JP5769585B2 - ガラス製光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス製光学素子の製造方法に関する。
例えば、ガラス基板・光学レンズ・光学フィルター等のガラス製光学素子には、光学ガラスが使用される。光学ガラスは、屈折率、アッベ数のような光学特性を所望の値とするために、種々の酸化物やフッ化物から構成されている。
ガラス製光学素子を製造に際して、素子表面を清浄にするためのクリーニング工程が欠かせない。一般にこれらガラス製光学素子の洗浄方法として、多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置が用いられており、除去する汚れに応じて適切な洗浄液を選定する。特に研磨材や、ガラススラッジ等の微粒子を除去するためには、水系の洗浄液が適している。
ところが、光学ガラスは、その元素構成によっては、水や水系洗浄液により潜傷やヤケが生じることがある。
例えば、特許文献1には、光学部品の洗浄において、洗浄剤のビルダーとして水ガラスを添加することによって、潜傷やヤケを抑制しつつ汚れを除去する光学部品用洗浄剤が記載されている。また特許文献1には、この光学部品用洗浄剤が、B−アルカリ土類金属系硝材に対して有効であることを示すテスト結果が開示されている。
特開平9−71799号公報
しかし、例えば、特許文献1に記載されたように、潜傷やヤケを抑制する洗浄剤を用いた洗浄方法を用いる場合でも、フッ素、リンなどを含む光学ガラスを加工したガラス製光学素子では、洗浄後に、例えば反射防止膜などのコートを施すと、コートの密着性不良やコート反射率の不良などが生じるという問題があった。
発明者がこれらの不良品の表面を観察したところ、ガラス製光学素子の表面は荒れており、これにより、屈折率や機械強度が低下していたことがわかった。フッ素、リンを含む光学ガラスは、水や水系洗浄液への溶出性が高く、ガラス成分の溶出したあとの表面に微細構造が生じ、表面の荒れが形成されていると考えられる。
このような洗浄による表面の劣化を防ぐため、フッ素、リンなどを含む光学ガラスを用いたガラス製光学素子の実際の生産では、自動洗浄機を使用せず、有機溶剤で洗浄してから1枚ずつ手作業により拭きあげている。このような洗浄作業は、リンなどを含む光学ガラスを用いたガラス製光学素子の製造コストを上げる要因となっていた。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、表面の薄膜を形成する場合に薄膜密着性および薄膜の反射率特性に優れ、効率よく製造することができるガラス製光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のガラス製光学素子の製造方法は、フッ素およびリンを含有するガラス材料を加工したガラス製光学素子の製造方法であり、フッ素およびリンを含有するガラス材料を加工して、素子本体の外形を形成する素子本体部材形成工程と、非イオン系界面活性剤をベースに水溶性溶剤及び/又はリン酸塩を含有した洗浄液が満たされた洗浄槽に前記素子本体を浸漬して洗浄することにより、洗浄による前記ガラス材料内のフッ素を含む成分の溶出を選択的に抑制して、前記ガラス材料の組成と同じ組成を有する基体部の少なくとも一部の表面に層状にフッ素元素の含有率が前記基体部の組成におけるフッ素元素の含有比率を下回ることなく変化して最外面で最大となる勾配を有するフッ素濃度勾配層部を形成する、フッ素濃度勾配層部形成工程と、前記フッ素濃度勾配層部の上に光学薄膜を形成する光学薄膜形成工程と、を有する方法とする。
また、本発明のガラス製光学素子の製造方法では、前記フッ素濃度勾配層部のフッ素元素の含有比率は、前記基体部のフッ素元素の含有比率の1倍より大きく、1.3倍以下であることが可能である。
