JP5772475B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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本発明は、前面衝突時に車体の前部に加わる衝突エネルギーを吸収する車体前部構造に関する。
従来、車体の前部に衝突エネルギー吸収体を設けて、前面衝突時に車体の前部に加わる衝突エネルギーを吸収する構造が知られている。例えば、下記特許文献1には、ダッシュパネルの前方側かつ左右のフロントサイドメンバの間に衝突エネルギー吸収体を設けて、前面衝突時に車体の前部に加わる衝突エネルギーを吸収する構造が開示されている。
特開2009−51250号公報
しかしながら、従来の構造では、車体の前部の一部が衝突する所謂オフセット衝突のように、衝突エネルギーが車体の前部の一部に集中して加わった場合において、フロントタイヤ及び該フロントタイヤを保持するサスペンションアーム等に加わる衝突エネルギーを低減するという点では改善の余地があった。
本発明は上記事実を考慮し、オフセット衝突時にフロントタイヤ及び該フロントタイヤを保持するサスペンションアーム等に加わる衝突エネルギーを低減することができる車体前部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車体前部構造は、車体の前端部に設けられたバンパカバーと、前記バンパカバーの内側に設けられると共に前端部が車幅方向に沿って延在されかつ車幅方向外側の両端部が車両正面視でフロントタイヤの少なくとも一部と重なっている衝突エネルギー吸収体と、を備え、前記衝突エネルギー吸収体は、前記フロントタイヤに当接する前に破壊される
請求項1記載の本発明では、車体の前方からオフセット衝突による衝突荷重が加わると、衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部(車両正面視でフロントタイヤと重なっている部分)が破壊される。換言すると、オフセット衝突によって、フロントタイヤ及び該フロントタイヤを保持するサスペンションアーム等に加わる衝突エネルギーが衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部(車両正面視でフロントタイヤと重なっている部分)が破壊されることによって吸収される。
請求項2記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項1記載の車体前部構造において、前記衝突エネルギー吸収体における車幅方向外側の両端部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が、前記衝突エネルギー吸収体における車幅方向中央部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも大きく設定されたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明では、衝突エネルギー吸収体における車幅方向外側の両端部が吸収できる衝突エネルギーの単位体積あたりの量が、車幅方向の中間部が吸収できる衝突エネルギーの単位体積あたりの量よりも多くなる。
請求項3記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項2記載の車体前部構造において、前記衝突エネルギー吸収体における車幅方向外側の端部と車幅方向中央部との間の中間部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が、車幅方向外側の両端部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも小さくかつ車幅方向中央部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも大きく設定されたことを特徴とする。
ところで、一般的な車体の前部は、車両前後方向に延在すると共に車幅方向の左右それぞれに配置された一対のフロンドサイドメンバを備えている。また、一般的な車体の前部は、一対のフロントサイドメンバの間にエンジンやトランスミッションを備えると共に、この一対のフロントサイドメンバの車幅方向外側にそれぞれフロントタイヤが配置されている。この一般的な車体と請求項3に係る車体前部構造が適用された車体(以下「本願車体」という)とがオフセット衝突した場合、一般的な車体のエンジンやトランスミッションと本願車体の衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部とが対向した状態で衝突する。これと同様に、一般的な車体のフロントサイドメンバと本願車体の衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部と車幅方向中央部との間の中間部とが対向すると共に、一般的な車体のフロントタイヤと本願車体の衝突エネルギー吸収体の車幅方向中央部とが対向して衝突する。換言すると、最も強度及び剛性の高い一般的な車体のエンジンやトランスミッションと本願車体の衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部とが対向して衝突する。同様に、次いで強度及び剛性の高い一般的な車体のフロントサイドメンバと本願車体の衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部と車幅方向中央部との間の中間部とが対向して衝突し、次いで強度及び剛性の高い一般的な車体のフロントタイヤと本願車体の衝突エネルギー吸収体の車幅方向中央部とが対向して衝突する。
