JP5777385B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、力学特性、特に引張強度に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
産業革命以降、人類は化石燃料を大量消費することによって、現代社会を築いてきたが、一方で大気中における二酸化炭素濃度を増加させ、さらに、森林破壊等の環境破壊によってこの増加を助長させている。地球温暖化は、大気中の二酸化炭素、フロンやメタンといった温室効果ガスが増加したことが原因とされることから、地球温暖化への寄与率の高い二酸化炭素の大気中濃度を減少させることは極めて重要であり、この排出規制や固定化等の様々な研究が世界規模で行われている。
中でも、井上らによって見出された二酸化炭素とエポキシドとの共重合反応は、地球温暖化問題の解決を担う反応として期待されており、化学的な二酸化炭素の固定といった観点だけでなく、炭素資源としての二酸化炭素の利用といった観点からも盛んに研究されている(非特許文献1参照)。
エポキシドと二酸化炭素との共重合によって得られる脂肪族ポリカーボネートは、透明性を有し、かつ所定温度以上に加熱することで完全に分解するため、一般成形物、フィルム、ファイバーなどの用途に使用できることに加えて、光ファイバー、光ディスクなどの光学材料、あるいはセラミックバインダー、ロストフォームキャスティングなどの熱分解性材料として利用することも可能である。
しかしながら、脂肪族ポリカーボネートの力学性能は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチルなどの汎用樹脂と比較して及ばないレベルであるために、その適用が著しく制限されており、力学強度を高めるため種々の検討がなされている。
例えば、非特許文献2にはポリプロピレンカーボネートに炭酸カルシウムを配合してなる樹脂組成物が記載されている(非特許文献2参照)。また、特許文献1には、ポリエチレンカーボネートとポリメタクリル酸メチルを配合してなる機械的性質に優れたポリカーボネート複合体が記載されている(特許文献1参照)。
Macromolecular Syntheses,Vol.7,p.87(1969) Journal of Polymer Science Part B Polymer Physics、Vol.41,p.1806(2003)
国際公開第WO2010/053110号パンフレット
脂肪族ポリカーボネートの力学強度に関し種々の改良が提案されているが、いずれにおいても満足する性能は得られていない。本発明は、力学特性、特に引張強度に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、ポリプロピレンカーボネートに対して特定の割合の脂環族ポリカーボネートを含むポリカーボネート樹脂組成物が、力学特性、特に引張強度に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
項1. ポリプロピレンカーボネート100質量部に対して20〜70質量部の脂環族ポリカーボネートを含むポリカーボネート樹脂組成物。
項2. 引張強度が30MPa以上である項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
項3. 脂環族ポリカーボネートが、ポリシクロプロピレンカーボネート、ポリシクロブチレンカーボネート、ポリシクロペンテンカーボネート、ポリシクロヘキセンカーボネート、ポリシクロヘプテンカーボネート及びポリシクロオクテンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
本発明にかかるポリカーボネート樹脂組成物は、ポリプロピレンカーボネートと、脂環族ポリカーボネートを特定の割合で含むことにより、引張強度を向上させることが可能である。
本発明にかかるポリカーボネート樹脂組成物は、ポリプロピレンカーボネートと、脂環族ポリカーボネートとを含む樹脂組成物である。
以下、本発明にかかるポリカーボネート樹脂組成物について具体的に説明する。
本発明に用いられるポリプロピレンカーボネートとしては、特に限定されず、例えば、プロピレンオキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で重合反応させて得られるものが挙げられる。
前記金属触媒としては、例えば、アルミニウム触媒、亜鉛触媒等が挙げられる。これらの中でも、プロピレンオキシドと二酸化炭素との重合反応において、高い重合活性を有することから、亜鉛触媒が好ましく用いられ、亜鉛触媒の中でも、有機亜鉛触媒が好ましく用いられる。