また、本発明のガラス製光学素子の製造方法では、前記フッ素濃度勾配層部の前記基体部と反対側の表面に、光学薄膜が形成されていることが可能である。
本発明のガラス製光学素子の製造方法によれば、フッ素およびリンを含有するガラス材料の組成と同じ組成を有する基体部の表面に層状にフッ素元素の含有率が前記基体部の組成におけるフッ素元素の含有比率を下回ることなく変化して最外面で最大となる勾配を有するフッ素濃度勾配層部を形成することができるため、表面の薄膜を形成する場合に薄膜密着性および薄膜の反射率特性に優れ、効率よく製造することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態のガラス製光学素子の一例を示す光軸方向に沿う断面図、およびそのA部詳細図である。 本発明の実施形態のガラス製光学素子の製造方法を示す模式的な工程説明図である。 従来技術に係るガラス製光学素子の素子本体の表面の深さ方向の組成分布を示すグラフである。 実施例1のガラス製光学素子の素子本体の表面の深さ方向の組成分布を示すグラフである。 比較例1のガラス製光学素子の素子本体の表面の深さ方向の組成分布を示すグラフである。
以下では、本発明の実施形態のガラス光学素子について添付図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態のガラス製光学素子の一例を示す光軸方向に沿う断面図である。図1(b)は、図1(a)におけるA部詳細図である。
図1(a)に示すのは、本実施形態のガラス製光学素子の一例であるレンズ1である。
レンズ1は、フッ素およびリンを含有するガラス材料を加工したレンズ本体1c(素子本体)を有する両凸レンズである。このため、レンズ本体1cの表面は、それぞれ凸球面からなるレンズ面1a、1bと、これらの光軸を中心とする円筒面状のレンズ側面1dとが、形成されている。
レンズ面1a、1b上のレンズ有効面には、それぞれ、設計波長の光を良好に透過させ表面反射を抑制するための光学薄膜2a、2bが成膜されている。
光学薄膜2a、2bは、例えば、屈折率の異なる薄膜を複数積層させた多層薄膜を採用することができる。光学薄膜2a、2bの膜構成や膜厚は、必要な光学特性に応じて適宜設定することができる。以下では、光学薄膜2aの膜厚をhCa(図1(b)参照)で表し、光学薄膜2bの膜厚をhCb(図示略)で表す。
レンズ本体1cは、図1(b)に示すように、基体部1Bと、フッ素濃度勾配層部1Fとを備える。
基体部1Bは、レンズ本体1cを加工したガラス材料の組成と同じ組成を有するレンズ本体1cの部位であり、レンズ本体1cと略同様の形状を有する。
フッ素濃度勾配層部1Fは、基体部1Bの表面に層状に形成されたレンズ本体1cの部位である。本実施形態では、レンズ面1a、1bとレンズ側面1dの一部に形成されているが、フッ素濃度勾配層部1Fは少なくともレンズ面1a、1bのレンズ有効径内に形成されていればよい。例えば、レンズ側面1dには、フッ素濃度勾配層部1Fが形成されなくてもよいため、フッ素濃度勾配層部1Fの形成時にレンズ本体1cの保持部に利用することが可能である。
フッ素濃度勾配層部1Fの層厚hは、レンズ本体1cの厚さに比べて非常に小さく、例えば、5nm〜30nmである。
また、フッ素濃度勾配層部1Fにおけるフッ素元素の含有率Dは、基体部1Bの組成におけるフッ素元素の含有比率Dを下回ることなく変化して最外面で最大となる勾配を有している。
フッ素元素の含有率Dの勾配は、一定でもよいが、層厚方向に変化することが可能である。勾配が膜厚方向に変化する場合、勾配を表す関数形は、特に限定されない。ただし、基体部1Bとの境界位置から最外面まで、広義単調に増加する(ただし、まったく増加しない一定値の場合は除く)に増加することが好ましい。この場合、広義単調かどうかの判定は、含有率や位置測定の測定誤差によって測定値の逆転が発生することがない程度に、層厚方向の測定間隔をあけた測定により行うものとする。
