JP5768773B2 - 浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高融点非金属介在物による閉塞が生じやすいアルミキルド鋼などの溶融金属を、浸漬ノズルを用いて連続鋳造する方法に関するものである。
鋼の連続鋳造において、アルミナに代表される高融点非金属介在物の付着による浸漬ノズル内面の閉塞は、操業および鋳片品質に大きな影響を及ぼす。
従って、浸漬ノズルの閉塞防止に対する対策技術が、従来から種々提案されている。
例えば、特許文献1には、鋳造中の高温下における化学反応によって緻密な内面を形成する、スピネル‐ペリクレース‐黒鉛系耐火物が提案されている。また、特許文献2には、低融点の緑柱石を含有し、内面に半溶融層を形成する、黒鉛とマグネシア及び/又はスピネルからなる耐火物が提案されている。
一方、発明者らの一部は、アルミナグラファイトに微量のCaO等を含有させることによってアルミナ介在物の付着を防止し、さらに通電を併用してその効果を増す発明を、特許文献3で提案している。発明者らの一部は、さらに特許文献4において、交流パルス状の電流を浸漬ノズルに流して非金属介在物の付着を防止する発明を提案している。
また、特許文献5〜7では、浸漬ノズル内への不活性ガスの吹き込み方法を適正化して、浸漬ノズルの閉塞防止と気泡欠陥の防止を両立する方法が提案されている。
前記特許文献1〜7で提案された方法は、それぞれ一定の効果を発揮することが確認できている。しかしながら、材料特性を改善するためにREM(希土類元素)を添加した鋼のように、従来の技術では非金属介在物による浸漬ノズルの閉塞が十分に防止できない鋼種もある。
特許第3358989号公報 特開2002‐035904号公報 特開2010‐201504号公報 国際公開2008‐090649号パンフレット 特開2001‐300702号公報 特開2010‐005691号公報 特開2011‐110561号公報
本発明が解決しようとする問題点は、従来の技術では、鋼種によっては非金属介在物による浸漬ノズルの閉塞が十分に防止できないという点である。
発明者らは、浸漬ノズルの閉塞に影響を及ぼす因子について研究開発を重ねた結果、浸漬ノズル内へ吹き込むArガスの純度を通常よりも高めることによって、効果的に浸漬ノズル内へのアルミナ等の高融点介在物の付着を防止できることを知見した。また、適正な通電と、通電効果発現に適した耐火物材質の適用によって、浸漬ノズルの閉塞防止効果をさらに高められることを知見した。
本発明は、上記発明者らの知見に基づいてなされたものであり、
例えばREMを添加したような鋼であっても非金属介在物による浸漬ノズルの閉塞を十分に防止できるようにするために、
浸漬ノズルの流路内に、純度が99.95%以上、酸素濃度が2ppm以下、露点が−65℃以下のArガスを流しながら連続鋳造する方法であって、
鋳型内に注入する溶鋼の流量を調整する流路絞り部を有するスライディングゲート、或いは、両者間の間隙により鋳型内に注入する溶鋼の流量を調整する流路絞りを形成するストッパーと上ノズルの前記間隙よりも上流側に吹き込む前記Arガスの流量をq 1 (Nリットル/min)、前記流路絞りよりも下流側に吹き込む前記Arガスの流量をq 2 (Nリットル/min)、浸漬ノズルの内面積をA(m 2 )としたとき、{(q 1 /5)+q 2 }/Aの値が3〜25の間であることを最も主要な特徴とする浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法である。
上記本発明では、純度が99.95%以上の高純度のArガスを浸漬ノズル内に流すことによって、Ar膜が溶鋼と浸漬ノズルの流路内面耐火物との間に安定して形成され、溶鋼が浸漬ノズル内面の耐火物に接触する機会が減少する。
上記本発明において、浸漬ノズルを、C:11〜45質量%、Al2O3:40〜80質量%、CaO:1〜7質量%を含有する黒鉛質耐火物で形成した場合は、溶鋼と浸漬ノズル内面耐火物との濡れ性が改善され、溶鋼中の非金属介在物が耐火物表面に付着するのを効果的に防止できる。
本発明によれば、純度が99.95%以上の高純度のArガスを浸漬ノズル内に吹き込むことによって、溶鋼が浸漬ノズル内面に接触する機会を減らして溶鋼中の非金属介在物の付着を抑制することができる。
さらに、溶鋼と耐火物の濡れ性を向上させることによって逆にアルミナ等の介在物の耐火物への付着を抑制するという機構を組み合わせて活用すると、より効果的に浸漬ノズルの閉塞を防止することができる。
