JP5773620B2 - センサ異常判定装置及びセンサ異常判定方法 - Google Patents

センサ異常判定装置及びセンサ異常判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5773620B2
JP5773620B2 JP2010259160A JP2010259160A JP5773620B2 JP 5773620 B2 JP5773620 B2 JP 5773620B2 JP 2010259160 A JP2010259160 A JP 2010259160A JP 2010259160 A JP2010259160 A JP 2010259160A JP 5773620 B2 JP5773620 B2 JP 5773620B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
sensor value
unit
value
predicted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010259160A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012112247A (ja
Inventor
真悟 伊藤
真悟 伊藤
浩毅 立石
浩毅 立石
野村 真澄
真澄 野村
熊野 信太郎
信太郎 熊野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2010259160A priority Critical patent/JP5773620B2/ja
Publication of JP2012112247A publication Critical patent/JP2012112247A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5773620B2 publication Critical patent/JP5773620B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、監視対象装置に設けられたセンサが正常であるか否かを判定するセンサ異常判定装置及びセンサ異常判定方法である。
一般的にガスタービンの制御は、電子制御によって行っている。当該電子制御は、ガスタービンに設けられた様々なセンサの出力のフィードバックにより行う。そのため、ガスタービンの制御を正確に実行するためには、各センサにおける故障の有無を検査し、全てのセンサにおいて故障が発生していないように管理する必要がある。
特許文献1には、ガスタービンに設置されたセンサが故障しているか否かを判定するガスタービンのセンサ不良識別システムが開示されている。具体的には、以下の構成を有する。ガスタービンのセンサ不良識別システムは、エンジンモデル、トラッキングフィルタ、パターン認識モジュールから構成される。エンジンモデルは、ガスタービンのエンジンのシミュレータであり、エンジンに設けられたセンサが出力すると予測されるセンサ値(予測センサ値)を出力する。トラッキングフィルタには、エンジンに設けられたセンサが出力するセンサ値とエンジンモデルが出力する予測センサ値とが入力され、これらの差に対応した品質パラメータを出力する。なお、品質パラメータとは、エンジンセンサの品質を示す値である。パターン認識モジュールは、予め記憶された異常パターンとトラッキングフィルタが出力した品質パラメータとを比較し、センサ不良の判定を行う。
特開2007−138937号公報
特許文献1において、パターン認識モジュールは、トラッキングフィルタが出力する品質パラメータにより、エンジンに設けられたセンサが出力するセンサ値とエンジンモデルが出力する予測センサ値との差が大きい場合に、センサに異常があると判定する。
しかしながら、実際には、エンジンモデルの演算結果と実際のエンジンの動作との間に誤差が含まれるため、エンジンモデルが出力するセンサ予測値にも誤差が含まれている。そのため、特許文献1の判定法を用いる場合、この誤差が品質パラメータに影響を与えるため、センサの不良識別の精度が低下してしまうという問題があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、監視対象装置に設けられたセンサが正常であるか否かを判定するセンサ異常判定装置であって、前記センサからセンサ値を取得するセンサ値取得部と、前記監視対象装置の模擬を行い、前記センサ値の予測値である予測センサ値を算出する模擬部と、所定の期間内に前記模擬部が出力した予測センサ値を用いて前記予測センサ値と当該予測センサ値の出現度との関係を示す第1の関数を算出する第1の関数算出部と、所定の期間内に前記センサ値取得部が取得したセンサ値を用いて前記センサ値と当該センサ値の出現度との関係を示す第2の関数を算出する第2の関数算出部と、前記模擬部が出力した予測センサ値と前記センサ値取得部が取得したセンサ値から算出されるセンサ値差の出現率として前記第1の関数と前記第2の関数との重複部分の積分値を算出する積分値算出部と、前記積分値が所定の閾値以下である場合に、前記出現率が低いと判定し、前記監視対象装置のセンサが異常であると判定する異常判定部とを備えることを特徴とする。
