JP5772611B2 - タンデム四重極型質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、MS/MS分析を実施可能であるタンデム四重極型質量分析装置に関し、さらに詳しくは、タンデム四重極型質量分析装置におけるノイズ低減技術に関する。
分子量が大きな物質の同定やその構造の解析を行うために、質量分析の一つの手法としてMS/MS分析(タンデム分析)と呼ばれる手法が広く用いられている。MS/MS分析を行うための質量分析装置としては種々の構成のものがあるが、構造が比較的簡単で操作や扱いも容易であるのがタンデム四重極型(三連四重極型とも呼ばれる)質量分析装置である。
特許文献1などに記載されているように、一般的なタンデム四重極型質量分析装置では、イオン源で生成された試料成分由来のイオンが前段四重極マスフィルタ(慣用的にQ1と記述される)に導入され、特定の質量電荷比m/zを有するイオンがプリカーサイオンとして選別される。このプリカーサイオンが、四重極型(又はそれ以上の多重極型)のイオンガイド(慣用的にq2と記述される)が内装されたコリジョンセルに導入される。コリジョンセルにはアルゴン等の衝突誘起解離(CID)ガスが供給され、コリジョンセル内でプリカーサイオンはCIDガスに衝突して開裂し、各種のプロダクトイオンが生成される。このプロダクトイオンが後段四重極マスフィルタ(慣用的にQ3と記述される)に導入され、特定の質量電荷比m/zを有するプロダクトイオンが選別されて検出器に到達し検出される。
検出器としては、多段ダイノード型の二次電子増倍管を用いたものやコンバージョンダイノード、蛍光体、光電子増倍管を組み合わせたもの、などがよく利用されている。近年の一般的なタンデム四重極型質量分析装置では、こうした検出器で得られたアナログ検出信号を所定のサンプリング周期でサンプリングした後にアナログ/デジタル(A/D)変換し、それにより得られたデジタルデータを所定時間(一般にドウェルタイムDwell Timeという)の間、積算する(又は平均化する)ことによって、或る1点の測定データを取得するようにしている。例えば、ガスクロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)の検出器としてタンデム四重極型質量分析装置を用いたGC/MS/MS、LC/MS/MSにおいて、MRM(Multiple Reaction Monitering)測定を行う場合には、ドウェルタイム毎に積算により得られた測定データを用いて目的とする質量電荷比におけるマスクロマトグラムが作成される。
タンデム四重極型質量分析装置においてMS/MS分析を行う場合、前段四重極マスフィルタで選択されたイオンから生成されるプロダクトイオンを後段四重極マスフィルタで選択した上で検出するため、夾雑物由来イオンなど、不所望のイオンが検出器に到達することを大幅に抑制できる。そのため、四重極マスフィルタが1段のみである通常の質量分析装置で問題となるケミカルノイズを殆ど排除することができる。しかしながら、検出器への中性粒子の飛び込みなどに起因するノイズを完全に除去することはできないため、検出器の感度(ゲイン)を高くするとスパイク状のノイズが観測される。
図4(a)は、サンプルが無い状態、つまり無信号状態で、プリカーサイオン:m/z=272、プロダクトイオン:m/z=241のMRM測定を10分間実行したときに観測されるマスクロマトグラムの一例である。図で分かるように、ほぼランダムにスパイク状のノイズが生じていることが確認できる。こうしたノイズは微量分析のために検出器の感度を上げようとするほど顕著になるため、微量成分の定量等の際には大きな障害となる。
特開2006−278024号公報
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、MS/MS分析において特に問題となるスパイク状のノイズを低減することができるタンデム四重極型質量分析装置を提供することにある。
本願発明者の検討によれば、前述のスパイク状ノイズは測定質量電荷比には依存せず、装置の状態によって多少の変動はあるものの、1秒間に数パルス程度の頻度でランダムに発生することが判明した。一方、データを積算する積算時間、つまりドウェルタイムは測定モードや測定条件(例えばスキャン測定モードであればスキャンスピードなど)に依存するものの、通常、数msec〜100msec程度の範囲であり、A/D変換部でのサンプリング周期はドウェルタイムに比べて格段に短い。つまり、一つのドウェルタイム中に積算されるデータの総数は非常に多いのに対し、そのデータの中にノイズデータ(上述した中性粒子等の飛び込みによる強度が反映されているデータ)が存在していたとしてもその数はごく僅かであると考えられる。
