JP5768545B2 - フレキシブル光導波路及びフレキシブル光電気複合基板 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブル光導波路及びフレキシブル光電気複合基板に関するものである。
電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インターコネクションが提案されており、電気配線と光配線の複合化に関して種々の検討が行われている。特に近年では、携帯電話やノート型パソコンのヒンジ部に光配線を導入する試みがなされており、これらアプリケーションには、光導波路や光電気複合基板が使用される。この場合、機器内部や機器間などの短距離で光信号を伝送するためには、フレキシブルなフィルム光導波路が望まれている。特に、携帯用小型機器の内部に光導波路を配線する場合には、省スペース化のために部品表面を這わせるようにして配線する場合も多く、小さな曲率半径で屈曲可能なフレキシブル光導波路やフレキシブル光電気複合基板が求められている。
従来のフレキシブル光電気複合基板の構造を図3に示す。従来のフレキシブル光電気複合基板は、基板1の一方の片面には、接着剤層9を介し、下部クラッド層201が積層し、この下部クラッド層201上にコアパターン3及び上部クラッド層4が積層されている。また、基板1のクラッド層及びコア層とは反対の表面には、電気配線5が形成され、更にこの電気配線5上には、配線保護層として、カバーレイ8が形成される。カバーレイ8は、電気配線5の絶縁保護、更にはほこりや水分、機械的ダメージ等からの保護を目的に形成されるものである。
また、フレキシブル光導波路の屈曲性の観点からのクラッド材料としては、屈曲性や形状復元する際の界面における追従性を向上させるために、低弾性率材料を用いた光導波路の開発がなされている。例えば、特許文献1では、硬化後の引張り弾性率が1000MPa以下のエラストマーを光導波路のクラッド層に用いることにより屈曲性が向上することが記載されている。また、特許文献2では、引張り弾性率が1000MPa以下で前駆体の官能基に水素結合基を含む樹脂を介して、クラッド層どうしが接合されたフィルム光導波路により屈曲あるいは形状復元する際の界面における追従性が向上すること、特に引張り弾性率200MPaのエラストマーを上下のクラッド層の材料として用い、これらクラッド層同士を引張り弾性率が1000MPa以下で前駆体の官能基に水素結合基を含む樹脂を介して接合したフィルム光導波路を携帯電話のヒンジ部に用いた場合、曲率半径1mmまで屈曲させることができ、20万回繰り返し屈曲させても界面の剥離が起こらないことが記載されている。
特許第3906870号 特許第3870976号
しかしながら、特許文献1及び2では、屈曲耐性はあるもののクラッド層の引張り弾性率が低いため、屈曲時の初期段階で、コアパターンの形状が変形し、光伝搬損失が悪化してしまう問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、屈曲耐性があると共に、屈曲時の初期段階の光伝搬損失変動が少なく、曲げ半径1.0mm以上で屈曲可能なフレキシブル光導波路又はフレキシブル光電気複合基板を提供することを課題とする。
本発明者らは、基板上にクラッド層A、コアパターン及びクラッド層Bからなる光導波路を有するフレキシブル光導波路であって、コアパターンが、下面をクラッド層A、上面をクラッド層Bにて覆われており、クラッド層A側に、基板が配置されており、クラッド層A及びクラッド層Bの引張弾性率が、それぞれ、基板の引張弾性率よりも低く、かつクラッド層Aの引張弾性率が、クラッド層Bの引張弾性率よりも高いことを特徴とするフレキシブル光導波路、及び該フレキシブル光導波路の基板の光導波路接合面と反対の面に電気配線を有するフレキシブル光電気複合基板が、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[12]を提供するものである。
[1]基板上にクラッド層A、コアパターン及びクラッド層Bからなる光導波路を有するフレキシブル光導波路であって、コアパターンが、下面をクラッド層A、上面をクラッド層Bにて覆われており、クラッド層A側に、基板が配置されており、クラッド層A及びクラッド層Bの引張弾性率が、それぞれ、基板の引張弾性率よりも低く、かつクラッド層Aの引張弾性率が、クラッド層Bの引張弾性率よりも高いことを特徴とするフレキシブル光導波路、
[2]前記コアパターンが、さらに側面を前記クラッド層Bにて覆われていることを特徴とする[1]に記載のフレキシブル光導波路、
[3]前記基板と前記クラッド層Aとが、直接接合されている[1]又は[2]に記載のフレキシブル光導波路、
[4]前記基板と前記クラッド層Aとの合計厚みが、5μm以上、40μm以下である[1]〜[3]のいずれかに記載のフレキシブル光導波路、
[5]屈曲部分の前記コアパターンの厚みが、5μm以上、50μm以下である[1]〜[4]のいずれかに記載のフレキシブル光導波路、
[6]前記クラッド層Bが、前記屈曲部の内側である[1]〜[5]のいずれかに記載のフレキシブル光導波路、
