JP5776477B2 - トナー及びブロック共重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー及びブロック共重合体に関する。
従来、電子写真装置、静電記録装置等において、電気的潜像又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。電子写真装置では、感光体に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて該潜像を現像して、トナー画像が形成される。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写された後、加熱等の方法で定着される。
トナーの構成成分である結着樹脂は、そのほとんどが石油資源を原料としており、石油資源の枯渇の問題、石油資源を大量消費して二酸化炭素を大気中へ排出することによる地球温暖化の問題が懸念されている。
そこで、大気中の二酸化炭素を取り込んで成長する植物由来の樹脂を結着樹脂として用いると、二酸化炭素は環境中で循環するだけとなり、石油資源の枯渇の問題と地球温暖化の問題を同時に解決する可能性がある。
特許文献1には、ポリ乳酸を結着樹脂として含有する電子写真用トナーが開示されている。このとき、ポリ乳酸は、乳酸の脱水縮合又は乳酸のラクチドの開環重合により合成することができる。
しかしながら、結着樹脂として、ポリ乳酸のみを用いると、低温定着性と耐熱保存性を両立させることが困難であるという問題がある。
特許文献2に、結着樹脂及び着色剤を含み、水系媒体中で造粒されるトナーが開示されている。このとき、結着樹脂は、CH−C−H(−OH)(COOH)が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に有するポリエステル骨格Aと、CH−C−H(−OH)(COOH)が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステル骨格Bとを、ブロック共重合させてなる。また、CH−C−H(−OH)(COOH)が脱水縮合された構成単位中におけるモノマー成分換算での光学異性体比率
X(%)=|X(L体)−X(D体)|
〔ただし、X(L体)は乳酸モノマー換算でのL体比率(%)、X(D体)は乳酸モノマー換算でのD体比率(%)を表す〕
が80%以下である。
しかしながら、低温定着性をさらに向上させると共に、フィルミング及び地汚れの発生を抑制することが望まれている。
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑み、低温定着性及び耐熱保存性に優れ、フィルミング及び地汚れの発生を抑制することが可能なトナー及びブロック共重合体を提供することを目的とする。
本発明のトナーは、ポリエステルブロックA及びフルオロ基を有するポリエステルブロックBを有するブロック共重合体を含む母体粒子を有し、前記ブロック共重合体は、タッピングモード原子間力顕微鏡を用いて、断面の位相像を観察すると、位相の遅れが小さい前記ポリエステルブロックA由来のドメイン中に位相の遅れが大きい前記ポリエステルブロックB由来のドメインが分散しており、前記ポリエステルブロックB由来のドメインは、平均ドメインサイズが10nm以上45nm以下である。
本発明のブロック共重合体は、ポリエステルブロックA及びフルオロ基を有するポリエステルブロックBを有し、タッピングモード原子間力顕微鏡を用いて、断面の位相像を観察すると、位相の遅れが小さい前記ポリエステルブロックA由来のドメイン中に位相の遅れが大きい前記ポリエステルブロックB由来のドメインが分散しており、前記ポリエステルブロックB由来のドメインは、平均ドメインサイズが10nm以上45nm以下である。
本発明によれば、低温定着性及び耐熱保存性に優れ、フィルミング及び地汚れの発生を抑制することが可能なトナー及びブロック共重合体を提供することができる。
ブロック共重合体の位相像の一例を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
本発明のブロック共重合体は、ポリエステルブロックA及びフルオロ基を有するポリエステルブロックBを有する。
フィルミング及び地汚れの発生を抑制する、即ち、トナーに含まれる樹脂の靭性を向上させるためには、樹脂の内部に外部からの応力を緩和させる軟質のセグメントを導入する必要があるが、トナーの耐熱保存性が低下するという問題がある。
本発明においては、樹脂の靭性を向上させることが可能な軟質のドメインを、トナーの耐熱保存性を向上させることが可能な硬質のドメイン中に微分散させることにより、樹脂の靭性とトナーの耐熱保存性のトレードオフの関係を解消することが可能となった。
ポリエステルブロックAは、ヒドロキシカルボン酸由来の構成単位を有し、ポリエステルブロックBは、ヒドロキシカルボン酸由来の構成単位を有さないことが好ましい。これにより、ポリエステルブロックAとポリエステルブロックBの相溶性を低下させることができ、その結果、ポリエステルブロックB由来のドメインをポリエステルブロックA由来のドメイン中に微分散させることができる。
一方、トナーの低温定着性を向上させるためには、トナーの紙に対する濡れ性を向上させる必要がある。
本発明においては、軟質のドメインにフルオロ基を導入することにより、トナーの低温定着性を向上させることが可能となった。
即ち、保存時に、軟質のドメインは硬質のドメイン中に微分散しており、定着時に、軟質のドメインが紙と接触するため、トナーの耐熱保存性及び低温定着性を両立させることができる。
本発明のブロック共重合体は、タッピングモード原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、断面の位相像を観察すると、位相の遅れが小さいポリエステルブロックA由来のドメイン中に位相の遅れが大きいポリエステルブロックB由来のドメインが分散している(図1参照)。
なお、ブロック共重合体の断面におけるフッ素原子の分布状態は、X線電子分光装置を用いて評価することができる。
ポリエステルブロックB由来のドメインの平均ドメインサイズは、10〜45nmであり、28〜38nmが好ましい。ポリエステルブロックB由来のドメインの平均ドメインサイズが10nm未満であると、フィルミング及び地汚れが発生すると共に、トナーの耐熱保存性が低下し、45nmを超えると、フィルミング及び地汚れが発生する。
なお、ドメインサイズとは、ドメインの径の最大値を意味する。
タッピングモード原子間力顕微鏡は、Surface Science Letter,290,668(1993)等に記載されている。また、位相像は、Polymer,35,5778(1994)、Macromolecules,28,6773(1995)等に記載されているように、カンチレバーを振動させながら、試料の表面の形状を測定することにより得られる。
