JP5771130B2 - 駐車場の防水層形成方法 - Google Patents
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Description
車両の走行に伴っては、特に急発進や急停車、曲線走行等によって磨耗が激しくなる傾向があり、この問題を緩和するには、防水層がタイヤと直接的に接触しないようにすることが考えられる。
例えば、防水層の上に、正方形のスノコ状の保護パネル(例えば、合成樹脂製の成形品)を敷き並べて保護層を形成し、車両は、その保護層の上を走行するようにすれば、防水層はタイヤによる磨耗の悪影響を受けることがなくなり、所定の耐久性を維持しやすくなる。
この場合、保護パネルは、タイヤからの鉛直荷重や、タイヤの回転駆動に伴う横方向の外力を支持できる状態に固定しておく必要があるが、保護パネルの改修作業やメンテナンスを考慮すると、保護パネルを防水層上に全面接着するのではなく、保護パネルの四隅に下地への被固定部を設けておき、それら被固定部を、下地に設置した固定具によってそれぞれ固定することが考えられる。
しかし、このような固定方法を採用すると、タイヤから保護パネルに作用する外力(特に横方向の外力)やそれに伴う衝撃力は、固定具によって拘束されている四隅の被固定部近傍に集中的に作用することになり、その結果、保護パネルの被固定部やその近傍部分に疲労破壊が生じ易くなり、保護層としての耐久性が低下する虞がある。
比較例として、全ての被固定部を床に固定する場合は、一枚の保護パネルの範囲内でタイヤからの外力を受け止めることになり、保護パネルそのものによる横方向の伸縮変形等による緩衝作用や、床との摩擦抵抗作用が少なく、固定されている被固定部に外力や衝撃力のほとんどが集中荷重として作用する虞がある。
本発明によれば、上述のとおり、複数枚の保護パネルにわたる固定スパンを確保できるので、保護パネルによる前記緩衝作用や、床との摩擦抵抗作用をより大きく見込むことができ、その結果、被固定部に伝わる外力や衝撃力を低減することができる。
従って、各保護パネルで構成されている保護層の耐久性の低下を緩和することができる。
また、長方形や正方形や平行四辺形等の場合、保護パネルを敷き並べる際に隣接保護パネルどうしの辺を合わせることで簡単に所定の位置に配置でき、効率よく設置することができる。また、被固定部の位置がバランスよく分散した位置となり、応力集中の生じ難い形状を構成できる。
従って、タイヤによる水はねや、車両走行時のスリップ等を未然に防止できる。
勿論、人の往来に対しても、保護パネルの上面の排水が行き届くから、歩行しやすくなる。
当該防水層形成方法は、防水層を備えた既存の駐車場を対象として実施する防水層の改修工事や、又は、新築の駐車場における防水層の形成工事の何れにも採用することができる。ここでは、防水層の改修工事を例に挙げて説明する。
因みに、絶縁シートは、一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン等の材質で構成することができる。また、形態としてはフィルムや発泡体、または、発泡体とポリエステル繊維の複合製品が例として挙げられる。尚、発泡体については、独立気泡でも連続気泡でもよい。
具体的には、ロール状の防水シート2を巻き戻しながら敷設し、隣接する別の防水シート2の縁部と重ねて接着し、床Sの全面に一体となった防水層3が構成されている。
防水シート2、及び、絶縁シート1は、図2に示すように、分散配置させた防水シート固定具Kを用いて床Sに固定してある。
また、ネジ部材挿通孔8には、上開口部を開閉自在な合成樹脂製の蓋部材11が設けてある。この蓋部材11によって、水がネジ部材挿通孔8内に浸入して床Sに漏水するのを未然に防止している。
この係止爪12bが、保護パネル4の四隅に設けた被固定部4aの係止スリット15に嵌入することで保護パネル4を固定できるように構成されている。
スノコ体13は、上面が平板部13Aで構成してあり、平板部13Aの下面に、複数の脚部13Bが一体に形成してある。
また、平板部13Aには、上下に貫通する多数の貫通穴13aが全域に分散させて設けてあり、この貫通穴13aを通して、平板部13A上の水を下方に排水する機能を果たすことができる。
具体的には、被固定部4aは、前記防水シート固定具Kの底板部6Aの外周面に沿った形状の切欠き部14と、平板部13Aの四隅に設けられた係止スリット15とで構成してある。
当該実施形態においては、図1、図5、図6、図7に示すように、保護パネル4の4つの被固定部4aの内、対角線上に位置する2つの被固定部4aにのみ、前記防水シート固定具Kが設けられており、係止プレート12を係止スリット15に嵌入させて防水シート固定具Kにナット7bを螺合させて締め付けることで、保護パネル4は床Sに固定されている。
パネル連結具16は、前記係止プレート12とほぼ同様の外形形状に構成してあるが、中央部の凹状部12aに相当するものは設けてない。