[7][1]〜[6]のいずれかに記載のフレキシブル光導波路の前記基板の前記光導波路接合面と反対の面に電気配線を有するフレキシブル光電気複合基板、
[8]前記電気配線の厚みが、18μm以下である[7]に記載のフレキシブル光電気複合基板、
[9]前記電気配線が、前記基板に接合された圧延銅箔をサブトラクティブ法によってパターン化してなる[7]又は[8]に記載のフレキシブル光電気複合基板、
[10]前記電気配線が、カバーレイフィルムによって保護されている[7]〜[9]のいずれかに記載のフレキシブル光電気複合基板、
[11]前記カバーレイフィルムが、基材及び接着層からなり、該基材の厚みが25μm以下であり、かつ該接着層の厚みが25μm以下である[10]に記載のフレキシブル光電気複合基板、
[12]曲げ半径1.0mm以上で屈曲される[1]〜[6]のいずれかに記載のフレキシブル光導波路、及び
[13]曲げ半径1.0mm以上で屈曲される[7]〜[11]のいずれかに記載のフレキシブル光電気複合基板。
本発明の光電気複合基板は、屈曲耐性があると共に、屈曲時の初期段階の光伝搬損失変動が少なく、曲げ半径1.0mm以上で屈曲可能なフレキシブル光導波路又はフレキシブル光電気複合基板を提供することができる。
本発明のフレキシブル光導波路の一例を示す模式図である。 本発明のフレキシブル光電気複合基板の一例を示す模式図である。 従来のフレキシブル光電気複合基板の一例を示す模式図である。
〔フレキシブル光導波路〕
本発明のフレキシブル光導波路は、図1に示すように、クラッド層A上にコアパターン及びクラッド層Bが積層されており、該クラッド層A側に基板が配置されてなる。
〔フレキシブル光電気複合基板〕
本発明のフレキシブル光電気複合基板は、図2に示すように、基板上に電気配線パターンが形成され、該電気配線パターン上に電気配線保護用のカバーレイフィルムが設けられ、該基板の電気配線パターン形成側表面と反対の面に、クラッド層A上にコアパターン及びクラッド層Bからなる光導波路が配置されてなる。
本発明のフレキシブル光導波路の構造を図1に示す。図1に示すように、本発明のフレキシブル光導波路は、基板1上にクラッド層A2、コアパターン3及びクラッド層B4が積層されている。
クラッド層A2は、直接、基板1上に形成することで、フレキシブル光導波路の厚さを薄くすることができ、屈曲性を向上させることが出来る。クラッド層A2と基板1とは接合されていても分離されていてもどちらでも良いが、接合されていたほうが屈曲時のクラッド層A2の破断をより抑制できるため好ましい。接合する場合には、クラッド層A2は基板1と接着性の良いクラッド材料であることが好ましい。
本発明のフレキシブル光電気複合基板の構造を図2に示す。図2に示すように、本発明のフレキシブル光電気複合基板は、基板1の光導波路接合面と反対の面に、電気配線5を有し、必要に応じて該電気配線5上に電気配線5を保護するための、カバーレイフィルム8を備える。カバーレイフィルム8は、基材6と接着剤層7からなり、接着剤層7によって電気配線5を埋没させ、基材6によって屈曲時の電気配線5及び接着剤層7の亀裂等を防ぐことができる。クラッド層A2と基板1とは接合されていても分離されていてもどちらでも良いが、接合されていたほうが屈曲時のクラッド層A2の破断をより抑制できるため好ましい。接合する場合には、クラッド層A2は基板1と接着性の良いクラッド材料であることが好ましい。
本発明の特徴は、基板1、クラッド層A2、クラッド層B4の引張弾性率が、
(基板1の引張弾性率)>(クラッド層Aの引張弾性率)>(クラッド層Bの引張弾性率)
とし、さらに、基板とクラッド層Aとの合計厚みが、5μm以上、40μm以下にし、コアパターンのうち屈曲部分の厚みが、5μm以上、50μm以下にすることで、屈曲耐性を保ちつつ、かつ屈曲時の初期段階の光伝搬損失変動が少なくした点である。
以下に、従来構造の問題点と本発明の効果を具体的に説明する。
従来のフレキシブル光電気複合基板を図3に示す。従来のフレキシブル光電気複合基板は、屈曲耐性の高い低弾性率(引張弾性率)のクラッド層(下部クラッド層201及び上部クラッド層4)でコアパターン3を覆い、接着剤層9によって電気配線板と接合するのが一般的であった。このフレキシブル光導波路を、上部クラッド層4側を内側にして屈曲運動させると、屈曲時の初期段階(数回〜数千回までの範囲)に、コアパターン3が、曲げ外側に押し出され、下部クラッド層2に埋め込まれる動きが発生したり、曲げ戻り時に、コアパターン3が曲げ内側に引き上げられ、上部クラッド層4に埋め込まれる動きが発生したり、その他にも、クラッド層が低弾性すぎるために、クラッド層に埋め込まれながらにして、ねじれや、変形が発生し、光伝搬損失が悪化していた。その後、屈曲運動を継続すると、コアパターン3に曲げの形状が記憶され、光伝搬損失が悪化した状態で一定となる。この現象は、電気配線のないフレキシブル光導波路でも同様である。
また、従来構造において、下部クラッド層201及び上部クラッド層4に、高弾性率のクラッド層(クラッド層Aと同一材料)を用いると屈曲時の初期段階の光伝搬損失が悪化すると共にコアパターン3が破断してしまう。
