JP5777174B2 - 液体の輸送方法と液体の供給装置及び細胞培養装置 - Google Patents

液体の輸送方法と液体の供給装置及び細胞培養装置 Download PDF

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Description

本発明は、流路を用いて液体を輸送する際、流路途中に圧力差を用いた流量調整機構を設けることにより、所定の流量で液体を連続的に輸送する技術に関するものである。
特に、細胞(例えば、IPS細胞、ES細胞、体外受精胚や体細胞クローン胚などの胚)を培養する際に、電力を必要とする設備を用いることなく、所定の流量で培養液を連続的に輸送する技術に関するものである。
従来、液体を所定流量で輸送する手段としては、動力を使用する方法と動力を用いない方法とがあるが、前者を用いる場合が多い。
前者においてはシリンジポンプを用いる方法あるいはチューブポンプを用いる方法等がある。
シリンジポンプを用いる場合は、例えば図9に示すようにシリンジポンプ63を構成するシリンジ筒部61に液体を入れ、シリンジ押子62を機械的に前後させることにより液体を正確に送り出すものである
一方、後者においては例えば図10に示すように装置71はタンク72と液位差保持機構73より構成されている。液体76を収容するタンク72に液体76を取り出すための液位差保持機構73が収納されており、液体の液面と液位差保持機構73に設けられた液体取出管74の高さ位置との液面差を一定に保った状態で液体を取り出すことによる液体の定量供給装置がある。
特開2007−306991号 特開2002−370799号
しかしながら、シリンジポンプ等を用いた場合、例えば停電になった場合を想定してバックアップの外部電源を準備する必要が生じる場合があるのに加えてポンプを駆動するためのモーターに必要な消費電力は大きいという欠点がある。
特に医療用途では患者の生命に直接関わるため、万が一の停電でも作動を続けることが絶対条件であるのでポンプのバックアップ体制ないしはバックアップ電源の準備は必須となるのに加え、消費電力が大きいことはコスト面からも課題となる。
また液体を輸送する環境雰囲気がシリンジポンプ、チューブポンプを代表とする送液ポンプあるいは送液ポンプを駆動するためのモーターやボールネジ等ならびにそれらの制御機構の動作環境に適さない、たとえば高温であったり、高湿度であったりあるいは腐食雰囲気の環境の場合、環境に合致する仕様を有する送液ポンプまたはその駆動のための部品を用いなければならず、これによるコストアップも問題である。
あるいは、送液ポンプまたはその駆動のための部品を液体輸送の環境雰囲気の外に持ち出してこれらを配置することがあるが、設置スペースの増加、配線や配管の煩瑣化は避けられない。
一方、動力を用いない図7の方法は液体量を多く必要とする方式であるため、特に微量の液体供給には採用しづらいという問題がある。
ここで、細胞を培養する場合においても、培養液の供給手段としては上記のような電力を用いたポンプなどを用いているのが現状である。
従って、このような細胞の培養においても、電源の喪失によるリスク、コストアップ、設備の煩瑣化などの問題が存在していることになる。特に、体外受精胚や体細胞クローン胚などの中には数個しか採取できないような極めて貴重な細胞があることから、このような細胞を確実に培養するためにも電源の喪失によるリスクへの対策は重要な課題となっている。
本発明は上記の問題点や課題に鑑みてなされたものであり、外部動力を極力少なくして液体を所定流量で輸送する手段を提供することを目的とするものである。
特に、細胞(例えば、IPS細胞、ES細胞、体外受精胚や体細胞クローン胚などのような胚)を培養する場合において、培養液を連続的に輸送する有用な手段を提供することを目的とするものである。
本発明に係る液体供給装置は上記目的を達成するために水頭圧を用いて液体を輸送するのに加えて、
液体の入口および出口と、
前記入口から前記出口まで設けられた流路と、
前記流路の途中に設けられ、左右の壁が弾性体膜で形成された隘路と、
前記隘路より上流側で前記流路から分岐し、
