JP5774977B2 - 電球型照明装置 - Google Patents
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Description
前記電球型ランプでは、光源基板を外郭部材の上面に固定することによって、点状光源から発生する熱を外郭部材に伝熱し、さらに外郭部材の外周面から放熱するようになっている。
つまり、特許文献1に記載の光源基板では、ねじによってその中央部のみが外郭部材に固定されているため、点状光源から発生する熱によって光源基板の外周部が反ってしまう可能性がある。
光源基板の外周部が反ると、外郭部材への伝熱性能が低下するとともに、点状光源の照射方向が中央寄りに変化して配光範囲が狭くなってしまう。
<電球型照明装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電球型照明装置の外観正面図である。図1に示すように、電球型照明装置100は、半導体発光素子としてのLED31(図2参照)を有する発光体30(図2参照)と、発光体30を覆うカバー部材10と、カバー部材10の開口端部11が取り付けられると共に、発光体30で発生する熱を放出する放熱体Pと、を備えている。
本体部70は、下方に向けて縮径する筒状の胴部71と、この胴部71と一体成形され、軸線を中心として放射状に配置された複数のフィン72と、を備えている。それぞれのフィン72は、胴部71の外周面から径方向外向きに突出し、かつ、軸線方向に延在している。このようなフィン72を備えることによって、放熱体Pの放熱性能を向上させることができる。
また、電球型照明装置100は、口金80と、絶縁リング81と、を備えている。なお、口金80及び絶縁リング81については後記する。
LED31としては、例えば青色光を発するものが使用される。それぞれのLED31は、例えばシリコーン樹脂などの透明の封止樹脂により被覆されている。この封止樹脂内には、LED31から放出される光を色変換する蛍光体が混入されている。蛍光体としては、例えば黄色発光のものが用いられ、当該蛍光体によってLED31からの青色光が色変換されて、白色光となる。なお、LED31は、光の取り出し効率を向上させるために、半球状のレンズで覆われている。
また、ホルダ20には、ねじ部材Sを貫通させるための貫通孔21、及び、リード線(図示せず)を案内するガイド部23が設けられている。なお、ホルダ20の詳細については後記する。
また、発光体取付部40は、例えば銅や銀(合金を含む)など、熱伝導率の高い材料で形成されている。なお、載置部41には、リード線を案内するための切り欠き43が形成されている。
また、伝熱シート44は、平面視で略円形状を呈しており、本体部70の上部に設けられた4つねじ穴74のそれぞれに対応する切り欠き44a、及び、リード線を案内するための切り欠き44bが形成されている。
ちなみに、絶縁板45の左右に設けられている一対の係止片45aは、収納ケース60の内側面に形成されている凹部(図示せず)に係止できるようになっている。
さらに、収納ケース60の上端には、カバー部材10の溝部12に係止される係止片63が設けられている。
さらに、凸部73の間に形成されている左右一対の凹部75は、収納ケース60を外嵌した状態において、発光体取付部40の延伸部42を嵌めるための隙間ができるように形成されている。
絶縁リング81は、口金80と本体部70との間に介在し、口金80と本体部70とを電気的に絶縁するものである。なお、絶縁リング81の上端には、収納ケース60の外周面に形成されている窪み部62に対して、弾性力により径方向内向きの力を付勢する爪部81aが設けられている。
次に、ホルダ20について詳細に説明する。図3(a)はホルダの平面図であり、図3(b)はホルダの斜視図である。
図3(a)、図3(b)に示すように、本実施形態においてホルダ20は環状構造であり、その上部には、ねじ部材Sの形状に対応する座ぐり穴22が複数(図3では、4つ)設けられている。また、それぞれの座ぐり穴22の底面中央には、ねじ部材Sを貫通させる貫通孔21が設けられている。また、ホルダ20には、径方向内向きに凹み、リード線(図示せず)を案内するためのガイド部23が設けられている。