タッピングモード原子間力顕微鏡においては、試料の表面の粘弾性により、カンチレバーの位相の遅れが発生し、位相の遅れをマッピングすることにより、位相像が得られる。このとき、軟質のドメインは位相の遅れが大きくなり、硬質のドメインは位相の遅れが小さくなる。
なお、断面の位相像を観察するサンプルは、ミクロトームを用いて、ブロック共重合体の切片を切り出すことにより作製することができる。
本発明のブロック共重合体の断面におけるフッ素原子の濃度は、1〜5atom%であることが好ましく、2〜4atom%がさらに好ましい。ブロック共重合体の断面におけるフッ素原子の濃度が1atom%未満であると、トナーの低温定着性を向上させる効果が小さくなることがあり、5atom%を超えると、トナーの定着幅が狭くなることがある。
なお、ブロック共重合体の断面におけるフッ素原子の濃度は、X線電子分光装置を用いて測定することができる。
本発明のブロック共重合体は、ポリエステルブロックA由来のドメイン中にポリエステルブロックB由来のドメインが微分散しているため、ガラス転移温度が一箇所に存在すると考えられる。
一方、ポリエステルブロックAとポリエステルブロックBが相溶する場合は、通常、ガラス転移温度が一箇所に存在し、ブロック共重合体の靭性が低下する。
また、ポリエステルブロックAとポリエステルブロックBが相溶せず、ポリエステルブロックA由来のドメイン中に分散しているポリエステルブロックB由来のドメインのサイズが大きい場合は、通常、ガラス転移温度が二箇所に存在し、トナーの表面近傍にポリエステルブロックBが露出しやすくなる。
本発明のブロック共重合体のガラス転移温度は、通常、25〜65℃であり、40〜55℃が好ましい。ブロック共重合体のガラス転移温度が25度未満であると、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、65℃を超えると、トナーの低温定着性が低下することがある。
なお、ブロック共重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)の吸熱チャートから求めることができる。具体的には、2nd Heatingのサーモグラムにおいて、ASTM D3418/82で定義されるミッドポイント法を用いて、ガラス転移温度を求める。
ポリエステルブロックAを合成する方法としては、特に限定されないが、ヒドロキシカルボン酸を縮重合する方法、ヒドロキシカルボン酸由来のラクトン及び/又はラクチドを開環重合する方法等が挙げられる。中でも、ポリエステルブロックAの分子量を制御しやすいことから、ラクトン及び/又はラクチドを開環重合する方法が好ましい。
ヒドロキシカルボン酸は、ブロック共重合体の透明性と熱特性の観点から、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、炭素数が2〜6の脂肪族ヒドロキシカルボン酸がさらに好ましい。
炭素数が2〜6の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、特に限定されないが、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシアルカン酸が挙げられる。中でも、ブロック共重合体の透明性や着色剤との親和性の観点から、乳酸が好ましく、L−乳酸及びD−乳酸の併用が好ましい。
ヒドロキシカルボン酸由来のラクトン及びラクチドは、それぞれ、上記のヒドロキシカルボン酸由来のラクトン及びラクチドであることが好ましい。
ポリエステルブロックAは、環境中でエステラーゼにより分解されることから、ポリ乳酸ブロックであることが好ましい。
ポリ乳酸ブロックの合成方法としては、特に限定されないが、乳酸を縮重合する方法、乳酸のラクチドを開環重合する方法等が挙げられる。中でも、ポリ乳酸ブロックの分子量を制御しやすいことから、乳酸のラクチドを開環重合する方法が好ましい。
乳酸を合成する方法としては、特に限定されないが、とうもろこし等の澱粉を発酵する方法等が挙げられる。
ポリ乳酸ブロックを加水分解することにより生成する乳酸は、鏡像体過剰率が80%以下であることが好ましい。これにより、ブロック共重合体の溶解性及び透明性を向上させることができる。
なお、乳酸の鏡像体過剰率は、キラルHPLCを用いて測定することができる。
なお、ポリ乳酸ブロックを加水分解することにより生成する乳酸の鏡像体過剰率は、ポリ乳酸ブロックを合成する際に用いる乳酸の鏡像体過剰率を調整することにより、制御することができる。
ポリエステルブロックBとしては、フルオロ基を有し、ポリエステルブロックB由来のドメインをポリエステルブロックA由来のドメイン中に微分散させることが可能であれば、特に限定されない。
ポリエステルブロックBは、2個以上のヒドロキシル基及びフルオロ基を有するポリエステル由来の残基であることが好ましい。即ち、2個以上のヒドロキシル基及びフルオロ基を有するポリエステルを開始剤として用いて、ヒドロキシカルボン酸を重縮合する、又は、ヒドロキシカルボン酸由来のラクトン及び/又はラクチドを開環重合することにより、ブロック共重合体を合成することが好ましい。これにより、着色剤との親和性を向上させることができる。また、ABA型のトリブロック共重合体とすることにより、ポリエステルブロックB由来のドメインがポリエステルブロックA由来のドメイン中に微分散しやすくなる。
ポリエステルブロックBは、一般式
A−(OH)m
(式中、Aは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基であり、mは2〜4の整数である。)
で表されるフルオロ基を有さないポリオール由来の構成単位と、フルオロ基を有するポリオール由来の構成単位と、一般式
B−(COOH)n
(式中、Bは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基であり、nは2〜4の整数である。)
で表されるフルオロ基を有さないポリカルボン酸由来の構成単位を有することが好ましい。
フルオロ基を有さないポリオールとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
フルオロ基を有するポリオールとしては、特に限定されないが、テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール、テトラフルオロ−1,3−ベンゼンジオール、1H,1H,10H,10H−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