本発明の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法を説明する概略構成図である。 本発明の連続鋳造方法に使用する浸漬ノズルの一例を示した縦断面図である。 本発明の連続鋳造方法に使用するストッパーと上ノズルの一例を示した縦断面図である。 本発明の連続鋳造方法に使用するスライディングゲート及び浸漬ノズルの一例を示した縦断面図である。 本発明の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法を実施する際に浸漬ノズルとタンディッシュ内に浸漬した他方の電極との間に印加する交流パルス電位の波形の一例を示した図である。 本発明の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法を実施する際に浸漬ノズルとタンディッシュ内に浸漬した他方の電極との間に印加する交流パルス電位の波形の他の例を示した図である。
本発明は、例えばREMを添加したような鋼であっても非金属介在物による浸漬ノズルの閉塞を十分に防止できるようにするという目的を、浸漬ノズル内へ吹き込むArガスの純度を通常よりも高めることで実現した。
以下、本発明の連続鋳造方法を実施するための形態について説明する。
図1は本発明の連続鋳造方法を説明する概略構成図であり、溶鋼1は取鍋2からタンディッシュ3に供給された後、上ノズル4、スライディングゲート5、浸漬ノズル6を介して鋳型7に注入されて一次冷却される。鋳型内に注入された溶鋼1は、鋳型内面からの冷却で外周に凝固殻8が形成される。この凝固殻8は鋳型7の出側に引き抜かれるに伴ってその厚さが厚くなり、鋳型7から引き抜かれた後は二次冷却されて完全に凝固して鋳片となる。なお、図1中の9は鋳型7内の溶鋼上面に供給されたモールドパウダーである。
・第1の発明
浸漬ノズル6の流路内に流すArガスは、上ノズル4やスライディングゲート5の上固定盤5a、浸漬ノズル6の本体部分などから吹き込まれ、非金属介在物が浸漬ノズル6の流路内面に付着するのを防止する作用を有する。
通常、Arガスは、純度が99.9%程度のものが用いられる。Arガス中の酸素等不純成分による溶鋼の汚染を防止する観点からは、99.9%というのは十分に高い純度である。
発明者らは、浸漬ノズル6の流路内に流すArガスの純度を、従来不必要と考えられていた程度まで高めることによって、浸漬ノズル6の流路内面6dへの非金属介在物の付着が大幅に低減することを実験的に知見した。
第1の発明は、前記知見に基づいてなされたものであり、前記浸漬ノズル6の流路内に、純度が99.95%以上、酸素濃度が2ppm以下、露点が−65℃以下の高純度のArガスを流しながら鋳造することを特徴とするものである。
すなわち、純度が99.95%以上、かつ酸素濃度が2ppm以下、露点が−65℃以下の高純度のArガスを浸漬ノズル6の流路内に流すことによって、非金属介在物の流路内面6dへの付着を効果的に防止することができるのである。
Arガスの純度は、99.99%以上であることが好ましく、99.999%以上がさらに好ましい。酸素濃度は、1ppm以下であるとさらに好ましい。露点は−67℃以下であるとさらに好ましい。Arガスの純度が上記規定値よりも低い、あるいは酸素濃度が上記規定値よりも高い、あるいは露点が上記既定値よりも高い場合には、Arガスの非金属介在物付着防止効果が低下するからである。
発明者らが、鋳造後の浸漬ノズルの内面を詳しく調査した結果、高純度のArガスを浸漬ノズル内に流すことによって、Ar膜が溶鋼と浸漬ノズルの流路内面耐火物との間に安定して形成され、溶鋼が浸漬ノズル内面の耐火物に接触する機会が減少していることが伺えた。これは、溶鋼の表面張力(Ar気相との界面張力)が高められる効果と推定している。
・第2の発明
発明者らによる研究の結果、連続鋳造のタンディッシュとタンディッシュの底面に配置する浸漬ノズルとの間に設置した溶鋼の流量調整用の絞りの前後で、吹き込んだArガスが浸漬ノズルの流路内を流れる割合に差が生じることを知見した。「流量調整用の絞り」とは、スライディングゲートや、ストッパーと上ノズルの間隙によって形成される流路断面積の縮小を指す。
発明者らによる実験結果によると、流量調整用の絞りよりも上流側に吹き込んだArガスは、概ね1/5が浸漬ノズルの流路内を流れ、流量調整用の絞りよりも下流側に吹き込んだArガスは、全て浸漬ノズルの流路内を流れた。
前記知見から、浸漬ノズルの流路内を流れるArガス流量の指標として、流路絞りよりも上流側に吹き込むArガスの流量をq1(Nリットル/min)、流路絞りよりも下流側に吹き込むArガスの流量をq2(Nリットル/min)として、(q1/5)+q2を用いることとした。
高純度Arガスの効果は、Ar膜が浸漬ノズルの内面を覆うことによるから、発明者らは指標(q1/5)+q2を浸漬ノズル内面積A(m2)で割った{(q1/5)+q2}/Aの値が適正な高純度Arガス流量の指標となると考え、実験的にその適正範囲を求めた。その結果、3〜25という値を得て、第2の発明を成立させた。