一方は突き当りが前記隘路の前記左側の壁になるまで延設され、
他方は突き当りが前記隘路の前記右側の壁になるまで延設された
2本の副流路を有することを特徴とする。
その一例として、水頭圧を得るために設けられたリザーバーより流路を経由して隘路に至る液体を輸送する経路において、リザーバーより流路につながる直前ないしは隘路に至るまでの流路の途中に少なくとも1か所の副流路が分岐しており、同副流路は袋小路となって隘路とは概直角方向に壁面を介して接している。副流路を満たす液体の水圧と流路中を流れる液体が隘路において副流路と隔てられる壁面に及ぼす圧力の差としての圧力差に従って隔てられた壁面の少なくとも一部が移動ないしは変形することにより、隘路を流れる液体の単位時間当たりの流量を所定流量とする輸送方法がある。
本発明は、水頭圧を用いて液体を輸送するのに加えて、流路の一部に流量調整機構を有する隘路が設けられており、外部より加わる圧力に応じて流量調整機構が作用することにより、通過する液体の単位時間当たり流量を所定流量となるようにするという特徴がある。
送液ポンプ等の駆動機構を使用することがないため、消費電力が少ないかあるいは動力源そのものが不要となる。
従って、たとえ電力が必要となる場合でもコンパクトなバッテリーのみを装備するだけでよく、駆動エネルギーを供給するための配線等の供給経路が不要であるとともに停電等の不測の事態によるエネルギー供給停止による液体の輸送停止の恐れがないという特長がある。
また、段落[0018]〜[0020]に記載した効果が発現することから、細胞(例えば、IPS細胞、ES細胞、体外受精胚や体細胞クローン胚などのような胚)を培養する場合においても電源の喪失によるリスクや設備の煩瑣化の問題を解決することができる。
本発明を実施するための形態のひとつであり、水頭圧により液体を輸送する原理図である(図1(a)は水頭圧が高い状態を表し、図1(b)は水頭圧が低い状態を表す)。 本発明を実施するための形態のひとつであり、圧力差を受けて隘路の一部に流路の調整機能を有するピストンを備えた流量調整機構を示す断面図である(図2(a)は圧力差が大きい状態を表し、図2(b)は圧力差が小さい状態を表す)。 本発明を実施するための形態のひとつであり、圧力差を受けて隘路の一部に流路の調整機能を有する弾性体膜を備えた流量調整機構を示す断面図である(図3(a)は圧力差の大きい状態を表し、図3(b)は圧力差が小さい状態を表す)。 本発明を実施するための形態のひとつであり、リザーバー部分を切り離して流量調整機構の部分のみを1個のチップとする場合の平面図である(図4(a)は圧力差の大きい状態を表し、図4(b)は水頭圧が小さい状態を表す)。 本発明を実施するための形態のひとつであり、チップ化された流量調整機構を示す図である(図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A‘断面図である)。 図5に示した機構の別の形態を示す図である(図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)のB−B‘断面図である)。 図5に示した機構のさらに別の形態を示す図である(図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)のC−C‘断面図である)。 図6に示した培養装置を用いた際の液体の流量を示すグラフである。 従来技術であるシリンジポンプの外観斜視図である。 従来技術である液体の定量供給装置を示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の実態を具体的に説明する。
本発明は水頭圧により液体を輸送するものであり、図1はその原理を示す図である。
少なくとも1か所の吐出開口部1を備えた容器3に液体2を所定量入れて吐出開口部1より液体2を取り出すものである。
図1(a)は水頭圧が高い状態であり、水頭高さH1において吐出開口部1での吐出圧力をP1、吐出される液体の単位時間当たり流量V1とする。一方、図2(b)は水頭圧の低い状態であり、水頭高さをH2、吐出開口部1での吐出圧力をP2、吐出される液体の単位時間当たり流量をV2とすると、H1>H2であるためP1>P2となり、水頭圧の減少に伴って単位時間当たり流量は徐々に減少してV1>V2となる。