そこで、本発明では、従来の構造の下部クラッド層201を上部クラッド層4(クラッド層B4)より引張り弾性率の高いクラッド層A2とし、クラッド層A2を接着剤層9を用いずに基板1上に設置した。クラッド層A2をクラッド層B4より引張り弾性率を高くすることで、コアパターン3にクラッド層A2の動きを追従させ、曲げの外側及び内側へのコアパターン3の動きを抑制することができる。さらに、接着剤層9を用いずに、基板とクラッド層A2とが直接接合されている場合には、クラッド層A2に基板1の動きを追従させることができる。これにより、基板1の動きとコアパターン3の動きとが間接的に追従している。さらに、クラッド層A2よりも弾性率の低いクラッド層B4を曲げ内側に配置することで、基板1(間接的にクラッド層A2及びコアパターン3の動き)の動きが、クラッド層B4の動きの影響を受けにくい構造になっている。これらにより、基板1の動きがそのままコアパターン3の動きとなり、屈曲耐性を保ちつつ、屈曲時の初期段階の光伝搬損失の悪化を低減することを可能とした。
また、一般的にクラッド層の弾性率を高くすると、屈曲耐性が低下する傾向にあるが、クラッド層B4よりも高弾性率のクラッド層A2側に基板1を配置することで、基板1によって、クラッド層A2及びクラッド層A2側のコアパターン3の破断が抑制でき、クラッド層B4をクラッド層A2よりも低弾性にすることで、曲げ内側であるクラッド層B4及びクラッド層B4側のコアパターン3の破断も抑制できる。
以下、本発明のフレキシブル光導波路及びフレキシブル光電気複合基板の各構成について詳述する。
<基板>
本発明に用いられる基板1としては、フレキシブルな基板1であれば特に限定はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドを用いることで、フレキシブル性の光導波路を得ることができる。中でも柔軟性、強靭性、製造中の寸法安定性の観点から、ポリアミドイミド、ポリイミドを用いると更に良い。
基板1の厚さとしては、適宜変更し得るが、好ましくは1μm〜25μmであり、屈曲性・製造時のハンドリング性の観点から、更に好ましくは、3μm〜12.5μmである。
基板1の引張り弾性率は、使用するクラッド層A2及びクラッド層B4よりも高弾性率の範囲であれば良く、具体的には、1GPa〜20GPaであると良い。2GPa〜10GPaであると柔軟性のある光導波路を得やすく、製造中のハンドリング性が確保できるため更に好ましい。
本発明に用いられるカバーレイフィルム8の基材6としては、基板1と同様のものを用いると良いが、基板1よりも低弾性率の材料を用いると更に屈曲耐性が向上するため尚良い。
<クラッド層A>
本発明に用いられるクラッド層A2としては、クラッド形成用樹脂フィルム等を用いて得られる硬化物の状態で、後記するコア層形成用樹脂フィルム等を用いて得られる硬化物より低屈折率なものであり、且つ光又は熱により硬化してなる樹脂であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂や感光性樹脂を用いて得ることができる。
基板1とクラッド層A2とを接合する場合、基板1と接着性のあるクラッド層A2を用いることで、光導波路の厚みを低減でき、屈曲性が向上できるため好ましい。
クラッド層A2の厚さとしては、上述の基板1とクラッド層A2の合計厚みが40μm以下の範囲で、適宜変更し得るが、クラッド層A2単体の厚みとしては、光の閉じ込めの観点から5μm以上であれば良く、屈曲性の観点から、好ましくは5μm〜25μmであり、安定した屈曲耐性を得るために、5μm〜20μmであると更に好ましい。
クラッド層A2の引張弾性率は、使用するクラッド層B4よりも高弾性率で、かつ使用する基板1よりも低弾性率の範囲であれば良く、具体的には、400MPa〜3GPaであると好ましく、屈曲耐性の観点、屈曲時の初期段階の光損失安定性の観点から500MPa〜2GPaの範囲であると更に良い。
また、クラッド層A2は、基板1とコアパターン3との間が多層膜からなるクラッド層であっても良く、その全ての層において上記の厚み及び引張り弾性率の範囲内で、かつコアパターン3を伝搬する光信号の閉じ込めが可能であれば、基板1とコアパターン3間を広義にクラッド層A2とする。具体的には、上記の厚み及び引張り弾性率の範囲内の接着層及びクラッド層からなるクラッド層A2であっても良い。
<クラッド層B>
本発明に用いられるクラッド層B4としては、クラッド形成用樹脂フィルム等を用いて得られる硬化物の状態で、後記するコア層形成用樹脂フィルム等を用いて得られる硬化物より低屈折率なものであり、且つ光又は熱により硬化してなる樹脂であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂や感光性樹脂を用いて得ることができる。
クラッド層A2及びコアパターン3と接着性のある材料によりクラッド層B4を形成することで、屈曲時のクラッド層B4の剥れが抑制できるため好ましい。
クラッド層B4は、コアパターン3の上面及び側面を覆うように形成すると良い。この観点から、クラッド層B4の厚さとしては、コアパターン3を埋め込むことが可能な厚さのクラッド形成用樹脂フィルムを用いれば良く、(コアパターン3の高さ)〜(コアパターン3の高さ+30μm)の範囲であると良い。