第2の発明は、前記の知見に基づいてなされたものであり、第1の発明において、鋳型7内に注入する溶鋼1の流量を調整する流路絞り部を有するスライディングゲート5、或いは、両者間の間隙により鋳型内に注入する溶鋼1の流量を調整する流路絞りを形成するストッパー(図1では省略)と上ノズル4の前記間隙よりも上流側に吹き込むArガスの流量をq1(Nリットル/min)、前記流路絞りよりも下流側に吹き込むArガスの流量をq2(Nリットル/min)、浸漬ノズルの内面積をA(m2)としたとき、{(q1/5)+q2}/Aの値が3〜25の範囲となるようにするものである。
{(q1/5)+q2}/Aの値を3〜25としたのは、3よりも小さい場合には、高純度Arガスの効果が十分に発揮されない一方、25よりも大きい場合には、過剰なArガスが鋳片の気泡性欠陥を発生させるなどの弊害を生じるからである。
・第3の発明
第1の発明や第2の発明によって溶鋼が浸漬ノズルの内面に接触する機会が低減しても、接触機会が完全にゼロになるわけではない。従って、浸漬ノズルの内面に溶鋼が接触する時に溶鋼中の介在物が浸漬ノズルの内面耐火物に付着することに対する防止技術を加えることにより、第1の発明や第2の発明は、浸漬ノズルの閉塞をさらに低減することができる。
第3の発明は、前記第1または第2の発明に、浸漬ノズルの内面に溶鋼が接触する時に溶鋼中の介在物が浸漬ノズルの内面耐火物に付着することに対する防止技術を加えたものである。
すなわち、第3の発明は、浸漬ノズル6の流路内面6dにカーボンを11質量%以上含有する黒鉛質耐火物を配し、この浸漬ノズル6に一方の電極10を接続するとともに、タンディッシュ3内の溶鋼1に他方の電極11を浸漬して、浸漬ノズル6とこの内部を通過する溶鋼1との間に通電回路を構成し、浸漬ノズル6における平均電流密度の絶対値が0.5〜15mA(ミリアンペア)/cm2となるよう通電しながら鋳造することを特徴としている。
なお、図1中の12は一方の電極10と他方の電極11を繋ぐ配線、13はこの配線12の途中に設けた電源装置、14は浸漬ノズル6とスライディングゲート5の間に設けた絶縁用耐火物、15はタンディッシュ3と他方の電極11の間に設けた絶縁用耐火物である。
第3の発明は、カーボンを11質量%以上含有する黒鉛質耐火物を浸漬ノズルの流路内面に配し、平均電流密度の絶対値が0.5〜15mA/cm2となるよう通電しながら鋳造することで、溶鋼と浸漬ノズルの内面耐火物が接触した場所において溶鋼の浸漬ノズル内面耐火物に対する濡れ性が高め、逆に溶鋼中の非金属介在物が浸漬ノズルの内面耐火物に付着するのを防止するのである。
カーボンを11質量%以上含有する黒鉛質耐火物を用いるのは、カーボン濃度が左記規定値よりも低いと電気抵抗が大きくなって円滑な通電が難しくなるからである。また、耐火物が熱衝撃に弱くなるからでもある。カーボン濃度の上限値は特に規定しないが、耐火物の強度や耐食性に対する要求から、通常45質量%程度が上限値となる。
また、平均電流密度の絶対値が0.5〜15mA/cm2となるよう通電するのは、平均電流密度の絶対値が左記規定下限値よりも小さいと、通電効果が十分に発揮されないからである。また、平均電流密度の絶対値が左記規定上限値よりも大きいと、通電効果が逆に悪化するからである。通電効果が逆に悪化するのは、酸素イオンの移動やCOガスの発生など、好ましくない現象が優先的に生じるようになるためと推定される。
ここで、「浸漬ノズルにおける平均電流密度」とは、電圧を印加したときに浸漬ノズルと溶鋼との間に流れる平均電流値を、溶鋼と接するノズル壁面の総面積で除して得られる電流密度を意味する。
・第4の発明
発明者らは、適正な周期と電流密度を有する交流パルス状の通電波形を用いると、前記第3の発明の通電技術の効果を安定的に高められることを見出した。
第4の発明は、前記知見に基づいてなされたものであり、
第3の発明の前記電極10,11間に、3〜200msecを一周期とし、この周期内で極性が正と負に切り替わるパルス状の電圧を印加し、一周期のうちで、浸漬ノズル6が負極となる期間を正極となる期間よりも長くするか、浸漬ノズル6が負極となる期間での電位の絶対値を正極となる期間での電位の絶対値よりも大きくする、或いは前記両者を共に実施することにより、浸漬ノズル6における時間平均電位が負となる電圧に制御し、浸漬ノズル6が負極となる期間での電流密度の絶対値が15〜200mA/cm2となる通電を行うものである。
交流パルス波形の周期を3〜200msecとするのは、3msecよりも小さいと、物質移動や電気化学反応が十分に進行せず、通電効果が損なわれるからである。他方、200msecよりも大きいと、パルス状の通電波形が有する電気化学反応の均一化や好ましい電気化学反応を選択的に生じさせる作用が減少するからである。