したがって、ノイズデータと正規データとを識別することはできないものの、測定対象であるイオンが検出器に到達している間であれば、データの一部をノイズデータであるとみなして削除する、つまりは積算対象から外してしまっても、積算結果には殆ど影響を与えない筈である。一方、測定対象であるイオンが検出器に到達していない間であれば、値が或る一定以上である少数のデータはノイズデータである可能性が高いといえる。本発明はこうした知見及び発想に基づいてなされたものである。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明は、イオン源と、該イオン源で生成された各種のイオンから特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選択して通過させる前段マスフィルタと、前記プリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを生成するコリジョンセルと、その生成されたプロダクトイオンの中の特定の質量電荷比を有するイオンを選択して通過させる後段マスフィルタと、該後段マスフィルタを通過したイオンを検出する検出器と、を具備するタンデム四重極型質量分析装置において、
a)前記検出器で得られた信号を所定周期でデジタルデータに変換するA/D変換手段と、
b)該A/D変換手段により順次得られるデジタルデータの値が所定の閾値を超えているか否かを判定するデータ値判定手段と、
c)積算期間中に前記A/D変換手段により順次得られる全データについて、そのデータが得られる順に、前記データ値判定手段により値が所定の閾値を超えていると判定されたデータを最大限予め決められた個数まで積算対象から除外し、除外されなかったデータの値を積算する又は平均化することで、積算期間毎にそれぞれ測定データを求めるデータ積算手段と、
を備えることを特徴としている。
ここで、上記の「所定の閾値」は、検出器にイオンや上述のスパイク状ノイズの原因となる中性粒子などが導入されていない状態、つまり全くの無信号状態であるときに、データ値判定手段に入力されるノイズ信号(主として熱雑音などの回路系由来のノイズ)のレベルよりも高い値に定められる。また、上記の「最大限予め決められた個数」は積算期間中に得られるデジタルデータの総数に対して十分に小さな値に定められる。
測定対象であるイオンが検出器に導入されていない状態でスパイク状ノイズの原因となる中性粒子等が検出器に飛び込むと、それに応じてA/D変換手段からデータ値判定手段に入力されるデータの値は所定の閾値を超える。その結果、データ積算手段は、上記の中性粒子等の飛び込みよって生じた値を示すデータを積算対象から除外する。前述したように、積算期間(ドウェルタイム)中に中性粒子等の飛び込みがあったとしても、その回数はかなり少なく、通常、上記の「最大限予め決められた個数」に達しない。そのため、中性粒子の飛び込みよって生じた値を示すデータは、積算期間中の積算対象からほぼ全て外され、積算結果には反映されない。つまり、スパイク状ノイズは除去されることになる。
一方、測定対象であるイオンが検出器に導入されている状態では、A/D変換手段からデータ値判定手段に入力される、ほぼ全てのデータの値は所定の閾値を超える。そのため、データ積算手段は、一つの積算期間中の初期においてデータを積算対象から除外するが、その除外されるデータの個数は直ぐに上記の「最大限予め決められた個数」に達してしまうため、それ以降、値が所定の閾値を超えるデータは全て積算対象となる。積算対象から除外されるデータの個数は一つの積算期間中に得られるデータ総数に比べてごく僅かであるため、データを除外したことの影響は積算結果に殆ど現れないことになる。
本発明に係るタンデム四重極型質量分析装置によれば、MS/MS分析の際に問題となるスパイク状ノイズを低減することができる。これにより、例えばバックグラウンドノイズが低レベルであるマスクロマトグラムを作成することができ、測定対象イオンに対応したピークを正確に捉えて高い定量性能を達成することができる。
なお、本発明に係るタンデム四重極型質量分析装置におけるノイズ低減技術は、積算期間が比較的長い場合に特に有効である。そのため、MRM測定のようにプリカーサイオン及びプロダクトイオンの質量電荷比が固定されている(スキャンされない)測定モードにおいて特に効果を発揮する。また、プロダクトイオンスキャン、プリカーサイオンスキャンなどのスキャンを伴う測定モードでも、スキャンスピードが比較的遅い場合には十分な効果を発揮し得る。
