本発明は、例えば、ウレアグリース基剤、ウレアグリース完成品またはこれらの組合せを含めたウレアグリースを調製するための方法を提供する。本発明は、好ましくは、例えばウレアグリース基剤、ウレアグリース完成品またはこれらの組合せを含めたウレアグリースの連続した調製のための方法を提供する。本明細書で使用する場合、「連続した」および「持続的」という用語は、従来の技法、例えばバッチ操作と比較して、全般的に時間および順序における中断がなく行われる本発明の方法を指す。
本発明は、1つまたは複数の以下の利点を提供する。
本発明の利点は、ウレアグリース、例えばジウレアグリースもしくはトリウレアウレタングリース、もしくはテトラウレアグリース、またはこれらの組合せが、本発明の方法を利用することによって持続的に調製され得ることである。
本発明の別の利点は、装置または流路に大きな変更を行う必要なしに、様々な種類のウレアグリース、例えばジウレアグリース、もしくはトリウレアウレタングリース、もしくはテトラウレアグリースまたはこれらの組合せが得られるように、本発明の方法を適用させるために与えられる柔軟性にある。
ウレアグリースは、ウレアグリース増ちょう剤と基油とを一般的に含んでいる。本発明の方法に従い調製または製造されたウレアグリースは、ウレアグリースの総重量に対して、一般的に2重量パーセントから25重量パーセントの範囲で、好ましくは3重量パーセントから20重量パーセントの範囲で、より好ましくは5重量パーセントから20重量パーセントの範囲の重量パーセントのウレアグリース増ちょう剤を含む。
ウレアグリース増ちょう剤の例としては、ジウレアグリース増ちょう剤、トリウレアウレタングリース増ちょう剤、テトラウレアグリース増ちょう剤、およびこれらの組合せが挙げられる。さらに例えば、ウレアグリース増ちょう剤を調製する際に架橋が起きることもある。
当技術分野では潤滑油とも呼ばれている本発明の方法における使用に適切な基油は、オイルによる潤滑、または通常であれば、例えばバッチ操作からグリースを調製するために選択される基油と普通同じである。本明細書中では全般的にオイルとも呼ばれているこの基油は、鉱物由来のもの、合成由来のもの、またはこの組合せであってよい。鉱物由来の基油は、鉱油、例えば溶媒精製またはヒドロ処理により生成されるものであってよい。合成由来の基油は通常、C10−C50炭化水素ポリマーの混合物、例えば、αオレフィンのポリマー、エステル類の合成オイル、エーテル類の合成オイルおよびこれらの組合せを含み得る。この基油はまた、Fischer−Tropsch由来の高級パラフィン系製品を含み得る。
合成オイルの適切な例は、ポリオレフィン類、例えば、αオレフィンオリゴマーおよびポリブテン、ポリアルキレングリコール類、例えば、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、ジエステル類、例えば、ジ−2−エチルヘキシルセバケートおよびジ−2−エチルヘキシルアジペート、ポリオールエステル類、例えば、トリメチロールプロパンエステルおよびペンタエリスリトールエステル、パーフルオロアルキルエーテル類(perfluorolalkyl ethers)、シリコーンオイル類、ポリフェニルエーテル類を含み、これらは個々のオイルとして、または混合オイルとして含まれてもかまわない。
基油の適切な例は、中程度の粘度の鉱油、高い粘度の鉱油、およびこれらの組合せを含む。中程度の粘度の鉱油は一般的に、100℃で5mm2/sセンチストーク(cSt)から100℃で15mm2/s(cSt)の範囲、好ましくは100℃で6mm2/s(cSt)から100℃で12mm2/s(cSt)の範囲、より好ましくは100℃で7mm2/s(cSt)から100℃で12mm2/s(cSt)の範囲の粘度を有する。高い粘度の鉱油は一般的に、100℃で15mm2/s(cSt)から100℃で40mm2/s(cSt)の範囲、好ましくは100℃で15mm2/s(cSt)から100℃で30mm2/s(cSt)の範囲の粘度を有する。
有利に使用し得る鉱油の適切な例は、Shell Groupの系列会社から、「HVI」、「MVIN」、または「HMVIP」の名で販売されているものを含む。ポリアルファオレフィンおよびワックスの水素異性化により調製される種類の基油、例えばShell Groupの系列会社から「XHVI」(商標)の名で販売されているものも使用し得る。
本発明の方法を利用して調製し得る適切なウレアグリースの例は、ジウレアグリース、トリウレアウレタングリース、テトラウレアグリース、およびこれらの組合せを含む。
代表的テトラウレアグリースは、本発明の方法を利用して、式OCN−R1−NCO(式中、R1は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビレンを含む。)を有する第1の供給成分(A)と、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビルを含む。)を有するモノアミンを含む第2の供給成分(B)と、式NH2R3NH2(式中、R3は、2から12個の炭素原子を含むヒドロカルビレンまたは2から12個の炭素原子を含むポリオキシヒドロカルビレンを含む。)を有するジアミンを含む別の第2の供給成分(C)とを、基油の存在下で接触させることにより調製し得る。(A)、(B)および(C)を含む供給成分の重量による割合は、供給成分が完全に反応することによりテトラウレアグリース増ちょう剤が得られるように、テトラウレアグリース増ちょう剤の化学構造の化学量論から求める。
代表的ジウレアグリースは、本発明の方法を利用して、式OCN−R1−NCO(式中、R1は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビレンを含む。)を有する第1の供給成分(A)と、1種または複数の供給成分、例えば、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビルを含む。)を有するモノアミンを含む供給成分(D)および供給成分(E)とを、基油の存在下で接触させることにより調製し得る。(A)およびモノアミンを含む供給成分、例えば供給成分(A)、(D)および(E)の重量による割合は、供給成分が完全に反応することによりジウレアグリース増ちょう剤が得られるように、ジウレアグリース増ちょう剤の化学構造の化学量論から求める。