つまり、水頭圧が下がれば単位時間当たりの流量は減少し、期待する流量を得ることはできない。
そこで水頭圧を用いて、なおかつ単位時間あたり所定流量の液体を供給することが可能な液体の輸送方法を考案した。
図2は液体を輸送する際、単位時間あたりの流量を所定流量とする流量調整機構の一例を示す。
すなわち、容器102とピストン109から構成される液体供給装置101において、液面110を有する液体111は液体を供給するリザーバー103から流路105、そしてさらに断面積が小さくなる隘路106を通って出口107にて外部に流れ出すのに対して、流路103より副流路108が分岐し、隘路106においてピストン109を介して接する構造をなしている。
図2(a)に示すように、ピストン109は副流路108の壁面112にすきまなくはめこまれており、副流路108からの液体111による水圧PSと流れる液体がピストン下面において上向きに及ぼす圧力PIとの差である圧力差(PS−PI)に従ってなめらかに上下する構造をなしており、ピストン109は下向きに押し込まれて、隘路106はすきまがWとなるまで移動して液体の流量が絞られる。
時間の経過により液体が出口107を経て流れ出た結果、図2( b)に示すように、液面110は低下してその結果水圧は低下してPS’となり、一方液体がピストン下面において上向きに及ぼす圧力はPI’まで低下することにより、ピストン109に加わる圧力差は(PS’−PI’)と図2(a)に比べて相対的に小さくなる。すると、ピストン109は上垂直方向に移動して、その結果隘路106におけるすきまが当初に比べて広がりW’となることにより隘路106で液体は流れ易くなる。
その結果、圧力PIが小さくなることに起因する液体の流量減少分と隘路においてすきまWが広がることによる液体の流量回復分とのバランスにより単位時間あたりの流量が所定流量となるように流路ならびに隘路の構造を最適化設計することができる。
図2の例においては、流量調整機構としてピストンを挙げたが、これ以外に栓、ピン、浮子を使用することもできる。
単位時間あたりの流量を所定流量とする流量調整機構のもうひとつの一例を図3に示す。
すなわち図3は、図2におけるピストン109を弾性体膜113に置き換えた構造をなす。
図3(a)及び図3(b)に示すように、弾性体膜113はピストン109と同じく圧力差の大きい状態では大きく変形して、隘路106におけるすきまは狭まってWとなり、隘路106を通過する液体の流れを阻害する。
また、ピストン109と同様に圧力差が小さくなることにより膜113は変形を回復して隘路106におけるすきまは広がってW’となり、液体の流れ阻害は緩和される。
しかしながら、図2及び図3において示す例はリザーバー103を内蔵した構造をなすもので、水頭圧を得るために高さ方向に大きなスペースを必要とするという問題点がある。
これを解決するためにリザーバー部分を切り離して、所定流量の液体を供給する機構のみを平面的に配置したチップとし、必要なリザーバーは別の場所に取り付ける方法あるいは液体の供給口を通じて水頭圧以外の手段にて圧力を加える方法が考えられる。
前者の方法にもとづいた単位時間あたり所定流量の液体を供給する機構の一例を図4に示す。
まず、図4に記載の液体を供給する装置33は、流路30と、流路30から分岐する副流路36が設けられている構造となっている。流路30には入口32と出口31の途中に隘路34が設けられており、隘路34は向かい合う1対の弾性体膜35を介して1対の副流路36と接する構造となっている。
図4(a)に示すように、液体は入口32から隘路34を通って出口31より流れ出る構造となっており、副流路36側から弾性体膜35に加わる静水圧PSと流路30側より弾性体膜35に加わる圧力PIの差である圧力差(PS−PI)によって形成されるすきまAの間を液体が流れ、このとき単位時間当たりの流量Vの液体が出口31より流れ出る。なお、出口31は外界に対して開いているので液体の出口31での出口圧POはゼロである。