フルオロ基を有さないポリカルボン酸としては、特に限定されないが、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
本発明のトナーは、本発明のブロック共重合体を含む母体粒子を有するが、母体粒子は、ブロック共重合体以外の樹脂をさらに含んでいてもよい。
ブロック共重合体以外の樹脂としては、特に限定されないが、前述のブロック共重合体、ポリエステル、スチレン系単独重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
スチレン系単独重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等が挙げられる。
スチレン系共重合体としては、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
本発明のトナーは、着色剤及び離型剤をさらに含むことが好ましい。
着色剤としては、染料又は顔料であれば、特に限定されないが、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
トナー中の着色剤の含有量は、通常、1〜15質量%であり、3〜10質量%が好ましい。
着色剤としては、顔料と樹脂が複合化されているマスターバッチを用いてもよい。
マスターバッチに用いられる樹脂としては、特に限定されないが、前述のブロック共重合体、ポリエステル、スチレン系単独重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
スチレン系単独重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等が挙げられる。
スチレン系共重合体としては、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
マスターバッチは、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いて、顔料と樹脂を混合又は混練することにより、製造することができる。このとき、顔料と樹脂の相互作用を向上させるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、顔料のウェットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で、フラッシング法を用いることが好ましい。フラッシング法は、顔料の水性ペーストと、樹脂と、有機溶媒を混合又は混練し、顔料を樹脂側に移行させた後、水及び有機溶媒を除去する方法である。
離型剤としては、特に限定されないが、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の炭化水素系ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、炭化水素系ワックスが好ましい。
離型剤は、融点が60〜90℃であることが好ましい。
トナー中の離型剤の含有量は、通常、2〜10質量%であり、3〜8質量%が好ましい。
本発明のトナーは、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料等をさらに含んでもよい。
帯電制御剤としては、特に限定されないが、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、リンの単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
帯電制御剤の市販品としては、ニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(以上、日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩基等の官能基を有する高分子系の化合物等が挙げられる。
母体粒子に含まれる樹脂に対する帯電制御剤の質量比は、通常、0.1〜10%であり、0.2〜5%が好ましい。
流動性向上剤の平均一次粒径は、通常、5nm〜2μmであり、5〜500nmが好ましい。
流動性向上剤を構成する材料としては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
トナー中の流動性向上剤の含有量は、通常、0.01〜5.0質量%であり、0.01〜2.0質量%が好ましい。
また、流動性向上剤は、表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤としては、特に限定されないが、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。
クリーニング性向上剤としては、特に限定されないが、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等のソープフリー乳化重合により合成されている樹脂粒子等が挙げられる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、通常、0.01〜1μmである。
磁性材料としては、特に限定されないが、鉄、マグネタイト、フェライト等が挙げられる。なお、磁性材料は、トナーの色調の点から、白色であることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、ブロック共重合体を含むトナー組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させて第一の液を調製する工程と、第一の液を水系媒体中に乳化又は分散させて第二の液を調製する工程と、第二の液から有機溶媒を除去して母体粒子を形成する工程を有する。
有機溶媒としては、特に限定されないが、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、トルエン、キシレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましい。
有機溶媒の使用量は、通常、樹脂100質量部に対して、40〜300質量部であり、60〜140質量部が好ましく、80〜120質量部がさらに好ましい。
なお、第一の液を調製する前に、トナー組成物に含まれる成分は、必要に応じて、有機溶媒中に溶解又は分散させてもよい。
また、第一の液を調製する代わりに、トナー組成物の一部を有機溶媒中に溶解又は分散させた液を複数調製し、水系媒体中に乳化又は分散させる際に混合してもよい。
さらに、トナー組成物のうち、樹脂以外の材料は、母体粒子を形成した後に添加してもよい。例えば、着色剤を含まない母体粒子を形成した後、染着することもできる。
水系媒体としては、水又は水と混和することが可能な有機溶媒と水の混合溶媒を用いることができる。