クラッド層B4の引張り弾性率は、使用するクラッド層Bよりも低弾性率の範囲であれば良く、具体的には、10MPa〜1GPaであると好ましく、屈曲耐性の観点から40MPa〜400MPaの範囲であると更に良い。
また、コアパターン3上に形成されるクラッド層B4は多層膜からなるクラッド層であっても良く、その全ての層において上記の引張り弾性率の範囲内で、かつコアパターン3を伝搬する光信号の閉じ込めが可能であれば、コアパターン3上に形成されるクラッド層を広義にクラッド層B4とする。
<コアパターン>
本発明で用いるコア層形成用樹脂は、その硬化物がクラッド層A2及びクラッド層B4より高屈折率となるように設計され、例えば紫外線によりコアパターン3を形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。
コアパターン3の厚みは、コア層の厚さが10μm以上であれば、光導波路構築後の受発光素子又は光ファイバとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、50μm以下であれば屈曲耐性が向上できるため、好ましくは10〜50μm、より好ましくは30〜50μmとなるように調整される。
<電気配線>
本発明で用いる電気配線5は、電気信号の伝達ができ、屈曲可能な材料を用いて得られるものであれば特に限定はなく、Au、Ag、Cu、Al、Cr、Ni、Pd、Ti等の各種金属や、それらの積層体や合金が好適に挙げられる。特に電解銅箔や圧延銅箔を用いると安価に形成できるため好ましく、さらに屈曲耐性の観点から圧延銅箔であることが特に好ましい。また、電気配線5は、この圧延銅箔と基板1とがラミネート等によって接合された銅張り積層板から形成することができる。電気配線5の形成方法としては、サブトラクティブ法、アディティブ法、セミアディティブ法の各種手法によって形成できるが、圧延銅箔の耐屈曲性の特性を電気配線5に持たせることが可能なサブトラクティブ法が最も好適に挙げられる。
電気配線5の厚みに関しては、25μm以上であると、屈曲時にコアパターン3にかかる応力が大きく、破断の原因となるため、屈曲耐性の観点から0.1μm〜18μmであると良く、安定した屈曲耐性を得るためには、0.1μm〜13μmであると更に良い。
<サブトラクティブ法>
サブトラクティブ法による導体パターンの形成方法の場合は、先ず、金属箔の表面に光硬化性膜を形成し、フォトマスクを介して露光した後に現像して、エッチングレジストでレジストパターンを形成し、その後、エッチングレジストに覆われていない箇所をエッチング除去して、電気配線パターンを形成し、最後にエッチングレジストを除去して電気配線基板を構築する。
金属箔の表面に形成する光硬化性膜は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と光硬化剤、硬化促進剤、必要な場合には顔料や流動性調整剤、粘度調整剤等を、希釈剤に混合・分散し、ワニスとしたものを、直接金属箔の表面に塗布・乾燥し、形成することもでき、また、そのワニスを支持フィルムに塗布・乾燥して半硬化状にしたドライフィルムを金属箔にラミネートして形成することもできる。
このようなワニス状のエッチング用レジスト材としては、市販のもので、オプトER N−350(日本ペイント株式会社製)があり、ドライフィルム状のエッチング用レジスト材としては、市販のもので、フォテックH−N930(日立化成工業株式会社製)がある。
レジストパターンを形成し、その後、エッチングレジストに覆われていない箇所をエッチング除去するには、エッチング液として、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、過硫酸アンモニウム溶液等があり、これらのエッチング液をスプレー噴霧して、エッチングレジストに覆われていない箇所を腐食除去して、電気配線パターンを形成することができる。
<カバーレイフィルム>
本発明に用いるカバーレイフィルムは、基材6及び接着剤層7からなる電気配線5保護用のフィルムであれば良いが、液状又はドライフィルム状の感光性カバーレイフィルムよりも屈曲耐性の良い基材6と接着剤層7からなるカバーレイフィルムであることが好ましい、基材6に関しては、上述の通り、基板1と同様のものを用いれば良い。接着剤層7に関しては、電気絶縁性と、電気配線及び基板1と基材6との密着性があるものであれば特に限定はないが、屈曲性の観点から100MPa〜2GPaの引張弾性率であると好ましい。接着剤層7の厚みとしては、電気配線5を埋め込める範囲であれば特に限定はないが、屈曲耐性の観点から、5μm〜25μmであれば良く、安定した屈曲性を得るためには、5μm〜15μmであると更に良い。また、基板1よりも低弾性率の材料を用いると更に屈曲耐性が向上するため尚良い。上述の範囲で一般的にフレキシブル電気配線に用いられるカバーレイフィルムを用いることができる。
[引張弾性率の測定方法(引張り試験)]
基板1、クラッド層A2及びクラッド層B4の引張弾性率は、例えば以下の方法によって測定することができる。