ここで、請求項3記載の本発明では、衝突エネルギー吸収体の車幅方向中央部から車幅方向外側の端部に向けて、該衝突エネルギー吸収体を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が3段階で大きくなるように設定されている。そのため、最も強度及び剛性の高い一般的な車体のエンジンやトランスミッションから入力される衝突エネルギーが本願車体の衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部が破壊されることにより吸収される。これと同様に、次いで強度及び剛性の高い一般的な車体のフロントサイドメンバから入力される衝突エネルギーが本願車体の衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部と車幅方向中央部との間の中間部が破壊されることにより吸収される。さらに、次いで強度及び剛性の高い一般的な車体のフロントタイヤから入力される衝突エネルギーが本願車体の衝突エネルギー吸収体の車幅方向中央部が破壊されることにより吸収される。
請求項4記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項2又は請求項3記載の車体前部構造において、前記衝突エネルギー吸収体は繊維強化樹脂材料を用いて形成されており、該繊維強化樹脂材料に配合された繊維の含有率、繊維長及び繊維の種類のうち少なくとも1つを変化させることにより前記衝突エネルギー吸収体を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重を調節したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明では、衝突エネルギー吸収体が繊維強化樹脂材料を用いて形成されている。そのため、鋼材などの金属を用いて形成された場合と比較して、衝突エネルギー吸収体自体の重量の増加が抑制される。さらに、請求項4記載の本発明では、衝突エネルギー吸収体の各部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重を繊維強化樹脂材料に配合された繊維の含有率、繊維長及び繊維の種類のうち少なくとも1つを変化させることにより設定されている。このように、繊維強化樹脂材料に配合された繊維の含有率等を変化させるという単純な構成で、衝突エネルギー吸収体の各部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が設定される。
請求項5記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車体前部構造において、前記衝突エネルギー吸収体は車両後方から前方に向けて車幅方向外側に末広がりとなっていることを特徴とする。
請求項5記載の本発明では、衝突エネルギー吸収体の形状が車両後方から前方に向けて車幅方向外側に末広がりとなっているため、該衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部と車体のフロアのダッシュ部との間のスペース(即ち、タイヤが配置されるスペース)が拡大される。
請求項6記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車体前部構造において、前記衝突エネルギー吸収体は、足回り部品がサスペンションメンバに取り付けられることにより構成されたサスペンションメンバモジュールに取付けられている。
以上説明したように、請求項1及び請求項6記載の本発明に係る車体前部構造は、オフセット衝突時にフロントタイヤ及び該フロントタイヤを保持するサスペンションアーム等に加わる衝突エネルギーを低減することができる、という優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車体前部構造は、オフセット衝突時にフロントタイヤ及び該フロントタイヤを保持するサスペンションアーム等に加わる衝突エネルギーを、より効率よく吸収することができる、という優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車体前部構造は、エンジン、トランスミッション、フロントサイドメンバ及びフロントタイヤを備えた一般的な車体とオフセット衝突した場合における衝突エネルギーをより効率よく吸収することができる、という優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車体前部構造は、衝突エネルギー吸収体自体の重量増加を抑制しつつ、生産性に優れる衝突エネルギー吸収体を得ることができる、という優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車体前部構造は、フロントタイヤの配置や操舵角が制限されない、という優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車体前部構造が適用された車体の前部を示す斜視図である。 (A)は第1実施形態に係る車体前部構造が適用された車体の前部を示す側面図であり、(B)は第1実施形態に係る車体前部構造が適用された車体の前部を示す平面図である。 第1実施形態に係る車体前部構造が適用された車体と一般的な車体の前部構造が適用された車体とがオフセット衝突をする際の両車の位置関係を示す平面図である。 第1実施形態に係る車体前部構造が適用された車体と一般的な車体の前部構造が適用された車体とがオフセット衝突をする際に、一般的な車体から第1実施形態に係る車体の衝突エネルギー吸収体に入力される荷重の分布を模式的に示した平面図である。 繊維強化樹脂材料に配合された繊維の長さを変えることにより、衝突エネルギー吸収体の各部を破壊させるのに要する荷重を調節した例を示す車体前部構造の平面図である。 第2実施形態に係る車体前部構造が適用された車体の前部を示す斜視図である。
