JP5772613B2 - 電着金属剥離装置用のチス刃 - Google Patents
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Description
図7に示すように、母板10には、側縁部の上部に電気絶縁性の可動プロテクタ12が回動可能に取り付けられており、その他の側縁部および下縁部には電気絶縁性の固定プロテクタ14が固定されている。電解採取により、母板10の縁部を除いた領域(ハッチングされた領域)に目的金属20が電着する。
電着金属剥離装置では、可動プロテクタ12を回動させて電着金属20の側縁部を露出させ、露出した電着金属20の側縁部と母板10との間にチス刃を挿入し、電着金属20の縁部を口開き状態とする。その後、複数の真空吸着パッドで電着金属20を吸着して、母板10から引き離すことにより、電着金属20を剥離させる。
第2発明の電着金属剥離装置用のチス刃は、第1発明において、刃角度が27°以上33°以下であることを特徴とする。
第3発明の電着金属剥離装置用のチス刃は、第1または第2発明において、刃先が平面視台形であることを特徴とする。
第4発明の電着金属剥離装置は、請求項1、2または3記載のチス刃が備えられたことを特徴とする。
第2発明によれば、刃角度が27°以上と大きいので、チス刃と電着金属との接触面積が小さくなり摩擦が小さくなることから、チス刃が電着金属と母板との間に挿入されやすくなる。また、刃角度が33°以下であるので、電着金属の縁部がチス刃に潰されることを防止できる。
第3発明によれば、刃先が平面視台形であるので、チス刃を電着金属と母板との間に深く挿入していくに従ってチス刃が挿入される範囲が徐々に広がるため、電着金属の縁部がチス刃に潰されることを防止できる。
第4発明によれば、チス刃が幅広であるため、チス刃が電着金属と母板との間に挿入されやすくなり、挿入不良の発生を低減できる。また、刃角度が可動プロテクタの楔の傾斜角度より大きいので、チス刃と電着金属との接触面積が小さくなり摩擦が小さくなることから、チス刃が電着金属と母板との間に挿入されやすくなり、挿入不良の発生を低減できる。
まず、電解採取に用いられる母板について説明する。
図7に示すように、母板10は薄い平板であり、その上部がビーム11に連結されており、このビーム11により電解採取用の電解槽に吊り下げられるようになっている。また、母板10の左右の側縁部のうち一方の側縁部の上部には、電気絶縁性の可動プロテクタ12がピン13により回動可能に取り付けられている。母板10のその他の側縁部および下縁部には、電気絶縁性の固定プロテクタ14が固定されている。
電解採取においては、母板10の両面であって、縁部を除いた領域(ハッチングされた領域)に目的金属20が電着する。
このように、挟持面12aが断面視楔形であるため、電着金属20は側縁部が挟持面12aの傾斜に沿って電着する。
電解採取により、目的金属20が電着された母板10は電解槽から引き上げられ、電着金属剥離装置に搬送される。
電着金属剥離装置では、まず、母板10に取り付けられた可動プロテクタ12を、ピン13を軸に回動させて、母板10の側縁部から離間させる。この工程により、電着金属20の側縁部のうち、可動プロテクタ12が装着されていた部分が露出して、図8(b)に示すように、母板10から浮いた状態となる。
その後、複数の真空吸着パッドで電着金属20を吸着して、母板10から引き離すことにより、電着金属20を剥離する。
なお、刃先の傾斜部分は両端に行くにしたがい刃角度が大きくなるように形成されており、傾斜部分の中央では刃角度が60°(図2(b)参照)、端部では刃角度が90°(図2(c)参照)となっている。
まず、図4(a)に示すように、互いの距離が離れた状態の一対のチス刃30、30を母板10の方向に前進させつつ、互いの距離を狭くしていき、一対のチス刃30、30で母板10の側縁部を挟み込む。
電着金属20の縁部を口開き状態とした後に、チス刃30、30を後退させる。
このような場合には、図5(b)に示すように、電着金属20が可動プロテクタ12の挟持面12aの傾斜に沿って電着せず、可動プロテクタ12を離間させても電着金属20の側縁部が母板10から浮いた状態とならない場合がある。そうすると、チス刃30が電着金属20と母板10との間に挿入されずに電着金属20の表面を上滑りし、口開き状態にできない恐れがある。
しかし、本実施形態に係るチス刃30は刃先が平面視台形であるので、チス刃30を電着金属20と母板10との間に深く挿入していくに従って、電着金属20の側縁部のうちチス刃30が挿入される範囲が徐々に広がる。そのため、幅広であっても、電着金属20の側縁部がチス刃30に潰されることを防止できる。
(比較例)
図6に示すような、幅寸法が37.5mmであり、刃角度が可動プロテクタ12の挟持面12aの楔の傾斜角度と同じ25°であるチス刃を用いて、電着金属剥離装置を30日間可動させた。稼働期間中は、平均860回/日の電着金属20の剥離を行った。
その結果、チス刃の電着金属と母板との間への挿入不良は平均75回/日(約8.7%)発生した。
上記図1に示すチス刃30を用いて、電着金属剥離装置を30日間可動させた。稼働期間中は、平均860回/日の電着金属20の剥離を行った。
その結果、チス刃の電着金属と母板との間への挿入不良は平均26回/日(約3.0%)発生した。
11 ビーム
12 可動プロテクタ
13 ピン
14 固定プロテクタ
20 電着金属
30 チス刃
31 チス刃ホルダ
Claims (4)
- 縁部に断面視楔形の可動プロテクタが着脱可能に取り付けられた母板から電着金属を剥離する電着金属剥離装置に備えられ、該電着金属と該母板との間に挿入し、該電着金属の縁部を口開き状態とするために用いられるチス刃であって、
幅広であり、
刃角度が前記可動プロテクタの楔の傾斜角度より大きい、
ことを特徴とする電着金属剥離装置用のチス刃。 - 刃角度が27°以上33°以下である
ことを特徴とする請求項1記載の電着金属剥離装置用のチス刃。 - 刃先が平面視台形である
ことを特徴とする請求項1または2記載の電着金属剥離装置用のチス刃。 - 請求項1、2または3記載のチス刃が備えられた
ことを特徴とする電着金属剥離装置。
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JP2012005247A JP5772613B2 (ja) | 2012-01-13 | 2012-01-13 | 電着金属剥離装置用のチス刃 |
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JP2013144826A JP2013144826A (ja) | 2013-07-25 |
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