また、本発明においては、前記模擬部は、前記監視対象装置の稼働時間の入力を受け付け、当該稼働時間に応じて異なる模擬動作を実行することが好ましい。
また、本発明においては、前記センサ値差の出現率を用いて前記模擬部による模擬動作の実行に用いる内部パラメータを更新する更新部を備えることが好ましい。
また、本発明は、監視対象装置に設けられたセンサが正常であるか否かを判定するセンサ異常判定装置を用いたセンサ異常判定方法であって、センサ値取得部は、前記センサからセンサ値を取得し、模擬部は、前記監視対象装置の模擬を行い、前記センサ値の予測値である予測センサ値を算出し、第1の関数算出部は、所定の期間内に前記模擬部が出力した予測センサ値を用いて前記予測センサ値と当該予測センサ値の出現度との関係を示す第1の関数を算出し、第2の関数算出部は、所定の期間内に前記センサ値取得部が取得したセンサ値を用いて前記センサ値と当該センサ値の出現度との関係を示す第2の関数を算出し、積分値算出部は、前記模擬部が出力した予測センサ値と前記センサ値取得部が取得したセンサ値から算出されるセンサ値差の出現率として前記第1の関数と前記第2の関数との重複部分の積分値を算出し、異常判定部は、前記積分値が所定の閾値以下である場合に、前記出現率が低いと判定し、前記監視対象装置のセンサが異常であると判定することを特徴とする。
本発明によれば、異常判定部は、所定の期間内におけるセンサ値差の出現率を用いて、センサ値差の出現率が低い場合に監視対象装置のセンサが異常であると判定する。これにより、エンジンモデルが出力するセンサ予測値にも誤差が含まれていたとしても、当該誤差を加味してセンサの不良識別を行うため、センサの不良識別の精度を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態によるセンサ異常監視装置の構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態によるセンサ異常判定動作を示すフローチャートである。 センサ値差と平均値との差の絶対値の出現率と標準偏差との関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態によるセンサ異常監視装置の構成を示す概略ブロック図である。 第2の実施形態によるセンサ異常判定動作を示すフローチャートである。 第1の関数と第2の関数との関係を示す図である。 本発明の第3の実施形態による模擬部の動作を示す図である。 本発明の第4の実施形態によるセンサ異常監視装置の構成を示す概略ブロック図である。
《第1の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるセンサ異常監視装置の構成を示す概略ブロック図である。
センサ異常判定装置は、ガスタービンのエンジンなどの監視対象装置に設けられたセンサが故障しているか否かを判定する装置であり、入力部101、監視対象制御部102、模擬部103、センサ値取得部104、センサ値差算出部105、センサ値差記憶部106、平均算出部107、標準偏差算出部108、判定部109を備える。
入力部101は、監視対象装置の状態を示す運転条件パラメータの入力を受け付け、模擬部103に当該運転条件パラメータを出力する。なお、監視対象装置がガスタービンのエンジンであった場合、運転条件パラメータとしては例えば外気の温度などのパラメータを用いる。
監視対象制御部102は、監視対象装置を制御する制御パラメータの入力を受け付け、当該制御パラメータは、監視対象装置及び模擬部103に当該制御パラメータを出力する。
模擬部103は、監視対象装置のシミュレータであり、入力部101から入力された運転条件パラメータ及び監視対象制御部102から入力された制御パラメータを用いて監視対象装置の動作を模擬する。また、模擬部103は、監視対象装置に設けられたセンサが出力すると予測されるセンサ値(以下、予測センサ値と表記する)を演算する。
センサ値取得部104は、監視対象装置に設けられたセンサからセンサ値を取得する。
センサ値差算出部105は、模擬部103が出力する予測センサ値とセンサ値取得部104が取得したセンサ値との差であるセンサ値差を算出し、算出したセンサ値差をセンサ値差記憶部106に記録する。また、センサ値差算出部105は、算出したセンサ値差を判定部109に出力する。
センサ値差記憶部106は、所定の期間の間にセンサ値差算出部105が算出したセンサ値差を記憶する。
平均算出部107は、センサ値差記憶部106が記憶するセンサ値差の平均を算出する。
標準偏差算出部108は、センサ値差記憶部106が記憶するセンサ値差の標準偏差を算出する。