また、ホルダ20は可視光領域の光を、例えば10%以上透過するものであることが好ましい。ちなみに、本実施形態では、可視光領域の光を約90%透過するホルダを用いた。
より具体的には、図3(d)のハッチングで示すように、ホルダ20の径方向内側(軸線に近い側)の上部、及び、径方向外側(軸線から遠い側)の上部が、断面視で曲線を描く面取り形状となっている。これによって、カバー部材10の下端付近(ホルダ20の外側面付近)に向かう光がホルダ20に当たらずに、そのままカバー部材10を介して外部に放出されることになる(図7(b)参照)。
再び図2に戻り、電球型照明装置100の組立方法の概略を説明する。
まず、収納ケース60を上方から本体部70に嵌め込む。続いて、電源回路基板50を、長手方向を縦にして上方から収納ケース60内に挿入し、収納ケース60内の係合部(図示せず)に係合させて収納する。なお、電源回路基板50に予め接続されている出力用のリード線(図示せず)の先端は、このとき収納ケース60内から外に引き出された状態にする。
続いて、収納ケース60に収納された電源回路基板50の周囲に、熱伝導性が良好で電気絶縁性が高い樹脂(図示せず)を充填する。これによって、電源回路基板50で発生した熱を放熱体Pに効率良く伝導させることができる。
次に、発光体30及び伝熱シート44が載置された発光体取付部40を本体部70に取り付ける。すなわち、発光体取付部40の延伸部42が、本体部70の凹部75の側面を軸線方向に摺動するようにして発光体取付部40を挿入する。なお、発光体取付部40の延伸部42の先端は、本体部70の凹部75の終端78(図5参照)に当接し、その移動が規制される。
続いて、収納ケース60内から外に引き出されているリード線(図示せず)をホルダ20のガイド部23に沿わせて這い回し、リード線の先端を発光体30のLED31に半田付けなどによって接続する。
なお、電球型照明装置100の組立方法は、前記した方法に限定されるものではなく適宜変更することが可能である。
図4及び図5に示すように、電球型照明装置100が組立てられた状態において、LED31が設置された基板32の下面と、伝熱シート44の上面とが密着している。また、伝熱シート44の下面と、発光体取付部40の載置部41(図2参照)の上面とが密着している。さらに、図5に示すように、発光体取付部40が備える門状の延伸部42(図2参照)の外側面と、本体部70の内側面とが密着している。
したがって、LED31が発光する際に発生する熱は、基板32、伝熱シート44、発光体取付部40、及び本体部70の順に伝熱し、外部に放出される。
ちなみに、図4及び図5の各断面図では、カバー部材10の窪み部14の外側に本体部70のフィン72が配置されているが、前記したように本体部70の上端は凹凸形状となっている。したがって、本体部70の周方向においてフィン72が配置されていない箇所において、間隙Kを通過した光がカバー部材10を介して放出される。
図6は、カバー部材を取り外した状態の電球型照明装置の平面図である。なお、図6では、ホルダ20を網掛けで示した。
前記したように、本実施形態に係る電球型照明装置100は、ホルダ20の貫通孔21を介して、ねじ部材Sを本体部70のねじ穴74(図2参照)にねじ込むと、基板32がホルダ20によって上方から押さえ付けられ、固定される。また、ホルダ20は、複数のLED31を取り囲む環状構造であるとともに所定の厚みを有し(図4、図5参照)、十分な強度を備えている。
このように、環状のホルダ20によって上方から基板32を固定することによって、LED31からの熱で基板32が変形することを防止できる。したがって、放熱体Pへの伝熱性能を向上させると共に、LED31の配光範囲が狭まることを防止できる。
図7(a)に示すように、角度α(約180°)で示す範囲において、LED31からの光が放射状に放出される。つまり、基板32を底面とする仮想の半球面(図示せず)を垂直に貫くように、LED31から光が放出される。
ここで、LED31からホルダ20に向かって放出された光(紙面右向きの光)は、透光性のホルダ20を透過し、カバー部材10を介して外部に放出される。
これに対して本実施形態では、ホルダ20が透光性を有するため、図7(a)に示すように、LED31から放出された光がホルダ20を透過して外部に放出される。したがって、前記の場合に比べてより広い配光範囲を確保することができる。