また、前記のようにして浸漬ノズルにおける時間平均電位が負となる電圧に制御するのは、時間平均電位を負に制御することによって、耐火物に含まれる黒鉛が酸化される反応を防止できるからである。黒鉛が酸化されるとCOガスが生じ、溶鋼を汚染する要因となる。
また、浸漬ノズルが負極となる期間での電流密度の絶対値が10〜200mA/cm2となる通電を行うのは、左記通電によって溶鋼のイオン化反応が促進され、溶鋼が浸漬ノズルの内面耐火物によく濡れるようになるからである。
すなわち、浸漬ノズルが負極となる期間での電流密度の絶対値が、10mA/cm2よりも小さいと、溶鋼のイオン化反応が十分に進行せず、通電効果が低下するからである。また、浸漬ノズルが負極となる期間での電流密度の絶対値が、200mA/cm2よりも大きいと、電源装置や通電用ケーブルが過大になり実用上の問題が生じるからである。浸漬ノズルが負極となる期間での電流密度の絶対値のより好ましい範囲は、15〜100mA/cm2である。
なお、一方の電極は、例えば特開2005−199339号公報に記載のような方法で浸漬ノズル本体のグラファイト含有耐火物に設置すればよい。
・第5の発明
発明者らは、主成分のひとつとしてAl2O3を含む黒鉛質耐火物に微量のCaOを含有させて、溶鋼と接する稼働面に半溶融スラグ層を形成すると、前記第3または第4の発明に記載の通電による作用と同様に溶鋼と浸漬ノズル内面耐火物との濡れ性を改善し、溶鋼と浸漬ノズルの流路内面が接触した時にも溶鋼中の非金属介在物が耐火物表面に付着することを効果的に防止しうることを知見した。
第5の発明は、前記知見に基づいてなされたものであり、前記第1〜第4の発明において、浸漬ノズルを形成する耐火物を、化学組成としてC:11〜45質量%、Al2O3:40〜80質量%、CaO:1〜7質量%を含有する黒鉛質耐火物としたものである。
第5の発明で規定する耐火物と、第3の発明または第4の発明に規定する通電を組み合わせると、相乗効果が発揮され、より効果的である。
第5の発明において、Cを11〜45質量%含有するのは、含有率が11質量%未満であると、熱衝撃に弱くなるし、通電する際の電気抵抗が増すからである。一方、含有率が45質量%を超えると、耐火物の耐食性が低下するからである。
また、Al2O3を40〜80質量%含有するのは、耐火物の主成分として高融点のAl2O3が40質量%以上必要であるからで、一方、80質量%を超えると耐火物が熱衝撃に弱くなるからである。
また、CaOを1〜7質量%含有するのは、1質量%未満では溶鋼と浸漬ノズルの内面耐火物との濡れ性改善作用が不十分となるからであり、7質量%を超えると耐火物の耐食性が低下するからである。
・第6の発明
発明者らは、第5の発明の黒鉛質耐火物の中でも、アルミナグラファイトよりもスピネルグラファイトが化学的に安定しており、溶鋼中脱酸元素や耐火物中炭素により還元され酸素を放出する反応を起こしにくいことが、非金属介在物付着防止に有効に作用することを見出した。
第6の発明は、前記知見に基づいてなされたものであり、前記黒鉛質耐火物を、さらにMgO:6〜25質量%を含有するスピネルグラファイトとしたものである。化学的に安定なスピネルグラファイトに、第6の発明のように微量のCaOを含有させることが、高い効果を生むために必要である。
第6の発明において、MgOを6〜25質量%含ませるのは、MgO濃度が6質量%未満であると、アルミナ濃度とのバランスにもよるが、コランダム相領域との境界に近付き安定したスピネルを維持することが難しくなるからである。さらに、MgO濃度が過度に低下するとスピネルの有する優れた耐食性が損なわれるからである。逆にMgO濃度が25質量%を超えると耐火物が熱衝撃に弱くなるからである。
アルミナはマグネシアと並んでスピネルの構成要素であり、本耐火物の主成分である。Al2O3濃度が40質量%未満であると、相対的にもう一方のスピネル構成要素であるマグネシアの濃度が高くなりすぎて、MgO相領域との境界に近付くので安定したスピネルを維持することが難しくなる。逆にAl2O3濃度が80質量%を超えると、相対的なマグネシアの濃度が低くなりすぎて安定したスピネルを維持することが難しくなる。さらに好ましいAl2O3濃度の範囲は、51〜70質量%である。
安定したスピネルを維持するという観点からは、アルミナとマグネシアの濃度バランスは、質量%比でMgO/Al2O3が0.10〜0.65であることが望ましい。
次に、本発明の実施例について説明する。
下記表1,2中のd〜mは本発明の実施例を、下記表1のa〜c、及び下記表3には本発明の比較例を示す。以下に、それぞれの実施例の効果を比較例と対比しながら説明する。
Figure 0005768773