トリウレアウレタングリースは、ジウレアグリースの調製と同様の方法で調製し得る。トリウレアウレタングリースは、トリウレアモノウレタン分子を一般的に含み、ジウレア分子、モノウレアモノウレタン分子、ジウレタン分子、またはこれらの組合せも含んでもよい。代表的なトリウレアウレタングリースは、本発明の方法を利用して、式OCN−R1−NCO(式中、R1は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビレンを含む。)を有する第1の供給成分(A)と、アルコールを含む供給成分(F)と、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビルを含む。)を有するモノアミンを含む供給成分と、式NH2R3NH2(式中、R3は、2から12個の炭素原子を含むヒドロカルビレンまたは2から12個の炭素原子を含むポリオキシヒドロカルビレンを含む。)を有するジアミンを含む供給成分とを、基油の存在下で接触させることにより調製し得る。一般的に、アルコールは、アミンと接触させる前に、第1の供給成分(A)と反応させる。モノアミンを含む供給成分およびジアミンを含む供給成分は、1つの供給成分、例えば、供給成分(G)を構成してもよい。(A)、アルコール、モノアミンおよびジアミンを含む供給成分、例えば供給成分(A)、(F)および(G)の重量による割合は、供給成分が完全に反応することによりトリウレアウレタングリース増ちょう剤が得られるように、トリウレアウレタングリース増ちょう剤の化学構造の化学量論から求める。
本明細書中のR1で言及されているヒドロカルビレンは、脂肪族、脂環式、芳香族、またはこれらの組合せであってよい二価の炭化水素基を含み、例えばこれらだけに限定されないが、アルキルアリーレン、アラルキルエン、アルキルシクロアルキレン、シクロアルキルアリーレンまたはこれらの組合せであり、異なる炭素原子上に2つの自由原子価を含む。本明細書中のR2で言及されているヒドロカルビルは、水素および炭素を含む一価の有機基を含み、脂肪族、芳香族、脂環式またはこれらの組合せ、例えばこれらだけに限定されないが、アラルキル、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルキルシクロアルキルまたはこれらの組合せであってよく、飽和またはオレフィン不飽和(共役または非共役の1種または複数の二重結合した炭素)であってもよい。
本明細書中のR3で言及されているヒドロカルビレンは、水素および炭素を含む二価の有機基を含み、脂肪族、芳香族、脂環式、またはこれらの組合せ、例えば、これらだけに限定されないが、アラルキル、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルキルシクロアルキルまたはこれらの組合せであってよく、飽和またはオレフィン不飽和(共役でも非共役でも、1種または複数の二重結合した炭素)していてもよい。本明細書中のR3で言及されているポリオキシヒドロカルビレンは、脂肪族、脂環式、芳香族、またはこれらの組合せであってよい二価の炭化水素基を含み、例えばこれらだけに限定されないが、アルキルアリーレン、アラルキルエン、アルキルシクロアルキレン、シクロアルキルアリーレン、またはこれらの組合せであり、異なる炭素原子上に2つの自由原子価を含み、2から5個の繰返し単位を有する。
本発明の方法を利用してウレアグリースを調製するのに利用し得る適切なジイソシアネートの例として、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフチレンジイソシアネート、トリレンオルト−ジイソシアネート(TODI)およびこれらの組合せが挙げられる。本発明の方法を利用してウレアグリースを調製するのに利用し得る適切なモノアミンの例として、オクチルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、テトラデシルアミン(ミリスチルアミン)、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン(牛脂アミン、またステアリルアミンとも呼ばれている)、オレイルアミン、アニリン、ベンジルアミン、p−トルイジン、p−クロロ−アニリン、m−キシリジンおよびこれらの組合せが挙げられる。本発明の方法を利用してウレアグリースを調製するのに利用し得る適切なジアミンの例として、エチレンジアミン(EDA)、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、ポリオキシメチレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシイソプロピレンジアミン、ポリエーテルアミン、トリエチレングリコールジアミン、およびこれらの組合せが挙げられる。本発明の方法を利用してウレアグリース、例えばトリウレアウレタングリースを調製するのに利用し得る適切なアルコールの例として、1−ドデカノール(ラウリルアルコール)、1−テトラデカノール(ミリスチルアルコール)、1−ヘキサデカノール(セチル(またはパルミチル)アルコール)、1−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、シス−9−オクダデセン−1−オール(オレイルアルコール)、9−オクタデカジエン−1−オール(不飽和のパルミトレイルアルコール)、12−オクタデカジエン−1−オール(リノレイルアルコール)およびこれらの組合せが挙げられる。
例えば、テトラウレアグリースは、本発明の方法を利用して、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)(例えば、20重量パーセントのトリレン2,6−ジイソシアネートおよび80重量パーセントのトリレン2,4−ジイソシアネートのブレンド)を含む第1の供給成分(A)と、例えば、1−オクタデシルアミン(牛脂アミンとも呼ばれている)を含む第2の供給成分(B)と、例えば、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)を含む別の第2の供給成分(C)とを、基油の存在下で接触させることにより調製してもよい。