本実施形態に係る電球照明装置では、ホルダ20を前記のような形状とすることによって、LED31から放出された光のうち、ホルダ20を介さずにそのままカバー部材10の開口端部11付近に向かう光の割合を大きくすることができる。したがって、カバー部材10の開口端部11付近が暗くなることを防止できると共に、光の取り出し効率を向上させることができる。
LED31から放出された光の一部は、カバー部材10を透過せずに反射する。ちなみに、前記反射は、屈折率が相対的に高いカバー部材10と、屈折率が低い空気中との境界面(カバー部材10の外周面)で生じやすい。また、カバー部材10に入射する光の入射角が大きくなるほど、カバー部材10で反射される光の割合が大きくなる。
当該光は、ホルダ20とカバー部材10との間に設けられた間隙Kを通過し、カバー部材10を介して外部に放出される。これによって、ホルダ20を介さずそのままカバー部材10の下端付近に入射する光の割合を大きくすることができる。したがって、基板32を含む平面よりも下方の範囲に光を導くことで、カバー部材10の下端付近をより明るくすることができる。
また、ホルダ20の上部を面取り形状とし、さらに、ホルダ20とカバー部材10との間に間隙Kを設けることによって、ホルダ20を介さずに直接的にカバー部材10に入射する光の割合を大きくすることができる。これによって、光の取り出し効率をより大きくすることが可能となる。
図8は、LEDから放出された光がホルダを拡散透過する様子を示す模式図である。
第2実施形態に係る電球型照明装置100Aは、第1実施形態に係る電球型照明装置100と比較して、ホルダ20が光拡散材を含んでいる点が異なる。その他の点については第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。
電球型照明装置100Aのホルダ20は、このホルダ20に入射する光を拡散させる光拡散材を含む。当該光拡散材として、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、アクリルの微粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、又は酸化チタンなどが挙げられるが、これに限定されない。
したがって、本実施形態に係る電球型照明装置100Aによれば、ホルダ20に入射した光が拡散透過するため、ホルダ20より下方の部分からより多くの光を放出させることができる。すなわち、より広い範囲に配光することができ、見栄えを良くすることができる。
図9は、本発明の第3実施形態に係る電球型照明装置において、カバー部材で反射した光が、光反射材でさらに反射する様子を示す摸式図である。
第3実施形態に係る電球型照明装置100Bは、第1実施形態に係る電球型照明装置100と比較して、ホルダ20の下面に光反射シート(光反射材)Mが配置されている点が異なる。その他の点については第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。
なお、光反射シートMはホルダ20と別体に設けてもよいし、蒸着などによってホルダ20と一体に設けてもよい。また、ホルダ20の下面に白色の塗料(光反射材)を塗布してもよい。
なお、ホルダ20の下方に配置されている伝熱シート44(図2参照)が黒色である場合、ホルダ20を透過して下方に向かう光が伝熱シート44に吸収されやすい。これに対して光反射シートMを備える電球型照明装置100Bでは、伝熱シート44による光の吸収を防ぐことができ、光の取り出し効率を向上させることができる。
図10は、本発明の第4実施形態に係る電球型照明装置の分解斜視図である。なお、図10では、絶縁板45、電源回路基板50、収納ケース60、放熱体Pの本体部70A、絶縁リング81、及び口金80の記載を省略している。また、以下の説明において、第1実施形態に係る電球型照明装置100と同様である部分については、説明を省略する。
また、レンズ部材90は係合部91を備えており、係合部91がホルダ20Aに係合されることによりホルダ20Aに保持される。
また、ホルダ20Aの対向する他方の二辺には、ホルダ20Aを本体部70に固定する際にねじ部材Sを貫通させる貫通孔21Aが形成されている。
なお、ホルダ20Aは、第1実施形態と同様に透光性を有する材料(例えば、ポリカーボネート)で形成されている。
