JP5768773B2 - 浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法 - Google Patents
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Description
従って、浸漬ノズルの閉塞防止に対する対策技術が、従来から種々提案されている。
例えばREMを添加したような鋼であっても非金属介在物による浸漬ノズルの閉塞を十分に防止できるようにするために、
浸漬ノズルの流路内に、純度が99.95%以上、酸素濃度が2ppm以下、露点が−65℃以下のArガスを流しながら連続鋳造する方法であって、
鋳型内に注入する溶鋼の流量を調整する流路絞り部を有するスライディングゲート、或いは、両者間の間隙により鋳型内に注入する溶鋼の流量を調整する流路絞りを形成するストッパーと上ノズルの前記間隙よりも上流側に吹き込む前記Arガスの流量をq 1 (Nリットル/min)、前記流路絞りよりも下流側に吹き込む前記Arガスの流量をq 2 (Nリットル/min)、浸漬ノズルの内面積をA(m 2 )としたとき、{(q 1 /5)+q 2 }/Aの値が3〜25の間であることを最も主要な特徴とする浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法である。
図1は本発明の連続鋳造方法を説明する概略構成図であり、溶鋼1は取鍋2からタンディッシュ3に供給された後、上ノズル4、スライディングゲート5、浸漬ノズル6を介して鋳型7に注入されて一次冷却される。鋳型内に注入された溶鋼1は、鋳型内面からの冷却で外周に凝固殻8が形成される。この凝固殻8は鋳型7の出側に引き抜かれるに伴ってその厚さが厚くなり、鋳型7から引き抜かれた後は二次冷却されて完全に凝固して鋳片となる。なお、図1中の9は鋳型7内の溶鋼上面に供給されたモールドパウダーである。
浸漬ノズル6の流路内に流すArガスは、上ノズル4やスライディングゲート5の上固定盤5a、浸漬ノズル6の本体部分などから吹き込まれ、非金属介在物が浸漬ノズル6の流路内面に付着するのを防止する作用を有する。
発明者らによる研究の結果、連続鋳造のタンディッシュとタンディッシュの底面に配置する浸漬ノズルとの間に設置した溶鋼の流量調整用の絞りの前後で、吹き込んだArガスが浸漬ノズルの流路内を流れる割合に差が生じることを知見した。「流量調整用の絞り」とは、スライディングゲートや、ストッパーと上ノズルの間隙によって形成される流路断面積の縮小を指す。
第1の発明や第2の発明によって溶鋼が浸漬ノズルの内面に接触する機会が低減しても、接触機会が完全にゼロになるわけではない。従って、浸漬ノズルの内面に溶鋼が接触する時に溶鋼中の介在物が浸漬ノズルの内面耐火物に付着することに対する防止技術を加えることにより、第1の発明や第2の発明は、浸漬ノズルの閉塞をさらに低減することができる。
発明者らは、適正な周期と電流密度を有する交流パルス状の通電波形を用いると、前記第3の発明の通電技術の効果を安定的に高められることを見出した。
第3の発明の前記電極10,11間に、3〜200msecを一周期とし、この周期内で極性が正と負に切り替わるパルス状の電圧を印加し、一周期のうちで、浸漬ノズル6が負極となる期間を正極となる期間よりも長くするか、浸漬ノズル6が負極となる期間での電位の絶対値を正極となる期間での電位の絶対値よりも大きくする、或いは前記両者を共に実施することにより、浸漬ノズル6における時間平均電位が負となる電圧に制御し、浸漬ノズル6が負極となる期間での電流密度の絶対値が15〜200mA/cm2となる通電を行うものである。
発明者らは、主成分のひとつとしてAl2O3を含む黒鉛質耐火物に微量のCaOを含有させて、溶鋼と接する稼働面に半溶融スラグ層を形成すると、前記第3または第4の発明に記載の通電による作用と同様に溶鋼と浸漬ノズル内面耐火物との濡れ性を改善し、溶鋼と浸漬ノズルの流路内面が接触した時にも溶鋼中の非金属介在物が耐火物表面に付着することを効果的に防止しうることを知見した。
発明者らは、第5の発明の黒鉛質耐火物の中でも、アルミナグラファイトよりもスピネルグラファイトが化学的に安定しており、溶鋼中脱酸元素や耐火物中炭素により還元され酸素を放出する反応を起こしにくいことが、非金属介在物付着防止に有効に作用することを見出した。
下記表1,2中のd〜mは本発明の実施例を、下記表1のa〜c、及び下記表3には本発明の比較例を示す。以下に、それぞれの実施例の効果を比較例と対比しながら説明する。
・比較例a
比較例aは、ストッパーを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、浸漬ノズルから純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。
比較例bは、比較例aにおいて、上ノズルの上部および下部より純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。
比較例cは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤および浸漬ノズルから純度が99.99%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。
実施例dは、第1及び第2の発明の条件を満たす例である。
表1の実施例eは、第1〜第3の発明の条件を満たす例である。
実施例eは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤から純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートは、Arガスの吹き込み方法を含めて実施例cと同じである。