第2の供給成分(B)と別の第2の供給成分(C)の重量比は、テトラウレアグリースを得られる任意の重量比であってよい。例えば、1−オクタデシルアミンとヘキサメチレンジアミン(HMDA)の重量比は、4.2:1から上限の範囲であってよく、この上限は、テトラウレアグリースを得るのに最低限必要なヘキサメチレンジアミン(HMDA)の量により限定される。代表的上限は、100:1であってよいので、この上限の場合、代表的重量比は、4.2:1から100:1の範囲であってよい。例えば、100重量パーセントの1−オクタデシルアミンおよび0重量パーセントのヘキサメチレンジアミン(HMDA)からは、テトラウレアグリースを含まないジウレアグリースが得られる。供給成分(B)と(C)の重量比に加え、(A)、(B)および(C)を含む供給成分の残りの割合は、供給成分が完全に反応することによりテトラウレアグリース増ちょう剤が得られるように、テトラウレアグリース増ちょう剤の化学構造の化学量論から求める。
また例えば、テトラウレアグリースは、本発明の方法を利用して、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)(例えば、20重量パーセントのトリレン2,6−ジイソシアネートおよび80重量パーセントのトリレン2,4−ジイソシアネートのブレンド)を含む第1の供給成分(A)と、例えば、1−オクタデシルアミン(牛脂アミンとも呼ばれている)を含む第2の供給成分(B)と、例えば、エチレンジアミン(EDA)を含む別の第2の供給成分(C)とを、基油の存在下で接触させることにより調製し得る。
第2の供給成分(B)と別の第2の供給成分(C)の重量比は、テトラウレアグリースを得られる任意の重量比であってよい。例えば、1−オクタデシルアミンとエチレンジアミン(EDA)の重量比は、8.1:1から上限の範囲であってよく、この上限は、トラウレアグリースを得るのに最低限必要なエチレンジアミン(EDA)の量により限定される。代表的上限は、100:1であってよいので、この上限の場合、代表的重量比は、8.1:1から100:1の範囲であってよい。例えば、100重量パーセントの1−オクタデシルアミンおよび0重量パーセントのエチレンジアミン(EDA)からは、テトラウレアグリースを含まないジウレアグリースが得られる。供給成分(B)と(C)の重量比に加え、(A)、(B)および(C)を含む供給成分の残りの割合は、供給成分が完全に反応することによりテトラウレアグリース増ちょう剤が得られるように、テトラウレアグリース増ちょう剤の化学構造の化学量論から求める。
また例えばテトラウレアグリースは、本発明の方法を利用して、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(メチレンジイソシアネートまたはMDIとも呼ばれている)を含む第1の供給成分(A)と、例えば、1−オクタデシルアミン(牛脂アミンとも呼ばれている)を含む第2の供給成分(B)と、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン(POD)を含む別の第2の供給成分(C)とを、基油の存在下で接触させることにより調製し得る。
第2の供給成分(B)と別の第2の供給成分(C)の重量比は、テトラウレアグリースを得られる任意の重量比であってよい。例えば、1−オクタデシルアミンとポリオキシプロピレンジアミン(POD)の重量比は、2.3:1から上限の範囲であってよく、この上限は、テトラウレアグリースを得るのに必要最低限のポリオキシプロピレンジアミン(POD)の量により限定される。代表的上限は、100:1であってよいので、この上限の場合、代表的重量比は2.3:1から100:1の範囲であってよい。例えば、100重量パーセントの1−オクタデシルアミンおよび0重量パーセントのポリオキシプロピレンジアミン(POD)からは、テトラウレアグリースを含まないジウレアグリースが得られる。供給成分(B)と(C)の重量比に加え、(A)、(B)および(C)を含む供給成分の残りの割合は、供給成分が完全に反応することによりテトラウレアグリース増ちょう剤が得られるように、テトラウレアグリース増ちょう剤の化学構造の化学量論から求める。
また例えば、ジウレアグリースは、本発明の方法を利用して、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(メチレンジイソシアネートまたはMDIとも呼ばれている)を含む第1の供給成分(A)と、例えば、オクチルアミンを含む第2の供給成分(D)と、例えば、ドデシルアミンを含む第3の供給成分(E)とを、基油の存在下で接触させることにより調製し得る。
第2の供給成分(D)と第3の供給成分(E)の重量比は、ジウレアグリースを得られる任意の重量比であってよい。例えば、オクチルアミンとドデシルアミンの量は、100重量パーセントのオクチルアミンと0重量パーセントのドデシルアミンから0重量パーセントのオクチルアミンと100重量パーセントのドデシルアミンの範囲であってよい。成分(D)および(E)の量に加えて、(A)、(D)および(E)を含む供給成分の残りの割合は、供給成分が完全に反応することによりジウレアグリース増ちょう剤が得られるように、ジウレアグリース増ちょう剤の化学構造の化学量論から求める。
また例えば、トリウレアウレタングリースは、本発明の方法を利用して、例えば、トリレンジイソシアネート(TDIとも呼ばれている)を含む第1の供給成分(A)(例えば、20重量パーセントのトリレン2,6−ジイソシアネートおよび80重量パーセントのトリレン2,4−ジイソシアネートのブレンド)と、例えば、1−オクタデカノール(ステアリルアルコール)を含む第2の供給成分(F)と、例えば、1−オクタデシルアミン(牛脂アミンとも呼ばれている)およびエチレンジアミン(EDA)を含む第3の供給成分(G)とを、基油の存在下で接触させることにより調製し得る。