Figure 0005768773
Figure 0005768773
表1の比較例a,b,cは、第1の発明の要件のみを満たす例である。
比較例a
比較例aは、ストッパーを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、浸漬ノズルから純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。
浸漬ノズルは、図2に示すように、Arガスを吹き込むパイプの接続口であるArガス吹込みプラグ6aを外周側面に設け、このArガス吹込みプラグ6aと連続する厚さ2mmのスリット6bを浸漬ノズル6の内部に、浸漬ノズル6の軸方向に330mm形成して蓄気用空間としている。そして、このスリット6bと浸漬ノズル6の流路内面6dとの間に、多孔質耐火物6cを浸漬ノズル6の軸方向に210mm設けることで、Arガス吹込みプラグ6aから吹き込んだArガスが、スリット6bを介して多孔質耐火物6cを通じて浸漬ノズル6の流路内に吹き込まれるようになっている。
比較例aは、{(q1/5)+q2}/Aの値が1.929と小さく、第2の発明で規定する条件を満たしていないので、Arガスの吹き込みによる浸漬ノズルの閉塞防止効果は小さい。しかしながら、比較例aと同じ条件で通常の純度のArガスを吹き込んだ比較例pに比べると、浸漬ノズル内の非金属介在物付着厚が1/2以下に低減した。
比較例b
比較例bは、比較例aにおいて、上ノズルの上部および下部より純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。
図3に示すように、上ノズル4の上部に設けたArガス吹込み部位4aは、流路が絞られる部位(ストッパー16と上ノズル4の間隙が最も小さい部位)よりも上流側にあり、ここから吹き込まれるArガス流量をq1とする。一方、上ノズル4の下部のArガス吹込み部位4bは、流路が絞られる部位よりも下流側にあり、ここから吹き込まれるArガス流量をq2とする。
上ノズル4の前記Arガス吹込み部位4a,4bは、Arガスの吹き込みパイプの接続口であるArガス吹込みプラグ4aa,4baを外周側面に設け、このArガス吹込みプラグ4aa,4baと連続する厚さ5mmのスリット4ab,4bbを上ノズル4の内部に形成して蓄気用空間としている。そして、このスリット4ab,4bbと上ノズル4の流路内面4cとの間に多孔質耐火物4ac,4baを設けることで、吹き込んだArガスが多孔質耐火物4ac,4baを通じて上ノズル4の流路内に吹き込まれるようになっている。
比較例bのように、Arガスの吹き込み部位が、流路が絞られる部位の上流側と下流側の両方にまたがって存在している場合には、そこから吹き込まれる流量は、q2としてカウントする。これは、溶融金属の圧力が低い下流側から優先的にArガスが流出するからである。
前記比較例bは、{(q1/5)+q2}/Aの値が34と大きく、第2の発明で規定する条件を満たしていないので、Arガスの浸漬ノズル閉塞防止効果は十分に大きいものの、鋳片の気泡性欠陥の発生率が高まる難点があった。
比較例c
比較例cは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤および浸漬ノズルから純度が99.99%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。
図4に示すように、スライディングゲート5は、上固定盤5a、スライダー5b、下固定盤5cの3層構造であり、スライダー5bが摺動することによって流路を絞るので、その上流側に位置する上固定盤5aから吹き込まれたArガス流量は、q1としてカウントする。
上固定盤5aからのArガスの吹き込みは、Arガス吹込みプラグ5aaにArガスの配管を接続し、蓄気用空間である厚さ7mmのスリット5abから上固定盤5aの内面へ全周12個×2段の計24個穿たれた貫通孔5acを介して行った。浸漬ノズル6からのArガスの吹き込みは、比較例aと同じ方法で行った。浸漬ノズル6から吹き込まれるArガスの流量はq2である。
比較例cも、{(q1/5)+q2}/Aの値が25.62と第2の発明で規定する条件を満たしていないので、Arガスの浸漬ノズル閉塞防止効果は十分に大きいものの、鋳片の気泡性欠陥の発生率が高まる難点があった。
・実施例d
実施例dは、第1及び第2の発明の条件を満たす例である。
実施例dは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤および浸漬ノズルから純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートおよび浸漬ノズルは、Arガスの吹き込み方法を含めて比較例cと同じである。