副流路36の断面積が十分大きく、水流抵抗が無視できる場合、静水圧PSはリザーバーの液面と弾性体膜35との高度差による水頭圧に等しいのに対して流路30を流れる液体は流路30における水流抵抗が減じて隘路34に達する際には圧力はPIとなっており、圧力差(PS−PI)により弾性体膜35が変形してすきまAを形成する。
圧力差が小さいときは、隘路34のすきまは狭くなってAとなり流量は絞られるのに対して、圧力差が小さくなるに従って図4(b)に示すように隘路34のすきまは広がってA’となり、液体は流れ易くなる。
すなわち液体が連続的に流れ出ることにより、圧力PIが時々刻々変化して当初に比べΔPだけ低くなった場合、圧力PI’=PI−ΔPとなるが出口側圧力はPO’=0で変わりはない。
一方液体が流れ出ることでリザーバーでの液体の液面は低下するため水頭圧は低下し、したがって水圧PSも低下してPS’となり圧力差は(PS’−PI’)となるが(PS’−PI’)<(PS−PI)であるので弾性体膜35の流路側への変形は緩和されてすきまは広がってA’となる。このとき隘路34を経て出口31より流れ出る液体の流量が当初と同じVとなるようにあらかじめ流体解析あるいは実験の少なくとも一方を用いて流路、副流路の配置や構造などを設計することにより、所望する単位時間当たり所定流量の液体を連続的に供給する機構を形成することができる。
なお、液体を補給するなどの理由によりリザーバーでの液体の液面が上昇すれば水頭圧は増加するので、水圧PSも増加してPS”となる。このときPIもPI”= PI+ΔPとなるので、圧力差は(PS”−PI”)となるが(PS”−PI”)>(PS−PI)であるので弾性体膜35の流路側への変形は大きくなってすきまはさらに狭まってA”となるが、流れの阻害増加とPIの増加による流量増とのバランスにより、単位時間当たり所定流量の液体を連続的に供給する機構を形成することができる。
なお、弾性体膜35の感度及び応答性を高めるためには圧力差(PS−PI)を大きくすることが有効である。
ここで、このような圧力差を大きくする手段として、流路の全部または一部に水流抵抗調整手段を設けることが有効である。そしてこのような水流抵抗調整手段としては、例えば、1)リザーバーから副流路が分岐する以降かつ隘路に至るまでの流路において流路をジグザグ状に長くする、2)流路の断面積を副流路の断面積よりも小さくする、3)流路の表面積は変更せずに流路の深さを変更する、4)流路を構成する壁面に凹凸をつけて表面積を大きくする、5)流路中に障害物を設置する、6)液体の流れに対して抵抗性の高い材料にて流路を形成する、などの手段が挙げることができる。ここで、水流抵抗調整手段に1)に記載した手段を採用する場合には、後記する図6や図7のように流路の屈曲する回数などを調整することによって、所望する圧力差を得ることができる。
また、弾性体膜35としては天然ゴム、合成ゴム、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂の少なくともいずれかを含む材料から構成されることが望ましく、これらは装置33を構成する材料としても用いることができ弾性体膜35を含む装置33を一体で作成できるという点で利便性がある。あるいは、弾性体膜35を栓、ピン、ピストン、ねじのうちの少なくともいずれかにて置き換えることも、超弾性金属、形状記憶合金、形状記憶プラスチックの少なくともいずれかにて置き換えることもできる。
次に、単位時間あたり流量を所定流量として液体を供給する機構のもうひとつの一例を図5に示す。
図5(a)に示す通り、液体を供給する装置401を構成する部品としてのチップ402において、輸送すべき液体はリザーバーに直結して開口部403に至り副流路406と分岐したあと流路入口404より流路405へと流入し、両側壁面が弾性体膜407より構成される隘路408に至り、液体の出口409を経て外に流れ出る構造となっているが、副流路406は袋小路となっていて、袋小路の行き止まり部分は弾性体膜407を介して隘路408に接する構造をなしている。
また図5(b)に示す通り、チップ402には、流路構造を閉空間とするためのプレート410を貼りつけることにより液体を供給する装置401が完成する。なお、必要に応じて開口部403にリザーバーを連結してもよいし、流れ出た液体を次工程に送る機構と連結するのもよい。