また、図10では図示を省略しているが、放熱体Pの本体部70Aは、上方に向かうにつれて縮径するテーパ状であることが好ましい(図10参照)。これによって、斜め下方向に向かう光が本体部70Aの上面で反射することを防止できる。
なお、図10に示すように、ホルダ20Aの外側面とカバー部材10の内周面とは所定距離を有し、本体部70Aが上方に向かうにつれて縮径するテーパ状であることによって、前記各実施形態の場合よりもさらに下方まで光を放出させることができる。
したがって、本実施形態に係る電球型照明装置100Cによれば、より広い配光範囲を確保することができる。
以上、本発明に係る電球型照明装置について各実施形態により説明したが、本発明の実施態様はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更などを行うことができる。
例えば、前記各実施形態では、ホルダ20とカバー部材10とが所定距離だけ離れている場合について説明したが、これに限らない。すなわち、ホルダ20とカバー部材10とを密着させてもよい。この場合、ホルダ20に入射した光がカバー部材10との境界面でほとんど反射せずにそのままカバー部材10に入るため、光の取り出し効率をより向上させることができる。
また、ホルダ20の径方向外側の上部、及び、径方向内側の上部を、軸線に対して所定角度を有する面で切断することによってできる面取り形状(いわゆる、C面取り)としてもよい。また、前記各面取り形状を適宜組み合わせてもよい。
また、前記第1実施形態〜第3実施形態では、ホルダ20が環状構造である場合について説明したが、これに限らない。例えば、基板32の左右両側を上方から固定する直線状のホルダを二条備える構成としてもよい。
また、第1実施形態では、発光体30が7個のLED31を備える場合について説明したが、LEDの数はこれに限定されず、1〜6個又は8個以上でもよい。
また、第1実施形態では、LED31がレンズで覆われている場合について説明したが、前記レンズを省略してもよい。
また、前記各実施形態では、発光体30がLEDを備える場合について説明したが、発光体30としてEL(Electro-Luminescence)など他の半導体発光素子を用いてもよい。
10 カバー部材
11 開口端部
20,20A ホルダ
30,30A 発光体
31,31A LED(半導体素子)
50 電源回路基板
60 収納ケース
80 口金
90 レンズ部材
P 放熱体
K 間隙
M 光反射シート(光反射材)
Claims (5)
- 一つ又は複数の半導体素子を有する発光体と、
前記発光体を覆うカバー部材と、
前記カバー部材の開口端部が取り付けられると共に、前記発光体で発生する熱を放出する放熱体と、
前記発光体を上方から固定して、当該発光体と前記放熱体とを熱的に接触させる透光性のホルダと、
前記放熱体の一端側に取り付けられる口金と、
前記口金を介して受電し、前記半導体素子を発光させる電源回路基板と、を備え、
前記ホルダは、前記半導体素子を取り囲む構造であると共に、径方向外側の上部が面取り形状であり、
前記発光体からの放射光が、前記カバー部材で反射され、前記カバー部材の開口端部に入射されるための間隙を、前記ホルダと前記カバー部材との間に有すること
を特徴とする電球型照明装置。 - 前記ホルダは、径方向内側の上部が面取り形状であること
を特徴とする請求項1に記載の電球型照明装置。 - 前記ホルダは、当該ホルダに入射する光を拡散させる光拡散材を含むこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の電球型照明装置。 - 前記ホルダの下面には、当該ホルダに入射する光を反射させる光反射材が、当該ホルダと一体又は別体に設けられること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電球型照明装置。 - 前記発光体の上方に配置され、当該発光体から入射する光を、当該発光体よりも下方を含む所定範囲に配光するレンズ部材をさらに備えること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電球型照明装置。
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