まず、110μm厚みの硬化フィルム(幅10mm、長さ70mm)の引張り試験(つかみ具間距離50mm)を、引張り試験機(株式会社オリエンテック製 RTM−100)を用いて、温度25℃、引張り速度50mm/min、で、JIS K 7127に準拠して行う。
引張弾性率は、引張応力−ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて、以下に示す式により算出する。
引張弾性率(MPa)=直線上の2点間の応力の差(N)÷硬化フィルムの元の平均断面積(mm2)÷同じ2点間のひずみの差
[屈曲耐久試験]
屈曲耐久試験は、スライド式の屈曲耐久試験機(株式会社大昌電子製)を用いて、例えば以下のようにして行うことができる。フレキシブル光導波路及びフレキシブル光電気複合基板(幅2mm、長さ100mm)を、クラッド層B4側を内側に曲げ半径1.0mmで半分に折り曲げ、スライド速度80mm/秒、スライド距離20mmの条件で試験を行う。評価については、スライド試験中に後述の[光伝搬損失の測定]に記載する方法で、光伝搬損失をリアルタイムで測定し、スライド開始前の初期値から、2dB以上光伝搬損失が悪化した時点を破断と判断する。
なお、「X回後に破断なし」という表記は、最大行った試験回数X回後に破断していなかったことを表し、それ以降は試験を行わない。
[光伝搬損失の測定]
光源に波長850nmの光を中心波長とするVCSEL(EXFO社製FLS−300−01−VCL)、受光センサ(株式会社アドバンテスト製Q82214)、入射ファイバ(GI−50/125マルチモードファイバ、NA=0.20)及び出射ファイバ(SI−114/125、NA=0.22)を用いて測定する。
[屈曲時の初期段階の光伝搬損失変動の測定]
屈曲耐久試験開始からスライド運動1000回までの平均光伝搬損失と、スライド運動10万回〜10万1000回までの平均光伝搬損失の差を光伝搬損失変動分とする。上記の光伝搬損失測定は上記の[光伝搬損失の測定]方法を用いる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
<クラッド層Aの作製>
[(A)ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(A−1)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、メタクリル酸14質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(A−1)溶液(固形分45質量%)を得た。
[クラッド層A形成用樹脂ワニスの調合]
(A)ベースポリマーとして、前記A−1溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(B)光硬化成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「UA−4200」)15質量部、(C)熱硬化成分として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体をメチルエチルケトンオキシムで保護した多官能ブロックイソシアネート溶液(固形分75質量%)(住化バイエルウレタン(株)製「スミジュールBL3175」)20質量部(固形分15質量部)、(D)光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を攪拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋(株)製「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層A形成用樹脂ワニスを得た。
上記で得られたクラッド層A形成用樹脂組成物を、PETフィルム(東洋紡績(株)製「コスモシャインA4100」、厚み50μm)の非処理面上に、前記塗工機を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、クラッド層A形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用したクラッド層Aの厚みに付いては、実施例中に記載する。実施例中に記載する上部クラッド層A形成用樹脂フィルムの膜厚は乾燥後の膜厚とする。
[引張り弾性率測定用硬化フィルムの作製]
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製HLM−1500)を用い、保護フィルム(A31)を除去した55μm厚みのクラッド層A形成用樹脂フィルムA−1を、保護フィルム(A31)を除去した55μm厚みのクラッド層A形成用樹脂フィルムA−1上に、圧力0.4MPa、温度80℃、速度0.4m/minの条件で積層した。次いで、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。支持フィルム(A53)を除去して、160℃で1時間硬化させた後、厚み110μmの硬化フィルムを得た。
[引張弾性率の測定]
得られた110μm厚みの硬化フィルム(幅10mm、長さ70mm)の引張り試験(つかみ具間距離50mm)を、引張り試験機(株式会社オリエンテック製 RTM−100)を用いて、温度25℃、引張り速度50mm/min、で、JIS K 7127に準拠して行った。引張り弾性率は800MPaであった。