実施例fは、第1〜第4の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例fは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤から純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートは、Arガスの吹き込み方法を含めて実施例cと同じある。
実施例gも、第1〜第4の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例gは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤および浸漬ノズルから純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートおよび浸漬ノズルは、Arガスの吹き込み方法を含めて比較例cと同じである。
表2に示す実施例hは、第1〜第5の発明の条件を満たす例である。
実施例hは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤から純度が99.99%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートは、Arガスの吹き込み方法を含めて比較例cと同じである。
実施例iも、第1〜第5の発明の条件を満たす例である。
実施例iは、ストッパーを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、上ノズルの上部および下部より純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。上ノズルのArガスの吹き込み方法は、比較例bと同様である。
実施例jは、第1〜第6の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例jは、スライディングゲートを用いてタンディッシュから鋳型への流量調整を行う場合に、スライディングゲートの上固定盤から純度が99.999%の高純度なArガスを吹き込んだ例である。スライディングゲートは、Arガスの吹き込み方法を含めて実施例cと同じある。
実施例kは、第1,2,5の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例kは、実施例dに対し、微量のCaOを含有したアルミナグラファイトから成る浸漬ノズルを適用した例である。
実施例mは、第1,2,5,6の発明で規定する条件を満たす例である。
実施例mは、前記実施例kに対し、微量のCaOを含有させたスピネルグラファイト耐火物から成る浸漬ノズルを適用した例である。
4 上ノズル
5 スライディングゲート
6 浸漬ノズル
10 一方の電極
11 他方の電極
16 ストッパー
Claims (5)
- 浸漬ノズルの流路内に、純度が99.95%以上、酸素濃度が2ppm以下、露点が−65℃以下のArガスを流しながら連続鋳造する方法であって、
鋳型内に注入する溶鋼の流量を調整する流路絞り部を有するスライディングゲート、或いは、両者間の間隙により鋳型内に注入する溶鋼の流量を調整する流路絞りを形成するストッパーと上ノズルの前記間隙よりも上流側に吹き込む前記Arガスの流量をq 1 (Nリットル/min)、前記流路絞りよりも下流側に吹き込む前記Arガスの流量をq 2 (Nリットル/min)、浸漬ノズルの内面積をA(m 2 )としたとき、{(q 1 /5)+q 2 }/Aの値が3〜25の間であることを特徴とする浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。 - 前記浸漬ノズルの流路内面にカーボンを11質量%以上含有する黒鉛質耐火物を配し、この浸漬ノズルに一方の電極を接続するとともに、タンディッシュ内の溶鋼に他方の電極を浸漬して、前記浸漬ノズルとこの内部を通過する溶鋼との間に通電回路を構成し、
前記浸漬ノズルにおける平均電流密度の絶対値が0.5〜15mA(ミリアンペア)/cm 2 となるよう通電しながら鋳造することを特徴とする請求項1に記載の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。 - 前記電極間に、3〜200msecを一周期とし、この周期内で極性が正と負に切り替わるパルス状の電圧を印加し、
一周期のうちで、前記浸漬ノズルが負極となる期間を正極となる期間よりも長くするか、又は/及び前記浸漬ノズルが負極となる期間での電位の絶対値を正極となる期間での電位の絶対値よりも大きくすることにより、前記浸漬ノズルにおける時間平均電位が負となる電圧に制御し、
前記浸漬ノズルが負極となる期間での電流密度の絶対値が15〜200mA/cm 2 となる通電を行うことを特徴とする請求項2に記載の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。 - 前記浸漬ノズルを形成する耐火物は、化学組成としてC:11〜45質量%、Al 2 O 3 :40〜80質量%、CaO:1〜7質量%を含有する黒鉛質耐火物であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。
- 前記黒鉛質耐火物は、さらにMgO:6〜25質量%を含有するスピネルグラファイトであることを特徴とする請求項4に記載の浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。
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