プレート410は視認性確保のためにガラス板、透明の樹脂板とするのもよい。
なお、図5は1種類の液体を輸送する例であるが、供給口ないしはリザーバーを複数個所設けることにより同時に複数種類の液体を供給することもできる。
チップ402は同一の材料からなる一体品とするのもよいが、例えば弾性体を材料とする場合は天然ゴム、合成ゴム、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂の少なくともいずれかを含む材料とすることが望ましい。
もとより弾性体膜407を除くチップ402を構成する材料と弾性体膜407を構成する材料とを異なる材料とすることは全く差し支えないが、この場合弾性体膜407としては天然ゴム、合成ゴム、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂の少なくともいずれかを含む弾性体材料を用いることが望ましい。
あるいは超弾性金属、形状記憶合金、形状記憶プラスチック、繊維をはじめとする伸縮体の少なくともいずれかを用いることができる。
また、栓、ピン、ピストン、浮子のうちの少なくともいずれかを使用することも差し支えない。
次に、図5に示した機構を細胞の培養装置として用いた場合の形態を図6および図7に示す。
図6および図7に示す培養装置501(501a、501b)は、図5の機構の流路と副流路の形状を変更したのに加え、培養液を貯蔵するリザーバータンク502、細胞を収納するウェル503、廃液口504を追加した構造となっている。なお、図7に示す培養装置は、図6に示す培養装置における副流路505の形状を変更したものである。
具体的には、リザーバータンク502を、高さを持つ筒状とすることによって、大きな水頭圧を得る構造となっている。また、流路506については略直角に屈曲するジグザク状とし、断面積を副流路の断面積よりも小さくした構造となっている。副流路505については、袋小路の行き止まり部分が弾性体膜506(壁面)を介して隘路507と略直角方向に接している構造となっている。さらに、隘路507と廃液口504との間には培養したい細胞などを収納するウェル503が設けられている構造となっている。
そして、図6および図7に示す培養装置501(501a、501b)についても、段落[0030]〜[0033]において記載した動作と同じ動作を行うことから、隘路507の出口から所定の流量の培養液を吐出することができ、その結果、電力を用いた外部動力を用いることなく常に新鮮な培養液を細胞に供給することができることになる。特に、体外受精胚や体細胞クローン胚などの中には数個しか採取できないような極めて貴重な細胞があることから、このような細胞に常に新鮮な培養液を供給することができ、その結果、これらの細胞を確実に培養することができることになる。
なお、図6および図7に示す培養装置は、以下の寸法となっているがこれに限定されるものではなく、培養する細胞や培養液の種類、必要とされる培養液の量などに応じて適宜変更することができる。
全長:25mm
全幅:6mm
流路508の形状および寸法:幅0.06mm×深さ0.1mmの四角筒形状
副流路505の形状および寸法:幅0.4mm×深さ0.1mmの四角筒形状
リザーバータンク502の形状および寸法:内径8mm×高さ30mmの円筒形状
弾性体膜506(壁面)の厚み:0.01mm
弾性体膜506で形成される隘路507のすきま(培養液がない状態):0.02mm
次に、図6に示す培養装置501の流量調整能力について評価を行った。具体的には、以下の方法によって評価した。
1)まず、図6の培養装置のリザーバータンク502に水(培養液を想定)を充填した。
2)次に、水の上に流動パラフィンを注ぎ込むことによって、水面の上層に水の蒸発を防止するための流動パラフィン層を形成した。
3)最後に、廃液口504を開放し、水が輸送されるに従って低下していく水面の高さ(h)をレーザ変位計(キーエンス社製:LK−G30)にて測定することによって流量調整能力の評価を行った。結果を図8に示す。
図8から、時間の経過と水面の変位とが直線関係(比例関係)となっていることがわかる。