判定部109は、平均算出部107が算出した平均値と標準偏差算出部108が算出した標準偏差とセンサ値差算出部105から入力されたセンサ値差とを用いて監視対象装置に設けられたセンサが故障しているか否かを判定する。具体的には、判定部109は、センサ値差算出部105から入力されたセンサ値差と平均算出部107が算出した平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差の所定係数倍より大きい場合に、センサが異常であると判定する。
すなわち、センサ値差算出部105、センサ値差記憶部106、平均算出部107、標準偏差算出部108、判定部109は協働して、所定の期間内におけるセンサ値差の出現率を用いて、センサ値差の出現率が低い場合に監視対象装置のセンサが異常であると判定する異常判定部として機能する。
次に、本実施形態によるセンサ異常判定装置の動作を説明する。
まず、センサの異常判定を行う前に、センサ値差記憶部106にセンサ値差を蓄積するまでの動作について説明する。
まず、入力部101は、監視対象装置の運転条件を示す運転条件パラメータの入力を受け付け、模擬部103に出力する(ステップS1)。次に、監視対象制御部102は、制御パラメータの入力を受け付け、監視対象装置及び模擬部103に出力する(ステップS2)。模擬部103に入力部101及び監視対象制御部102からパラメータが入力されると、監視対象装置の動作の模擬を開始する(ステップS3)。
模擬部103は、監視対象装置の模擬により予測センサ値を算出するとセンサ値差算出部105に当該予測センサ値を出力する。また、センサ値取得部104は、所定の時間間隔で監視対象装置に設けられたセンサからセンサ値を取得する。所定の時間間隔としては、例えばセンサ異常判定装置のCPUクロックのタイミングなどを用いると良い。なお、センサ値取得部104がセンサ値を取得するタイミングは、模擬部103がセンサ値を出力するタイミングと同期していることが好ましい。
次に、センサ値差算出部105に、模擬部103から予測センサ値が入力され、センサ値取得部104からセンサ値が入力される。次に、センサ値差算出部105は、予測センサ値とセンサ値との差であるセンサ値差を算出する(ステップS4)。次に、センサ値差記憶部106は、センサ値差記憶部106に算出したセンサ値差を記録する(ステップS5)。以降、ステップS1〜ステップS5の処理を繰り返すことで、センサ値差記憶部106にセンサ値差を蓄積する。
次に、監視対象装置に設けられたセンサの異常の有無を判定するまでの動作を説明する。
図2は、第1の実施形態によるセンサ異常判定動作を示すフローチャートである。
センサ異常判定動作を開始すると、センサ値差算出部105に、模擬部103から予測センサ値が入力され、センサ値取得部104からセンサ値が入力される。次に、センサ値差算出部105は、予測センサ値とセンサ値との差であるセンサ値差を算出する(ステップS11)。また、平均算出部107は、センサ値差記憶部106が記憶するセンサ値差の平均値を算出する(ステップS12)。
次に、標準偏差算出部108は、センサ値差記憶部106が記憶するセンサ値差及び平均算出部107が算出した平均値(基準センサ値差)を用いて、センサ値差の標準偏差を算出する(ステップS13)。具体的には、以下に示す式(1)を用いてセンサ値差の標本標準偏差σを算出する。
Figure 0005773620
但し、μy^−yは、平均算出部107が算出したセンサ値差の平均値を示す。また、y は、模擬部103がn回目に算出した予測センサ値を示す。また、yは、センサ値取得部104がn回目に取得したセンサ値を示す。つまり、y −yは、センサ値差算出部105がn回目に算出するセンサ値差を示す。
これにより、標準偏差算出部108は、センサ値差の標準偏差、すなわちセンサ値差の平均値からのばらつきの度合いを算出することができる。
次に、判定部109は、センサ値差算出部105が算出したセンサ値差と平均算出部107が算出した平均値(基準センサ値差)との差を算出する(ステップS14)。次に、判定部109は、センサ値差と平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差の所定係数倍以下であるか否かを判定する(ステップS15)。すなわち、判定部109は、以下に示す式(2)を満たすか否かを判定する。
Figure 0005773620
但し、aは予め定められた値を示す係数である。
判定部109は、センサ値差と平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差のa倍以下であると判定した場合(ステップS15:YES)、監視対象装置に設置されているセンサが正常であると判定する(ステップS16)。他方、判定部109は、センサ値差と平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差のa倍超であると判定した場合(ステップS15:NO)、監視対象装置に設置されているセンサが故障していると判定する(ステップS17)。