また例えば、第3の供給成分(G)は、2つの供給成分へと分離することもでき、この場合、一方の供給成分は、1−オクタデシルアミンを含み、他方の供給成分は、エチレンジアミンを含む。一般的に、これらのアミンは、どんな順序で加えてもよい。例えば、トリウレアモノウレタンまたはテトラウレアの分子の割合を最大にするために、一般的に、モノアミンの前にジアミンを加えることもできる。また例えば、トリウレアウレタングリースを調製する場合、一般的に、エチレンジアミン(EDA)全部とモノアミンの一部を、基油の存在下で第3の供給成分として加えてもよく、モノアミンの残りの部分を基油の存在下で第4の供給成分として加えてもよい。また例えば、ウレアグリースの回転ベアリングへの用途、ギアへの用途およびこれらの組合せなどへの用途に有利であり得るような異なる増ちょう剤の繊維構造を提供するために第3の供給成分、続いて第4の供給成分という順序を逆にすることもできる。
供給成分(G)の成分の重量比は、トリウレアウレタングリースを得られる任意の重量比であってよい。例えば、1−オクタデシルアミンとエチレンジアミン(EDA)の重量比は、化学量論を維持しながら、4.0:1から7.0:1の範囲であってよい。供給成分(F)と供給成分(G)の重量比は、トリウレアウレタングリースを得られる任意の重量比であってよい。例えば、1−オクタデカノール(ステアリルアルコール)とエチレンジアミン(EDA)の重量比は、化学量論を維持しながら、4.5:1から6.0:1の範囲であってよい。また例えば、化学量論的に必要とされる量よりもエチレンジアミン(EDA)が少ない場合、トリウレアモノウレタン分子から独立した個々のジイソシアネート分子を用いて二成分を生成することもできる。例えば、2つのモノアミン分子がジイソシアネート分子と反応すれば、ジウレア分子が生じる。また例えば、モノアミン分子およびアルコール分子がジイソシアネート分子と反応すれば、モノウレアモノウレタン分子が生じる。また例えば、2つのアルコール分子がジイソシアネート分子と反応すれば、ジウレタン分子が生じる。このようにしてトリウレアモノウレタン分子と、ジウレア分子、モノウレアモノウレタン分子、ジウレタン分子またはこれらの組合せとを含むウレアグリースを得ることもできる。モノアミンとジアミンの重量比およびアルコールとジアミンの重量比に加えて、供給成分の残りの割合は、供給成分が完全に反応することによりトリウレアウレタングリース増ちょう剤が得られるように、トリウレアウレタングリース増ちょう剤の化学構造の化学量論から求める。
本発明の方法に従い調製されたウレアグリースは、1種または複数の添加剤を当分野の用途において通常使用されている量で含むことにより、ウレアグリースがある望ましい特徴を得ることができるが、このような特徴として、例えば、酸化安定性、粘着性、極圧特性、腐食抑制、摩擦性および摩耗性の削減ならびにこれらの組合せが挙げられる。
適切な添加剤の例として、抗酸化剤、防錆添加剤、耐摩耗添加剤、極圧添加剤、流動点抑制剤、金属不活性化剤、粘着剤、粘度指数改善剤およびこれらの組合せが挙げられる。
適切な添加剤の例として、極圧剤/抗摩耗剤、亜鉛塩、例えばジアルキル亜鉛またはジアリールジチオホスフェート、ボレート、モリブデンジチオホスフェート、置換チアジアゾール、例えばジアルコキシアミンと置換有機ホスフェートを反応させることによって生成される重合性の窒素化合物/リン化合物、アミンホスフェート、天然由来または合成由来の硫化マッコウ鯨油、硫化ラード、硫化エステル、硫化脂肪酸エステル、硫化物質、例えば式(OR)3P=O(式中、Rはアルキル基、アリール基またはアラルキル基である)の有機ホスフェートおよびトリフェニルホスホロチオネート;1種または複数の過塩基性金属含有洗浄剤、例えば、カルシウムアルキルサリチレートまたはマグネシウムアルキルサリチレート、アルキルアリールスルホネートまたはアルキルスルホネート;無灰分散剤添加剤、例えば、ポリイソブテニルコハク酸無水物とアミンまたはエステルとの反応生成物;抗酸化剤、例えば、ヒンダードフェノールまたはアミン、例えばフェニルアルファナフチルアミン;防錆添加剤、例えば、亜鉛ナフテネート;摩擦改質添加剤;粘度指数改良剤;流動点低下添加剤;粘着剤ならびにこれらの組合せが挙げられる。固体材料、例えば、グラファイト、細かく分割したモリブデンジスルフィド、タルク、金属粉末、および様々なポリマー、例えば、ポリエチレンワックスも、特別な特性を得るための加えることができる。代表的なアリール基は、フェニル基である。代表的なアラルキルはベンジル基である。
本発明の方法に従い調製されたウレアグリースは、単一のジチオリン酸亜鉛または2種以上のジチオリン酸亜鉛の組合せを含んでもよい。適切なジチオリン酸亜鉛の例として、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛、アルキルアリールジチオリン酸亜鉛、およびこれらの組合せが挙げられる。好ましいジチオリン酸亜鉛は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛である。ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル部分は、直鎖または分枝鎖であってよく、一般的に1個の炭素原子から20個の炭素原子、好ましくは8個の炭素原子から20個の炭素原子、より好ましくは8個の炭素原子から12個の炭素原子を含む。
本発明の方法に従い調製されたウレアグリースは、単一の無灰ジチオカルバメートまたは2種以上の無灰ジチオカルバメートの組合せを含む添加剤を含んでもよい。適切な無灰ジチオカルバメートの例として、無灰ジアルキルジチオカルバメート、ジアリールジチオカルバメート、アルキルアリールジチオカルバメートおよびこれらの組合せが挙げられる。好ましい無灰ジチオカルバメートは、無灰ジアルキルジチオカルバメート、より好ましくはメチレン−ビス−ジアルキルジチオカルバメートである。無灰ジアルキルジチオカルバメートのアルキル部分は、直鎖または分枝鎖であってよく、好ましくは1個の炭素原子から12個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子から6個の炭素原子を含有する。好ましい無灰ジチオカルバメートの例は、メチレン−ビス−ジブチル−ジチオカルバメートである。