また、フッ素濃度勾配層部1Fにおけるフッ素元素の含有率Dの最大値はフッ素元素の含有比率Dの1.3倍以下であることが好ましい。すなわち、フッ素元素の含有率Dは、1<D/D≦1.3の関係を満足することが好ましい。
/Dが1.3より大きくなると、後述する本実施形態の製造方法では、フッ素
濃度勾配層1Fの厚みが増大することで、薄膜の反射率特性に影響し、設計性能から外れる。
このような構成のレンズ1は、種々の部材と組み合わせて種々の光学製品に用いることが可能である。光学製品の種類は、特に限定されないが、例えば、単体または他のレンズとともにレンズ鏡筒に組み込んだレンズユニット、スチルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置、プロジェクタ等の投影装置、スキャナ等の画像読取装置、撮像機能を有する内視鏡、顕微鏡等の例を挙げることができる。
次に、本実施形態のレンズ1の製造方法について説明する。
図2(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の実施形態のガラス製光学素子の製造方法を示す模式的な工程説明図である。
本実施形態の光学素子製造方法では、素子本体部材形成工程、フッ素濃度勾配層部形成工程、および光学薄膜形成工程をこの順に行うことによりレンズ1を製造する。
素子本体部材形成工程は、フッ素およびリンを含有するガラス材料を加工して、レンズ本体1cの外形を形成する工程である。
本工程では、まず、フッ素およびリンを含有するガラス材料を加工して、図2(a)に示すように、レンズ1のレンズ本体1cを光軸方向にわずかに厚くした形状を有する被加工体10を作製する。
すなわち、被加工体10は、レンズ側面1dと、レンズ面1a、1bと略同じ曲率半径を有する凸球面10a、10bとを備え、凸球面10a、10bの間の中心軸上の面間距離が、レンズ1のレンズ面1a、1bの光軸上の面間距離よりわずかに大きくなっているものである。
被加工体10は、ガラス母材から切削して形成してもよいし、プレス成形によって形成してもよい。
フッ素およびリンを含有するガラス材料としては、例えば、FCD1、FCD10(以上、HOYA製)、S−FPL51、53(以上、オハラ製)、K−CaFK95、K−PFK80、K−PFK85(以上、住田光学ガラス製)などのフツリン酸塩ガラス等を挙げることができる。
次に、図2(b)に示すように、レンズ側面1dを基準として、その中心軸上に球心位置を有するレンズ面1a、1bをそれぞれ形成する。
すなわち、凸球面10a、10bに対して、例えば、切削、粗研削、精研削などを順次行って、良好な研磨加工が可能となる面精度まで段階的に面精度を高め、最終的に適宜の研磨代を残した面間距離となるように加工する。そして、この被加工体10を不図示の研磨装置に保持して、研磨加工を行い、レンズ面1a、1bを形成する。
これにより、レンズ本体1cと同じ外形を有する素子本体部材10Aが形成される。
以上で、素子本体部材形成工程が終了する。
次に、フッ素濃度勾配層部形成工程を行う。本工程は、素子本体部材10Aの表面にフッ素濃度勾配層部1Fを形成する工程である。
本工程は、図2(c)に示すように、水系洗浄液6が満たされ超音波振動子7が設けられた洗浄槽5に素子本体部材10Aを浸漬して、一定時間をかけて超音波洗浄することにより行う。
水系洗浄液6による洗浄が終了したら、純水が満たされ超音波振動子が設けられた図示略の純水リンス槽に一定時間浸漬して、リンス洗浄を行う。
水系洗浄液6としては、素子本体部材形成工程による汚れを落とす界面活性剤などの洗剤成分が含有され、水による潜傷やヤケを抑制するとともに、ガラス材料内のフッ素を含む成分の溶出を抑制できる溶質が添加された水溶液であれば、適宜の洗浄剤を採用することができる。