ここで、センサ値差と平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差の所定係数倍以下であるか否かを判定することでセンサの異常の有無を判定できる理由を説明する。
図3は、センサ値差と平均値との差の絶対値の出現率と標準偏差との関係を示す図である。
センサの誤差の分布が正規分布に近似できる場合、所定の期間内におけるセンサ値差の出現率は、図3に示すようになる。すなわち、所定の期間内におけるセンサ値差の平均値μの出現率が最も高く、平均値μから離れるに従って出現率が低くなる。また、正規分布において標準偏差σ以内の誤差を有する値の出現率は決まった値(約68%)となる。したがって、判定部109は、センサ値差と平均値との差の絶対値|μ−(y−y)|が、標準偏差σの所定係数倍以下である場合に、出現率が低いと判定し、前記監視対象装置のセンサが異常であると判定することができる。
このように、本実施形態によれば、異常判定部は、所定の期間内におけるセンサ値差の出現率を用いて、センサ値差の出現率が低い場合に監視対象装置のセンサが異常であると判定する。これにより、模擬部103が出力するセンサ予測値に誤差が含まれていたとしても、当該誤差を加味してセンサの不良識別を行うため、センサの不良識別の精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、センサ値差の基準値である基準センサ値差としてセンサ値差の平均値を用いる場合を説明したが、これに限られない。例えば、センサ値が予測センサ値と同じ値を示すことを基準とする場合は、基準センサ値差として「0」を用いると良い。
この場合、標準偏差算出部108は、式(3)を用いてセンサ値差の標本標準偏差σ´を算出することとなる。また、判定部109は、式(4)を用いてセンサの異常の有無の判定を行うこととなる。
Figure 0005773620
Figure 0005773620
《第2の実施形態》
次に、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態によるセンサ異常監視装置の構成を示す概略ブロック図である。
センサ異常判定装置は、入力部101、監視対象制御部102、模擬部103、センサ値取得部104、予測センサ値記憶部201、センサ値記憶部202、時間判定部203、第1の関数算出部204、第2の関数算出部205、積分値算出部206、判定部207を備える。
なお、入力部101、監視対象制御部102、模擬部103、センサ値取得部104の機能・動作は第1の実施形態の入力部101、監視対象制御部102、模擬部103、センサ値取得部104と同じであるため、同一の符号を用いて説明する。
予測センサ値記憶部201は、模擬部103が算出した予測センサ値を記憶する。
センサ値記憶部202は、センサ値取得部104が取得したセンサ値を記憶する。
時間判定部203は、異常判定動作を開始した時刻からの経過時間を計測し、当該経過時間が所定時間を超えたか否かを判定する。
第1の関数算出部204は、予測センサ値記憶部201が記憶する予測センサ値を用いて予測センサ値と予測センサ値の出現度との関係を示す第1の関数を算出する。
第2の関数算出部205は、センサ値記憶部202が記憶するセンサ値を用いてセンサ値と当該センサ値の出現度との関係を示す第2の関数を算出する。
なお、第1の関数及び第2の関数としては、確率密度関数を用いる。
積分値算出部206は、第1の関数算出部204が算出した第1の関数と第2の関数算出部205が算出した第2の関数との重複部分の積分値を算出する。
判定部207は、積分値算出部206が算出した積分値が所定の閾値以下である場合に、センサが異常であると判定する。
すなわち、予測センサ値記憶部201、センサ値記憶部202、時間判定部203、第1の関数算出部204、第2の関数算出部205、積分値算出部206、判定部207は協働して、所定の期間内におけるセンサ値差の出現率を用いて、センサ値差の出現率が低い場合に監視対象装置のセンサが異常であると判定する異常判定部として機能する。
次に、本実施形態によるセンサ異常判定装置の動作を説明する。
図5は、第2の実施形態によるセンサ異常判定動作を示すフローチャートである。
まず、入力部101は、監視対象装置の運転条件を示す運転条件パラメータの入力を受け付け、模擬部103に出力する(ステップS21)。次に、監視対象制御部102は、制御パラメータの入力を受け付け、監視対象装置及び模擬部103に出力する(ステップS22)。模擬部103に入力部101及び監視対象制御部102からパラメータが入力されると、監視対象装置の動作の模擬を開始する(ステップS23)。
模擬部103は、監視対象装置の模擬により予測センサ値を算出すると予測センサ値記憶部201に当該予測センサ値を記録する(ステップS24)。また、センサ値取得部104は、所定の時間間隔で監視対象装置に設けられたセンサからセンサ値を取得し、当該センサ値をセンサ値記憶部202に記録する(ステップS25)。所定の時間間隔としては、例えばセンサ異常判定装置のCPUクロックのタイミングなどを用いると良い。なお、センサ値取得部104がセンサ値を取得するタイミングは、模擬部103がセンサ値を出力するタイミングと同期していることが好ましい。