<第1実施形態>
図1〜図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る車体前部構造について説明する。なお、車両前後方向前方側を矢印FRで示し、車幅方向外側を矢印OUTで示し、車両上下方側上側を矢印UPで示す。
図1及び図2(A)に示されるように、本実施形態の車体前部構造10が適用された車体12は、車体フロア18及び該車体フロア18の前方に配置されて接合されたフロントサスペンションメンバモジュール22を備えている。また、車体12は、バンパカバー16の内側に配置されると共にフロントサスペンションメンバモジュール22の前方に取付けられた衝突エネルギー吸収体14を備えている。この、衝突エネルギー吸収体14が前面衝突による衝突荷重を受けて破壊されることにより、前面衝突による衝突エネルギーが吸収される構成である。以下、先ず車体フロア18について説明し、次いでフロントサスペンションメンバモジュール22について説明し、最後に本実施形態の要部である衝突エネルギー吸収体14について説明する。
車体フロア18はバスタブ状に形成されており、キャビン24の主要部を構成している。具体的には、図2(A)に示されるように、車体フロア18は、車両前後方向及び車幅方向に延在しキャビン24の床面を構成するフロア部26を備えている。フロア部26には図示しないシートやセンタコンソール、その他内装意匠材が取り付けられている。また、車体フロア18は、フロア部26の前端部から車両上方及び車幅方向に延在するダッシュ部20を備えている。ダッシュ部20には、図示しないインストルメントパネルやステアリングホイール等が取り付けられている。
図1に示されるように、フロントサスペンションメンバモジュール22は複数の足回り部品がサスペンションメンバ28に取り付けられることにより構成されている。本実施形態では、サスペンションユニット30、フロントタイヤ32等を保持している図示しないアッパーアーム及びロアサスペンションアーム等がフロントサスペンションメンバ28に取り付けられることにより、フロントサスペンションメンバモジュール22が構成されている。また、図2(A)に示されるように、フロントサスペンションメンバ28の車両下方側の端部には、車幅方向を長手として延在する荷重伝達部材34が設けられている。なお、荷重伝達部材34の詳細な構成についての図示は省略するが、当該荷重伝達部材には所要の剛性が確保された部材が用いられていれば良く、例えばサスペンションメンバ28を補強するための部材と兼用しても良い。
次に、本実施形態の要部である衝突エネルギー吸収体14について説明する。
図1及び図2(A)に示されるように、衝突エネルギー吸収体14は、車幅方向を長手として車両前後方向及び車幅方向に延在すると共に車両後方から前方に向けて車幅方向外側に末広がりとされた平面視で略扇形状の底壁部36を備えている。また、衝突エネルギー吸収体は、底壁部36の車幅方向右側の端部から車両上方側に延在する右側縦壁部38と、底壁部36の車幅方向左側の端部から車両上方側に延在する左側縦壁部40とを備えている。さらに、衝突エネルギー吸収体14は、右側縦壁部38の上端部と左側縦壁部40の上端部とを繋ぐと共に車両後方から前方に向けて車幅方向外側に末広がりとされた平面視で略扇形状の上壁部42を備えている。以上説明した、底壁部36、右側縦壁部38、左側縦壁部40及び上壁部42によって衝突エネルギー吸収体14の外郭44が形成されている。また、この衝突エネルギー吸収体14の外郭44は、繊維強化樹脂材料を用いて一体で形成されている。
また、図1に示されるように、衝突エネルギー吸収体14は、底壁部36の車両上方側の面と上壁部42の車両下方側の面とを繋ぐと共に車両前後方向に延在する4つの隔壁46を備えている。この4つの隔壁46によって、衝突エネルギー吸収体14の外郭44の内部には、車幅方向に沿って5つに区画された部分が形成されている(本実施形態では、車幅方向右側から左側にかけて部分A、部分B、部分C、部分D及び部分Eが形成されている)。また、この各々部分にはそれぞれ繊維強化樹脂材料が充填されている。