水系洗浄液6の具体例としては、高級アルコールエトキシレートなどの非イオン系界面活性剤をベースに、グリコールエーテル、アルコールなど水溶性溶剤、及び/又は、リン酸水素ナトリウム等のリン酸塩を含有した洗浄剤を、純水で希釈して用いることができる。
希釈後の洗浄液中のリン酸塩の好適濃度範囲としては、P元素の重量として2ppm〜30ppmである。
これら水系洗浄液6において、各溶質の組成比および濃度の好適値は、素子本体部材10Aの組成などによっても異なるため、ガラス材料ごとに予め実験を行うなどして好適な値を求めておく。
また、洗浄時間の条件についても、ガラス材料ごとに予め実験を行うなどして好適な値を求めておく。
このような洗浄を行うと、素子本体部材10Aの表面から、ガラス成分が溶出していくが、水系洗浄液6を用いた場合には、フッ素元素と、これと強固に結合したカルシウム(Ca)元素、ストロンチウム(Sr)元素等のアルカリ土類元素とを含む構造部分の溶出が選択的に抑制される。このため、ガラス成分の溶出の激しい素子本体部材10Aの表面において、フッ素元素の含有率が高まり、これにより表面にフッ素濃度勾配層部1Fを有するレンズ本体1cが形成される(図2(d)参照)。
以上で、フッ素濃度勾配層部形成工程が終了する。
ここで、水系洗浄液6によりフッ素濃度勾配層部1Fが形成される理由について説明する。
図3は、従来技術に係るガラス製光学素子の素子本体の表面の深さ方向の組成分布を示すグラフである。グラフの横軸は、深さ方向の組成分布を測定するために行ったエッチング時間(sec)である。縦軸は元素含有率(atm%)である。また凡例中のアルファベットは元素記号である。
フッ素およびリンを含有するガラスは、水や水系洗浄液に浸漬されたときにガラスが溶解する。本発明者が、ガラスを浸漬した後の洗浄液中の金属元素の量を測定したところ、ガラスが溶解する際の元素ごとの溶出比率は、洗浄液の種類によって必ずしも同じではないことがわかった。また、その溶出比率によって、ガラス表面の荒れ(微細な凹凸)の生じ方も変化していることが分かった。
荒れは微細な凹凸のサイズオーダーにより、傷やクモリなどの不具合との関連が高くなる比較的大きなサイズの荒れと、コート反射率や密着性を悪い方向に変化させている極小さなサイズオーダーの荒れがあった。
本発明では、特に後者を対策することを狙い、このような極小さなサイズオーダーの荒れのある表面を詳細に分析した。図3のグラフは、このような極小さなサイズオーダーの荒れのある従来技術によるレンズの表面を、X線光電子分光(XPS)を用いて表面深さ方向の組成分布を測定した結果を示す。すなわち、最表面の組成分布測定を行った後、Arによる10秒間のエッチングと、このエッチングにより形成された表面の組成分布測定とを行うことを繰返して、レンズの最表面から、順次深さ方向に組成分布測定を行なった。このため、横軸のエッチング時間は、0secがレンズの表面の測定結果を表し、エッチング時間が増大するほど、レンズの表面から深い位置での組成を表している。
図3において、折れ線100で示されるように、極小さなサイズオーダーの荒れの箇所では、フッ素元素(F)の含有比率が、ガラス表面の近傍で大きく減少していることがわかった。また、折れ線101、102で示されるようにCaやSrもガラス表面の近傍で大きく減少している。
これは、フツリン酸塩ガラス中でフッ素元素は、カルシウムやストロンチウムなどアルカリ土類元素と結合しており、これらが選択的に溶出していると考えることができる。このような選択的な溶出が進むと、ガラス表面には、アルミニウム(Al)元素(折れ線103参照)など酸素(O)元素(折れ線104参照)と強固な結合を有する構造部分が残り、これにより、極小さなサイズオーダーの荒れ(=多孔質状の変質層)を生じていると考えられた。