水と混和することが可能な有機溶媒としては、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
水系媒体の使用量は、通常、トナー組成物100質量部に対して、50〜2000質量部であり、100〜1000質量部が好ましい。水系媒体の使用量が、トナー組成物100質量部に対して、50質量部未満であると、トナー組成物の分散不良が発生して、母体粒子の粒径が大きくなることがあり、2000質量部を超えると、経済的ではない。
水系媒体中に第一の液を乳化又は分散させる際に用いる分散機としては、特に限定されないが、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機等が挙げられる。中でも、第二の液の分散体(油滴)の粒径を2〜20μmに制御できることから、高速せん断式分散機が好ましい。
高速せん断式分散機の回転数は、通常、1000〜30000rpmであり、5000〜20000rpmが好ましい。バッチ方式の場合の分散時間は、通常、0.1〜5分である。また、分散温度は、加圧下において、通常、0〜150℃であり、40〜98℃が好ましい。
水系媒体は、界面活性剤、樹脂粒子等を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、特に限定されないが、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型のカチオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等のノニオン性界面活性剤;アラニン、ドデシルビス(アミノエチル)グリシン、ビス(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。中でも、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤が好ましい。
フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、炭素数が2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤の市販品としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F−150(ネオス社製)等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級又は3級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤の市販品としては、サーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
樹脂粒子としては、水系媒体中に分散させることが可能であれば、特に限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールのモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールのモノメタクリル酸エステル、グリセリンのモノアクリル酸エステル、グリセリンのモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコールとカルボン酸のエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子を含む基を有する化合物等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
これら以外の樹脂粒子としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系樹脂;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が挙げられる。
水系媒体が界面活性剤を含む場合は、表面に界面活性剤が残留している母体粒子を用いることもできるが、トナーの帯電性を考慮すると、母体粒子を洗浄して界面活性剤を除去することが好ましい。
第二の液から有機溶媒を除去する方法としては、第二の液を徐々に昇温させて有機溶媒を蒸発させる方法、第二の液を乾燥雰囲気中に噴霧して、有機溶媒及び水を蒸発させる方法等が挙げられる。
乾燥雰囲気としては、特に限定されないが、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等の加熱雰囲気が挙げられる。このとき、加熱雰囲気の温度は、有機溶媒及び水の沸点以上であることが好ましい。
第二の液を乾燥雰囲気中に噴霧して、有機溶媒及び水を蒸発させる装置としては、特に限定されないが、スプレードライヤー、ベルトドライヤー、ロータリーキルン等が挙げられる。
第二の液から有機溶媒を除去すると、母体粒子が水系媒体中に分散している分散液又は母体粒子が得られる。
母体粒子が水系媒体中に分散している分散液又は母体粒子は、水で洗浄した後、真空乾燥することが好ましい。
このとき、母体粒子は、必要に応じて、分級してもよい。
母体粒子を分級する方法としては、特に限定されないが、サイクロン、デカンター、遠心分離等により微粒子を除去する方法、メッシュにより粗粒子を除去する方法等が挙げられる。
母体粒子は、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等と混合してもよい。
母体粒子を、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等と混合する方法としては、特に限定されないが、羽根を高速で回転させて粒子に衝撃力を印加する方法、高速気流中に投入して、加速し、粒子同士又は複合化した粒子を衝突板に衝突させる方法等が挙げられる。
母体粒子を、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等と混合する装置としては、特に限定されないが、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを有し、トナーからなる磁性一成分現像剤又は非磁性一成分現像剤であってもよいし、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤であってもよい。
二成分現像剤中のキャリアの含有量は、通常、90〜98質量%であり、93〜97質量%が好ましい。
キャリアは、芯材が樹脂層で被覆されていることが好ましい。