図2(B)に示されるように、車幅方向外側の端部の部分A及び部分Eには、最も繊維の含有率が高い繊維強化樹脂材料が充填されている。また、車幅方向外側の端部の部分Aと車幅方向中央部の部分Cとの間の部分B及び車幅方向外側の端部の部分Eと車幅方向中央部の部分Cとの間の部分Dには、部分A及び部分Eに充填された繊維強化樹脂材料よりも繊維の含有率が低い繊維強化樹脂材料が充填されている。さらに。車幅方向中間部の部分Cには、部分B及び部分Dに充填された繊維強化樹脂材料よりも繊維の含有率が低い繊維強化樹脂材料が充填されている。このように、異なる繊維の含有率の繊維強化樹脂材料を充填することによって、衝突エネルギー吸収体14における車幅方向外側の両端部(部分A及び部分E)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が、車幅方向中央部(部分C)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも大きく設定されている。さらに、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14における車幅方向外側の端部(部分A及び部分E)と車幅方向中央部(部分C)との間の中間部(部分B及び部分D)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が、車幅方向外側の両端部(部分A及び部分E)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも小さくかつ車幅方向中央部(部分C)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも大きく設定されている。
また、衝突エネルギー吸収体14は、右側縦壁部38及び左側縦壁部40の車両後方側の端部から車幅方向左右それぞれに延在するフランジ部48を備えている。このフランジ部48には、図示しない貫通孔が形成されている。この図示しない貫通孔にボルト50を通し、当該ボルト50をフロントサスペンションメンバモジュール22に設けられた図示しない螺子孔に締付けることにより衝突エネルギー吸収体14とフロントサスペンションメンバモジュール22とが接合されている。なお、繊維強化樹脂材料を挿んでボルトで締め上げて接合する場合、当該締め上げられた繊維強化樹脂材料がクリープ変形を起こすことにより、ボルト50の軸力が低下することが考えられる。そのため、本実施形態ではフランジ部48に図示しないカラーが挿入されることにより、繊維強化樹脂材料自体がボルト50で締め上げられることが抑制されている。
以上説明した衝突エネルギー吸収体14がサスペンションメンバモジュールに接合された状態において、該衝突エネルギー吸収体14の車幅方向外側の両端部(部分A及び部分E)が車両正面視でフロントタイヤ32の一部と重なっている構成である。
(本実施形態の作用並びに効果)
図3に示されるように、一般的な車体100と本実施形態の車体前部構造10が適用された車体12とがオフセット衝突する場合、一般的な車体100のエンジン102やトランスミッション104と本実施形態の衝突エネルギー吸収体14の車幅方向外側の端部(部分A)とが対向した状態で衝突する。これと同様に、一般的な車体100のフロントサイドメンバ106と本実施形態の衝突エネルギー吸収体14の車幅方向外側の端部(部分A)と車幅方向中央部(部分C)との間の中間部(部分B)とが対向した状態で衝突する。さらに、一般的な車体100のフロントタイヤ108と本実施形態の衝突エネルギー吸収体14の車幅方向中央部(部分C)とが対向した状態で衝突する。換言すると、最も強度及び剛性の高い一般的な車体100のエンジン102やトランスミッション104と本実施形態の衝突エネルギー吸収体14の部分Aとが対向した状態で衝突する。同様に、次いで強度及び剛性の高い一般的な車体100のフロントサイドメンバ106と本実施形態の衝突エネルギー吸収体14の部分Bとが対向した状態で衝突し、次いで強度及び剛性の高い一般的な車体100のフロントタイヤ108と本実施形態の衝突エネルギー吸収体14の部分Cとが対向した状態で衝突する。
ここで、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14の車幅方向外側の端部(部分A)が、車両正面視でフロントタイヤ32と重なっている。そのため、車体の前方からオフセット衝突による衝突荷重が加わると、衝突エネルギー吸収体の車幅方向外側の端部(部分A)が破壊される。換言すると、オフセット衝突によって、フロントタイヤ32及び該フロントタイヤ32を保持するサスペンションアーム等に加わる衝突エネルギーが該衝突エネルギー吸収体14の車幅方向外側の端部(部分A)が破壊されることによって吸収される。その結果、本実施形態では、オフセット衝突時にフロントタイヤ32及び該フロントタイヤ32を保持するサスペンションアーム等に加わる衝突エネルギーを低減することができる。
さらに、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14における車幅方向外側の端部(部分A)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が、車幅方向中央部(部分C)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも大きく設定されている。そのため、図4に示されるように、衝突エネルギー吸収体14の車幅方向外側の端部(部分A)が破壊される際に該部分に生じる荷重F1は、車幅方向中間部(部分C)が破壊される際に該部分に生じる衝突荷重F3よりも大きくなっている。その結果、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体における車幅方向外側の端部(部分A)が吸収できる衝突エネルギーの単位体積あたりの量が、車幅方向の中間部(部分C)が吸収できる衝突エネルギーの単位体積あたりの量よりも多くなっている。従って、オフセット衝突時にフロントタイヤ32及び該フロントタイヤ32を保持するサスペンションアーム等に加わる衝突エネルギーをより効率よく吸収することができる。