次に、時間判定部203は、異常判定動作を開始した時刻からの経過時間が所定時間(例えば、10分)を超えたか否かを判定する(ステップS26)。時間判定部203が、経過時間が所定時間を超えていないと判定した場合(ステップS26:NO)、ステップS21に戻る。これにより、予測センサ値記憶部201には、所定時間の間(所定期間内)に算出された予測センサ値が蓄積され、センサ値記憶部202には、所定時間の間に取得されたセンサ値が蓄積されることとなる。監視対象装置の物理量(例えば、温度や圧力など)は、緩やかに変化するため、予測センサ値記憶部201が記憶する予測センサ値、及びセンサ値記憶部202が記憶するセンサ値は、略同じ値を示すものとみなすことができる。
他方、時間判定部203が、経過時間が所定時間を超えたと判定した場合(ステップS26:YES)、第1の関数算出部204は、以下に示す式(5)を用いて、予測センサ値と予測センサ値の出現度との関係を示す第1の関数を算出する(ステップS27)。
Figure 0005773620
但し、μy^は、予測センサ値記憶部201が記憶する予測センサ値の平均値を示す。また、σy^は、模擬部103が出力する予測センサ値の標準偏差を示す。なお、模擬部103が出力する予測センサ値のばらつきは、模擬部103によるシミュレーションを行う際に物理量の近似を行うことで発生する誤差によるものであるため、予め求めておくことができる。
また、第2の関数算出部205は、以下に示す式(6)を用いて、センサ値とセンサ値の出現度との関係を示す第2の関数を算出する(ステップS28)。
Figure 0005773620
但し、μは、センサ値記憶部202が記憶するセンサ値の平均値を示す。また、σは、センサ値取得部104が取得するセンサ値の標準偏差を示す。なお、センサ値の標準偏差は、以下に示す式(7)を用いて算出することができる。
Figure 0005773620
図6は、第1の関数と第2の関数との関係を示す図である。
次に、積分値算出部206は、第1の関数算出部204が算出した第1の関数と第2の関数算出部205が算出した第2の関数との重複部分の積分値を算出する(ステップS29)。なお、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値は、図6の斜線部の面積と等価である。具体的には、以下の手順により積分値の算出を行う。
まず、積分値算出部206は、式(5)、(6)からX=Xとなる解yを算出する。次に、式(5)からX=thとなる解y −th、y +thを算出する。また、式(6)からX=thとなる解y−th、y+thを算出する。ここで、thとは、任意の閾値を示す。そして、積分値算出部206は、以下に示す式(8)を用いて、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値を算出する。
Figure 0005773620
次に、判定部207は、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が、所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS30)。当該閾値は、監視対象装置の過去の運転データや、類似機のデータから決定される値である。
判定部207は、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が、所定の閾値より大きいと判定した場合(ステップS30:NO)、監視対象装置に設置されているセンサが正常であると判定する(ステップS31)。他方、判定部207は、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が、所定の閾値以下であると判定した場合(ステップS30:YES)、監視対象装置に設置されているセンサが故障していると判定する(ステップS32)。
ここで、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が所定の閾値以下であるか否かを判定することでセンサの異常の有無を判定できる理由を説明する。
図6から、予測センサ値の平均値μy^とセンサ値の平均値μとの差が小さく、かつ第1の関数と第2の関数が描くグラフの形状が似ているほど、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が大きくなる。予測センサ値の平均値μy^とセンサ値の平均値μとの差が小さいこと、及び第1の関数と第2の関数が描くグラフの形状が似ることは、模擬部103によるシミュレーションが監視対象装置の実際の動作に近いことを示す。