<クラッド層Bの作製>
合成例1
[ウレタンアクリレートBの合成]
攪拌器、温度計、冷却管および空気ガス導入管を2Lの三口フラスコに取り付け、空気ガスを導入した後、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学株式会社製 商品名PTG850SN)520.8g、ジエチレングリコール1.06g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε-カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製 商品名FA2D)275.2g、重合禁止剤としてp−メトキシキノン0.5g、触媒としてジブチルチ錫ジラウレート(東京ファインケミカル株式会社製、商品名L101)0.3gをいれ、70℃に昇温後、70〜75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート(スミカバイエルウレタン株式会社製、商品名デスモジュールI)222gを2時間かけて均一滴下し、反応を行った。滴下終了後、約5時間反応させたところで反応を終了した。得られた生成物の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)を、GPC(東ソー株式会社製SD−8022/DP−8020/RI−8020)を用いて測定した結果、重量平均分子量10,000のウレタンアクリレートBを得た。
[クラッド層形成用樹脂ワニスB−1の調合]
(A)(メタ)アクリルポリマーとして、エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、重量平均分子量80万、固形分12質量%)500質量部(固形分60質量部)、(B)ウレタン(メタ)アクリレートとして、合成例1で得られたウレタンアクリレートB 20質量部、(C)(メタ)アクリレートとして、NKオリゴA−9300、新中村化学株式会社製、20質量部、(D)光ラジカル重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア819)1質量部、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア2959)1質量部を攪拌混合した後に、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスB−1を得た。
[クラッド層B形成用樹脂フィルムの作製]
クラッド層B形成用樹脂ワニスB−1を、表面離型処理PETフィルム(東洋紡績株式会社製A4100、厚み50μm)の非処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製マルチコーターTM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A31、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムA−1を得た。こクラッド層A形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用したクラッド層Bの厚みに付いては、実施例中に記載する。実施例中に記載する上部クラッド層B形成用樹脂フィルムの膜厚は乾燥後の膜厚とする。
[引張り弾性率測定用硬化フィルムの作製及び引張弾性率の測定]
上述のクラッド層Aと同様の方法で、引張り弾性率測定用硬化フィルムの作製を行った後、引張り試験を行い、引張り弾性率を測定した。結果を表2に示す。
<コア層形成用樹脂フィルムの作製>
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業株式会社製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業株式会社製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記製造例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスCを調合した。その後、上述と同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスCを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績株式会社製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用したコア層形成用樹脂フィルム厚みに付いては、実施例中に記載する。実施例中に記載するコア層形成用樹脂フィルムの膜厚は乾燥後の膜厚とする。
<フレキシブル光導波路の作製>