前記有機亜鉛触媒としては、例えば、酢酸亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛触媒;一級アミン、2価のフェノール、2価の芳香族カルボン酸、芳香族ヒドロキシ酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸等の化合物と亜鉛化合物とを反応させることにより得られる有機亜鉛触媒等が挙げられる。これらの有機亜鉛触媒の中でも、より高い重合活性を有することから、亜鉛化合物と、脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族モノカルボン酸とを反応させて得られる有機亜鉛触媒が好ましく用いられる。
重合反応に用いられる前記金属触媒の使用量は、プロピレンオキシド100質量部に対して、0.001〜20質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましい。金属触媒の使用量が0.001質量部未満の場合、重合反応が進行しにくくなるおそれがある。また、金属触媒の使用量が20質量部を超える場合、使用量に見合う効果がなく経済的でなくなるおそれがある。
前記重合反応において、プロピレンオキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で反応させる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、オートクレーブに、前記プロピレンオキシド、金属触媒、および必要により反応溶媒を仕込み、混合した後、二酸化炭素を圧入して、反応させる方法が挙げられる。
前記重合反応において必要に応じて用いられる反応溶媒としては、特に限定されるものではなく、種々の有機溶媒を用いることができる。前記有機溶媒としては、具体的には、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロメタン、メチレンジクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、エチルクロリド、トリクロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、クロルベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
前記反応溶媒の使用量は、反応を円滑にさせる観点から、プロピレンオキシド100質量部に対して、300〜10000質量部であることが好ましい。
前記重合反応において用いられる二酸化炭素の使用圧力は、特に限定されないが、通常、0.1〜20MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましく、0.1〜5MPaであることがさらに好ましい。二酸化炭素の使用圧力が20MPaを超える場合、使用圧力に見合う効果がなく経済的でなくなるおそれがある。
前記重合反応における重合反応温度は、特に限定されないが、30〜100℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。重合反応温度が30℃未満の場合、重合反応に長時間を要するおそれがある。また、重合反応温度が100℃を超える場合、副反応が起こり、収率が低下するおそれがある。重合反応時間は、重合反応温度により異なるために一概にはいえないが、通常、2〜40時間であることが好ましい。
重合反応終了後は、ろ過等によりろ別し、必要により溶媒等で洗浄後、乾燥させることにより、ポリプロピレンカーボネートを得ることができる。
本発明に用いられるポリプロピレンカーボネートの数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,000,000であり、より好ましくは10,000〜500,000である。ポリプロピレンカーボネートの数平均分子量が5,000未満の場合、得られるポリカーボネート樹脂組成物の引張強度が低下するおそれがある。また、ポリプロピレンカーボネートの数平均分子量が1,000,000を超える場合、ポリプロピレンカーボネートを溶剤へ溶解させた際、粘度が上昇し取り扱い性が悪くなるおそれがある。なお、数平均分子量は、後述の方法により測定した値である。
本発明に用いられる脂環族ポリカーボネートとしては、特に限定されず、例えば、エポキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で重合反応させて得られるものが挙げられる。
前記エポキシドとしては、二酸化炭素と重合反応して主鎖に脂環族を含む構造を有する脂環族ポリカーボネートとなるエポキシドであれば特に限定されず、例えば、シクロプロピレンオキシド、シクロブチレンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド等が挙げられる。これらのエポキシドの中でも、二酸化炭素との高い重合反応性を有する観点から、シクロヘキセンオキシドが好適に用いられる。なお、これらのエポキシドは、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記金属触媒としては、例えば、アルミニウム触媒、亜鉛触媒等が挙げられる。これらの中でも、エポキシドと二酸化炭素との重合反応において、高い重合活性を有することから、亜鉛触媒が好ましく用いられ、亜鉛触媒の中でも、有機亜鉛触媒が好ましく用いられる。