水系洗浄液への溶出をゼロにすることは、不可能である。そこで溶出しても多孔質状の変質層をつくらないような表面構成を検討したところ、ガラス表面に向かってフッ素の含有比率が増加するように変化した場合には、問題となる多孔質状の変質層を形成しないことがわかり、本発明に到った。
次に、光学薄膜形成工程を行う。本工程は、レンズ本体1cのレンズ面1a、1bにそれぞれ光学薄膜2a、2bを形成する工程である。
成膜を行う装置としては、光学薄膜2a、2bの膜構成などに応じて、適宜の成膜装置、例えば、真空蒸着装置などを採用することができる。
光学薄膜2a、2bは、レンズ有効径内では、フッ素濃度勾配層部1Fの最外面上に成膜されていく。
このようにして、図1(a)に示すようなレンズ1を製造することができる。
本実施形態のレンズ1は、光学薄膜2a、2bがフッ素濃度勾配層部1F上に成膜されている。フッ素濃度勾配層部1Fは、上記の多孔質状の変質層を形成しないため、レンズ面1a、1bに多孔質状の変質層が形成されている場合に比べて、光学薄膜2a、2bの薄膜密着性(耐久性)や反射率特性を向上することができる。
フッ素およびリンを含むガラス材料を用いたレンズでは、良好な薄膜密着性や反射率特性を得ようとすれば、水系洗浄液による洗浄によらず、有機溶剤による洗浄の後、手拭き仕上げを行っていたため、手拭きの作業時間が膨大となり、製造コストを増大させていた。
これに対して、本実施形態のレンズ1の製造方法では、水系洗浄液6を用いて、フッ素濃度勾配層部1Fを形成しつつ、素子本体部材10Aの洗浄も行い、手拭き仕上げの必要がなくなるため、フッ素およびリンを含むガラス材料を用いたレンズであっても、効率よく製造することができ、製造コストを低減することができる。
なお、上記の説明では、ガラス製光学素子が、両凸レンズの場合の例で説明したが、これは一例である。ガラス製光学素子の種類は、特に限定されない。例えば、ガラス基板、光学レンズ、光学フィルター、反射ミラー、プリズム等の例を挙げることができる。これらの光学素子は、いずれも光を透過させたり反射させたりする光学面が研磨加工によって高精度に形成され、光学面の表面には光学薄膜が成膜されている。光学面の面形状は、例えば、平面、球面、非球面、自由曲面など適宜の形状を採用することができる。また、光学薄膜の種類としては、例えば、表面保護膜コート、反射防止膜コート、波長フィルター膜コート、反射膜コート、偏光分離膜コートなどの種々の機能を有する光学薄膜を挙げることができる。なお、光学薄膜とは、光学的機能を備える薄膜をいう。
また、上記の説明では、レンズ1は、光学薄膜2a、2bが形成されている場合の例で説明したが、レンズ本体1cは、レンズ面1a、1bが形成されており、レンズとして機能するガラス製光学素子を構成している。このため、例えば、光学薄膜を表面に形成しなくても、必要な性能が得られる場合には、光学薄膜2a、2bを削除して、レンズ本体1cのみを用いることも可能である。
また、上記の実施形態で説明した構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり、削除したりして実施することができる。
次に、上記実施形態の具体的な実施例1〜7について、比較例1〜3とともに説明する。
図4は、実施例1のガラス製光学素子の素子本体の表面の深さ方向の組成分布を示すグラフである。図5は、比較例1のガラス製光学素子の素子本体の表面の深さ方向の組成分布を示すグラフである。図4、5とも、グラフの横軸は、深さ方向の組成分布を測定するために行ったエッチング時間(sec)である。縦軸は元素含有率(atm%)である。また凡例中のアルファベットは元素記号である。
[実施例1]
実施例1の条件および評価結果を、比較例1とともに下記表1にまとめて示す。
Figure 0005769585
