JP5772588B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
前記室外機(10)と通信可能に接続され、且つ前記電力供給が遮断された室外機(10)に電力供給を開始する起動手段(K2R)を有する室内機(20)と、を備えた空気調和装置を対象とし、前記室内機(20)は、前記室外機(10)への電力供給が遮断されていることを示す遮断情報を記憶する記憶部(24)と、前記室内機(20)と室外機(10)との通信異常を検知する検知部(23)とを有し、前記記憶部(24)は、運転停止中に前記室外機(10)への電力供給が遮断されると遮断信号を記憶し、前記検知部(23)は、前記室内機(20)と室外機(10)との通信異常を検知した場合において、前記遮断情報が記憶部(24)に記憶されているときには、該通信異常を無効とすることを特徴とする。
《実施形態》
〈全体構成〉
図1は、本発明の実施形態にかかる空気調和装置(1)の電装系統のブロック図である。この空気調和装置(1)は、運転停止中に室外機(10)への電力供給を遮断することができる空気調和装置である。
室外機(10)は、電装系統として、第1室外側電源回路(14)、第2室外側電源回路(12)、室外機伝送回路(11)、室外側制御回路(13)、リレー(K13R,K14R,K15R)を備えている。尚、図示は省略するが、室外機(10)には、電動圧縮機、室外熱交換器、室外ファン、膨張弁などの機器が設けられている。
第1室外側電源回路(14)は、交流電源(40)から受電した3相交流を直流に変換し、いわゆるインテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module、以下、IPMと略記する)や室外ファンモータに供給する。尚、IPMは、入力された直流を所定の周波数及び電圧の交流に変換し、前記電動圧縮機のモータに給電する。この第1室外側電源回路(14)は、ノイズフィルタ(14a)、2つのメインリレー(14b)、2つのダイオードブリッジ回路(14c)、リアクトル(14d)、及び平滑コンデンサ(14e)を有している。
第2室外側電源回路(12)は、前記三相交流のR相及びS相の2相を直流(この例では5V)に変換し、室外側制御回路(13)に供給する。この第2室外側電源回路(12)は、ダイオードブリッジ回路(12a)、平滑コンデンサ(12b)、及びスイッチング電源(12c)を備えている。
室外機伝送回路(11)は、室内機伝送回路(21)との間で信号の送受信による通信を行う。この通信では、信号線(S)と共通線(N)との間の電位差に基づいて、ハイレベル及びローレベルの2値のデジタル信号の通信を行う。室内機伝送回路(21)内の通信回路(図示は省略)は、一端が共通線(N)に接続され、通信回路の他端はリレー(K14R)を介して信号線(S)に接続されている。
リレー(K13R)は、第2室外側電源回路(12)への交流供給の経路を切り替えるリレーである。リレー(K13R)は、いわゆるC接点リレーで構成されている。詳しくは、リレー(K13R)は、2つの固定接点と、ひとつの可動接点を有し、該リレー(K13R)のコイル(不図示)に通電されていない場合は、一方の固定接点(ノーマルクローズ接点とよぶ)と可動接点とが接続され、該コイルに通電されると、もう一方の固定接点(ノーマルオープン接点とよぶ)と可動接点とが接続される。リレー(K13R)の切換え(コイルへの通電の有無)は、室外側制御回路(13)が制御する。
リレー(K14R)は、信号線(S)と室外機伝送回路(11)との接続(オン)及び非接続(オフ)を切り替えるリレーである。リレー(K14R)のオンオフは、室外側制御回路(13)が制御する。
リレー(K15R)は、室外機伝送回路(11)への電力供給の有無を切り替えるリレーである。リレー(K15R)をオンにすれば、交流電源(40)から室外機伝送回路(11)に電力供給され、リレー(K15R)をオフにすれば、交流電源(40)から室外機伝送回路(11)への電力供給が断たれる。リレー(K15R)のオンオフは、室外側制御回路(13)が制御する。
室外側制御回路(13)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるプログラムを格納したメモリを含んでいる。室外側制御回路(13)は、例えば室外機伝送回路(11)が室内機伝送回路(21)から受信した信号に応じて前記電動圧縮機等の制御を行う他、室外機(10)の起動時の制御も行う。
室内機(20)は、電装系統として、室内側電源回路(22)、室内機伝送回路(21)、室内側制御回路(23)、記憶部(24)、リレー(K2R)、第1ダイオード(D1)、及び第2ダイオード(D2)を備えている。尚、図示は省略するが、室内機(20)には、室内熱交換器、室内ファンなどの機器が設けられている。