本発明の一実施例によるタンデム四重極型質量分析装置の要部の構成図。 本実施例のタンデム四重極型質量分析装置におけるノイズ低減のための処理の概念図。 本実施例のタンデム四重極型質量分析装置におけるデータ積算処理部の動作を示すフローチャート。 本発明によるノイズ低減処理の効果を示すノイズデータの実測例。 実際のサンプルをMRM測定して得られたマスクロマトグラムの実測例。
本発明の一実施例であるタンデム四重極型質量分析装置について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例によるタンデム四重極型質量分析装置の要部の構成図である。
本実施例のタンデム四重極型質量分析装置は、図示しない真空ポンプにより真空排気される分析室11の内部に、測定対象である試料をイオン化するイオン源12と、それぞれ4本のロッド電極から成る前段四重極マスフィルタ13及び後段四重極マスフィルタ16と、内部に多重極型イオンガイド15が配設されたコリジョンセル14と、イオンを検出してイオン量に応じた検出信号を出力する検出器17と、を備える。試料が液体である場合にはイオン源12としてESI、APCI、APPIなどの大気圧イオン源が用いられ、試料が気体である場合にはイオン源12としてEI、CIなどが用いられる。
制御部20による制御の下で、前段四重極マスフィルタ13にはQ1電源部21から、多重極型イオンガイド15にはq2電源部22から、後段四重極マスフィルタ16にはQ3電源部23から、それぞれ所定の電圧が印加される。この制御部20には、ユーザが入力設定などを行う入力部24と、測定結果などを表示するための表示部25とが接続されている。
検出器17は例えば多段ダイノード型二次電子増倍管を用いた検出器である。この検出器17から出力されるアナログ検出信号(イオン強度信号)はA/D変換器(ADC)18において所定のサンプリング周期で以てサンプリングされた後にデジタルデータに変換され、データ処理部30に入力される。データ処理部30は後述する特徴的な動作を実施するデータ積算処理部31を含む。データ積算処理部31はドウェルタイム毎にデータ値を積算(平均化)し、データ処理部30ではその積算により得られた測定データに基づいてマスクロマトグラムやマススペクトルなどが作成される。
なお、制御部20やデータ処理部30はパーソナルコンピュータをハードウエアとして、該コンピュータにインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアを実行することにより具現化される機能ブロックである。
制御部20による制御の下でQ1電源部21から前段四重極マスフィルタ13に印加される電圧及びQ3電源部23から後段四重極マスフィルタ16に印加される電圧はいずれも、直流電圧に高周波電圧が重畳された電圧である。その直流電圧及び高周波電圧はそれぞれ選択対象のイオンの質量電荷比に応じた電圧とされる。一方、q2電源部22から多重極型イオンガイド15に印加される電圧はイオン収束用の高周波電圧である。
本実施例のタンデム四重極型質量分析装置においてMRM測定を実行する際には、ユーザは入力部24からプリカーサイオンとプロダクトイオンの質量電荷比をそれぞれ入力設定する。すると、制御部20の制御の下で、Q1電源部21は設定されたプリカーサイオンの質量電荷比のみが選択的に通過するような電圧を前段四重極マスフィルタ13に印加し、Q3電源部23は設定されたプロダクトイオンの質量電荷比のみが選択的に通過するような電圧を後段四重極マスフィルタ16に印加する。イオン源12で生成された試料由来の各種イオンは前段四重極マスフィルタ13に導入されるが、設定されたプリカーサイオンのみが前段四重極マスフィルタ13を通り抜けてコリジョンセル14に入る。
プリカーサイオンはコリジョンセル14内でCIDガスと接触し開裂が促進され、各種のプロダクトイオンが生成される。この各種プロダクトイオンはコリジョンセル14を出て後段四重極マスフィルタ16に導入されるが、設定されたプロダクトイオンのみが後段四重極マスフィルタ16を通過して検出器17に到達する。したがって、理想的には、設定されたプリカーサイオンから生成された、設定されたプロダクトイオンが存在するときにのみ、該プロダクトイオンが検出器17に到達してそのイオン量に応じた検出信号が生じる。しかしながら、意図しない中性粒子等が検出器17に飛び込んだときにも同様に検出信号が生じ、その検出信号が目的とするイオンによるものか或いは不所望の中性粒子等によるものであるのかの区別はできない。
そこで、本実施例のタンデム四重極型質量分析装置では、以下に説明するような特徴的なデータ積算処理を実行することにより、上記のような中性粒子等の飛び込みに起因するノイズを除去する。