実施例1では、まず、硝材として、屈折率が1.439、アッベ数が95であるフツリン酸ガラス(S−FPL53(商品名;オハラ製))を研磨し、各レンズ面の曲率半径が46mmである直径13mmの素子本体部材10Aを上記実施形態の素子本体部材形成工程により作製した。
この素子本体部材10Aを、高級アルコールエトキシレート、グリコールエーテル、アルコールを含有する洗浄液Aを純水で5%に希釈したものを水系洗浄液6として入れた洗浄槽と、純水リンス槽とを備える超音波洗浄槽で、それぞれ80秒ずつ洗浄した(フッ素濃度勾配層部形成工程)。
このレンズの1面に真空蒸着機で屈折率の異なる金属酸化物を積層した反射防止膜を形成し(光学薄膜形成工程)、コート面の反射率測定、スクラッチテストを実施した。
また、同様にして作製した別のレンズのコートを付与していない面について、XPSを用いて表面深さ方向の組成分布を測定した。
すなわち、最表面の組成分布測定を行った後、Arによる10秒間のエッチングと、このエッチングにより形成された表面の組成分布測定とを行うことを繰返して、レンズの最表面から、順次深さ方向に組成分布測定を行なった。
この10秒間のエッチングによるエッチング深さは、平均4.2nmであった。
この測定結果のグラフを図4に示す。
[比較例1]
比較例1として、実施例1と同じガラス材料により、同形状のレンズを作製し、高級アルコールエトキシレート、トリエタノールアミン(TEA)を含有する洗浄液Bを純水で5%に希釈した水系洗浄液を入れた洗浄槽と、純水リンス槽とを備える超音波洗浄槽で、それぞれ80秒ずつ洗浄した。
このレンズの1面に、実施例1と同様にして反射防止膜を形成し、実施例1と同様にして、コート面の反射率測定、スクラッチテストを実施した。また、同様にして作製した別のレンズのコートを付与していない面について、実施例1と同様にして表面深さ方向の組成分布を測定した。
この測定結果のグラフを図5に示す。
[評価]
評価は、表1に示すように、「コート反射率」、「膜破壊」について行った。
「コート反射率」の評価は、反射防止膜が形成されたレンズ面の分光反射率を測定して行った。具体的には、波長500nmの反射率を求めて、規格値0.7%と比較した。表1の判定欄の「○」は、反射率が0.7%以下で合格であったことを示し、「×」は、反射率が0.7%より大きく不合格であったことを示す。
「膜破壊」の評価は、スクラッチテストを行って、膜破壊荷重を測定し、規格値125mNと比較した。表1の判定欄の「○」は、膜破壊荷重が125mN以上で合格であったことを示し、「×」は、膜破壊荷重が125mN未満で不合格であったことを示す。
また、図4、5のグラフから、フッ素元素の含有比率が変化する位置を読み取って、フッ素元素の変化層の層厚を算出し、表1に「層厚」として記載した。
また、フッ素元素の変化開始位置の含有比率に対する変化層の最外面の含有比率の比(上記実施形態に記載のD/Dに対応する)を算出し、表1に「変化層/基板部」として記載した。以下、簡単のため、実施例、比較例を問わず「変化層/基板部」欄の数値を単にD/Dと称する。
実施例1では、図4に折れ線200で示されるように、フッ素元素の含有比率が最外面で最大約56%の最大値を示し、層厚15nm(表1参照)の範囲で、内部から最外面に向かって、広義単調に増大し、約45%で安定している。このため、層厚15nmのフッ素濃度勾配層部1Fが表面に形成されていることが分かる。
また、D/Dは、表1に示すように1.13であった。
また、同様な層厚の範囲で、Caの含有比率(折れ線201参照)は内部から最外面に向かってわずかに上昇しており、Srの含有比率(折れ線202参照)は略横這いであり表面のみで減少している。
また、Alの含有比率(折れ線203参照)およびOの含有比率(折れ線204参照)は内部から最外面に向かっていずれも減少している。