室内側電源回路(22)は、ノイズフィルター(22a)、ダイオードブリッジ回路(22b)、平滑コンデンサ(22c)、及びスイッチング電源(22d)を有している。この室内側電源回路(22)は、電力配線(L)及び共通線(N)を介して交流電源(40)から供給された交流を直流(この例では5Vの直流)に変換し、室内側制御回路(23)に供給する。
室内機伝送回路(21)は、既述の通り、室外機伝送回路(11)との間で信号の通信を行う。この通信では、信号線(S)と共通線(N)との間の電位差に基づいて通信を行うので、室内機伝送回路(21)の通信回路の一端は信号線(S)に接続され、通信回路の他端は共通線(N)に接続されている。
リレー(K2R)は、電力配線(L)と信号線(S)とを結ぶバイパス線に設けられており、電力配線(L)と信号線(S)との接続及び非接続を切り替えるリレーである。このリレー(K2R)は、電力供給が遮断された室外機(10)に対し電力供給を開始する起動手段として機能する。そして、リレー(K2R)をオンにすれば、電力配線(L)と信号線(S)とが接続され、リレー(K2R)をオフにすれば、電力配線(L)と信号線(S)とが切断される。リレー(K2R)のオンオフは、室内機制御部(23)が制御する。
第1ダイオード(D1)は、アノードが前記バイパス線と信号線(S)との接続ノード(ND1)に接続され、カソードがリレー(K2R)に接続されている。この第1ダイオード(D1)は、室内機伝送回路(21)へ流入する方向の交流電流を阻止する機能を有する。
第2ダイオード(D2)は、アノードが信号線(S)の接続ノード(ND1)に接続され、カソードが室内機伝送回路(21)における信号入力ノード(ND2)に接続されている。この第2ダイオード(D2)は、室内機伝送回路(21)から流出する方向の交流電流を阻止する機能を有する。
室内側制御回路(23)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるプログラムを格納したメモリを含んでいる。また、室内側制御回路(23)は、リモコン(30)からの指令を受けて、空気調和装置(1)の運転の状態を制御する。この室内側制御回路(23)は、後述するように室外機(10)と室内機(20)との通信異常を検知する検知部を構成する。
記憶部(24)は、室内側制御回路(23)に接続されている。この記憶部(24)には、詳しくは後述するが、室外機(10)への電力供給が遮断されていることを示す遮断情報が記憶される。
リモコン(30)は、ユーザーの操作を受け付けるとともに、ユーザーの操作に応じた信号を室内側制御回路(23)に送信する。ユーザーは、例えば、リモコン(30)のボタン操作により、空気調和装置(1)の運転開始、停止、設定温度調整などを行えるようになっている。リモコン(30)は、信号線で室内側制御回路(23)と結線されたいわゆるワイヤードリモコンとして構成してもよいし、赤外線や電波を用いて室内側制御回路(23)と通信を行う、いわゆるワイヤレスリモコンとして構成してもよい。
図2は、空気調和装置(1)の状態遷移図である。空気調和装置(1)は、以下に説明するサスペンド状態、充電状態、ウエイト状態、及び運転状態の4つの状態を遷移する。尚、本明細書中において、待機電力とは「機器が非使用状態、若しくは何らかの入力(命令指示等)待ちの時に定常的に消費している電力」をいう。具体的に、空気調和装置(1)では、リモコン(30)の待ち受けのみを行うのに必要な電力が待機電力である。
サスペンド状態とは、室内機(20)には電力が供給され、室外機(10)には電力が供給されていない状態である。
充電状態とは、室外機(10)では、第2室外側電源回路(12)の平滑コンデンサ(12b)に充電される経路が形成され、室外機伝送回路(11)と室内機伝送回路(21)の間の信号伝送が開始されるまでの期間における状態をいう。このとき、室内機(20)の電力消費は、サスペンド状態と同様である。
ウエイト状態とは、運転開始時には上記充電状態を抜けた状態であり、運転停止時には運転状態(後述)から遷移する状態であり、何れも、室外機(10)が、即時、運転状態へ移行可能な状態をいう。ウエイト状態では、室外機伝送回路(11)も室外側制御回路(13)も動作している。特に、運転停止時のウエイト状態(運転状態から遷移するウエイト状態)は、電動圧縮機における冷媒圧力を均圧させるためや、運転開始と運転停止を繰り返すスケジュール運転が設定されている場合などのために設けられており、その時間は例えば10分である。なお、室内機(20)の電力消費はサスペンド状態と同様である。
運転状態とは、メインリレー(14b)をオンにして、電動圧縮機や室外ファンが運転可能な状態、若しくは運転している状態をいう。いわゆる欠相通電やサーモオフ状態もこれに相当する。なお、室内機(20)では、室内ファン等が運転状態となり、電力消費は、前記の各状態よりも増える。尚、この運転状態を除く、サスペンド状態、充電状態、ウエイト状態が本明細書中における「運転停止中」に相当する。