前記有機亜鉛触媒としては、例えば、酢酸亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛触媒;一級アミン、2価のフェノール、2価の芳香族カルボン酸、芳香族ヒドロキシ酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸等の化合物と亜鉛化合物とを反応させることにより得られる有機亜鉛触媒等が挙げられる。これらの有機亜鉛触媒の中でも、より高い重合活性を有することから、亜鉛化合物と、脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族モノカルボン酸とを反応させて得られる有機亜鉛触媒が好ましく用いられる。
重合反応に用いられる前記金属触媒の使用量は、エポキシド100質量部に対して、0.001〜20質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましい。金属触媒の使用量が0.001質量部未満の場合、重合反応が進行しにくくなるおそれがある。また、金属触媒の使用量が20質量部を超える場合、使用量に見合う効果がなく経済的でなくなるおそれがある。
前記重合反応において、エポキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で反応させる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、オートクレーブに、エポキシド、金属触媒、および必要により反応溶媒を仕込み、混合した後、二酸化炭素を圧入して、反応させる方法が挙げられる。
前記重合反応において必要に応じて用いられる反応溶媒としては、特に限定されるものではなく、種々の有機溶媒を用いることができる。前記有機溶媒としては、具体的には、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロメタン、メチレンジクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、エチルクロリド、トリクロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、クロルベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
前記反応溶媒の使用量は、反応を円滑にさせる観点から、エポキシド100質量部に対して、300〜10000質量部であることが好ましい。
前記重合反応において用いられる二酸化炭素の使用圧力は、特に限定されないが、通常、0.1〜20MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましく、0.1〜5MPaであることがさらに好ましい。二酸化炭素の使用圧力が20MPaを超える場合、使用圧力に見合う効果がなく経済的でなくなるおそれがある。
前記重合反応における重合反応温度は、特に限定されないが、30〜100℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。重合反応温度が30℃未満の場合、重合反応に長時間を要するおそれがある。また、重合反応温度が100℃を超える場合、副反応が起こり、収率が低下するおそれがある。重合反応時間は、重合反応温度により異なるために一概にはいえないが、通常、2〜40時間であることが好ましい。
重合反応終了後は、ろ過等によりろ別し、必要により溶媒等で洗浄後、乾燥させることにより、脂環族ポリカーボネートを得ることができる。
本発明に用いられる脂環族ポリカーボネートの数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,000,000であり、より好ましくは10,000〜500,000である。脂環族ポリカーボネートの数平均分子量が5,000未満の場合、得られるポリカーボネート樹脂組成物の引張強度が低下するおそれがある。また、脂環族ポリカーボネートの数平均分子量が1,000,000を超える場合、脂環族ポリカーボネートを溶剤へ溶解させた際、粘度が上昇し取り扱い性が悪くなるおそれがある。なお、数平均分子量は、後述の方法により測定した値である。
前記脂環族ポリカーボネートの使用量としては、前記ポリプロピレンカーボネート100質量部に対して20〜70質量部であり、25〜65質量部であることがより好ましい。
本発明にかかるポリカーボネート樹脂組成物は、後述する測定方法で測定された引張強度が30MPa以上であることが好ましい。