実施例dは、{(q1/5)+q2}/Aの値が第2の発明で規定する範囲内であるので、十分な浸漬ノズル閉塞防止効果と、低位に抑制された鋳片の気泡性欠陥の発生率を、両立させることができた。また、実施例dの浸漬ノズル内壁への介在物付着厚さは、実施例dと同じ条件で通常の純度のArガスを吹き込んだ比較例qに対して、1/2以下に低減した。
・実施例e
表1の実施例eは、第1〜第3の発明の条件を満たす例である。
実施例eは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤から純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートは、Arガスの吹き込み方法を含めて実施例cと同じである。
さらに実施例eでは、浸漬ノズルが負極となるように、タンディッシュ内に浸漬した他方の電極との間に適切な電流密度で直流電流を流し、非金属介在物付着防止効果を高めた。
実施例eは、{(q1/5)+q2}/Aの値が第2の発明で規定する範囲内であるので、十分な浸漬ノズル閉塞防止効果と、低位に抑制された鋳片の気泡性欠陥の発生率を、両立させることができた。さらに通電の効果が発揮されて、第1及び第2の発明の条件のみを満たす実施例dに対して、浸漬ノズル内壁への介在物付着厚さが約2割低減した。
・実施例f
実施例fは、第1〜第4の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例fは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤から純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートは、Arガスの吹き込み方法を含めて実施例cと同じある。
実施例fでは、浸漬ノズルの時間平均電位が負極となるようにタンディッシュ内に浸漬した他の電極との間に適切な電流密度と周期になるよう、図5に示す交流パルス電位を印加し、非金属介在物付着防止効果を高めた。
実施例fは、{(q1/5)+q2}/Aの値が第2の発明で規定する範囲内であるので、十分な浸漬ノズル閉塞防止効果と、低位に抑制された鋳片の気泡性欠陥の発生率を、両立させることができた。さらに交流パルス通電の効果が発揮されて、第1〜第3の発明の条件のみを満たす実施例eに対して、浸漬ノズル内壁への介在物付着厚さが約2割低減した。
・実施例g
実施例gも、第1〜第4の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例gは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤および浸漬ノズルから純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートおよび浸漬ノズルは、Arガスの吹き込み方法を含めて比較例cと同じである。
実施例gでは、浸漬ノズルの時間平均電位が負極となるようにタンディッシュ内に浸漬した他方の電極との間に適切な電流密度と周期になるよう、図6に示す交流パルス電位を印加し、非金属介在物付着防止効果を高めた。
実施例gも、{(q1/5)+q2}/Aの値が第2の発明で規定する範囲内であるので、十分な浸漬ノズル閉塞防止効果と、低位に抑制された鋳片の気泡性欠陥の発生率を、両立させることができた。さらに、交流パルス通電の効果が発揮されて、第1〜第3の発明の条件のみを満たす実施例eに対して、浸漬ノズル内壁への介在物付着厚さが約2割低減した。
・実施例h
表2に示す実施例hは、第1〜第5の発明の条件を満たす例である。
実施例hは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤から純度が99.99%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートは、Arガスの吹き込み方法を含めて比較例cと同じである。
実施例hでは、浸漬ノズルの時間平均電位が負極となるようにタンディッシュ内に浸漬した他方の電極との間に適切な電流密度と周期になるよう、図5に示す交流パルス電位を印加し、非金属介在物付着防止効果を高めた。
さらに実施例hでは、浸漬ノズルを構成するアルミナグラファイト耐火物に微量のCaOを含有させているので、溶鋼と接する稼働面に半溶融ガラス層を形成しやすく、溶鋼と浸漬ノズル内面の耐火物との濡れ性が改善し、非金属介在物の浸漬ノズル内面への付着を軽減できた。半溶融ガラス層は、電流密度を均一化し通電効果を高める効果も有する。