本発明の方法に従い調製されたウレアグリースは、ウレアグリースの総重量に対して、0.1重量パーセントから15重量パーセント、好ましくは0.1重量パーセントから5重量パーセント、より好ましくは0.1重量パーセントから2重量パーセント、さらにより好ましくは0.2重量パーセントから1重量パーセントの1種または複数の添加剤を含んでもよい。例えば、添加剤の重量パーセントを例えば15重量パーセントに増加させるためには、複数の添加剤を組み合わせることが必要となり得る。
本発明の一実施形態は、全般的に1種または複数のゾーンを含む。これらゾーンは、供給成分、ウレアグリースまたはこれらの組合せを、ある1つのゾーンから下流の別のゾーンに移送するために提供されてもよい。移送は、本発明の方法に対して適切に提供される任意の手段を用いて行うこともできる。適切な移送手段の例として、スクリューエレメントおよびスクリューエレメントの組合せが挙げられる。
テトラウレアグリースを調製する場合、ゾーンには、第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーン、第1の反応混合ゾーンおよび冷却混合ゾーンが含まれるのが一般的である。テトラウレアグリースを調製する場合、ゾーンに脱気ゾーンがさらに含まれてもよい。テトラウレアグリースを調製する場合、ゾーンにオイル供給ゾーンがさらに含まれてもよい。テトラウレアグリースを調製する場合、ゾーンに混合ゾーンがさらに含まれてもよい。
テトラウレアグリースを調製する場合、これらのゾーンは、本明細書中に開示されている順序の通りであり、本明細書に記載されたゾーンの組合せを含むことができるのが一般的である。テトラウレアグリースゾーンは、追加のゾーン、例えば、追加の供給ゾーン、反応混合ゾーン、脱気ゾーン、オイル供給ゾーン、混合ゾーン、冷却混合ゾーンおよびこれらの組合せを含むことができる。
テトラウレアグリースを調製するためのゾーンの概要の代表的なものは、第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーン、第1の反応混合ゾーン、脱気ゾーン、第1の混合ゾーン、オイル供給ゾーン、第2の混合ゾーン、第2のオイル供給ゾーン、第3の混合ゾーン、第3のオイル供給ゾーン、第4の混合ゾーンおよび冷却混合ゾーンを含んでもよい。
ジウレアグリースを調製する場合、ゾーンには、第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーン、第1の反応混合ゾーン、第3の供給ゾーン、第2の反応混合ゾーンおよび冷却混合ゾーンが含まれるのが一般的である。
ジウレアグリースを調製する場合、ゾーンは、本明細書中に開示されている順序の通りであり、本明細書に記載されたゾーンの組合せを含んでもよいのが一般的である。ジウレアグリースゾーンは、追加のゾーン、例えば、追加の供給ゾーン、反応混合ゾーン、脱気ゾーン、オイル供給ゾーン、混合ゾーン、冷却混合ゾーンおよびこれらの組合せを含むことができる。
ジウレアグリースを調製するためのゾーンの概要の代表的なものは、第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーン、第1の反応混合ゾーン、第3の供給ゾーン、第2の反応混合ゾーン、脱気ゾーン、第1の混合ゾーン、オイル供給ゾーン、第2の混合ゾーン、第2のオイル供給ゾーン、第3の混合ゾーンおよび冷却混合ゾーンを含むことができる。
トリウレアウレタングリースを調製する場合、ゾーンは、第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーン、第1の反応混合ゾーン、第3の供給ゾーン、第2の反応混合ゾーンおよび冷却混合ゾーンを含むのが一般的である。
トリウレアウレタングリースを調製する場合、ゾーンは、本明細書中に開示されている順序の通りであり、本明細書に記載されたゾーンの組合せを含んでもよいのが一般的である。トリウレアウレタングリースゾーンは、追加のゾーン、例えば、追加の供給ゾーン、反応混合ゾーン、脱気ゾーン、オイル供給ゾーン、混合ゾーン、冷却混合ゾーンおよびこれらの組合せを含んでもよい。例えば、モノアミンおよびジアミンを含む第3の供給成分(G)が2つの供給成分に分離される場合、追加ゾーンが第4の供給ゾーンを構成してもよい。また例えば、モノアミンおよびジアミンを含む第3の供給成分(G)が2つの供給成分に分離される場合、第3の供給ゾーンと第4の供給ゾーンの間に反応混合ゾーンを配置することもできる。
トリウレアウレタングリースを調製するためのゾーンの概要の代表的なものは、第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーン、第1の反応混合ゾーン、第3の供給ゾーン、第2の反応混合ゾーン、脱気ゾーン、第1の混合ゾーン、オイル供給ゾーン、第2の混合ゾーン、第2オイル供給ゾーン、第3の混合ゾーンおよび冷却混合ゾーンを含んでもよい。
例えば、オイル供給ゾーンとその後に続く混合ゾーンとを数回繰り返すこともある。所望するグリースの粘ちょう度および冷却に応じて、オイル供給ゾーンにおけるオイル供給と、それに続く混合ゾーンにおける混合とを数回繰り返してもよい。例えば、テトラウレアグリースを調製する場合、数回の繰返しまたはセット、例えば、オイル供給ゾーンにおけるオイル供給、続いて混合ゾーンにおける混合をセットで3回行ってもよい。また例えば、ジウレアグリースを調製する場合、数回の繰返しまたはセット、例えば、オイル供給ゾーンにおけるオイル供給、続いて混合ゾーンにおける混合をセットで2回行ってもよい。また例えば、トリウレアウレタングリースを調製する場合、数回の繰返しまたはセット、例えば、オイル供給ゾーンにおけるオイル供給、続いて混合ゾーンにおける混合をセットで2回行ってもよい。
また例えば、基油に加えてまたは基油の代わりに、1種または複数の添加剤を利用することにより、ウレアグリース完成品を提供することもできる。例えば、ウレアグリース基剤は、オイル供給ゾーンにおけるオイルの供給と、それに続く混合ゾーンにおける混合とを繰り返し受けることにより、これらのゾーンで、基油に加えてまたは基油の代わりに1種または複数の添加剤を利用して、オイル供給ゾーンにおける添加剤の供給(添加剤供給ゾーンと呼んでもよい)、それに続く混合ゾーンにおける混合(添加剤混合ゾーンと呼んでもよい)を繰り返して行い、ウレアグリース完成品を得ることもできる。また例えば、オイル供給ゾーン(添加剤供給ゾーン)および混合ゾーン(添加剤混合ゾーン)を組み合わせることによって、オイル供給、添加剤供給またはこれらの組合せおよび混合を1つのゾーンとすることもできる。
