JP5778965B2 - 保護継電装置の故障検出方法及び保護継電装置 - Google Patents
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デジタル保護継電装置は、系統電圧を所定レベルの信号に増幅したりノイズを除去して出力するアナログ回路部と、前記アナログ回路部からの信号をデジタル処理することによって電力系統の事故を検出するデジタル処理部を備えている。
アナログ回路部が故障した場合には異常な誤動作を発生する恐れがある。したがって、常時監視機能として、アナログ回路部の故障の有無を検出する機能が設けられている。
前述した保護継電装置では、系統電圧を利用して故障を検出する方式であるため、系統電圧を利用できない場合には保護継電装置自身の故障を検出することができないという問題がある。
高調波重畳監視方式では、系統電圧に対応する系統信号と、別途発生した検査用の高調波信号(系統周波数の所定数倍の周波数信号)とを重畳して保護継電装置のアナログ回路部に入力する。フィルタ回路によって系統電圧に対応する信号は除去し、高調波信号のみを取り出す。
前記高調波重畳監視方式では、高調波信号を用いて故障検出するため、系統電圧の有無に拘わらず、保護継電装置の故障を常時監視することが可能になる。
したがって、発電電力の有無に拘わらず、保護継電装置の故障を常時正確に検出することが困難という問題がある。
相互に同一構成されると共に並列接続され所定周波数の信号を増幅して出力する第1、第2アナログ回路に、電力系統の系統電圧に関連する系統信号を入力し、
前記第1、第2アナログ回路の少なくとも一方の出力信号に基づいて、前記第1、第2アナログ回路に前記系統信号が入力されているか否かを判定し、
前記系統信号が前記第1、第2アナログ回路に入力されていると判定した場合には、前記第1、第2アナログ回路の出力信号の差が所定範囲以内のときは前記第1、第2アナログ回路が正常と判定する共に前記第1、第2アナログ回路の出力信号の差が前記所定範囲外のときは前記第1、第2アナログ回路の少なくとも一方が故障と判定し、
前記系統信号が前記第1、第2アナログ回路に入力されていないと判定した場合には、前記系統信号と区別可能な検査用信号を前記第1、第2アナログ回路に入力し、所定範囲以内の信号を出力している前記第1、第2アナログ回路は正常と判定すると共に前記所定範囲外の信号を出力している前記第1、第2アナログ回路は故障と判定することを特徴とする保護継電装置の故障検出方法が提供される。
相互に同一構成されると共に並列接続され、電力系統の系統電圧に関連する系統信号を含む所定周波数の信号を増幅して出力する第1、第2アナログ回路と、
前記系統信号と区別可能な検査用信号を発生する信号発生手段と、
前記系統信号が前記第1、第2アナログ回路に入力されているか否かを判定し、前記系統信号又は前記検査用信号のいずれか一方を前記第1、第2アナログ回路に入力して前記第1、第2アナログ回路が故障か否かを判定し、前記第1、第2アナログ回路の少なくとも一方が故障している場合には装置が故障であることを通知する制御手段とを備えて成ることを特徴とする保護継電装置が提供される。
図1において、101は発電機、102は送電線、103は遮断器、105は本発明の実施の形態に係る保護継電装置である。発電機101は発電や発電停止が切り換えて行われるものであれば、プラントで使用される発電機でもよく又、一般事業者や一般家庭向けの発電機でもよい。発電機101が発電する電力の周波数(系統周波数)は、50Hzあるいは60Hzでもよいが、本実施の形態では50Hzとしている。
第1アナログ回路107は、送電線102の短絡事故等、電力系統の事故を検出するためのアナログ回路である。第1アナログ回路107と並列に設けられた第2アナログ回路108は、アナログ回路107が故障しているか否かを検査するために設けられたアナログ回路である。
第1アナログ回路107の出力部はデジタル処理部109のマルチプレクサ110の第1入力部に接続され、第2アナログ回路108の出力部はマルチプレクサ110の第2入力部に接続されている。また、第3フィルタ回路115の出力部は、マルチプレクサ110の第3入力部に接続されると共に、第1アナログ回路107及び第2アナログ回路108の入力部に接続されている。
マルチプレクサ110は、第1、第2アナログ回路107、108及び第3フィルタ回路115からのアナログ信号を選択的にA/D変換器111に出力する。A/D換器111は、マルチプレクサ110からのアナログ信号をデジタル信号に変換し制御部112に出力する。制御部112は、A/D変換器111の出力信号に対して、後述する処理を行う。
先ず、発電機101が発電している状態において、保護継電装置105が電力系統の事故を検出するときの動作及び保護継電装置105が自身の故障を検出する動作を説明する。
発電機101が発電した電力は、送電線102及び正常時に閉状態にある遮断器103を介して、プラントに配設された各種機器(負荷)に送電される。保護継電装置105には、送電線102を介して系統電圧が入力される。
電力系統に事故が発生すると、入力変換器106に入力される系統電圧が変化し、第1、第2アナログ回路107、108の出力信号のレベルが前記所定範囲外の値となる。この場合も第1、第2アナログ回路107、108の出力信号のレベル差が所定範囲内の場合には、判定部117は第1、第2アナログ回路107、108は正常と判定する。