空気調和装置(1)では、運転開始する場合には、図2に実線矢印で示した順で、サスペンド状態から運転状態に遷移する。
まず、サスペンド状態における電装系統の状態を図1を参照しながら説明する。
図3は、平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成された時点の各リレーの状態を示す図である。また、図4は、充電状態への移行が完了した後の各リレーの状態を示す図である。
図5は、ウエイト状態への移行完了時における各リレーの状態を示す図である。室内機(20)では、リレー(K2R)をオンにしてから所定の時間(室外側制御回路(13)が起動するのに十分な時間)が経過した後に、リレー(K2R)をオフにする。これにより、信号線(S)を信号の送受信に使用できるようになる。
図6は、運転状態における各リレーの状態を示す図である。ウエイト状態から運転状態への移行する際には、室外側制御回路(13)は、2つのメインリレー(14b)をオンにする。これにより、第1室外側電源回路(14)によって、前記IPMや室外ファンモータに電力が供給されて、電動圧縮機などが運転状態になる。そうして、空気調和装置(1)では、室外機(10)と室内機(20)とが通信しながら、冷房運転又は暖房運転が行われる。
運転停止する場合には、図2に破線矢印で示した順で、運転状態からサスペンド状態に遷移する。
ユーザーがリモコン(30)で運転停止操作をすると、リモコン(30)から室内機(20)に運転停止信号が送信され、室内機(20)から室外機(10)に運転停止信号が送信される。
ユーザがリモコン(30)で運転停止操作をすると、リモコン(30)では、所定のサスペンド移行禁止条件が判定される。このサスペンド移行禁止条件は、例えばユーザーがリモコン(30)で運転停止操作をした時刻がスケジューリング機能で予約された運転開始予定時刻から所定時間以内である場合には、ウエイト状態からサスペンド状態への移行を禁止するというものである。上記サスペンド移行禁止条件に該当しない場合には、リモコン(30)から室内機(20)に遮断要求信号が送信され、室内機(20)から室外機(10)に遮断要求信号が送信される。
本空気調和装置(1)は、上述したように、室内機(20)側から室外機(10)を制御するために、室内機(20)と室外機(10)との間で通信を行っている。しかしながら、例えば室外機伝送回路(11)が故障したりすることにより、室内機(20)と室外機(10)とが通信することができなく場合がある。そこで、本空気調和装置(1)では、室内側制御回路(23)が室内機伝送回路(21)と室外機伝送回路(11)との通信状態を監視している。そして、室内側制御回路(23)は、室内機(20)と室外機(10)とが通信することができなくなると、通信異常を検知する。
本実施形態によれば、ウエイト状態からサスペンド状態に移行するときに、室内機(20)の記憶部(24)に遮断情報が記憶される。そして、室内側制御回路(23)が室内機(20)と室外機(10)との通信異常を検知した場合において、記憶部(24)に遮断情報が記憶されているときには、当該検知した通信異常が無効とされる。従って、室外機(10)への電力供給が遮断されているときに室内機(20)と室外機(10)とが通信することができないことを通信異常と誤検知してしまうことを確実に回避することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のようにしてもよい。
10 室外機
20 室内機
23 室内側制御回路(検知部)
24 記憶部
K2R リレー(起動手段)
Claims (2)
- 運転停止中に電力供給が遮断された状態に移行する室外機(10)と、
前記室外機(10)と通信可能に接続され、且つ前記電力供給が遮断された室外機(10)に電力供給を開始する起動手段(K2R)を有する室内機(20)と、を備え、
前記室内機(20)は、前記室外機(10)への電力供給が遮断されていることを示す遮断情報を記憶する記憶部(24)と、前記室内機(20)と室外機(10)との通信異常を検知する検知部(23)とを有し、
前記記憶部(24)は、運転停止中に前記室外機(10)への電力供給が遮断されると遮断信号を記憶し、
前記検知部(23)は、前記室内機(20)と室外機(10)との通信異常を検知した場合において、前記遮断情報が記憶部(24)に記憶されているときには、該通信異常を無効とすることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1に記載の空気調和装置において、
前記検知部(23)は、前記起動手段(K2R)により前記室外機(10)に電力供給が開始されたときに、前記記憶部(24)に記憶された遮断情報をクリアすることを特徴とする空気調和装置。
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