ウレアグリースを調製するための装置は、静置型混合機(複数可)、ホモジナイザー(複数可)、スクリーンパック(複数可)またはこれらの組合せを含むウレアグリース加工装置をさらに含んでもよい。
例えば、これらのゾーンにより、ウレアグリース基剤を得ることができる。したがってこのウレアグリース基剤を、静置型混合機、ホモジナイザー、スクリーンパックまたはこれらの組合せを含めたウレアグリース加工装置に供給することによって、ウレアグリース完成品を得ることができる。これらのゾーンに、例えば押出機などのスクリューエレメントが含まれる場合、追加のウレアグリース加工装置を利用することにより、ウレアグリース完成品を提供するために押出機を利用する場合と比べてより短い押出機を使用することも可能となり得る。短い押出機を使用し、続いて追加のウレアグリース加工装置を使用することによりウレアグリース完成品を得る方が、追加のウレアグリース加工装置なしでより長い押出機を使用してウレアグリース完成品を得るよりも経済的である可能性もある。
ウレアグリース加工装置を利用してのウレアグリース、例えばウレアグリース基剤の追加の加工は、ウレアグリース、例えば、ウレアグリース完成品の調製に利用されている任意の静置型混合機、ホモジナイザー、スクリーンパックまたはこれらの組合せを使用することを含んでもよい。スクリーンパックは、均質化、濾過またはこれらの組合せを行うために使用してもよい。代表的スクリーンパックは、様々なメッシュサイズを含む単一スクリーンまたは複数のスクリーンを使用し得る。均質化は、このウレアグリースを力で、例えば、押し込んでスクリーンパックを通過させることにより実施することができる。
例えば、ウレアグリース加工装置を使用する代わりに1種または複数の添加剤を冷却混合ゾーンに加えることによりウレアグリース完成品を得ることもできる。また例えば、冷却混合ゾーンの後、つまり冷却混合ゾーンの外側で、例えばウレアグリース加工装置を用いて、1種または複数の添加剤を加えることによりウレアグリース完成品を得ることもできる。また例えば、冷却混合ゾーンに1種または複数の添加剤を添加することと、ウレアグリース加工装置を用いることの組合せを利用してもよい。
また例えば、ウレアグリース加工装置を利用する代わりに、添加剤供給ゾーン、続いて添加剤混合ゾーン、続いて第2の冷却混合ゾーンを含む追加のゾーンを利用してもよい。
例えば、本発明の方法を利用して、ウレアグリースを得ることもできる。このウレアグリースは、本発明における供給ゾーンの供給成分として利用することによって、2種以上のウレアグリースを含むウレアグリースを得ることもできる。また例えば、このウレアグリースは、本発明におけるオイル供給ゾーンで基油に加えてまたは基油の代わりに利用することによって、2種以上のウレアグリースを含むウレアグリースを得ることもできる。また例えば、このウレアグリースは、本発明における添加剤供給ゾーンで添加剤に加えてまたは添加剤の代わりに利用することによって、2種以上のウレアグリースを含むウレアグリースを得ることもできる。
例えば、ジウレアグリースは、例えばジウレアグリース、トリウレアウレタングリース、テトラウレアグリース、またはこれらの組合せであるウレアグリースを調製するための本発明の方法に加えられることによって、このジウレアグリースと、ジウレアグリース、トリウレアウレタングリース、テトラウレアグリースまたはこれらの組合せとを含むウレアグリースを得ることができる。また例えば、トリウレアウレタングリースは、例えばジウレアグリース、トリウレアウレタングリース、テトラウレアグリースまたはこれらの組合せであるウレアグリースを調製するための本発明の方法に加えられることによって、このトリウレアウレタングリースと、ジウレアグリース、トリウレアウレタングリース、テトラウレアグリースまたはこれらの組合せとを含むウレアグリースを得ることができる。また例えば、テトラウレアグリースは、例えば、ジウレアグリース、トリウレアウレタングリース、テトラウレアグリース、またはこれらの組合せであるウレアグリースを調製するための本発明の方法に加えられることによって、このテトラウレアグリースと、ジウレアグリース、トリウレアウレタングリース、テトラウレアグリースまたはこれらの組合せとを含むウレアグリースを得ることができる。また例えば、ウレアグリース、例えば本発明の方法に加えることのできるジウレアグリース、またはトリウレアウレタングリース、またはテトラウレアグリースまたはこれらの組合せは、本発明のプロセスから、別の供給源、例えばバッチ操作から、またはこれらの組合せから得ることができる。
多数の例に見られるように、本発明の方法を利用することにより、プロセスおよび装置における大幅な変更なしに様々なウレアグリースを得ることができる。また例えば、本発明の方法の様々なゾーンを利用することによって、ウレアグリース、例えば、ジウレアグリース、トリウレアウレタングリース、テトラウレアグリースまたはこれらの組合せを、別個に、または同時に、またはこれらの組合せで提供することも可能となり得る。例えば、本発明の方法の様々な特徴を調整することによって、例えば、機械的安定性、高温特性、潤滑性能およびこれらの組合せに関する所望の特性を有するウレアグリースを調製することができる。
供給ゾーン、例えば第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーン、およびそれが存在する場合、第3の供給ゾーンによって、成分の投入が適切に行われる。第3の供給ゾーンを有するまたは利用する必要がないこともある。例えば、テトラウレアグリースを調製する場合、第2の供給成分(B)および(C)は、第2の供給ゾーンへ提供されてもよく、第3の供給ゾーンは、存在しなくてもよい、または存在するが利用されなくてもよい、または存在して混合ゾーンとして利用されてもよい。
また例えば、ジウレアグリースを調製する場合、第2の供給成分(D)は、第2の供給ゾーンに提供され、第3の供給成分(E)は、第3の供給ゾーンに提供されてもよい。