これに対して、比較例1では、図5に折れ線300で示されるように、フッ素元素の含有比率が最外面で約35%の最小値を示し、層厚17.9nm(表1参照)の範囲で内部から最外面に向かって減少し、約45%で安定している。したがって、層厚17.9nmのフッ素濃度の変化層が形成されているものの、最外面に向かってフッ素元素の含有比率が減少しているため、フッ素濃度勾配層部1Fは形成されておらず、多孔質状の変質層が形成されていることが分かる。
このため、D/Dは、表1に示すように0.76であった。
また、同様な層厚の範囲で、Ca、Srの含有比率(折れ線301、302参照)は、いずれも内部から最外面に向かって大きく減少している。
また、Al、Oの含有比率(折れ線303、304参照)は、いずれも内部から最外面に向かって大きく増大している。
実施例1では、表1に示すように、反射率が0.5%、膜破壊荷重が132mNであり、いずれもの評価も「○」であった。
これに対して、比較例1では、反射率が1.4%、膜破壊荷重が12mNであり、いずれもの評価も「×」であった。
それぞれの数値を比較しても、実施例1は、比較例1に対して格段に良好な数値を示していることがわかる。
この相違は、実施例1が表面にフッ素濃度勾配層部1Fを有するのに対して、比較例1では表面に多孔質状の変質層が形成されているためであると考えられる。
[実施例2〜5]
実施例1の条件および評価結果を下記表2にまとめて示す。
Figure 0005769585
実施例2〜5では、素子本体部材形成工程において、上記実施例1と同じフツリン酸ガラスを研磨し、各レンズ面の曲率半径が52mmである直径15mmのレンズを作製した。
また、フッ素濃度勾配層部形成工程では、表2に示すように、水系洗浄液6として、高級アルコールエトキシレート、アルコール、リン酸水素ナトリウムを含有する洗浄液C1を純水で3%に希釈したものを用いて洗浄を行った。希釈後の洗浄液中のリン酸塩の濃度は、P元素の重量として10ppmであった。
ただし、実施例2〜5では、洗浄槽による洗浄時間を、それぞれ60秒、120秒、180秒、240秒に設定した。
また、光学薄膜形成工程および評価は、上記実施例1と同様にして行った。
実施例2〜5では、上記実施例1と同様な組成分布測定を行った結果、いずれも、フッ素濃度勾配層部1Fが形成されていることが確認された。
実施例2〜5のフッ素濃度勾配層部1Fの層厚は、表2に示すように、それぞれ、12.5nm、40nm、55nm、90nmであり、洗浄時間が長くなるほど、層厚が厚くなっていた。
また、実施例2〜5のD/Dは、それぞれ、1.2、1.25、1.2、1.28であり、洗浄時間と関係なく、略一定になった。
また、実施例2〜5の反射率は、それぞれ、0.48%、0.51%、0.49%、0.53%であり、洗浄時間と関係なく、略一定になった。また、いずれの評価も「○」であった。
また、実施例2〜5の膜破壊荷重は、それぞれ、131mN、129mN、132mN、127mNであり、洗浄時間と関係なく、略一定になった。また、いずれの評価も「○」であった。
したがって、洗浄液C1によって形成されたフッ素濃度勾配層部1Fは、層厚12.5nmから90nmの範囲で、反射率、膜破壊荷重とも良好な結果を示した。
[実施例6、7]
実施例6、7の条件および評価結果を、比較例2、3とともに下記表3にまとめて示す。
Figure 0005769585
実施例6、7では、素子本体部材形成工程において、上記実施例1と同じフツリン酸ガラスを研磨し、各レンズ面の曲率半径が80mmである直径24mmのレンズを作製した。
また、フッ素濃度勾配層部形成工程では、表3に示すように、水系洗浄液6として、高級アルコールエトキシレート、アルコール、リン酸塩を含有する洗浄液C2を純水で3%に希釈したものを用いて洗浄を行った。希釈後の洗浄液中のリン酸塩の濃度は、P元素の重量として5ppmであった。
ただし、実施例6、7では、洗浄槽による洗浄時間を、それぞれ、120秒、240秒に設定した。