150mm×150mmのポリイミド基板(宇部日東化成製、商品名;ユーピレックスRN、厚さ;12.5μm、引張り弾性率4GPa)に、上記で得られたクラッド層A形成用樹脂フィルムから保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着し、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて紫外線(波長365nm)を4.0J/cm2照射し、その後、支持フィルムを剥離し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、クラッド層A2を形成した。
次に、クラッド層A2上に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、厚さ50μmの上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートし、次いで幅50μm、長さ125μm(ピッチ;250μm、CH数;3CH)の開口部を有するネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.7J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いて、コアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥し、コアパターン3を形成した。
次いで、クラッド層B4として保護フィルムを剥離した厚さ55μmの上記クラッド層B形成用樹脂フィルムを真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度130℃、加圧時間30秒ラミネートした。さらに、紫外線(波長365nm)を4J/cm2照射後、支持フィルムを剥離し、170℃で1時間加熱処理することによって、クラッド層B4を形成し、光導波路を作製した。
その後、ダイシングソー(株式会社ディスコ製DAD−341)を用いて光導波路長10cm(幅2mm)の光導波路を切り出した。
得られたフレキシブル光導波路の屈曲耐久試験を行い、屈曲耐性と光伝搬損失変動を測定した。結果を表2に示す。
実施例2〜5
表1に示す配合比に従ってクラッド層形成用樹脂ワニスB−2〜4を調合し、実施例1と同様な方法で、クラッド層B形成用樹脂フィルムを作製した。硬化フィルムの引張り試験による引張り弾性率の測定結果を表1に示す。
*1:エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量80万、エポキシ基含有量5質量%)
*2:新中村化学株式会社製、NKオリゴ UA−160TM
*3:合成例1で得られたウレタンアクリレートA
*4:NKオリゴA−9300、新中村化学株式会社製
*5:NKオリゴA−9300−3CL、新中村化学株式会社製
*6:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPE−6A)共栄社化学株式会社製
*7:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
*8:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
続いて、これらのクラッド層B形成用樹脂フィルムを用いて、実施例1と同様な方法で、光導波路を作製した。各クラッド層形成用樹脂フィルム、コア層形成用樹脂フィルム、基板1の厚み及び、クラッド層A2及びクラッド層B4に用いたクラッド層形成用樹脂材料は、表2に示す。
得られたフレキシブル光導波路の屈曲耐久試験を行い、屈曲耐性と光伝搬損失変動を測定した。結果を表2に示す。
実施例6
<フレキシブル光電気複合基板の作製>
[サブトラクティブ法による電気配線形成]
150mm×150mmの片面銅箔付きのポリイミドフィルム1((ポリイミド;ユーピレックスVT(宇部日東化成製)、厚み;25μm、引張り弾性率;7.4GPa)、(銅箔;低粗度圧延銅箔ROFL(福田金属箔粉工業株式会社製))、厚み;9μm)の銅箔面に感光性ドライフィルムレジスト(商品名:フォテック、日立化成工業株式会社製、厚さ:25μm)をロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度110℃、ラミネート速度0.4m/minの条件で貼り、次いで紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて感光性ドライフィルムレジスト側から幅100μm(2CH)のネガ型フォトマスクを介し、紫外線(波長365nm)を120mJ/cm2照射し、未露光部分の感光性ドライフィルムレジストを35℃の0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液で除去した。その後、塩化第二鉄溶液を用いて、感光性ドライフィルムレジストが除去されむき出しになった部分の銅箔をエッチングにより除去し、35℃の1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、露光部分の感光性ドライフィルムレジストを除去し、電気配線5を形成した。
[カバーレイフィルムの形成]