また例えば、トリウレアウレタングリースを調製する場合、第2の供給成分(F)は、第2の供給ゾーンに提供され、第3の供給成分(G)は、第3の供給ゾーンに提供されてもよい。
第1の供給ゾーンへ投入される第1の供給成分の例は、式OCN−R1−NCO(式中、R1は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビレン、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(メチレンジイソシアネートまたはMDIとも呼ばれている)またはトリレンジイソシアネート(TDI)(例えば、20重量パーセントのトリレン2,6−ジイソシアネートと80重量パーセントのトリレン2,4−ジイソシアネートのブレンド)を含む。)を有する、本明細書に記載された供給成分(A)を含む。供給成分(A)は、本発明の方法が得られる任意の適切な形状および形態であってよい。供給成分(A)の適切な状態の例は、フレーク、粉末および液体を含む。フレークは、健康、安全性、環境またはこれらの組合せの理由により、供給成分(A)にとって好ましい形態であり得る。
第1の供給成分(A)は、基油の存在下で第1の供給ゾーンに提供されるのが好ましい。例えば基油は、第1の供給成分として含まれていてもよい。
成分(A)を第1の供給ゾーンに投入することにより、成分(A)を溶融させた後、成分(A)例えば溶融させた成分(A)を他の成分と、例えばテトラウレアグリースを調製する場合には本明細書に記載されている通りに第2の供給成分(B)および(C)、またはジウレアグリースを調製する場合には本明細書に記載されている通りに第2の供給成分(D)および第3の供給成分(E)、またはトリウレアウレタングリースを調製する場合には本明細書に記載されている通りに第2の供給成分(F)および第3の供給成分(G)と接触させてもよい。使用される成分が、溶融相、液相、またはこれらの組合せである場合、本発明の反応(複数可)をより良く制御することができることが判明した。
例えば、テトラウレアグリースを調製する場合、第2の供給ゾーンへ提供されることになっている成分は、本明細書に記載されている通り、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビルを含む。)を有するモノアミンを含む第2の供給成分(B)と、本明細書に記載されている通り、式NH2R3NH2(式中、R3は、2から12個の炭素原子を含むヒドロカルビレンまたは2から12個の炭素原子を含むポリオキシヒドロカルビレンを含む。)を有するジアミンを含む別の第2の供給成分(C)とを含んでもよい。第2の供給成分(B)および第2の供給成分(C)は、第2の供給ゾーンにブレンドとして添加または注入されることが好ましい。第2の供給成分(B)および(C)は、基油の存在下で第2の供給ゾーンへ提供されるのが好ましい。例えば、基油は、第2の供給成分として含まれていてもよい。
例えば、ジウレアグリースを調製する場合、第2の供給ゾーンへ提供されることになっている成分は、本明細書に記載されている通り、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビルを構成する。)を有するモノアミンを含む第2の供給成分(D)を含んでもよく、第3の供給ゾーンへ提供されることになっている成分は、本明細書に記載されている通り、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビルを含む。)を有するモノアミンを含む第3の供給成分(E)を含んでもよい。例えば、第2の供給成分(D)は、基油の存在下で第2の供給ゾーンへ提供され、第3の供給成分(E)は、基油の存在下で、第3の供給ゾーンへ提供される。例えば、基油は、第2の供給成分としておよび第3の供給成分として含まれていてもよい。
本発明の方法を利用してジウレアグリースを調製する場合、第2の供給成分(D)および第3の供給成分(E)の供給点を分離または分割することにより、第2の供給成分(D)および第3の供給成分(E)を同じ供給点で加える場合と比べて、反応の選択性が改善され得ることが判明した。
例えば、トリウレアウレタングリースを調製する場合、第2の供給ゾーンへ提供されることになっている成分は、本明細書に記載されている通り、アルコール、例えば、1−オクタデカノール(ステアリルアルコール)を含む第2の供給成分(F)を含んでもよく、第3の供給ゾーンへ提供されることになっている成分は、本明細書に記載されている通り、基油の存在下で、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビルを含む。)を有するモノアミン、例えば、1−オクタデシルアミン(牛脂アミンとも呼ばれている)と、式NH2R3NH2(式中、R3は、2から12個の炭素原子を含むヒドロカルビレンまたは2から12個の炭素原子を含むポリオキシヒドロカルビレンを含む。)を有するジアミン、例えば、エチレンジアミン(EDA)とを含む第3の供給成分(G)を含んでもよい。また例えば、第3の供給成分(G)は、本明細書に記載されている通り、第3の供給成分と第4の供給成分へ分離されてもよい。
また例えば、第2の供給成分(F)は、基油の存在下で、第2の供給ゾーンへ提供されてもよく、第3の供給成分(G)は、基油の存在下で、第3の供給ゾーンへと提供されてもよい。例えば基油は、第2の供給成分としておよび第3の供給成分として含まれていてもよい。
成分を供給ゾーンへ投入することは、本発明の方法が適切に得られる任意の手段により行うことができる。供給ゾーンへ成分を投入するための適切な手段の例は、ポンプ(例えば、液体供給成分を利用する場合)、重量測定型供給装置、容積測定型供給装置およびこれらの組合せを含む。適切な市販のポンプの例としては、Maag Pump Systems Textron A.G.、Zurich、Switzerlandから市販のCipexギアポンプが挙げられる。適切な市販の重量測定型供給装置の例としては、K−Tron International、Inc.、Pitman、New Jersey、USAから市販のK−Tron重量測定型供給装置およびBrabender Technologie KG、Duisburg、Germanyから市販のBrabender重量測定型供給装置が挙げられる。固体供給成分を利用する場合、固体供給成分は、オーガー式供給装置を装着し得るホッパ型供給装置へ導入してもよい。