実施例hも、{(q1/5)+q2}/Aの値が第2の発明で規定する範囲内であるので、十分な浸漬ノズル閉塞防止効果と、低位に抑制された鋳片の気泡性欠陥の発生率を、両立させることができた。さらに、交流パルス通電の効果と、耐火物材質改善の効果が発揮されて、第1〜第4の発明で規定する条件のみを満たす実施例fあるいは実施例gに対して、浸漬ノズル内壁への介在物付着厚さが約2割低減した。また、同じ条件で通常の純度のArガスを吹き込んだ比較例rに比べると、浸漬ノズル内の非金属介在物付着厚が約3割減少した。
・実施例i
実施例iも、第1〜第5の発明の条件を満たす例である。
実施例iは、ストッパーを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、上ノズルの上部および下部より純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。上ノズルのArガスの吹き込み方法は、比較例bと同様である。
実施例iでは、浸漬ノズルの時間平均電位が負極となるようにタンディッシュ内に浸漬した他の電極との間に適切な電流密度と周期になるよう、図6に示す交流パルス電位を印加し、非金属介在物付着防止効果を高めた。
さらに、実施例iでも、浸漬ノズルを構成するアルミナグラファイト耐火物に微量のCaOを含有させているので、溶鋼と接する稼働面に半溶融ガラス層を形成しやすく、溶鋼と浸漬ノズル内面の耐火物との濡れ性を改善し、非金属介在物の浸漬ノズル内面への付着を軽減できた。半溶融ガラス層は、電流密度を均一化し通電効果を高める効果も有する。
実施例iも、{(q1/5)+q2}/Aの値が第2の発明で規定する範囲内であるので、十分な浸漬ノズル閉塞防止効果と、低位に抑制された鋳片の気泡性欠陥の発生率を、両立させることができた。さらに、交流パルス通電の効果と、耐火物材質改善の効果が発揮されて、第1〜第4の発明で規定する条件のみを満たす実施例fあるいは実施例gに対して、浸漬ノズル内壁への介在物付着厚さが約2割低減した。
・実施例j
実施例jは、第1〜第6の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例jは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤から純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートは、Arガスの吹き込み方法を含めて実施例cと同じある。
実施例jでは、浸漬ノズルの時間平均電位が負極となるように、タンディッシュ内に浸漬した他の電極との間に適切な電流密度と周期になるよう、図5に示す交流パルス電位を印加し、非金属介在物付着防止効果を高めた。
実施例jは、アルミナグラファイトをベースとして微量のMgOを含有させたスピネルグラファイト耐火物から成る浸漬ノズルを適用した例である。
実施例jは、アルミナグラファイトに比べて溶鋼と浸漬ノズル内面の耐火物との濡れ性が改善されるスピネルグラファイト耐火物を採用したので、非金属介在物の浸漬ノズル内面への付着を軽減できた。この実施例jでも、浸漬ノズルを構成するスピネルグラファイト耐火物に微量のCaOを含有させているので、溶鋼と接する稼働面に半溶融ガラス層を形成しやすい。この半溶融ガラス層は、電流密度を均一化し通電効果を高める効果も有する。
実施例jも、{(q1/5)+q2}/Aの値が第2の発明で規定する範囲内であるので、十分な浸漬ノズル閉塞防止効果と、低位に抑制された鋳片の気泡性欠陥の発生率を、両立させることができた。さらに、交流パルス通電の効果と、耐火物材質改善の効果が発揮されて、第1〜第5の発明で規定する条件を満たす実施例hあるいは実施例iに対して、浸漬ノズル内壁への介在物付着厚さがさらに約2割低減し、ほとんど付着のない状態を実現できた。
・実施例k
実施例kは、第1,2,5の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例kは、実施例dに対し、微量のCaOを含有したアルミナグラファイトから成る浸漬ノズルを適用した例である。
実施例kも、{(q1/5)+q2}/Aの値が第2の発明で規定する範囲内であるので、十分な浸漬ノズル閉塞防止効果と、低位に抑制された鋳片の気泡性欠陥の発生率を、両立させることができた。さらに、耐火物材質改善の効果が発揮されて、第1および第2の発明で規定する条件のみを満たす実施例dに対して、浸漬ノズル内壁への介在物付着厚さが約2割低減し、実施例eと同等の付着防止効果が得られた。
・実施例m
実施例mは、第1,2,5,6の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例mは、前記実施例kに対し、微量のCaOを含有させたスピネルグラファイト耐火物から成る浸漬ノズルを適用した例である。