したがって、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が所定の閾値以下であるか否かを判定することで、監視対象装置に設けられたセンサ固有の誤差と、模擬部103によるシミュレーションの誤差とを加味して、センサの異常の有無を判定することができる。
なお、本実施形態では、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が所定の閾値以下であるか否かを判定することでセンサの異常の有無を判定する場合を説明したが、これに限られない。例えば、第1の関数または第2の関数における第1の関数と第2の関数との重複部の積分値の割合が所定の閾値以下であるか否かを判定することでセンサの異常の有無を判定してもよい。
《第3の実施形態》
次に、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態による模擬部103の動作を示す図である。
第3の実施形態によるセンサ異常判定装置は、第1の実施形態によるセンサ異常判定装置と模擬部103の動作が異なるものである。
模擬部103には、入力部101から運転条件パラメータとして稼働時間が入力され、図7に示すように、稼働時間に応じて出力する予測センサ値が変化するようなシミュレーションを行う。これは、監視対象装置の経年変化をモデル化したものである。
本実施形態によれば、監視対象装置の性能の経年変化を加味してシミュレーションを行うことができるため、センサの異常判定の精度をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態によるセンサ異常判定装置は、第1の実施形態によるセンサ異常判定装置と模擬部103の動作が異なるものとして説明したが、これに限られず、第2の実施形態によるセンサ異常判定装置と同様の機能を備えるものとしても良い。
また、本実施形態では、模擬部103が稼働時間に応じて予測センサ値が変化するようなシミュレーションを実行する場合を説明したが、これに限られない。例えば、模擬部103は、稼働時間に関連付けて複数のシミュレーションプログラムを記憶しておき、入力された稼働時間に最も近い稼働時間に関連付けられたシミュレーションプログラムを実行することで、稼働時間に応じて異なる模擬動作を実行するようにしても良い。
《第4の実施形態》
次に、本発明の第4の実施形態について詳しく説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態によるセンサ異常監視装置の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態によるセンサ異常判定装置は、第1の実施形態によるセンサ異常判定装置に更新部301を更に備えるものである。
更新部301は、入力部101から入力された運転条件パラメータと標準偏差算出部108が算出した標準偏差とを用いて模擬部103の内部パラメータを更新する。例えば、更新部301はカルマンフィルタによって実装すると良い。つまり更新部301は、センサ値差の出現率を用いて模擬部103による模擬動作の実行に用いる内部パラメータを更新する。
なお、本実施形態によるセンサ異常判定装置は、第1の実施形態によるセンサ異常判定装置に更新部301を備えるものとして説明したが、これに限られず、第2の実施形態によるセンサ異常判定装置と同様の機能を備えるものとしても良い。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1〜第4の実施形態では、センサ異常判定装置が監視対象の制御とセンサの異常判定とを行う場合を説明したが、これに限られず、例えば、模擬部103及び異常判定部を備える判定装置が、通信回線を介して監視対象制御部102とセンサ値取得部104とを備える制御装置から信号を受信する、いわゆる遠隔監視診断システムの構成を有するようにしても良い。これにより、詳細分析や専門の担当者による診断が可能となる。また、制御システムの設置場所の自由度を増すことができる。
上述のセンサ異常判定装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
101…入力部 102…監視対象制御部 103…模擬部 104…センサ値取得部 105…センサ値差算出部 106…センサ値差記憶部 107…平均算出部 108…標準偏差算出部 109、207…判定部 201…予測センサ値記憶部 202…センサ値記憶部 203…時間判定部 204…第1の関数算出部 205…第2の関数算出部 206…積分値算出部 301…更新部

Claims (4)

  1. 監視対象装置に設けられたセンサが正常であるか否かを判定するセンサ異常判定装置であって、
    前記センサからセンサ値を取得するセンサ値取得部と、
    前記監視対象装置の模擬を行い、前記センサ値の予測値である予測センサ値を算出する模擬部と、
    所定の期間内に前記模擬部が出力した予測センサ値を用いて前記予測センサ値と当該予測センサ値の出現度との関係を示す第1の関数を算出する第1の関数算出部と、