本発明にかかるポリカーボネート樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレンカーボネートと脂環族ポリカーボネートとを粉体同士で混合する方法、ポリプロピレンカーボネートと脂環族ポリカーボネートとを溶融混練する方法、ポリプロピレンカーボネートと脂環族ポリカーボネートとを溶媒等に溶解させて混合した後、前記溶媒を除去する方法等が挙げられる。これらの製造方法の中でも、組成物の製造が容易で、かつ均一な組成物を得ることができるという観点から、ポリプロピレンカーボネートと脂環族ポリカーボネートとを溶媒等に溶解させて混合した後、前記溶媒を除去する方法が好適に用いられる。
以下、ポリプロピレンカーボネートと脂環族ポリカーボネートとを溶媒等に溶解させて混合した後、前記溶媒を除去する方法についてより詳しく説明する。
前記溶媒としては、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン、ニトロトルエン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの中でも、安価で溶媒除去が容易であるという観点から、アセトン、クロロホルムが好適に用いられる。なお、これらの溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記溶媒の使用量としては、ポリプロピレンカーボネート100質量部に対して、好ましくは200〜10000質量部であり、より好ましくは500〜5000質量部である。溶媒の使用量が200質量部未満の場合、樹脂が完全に溶解せず、不均一な組成物となるおそれがある。溶媒の使用量が10000質量部を超える場合、溶媒除去が困難になる。
前記溶媒を除去する方法としては、蒸留、加熱乾燥、送風乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。これらの中でも、操作が容易で残存溶媒が少ないといった観点から、減圧乾燥が好適に用いられる。
前記溶媒を除去する方法に用いられる装置としては、特に限定されず、溝型乾燥機、棚段乾燥機、コニカル乾燥機等があげられる。これらの中でも、操作が簡便で安価であるという観点から溝型乾燥機が好適に用いられる。
以下に、製造例、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[評価]
製造例により得られたポリプロピレンカーボネートおよび脂環族ポリカーボネートの数平均分子量、実施例および比較例により得られたポリカーボネート樹脂組成物の引張強度を以下の方法により測定し、評価した。
(1)数平均分子量測定
ポリプロピレンカーボネートもしくは脂環族ポリプロピレンカーボネート濃度が0.5質量%のクロロホルム溶液を調製し、高速液体クロマトグラフを用いて測定した。同一条件で測定した数平均分子量が既知のポリスチレンと比較することにより、分子量を算出した。なお、測定条件は、以下の通りである。
機種:HLC−8020(東ソー株式会社製)
カラム:GPCカラム
(東ソー株式会社の商品名、TSK GEL Multipore HXL−M)
カラム温度:40℃
溶出液:クロロホルム
流速:1mL/分
(2)引張試験用サンプルの製造
厚さ0.6mmのアルミ製の型枠にポリカーボネート樹脂組成物約7.0gを量り取り、ペットシートさらにステンレス板で挟み、Tg以上に加熱したプレス装置に入れ、5.0〜10.0MPaの圧力で約3分間プレスした。プレス後、余熱を取り去るため、室温以下に冷却されたプレス装置に入れ、0.5〜1.0MPaの圧力で約1分間プレスすることで透明な引張試験用サンプルを得た。
(3)引張強度測定
引張試験機(AGS−J:島津製作所製)を用いて、引張強度を測定した。なお、測定条件は、以下の通りである。
サンプル形状:JIS2号小型ダンベル
サンプル厚さ:0.6mm
測定温度:24℃
引張速度:50mm/分
[製造例1](有機亜鉛触媒の製造)
攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管を備えた300mL容の四つ口フラスコに、酸化亜鉛8.1g(100ミリモル)、グルタル酸12.7g(96ミリモル)、酢酸0.1g(2ミリモル)およびトルエン130g(150mL)を仕込んだ。次に、反応系内を窒素雰囲気に置換した後、55℃まで昇温し、同温度で4時間攪拌して反応させた。その後、110℃まで昇温し、さらに同温度で4時間攪拌して共沸脱水させ、水分のみを除去した後、室温まで冷却して、有機亜鉛触媒を含む反応液を得た。
この反応液の一部を分取し、ろ過して得た有機亜鉛触媒について、IRを測定(サーモニコレージャパン株式会社製、商品名:AVATAR360)した結果、カルボン酸基に基づくピークは認められなかった。
[製造例2](ポリプロピレンカーボネートの製造)
攪拌機、ガス導入管、温度計を備えた1L容のオートクレーブの系内をあらかじめ窒素雰囲気に置換した後、製造例1により得られた有機亜鉛触媒を含む反応液8.0mL(有機亜鉛触媒を1.0g含む)、ヘキサン131g(200mL)、プロピレンオキシド46.5g(0.80モル)を仕込んだ。次に、攪拌下、二酸化炭素を加え、反応系内を二酸化炭素雰囲気に置換し、反応系内が1.5MPaとなるまで二酸化炭素を充填した。その後、60℃に昇温し、反応により消費される二酸化炭素を補給しながら6時間重合反応を行なった。