また、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14の車幅方向中央部(部分C)から車幅方向外側の端部(部分A)に向けて、該衝突エネルギー吸収体14を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が3段階で大きくなるように設定されている(F1>F2>F3)。そのため、最も強度及び剛性の高い一般的な車体100のエンジン102やトランスミッション104から入力される衝突エネルギーが本実施形態の衝突エネルギー吸収体14の車幅方向外側の端部(部分A)が破壊されることにより吸収される。これと同様に、次いで強度及び剛性の高い一般的な車体100のフロントサイドメンバ106から入力される衝突エネルギーが本実施形態の衝突エネルギー吸収体14の車幅方向外側の端部(部分A)と車幅方向中央部(部分C)との間の中間部(部分B)が破壊されることにより吸収される。さらに、次いで強度及び剛性の高い一般的な車体100のフロントタイヤ108から入力される衝突エネルギーが本実施形態の衝突エネルギー吸収体14の車幅方向中央部(部分C)が破壊されることにより吸収される。その結果、本実施形態では、エンジン102、トランスミッション104、フロントサイドメンバ106及びフロントタイヤ108を備えた一般的な車体100と本実施形態の車体前部構造10が適用された車体12とがオフセット衝突した場合における衝突エネルギーをより効率よく吸収することができる。
さらに、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14が繊維強化樹脂材料を用いて形成されている。そのため、鋼材などの金属を用いて形成された場合と比較して、衝突エネルギー吸収体14自体の重量の増加が抑制される。さらに、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14の各部(部分A〜部分E)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重を繊維強化樹脂材料に配合された繊維の含有率を変化させることにより設定されている。このように、繊維強化樹脂材料に配合された繊維の含有率を変化させるという単純な構成で、衝突エネルギー吸収体14の各部(部分A〜部分E)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が設定される。その結果、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14自体の重量増加を抑制しつつ、生産性に優れる衝突エネルギー吸収体14を得ることができる。
また、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14の形状が車両後方から前方に向けて車幅方向外側に末広がりとなっている。そのため、衝突エネルギー吸収体14の車幅方向外側の端部(部分A)と車体フロア18のダッシュ部20との間のスペース(即ち、タイヤが配置されるスペース)が拡大される。その結果、本実施形態では、フロントタイヤの配置や操舵角(図2(B)における2点差線で囲まれた範囲G)が制限されない。
さらに、本実施形態では、荷重伝達部材34がフロントサスペンションメンバモジュール22の車両下方側に設けられているため、衝突エネルギー吸収体14からフロントサスペンションメンバモジュール22に入力された荷重を効率良くフロア部26に流すことができる。
なお、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14の各部(部分A〜部分E)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重を繊維強化樹脂材料に配合された繊維の含有率を変化させることにより設定した例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示されるように、衝突エネルギー吸収体14の各部(部分A〜部分E)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重を繊維強化樹脂材料に配合された繊維の長さを変えることにより設定しても良い。また、繊維の種類(ガラス繊維や炭素繊維等)を変えることにより各部(部分A〜部分E)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重を設定しても良い。
また、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体14の車幅方向中央部から車幅方向外側の端部に向けて、該衝突エネルギー吸収体14を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が3段階で大きくなるように設定した例について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、例えば2段階や4段階等複数の段階に設定してもよい。
<第2実施形態>