芯材を構成する材料としては、特に限定されないが、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、マンガン−マグネシウム系材料等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、画像濃度を確保する点では、100emu/g以上の鉄、75〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当たりを弱くでき、高画質化に有利である点で、30〜80emu/gの銅−亜鉛系材料等の弱磁化材料が好ましい。
芯材の体積平均粒径は、通常、10〜150μmであり、20〜80μmが好ましい。
樹脂層を構成する材料としては、特に限定されないが、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等のアミノ樹脂;アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニル;ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリハロゲン化オレフィン、ポリエステル;ポリ塩化ビニル等のポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン−アクリル共重合体、フッ化ビニリデン−フッ化ビニル共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとフルオロ基を有さないモノマーの共重合体等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
樹脂層は、導電粒子を含んでいてもよい。
導電粒子としては、特に限定されないが、金属粒子、カーボンブラック、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子、酸化亜鉛粒子等が挙げられる。
導電粒子の平均粒径は、通常、1μm以下である。
樹脂層は、樹脂を溶媒に溶解させた塗布液を芯材の表面に塗布した後、乾燥して、焼き付けることにより形成することができる。
溶媒としては、特に限定されないが、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、セロソルブ等が挙げられる。
塗布液を塗布する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法等が挙げられる。
焼き付ける方法としては、特に限定されないが、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる外部加熱方式;マイクロ波を用いる内部加熱方式等が挙げられる。
キャリア中の樹脂層の含有量は、通常、0.01〜5.0質量%である。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明についてより具体的に説明する。なお、部は、質量部を意味する。
(実施例1)
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた300mlの反応容器中に、1,3−プロパンジオール20mol%、テトラフルオロ−1,3−ベンゼンジオール60mol%及び1H,1H,10H,10H−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール20mol%からなるアルコール成分と、アジピン酸ジメチル17mol%、テレフタル酸ジメチル80mol%及び無水トリメリット酸3mol%からなる酸成分を、カルボキシル基に対する水酸基のモル比が1.8になるような比率で加えた。その際に、アルコール成分及び酸成分の総質量に対して1000ppmのチタンテトライソプロポキシドを、重合触媒として、加えた。次に、窒素気下中、4時間程度で200℃まで昇温した後、2時間で230℃まで昇温し、流出成分が無くなるまで反応させた。さらに、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、数平均分子量が1500のポリエステル開始剤1を得た。
次に、温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、10部のポリエステル開始剤1、L−ラクチド59.5部、D−ラクチド10.5部及びε−カプロラクトン20部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が14000、ガラス転移温度が41℃、平均ドメインサイズが15nm、フッ素原子の濃度が1.1atom%のブロック共重合体を得た。
(実施例2)
1,3−プロパンジオール20mol%、テトラフルオロ−1,3−ベンゼンジオール70mol%及び1H,1H,10H,10H−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール10mol%からなるアルコール成分を用い、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を1.7とした以外は、ポリエステル開始剤1と同様にして、数平均分子量が1600のポリエステル開始剤2を得た。
次に、温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、10部のポリエステル開始剤2、L−ラクチド76.5部及びD−ラクチド13.5部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が15000、ガラス転移温度が39℃、平均ドメインサイズが16nm、フッ素原子の濃度が1.2atom%のブロック共重合体を得た。
(実施例3)
3−メチル−1,5−ペンタンジオール50mol%及び2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール50mol%からなるアルコール成分と、アジピン酸ジメチル7mol%、テレフタル酸ジメチル90mol%及び無水トリメリット酸3mol%からなる酸成分を用い、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を1.2とした以外は、ポリエステル開始剤1と同様にして、数平均分子量が4000のポリエステル開始剤3を得た。
次に、温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、20部のポリエステル開始剤3、L−ラクチド68部及びD−ラクチド12部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が18000、ガラス転移温度が45℃、平均ドメインサイズが40nm、フッ素原子の濃度が1.1atom%のブロック共重合体を得た。
(実施例4)