図2は本実施例のタンデム四重極型質量分析装置におけるノイズ低減のための処理の概念図、図3は図1中のデータ積算処理部31で一つの積算期間(ドウェルタイム)における動作を示すフローチャートである。以下の説明では、一例として、A/D変換器18におけるサンプリング周期は5μsec、ドウェルタイムは100msecであるとする。したがって、一つの積算期間中に処理すべき(A/D変換器18から出力されデータ処理部30に入力される)データの総数は、100000÷5=20000個である。ステップS2における規定数はこのデータ総数、つまり20000である。
一つの積算期間において積算処理が開始されると、まず、処理に使用する三つの変数、即ち、処理データ数X、削除データ数Y、及び積算数Zを全てリセットする(ステップS1)。次に、処理データ数Xが上述した規定値に到達しているか否かを判定することにより、積算期間中に処理すべきデータに対する処理が全て終了したか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2で処理データ数Xが規定数未満であれば、つまり積算期間中に処理すべきデータが未だ残っていれば、次のサンプリングタイミングに対するデータを取得し(ステップS3)、処理データ数Xをインクリメントする(ステップS4)。そして、その時点における削除データ数Yが最大削除数P未満であるか否かを判定し(ステップS5)、削除データ数Yが最大削除数P未満であればステップS3で取得したデータの値が所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS6)。
ステップS5における最大削除数Pはサンプリング周期や積算期間の長さ、つまりは処理データの総数(上記規定数)などに応じて予め決められる値であり、目安としては処理データの総数の0.1%程度の値、この例では10〜100程度の範囲で適宜に定められる。一方、ステップS6における閾値は完全な無信号状態(検出器17にイオンや中性粒子などが導入されない状態)のときにステップS6でYesと判定されることがないようなレベル、即ち、検出器17や図示しないアンプ等の回路の熱雑音などを含む回路系のノイズに対応したデータ値よりも確実に大きく、且つ、イオンや中性粒子が検出器17に入射したときのデータ値よりも小さくなるように適宜選ばれた値である。この閾値や最大削除数Pは装置メーカーが予め決めておけばよい。
ステップS6においてデータ値が閾値を超えていないと判定された場合(Noである場合)には、上記理由により、無信号状態であると判断できるから、そのときのデータ値を積算し(ステップS8)、積算数Zをインクリメントして(ステップS9)ステップS2へ戻る。一方、ステップS6においてデータ値が閾値を超えていると判定された場合(Yesである場合)には、削除データ数Yが最大削除数Pに達しない状況でイオンや中性粒子等が検出器17に入射したと判断できるから、そのときのデータ値を積算することなく(つまり積算対象から外して)、削除データ数Yをインクリメント(ステップS7)しただけでステップS2へ戻る。
上記ステップS2〜S9の処理は、ステップS2においてYesと判定されるまで繰り返されるから、本例では20000回繰り返されることになる。その繰り返しの間に、削除データ数Yが最大削除数P未満(ステップ5でYes)であってデータ値が所定の閾値を超える(ステップS6でYes)度に削除データ数Yがインクリメントされることになる。
そして、積算期間中に処理すべきデータに対する処理が全て終了したならば、ステップS2からS10へと移行し、その時点における積算データ値を積算数Zで除することによりその積算期間における平均データ値を算出する。この平均データ値が当該積算期間における一つの測定データとしてメモリ等に保存され、マスクロマトグラムやマススペクトルの作成に利用される。
一つの積算期間中、完全な無信号状態が続く場合には、ステップS6においてNoと判定され続ける。これは、積算期間中に測定対象であるイオンが検出器17に到達しないのみならず、スパイク状ノイズの原因となる中性粒子等の検出器17への飛び込みもない状態である。したがって、この場合には積算対象から外されるデータは無く、積算期間中に得られた全てのデータの値が積算されることになる(図2(a)参照)。