従って、本発明の培養装置は、リザーバータンク502内の水が少なくなることによって水頭圧が低下する場合でも、隘路507のすきまが適宜調整される流量調整機構を有していることから、常に所定流量の水(培養液)を細胞に供給することができるものであることがわかった。
401 液体供給装置
402 チップ
403 開口部
404 流路入口
405 流路
406 副流路
407 弾性体膜
408 隘路
409 流路出口
410 プレート

Claims (14)

  1. 液体の入口および出口と、
    前記入口から前記出口まで設けられた流路と、
    前記流路の途中に設けられ、左右の壁が弾性体膜で形成された隘路と、
    前記隘路より上流側で前記流路から分岐し、
    一方は突き当りが前記隘路の前記左側の壁になるまで延設され、
    他方は突き当りが前記隘路の前記右側の壁になるまで延設された
    2本の副流路を有することを特徴とする液体供給装置。
  2. 前記2本の副流路が同一水平面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載された液体供給装置。
  3. 前記弾性体膜は、天然ゴム、合成ゴム、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂の少なくともいずれかを含む材料により構成されることを特徴とする請求項1または2の何れかの請求項に記載された液体供給装置。
  4. 前記流路は前記副流路の分岐点より下流から、前記隘路までの間で、水流抵抗調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかの請求項に記載された液体供給装置。
  5. 前記水流抵抗調整手段が、前記流路をジグザグ状に長くしたものであることを特徴とする請求項4に記載された液体供給装置
  6. 前記水流抵抗調整手段が、前記流路の断面積を前記副流路の断面積よりも小さくしたものであることを特徴とする請求項4に記載された液体供給装置
  7. 前記水流抵抗調整手段が、前記流路の壁面に凹凸をつけて表面積を大きくしたものであることを特徴とする請求項4に記載された液体供給装置
  8. 前記水流抵抗調整手段が、前記流路中に障害物を設けたものであることを特徴とする請求項4に記載された液体供給装置
  9. 前記入口の上流に液体供給手段がさらに設けられたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかの請求項に記載された液体供給装置
  10. 請求項1乃至9の何れかの請求項に記載された液体供給装置と、前記液体供給装置の前記出口よりも下流に配されたウエルと、前記ウエルよりもさらに下流に配された廃液口を有することを特徴とする細胞培養装置
  11. 流路の途中に左右の壁が弾性体膜で形成された隘路を有する流路に液体を流す工程と、
    前記隘路より上流側で前記流路から分岐させ、前記左右の壁に突き当たるように形成された2本の副流路に前記流路中の液体を引き入れ、前記隘路の断面積を調整する工程
    を有することを特徴とする液体の輸送方法。
  12. 前記2本の副流路が同一水平面に形成されていることを特徴とする請求項11に記載された液体の輸送方法。
  13. 前記副流路の分岐点より下流から、前記隘路までの間の前記流路で、水流が調整される工程をさらに有することを特徴とする請求項11または12のいずれかの請求項に記載された液体の輸送方法。
  14. 流路の途中に左右の壁が弾性体膜で形成された隘路を有する流路に液体を流す工程と、
    前記隘路より上流側で前記流路から分岐させ、前記左右の壁に突き当たるように形成された2本の副流路に前記流路中の液体を引き入れ、前記隘路の断面積を調整する工程と、
    前記隘路の下流側に設けられたウエルに収容された細胞に前記液体を供給する工程と
    前記ウエルに供給された前記液体を排出する工程を有することを特徴とする細胞の培養方法
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