3−メチル−1,5−ペンタンジオール50mol%2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール30mol%及びテトラフルオロ−1,3−ベンゼンジオール20mol%からなるアルコール成分を用い、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を1.3とした以外は、ポリエステル開始剤1と同様にして、数平均分子量が2900のポリエステル開始剤4を得た。
次に、温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、30部のポリエステル開始剤4、L−ラクチド59.5部及びD−ラクチド10.5部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が12000、ガラス転移温度が40℃、平均ドメインサイズが43nm、フッ素原子の濃度が1.7atom%のブロック共重合体を得た。
(実施例5)
温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、20部のポリエステル開始剤4、L−ラクチド68部及びD−ラクチド12部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が17000、ガラス転移温度が42℃、平均ドメインサイズが33nm、フッ素原子の濃度が1.1atom%のブロック共重合体を得た。
(実施例6)
1,3−プロパンジオール20mol%及び1H,1H,10H,10H−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール80mol%からなるアルコール成分を用い、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を1.6とした以外は、ポリエステル開始剤1と同様にして、数平均分子量が3200のポリエステル開始剤5を得た。
次に、温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、20部のポリエステル開始剤5、L−ラクチド68部及びD−ラクチド12部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が17000、ガラス転移温度が42℃、平均ドメインサイズが34nm、フッ素原子の濃度が4.5atom%のブロック共重合体を得た。
(実施例7)
3−メチル−1,5−ペンタンジオール60mol%及び1H,1H,10H,10H−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール40mol%からなるアルコール成分を用い、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を1.5とした以外は、ポリエステル開始剤1と同様にして、数平均分子量が3100のポリエステル開始剤6を得た。
次に、温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、20部のポリエステル開始剤6、L−ラクチド68部及びD−ラクチド12部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が15000、ガラス転移温度が43℃、平均ドメインサイズが36nm、フッ素原子の濃度が2.8atom%のブロック共重合体を得た。
(比較例1)
1,3−プロパンジオール20mol%及びテトラフルオロ−1,3−ベンゼンジオール80mol%からなるアルコール成分と、アジピン酸ジメチル80mol%、テレフタル酸ジメチル17mol%及び無水トリメリット酸3mol%からなる酸成分を用い、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を1.8とした以外は、ポリエステル開始剤1と同様にして、数平均分子量が1100のポリエステル開始剤7を得た。
次に、温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、10部のポリエステル開始剤7、L−ラクチド76.5部及びD−ラクチド13.5部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が10000、ガラス転移温度が38℃、フッ素原子の濃度が1.0atom%ブロック共重合体を得た。しかしながら、位相像の位相の遅れが大きいドメイン、即ち、軟質のドメインは、確認されなかった。
(比較例2)
温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、30部のポリエステル開始剤3、L−ラクチド59.5部及びD−ラクチド10.5部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が13000、ガラス転移温度が8℃及び44℃、平均ドメインサイズが54nm、フッ素原子の濃度が1.7atom%のブロック共重合体を得た。
(比較例3)
3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなるアルコール成分を用い、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を1.3とした以外は、ポリエステル開始剤1と同様にして、数平均分子量が2800のポリエステル開始剤8を得た。
次に、温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、20部のポリエステル開始剤1、L−ラクチド68部及びD−ラクチド12部を加えた後、重合触媒として、テレフタル酸チタン1部をさらに加え、窒素置換した。さらに、160℃で6時間反応させ、数平均分子量が16000、ガラス転移温度が45℃、平均ドメインサイズが35nm、フッ素原子の濃度が0atom%のブロック共重合体を得た。
(数平均分子量Mn)
分子量が既知のポリスチレンを用いて作成した検量線を標準として、HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いて、以下の条件で、数平均分子量Mnを測定した。
検出器:RI
測定温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン
移動相の流量:0.45mL/min
(ガラス転移温度Tg)
試料5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填した後、熱分析装置Q2000(TAインスツルメンツ社製)を用いて、以下の条件で、ガラス転移温度Tgを測定した。具体的には、2nd Heatingのサーモグラムにおいて、ASTM D3418/82で定義されるミッドポイント法を用いて、ガラス転移温度Tgを求めた。