しかしながら、第1アナログ回路107の出力信号のレベルが前記所定範囲外の値となるため、電力系統に事故が発生したと判定して、出力部113からトリップ出力を発生させて遮断器103を開状態に制御し、発電機101から各種負荷への電力供給を遮断する。
発電機101が発電を停止している状態では、系統電圧に対応する信号が入力変換器106から出力されない。したがって、第1、第2アナログ回路108の双方の出力信号が所定レベル以下となる。よって、第1、第2アナログ回路107、108からマルチプレクサ110及びA/D変換器111を介して制御部112に入力される信号は、各々、所定値以下の電圧となる。
第1、第2アナログ回路107、108に入力された前記検査用信号は、第1、第2アナログ回路107、108を介して、マルチプレクサ110の第1、第2入力部に入力される。
このようにして第1、第2アナログ回路107、108が故障したか否かを検出することができる。
前述したように、判定部121は、第1、第2フィルタ部123、124を所定周期で交互に切り換えながら、第1、第2アナログ回路107、108の出力信号を検出している。したがって、判定部121は、第1、第2アナログ回路107、108から出力される系統周波数の信号を、第1フィルタ部123を介して検出する。
以上のようにして、発電機101が発電中か否かに拘わらず、即ち、系統電圧が存在するか否かに拘わらず、常時、保護継電装置105の故障を検出することが可能になる。
相互に同一構成されると共に並列接続され所定周波数の信号を増幅して出力する第1、第2アナログ回路107、108に、電力系統の系統電圧に関連する系統信号を入力し、
第1、第2アナログ回路107、108の少なくとも一方の出力信号に基づいて、第1、第2アナログ回路107、108に前記系統信号が入力されているか否かを判定し、
前記系統信号が第1、第2アナログ回路107、108に入力されていると判定した場合には、第1、第2アナログ回路107、108の出力信号の差が所定範囲以内のときは第1、第2アナログ回路107、108が正常と判定する共に第1、第2アナログ回路107、108の出力信号の差が前記所定範囲外のときは第1、第2アナログ回路107、108の少なくとも一方が故障と判定し、
前記系統信号が第1、第2アナログ回路107、108に入力されていないと判定した場合には、前記系統信号と区別可能な検査用信号を第1、第2アナログ回路107、108に入力し、所定範囲以内の信号を出力している第1、第2アナログ回路107、108は正常と判定すると共に前記所定範囲外の信号を出力している第1、第2アナログ回路107、108は故障と判定することを特徴とするように構成されている。
ここで、第1アナログ回路107の出力信号が所定範囲外のとき(換言すれば、前記出力信号が電力系統に事故が生じたことを表すとき)、前記電力系統から負荷へ供給する電力を遮断するように構成することができる。
したがって、発電機101が発電中か否かに拘わらず、即ち、系統電圧が存在するか否かに拘わらず、常時、保護継電装置105の故障を検出することが可能になる。
相互に同一構成されると共に並列接続され、電力系統の系統電圧に関連する系統信号を含む所定周波数の信号を増幅して出力する第1、第2アナログ回路107、108と、
前記系統信号と区別可能な検査用信号を発生する信号発生部122と、
前記系統信号が第1、第2アナログ回路107、108に入力されているか否かを判定し、前記系統信号又は前記検査用信号のいずれか一方を第1、第2アナログ回路107、108に入力して第1、第2アナログ回路107、108が故障か否かを判定し、第1、第2アナログ回路107、108の少なくとも一方が故障している場合には装置が故障であることを通知する制御手段とを備えて成ることを特徴としている。
前記系統信号が第1、第2アナログ回路107、108に入力されていると判定した場合には、第1、第2アナログ回路107、108の出力信号の差が所定範囲以内のときは第1、第2アナログ回路107、108が正常と判定すると共に第1、第2アナログ回路107、108の出力信号の差が当該所定範囲外のときは第1、第2アナログ回路107、108の少なくとも一方が故障と判定し、
前記系統信号が第1、第2アナログ回路107、108に入力されていないと判定した場合には、前記検査用信号を第1、第2アナログ回路107、108に供給し、所定範囲以内の信号を出力している第1、第2アナログ回路107、108は正常と判定すると共に当該所定範囲外の信号を出力している第1、第2アナログ回路107、108は故障と判定するように構成することができる。
前記検査用信号は前記系統周波数の所定倍数の高調波信号であり、
前記制御手段は、
第1、第2アナログ回路107、108の少なくとも一方から所定電圧を超える信号が出力されている場合には、第1、第2アナログ回路107、108の出力信号の差が所定範囲以内のときは電力系統と負荷間に設けられた遮断器を閉状態に維持すると共に第1、第2アナログ回路107、108の出力信号の差が所定範囲外のときは装置が故障であることを通知し、