また、光学薄膜形成工程および評価は、上記実施例1と同様にして行った。
実施例6、7では、上記実施例1と同様な組成分布測定を行った結果、いずれも、フッ素濃度勾配層部1Fが形成されていることが確認された。
実施例6、7のフッ素濃度勾配層部1Fの層厚は、表3に示すように、それぞれ、17.9nm、22.1nmであり、洗浄時間が長い方が層厚が厚くなっていた。
また、実施例6、7のD/Dは、それぞれ、1.08、1.04であり、略同等であった。
また、実施例6、7の反射率は、それぞれ、0.51%、0.51%であった。また、いずれの評価も「○」であった。
また、実施例6、7の膜破壊荷重は、それぞれ、127mN、129mNであり、洗浄時間と関係なく略同じ値になった。また、いずれの評価も「○」であった。
したがって、洗浄液C2によって形成されたフッ素濃度勾配層部1Fは、反射率、膜破壊荷重とも良好な結果を示した。
[比較例2、3]
比較例2、3は、上記実施例7の条件で用いた洗浄液C2と、洗浄液中のリン酸塩の濃度が異なる洗浄液C3、C4を用いた点が異なり、他の洗浄条件は同一とした。
洗浄液C3は、洗浄液C2の8倍量含有し、純水希釈後の洗浄液中のリン酸塩濃度で40ppmとした。
洗浄液C4は、洗浄液C2の16倍量含有し、純水希釈後の洗浄液中のリン酸塩濃度で80ppmとした。
比較例2、3では、上記実施例1と同様な組成分布測定を行った結果、いずれも、フッ素濃度勾配層部1Fが形成されていないことが確認された。
比較例2、3のフッ素濃度変化層の層厚は、表3に示すように、それぞれ、20nm、63nmであった。
また、比較例2、3のD/Dは、それぞれ、0.61、0.62であった。
また、比較例2、3の反射率は、それぞれ、1.41%、1.55%であり、いずれの評価も「×」であった。
また、比較例2、3の膜破壊荷重は、それぞれ、37mN、18mNであり、いずれの評価も「×」であった。
したがって、洗浄液C3、C4では、フッ素濃度勾配層部1Fが形成されず、反射率、膜破壊荷重とも規格値外となり、実施例7と比べて格段に劣る結果となった。
1 レンズ(ガラス製光学素子)
1B 基体部
1F フッ素濃度勾配層部
1a レンズ面
1c レンズ本体(素子本体)
2a、2b 光学薄膜
6 水系洗浄液

Claims (3)

  1. フッ素およびリンを含有するガラス材料を加工したガラス製光学素子の製造方法であり、
    フッ素およびリンを含有するガラス材料を加工して、素子本体の外形を形成する素子本体部材形成工程と、
    非イオン系界面活性剤をベースに水溶性溶剤及び/又はリン酸塩を含有した洗浄液が満たされた洗浄槽に前記素子本体を浸漬して洗浄することにより、洗浄による前記ガラス材料内のフッ素を含む成分の溶出を選択的に抑制して、前記ガラス材料の組成と同じ組成を有する基体部の少なくとも一部の表面に層状にフッ素元素の含有率が前記基体部の組成におけるフッ素元素の含有比率を下回ることなく変化して最外面で最大となる勾配を有するフッ素濃度勾配層部を形成する、フッ素濃度勾配層部形成工程と、
    前記フッ素濃度勾配層部の上に光学薄膜を形成する光学薄膜形成工程と、
    を有することを特徴とするガラス製光学素子の製造方法。
  2. 前記フッ素濃度勾配層部のフッ素元素の含有比率は、
    前記基体部のフッ素元素の含有比率の1倍より大きく、1.3倍以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載のガラス製光学素子の製造方法
  3. 前記フッ素濃度勾配層部の前記基体部と反対側の表面に、光学薄膜が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のガラス製光学素子の製造方法。
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