1st Heating:5℃/minで30℃から220℃まで昇温
220℃で1分間保持
冷却:温度制御せずに220℃から−60℃まで降温
−60℃で1分間保持
2nd Heating:5℃/minで、−60℃から180℃まで昇温
(平均ドメインサイズ)
ウルトラミクロトームULTRACUT UCT(ライカ社製)を用いて、以下の条件で、樹脂のブロックを切削し、切片を切り出した。
切削厚み:60nm
切削速度:0.4mm/sec
ダイヤモンドナイフ:Ultra Sonic 35°
次に、タッピングモード原子間力顕微鏡MFP−3D(アサイラムテクノロジー社製)を用いて、以下の条件で、切片を観察した。
カンチレバー:OMCL−AC240TS−C3target
amplitude:0.5V
target percent:−5%
amplitude setpoint:315mV
scan rate:1Hz
scan points:256×256
scan angle:0°
断面の位相像の位相の遅れが大きいドメインを任意に30点選択し、各ドメインの径の最大値の平均値を算出し、平均ドメインサイズとした。
(F原子の濃度)
1600S型X線光電子分光装置(PHI社製)を用いて、以下の条件で、平均ドメインサイズの評価に使用した切片を測定し、各原子濃度のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて、F原子の濃度を算出した。
X線源:MgKα(100W)
分析領域:0.8×2.0mm
なお、平均ドメインサイズの評価に使用した切片を測定する際に、F原子の分布状態から、位相の遅れが大きいドメインがフルオロ基を有するポリエステルブロック由来のドメインであることを確認した。
表1に、実施例及び比較例のブロック共重合体の特性を示す。
次に、実施例及び比較例のブロック共重合体を用いて、トナーを製造した。
(トナーの製造)
攪拌棒及び温度計の付いた反応容器中に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウムのエレミノールJS−2(三洋化成工業社製)10部及び過硫酸アンモニウム1部を加え、400rpmで20分間攪拌した後、75℃まで昇温して、6時間反応させた。次に、1質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30部をさらに加えた後、75℃で6時間熟成して、ビニル樹脂の分散液を得た。電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子社製)を用いて、ビニル樹脂の体積平均粒径を測定したところ、80nmであった。また、ビニル樹脂の分散液の一部を乾燥した後、フローテスターCFT−500D(島津製作所社製)を用いて、ビニル樹脂のガラス転移温度を測定したところ、74℃であった。
水300部、ビニル樹脂の分散液300部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を混合撹拌して、水系媒体を得た。
水1000部及びDBP吸油量が42ml/100g、pHが9.5のカーボンブラックPrintex35(デグサ社製)530部及びブロック共重合体1200部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した後、二本ロールを用いて、150℃で30分間混練した。次に、圧延冷却した後、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕して、マスターバッチを得た。
反応容器中にブロック共重合体100部及び酢酸エチル100部を加えて攪拌した後、分子量が1800、酸価が2.7mgKOH/g、針入度(40℃)が1.7mmのカルナウバワックス5部及びマスターバッチ5部を加えた。次に、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用い、送液速度を1kg/h、ディスクの周速度を6m/sとして、粒径が0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填して、3パスし、トナー材料液を得た。
容器中に、水系媒体150部を加え、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで攪拌しながら、トナー材料液100部を添加し、10分間混合して、乳化スラリーを得た。
攪拌機及び温度計の付いたコルベン中に、乳化スラリー100部を加え、攪拌周速を20m/minとして攪拌しながら、30℃で10時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
分散スラリー100部を減圧濾過した。次に、濾過ケーキに水100部を加え、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキに水300部を加え、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%の水酸化ナトリウム水溶液20部を加え、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキに水300部を加え、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキに水300部を加え、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%の塩酸20部を加え、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキに水300部を加え、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを40℃で36時間乾燥させた後、目開きが75μmのメッシュで篩い、母体粒子を得た。
母体粒子100部に、疎水性シリカTS720(キャボット社製)1.5部を加えた後、ヘンシェルミキサーを用いて、3000rpmで5分間ブレンドして、トナーを得た。
(キャリアの製造)
トルエン100部、シリコーン樹脂SR2411(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部及びカーボンブラック10部を、ホモミキサーを用いて20分間分散させて、被覆層用塗布液を得た。
流動床型コーティング装置を用いて、粒径が50μmの球状マグネタイトの表面に、被覆層用塗布液を塗布して、磁性キャリアを得た。
(二成分現像剤の製造)
ボールミルを用いて、トナー5部及びキャリア95部を混合し、二成分現像剤を得た。
次に、トナーの定着性、耐熱保存性、フィルミング及び地汚れを評価した。
(定着性)