    所定の期間内に前記センサ値取得部が取得したセンサ値を用いて前記センサ値と当該センサ値の出現度との関係を示す第2の関数を算出する第2の関数算出部と、
    前記模擬部が出力した予測センサ値と前記センサ値取得部が取得したセンサ値から算出されるセンサ値差の出現率として前記第1の関数と前記第2の関数との重複部分の積分値を算出する積分値算出部と、
    前記積分値が所定の閾値以下である場合に、前記出現率が低いと判定し、前記監視対象装置のセンサが異常であると判定する異常判定部と
    を備えることを特徴とするセンサ異常判定装置。
  2. 前記模擬部は、前記監視対象装置の稼働時間の入力を受け付け、当該稼働時間に応じて異なる模擬動作を実行することを特徴とする請求項1に記載のセンサ異常判定装置。
  3. 前記センサ値差の出現率を用いて前記模擬部による模擬動作の実行に用いる内部パラメータを更新する更新部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサ異常判定装置。
  4. 監視対象装置に設けられたセンサが正常であるか否かを判定するセンサ異常判定装置を用いたセンサ異常判定方法であって、
    センサ値取得部は、前記センサからセンサ値を取得し、
    模擬部は、前記監視対象装置の模擬を行い、前記センサ値の予測値である予測センサ値を算出し、
    第1の関数算出部は、所定の期間内に前記模擬部が出力した予測センサ値を用いて前記予測センサ値と当該予測センサ値の出現度との関係を示す第1の関数を算出し、
    第2の関数算出部は、所定の期間内に前記センサ値取得部が取得したセンサ値を用いて前記センサ値と当該センサ値の出現度との関係を示す第2の関数を算出し、
    積分値算出部は、前記模擬部が出力した予測センサ値と前記センサ値取得部が取得したセンサ値から算出されるセンサ値差の出現率として前記第1の関数と前記第2の関数との重複部分の積分値を算出し、
    異常判定部は、前記積分値が所定の閾値以下である場合に、前記出現率が低いと判定し、前記監視対象装置のセンサが異常であると判定する
    ことを特徴とするセンサ異常判定方法。
JP2010259160A 2010-11-19 2010-11-19 センサ異常判定装置及びセンサ異常判定方法 Expired - Fee Related JP5773620B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010259160A JP5773620B2 (ja) 2010-11-19 2010-11-19 センサ異常判定装置及びセンサ異常判定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010259160A JP5773620B2 (ja) 2010-11-19 2010-11-19 センサ異常判定装置及びセンサ異常判定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012112247A JP2012112247A (ja) 2012-06-14
JP5773620B2 true JP5773620B2 (ja) 2015-09-02

Family

ID=46496741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010259160A Expired - Fee Related JP5773620B2 (ja) 2010-11-19 2010-11-19 センサ異常判定装置及びセンサ異常判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5773620B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200058980A (ko) * 2018-11-20 2020-05-28 에이치에스디엔진 주식회사 선택적 촉매 환원 시스템

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3239684A1 (en) * 2016-04-29 2017-11-01 Siemens Aktiengesellschaft Fault diagnosis during testing of turbine unit
US11158140B2 (en) * 2019-03-19 2021-10-26 General Electric Company Signal response monitoring for turbine engines

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001221096A (ja) * 2000-02-04 2001-08-17 Ntt Docomo Hokkaido Inc 不燃気筒検出装置