反応終了後、オートクレーブを冷却して脱圧し、ろ過した後、減圧乾燥してポリプロピレンカーボネート80.8gを得た。得られたポリプロピレンカーボネートの数平均分子量は、52,000であった。
[製造例3](ポリシクロヘキセンカーボネートの製造)
製造例2においてプロピレンオキシド46.5g(0.80モル)に代えてシクロヘキセンオキシド78.5g(0.80モル)を用いた以外は製造例2と同様にしてポリシクロヘキセンカーボネート70.4gを得た。得られたポリシクロヘキセンカーボネートの数平均分子量は、28,000であった。
[製造例4](ポリエチレンカーボネートの製造)
製造例2においてプロピレンオキシド46.5g(0.80モル)に代えてエチレンオキシド68.4g(0.80モル)を用いた以外は製造例2と同様にしてポリエチレンカーボネート78.4gを得た。得られたポリエチレンカーボネートの数平均分子量は、54,000であった。
[実施例1]
1,000mL容のガラス製ビーカー(直径100mm×高さ150mm)に、製造例2と同様の方法により得られたポリプロピレンカーボネート50g、製造例3と同様の方法により得られたポリシクロヘキセンカーボネート12.5g、アセトン500gを仕込み、アセトンに溶解させて混合した。その後、50℃、300Paの条件下で、ビーカー内のアセトンを留去し、透明のポリカーボネート樹脂組成物60.3gを得た。
得られたポリカーボネート樹脂組成物の引張強度測定を行ったところ、引張強度は32.5MPaであった。
[実施例2]
実施例1において、ポリシクロヘキセンカーボネートの量を21.5gに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂組成物67.8gを得た。
得られたポリカーボネート樹脂組成物の引張強度測定を行ったところ、引張強度は38.1MPaであった。
[実施例3]
実施例1において、ポリシクロヘキセンカーボネートの量を32.5gに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂組成物78.4gを得た。
得られたポリカーボネート樹脂組成物の引張強度測定を行ったところ、引張強度は31.1MPaであった。
[比較例1]
製造例2と同様の方法により得られたポリプロピレンカーボネート単独の引張強度測定を行ったところ、引張強度は17.9MPaであった。
[比較例2]
実施例1において、ポリシクロヘキセンカーボネートの量を5.5gに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂組成物52.3gを得た。
得られたポリカーボネート樹脂組成物の引張強度測定を行ったところ、引張強度は23.0MPaであった。
[比較例3]
実施例1において、ポリシクロヘキセンカーボネートの量を50.0gに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂組成物97.6gを得た。
得られたポリカーボネート樹脂組成物の引張強度測定を行ったところ、引張強度は25.8MPaであった。
[比較例4]
実施例1において、ポリプロピレンカーボネート50.0gに代えて、ポリエチレンカーボネート50.0gを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂組成物59.3gを得た。
得られたポリカーボネート樹脂組成物の引張強度測定を行ったところ、引張強度は4.3MPaであった。
[比較例5]
実施例2において、ポリプロピレンカーボネート50.0gに代えて、ポリエチレンカーボネート50.0gを用いた以外は実施例2と同様にして、ポリカーボネート樹脂組成物68.9gを得た。
得られたポリカーボネート樹脂組成物の引張強度測定を行ったところ、引張強度は6.0MPaであった。
実施例1〜3から明らかなように、本発明にかかるポリカーボネート樹脂組成物は、引張強度に優れている。これに対し、比較例1〜3では、脂環族ポリカーボネートを特定の割合で含んでいないため、引張強度を向上させることができない。また、比較例4および5から明らかなように、本発明の効果は、ポリプロピレンカーボネートに特有のものであり、ポリエチレンカーボネートでは、その目的を達成することはできない。

Claims (2)

  1. ポリプロピレンカーボネート100質量部に対して20〜70質量部の脂環族ポリカーボネートを含むポリカーボネート樹脂組成物であって、
    脂環族ポリカーボネートがポリシクロヘキセンカーボネートである、ポリカーボネート樹脂組成物
  2. 引張強度が30MPa以上である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
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