実施例mは、実施例kに対してスピネルグラファイト材質の溶鋼との濡れ性改善効果が加わり、浸漬ノズル内壁への介在物付着厚さがさらに約2割低減し、実施例fあるいは実施例gと同等の付着防止効果が得られた。また、同条件で通常の純度のArガスを吹き込んだ比較例sに比べると、浸漬ノズル内の非金属介在物付着厚が約4割減少した。
なお、前記実施例、比較例における連続鋳造機での鋳造試験は、鋳型厚みが0.25m、鋳型幅は1.0〜1.6m、非定常部を除く鋳造速度は1.0〜1.5m/minの条件で行った。
鋳造した鋼種は、C濃度0.02〜0.07質量%、Si濃度0.01〜0.20質量%、Mn濃度0.3〜0.6質量%、sol.-Al濃度0.02〜0.05質量%のアルミキルド低炭素鋼を使用した。
浸漬ノズル当たりの鋳鋼量は、390〜1050tonで、実施例と比較例とは2つのストランドで同一の溶鋼を同一量鋳造したものを比較し、各条件を組み合わせた複数回の鋳造試験の結果を平均化して評価した。
また、前記実施例・比較例において用いた浸漬ノズルは、a,c,d,g,k,m,q,sの例は、内径が85mm、外径が140mm、内面の長さが950mmであり、浸漬深さを250mmとして操業した。他の例の場合、内径が80mm、外径が140mm、内面の長さが800mmの浸漬ノズルを使用し、浸漬深さを250mmとして操業した。
いずれの浸漬ノズルも、80mm角の吐出孔を浸漬ノズル底部近傍の側面に2つ対向して穿ったものである。実施例・比較例において、浸漬ノズルの内面積および通電面積は、吐出孔の開口部および吐出孔の側壁(上下左右)の面積を無視して計算した近似値を用いた。
本発明は上記した例に限らないことは勿論であり、請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
1 溶鋼
4 上ノズル
5 スライディングゲート
6 浸漬ノズル
10 一方の電極
11 他方の電極
16 ストッパー

Claims (5)

  1. 浸漬ノズルの流路内に、純度が99.95%以上、酸素濃度が2ppm以下、露点が−65℃以下のArガスを流しながら連続鋳造する方法であって、
    鋳型内に注入する溶鋼の流量を調整する流路絞り部を有するスライディングゲート、或いは、両者間の間隙により鋳型内に注入する溶鋼の流量を調整する流路絞りを形成するストッパーと上ノズルの前記間隙よりも上流側に吹き込む前記Arガスの流量をq 1 (Nリットル/min)、前記流路絞りよりも下流側に吹き込む前記Arガスの流量をq 2 (Nリットル/min)、浸漬ノズルの内面積をA(m 2 )としたとき、{(q 1 /5)+q 2 }/Aの値が3〜25の間であることを特徴とする浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。
  2. 前記浸漬ノズルの流路内面にカーボンを11質量%以上含有する黒鉛質耐火物を配し、この浸漬ノズルに一方の電極を接続するとともに、タンディッシュ内の溶鋼に他方の電極を浸漬して、前記浸漬ノズルとこの内部を通過する溶鋼との間に通電回路を構成し、
    前記浸漬ノズルにおける平均電流密度の絶対値が0.5〜15mA(ミリアンペア)/cm 2 となるよう通電しながら鋳造することを特徴とする請求項1に記載の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。
  3. 前記電極間に、3〜200msecを一周期とし、この周期内で極性が正と負に切り替わるパルス状の電圧を印加し、
    一周期のうちで、前記浸漬ノズルが負極となる期間を正極となる期間よりも長くするか、又は/及び前記浸漬ノズルが負極となる期間での電位の絶対値を正極となる期間での電位の絶対値よりも大きくすることにより、前記浸漬ノズルにおける時間平均電位が負となる電圧に制御し、
    前記浸漬ノズルが負極となる期間での電流密度の絶対値が15〜200mA/cm 2 となる通電を行うことを特徴とする請求項に記載の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。
  4. 前記浸漬ノズルを形成する耐火物は、化学組成としてC:11〜45質量%、Al 2 O 3 :40〜80質量%、CaO:1〜7質量%を含有する黒鉛質耐火物であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。
  5. 前記黒鉛質耐火物は、さらにMgO:6〜25質量%を含有するスピネルグラファイトであることを特徴とする請求項に記載の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。
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