第1、第2アナログ回路107、108のいずれからも所定電圧を超える信号が出力されていない場合には、前記検査用信号を第1、第2アナログ回路107、108に入力して、第1、第2アナログ回路107、108双方の出力信号が所定範囲以内のときは前記遮断器を閉状態に維持すると共に第1、第2アナログ回路107、108の少なくとも一方の出力信号が前記所定範囲外のときは装置が故障であることを通知するように構成することができる。
尚、本実施の形態では、アナログ回路として、2つのアナログ回路107、108を用いた例を説明したが、複数であればいくつでもよい。
102・・・送電線
103・・・遮断器
105・・・保護継電装置
106・・・入力変換器
107・・・第1アナログ回路
108・・・第2アナログ回路
109・・・デジタル処理部
110・・・マルチプレクサ
111・・・A/D変換器
112・・・制御部
113・・・出力部
114・・・D/A変換器
115・・・第3フィルタ回路
116・・・第1増幅回路
117・・・第1フィルタ回路
118・・・第2増幅回路
119・・・第2フィルタ回路
120・・・フィルタ部
121・・・判定部
122・・・信号発生部
123・・・第1フィルタ部
124・・・第2フィルタ部
R1、R2、R3・・・抵抗
A1、A2、A3・・・増幅器
C1、C2・・・コンデンサ
Claims (4)
- 相互に同一構成されると共に並列接続され所定周波数の信号を増幅して出力する第1、第2アナログ回路に、電力系統の系統電圧に関連する系統信号を入力し、
前記第1、第2アナログ回路の少なくとも一方の出力信号に基づいて、前記第1、第2アナログ回路に前記系統信号が入力されているか否かを判定し、
前記系統信号が前記第1、第2アナログ回路に入力されていると判定した場合には、前記第1、第2アナログ回路の出力信号の差が第1所定範囲以内のときは前記第1、第2アナログ回路が正常と判定する共に前記第1、第2アナログ回路の出力信号の差が前記第1所定範囲外のときは前記第1、第2アナログ回路の少なくとも一方が故障と判定し、
前記系統信号が前記第1、第2アナログ回路に入力されていないと判定した場合には、前記系統信号と区別可能な検査用信号を前記第1、第2アナログ回路に入力し、第2所定範囲以内の信号を出力している前記第1、第2アナログ回路は正常と判定すると共に前記第2所定範囲外の信号を出力している前記第1、第2アナログ回路は故障と判定することを特徴とする保護継電装置の故障検出方法。 - 相互に同一構成されると共に並列接続され、電力系統の系統電圧に関連する系統信号を含む所定周波数の信号を増幅して出力する第1、第2アナログ回路と、
前記系統信号と区別可能な検査用信号を発生する信号発生手段と、
前記系統信号が前記第1、第2アナログ回路に入力されているか否かを判定し、前記系統信号又は前記検査用信号のいずれか一方を前記第1、第2アナログ回路に入力して前記第1、第2アナログ回路が故障か否かを判定し、前記第1、第2アナログ回路の少なくとも一方が故障している場合には装置が故障であることを通知する制御手段とを備えて成り、
前記制御手段は、
前記系統信号が前記第1、第2アナログ回路に入力されていると判定した場合には、前記第1、第2アナログ回路の出力信号の差が第1所定範囲以内のときは前記第1、第2アナログ回路が正常と判定すると共に前記第1、第2アナログ回路の出力信号の差が前記第1所定範囲外のときは前記第1、第2アナログ回路の少なくとも一方が故障と判定し、
前記系統信号が前記第1、第2アナログ回路に入力されていないと判定した場合には、前記検査用信号を前記第1、第2アナログ回路に供給し、第2所定範囲以内の信号を出力している前記第1、第2アナログ回路は正常と判定すると共に前記第2所定範囲外の信号を出力している前記第1、第2アナログ回路は故障と判定することを特徴とする保護継電装置。 - 前記制御手段は、前記系統信号が前記第1、第2アナログ回路に入力されていると判定した場合において、前記第1アナログ回路の出力信号を用いて前記電力系統に事故が生じたか否かを判定し、事故が発生したと判定したときは前記電力系統から負荷への電力供給を遮断することを特徴とする請求項2記載の保護継電装置。
- 前記第1、第2アナログ回路は、各々、前記電力系統の系統周波数を含む所定周波数の信号を増幅して通過するように同一に構成され、
前記検査用信号は前記系統周波数の所定倍数の高調波信号であり、
前記制御手段は、
前記第1、第2アナログ回路の少なくとも一方から所定電圧を超える信号が出力されている場合には、前記第1、第2アナログ回路の出力信号の差が第1所定範囲以内のときは電力系統と負荷間に設けられた遮断器を閉状態に維持すると共に前記第1、第2アナログ回路の出力信号の差が前記第1所定範囲外のときは装置が故障であることを通知し、
前記第1、第2アナログ回路のいずれからも所定電圧を超える信号が出力されていない場合には、前記検査用信号を前記第1、第2アナログ回路に入力して、前記第1、第2アナログ回路双方の出力信号が第2所定範囲以内のときは前記遮断器を閉状態に維持すると共に前記第1、第2アナログ回路の少なくとも一方の出力信号が前記第2所定範囲外のときは装置が故障であることを通知することを特徴とする請求項2又は3記載の保護継電装置。
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