US6823675B2 (en) * 2002-11-13 2004-11-30 General Electric Company Adaptive model-based control systems and methods for controlling a gas turbine
JP4375132B2 (ja) * 2004-06-07 2009-12-02 トヨタ自動車株式会社 燃料供給方法及び燃料供給制御装置
JP4241579B2 (ja) * 2004-11-09 2009-03-18 本田技研工業株式会社 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP2007321673A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Toyota Motor Corp 空気量検出センサの制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200058980A (ko) * 2018-11-20 2020-05-28 에이치에스디엔진 주식회사 선택적 촉매 환원 시스템
KR102527191B1 (ko) 2018-11-20 2023-05-02 에이치에스디엔진 주식회사 선택적 촉매 환원 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012112247A (ja) 2012-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6896432B2 (ja) 故障予知方法、故障予知装置および故障予知プログラム
US10436759B2 (en) Methods and apparatus to monitor a condition of a structure
EP1777157B1 (en) System and Method for Predicting Device Deterioration
JP2019028565A (ja) 故障予知方法、故障予知装置および故障予知プログラム
KR100887433B1 (ko) 시스템-감시 모델들을 갱신하기 위한 시스템, 장치, 및방법들
KR20190025474A (ko) 플랜트 데이터 예측 장치 및 방법
US12001180B2 (en) Condition-based method for malfunction prediction
JP6052278B2 (ja) 動作判定装置、動作判定システムおよび動作判定方法
JP2015035118A (ja) 診断システムおよびエレベータ
JP5773620B2 (ja) センサ異常判定装置及びセンサ異常判定方法
KR20210012791A (ko) 기계학습 기반 예측 모델 재학습 장치 및 그 방법
JP5413240B2 (ja) イベント予測システムおよびイベント予測方法、ならびにコンピュータ・プログラム
CN105912013A (zh) 一种组合体航天器姿态无模型自适应控制方法
JP2020042398A (ja) 半導体装置及び解析システム
JP7090430B2 (ja) データ処理方法、データ処理装置、および、データ処理プログラム
JP2013196698A (ja) システム監視
JP2023166525A (ja) 状態監視装置、方法及びプログラム
US11136974B2 (en) Development of a higher-level model
KR20180116577A (ko) 건물 시스템 진단 방법 및 장치
JP5824959B2 (ja) 異常診断装置
US20160314405A1 (en) Method of maintenance of equipment
EP2562611A2 (en) Process for adaptive modeling of performance degradation
US20090099821A1 (en) Model-diversity technique for improved proactive fault monitoring
CN113821893B (zh) 一种航空发动机伺服作动系统自适应状态估计方法
JP6347771B2 (ja) 異常診断装置、異常診断方法及び異常診断プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140728

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150402

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150630

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5773620

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees