実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜図13を用いて説明する。図1〜図6には、この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置が示されている。図7Aはアンテナ装置の電流経路を示す模式図である。図7Bは図7Aに示す模式図と実施の形態1に係るアンテナ装置の符号との対応関係を示す図である。図7A及び図7Bは図1〜図6に示すアンテナ装置を模式的に示すものである。図8〜図11により、一連のアンテナ装置の設置方法の組み立て手順が示される。図12Bは、アンテナ装置の正面図である。図12Aは、図12Bは、アンテナ装置の正面図における点線部分の拡大断面図である。図12Aの断面図は、図2に示す平面図を見る方向に垂直に柱状導体及びU字状導体を二分割したもの、換言すると、柱状導体及びU字状導体が延伸する方向に柱状導体及びU字状導体を二分割したものである。なお、実施の形態1に係るアンテナ装置の設置面gとして、地面や建物の屋上などが想定される。この実施の形態に係るアンテナ装置は本発明に係るアンテナ装置の一例であり、実施の形態に示すものに本発明が拘束されるものではない。
図1〜図13に示すように、第1メイン柱状導体1は、第1サブ柱状導体2に並んで配列された第2サブ柱状導体3と第1サブ柱状導体2との間(中間)に配列されている。つまり、第1サブ柱状導体2と第2サブ柱状導体3との中間に第1メイン柱状導体1が配置されている。また、第1メイン柱状導体1は、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3と電気的に接続されている。中央上部誘電体スペーサ5は、第1メイン柱状導体1の先端部分に載置されている。第2メイン柱状導体4は、中央上部誘電体スペーサ5を介して第1メイン柱状導体1と対向して直列的(直線的)に配置されている。給電部(給電点)6は、第1メイン柱状導体1及び第2メイン柱状導体4に電気的に接続されている。U字状導体7は、U字状に屈曲している。U字状導体7の一端は、第1サブ柱状導体2の先端部分に対向している。U字状導体7の他端は、第2サブ柱状導体3の先端部分に対向している。U字状導体7の中央部分7cは、第2メイン柱状導体4の先端部分に固定されている。第2メイン柱状導体4が中央部分7cの中心近傍を固定しているので、この中心近傍を通る垂線に対して、U字状導体7は線対称の構造となっている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図1〜図13に示すように、第2メイン柱状導体4は、先端部分に形成された第1板状導体(上部フランジ)4aと第1板状導体4a上に配置される第2板状導体4b(取付用金具)とを有する。第1板状導体4aと第2板状導体4bとの間に、U字状導体7の中央部分7cが挟み込まれる。これにより、第2メイン柱状導体4が、固定される。第2板状導体4bは、第2メイン柱状導体4とは別の部材である。第2板状導体4bは、U字状導体7の固定後に、第2板状導体4bが第2メイン柱状導体4の一部になる。また、第1板状導体4a又は第2板状導体4bの少なくとも一方は、U字状導体7が入る溝部を有するものとしてよい。本願では、第2板状導体4bにU字状導体7が入る溝部が形成されている。もちろん、第2板状導体4bを廃して、第1板状導体4a(上部フランジ4a)のみで第2メイン柱状導体4がU字状導体7に固定されるようにしてもよい。この場合は、第1板状導体4a(上部フランジ4a)にU字状導体7が入る溝部を形成すれば、U字状導体7が第2メイン柱状導体4に保持されやすい。なお、U字状導体7の直線部分には、一端から第1屈曲部分7aまで直線的に延びた第1直線部分と、他端から第2屈曲部分7bまで直線的に延びた第2直線部分と、第1屈曲部分7aから第2屈曲部分7bまで直線的に延びた中央部分7cとがある。第1屈曲部分7a及び第2屈曲部分7bは角度が90°で屈曲したものも含む。つまり、U字状導体7はΠ(ペー)字状導体7ともいえる。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図1〜図13に示すように、中央下部誘電体スペーサ8は設置面gに載置されている。第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10は、それぞれ、設置面gに載置され、中央下部誘電体スペーサ8の間(中間)に配置されている。第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8は一体の誘電体スペーサでもよい。また、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8は設置面gに埋め込まれていてもよい。設置面g自体が中央下部誘電体スペーサ8、第1下部誘電体スペーサ9、第2下部誘電体スペーサ10の機能(誘電体スペーサ)を有していてもよい。第1接続導体11は、第1サブ柱状導体2と第1メイン柱状導体1とを電気的に接続する。第2接続導体12は、第2サブ柱状導体3と第1メイン柱状導体1とを電気的に接続する。第1接続導体11及び第2接続導体12は同じ長さである。第1接続導体11及び第2接続導体12は、第1メイン柱状導体1,第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3を起立させるための補強材としても機能させることができる。第1上部誘電体スペーサ13は、第1サブ柱状導体2の先端部分に形成されている。第2上部誘電体スペーサ14は、第2サブ柱状導体3の先端部分に形成されている。第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14は、例えば、上部側が細い円すい形状となっている。特に、図12Aに示すように、上部誘電体スペーサ14は、上部の円すい部分と下部の円柱部分とを有する。円すい部分の最下部の径は、円柱部分の径と一致する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
実施の形態1に係るアンテナ装置の構造を説明する。実施の形態1に係るアンテナ装置はダイポールアンテナである。図1〜図6に示すように、ダイポールアンテナの一方のアンテナ素子(励振器部(金属部))は、三つの柱状導体を備えている。この三つの柱状導体が、下部側アンテナ素子,一方側アンテナ素子の一部となる。1つめの柱状導体は、第1メイン柱状導体1である。第1メイン柱状導体1は、設置面gに載置された中央下部誘電体スペーサ8に基端部分が固定され、起立している。2番目の柱状導体は、第1サブ柱状導体2である。第1サブ柱状導体2は、設置面gに載置された、中央下部誘電体スペーサ8を間に配置した第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10のうち、第1下部誘電体スペーサ9に基端部分が固定され、起立している。3番目の柱状導体は、第2サブ柱状導体3である。第2サブ柱状導体3は、第2下部誘電体スペーサ10に基端部分が固定され、起立している。これらの三つの柱状導体は、前述のように、第1接続導体11及び第2接続導体12により、中央下部誘電体スペーサ8,第1下部誘電体スペーサ9,第2下部誘電体スペーサ10の近傍で電気的に接続されている。
実施の形態1に係るアンテナ装置のダイポールアンテナの他方のアンテナ素子(励振器部(金属部))は、図1〜図6に示すように、二つの柱状導体を備える。この二つの柱状導体が、上部側アンテナ素子,他方側アンテナ素子の一部となる。1つ目の柱状導体が、第2メイン柱状導体4である。第2メイン柱状導体4は、中央上部誘電体スペーサ5の第1メイン柱状導体1の先端部分に載置された面と反対の面に、基端部分を固定され、起立している。2つ目の柱状導体が、U字状導体7である。U字状導体7は、U字状に屈曲し、一端を第1上部誘電体スペーサ13に固定され、他端を第2上部誘電体スペーサ14に固定され、中央部分7cを第2メイン柱状導体4の先端部分に固定されている。第2メイン柱状導体4は、2つの部材を備える。1つは、第1板状導体4aが形成された上部側第2メイン柱状導体4uである。もう1つは、給電部6が内蔵された下部側第2メイン柱状導体4dである。なお、給電部6は、第1メイン柱状導体1及び第2メイン柱状導体4に電気的に接続されている。例えば、給電部6に配置された同軸線路の外導体が第1メイン柱状導体1に電気的に接続される。また、給電部6に配置された同軸線路の中心導体が第2メイン柱状導体4に電気的に接続される。接続の一例としては、前述の特許文献1に記載のものが挙げられる(特に、特許文献1の図2〜図7)。
本願では、給電部6を第2メイン柱状導体4の下部側第2メイン柱状導体4d側に内蔵させたものが例示されている。そのため、中央下部誘電体スペーサ8側から、第1メイン柱状導体1,中央上部誘電体スペーサ5,下部側第2メイン柱状導体4d,上部側第2メイン柱状導体4uの順で部材が配置(固定)されている。もちろん、給電部6は、第1メイン柱状導体1及び第2メイン柱状導体4の外部から配線してもよいし(例えば、同軸線路)、第1メイン柱状導体1に内蔵させてもよい。給電部6を第1メイン柱状導体1に内蔵させる場合、第1メイン柱状導体1は、中央下部誘電体スペーサ8側の下部側第1メイン柱状導体と給電部6が内蔵された上部側第1メイン柱状導体との二つの部材から構成させるようにするのが望ましい。この場合は、中央下部誘電体スペーサ8側から、下側第1メイン柱状導体,上側第1メイン柱状導体,中央上部誘電体スペーサ5,第2メイン柱状導体4の順で部材が配置(固定)されることになる。この場合は、第2メイン柱状導体4は、一つの柱状導体でもよい。
実施の形態1に係るアンテナ装置においては、第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第1メイン柱状導体1,第2メイン柱状導体4,U字状導体7は、中空の導体棒(金属棒,金属パイプ)を用いることで、軽量化を図ることができる。第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第1メイン柱状導体1,第2メイン柱状導体4,U字状導体7は、中空の金属棒であり、ダイポールアンテナの励振器を構成している。
さらに、U字状導体7は、第2メイン柱状導体4に支持されている。よって、U字状導体7は、第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第1メイン柱状導体1,第2メイン柱状導体4よりも小径とすることができる。また、U字状導体7は、小径かつ軽量なものとすることができる。その点、実施の形態1に係るアンテナ装置の自立又は支線補助による自立に大きく寄与する第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第1メイン柱状導体1,第2メイン柱状導体4とは異なる。なお、U字状導体7の第1屈曲部分7a及び第2屈曲部分7bから先の部分(設置面g側に向かう部分)は、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14を介して、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3にも支持されている。
同じく、第1接続導体11及び第2接続導体12は、第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第1メイン柱状導体1,第2メイン柱状導体4よりも小径とすることができる。その点、実施の形態1に係るアンテナ装置の自立又は支線補助による自立に大きく寄与する第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第1メイン柱状導体1,第2メイン柱状導体4とは異なる。また、第1接続導体11及び第2接続導体12は小径かつ軽量なものとすることができる。なお、第1接続導体11及び第2接続導体12は中空であってもよい。但し、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3と第1メイン柱状導体1との距離関係(位置関係)を保持する目的も含めて第1接続導体11及び第2接続導体12を用いる場合は、第1接続導体11及び第2接続導体12には、ある程度の強度が必要となる。
実施の形態1に係るアンテナ装置の構造をさらに詳細に説明する。図1〜図6に示すように、第1メイン柱状導体1は、基端部分に下部フランジを有し、先端部分に上部フランジを有している。上部側第2メイン柱状導体4uは、基端部分に下部フランジを有し、先端部分に上部フランジ4aを有している。下部側第2メイン柱状導体4dは、基端部分に下部フランジを有し、先端部分に上部フランジを有している。第1サブ柱状導体2は、基端部分に下部フランジを有し、先端部分に第1上部誘電体スペーサ13が載置することができる載置部(上部フランジ)を有している。第2サブ柱状導体3は、基端部分に下部フランジを有し、先端部分に第2上部誘電体スペーサ14が載置することができる載置部(上部フランジ)を有している。第1上部誘電体スペーサ13は、第1サブ柱状導体2の先端部分に載置された面と反対の面にU字状導体7の一端が挿入される孔部(窪み)が形成されている。第2上部誘電体スペーサ14は、第2サブ柱状導体3の先端部分に載置された面と反対の面にU字状導体7の他端が挿入される孔部(窪み)が形成されている。
図1〜図6に示すように、第2メイン柱状導体4において、上部側第2メイン柱状導体4uの下部フランジと下部側第2メイン柱状導体4dの上部フランジは直接、ボルトなどの締結具で固定されている。上部側第2メイン柱状導体4uの上部フランジ4aとU字状導体7は、取付用金具4bで接続されている。上部フランジ4a(第1板状導体)と取付用金具4b(第2板状導体)とは、ボルトなどの締結具で固定されている。中央上部誘電体スペーサ5,中央下部誘電体スペーサ8,第1下部誘電体スペーサ9,第2下部誘電体スペーサ10は、中空の誘電体(誘電体スペーサ)である。中央上部誘電体スペーサ5は、第1メイン柱状導体1の上部フランジと下部側第2メイン柱状導体4dの下部フランジとを導通させずに固定する。第1メイン柱状導体1の上部フランジと下部側第2メイン柱状導体4dの下部フランジは、それぞれ中央上部誘電体スペーサ5の対向する面に、ボルトなどの締結具で固定されている。第1メイン柱状導体1の下部フランジは、中央下部誘電体スペーサ8の対向する面に、ボルトなどの締結具で固定されている。同じく、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3の下部フランジは、それぞれ、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10の対向する面に、ボルトなどの締結具で固定されている。
前述したように、第1メイン柱状導体1,第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3の下部フランジは、それぞれ、ボルトなどの締結具で、中央下部誘電体スペーサ8,第1下部誘電体スペーサ9,第2下部誘電体スペーサ10に固定されている。第1接続導体11は、第1メイン柱状導体1及び第1サブ柱状導体2の下部フランジ間に亘って形成され、ボルトなどの締結具で、第1メイン柱状導体1及び第1サブ柱状導体2の下部フランジに固定されている。第2接続導体12は、第1メイン柱状導体1及び第2サブ柱状導体3の下部フランジ間に亘って形成され、ボルトなどの締結具で、第1メイン柱状導体1及び第2サブ柱状導体3の下部フランジに固定されている。第1上部誘電体スペーサ13は、第1サブ柱状導体2の上部フランジ(載置部)とU字状導体7の一端との間を導通させずに一定距離を保って固定する。第2上部誘電体スペーサ14は、第2サブ柱状導体3の上部フランジ(載置部)とU字状導体7の他端との間を導通させずに一定距離を保って固定する。
このような構造を採用すれば、実施の形態1に係るアンテナ装置は、簡便な構造でありながら、低背化を実現したアンテナ装置を容易に得ることができる。それだけでなく、少ない支線で設置面gに起立させることができるアンテナ装置、或いは、支線を用いずとも自立可能なアンテナ装置を容易に得ることができる。
次に、実施の形態1に係るアンテナ装置の動作や小型化について図7A及び図7Bにより説明する。図7A、図7Bは、実施の形態1に係るアンテナ装置の正面図(図1)に対応するもので、励振器部(金属部,アンテナ素子)と給電部6を模式的に示した図である。アンテナ装置の給電点6の両端で電位差を生じるように給電することにより、実線矢印で示した電流経路hに電流が流れる。一般的に、ダイポールアンテナではこの電流経路長が4分の1波長よりも短くなるつれ、利得が低下してしまう。そこで、実施の形態1に係るアンテナ装置のように、励振器部を折り曲げることにより、電流経路長を確保してアンテナの利得低下を抑えつつ、装置を小型化することができる。図7Bは、図1〜図6に記載のアンテナ装置の具体的な構成要素との対応関係を明示したものであり、点線によって構成要素を切り分けて図示している。
また、図7Aには、ある瞬間に励振器の水平方向に生じる電流ベクトルiが破線矢印で示されている。実施の形態1に係るアンテナ装置の構造は、第1サブ柱状導体2と第2サブ柱状導体3との中間に第1メイン柱状導体1が配置された構造となっており、第2メイン柱状導体4が固定する中央部分7cの中心近傍を通る線に対して、U字状導体7が線対称の構造となっている。つまり、実施の形態1に係るアンテナ装置の構造は、中央上部誘電体スペーサ5を介して直列的(直線的)に配置された第1メイン柱状導体1と第2メイン柱状導体4とを中心にして、左右対称なために、これら電流ベクトルは左右で常に打ち消しあう。
したがって、実施の形態1に係るアンテナ装置の構造により、垂直方向を主偏波方向jとする利得が高い、小型のアンテナ装置を得ることができる。実施の形態1に係るアンテナ装置の構造により、ダイポールアンテナの主偏波の利得を維持し、左右対称の構造とすることで交差偏波の利得を抑圧したダイポールアンテナを得ることができる。
続いて、実施の形態1に係るアンテナ装置の設置方法(組み立て手順)を図8〜図13により説明する。図8は実施の形態1に係るアンテナ装置の設置方法の下部誘電体スペーサ載置工程を示している。この下部誘電体スペーサ載置工程は、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8を設置面gに載置する工程である。この際に、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8を設置面gに固定してもよい。しかし、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3並びに第1メイン柱状導体1を立てる際に、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3並びに第1メイン柱状導体1とまとめて設置面gに固定してもよい。元から、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8が設置面gに配置(固定)されている場合や設置面gに誘電体スペーサの機能があれば、下部誘電体スペーサ載置工程は不要となる。
図9は実施の形態1に係るアンテナ装置の設置方法の下部側柱状導体設置工程を示している。この下部側柱状導体設置工程は、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3並びに第1メイン柱状導体1を設置面gの上にそれぞれ立てて、第1サブ柱状導体2と第2サブ柱状導体3との間に第1メイン柱状導体1を配置する工程である。実施の形態1に係るアンテナ装置の設置方法に、下部誘電体スペーサ載置工程が必要な場合は、下部側柱状導体設置工程の前に、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8を設置面gに載置する下部誘電体スペーサ載置工程を行う必要がある。下部側柱状導体設置工程は、設置面gに載置された第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8に、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3並びに第1メイン柱状導体1の基端部分をそれぞれ固定する工程である。
図10は実施の形態1に係るアンテナ装置の設置方法の下部側柱状導体電気接続工程を示している。この下部側柱状導体電気接続工程は、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3を第1メイン柱状導体1に電気的に接続する工程である。詳しくは、下部側柱状導体電気接続工程は、第1メイン柱状導体1と第1サブ柱状導体2とを第1接続導体11で接続する工程と第1メイン柱状導体1と第2サブ柱状導体3とを第2接続導体12で接続する工程とを含む。なお、下部側柱状導体電気接続工程の実施順は問わない。下部側柱状導体電気接続工程は、後述のU字状導体固定工程や配線工程の後に行われてもよい。また、下部側柱状導体電気接続工程は、第1接続導体11及び第2接続導体12による補強を行う工程であるともいえるので、下部側柱状導体補強工程ともいえる。
図11は実施の形態1に係るアンテナ装置の設置方法の上部側柱状導体設置工程を示している。この上部側柱状導体設置工程は、第1メイン柱状導体1の先端部分に載置(固定)された中央上部誘電体スペーサ5の第1メイン柱状導体1の先端部分に載置(固定)された面と反対の面に、第2メイン柱状導体4の基端部分を固定して第2メイン柱状導体4を立てる工程である。第2メイン柱状導体4の基端部分は、下部側第2メイン柱状導体4dの下部フランジである。なお、下部側柱状導体設置工程の前に上部側柱状導体設置工程を行ってもよい。この場合、下部側柱状導体設置工程で設置面gに、中央上部誘電体スペーサ5を介して第2メイン柱状導体4が接続された第1メイン柱状導体1を立てることになる。また、図示は省略するが、上部側柱状導体設置工程の前に、第1メイン柱状導体1の先端部分(上部フランジ)に中央上部誘電体スペーサ5を載置(固定)する上部誘電体スペーサ載置工程(メイン柱状導体用上部誘電体スペーサ載置工程)を実施する。
図12A、図12B及び図13は実施の形態1に係るアンテナ装置の設置方法のU字状導体固定工程を示している。このU字状導体固定工程では、第1上部誘電体スペーサ13の第1サブ柱状導体2の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状に屈曲したU字状導体7の一端を固定する。そして、第2上部誘電体スペーサ14の第2サブ柱状導体3の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状導体7の他端を固定する。さらに、U字状導体7の中央部分7cを第2メイン柱状導体4の先端部分に固定する。図12Aでは、第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,U字状導体7は中空である。同じく、図12Aでは後述する固定具34が挿入される孔が、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14における円すい形状の斜面に穿たれている(開けられている)。固定具34の材質は強度が確保できれば特に問わない。
本願では、U字状導体固定工程において、第1上部誘電体スペーサ13の孔部にU字状導体7の一端が差し込まれて固定され、第2上部誘電体スペーサ14の孔部にU字状導体7の他端が差し込まれて固定される。図12Aに示すように、U字状導体7の一端と第1上部誘電体スペーサ13には径方向に孔が開いている。U字状導体7の一端が第1上部誘電体スペーサ13に挿入される。U字状導体7の一端と第1上部誘電体スペーサ13との孔に、U字状導体7の固定用の固定具34が挿入され、U字状導体7の一端が第1上部誘電体スペーサ13に固定される。同じく、図12Aに示すように、U字状導体7の他端と第2上部誘電体スペーサ14には径方向に孔が開いている。U字状導体7の他端が第2上部誘電体スペーサ14に挿入される。U字状導体7の他端と第2上部誘電体スペーサ14との孔に、U字状導体7の固定用の固定具34が挿入され、U字状導体7の他端が第2上部誘電体スペーサ14に固定される。図12Aでは、固定具34としてネジを図示しているがこれに限るものでなく、固定具34は、挿抜自在のピンなどでもよい。
また、図12Aに示すように、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14の孔部は、細いU字状導体7の両端を差込むことができる程度の窪みでよい。これによって、第1サブ柱状導体2とU字状導体7(一端)とを導通させずに固定具34により固定することができ、第2サブ柱状導体3とU字状導体7(他端)とを導通させずに固定具34により固定することができる。また、U字状導体7の中央部分7cは、第2メイン柱状導体4の先端部分に形成された第1板状導体4a(上部側第2メイン柱状導体4uの上部フランジ4a)と第1板状導体4a上に配置される第2板状導体4b(取付用金具4b)との間に挟み込んでボルトなど固定具で固定されている。
U字状導体固定工程にて、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14の孔部を用いる場合は、U字状導体7の中心部分7cの固定の前に、U字状導体7の一端及び他端を固定した方が、作業を容易に行える。例えば、U字状導体7の中心部分7cを第2メイン柱状導体4の先端部分(上部フランジ4a)に押し当てながら、U字状導体7の一端及び他端を、それぞれ、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14の孔部に挿入する方法が考えられる。また、U字状導体7の中心部分7cを第2メイン柱状導体4の先端部分(上部フランジ4a)に引っ掛けて、U字状導体7の一端及び他端を、それぞれ、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14の孔部に挿入するようにしてもよい。この際、前述の溝部が、第2メイン柱状導体4の上部フランジ4a(第1板状導体4a)に形成されていると、U字状導体7を上部フランジ4a(第1板状導体4a)に押し当てたり、引っ掛けやすい。なお、U字状導体7の構造は、中心部分7cで二分割した構造であってもよい。
この場合、U字状導体7は、L字状のL字状導体が組み合わさったものとなる。両L字状導体の第1屈曲部分7a(第2屈曲部分7b)に対して、一方の端部が、第1上部誘電体スペーサ13(第2上部誘電体スペーサ14)に固定(挿入)される。両L字状導体の他方の端部が第2メイン柱状導体4の先端部分(上部フランジ4a(第1板状導体4a)と取付用金具4b(第2板状導体4b)と)で固定される。この場合は、上部フランジ4a(第1板状導体4a)と取付用金具4b(第2板状導体4b)とで固定することで両L字状導体を一体としてもよい。また、U字状導体7を構成する両L字状導体を管状の導体で形成し、一方を他方へ挿入することで、一体としてもよい。この変形例として、U字状導体7を構成する両L字状導体を管状の導体で形成し、U字状導体7を上部フランジ4a(第1板状導体4a)に差し込むようにしてもよい。つまり、U字状導体7は、分割されたものを中央部分7cにて一体的に固定されるものでもよい。ここでいう一体的とは、電気的に一体と見なしてもよいことを意味している。さらに、U字状導体7は第1屈曲部分7aや第2屈曲部分7bで分割できるような構造であってもよい。
U字状導体固定工程前に、図示は省略するが、第1サブ柱状導体2の先端部分(上部フランジ)に第1上部誘電体スペーサ13を載置し、第2サブ柱状導体3の先端部分(上部フランジ)に第2上部誘電体スペーサ14を載置する上部誘電体スペーサ載置工程(サブ柱状導体用上部誘電体スペーサ載置工程)を実施する。第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14が前述の円すい形状である場合は、その円すい形状における径が大きい下部側にボルト穴を穿ち、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3の先端部分(上部フランジ)に第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14をボルトなどの締結具で固定すればよい。
図示は、省略するが、上部側柱状導体設置工程の後(多くは、U字状導体固定工程後)に配線工程が行われる。図1〜図6,図8〜図13に示すように、第2メイン柱状導体4側に給電部6が配置されている場合、中空の第2メイン柱状導体4の内部に配置された給電部6と第1メイン柱状導体1とが、中空の中央下部誘電体スペーサ5内を介して配線によって電気的に接続される。第1メイン柱状導体1側に給電部6が配置されている場合は、中空の第1メイン柱状導体1の内部に配置された給電部6と第2メイン柱状導体4とが、中空の中央下部誘電体スペーサ5内を介して配線によって電気的に接続される。同軸線路を用いる場合は、中央下部誘電体スペーサ5内を介して同軸線路の中心導体が配線される。
したがって、実施の形態1に係るアンテナ装置の設置方法により、垂直方向を主偏波とする利得が高い、小型のアンテナ装置を得ることができる。また、ダイポールアンテナの主偏波の利得を維持し、左右対称の構造とすることで交差偏波の利得を抑圧したダイポールアンテナを得ることができる。さらには、搬送、組立て、設置が容易で、かつ支線などの支持部材の必要数が少なく、または支持部材無しで自立するダイポールアンテナを得ることができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2について図14,図15,図16A、図16Bを用いて説明する。図14に示すアンテナ装置と図15に示すアンテナ装置との相違点は、後述する第1接続体11d及び第2接続体12dによる補強が有るか無いかという点である。図15に示すアンテナ装置は、後述する第1接続体11d及び第2接続体12dによる補強付きのものである。よって、図15に示すアンテナ装置の設置方法には、後述する下部側柱状導体補強(下部側柱状体補強)工程はあるが、図14に示すアンテナ装置の設置方法にはない。図16Aは、図14及び図15に記載のアンテナ装置の具体的な構成要素との対応関係を明示した図である。図16Aでは、点線によって構成要素が切り分けて図示されている。図16Bは、図14に示すアンテナ装置の正面図及び図15に示すアンテナ装置の正面図における点線部分の拡大断面図である。図16Bには、実施の形態1における図2に示す平面図を見る方向で柱状導体及びU字状導体を二分割したものが示されている。換言すると、図16Bには、柱状導体及びU字状導体が延伸する方向に柱状導体及びU字状導体を二分割したものが示されている。実施の形態1に係るアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)は、ダイポールアンテナを対象とするものであったが、実施の形態2に係るアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)は、モノポールアンテナを対象とするものである。
つまり、本願に係るアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)は、モノポールアンテナ及びダイポールアンテナに適用できる。実施の形態2に係るアンテナ装置の設置面gは、地面や建物の屋上などが想定される。実施の形態に記載するアンテナ装置は、本発明の構成の一例であり、実施の形態に示すもののみに本発明が拘束されるものではない。実施の形態2では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明を行い、アンテナ構造や誘電体スペーサ構造などの共通する部分の説明は省略する場合がある。
実施の形態1及び2に係るアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)の相違点は、次の通りである。実施の形態1では、ダイポールアンテナの一方のアンテナ素子が、第1メイン柱状導体1,第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第1接続導体11,第2接続導体12を備える。また、ダイポールアンテナの他方のアンテナ素子が、第2柱状導体4,U字状導体7を備える。また、給電点6(給電部6)が第1メイン柱状導体1の先端部分と第2メイン柱状導体4の基端部分との間に配置されている。これに対して、実施の形態2では、モノポールアンテナの一方のアンテナ素子が、導体地板16(グランド,アース面)を備える。また、モノポールアンテナの他方のアンテナ素子が、メイン柱状導体15(第1メイン柱状導体1及び第2メイン柱状導体4に相当),第1サブ柱状導体2(若しくは、誘電体などの絶縁性の部材からなる第1サブ柱状体2d),第2サブ柱状導体3(若しくは、誘電体などの絶縁性の部材からなる第2サブ柱状体3d),U字状導体7を備える。また、給電点6(給電部6)がメイン柱状導体15の基端部分と導体地板16との間に配置されている。図15に示すアンテナ装置は、補強として、誘電体などの絶縁性の部材からなる第1接続体11d、及び、誘電体などの絶縁性の部材からなる第2接続体12dを備えている。詳しくは、第1接続体11d及び第2接続体12dは、少なくとも、メイン柱状導体15と接触する部分が絶縁性の部材から成る。
図14,図15,図16A、図16Bにおいて、メイン柱状導体15は、第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)と第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)との間(中間)に配列されている。つまり、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)と第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)との中間にメイン柱状導体15が配置されている。U字状導体7は、U字状に屈曲している。U字状導体7の一端は第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)の先端部分に対向し、U字状導体7の他端は第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)の先端部分に対向している。U字状導体7の中央部分7cは、メイン柱状導体15の先端部分に固定されている。詳しくは、メイン柱状導体15が中央部分7cの中心近傍を固定しているので、この中心近傍を通る垂直な線に対して、U字状導体7は線対称の構造となっている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図14,図15,図16A、図16Bにおいて、メイン柱状導体15は、先端部分に形成された第1板状導体(上部フランジ)4aと、第1板状導体4a上に配置される第2板状導体4b(取付用金具)とを有している。また、メイン柱状導体15は、第1板状導体4aと第2板状導体4bとの間に、U字状導体7の中央部分7cを挟み込んで固定する。実施の形態1と同様に、第2板状導体4bは、メイン柱状導体15とは別の部材である。しかし、U字状導体7の固定後に、第2板状導体4bがメイン柱状導体15の一部になる。また、第1板状導体4a又は第2板状導体4bの少なくとも一方は、U字状導体7が入る溝部を有するものとしてよい。本願では、第2板状導体4bにU字状導体7が入る溝部が形成されている。もちろん、第2板状導体4bを廃して、メイン柱状導体15が、第1板状導体4a(上部フランジ4a)のみ備えるものとしてもよい。この場合は、第1板状導体4a(上部フランジ4a)にU字状導体7が入る溝部を形成すれば、メイン柱状導体15が、U字状導体7を保持しやすい。なお、U字状導体7は、一端から第1屈曲部分7aまで直線的に延びた第1直線部分と、他端から第2屈曲部分7bまで直線的に延びた第2直線部分と、第1屈曲部分7aから第2屈曲部分7bまで直線的に延びた中央部分7cとを備える。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図14,図15,図16A、図16Bにおいて、導体地板16(金属地板16)は、設置面gに形成された導体の平板である。導体地板16は、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)並びにメイン柱状導体15の基端部分の下方に絶縁されて配置されている。給電部6は、導体地板16と、メイン柱状導体15とに電気的に接続されている。メイン柱状導体15は、中央下部誘電体スペーサ8を介して導体地板16と対向して直線的に配置されている。給電部(給電点)6は、メイン柱状導体15の基端部分に内蔵され、メイン柱状導体15及び導体地板16に電気的に接続されている。中央下部誘電体スペーサ8は設置面gに形成された導体地板16に載置されている。第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10は、それぞれ、設置面gに形成された導体地板16に載置されている。中央下部誘電体スペーサ8は、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10の間(中間)に配置されている。第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8は一体の誘電体スペーサでもよい。第1接続体11dは、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)とメイン柱状導体15とを固定する。第2接続体12dは、第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)とメイン柱状導体15とを固定する。第1接続体11d及び第2接続体12dは同じ長さである。第1下部導体スペーサ9m及び第2下部導体スペーサ10mは、実施の形態1で説明した第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10が、金属などの導体に置換されたものである。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
実施の形態2に係るアンテナ装置の構造を説明する。実施の形態2に係るアンテナ装置はモノポールアンテナである。実施の形態2に係るアンテナ装置のモノポールアンテナの一方のアンテナ素子(励振器部(金属部))は、図14及び図15に示すように、導体地板16を備える(下部側アンテナ素子,他方側アンテナ素子)。実施の形態2に係るアンテナ装置のモノポールアンテナの他方のアンテナ素子(励振器部(金属部))は、2つの柱状導体を備えている(上部側アンテナ素子,他方側アンテナ素子)。1つ目の柱状導体は、設置面gに形成された導体地板16に載置された中央下部誘電体スペーサ8に基端部分が固定され、起立したメイン柱状導体15である。2つ目の柱状導体は、U字状に屈曲し、一端を第1上部誘電体スペーサ13に固定され、他端を第2上部誘電体スペーサ14に固定され、中央部分7cをメイン柱状導体15の先端部分に固定されたU字状導体7である。
また、本願では、メイン柱状導体15は、第1板状導体4aが形成された上部側メイン柱状導体15uと給電部6が内蔵された下部側メイン柱状導体15dとの二つの部材を備える。なお、例えば、給電部6に配置された同軸線路の外導体が導体地板16に電気的に接続され、給電部6に配置された同軸線路の中心導体がメイン柱状導体15に電気的に接続される。
本願では、給電部6をメイン柱状導体15の下部側メイン柱状導体15d側に内蔵させたアンテナ装置が示されている。そのため、中央下部誘電体スペーサ8側から、下部側メイン柱状導体15d,上部側メイン柱状導体15uの順で部材が配置(固定)されている。もちろん、給電部6は、メイン柱状導体15の外部に設置され、メイン柱状導体15との間で配線が行われるようにしてもよい(例えば、同軸線路)。第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,メイン柱状導体15,U字状導体7は、中空の導体棒(金属棒,金属パイプ)を用いることで、軽量化を図ることができる。同じく、第1サブ柱状体2d及ぶ第2サブ柱状体3dは、中空の棒を用いることで、軽量化を図ることができる。メイン柱状導体15,U字状導体7は、中空の金属棒であり、モノポールアンテナの励振器を構成している。
さらに、実施の形態2に係るアンテナ装置の自立又は支線補助による自立に大きく寄与する第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d),第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d),メイン柱状導体15とは異なり、U字状導体7は、メイン柱状導体15に支持されている。よって、U字状導体7は、実施の形態1と同様に、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d),第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d),メイン柱状導体15よりも小径とすることができる。また、U字状導体7は、小径かつ軽量なものとすることができる。なお、U字状導体7の第1屈曲部分7a及び第2屈曲部分7bから先の部分(設置面g側に向かう部分)は、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14を介して、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)にも支持されている。
同じく、図15に示す第1接続体11d及び第2接続体12dは、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d),第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d),メイン柱状導体15よりも小径とすることができる。この点、実施の形態2に係るアンテナ装置の自立又は支線補助による自立に大きく寄与する第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d),第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d),メイン柱状導体15とは異なる。また、第1接続体11d及び第2接続体12dは、小径かつ軽量なものとすることができる。なお、第1接続体11d及び第2接続体12dは中空であってもよい。但し、第1接続体11d及び第2接続体12dによって、と第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)とメイン柱状導体15との距離関係(位置関係)を保持する場合は、第1接続体11d及び第2接続体12dにある程度の強度が必要となる。
実施の形態2に係るアンテナ装置の構造をさらに詳細に説明する。図14及び図15に示すように、上部側メイン柱状導体15uは、基端部分に下部フランジを有し、先端部分に上部フランジ4aを有している。下部側メイン柱状導体15dは、基端部分に下部フランジを有し、先端部分に上部フランジを有している。図14及び図15に示すように、メイン柱状導体15において、上部側メイン柱状導体15uの下部フランジと下部側メイン柱状導体15dの上部フランジは直接、ボルトなどの締結具で固定されている。上部側メイン柱状導体15uの上部フランジ4aとU字状導体7は、取付用金具4bで接続されている。中央下部誘電体スペーサ8は、下部側メイン柱状導体15d(メイン柱状導体15)の下部フランジと導体地板16とを導通させずに固定する。下部側メイン柱状導体15dの下部フランジは、中央下部誘電体スペーサ8の対向する面に、ボルトなどの締結具で固定されている。
図15に示すように、第1接続体11dは、メイン柱状導体15及び第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)の下部フランジ間に亘って形成されている。第1接続体11dは、ボルトなどの締結具で、メイン柱状導体15及び第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)の下部フランジに固定されている。第2接続体12dは、メイン柱状導体15及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)の下部フランジ間に亘って形成されている。第2接続体12dは、ボルトなどの締結具で、メイン柱状導体15及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)の下部フランジに固定されている。
このような構造を採用すれば、実施の形態2に係るアンテナ装置は、実施の形態1に係るアンテナ装置と同様に、簡便な構造でありながら、低背化を実現したアンテナ装置を容易に得ることができる。また、少ない支線で設置面gに起立させることができるアンテナ装置、或いは、支線を用いずとも自立可能なアンテナ装置を容易に得ることができる。特に、図15に示す構造では、第1接続体11d及び第2接続体12dが、強度の確保に寄与する。
次に、実施の形態2に係るアンテナ装置の動作や小型化について図16Aにより説明する。図16Aは、実施の形態2に係るアンテナ装置の正面図(図14及び図15)に対応するもので、励振器部(金属部,アンテナ素子)と給電点6を模式的に示した図である。モノポールアンテナは、4分の1波長の導体(前述の上部側アンテナ素子,他方側アンテナ素子に相当)をグランドに起立させ、グランド面との間で電圧供給すると導体(前述の上部側アンテナ素子,他方側アンテナ素子に相当)の鏡像とに対して、アンテナ装置の給電点6の両端で電位差を生じるように給電する。これにより、モノポールアンテナは、ダイポールアンテナと等価となる。よって、励振器部(前述の上部側アンテナ素子,他方側アンテナ素子に相当)を折り曲げることにより、電流経路長を確保してアンテナの利得低下を抑えつつ、装置を小型化することができる。
実施の形態2に係るアンテナ装置の構造により、垂直方向を主偏波とする利得が高い、小型のアンテナ装置を得ることができる。実施の形態2に係るアンテナ装置の構造により、モノポールアンテナの主偏波の利得を維持し、左右対称の構造とすることで交差偏波の利得を抑圧したモノポールアンテナを得ることができる。
続いて、実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法(組み立て手順)を説明する。実施の形態1とは異なり、実施の形態2に係る、図15に示すアンテナ装置の設置方法では、下部側柱状導体補強(下部側柱状体補強)工程は含まれているが、下部側柱状導体電気接続工程が含まれていない。なお、図14に示すアンテナ装置の設置方法は、両方の工程が含まれていない。実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法における下部誘電体スペーサ(下部導体スペーサ)載置工程は、第1下部誘電体スペーサ9(第1下部導体スペーサ9m)及び第2下部誘電体スペーサ10(第2下部導体スペーサ10m)並びに中央下部誘電体スペーサ8を設置面gに形成された導体地板16に載置する工程である。下部誘電体スペーサ(下部導体スペーサ)載置工程は、下部スペーサ載置工程ともいえる。下部スペーサ載置工程の際に、第1下部誘電体スペーサ9(第1下部導体スペーサ9m)及び第2下部誘電体スペーサ10(第2下部導体スペーサ10m)並びに中央下部誘電体スペーサ8を、設置面gに形成された導体地板16に固定してもよい。しかし、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)並びにメイン柱状導体15を立てる際に、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)並びにメイン柱状導体15とまとめて導体地板16に固定してもよい。元から、第1下部誘電体スペーサ9(第1下部導体スペーサ9m)及び第2下部誘電体スペーサ10(第2下部導体スペーサ10m)並びに中央下部誘電体スペーサ8が設置面gに形成された導体地板16に配置(固定)されている場合、下部スペーサ載置工程は不要となる。設置面gに導体地板16を載置(固定)する導体地板載置工程を行う場合は、導体地板載置工程は、下部スペーサ載置工程前に行う必要がある。
実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法における下部側柱状導体(下部側柱状体)設置工程は、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)並びにメイン柱状導体15を設置面gの上にそれぞれ立てる工程である。さらに、下部側柱状導体(下部側柱状体)設置工程では、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)と第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)との間にメイン柱状導体15を配置される。下部スペーサ載置工程を行う場合は、下部側柱状導体(下部側柱状体)設置工程の前に、第1下部誘電体スペーサ9(第1下部誘電体スペーサ9m)及び第2下部誘電体スペーサ10(第2下部誘電体スペーサ10m)並びに中央下部誘電体スペーサ8を設置面gに載置する下部誘電体スペーサ(下部導体スペーサ)載置工程を行う必要がある。下部側柱状導体(下部側柱状体)設置工程では、設置面gに載置された第1下部誘電体スペーサ9(第1下部導体スペーサ9m)及び第2下部誘電体スペーサ10(第2下部導体スペーサ10m)並びに中央下部誘電体スペーサ8に、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)並びにメイン柱状導体15の基端部分が、をそれぞれ固定される。
実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法における下部側柱状導体補強(下部側柱状体補強)工程は、図14に示す第1接続体11d及び第2接続体12dを用いない場合は、不要である。しかし、図15に示すアンテナ装置では必要となる。下部側柱状導体補強(下部側柱状体補強)工程は、第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)及び第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)をメイン柱状導体15に固定する工程である。この工程は、詳しくは、メイン柱状導体15と第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)とを第1接続体11dで接続する工程とメイン柱状導体15と第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)とを第2接続体12dで接続する工程とを含む。なお、下部側柱状導体補強(下部側柱状体補強)工程の実施順は問わない。下部側柱状導体補強(下部側柱状体補強)工程は、後述のU字状導体固定工程や配線工程の後に実施されてもよい。
実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法におけるU字状導体固定工程では、第1上部誘電体スペーサ13の第1サブ柱状導体2(第1サブ柱状体2d)の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状に屈曲したU字状導体7の一端が固定される。そして、この工程では、第2上部誘電体スペーサ14の第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状体3d)の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状導体7の他端が固定される。さらに、この工程では、U字状導体7の中央部分7cが第2メイン柱状導体4の先端部分に固定される。U字状導体固定工程において、第1上部誘電体スペーサ13の孔部にU字状導体7の一端が差し込まれて固定され、第2上部誘電体スペーサ14の孔部にU字状導体7の他端が差し込まれて固定されている。
実施の形態1と同じく、U字状導体固定工程にて、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14の孔部を用いる場合は、U字状導体7の中心部分7cの固定の前に、U字状導体7の一端及び他端の固定を行った方が、作業を容易に行える。図16Bでは、図12Aと同様に、第1サブ柱状導体2(第2サブ柱状導体2d),第2サブ柱状導体3(第2サブ柱状導体3d),U字状導体7として中空のものが示されている。同じく、図16Bでは固定具34が挿入される孔が、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14における円すい形状の斜面に穿たれている(開けられている)。固定具34の材質は強度が確保できれば特に問わない。例えば、U字状導体7の中心部分7cをメイン柱状導体15の先端部分(上部フランジ4a)に押し当てながら、U字状導体7の一端及び他端を、それぞれ、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14の孔部に挿入し、固定具34により固定する方法が考えられる。或いは、U字状導体7の中心部分7cをメイン柱状導体15の先端部分(上部フランジ4a)に引っ掛けて、U字状導体7の一端及び他端を、それぞれ、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14の孔部に挿入し、固定具34により固定するようにしてもよい。この際、前述の溝部が、メイン柱状導体15の上部フランジ4a(第1板状導体4a)に形成されていると、U字状導体7を上部フランジ4a(第1板状導体4a)に押し当てたり、引っ掛けやすい。U字状導体固定工程前に、実施の形態1と同じく、上部誘電体スペーサ載置工程(サブ柱状導体用上部誘電体スペーサ載置工程)を実施する。第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14が前述の円すい形状であることもそれらの固定方法も前述の通りである。
実施の形態2では、下部側柱状導体設置工程の後(多くは、U字状導体固定工程後)に配線工程が行われる。図14及び図15に示すような給電部6の配置の場合、つまり、中空のメイン柱状導体15の内部に配置された給電部6と導体地板16とを、中空の中央下部誘電体スペーサ5内を介して配線によって電気的に接続する。同軸線路の中心導体を導体地板16と接続する場合、中央下部誘電体スペーサ5内を介して同軸線路の中心導体が配線される。
したがって、実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法により、垂直方向を主偏波とする利得が高い、小型のアンテナ装置を得ることができる。また、モノポールアンテナの主偏波の利得を維持し、左右対称の構造とすることで交差偏波の利得を抑圧したモノポールアンテナを得ることができる。さらに、搬送、組立て、設置が容易で、かつ支線などの支持部材の必要数が少ない、または支持部材無しで自立するモノポールアンテナを得ることができる。
なお、実施の形態2に係るアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)において、第1サブ柱状導体2と第2サブ柱状導体3とをそれぞれ接地し、つまり、導体地板16と電気的に接続することで、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3をモノポールアンテナのスリーブ導体として機能させてもよい。スリーブ導体として機能するのは、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3が、それぞれ、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14によって、U字状導体7と絶縁されているからである。このような場合、実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法は、下部側柱状導体補強工程(実施する場合)に加え、下部側柱状導体接地工程が実施される。
なお、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10の代わりに、第1下部導体スペーサ9m及び第2下部導体スペーサ10mを使用する場合について説明する。この場合、下部側柱状導体接地工程は、下部側柱状導体設置工程時に、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3が導体地板16と電気的に接続され、接地状態になるので、下部側柱状導体設置工程の完了をもって下部側柱状導体接地工程の終了としてもよい。よって、この場合は、下部側柱状導体接地工程は、下部側柱状導体設置工程に含まれると解釈できる。もちろん、第1サブ柱状導体2と第1下部導体スペーサ9mとが一体であってもよい。第2サブ柱状導体3と第2下部導体スペーサ10mとが一体であってもよい。この場合、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3に関しては、下部誘電体スペーサ(下部導体スペーサ)載置工程,下部側柱状導体設置工程,下部側柱状導体接地工程が一つの工程で実施されるとみなすことができる。
第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10を用いる場合、実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法における下部側柱状導体接地工程は、第1サブ柱状導体2と導体地板16とを電気的に接続する工程及び第2サブ柱状導体3と導体地板16とを電気的に接続する工程を含む。このようなアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)では、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10は不要となる。しかし、中空の第1下部誘電体スペーサ9及び中空の第2下部誘電体スペーサ10を用いて、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10の内部にそれぞれ配線を通し、接地してもよい。実施の形態2に係るアンテナ装置では、第1サブ柱状導体2と第2サブ柱状導体3との間(中間)に配列されたたメイン柱状導体1において、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3はスリーブ導体として機能するので、アンテナ装置の広帯域化を図ることができる。
実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法は、3つの工程を含んでいる。1つ目の工程は、下部側柱状導体設置工程である。この工程では、設置面gに形成された導体地板16に載置された第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8に、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3並びにメイン柱状導体15の基端部分をそれぞれ固定する。さらに、この工程では、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3並びにメイン柱状導体15を導体地板16の上にそれぞれ立てて、第1サブ柱状導体2と第2サブ柱状導体3との間にメイン柱状導体15を配置する。2つ目の工程は、上部誘電体スペーサ載置工程である。この工程では、第1サブ柱状導体2の先端部分に第1上部誘電体スペーサ13を載置し、第2サブ柱状導体3の先端部分に第2上部誘電体スペーサ14を載置する。3つ目の工程は、U字状導体固定工程である。この工程では、第1上部誘電体スペーサ13の第1サブ柱状導体2の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状に屈曲したU字状導体7の一端を固定する。さらにこの工程では、第2上部誘電体スペーサ14の第2サブ柱状導体3の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状導体7の他端を固定する。さらにこの工程では、U字状導体7の中央部分をメイン柱状導体15の先端部分に固定する。
実施の形態2に係るアンテナ装置は、第1サブ柱状導体2と、この第1サブ柱状導体2に並んで配列された第2サブ柱状導体3と、第1サブ柱状導体2と第2サブ柱状導体3との間に配列されたメイン柱状導体15と、を備える。このアンテナ装置は、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3並びにメイン柱状導体15の基端部分の下方に絶縁されて配置された導体地板16をさらに備える。このアンテナ装置は、メイン柱状導体15及び導体地板16に電気的に接続された給電部6をさらに備える。このアンテナ装置は、U字状に屈曲し、一端を第1サブ柱状導体2の先端部分に対向させ、他端を第2サブ柱状導体3の先端部分に対向させ、中央部分をメイン柱状導体15の先端部分に固定されたU字状導体7とをさらに備える。
実施の形態2に係るアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)において、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3をスリーブ導体として機能させる場合でも、下部側柱状導体補強工程を実施してもよい。つまり、第1接続体11d及び第2接続体12dをメイン柱状導体15,第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3と絶縁した状態で、メイン柱状導体15,第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3を固定すればよい。また、実施の形態2に係るアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)において、第1サブ柱状体2d,第2サブ柱状体3dを用いる場合は、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14は、金属などの導電性の第1上部導体スペーサ、及び、金属などの導電性の第2上部導体スペーサを用いてもよい。第1上部導体スペーサとは、第1上部誘電体スペーサ13を金属などの導体に置換したものである。第2上部導体スペーサとは、第2上部誘電体スペーサ14を金属などの導体に置換したものである。さらに、第1下部誘電体スペーサ9を用いて、かつ、第1サブ柱状導体2と導体地板16とを電気的に接続せず(絶縁し)、第2下部誘電体スペーサ10を用いて、かつ、第2サブ柱状導体3と導体地板16とを電気的に接続しない(絶縁する)場合について考える。この場合にも、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14は、金属などの導電性の第1上部導体スペーサ、及び、金属などの導電性の第2上部導体スペーサを用いてもよい。
つまり、U字状導体7の一端を支持する構成が、導体地板16側から順に、導電性又は絶縁性の第1下部スペーサ,導電性又は絶縁性の第1サブ柱状体,導電性又は絶縁性の第1上部スペーサとなっていれば、少なくとも、第1下部スペーサ,第1サブ柱状体,第1上部スペーサのいずれかが絶縁性のものであればよい。同じく、U字状導体7の他端を支持する構成が、導体地板16側から順に、導電性又は絶縁性の第2下部スペーサ,導電性又は絶縁性の第2サブ柱状体,導電性又は絶縁性の第2上部スペーサとなっていれば、少なくとも、第2下部スペーサ,第2サブ柱状体,第2上部スペーサのいずれかが絶縁性のものであればよい。第1下部スペーサ,第1サブ柱状体,第1上部スペーサを第1支持体と称してもよい。第2下部スペーサ,第2サブ柱状体,第2上部スペーサを第2支持体と称してもよい。第1支持体及び第2支持体は、U字状導体7を支持するもので、概ね柱状の外観を成している。このような場合、第1支持体は、基端部分が導体地板16(設置面gに設置されている)上に固定され、先端部分でU字状導体7の一端を固定している。同じく、第2支持体は、基端部分が導体地板16(設置面gに設置されている)上に固定され、先端部分でU字状導体7の他端を固定している。U字状導体7は、第1支持体及び第2支持体によって、導体地板16から絶縁されている。第1支持体及び第2支持体は、第1上部スペーサ(第1誘電体スペーサ13,第1導体スペーサ)及び第2上部スペーサ(第2誘電体スペーサ14,第2導体スペーサ)と同様に、先端部分にU字状導体7を挿入する孔部と、この孔部に挿入されたU字状導体7を固定するための固定具34を挿入する孔とを有している。
このような、第1支持体及び第2支持体をスリーブ導体として機能させる場合は、第1支持体及び第2支持体の基端側を導体で構成して導体地板16と電気的に接続し、先端側を誘電体などの絶縁性の部材で構成すればよい。このとき、先端側には、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14のように、U字状導体7が挿入される孔部(溝)があればよい。また、先端側には、第1上部誘電体スペーサ13及び第2上部誘電体スペーサ14のように、固定具34が挿入される孔があればよい。
よって、実施の形態2に係るアンテナ装置の設置方法は、2つの工程を含む。1つ目の工程は、下部側柱状体設置工程である。この工程では、設置面gに形成された導体地板16に載置された第1支持体及び第2支持体並びに中央下部誘電体スペーサ8、この中央下部誘電体スペーサ8に、メイン柱状導体15の基端部分を固定し、第1支持体及び第2支持体並びにメイン柱状導体15を導体地板16の上にそれぞれ立てて、第1支持体と第2支持体との間にメイン柱状導体15を配置する。2つ目の工程は、U字状導体固定工程である。この工程では、第1支持体の導体地板16側と反対側で、U字状に屈曲したU字状導体7の一端を固定する。さらにこの工程では、第2支持体の導体地板16側と反対側で、U字状導体7の他端を固定する。さらにこの工程では、U字状導体7の中央部分をメイン柱状導体15の先端部分に固定する。
よって、実施の形態2に係るアンテナ装置は、第1支持体と、この第1支持体に並んで配列された第2支持体と、第1支持体と第2支持体との間に配列されたたメイン柱状導体15と、を備える。このアンテナ装置は、第1支持体及び第2支持体並びにメイン柱状導体15の基端部分の下方に、メイン柱状導体15と絶縁されて配置された導体地板16をさらに備える。このアンテナ装置は、メイン柱状導体15及び導体地板16に電気的に接続された給電部6をさらに備える。このアンテナ装置は、U字状に屈曲し、一端を第1支持体の先端部分に対向させ、他端を第2支持体の先端部分に対向させ、中央部分をメイン柱状導体15の先端部分に固定されたU字状導体7とをさらに備える。
実施の形態2の他の実施の形態への適用を説明する。まず、実施の形態1に係るアンテナ装置(ダイポールアンテナ)においても、第1支持体及び第2支持体を用いることができることを説明する。つまり、導体地板16を設置せずに、第1支持体及び第2支持体を、それぞれ、第1メイン柱状導体1に、第1接続導体11及び第2接続導体12で電気的に接続する構成を採ればよい。詳しくは、このアンテナ装置は、第1支持体と、この第1支持体に並んで配列された第2支持体と、を備える。さらに、このアンテナ装置は、第1支持体と第2支持体との間に配列され、第1支持体及び第2支持体と電気的に接続された第1メイン柱状導体1と、中央上部誘電体スペーサ8を介して第1メイン柱状導体1と対向して直列的に配置された第2メイン柱状導体4と、を備える。さらに、このアンテナ装置は、第1メイン柱状導体1及び第2メイン柱状導体4に電気的に接続された給電部6を備える。さらに、このアンテナ装置は、U字状に屈曲し、一端を第1支持体の先端部分に対向させ(固定させ)、他端を第2支持体の先端部分に対向させ(固定させ)、中央部分を第2メイン柱状導体4の先端部分に固定されたU字状導体7とを備える。すなわち、このアンテナ装置は、ダイポールアンテナである。これは、次に説明する実施の形態3でも同様である。詳しくは、第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第3サブ柱状導体17,第4サブ柱状導体18が、それぞれ、第1支持体,第2支持体,第3支持体(第3下部スペーサ,第3サブ柱状体,第3上部スペーサ),第4支持体(第4下部スペーサ,第4サブ柱状体,第4上部スペーサ)の一部となる。そして、次の実施の形態3で説明する第3サブ柱状導体17や第4サブ柱状導体18をスリーブ導体として機能させてもよい。つまり、第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第3サブ柱状導体17,第4サブ柱状導体18のうち、少なくとも一つはスリーブ導体であってもよい。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3について図17〜図20を用いて説明する。図17は、図18,図19に示すアンテナ装置の具体的な構成要素との対応関係を明示した図である。図17では、点線によって構成要素を切り分けて図示されている。図12Aは、図18に示すアンテナ装置の正面図及び図19に示すアンテナ装置の背面図における点線部分の拡大断面図である。図12Aには、例えば、図2に示す平面図を見る方向で柱状導体及びU字状導体を二分割したもの、換言すると、柱状導体及びU字状導体が延伸する方向に柱状導体及びU字状導体を二分割したものが示されている。実施の形態1及び実施の形態2に係るアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)は、給電を行う中空金属棒(第1メイン柱状導体1及び第2メイン柱状導体4,メイン柱状導体15)に対して左右対称な位置に他の2本の中空金属棒(第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3)を設置する構造であった。これに対し、この実施の形態3に係るアンテナ装置は、給電を行う中空金属棒(第1メイン柱状導体1及び第2メイン柱状導体4)を中心とする円周上に等角度間隔で他の複数の中空金属棒(第3サブ柱状導体17及び第4サブ柱状導体18)を設置する構造を有する。これにより、アンテナ装置の剛性を向上させることができる。また、より少ない支持部材、または支持部材無しで自立するアンテナ装置を得ることができる。図18(左側面図)及び図19(右側面図)に示すアンテナ装置について、の正面図(背面図)などの図示は省略する。図18及び図19に示す構成要素のうち、実施の形態1に係るアンテナ装置と同様の構成要素に関しては、図1の正面図(図2の背面図)に示すものと位置関係が対応(一致)する。なお、U字状導体7と第2U字状導体21とは、平面図として見た場合、全体としてX字状のX字状導体を構成するといえる。U字状導体7と第2U字状導体21とに代えて、一体のX字状導体を用いてもよい。
実施の形態3では、アンテナ装置がダイポールアンテナであり、前述の円周上に等角度間隔が90°の場合を例示的に説明する。このアンテナ装置では、第1サブ柱状導体2,第1下部誘電体スペーサ9,第1上部誘電体スペーサ13,第2サブ柱状導体3,第2下部誘電体スペーサ10,第2上部誘電体スペーサ14,U字状導体7が、中空金属棒(第1メイン柱状導体1及び第2メイン柱状導体4)を中心とする円周上に、90°回転したものが、それぞれ、第3サブ柱状導体17,第3下部誘電体スペーサ22,第3上部誘電体スペーサ24,第4サブ柱状導体18,第4下部誘電体スペーサ23,第4上部誘電体スペーサ25,第2U字状導体21に対応する。なお、第1接続導体11及び第2接続導体12が、中空金属棒(第1メイン柱状導体1及び第2メイン柱状導体4)を中心とする円周上に、90°回転したものが、それぞれ、第3接続導体19及び第4接続導体20に対応する。
アンテナ装置がモノポールアンテナであってもよいし、前述の等角度間隔が任意であってもよい。なお、実施の形態3に係るアンテナ装置の設置面gは、地面や建物の屋上などが想定される。実施の形態に記載するものは、本発明の構成の一例であり、実施の形態に示すもののみに本発明が拘束されるものではない。実施の形態3では、実施の形態1及び2と異なる部分を中心に説明を行い、アンテナ構造や誘電体スペーサ構造などの共通する部分の説明は省略する場合がある。
実施の形態3では、第1サブ柱状導体2,第1下部誘電体スペーサ9,第1上部誘電体スペーサ13,第2サブ柱状導体3,第2下部誘電体スペーサ10,第2上部誘電体スペーサ14,U字状導体7が、それぞれ、第3サブ柱状導体17,第3下部誘電体スペーサ22,第3上部誘電体スペーサ24,第4サブ柱状導体18,第4下部誘電体スペーサ23,第4上部誘電体スペーサ25,第2U字状導体21に対応する。このため、実施の形態1及び2と同様な部分に関する「第1サブ柱状導体2,第1下部誘電体スペーサ9,第1上部誘電体スペーサ13,第2サブ柱状導体3,第2下部誘電体スペーサ10,第2上部誘電体スペーサ14,U字状導体7」の説明は省略する。
図17〜図20に示すように、第1メイン柱状導体1は、第3サブ柱状導体17と、第3サブ柱状導体17に並んで配列された第4サブ柱状導体18との間(中間)に配列されている。つまり、第3サブ柱状導体17と第4サブ柱状導体18との中間に第1メイン柱状導体1が配置されている。また、第1メイン柱状導体1は、第3サブ柱状導体17及び第4サブ柱状導体18と電気的に接続されている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図17〜図20に示すように、第2U字状導体21は、U字状に屈曲している。第2U字状導体21の一端は第3サブ柱状導体17の先端部分に対向している。第2U字状導体21の他端は第4サブ柱状導体18の先端部分に対向している。第2U字状導体21の中央部分21cは第2メイン柱状導体4の先端部分に固定されている。第2メイン柱状導体4が中央部分21cの中心近傍を固定しているので、この中心近傍を通る垂線に対して、第2U字状導体21は線対称の構造となっている。U字状導体7と第2U字状導体21とは、第2メイン柱状導体4の先端部分で交差して保持されている。U字状導体7及び第2U字状導体21を中心部分21cで二分割した構造とした場合は、U字状導体7と第2U字状導体21を交差させずとも、上部フランジ4a(第1板状導体4a)と取付用金具4b(第2板状導体4b)とで固定することでこれらを一体としてもよい。また。U字状導体7及び第2U字状導体21を管状の導体で形成し、一方を他方へ挿入することで、これらを一体としてもよい。この変形例として、第2U字状導体21を管状の導体で形成し、第2U字状導体21を上部フランジ4a(第1板状導体4a)に差し込むようにしてもよい。つまり、第2U字状導体21は、分割されたものを中央部分21cにて一体的に固定されるものでもよい。ここでいう一体的とは、電気的に一体と見なせることを意味している。つまり、第2U字状導体21もU字状導体7と同じく、L字状のL字状導体が組み合わさったものとすることができる。この場合、第1屈曲部21a(第2屈曲部21b)に対して、両L字状導体の一方の端部が、第3上部誘電体スペーサ24(第4上部誘電体スペーサ25)に固定(挿入)される。また、両L字状導体の他方の端部が第2メイン柱状導体4の先端部分(上部フランジ4a(第1板状導体4a)と取付用金具4b(第2板状導体4b)と)で固定される。さらに、U字状導体7及び第2U字状導体21は第1屈曲部分21aや第2屈曲部分21bで分割できる構造であってもよい。U字状導体7と第2U字状導体21とが一体であってもよい。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図17〜図20に示すように、第2メイン柱状導体4は、第1板状導体4aと第2板状導体4bとの間に、第2U字状導体21の中央部分21cを挟み込んで固定する。第2板状導体4bは、第2メイン柱状導体4とは別の部材である。しかし、第2U字状導体21の固定後に、第2板状導体4bが第2メイン柱状導体4の一部になる。また、第1板状導体4a又は第2板状導体4bの少なくとも一方は、第2U字状導体21が入る溝部を有するものとしてよい。本願では、第2板状導体4bに第2U字状導体21が入る溝部が形成されている。なお、U字状導体21は、一端から第1屈曲部分21aまで直線的に延びた第1直線部分と、他端から第2屈曲部分21bまで直線的に延びた第2直線部分と、第1屈曲部分21aから第2屈曲部分21bまで直線的に延びた中央部分21cとを備える。本願では、第2屈曲部分21a及び第2屈曲部分21bは角度が90°で屈曲したものも含む。つまり、第2U字状導体21は第2П(ペー)字状導体21ともいえる。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図17〜図20に示すように、第3下部誘電体スペーサ22及び第4下部誘電体スペーサ23は、それぞれ、設置面gに載置され、中央下部誘電体スペーサ8を間(中間)に配置している。第3下部誘電体スペーサ22及び第4下部誘電体スペーサ23並びに中央下部誘電体スペーサ8は一体の誘電体スペーサでもよい。また、これらは設置面gに埋め込まれていてもよいし、設置面g自体がこの機能(誘電体スペーサ)を有していてもよい。第3接続導体19は、第3サブ柱状導体17と第1メイン柱状導体1とを電気的に接続する。第4接続導体20は、第4サブ柱状導体18と第1メイン柱状導体1とを電気的に接続する。第3接続導体19及び第4接続導体20は同じ長さである。第3接続導体19及び第4接続導体20は、第1メイン柱状導体1,第3サブ柱状導体17,第4サブ柱状導体18の起立の補強材としても機能させることができる。第3上部誘電体スペーサ24は、第3サブ柱状導体17の先端部分に形成されている。第4上部誘電体スペーサ25は、第4サブ柱状導体18の先端部分に形成されている。第3上部誘電体スペーサ24及び第4上部誘電体スペーサ25は、例えば、上部側が細い円すい形状となっている。図20に示すように、第3サブ柱状導体17,第4サブ柱状導体18,第2U字状導体21は中空である。同じく、図20に示すように、第2U字状導体21の固定用の固定具45が挿入される孔が、第3上部誘電体スペーサ24及び第4上部誘電体スペーサ25における円すい形状の斜面に穿たれている(開けられている)。固定具45の材質は固定具34と同じく強度が確保できれば特に問わない。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
続いて、実施の形態3に係るアンテナ装置の設置方法(組み立て手順)を説明する。実施の形態3に係るアンテナ装置の設置方法における下部誘電体スペーサ載置工程は、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10並びに中央下部誘電体スペーサ8を設置面gに載置、及び、第3下部誘電体スペーサ22及び第4下部誘電体スペーサ23並びに中央下部誘電体スペーサ8を設置面gに載置する。元から、第1下部誘電体スペーサ9及び第2下部誘電体スペーサ10(第3下部誘電体スペーサ22及び第4下部誘電体スペーサ23)並びに中央下部誘電体スペーサ8が設置面gに配置(固定)されている場合には、下部誘電体スペーサ載置工程は不要となる。設置面gに誘電体スペーサの機能がある場合にも、下部誘電体スペーサ載置工程は不要となる。
実施の形態3に係るアンテナ装置の設置方法における下部側柱状導体設置工程では、第1サブ柱状導体2,第2サブ柱状導体3,第3サブ柱状導体17,第4サブ柱状導体18,第1メイン柱状導体1を設置面gの上にそれぞれ立てて、第1サブ柱状導体2と第2サブ柱状導体3との間に第1メイン柱状導体1を配置する。また、この工程では、第3サブ柱状導体17と第4サブ柱状導体18との間に第1メイン柱状導体1を配置する。実施の形態3に係るアンテナ装置の設置方法における下部側柱状導体電気接続工程では、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3を第1メイン柱状導体1に電気的に接続する。さらに、この工程では、第3サブ柱状導体17及び第4サブ柱状導体17を第1メイン柱状導体1に電気的に接続する。この工程は、詳しくは、第1メイン柱状導体1と第1サブ柱状導体2とを第1接続導体11で接続する工程,第1メイン柱状導体1と第2サブ柱状導体3とを第2接続導体12で接続する工程,第1メイン柱状導体1と第3サブ柱状導体17とを第3接続導体19で接続する工程,第1メイン柱状導体1と第4サブ柱状導体18とを第4接続導体20で接続する工程を含む。なお、下部側柱状導体電気接続工程の実施順は問わない。後述のU字状導体固定工程や配線工程の後に下部側柱状導体電気接続工程を行ってもよい。また、下部側柱状導体電気接続工程は、第1接続導体11,第2接続導体12,第3接続導体19,第4接続導体20による補強ともいえるので、下部側柱状導体補強工程ともいえる。実施の形態3に係るアンテナ装置の設置方法における下部側柱状導体設置工程の前に上部側柱状導体設置工程を行ってもよい。この場合、下部側柱状導体設置工程で設置面gに、中央上部誘電体スペーサ5を介して第2メイン柱状導体4が接続された第1メイン柱状導体1を立てることになる。なお、上部側柱状導体設置工程の後(多くは、U字状導体固定工程後)に配線工程が行われる。
U字状導体固定工程は、2つの工程を含んでいる。1つ目は、第1U字状導体固定工程である。この工程では、第1上部誘電体スペーサ13の第1サブ柱状導体2の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状に屈曲したU字状導体7の一端を固定(挿入)し、第2上部誘電体スペーサ14の第2サブ柱状導体3の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状導体7の他端を固定(挿入)し、U字状導体7の中央部分を第2メイン柱状導体4の先端部分に固定する。2つ目は、第2U字状導体固定工程である。この工程では、第3上部誘電体スペーサ24の第3サブ柱状導体17の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状に屈曲した第2U字状導体21の一端を固定(挿入)し、第4上部誘電体スペーサ25の第4サブ柱状導体18の先端部分に載置された面と反対の面に、第2U字状導体21の他端を固定(挿入)し、第2U字状導体21の中央部分を第2メイン柱状導体4の先端部分に固定する。第1U字状導体固定工程と第2U字状導体固定工程との実施順は問わない。U字状導体7の中央部分7cと第2U字状導体21の中央部分21cとの固定は同時に行われてもよい。
本願では、第3上部誘電体スペーサ24及び第4上部誘電体スペーサ25は孔部を有する。これらの孔部は、細い第2U字状導体21の両端を差込むことができる程度の窪みでよい。これによって、第3サブ柱状導体17と第2U字状導体21(一端)とを導通させず、固定具45により固定することができる。また、第4サブ柱状導体18と第2U字状導体21(他端)とを導通させず、固定具45により固定することができる。U字状導体固定工程前に、第3サブ柱状導体17の先端部分(上部フランジ)に第3上部誘電体スペーサ24を載置し、第4サブ柱状導体18の先端部分(上部フランジ)に第4上部誘電体スペーサ25を載置する上部誘電体スペーサ載置工程(サブ柱状導体用上部誘電体スペーサ載置工程)が実施される。第3上部誘電体スペーサ17及び第4上部誘電体スペーサ18が前述の円すい形状である場合は、径が大きい下部側にボルト穴を穿ち、第3サブ柱状導体17及び第4サブ柱状導体18の先端部分(上部フランジ)にボルトなどの締結具で固定すればよい。
したがって、実施の形態3に係るアンテナ装置の設置方法により、垂直方向を主偏波とする利得が高い、小型のアンテナ装置を得ることができる。また、ダイポールアンテナの主偏波の利得を維持し、左右対称の構造とすることで交差偏波の利得を抑圧したダイポールアンテナを得ることができる。第3サブ柱状導体17及び第4サブ柱状導体18によって、さらに、その搬送、組立て、設置が容易で、かつ支線などの支持部材の必要数が少ない、または支持部材無しで自立するダイポールアンテナやモノポールアンテナを得ることができる。
実施の形態1〜3に係るアンテナ装置は、第1サブ柱状導体2(第1支持体)と、第1サブ柱状導体2(第1支持体)に並んで配列された第2サブ柱状導体3(第2支持体)と、を備える。さらにこのアンテナ装置は、第1サブ柱状導体2(第1支持体)と第2サブ柱状導体3(第2支持体)との間(中間)に配列され、第1サブ柱状導体2(第1支持体)及び第2サブ柱状導体3(第2支持体)と電気的に接続され、又は、絶縁した状態で固定されたメイン柱状導体15(第1メイン柱状導体1)を備える。さらにこのアンテナ装置は、U字状に屈曲し、一端を第1サブ柱状導体2(第1支持体)の先端部分に対向させ、他端を第2サブ柱状導体3(第2支持体)の先端部分に対向させ、中央部分をメイン柱状導体15(第2メイン柱状導体4)の先端部分に固定されたU字状導体とを備える。なお、メイン柱状導体15は、第1サブ柱状導体2(第1支持体)と第2サブ柱状導体3(第2支持体)との間(中間)に配列されているだけでもよい。つまり、メイン柱状導体15は、第1サブ柱状導体2(第1支持体)及び第2サブ柱状導体3(第2支持体)と電気的に接続されてなくてもよいし、第1サブ柱状導体2(第1支持体)及び第2サブ柱状導体3(第2支持体)と絶縁した状態で固定されていなくてもよい。
実施の形態1〜3に係るアンテナ装置の設置方法は、3つの工程を含んでいる。1つ目は、下部側柱状導体設置工程である。この工程では、設置面g(導体地板16)に載置された第1下部誘電体スペーサ9(第1支持体)及び第2下部誘電体スペーサ10(第2支持体)並びに中央下部誘電体スペーサ8に、第1サブ柱状導体2(第1支持体)及び第2サブ柱状導体3(第2支持体)並びにメイン柱状導体15(第1メイン柱状導体1)の基端部分をそれぞれ固定する。次いで、この工程では、第1サブ柱状導体2(第1支持体)及び第2サブ柱状導体3(第2支持体)並びにメイン柱状導体15(第1メイン柱状導体1)を導体地板16(設置面gに設置されている)の上にそれぞれ立てる。ここで、第1サブ柱状導体2(第1支持体)と第2サブ柱状導体3(第2支持体)との間にメイン柱状導体15(第1メイン柱状導体1)が配置される。2つ目が、下部側柱状導体電気接続(下部側柱状体補強)工程である。この工程は、第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3を導体地板16に電気的に接続する下部側柱状導体設置工程である。この工程では、第1サブ柱状導体2(第1支持体)及び第2サブ柱状導体3(第2支持体)をメイン柱状導体15(第1メイン柱状導体1)に電気的に接続する、又は、絶縁した状態で固定する。3つ目が、U字状導体固定工程である。この工程では、「第1上部誘電体スペーサ13の第1サブ柱状導体」(第1支持体)の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状に屈曲したU字状導体7の一端を固定する。この工程では、さらに「第2上部誘電体スペーサ14の第2サブ柱状導体3」(第2支持体)の先端部分に載置された面と反対の面に、U字状導体7の他端を固定する。この工程では、さらにU字状導体7の中央部分をメイン柱状導体15(第2メイン柱状導体4)の先端部分に固定する。なお、下部側柱状導体電気接続(下部側柱状体補強)工程(第1サブ柱状導体2及び第2サブ柱状導体3を導体地板16に電気的に接続する下部側柱状導体設置工程)はなくてもよい。
実施の形態1〜3によれば、線状(細い柱状)アンテナの利得を維持し、それを分解した状態で容易に搬送でき、搬送先で容易に組み立て及び設置が可能で、支線などの支持部材の必要数が少ない、または全く不要なために、設置に要する面積が小さいアンテナ装置及びアンテナ装置の設置方法を得ることができる。もちろん、実施の形態1〜3に係るアンテナ装置(及びアンテナ装置の設置方法)は、ダイポールアンテナにもモノポールアンテナにも適用可能なものである。
本願において、第1メイン柱状導体1,第1サブ柱状導体2,第1サブ柱状体2d,第2サブ柱状導体3,第2サブ柱状体3d,第2メイン柱状導体4,上部側第2メイン柱状導体4u,下部側第2メイン柱状導体4d,メイン柱状導体15,上部側メイン柱状導体15u,下部側メイン柱状導体15d,第3サブ柱状導体17,第4サブ柱状導体18は、中空の管状の部材であってもよい。また、これらの管状の部材(柱状導体,柱状体)は、基端(一端)から先端(他端)まで連通した構造でもよいし、竹のように内部に節状の構造体が存在する非連通の構造でもよい。非連通の構造は、強度確保に資する。連通の構造でも内部に補強材(構造体)を形成して強度を確保してもよい。なお、連通・非連通の構造が容認されることは、U字状導体7及び第2U字状導体21においても同様である。もちろん、U字状導体7及び第2U字状導体21においても、非連通の構造や補強材(構造体)付きの連通の構造は、強度確保に資するものであることはいうまでもない。
この出願は、2013年3月5日に出願された、日本国特許出願2013−043201号に基づく。本明細書中に日本国特許出願2013−043201号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。