上記で得られた電気配線板上から、接着剤層7の厚さ10μm、基材6の厚さ12.5μmのカバーレイフィルム(京セラケミカル株式会社製、(接着剤7;TFA580、引張り弾性率;1GPa)(基材6;カプトンEN、引張り弾性率;5.8GPa))を、圧力2.0MPa、温度150℃の条件で、加熱圧着し、その後、150℃1h加熱処理を行い。カバーレイフィルム8を形成した。
[光導波路の形成]
上記で得られたフレキシブル電気配線板の電気配線5形成面と反対のポリイミド面に実施例1と同様のクラッド層A形成用樹脂フィルム、コア層形成用樹脂フィルム及びクラッド層B形成用樹脂フィルムを用いて光導波路を形成した。
得られたフレキシブル光電気複合基板について、実施例1と同様にして屈曲耐久試験を行い、屈曲耐性と光伝搬損失変動を測定した。結果を表3に示す。
実施例7〜11
実施例6と同様な方法で、表3に示す層構成及び厚みに従ってフレキシブル光電気複合基板を作製した。得られたフレキシブル光電気複合基板の屈曲耐久試験を行い、屈曲耐性と光伝搬損失変動を測定した。結果を表3に示す。
比較例1〜5
表1に示すクラッド層形成用樹脂を用い、表4に示す構成及び厚みに従った以外は実施例1と同様な方法でフレキシブル光導波路を作製した。得られたフレキシブル光導波路の屈曲耐久試験を行い、屈曲耐性と光伝搬損失変動を測定した。結果を表4に示す。
比較例6〜12
表1に示すクラッド層形成用樹脂を用い、表5に示す構成及び厚みに従った以外は実施例6と同様な方法でフレキシブル光電気複合基板を作製した。得られたフレキシブル光電気複合基板の屈曲耐久試験を行い、屈曲耐性と光伝搬損失変動を測定した。結果を表5に示す。
*9:A−1のクラッド層形成用樹脂フィルムを接着剤層9として使用。
*10:低粗度圧延銅箔ROFL(福田金属箔粉工業株式会社製)
*11:NA−DFF(低粗度電解銅箔)(三井金属鉱業社製)
表2及び表3に示すように、本発明によって得られた実施例1〜5のフレキシブル光導波路及び実施例6〜11のフレキシブル光電気複合基板は、50万回以上の屈曲耐性を保持し、かつ屈曲時の初期段階の光伝搬損失変動が0.1dB以下と良好であった。
本発明のフレキシブル光導波路又はフレキシブル光電気複合基板は、屈曲時の初期段階の光伝搬損失変動が少なく、曲げ半径1.0mm以上で屈曲可能である。そのため、本発明の光電気複合基板は、様々な光インターコネクション等の幅広い分野に適用でき、特に高い屈曲性が求められる場合に有効である。
1.基板
2.クラッド層A
201.下部クラッド層
3.コアパターン
4.クラッド層B
5.電気配線
6.基材(カバーレイフィルム用)
7.接着剤層(カバーレイフィルム用)
8.カバーレイフィルム
9.接着剤層

Claims (11)

  1. 基板と、前記基板上にクラッド層A、コアパターン及びクラッド層Bからなる光導波路を有し、屈曲時に屈曲部で屈曲するフレキシブル光導波路であって、
    前記コアパターンが、下面を前記クラッド層A、上面を前記クラッド層Bにて覆われており、
    前記クラッド層A側に、前記基板が配置されており、
    前記屈曲時のうち初期段階の屈曲における前記コアパターンの光伝搬損失変動が抑えられるように、
    前記クラッド層A及び前記クラッド層Bの引張弾性率それぞれが、前記基板の引張弾性率よりも低くし、
    前記クラッド層Aの引張弾性率が、前記クラッド層Bの引張弾性率より高くし、
    前記基板と前記クラッド層Aとの合計厚みが、5μm以上、40μm以下にし、
    前記コアパターンのうち屈曲部分の厚みが、5μm以上、50μm以下にしたフレキシブル光導波路。
  2. 前記コアパターンが、さらに側面を前記クラッド層Bにて覆われている請求項1に記載のフレキシブル光導波路。
  3. 前記基板と前記クラッド層Aとが、直接接合されている請求項1又は2に記載のフレキシブル光導波路。
  4. 前記クラッド層Bが、前記屈曲部の内側である請求項1から3のいずれかに記載のフレキシブル光導波路。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のフレキシブル光導波路と、
    前記基板の前記光導波路との接合面と反対の面に設けられた電気配線を有するフレキシブル光電気複合基板。
  6. 前記電気配線の厚みが、18μm以下である請求項に記載のフレキシブル光電気複合基板。
  7. 前記電気配線が、前記基板に接合された圧延銅箔をサブトラクティブ法によってパターン化してなる請求項又はに記載のフレキシブル光電気複合基板。
  8. 前記電気配線が、カバーレイフィルムによって保護されている請求項5から7のいずれかに記載のフレキシブル光電気複合基板。
  9. 前記カバーレイフィルムが、基材及び接着層からなり、
    前記基材の厚みが25μm以下であり、
    前記接着層の厚みが25μm以下である請求項に記載のフレキシブル光電気複合基板。
  10. 曲げ半径1.0mm以上で屈曲される請求項1から4のいずれかに記載のフレキシブル光波路。
  11. 曲げ半径1.0mm以上で屈曲される請求項5から9のいずれかに記載のフレキシブル光電気複合基板。
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