複写機MF−200(リコー社製)の定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用して改造した装置を用いて、普通紙タイプ6200(リコー社製)及び厚紙の複写印刷用紙<135>(NBSリコー社製)に、0.85±0.1mg/cmのトナー付着量でベタ画像を形成し、定着性を評価した。
具体的には、定着ローラの温度を変化させて、厚紙に定着させたベタ画像を、パットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ローラの温度を定着下限温度とした。なお、定着下限温度が120℃未満である場合を◎、120℃以上130℃未満である場合を○、130℃以上140℃未満である場合を△、140℃以上である場合を×として、判定した。
一方、定着ローラの温度を変化させて、普通紙にベタ画像を定着させてホットオフセットが発生しない上限の温度を定着上限温度とした。また、定着上限温度から定着下限温度を差し引いた温度を定着幅とした。なお、定着幅が60℃以上である場合を◎、50℃以上60℃未満である場合を○、40℃以上50℃未満である場合を△、40℃未満である場合を×として、判定した。
(耐熱保存性)
50mlのガラス容器中にトナーを充填し、50℃の恒温槽の中で24時間放置した後、トナーを24℃まで冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度を評価した。なお、針入度が25mm以上である場合を◎、15mm以上25mm未満である場合を○、5mm以上15mm未満である場合を△、5mm未満である場合を×として、判定した。
(フィルミング)
タンデム型カラー画像形成装置imagio Neo450(リコー社製)を用いて、画像面積率が20%のチャートを、画像濃度が1.4±0.2になるようにトナー濃度を制御しながら、20万枚出力し、式
(20万枚出力する前後の二成分現像剤の帯電量の低下量)/(20万枚出力する前の二成分現像剤の帯電量)
で表される20万枚出力する前後の二成分現像剤の帯電量の低下率を評価した。このとき、画像濃度は、938 スペクトロデンシトメータ(X−Rite社製)を用いて測定し、二成分現像剤の帯電量は、ブローオフ法を用いて測定した。なお、20万枚出力する前後の二成分現像剤の帯電量の低下率が15%未満である場合を◎、15%以上30%未満である場合を○、30%以上50%未満である場合を△、50%以上である場合を×として、判定した。
(地汚れ)
タンデム型カラー画像形成装置imagio Neo 450(リコー社製)を用いて、画像面積率が5%のチャートを20万枚出力した後、画像背景部の地汚れの程度を目視で評価した。なお、画像背景部に地汚れが発生していない場合を○、画像背景部に地汚れがやや発生しているが、実使用上問題が無い場合を△、画像背景部に地汚れが発生しており、実使用上問題がある場合を×として、判定した。
表2に、トナーの定着性、耐熱保存性、フィルミング及び地汚れの評価結果を示す。
表2から、実施例1〜7のブロック共重合体を含むトナーは、定着性、耐熱保存性、フィルミング及び地汚れに優れることがわかる。
一方、比較例1のブロック共重合体を含むトナーは、耐熱保存性、フィルミング及び地汚れが劣る。これは、比較例1のブロック共重合体の断面の位相像の位相の遅れが大きいドメイン、即ち、軟質のドメインが確認されず、ポリエステル骨格Aとポリエステル骨格Bが相溶しているためと考えられる。
比較例2のブロック共重合体を含むトナーは、フィルミング及び地汚れが劣る。これは、比較例2のブロック共重合体のガラス転移温度が二箇所に存在し、平均ドメインサイズが大きいためと考えられる。
比較例3のブロック共重合体を含むトナーは、定着下限温度が劣る。これは、比較例3のブロック共重合体がフルオロ基を有するポリエステル骨格Bを有していないためと考えられる。
特開平7−120975号公報 特開2008−262179号公報

Claims (10)

  1. ポリエステルブロックA及びフルオロ基を有するポリエステルブロックBを有するブロック共重合体を含む母体粒子を有し、
    前記ブロック共重合体は、タッピングモード原子間力顕微鏡を用いて、断面の位相像を観察すると、位相の遅れが小さい前記ポリエステルブロックA由来のドメイン中に位相の遅れが大きい前記ポリエステルブロックB由来のドメインが分散しており、
    前記ポリエステルブロックB由来のドメインは、平均ドメインサイズが10nm以上45nm以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記ブロック共重合体は、ガラス転移温度が一箇所に存在することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記ブロック共重合体は、断面におけるフッ素原子の濃度が1atom%以上5atom%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記ポリエステルブロックAは、ヒドロキシカルボン酸由来の構成単位を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記ポリエステルブロックBは、ポリオール由来の構成単位及びポリカルボン酸由来の構成単位を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記ポリエステルブロックBは、2個以上のヒドロキシル基及びフルオロ基を有するポリエステル由来の残基であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記ポリエステルブロックAは、乳酸のラクチド由来の構成単位を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記ポリエステルブロックAは、L−ラクチド由来の構成単位及びD−ラクチド由来の構成単位を有することを特徴とする請求項7に記載のトナー。
  9. 前記ポリエステルブロックAは、ポリ乳酸ブロックであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のトナー。
  10. ポリエステルブロックA及びフルオロ基を有するポリエステルブロックBを有し、
    タッピングモード原子間力顕微鏡を用いて、断面の位相像を観察すると、位相の遅れが小さい前記ポリエステルブロックA由来のドメイン中に位相の遅れが大きい前記ポリエステルブロックB由来のドメインが分散しており、
    前記ポリエステルブロックB由来のドメインは、平均ドメインサイズが10nm以上45nm以下であることを特徴とするブロック共重合体。
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