図6を用いて、本発明の第2実施形態に係る車体前部構造について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の車体前部構造52は、車両前後方向に延びる六角柱状の複数の孔が衝突エネルギー吸収体54における隔壁46によって区画された各部分(部分A〜部分E)に形成された所謂ハニカム構造とされていることに特徴がある。具体的には、衝突エネルギー吸収体54における車幅方向外側の端部の部分A及び部分Eには、車両正面視で最も断面積の小さな六角形断面の孔が車両前後方向に沿って複数形成されている。また、車幅方向外側の端部の部分Aと車幅方向中央部の部分Cとの間の部分B及び車幅方向外側の端部の部分Eと車幅方向中央部の部分Cとの間の部分Dには、部分A及び部分Eに形成された六角形断面の孔よりも車両正面視で断面積の大きな六角形断面の孔が車両前後方向に沿って複数形成されている。さらに。車幅方向中間部の部分Cには、部分B及び部分Dに形成された六角形断面の孔よりも車両正面視で断面積の大きな六角形断面の孔が車両前後方向に沿って複数形成されている。その結果、衝突エネルギー吸収体54における車幅方向外側の両端部(部分A及び部分E)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が、車幅方向中央部(部分C)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも大きく設定されている。さらに、本実施形態では、衝突エネルギー吸収体54における車幅方向外側の端部(部分A及び部分E)と車幅方向中央部(部分C)との間の中間部(部分B及び部分D)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が、車幅方向外側の両端部(部分A及び部分E)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも小さくかつ車幅方向中央部(部分C)を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも大きく設定されている。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
本実施形態の車体前部構造52では、衝突エネルギー吸収体54における隔壁46によって区画された各部分(部分A〜部分E)が所謂ハニカム構造とされているため、上記第1実施形態で得られた効果に加えて、衝突エネルギー吸収体54自体の重量の更なる軽量化を測ることができる、という効果を得ることができる。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、衝突エネルギー吸収体14,54を繊維強化樹脂材料にて形成した例について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、例えば、鋼材やアルミニウム合金なども用いて形成しても良い。このように、衝突エネルギー吸収体の材料は、強度、重量及び製造コスト等を考慮して適宜設定すればよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 車体前部構造
12 車体
14 衝突エネルギー吸収体
32 フロントタイヤ
52 車体前部構造
54 衝突エネルギー吸収体

Claims (6)

  1. 車体の前端部に設けられたバンパカバーと、
    前記バンパカバーの内側に設けられると共に前端部が車幅方向に沿って延在されかつ車幅方向外側の両端部が車両正面視でフロントタイヤの少なくとも一部と重なっている衝突エネルギー吸収体と、
    を備え
    前記衝突エネルギー吸収体は、前記フロントタイヤに当接する前に破壊される車体前部構造。
  2. 前記衝突エネルギー吸収体における車幅方向外側の両端部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が、前記衝突エネルギー吸収体における車幅方向中央部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも大きく設定された請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記衝突エネルギー吸収体における車幅方向外側の端部と車幅方向中央部との間の中間部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重が、車幅方向外側の両端部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも小さくかつ車幅方向中央部を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重よりも大きく設定された請求項2記載の車体前部構造。
  4. 前記衝突エネルギー吸収体は繊維強化樹脂材料を用いて形成されており、該繊維強化樹脂材料に配合された繊維の含有率、繊維長及び繊維の種類のうち少なくとも1つを変化させることにより前記衝突エネルギー吸収体を車両前後方向に破壊させるのに要する圧縮荷重を調節した請求項2又は請求項3記載の車体前部構造。
  5. 前記衝突エネルギー吸収体は車両後方から前方に向けて車幅方向外側に末広がりとなっている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  6. 前記衝突エネルギー吸収体は、足回り部品がサスペンションメンバに取り付けられることにより構成されたサスペンションメンバモジュールに取付けられている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車体前部構造。
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