また、先の係止爪12bと同様に係止爪16aが設けてあるが、この係止爪16aには、係止スリット15からの抜け止め突起16bが先端部に設けられている。
抜け止め突起16bは、図8に示すように、係止スリット15への進入をスムースにガイドする傾斜面16cを備えた先細りの形状にしてある。従って、係止スリット15に係止爪16aを嵌入させる時には傾斜面16cの誘導作用でスムーズに進入させることができ、取り付け後には、抜け止め突起16bが、係止スリット15の縁部裏面側に引っ掛かり、不用意には抜け出さないように構成されている。車両の走行時にも抜け出し防止効果を発揮できる。
当該実施形態においては、パネル連結具16と合わせて係合部18によっても隣接保護パネル4どうしは連結されている。
このように連結状態に敷き並べられた各保護パネル4によって保護層5が形成されている。
因みに、不織布は、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の単独、又は、複数を組合せて構成することが好ましい。
[1] 絶縁シート1を床Sの上に敷設する(図2参照)。
[2] 防水シート2を絶縁シート1の上に敷設する(図2参照)。
[3] 防水シート固定具Kを、所定位置に配置して固定用ネジ部材9(図7参照)で床Sに取り付け、絶縁シート1と防水シート2とを固定する(図2参照)。その後、底面鍔状部10を防水シート2に接着して、固定箇所の周りの水密性を向上させる。また、当該実施形態においては、防水シート固定具Kの配置は、保護パネル4の2枚分のピッチで千鳥配置に設定してある(図1参照)。
[4] 防水層3の上に不織布17を敷設する(図3参照)。
[5] 不織布17の上から、所定位置に保護パネル4を配置する(図4参照)。配置作業にあたっては、保護パネル4の各被固定部4aの内の一部に防水シート固定具Kが嵌合するように配置する。
[6] 防水シート固定具Kには、係止プレート12を取り付けて、各被固定部4aの内の一部において保護パネル4を固定する一方、残りの被固定部4aにはパネル連結具16を取り付けて隣接する保護パネル4どうしを連結する(図5参照)。
また、保護層5の適宜位置に車止め19を設置する(図5参照)。
また、保護層5としての固定スパンを長く確保して、タイヤからの外力を、広い範囲の保護パネル4に分散して伝えることが可能となり、保護パネル4の被固定部4aに過度な応力や衝撃力が集中的に作用するのを緩和できる。
以上の結果、防水層3及び保護層5の耐久性の低下を緩和して、安定した防水効果を維持することができる。
以下に他の実施の形態を説明する。
〈2〉 保護パネル4は、形状が先の実施形態で説明した正方形に限るものではなく、例えば、長方形や平行四辺形であってもよい。また、4角形に限らず、例えば、3角形や5角形以上の多角形であってもよい。また、異なる多角形の保護パネル4どうしの組合せであってもよい。
〈3〉 絶縁シート1、及び、不織布17は、先の実施形態で説明したものに限るものではなく、他の材質によって構成してあってもよい。また、絶縁シート1、及び、不織布17そのものを用いずに防水層3を形成するものであってもよい。
〈4〉 防水シート固定具Kの配置は、先の実施形態で説明したように保護パネル4の2枚分のピッチで千鳥配置にすることに限らず、任意に設定することができる。要するに、保護パネル4の一部の被固定部4aのみを防水シート固定具Kによって固定するものであればよい。
〈5〉 係止プレート12は、先の実施形態で説明したものに限るものではなく、例えば、パネル連結具16の抜け止め突起16bと同様のものを、設けてあってもよい。
また、係止プレート12は、防水シート固定具Kの設置箇所でのみ使用することに限らず、パネル連結具16に替えて使用することもでき、この場合は、部品の兼用化によって部品点数を減少させることが可能となる。
3 防水層
4 保護パネル
4a 被固定部
5 保護層
13 スノコ体
13A 平板部
13a 貫通穴
16 パネル連結具
K 防水シート固定具
P 駐車場
S 床
Claims (3)
- 駐車場の床上に防水シートを敷設し、分散配置させた防水シート固定具を用いて前記防水シートを前記床に固定して防水層を構成し、
前記防水層の上に、複数の保護パネルを敷き並べて車両走行に対する保護層を形成する駐車場の防水層形成方法であって、
前記保護パネルの複数箇所に、被固定部を形成しておき、
各保護パネルは、一部の被固定部のみを前記防水シート固定具によって固定し、他の被固定部には、隣接する保護パネルどうしを連結固定するパネル連結具を取り付ける駐車場の防水層形成方法。 - 前記保護パネルは、四角形形状に構成してあり、前記被固定部は、前記保護パネルの四隅にそれぞれ設けてある請求項1に記載の駐車場の防水層形成方法。
- 前記保護パネルは、上面の平板部に上下に貫通する貫通穴を備えたスノコ体である請求項1又は2に記載の駐車場の防水層形成方法。
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