一つの積算期間中、測定対象であるイオンは検出器17に到達しないものの、スパイク状ノイズの原因となる中性粒子等の検出器17への飛び込みがある場合、その飛び込みに応じてA/D変換器18から出力されるデータの値は閾値を超える。但し、一つの積算期間中に上記のような不所望の粒子の飛び込みが起こる回数は少なく、通常、最大削除数Pに達することはない。そのため、上述したステップS2〜S9の繰り返し処理の過程で、ステップS5においてNoと判定される状況となることは殆どなく、値が閾値を超えたデータ(図2(b)で○印を付したデータ)は全て積算対象から外される(図2(b)参照)。即ち、中性粒子等の検出器17への飛び込みによって閾値を超えるデータが散発的に存在しても、これは積算されないので積算値やそれから求まる平均データ値には反映されず、ノイズは低減されることになる。
測定対象であるイオンが後段四重極マスフィルタ16を通り抜けて検出器17に到達する状況では、一つの積算期間中、ほぼ連続的に(或いは高い頻度で)A/D変換器18から出力されるデータの値は閾値を超える。もちろん、その中にスパイク状ノイズの原因となる中性粒子等の検出器17への飛び込みによるデータが存在しても区別はつかない。このように高い頻度でデータ値が閾値を超えると、上述したステップS2〜S9の繰り返し処理の過程で、削除データ数Yは積算期間初期の或る時点で最大削除数Pを超えてしまう。そのため、その時点以降、ステップS5においてNoと判定され、閾値を超えたデータ値が全て積算対象となる(図2(c)参照)。
この場合、積算対象から外れたデータ(図2(c)で○印を付したデータ)の値は、実は中性粒子等の入射によるものでなく測定対象であるイオンの入射を反映したものである可能性も高いが、積算対象から外れるデータの個数は最大でも最大削除数Pであり、これはデータの総数に比べて十分に少ない。したがって、仮に正規のデータを積算対象から外してしまっていても、積算結果に対する影響は殆どなく、測定対象イオンの強度に応じた高精度な値を得ることが可能である。
以上説明したようなデータ積算処理を行うことにより、本実施例のタンデム四重極型質量分析装置では、MS/MS分析において従来問題となっていたスパイク状ノイズを効果的に除去することができる。
図4(b)は図4(a)に示したノイズデータに対し上述したデータ積算処理に伴うノイズ低減処理を施したときのノイズデータである。図4(a)では顕著であったスパイク状ノイズが十分に除去されていることが分かる。
図5は、本実施例のタンデム四重極型質量分析装置を検出器としたGC/MS/MSにおいて、オクタフルオロナフタレン(OFN)100fgのサンプルをMRM測定(プリカーサイオン:m/z=272、プロダクトイオン:m/z=241)して得られたマスクロマトグラムの実測例である。バックグラウンドノイズが十分に抑えられ、OFN由来のピークが明瞭に観測されていることが分かる。このようなピークに基づき、OFNの高精度の定量が可能である。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
11…分析室
12…イオン源
13…前段四重極マスフィルタ
14…コリジョンセル
15…多重極型イオンガイド
16…後段四重極マスフィルタ
17…検出器
20…制御部
21…Q1電源部
22…q2電源部
23…Q3電源部
24…入力部
25…表示部
30…データ処理部
31…データ積算処理部

Claims (1)

  1. イオン源と、該イオン源で生成された各種のイオンから特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選択して通過させる前段マスフィルタと、前記プリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを生成するコリジョンセルと、その生成されたプロダクトイオンの中の特定の質量電荷比を有するイオンを選択して通過させる後段マスフィルタと、該後段マスフィルタを通過したイオンを検出する検出器と、を具備するタンデム四重極型質量分析装置において、
    a)前記検出器で得られた信号を所定周期でデジタルデータに変換するA/D変換手段と、
    b)該A/D変換手段により順次得られるデジタルデータの値が所定の閾値を超えているか否かを判定するデータ値判定手段と、
    c)積算期間中に前記A/D変換手段により順次得られる全データについて、そのデータが得られる順に、前記データ値判定手段により値が所定の閾値を超えていると判定されたデータを最大限予め決められた個数まで積算対象から除外し、除外されなかったデータの値を積算する又は平均化することで、積算期間毎にそれぞれ測定データを求めるデータ積算手段と、
    を備えることを特徴とするタンデム四重極型質量分析装置。
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