は2以上設けることもできる。
また、図4に示した通り、短管部材の外周面の縦方向(長手方向)にも突条を多数設けて、管体との接合を強固にすることもできる。
同様に、管体の下端部に固定する埋込ナットの外周面に設けた環状凹所も2以上設けることも自由である。
天板の形状も上記実施形態では、平面視略四角形状の平板状のものを使用したが、これを横断面コ字形状のもの、或いは、横断面L字形状のものであってもよく、必要に応じて各種の形態に設計変更して実施することができる。
11 ベース部材
12 長軸螺子棒
13 管体
14、24 鍔部
15 支持脚部
16 天板
17 埋込ナット
18 平座金
19、29 開口端縁部
23 短管部材
23d 下方部分(短管部材の)
23h 環状凹部(短管部材の)
Claims (6)
- 基礎部に載置されるベース部材(11)と、ベース部材(11)から立設する支持脚部(15)と、支持脚部(15)の上端に配備される天板(16)とからなる戸建住宅1階床部を支持する鋼製束(20)において、
支持脚部(15)が、下方の長軸螺子棒(12)とこれに螺合する上方の管体(13)とからなり、
当該管体(13)の上端開口部には、中間部に鍔部(24)を設けた長手方向長さの短い短管部材(23)を圧入し、
且つ、当該管体(13)の下端開口部には、埋込ナット(17)を嵌入固定し、前記長軸螺子棒(12)と螺合し、
長軸螺子棒(12)の下端部はベース部材(11)と回動可能に連結され、天板(16)の略中央部には貫通孔が設けられ、
前記短管部材(23)の上端部を前記天板(16)の貫通孔に挿通させ、前記鍔部(24)に当該天板(16)を載置し、この状態で短管部材(23)の上端縁部を拡開加工して天板(16)を前記鍔部(24)と短管部材(23)の上端の拡開開口端縁部(29)によってカシメて挟持固定したことを特徴とする鋼製束。 - 前記短管部材(23)の鍔部(24)よりも下方部分の肉厚をその上方部分の肉厚よりも厚く形成したことを特徴とする請求項1に記載の鋼製束。
- 短管部材(23)の鍔部(24)下方の外周面の周方向に少なくとも1本の環状凹部(23h) を設け、この短管部材(23)を管体(13)に圧入した後、管体(13)の前記圧入部分を外側からカシメて、前記環状凹部(23h) 内に管体(13)壁面が圧入され、固定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼製束。
- 長軸螺子棒(12)の下端部をベース部材(11)に回動可能にカシメ構造にて連結することにより、天板(16)、支持脚部(15)、及びベース部材(11)の各構成部材の全てがカシメ構造により相互に連結固定されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の鋼製束。
- 前記鍔部(14, 24)と天板(16)との間に平座金(18)を介在させたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の鋼製束。
- 長軸螺子棒(12)にロック用のナット部材(57)を予め螺合させ、長軸螺子棒(12)と管体(13)とからなる支持脚部(15)の高さ調整が完了した後に、このナット部材(57)によって管体(13)と長軸螺子棒(12)との螺合の緩みを防止したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の鋼製束。
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