様々なゾーンにおける圧力は、本発明の方法が得られる任意の適切な圧力でよい。様々なゾーンにおける圧力は、一般的にスループット、スクリューエレメント、またはこれらの組合せの結果であってよい。
第1の供給ゾーンの温度は、第1の供給成分の供給が得られる任意の適切な温度でよい。第1の供給ゾーンの温度は、一般的に40℃から100℃の範囲、好ましくは50℃から90℃の範囲、より好ましくは60℃から80℃の範囲である。
テトラウレアグリースを調製する場合、第2の供給ゾーンの温度は、第2の供給成分の供給が得られる任意の適切な温度でよい。テトラウレアグリースを調製する場合、第2の供給ゾーンの温度は、一般的に50℃から110℃の範囲、好ましくは60℃から100℃の範囲、より好ましくは70℃から90℃の範囲である。
ジウレアグリースを調製する場合、第2の供給ゾーンの温度は、第2の供給成分の供給が得られる任意の適切な温度でよい。ジウレアグリースを調製する場合、第2の供給ゾーンの温度は、一般的に50℃から110℃の範囲、好ましくは60℃から100℃の範囲、より好ましくは70℃から90℃の範囲である。
ジウレアグリースを調製する場合、第3の供給ゾーンの温度は、第3の供給成分の供給が得られる任意の適切な温度でよい。ジウレアグリースを調製する場合、第3の供給ゾーンの温度は、一般的に120℃から180℃の範囲、好ましくは130℃から170℃の範囲、より好ましくは140℃から160℃の範囲である。
トリウレアウレタングリースを調製する場合、第2の供給ゾーンの温度は、第2の供給成分の供給が得られる任意の適切な温度でよい。トリウレアウレタングリースを調製する場合、第2の供給ゾーンの温度は、一般的に20℃から110℃の範囲、好ましくは60℃から100℃の範囲、より好ましくは70℃から90℃の範囲である。
トリウレアウレタングリースを調製する場合、第3の供給ゾーンの温度は、第3の供給成分の供給が得られる任意の適切な温度でよい。トリウレアウレタングリースを調製する場合、第3の供給ゾーンの温度は一般的に、50℃から130℃の範囲、好ましくは60℃から100℃の範囲、より好ましくは65℃から80℃の範囲である。
供給ゾーンは、成分の供給を行うゾーンである。供給ゾーン、例えば、第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーンおよび存在する場合には、第3の供給ゾーンは、例えばスクリューエレメントまたはスクリューエレメントの組合せを含んでもよい。第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーンおよび存在する場合には、第3の供給ゾーン内のスクリューエレメントの区域は、例えば、小さなピッチの搬送エレメント、大きなピッチの搬送エレメントおよびこれらの組合せを含んでもよい。第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーンおよび存在する場合には、第3の供給ゾーン内の搬送エレメントは、例えば装置のサイズ、スクリューエレメントの直径およびこれらの組合せを含めた要素に依存し得る。第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーンおよび存在する場合には、第3の供給ゾーンのエレメントの例として、28/14、28/28、42/21、42/42、25/25、40/40、40/60、60/30および60/60が挙げられる。エレメントの最初の数字は、ピッチを表し、エレメントの2番目の数字は、長さを表す。例えば、搬送エレメント28/14は、ピッチが28ミリメータ(mm)、長さが14mmのエレメントを表す。
第1の反応混合ゾーンは、成分の第1の反応混合を適切に行うゾーンである。第1の反応混合ゾーンにおける反応混合(本明細書中では第1の反応混合と呼ばれている)により、供給成分の反応および混合が行われる。例えば、テトラウレアグリースを調製する場合、第1の反応混合ゾーンにおける第1の反応混合により、第1の供給成分(A)、第2の供給成分(B)および第2の供給成分(C)の反応および混合が行われる。また例えば、ジウレアグリースを調製する場合、第1の反応混合ゾーンにおける第1の反応混合により、第1の供給成分(A)および第2の供給成分(D)の反応および混合が行われる。また例えば、トリウレアウレタングリースを調製する場合、第1の反応混合ゾーンにおける第1の反応混合により、第1の供給成分(A)および第2の供給成分(F)の反応および混合が行われる。第1の反応混合ゾーンにおける反応および混合は、同時に、別々に、またはこれらの組合せにより生じてもよい。例えば、供給成分が同時に反応および混合されてもよい。また例えば、供給成分の反応が起こり、続いて供給成分の反応によりもたらされた、生成した組成物の混合が行われてもよい。第1の反応混合ゾーンにおける第1の反応混合により、この生成した組成物の剪断が行われてもよい。
第1の反応混合ゾーンにおける第1の反応混合は、本発明の方法が適切に得られる任意の手段を用いて行われてもよい。第1の反応混合ゾーンにおける第1の反応混合に対して適切な手段の例は、スクリューエレメントおよびスクリューエレメントの組合せを含む。
第1の反応混合ゾーンの温度は、成分の反応混合が得られる任意の適切な温度であってよい。第1の反応混合ゾーンの温度は、一般的に、50℃から200℃の範囲、好ましくは70℃から190℃の範囲、より好ましくは80℃から180℃の範囲である。
第2の反応混合ゾーンが存在する場合、例えば、ジウレアグリースまたはトリウレアウレタングリースを調製する場合、第2の反応混合ゾーンは、成分の反応混合を適切に行う。第2の反応混合ゾーンにおける反応混合(本明細書中において第2の反応混合と呼ばれている)により、供給成分の反応および混合が行われる。例えば、ジウレアグリースを調製する場合、第2の反応混合ゾーンにおける第2の反応混合により、第1の供給成分(A)、第2の供給成分(D)および第3の供給成分(E)の反応および混合が行われてもよい。例えば、トリウレアウレタングリースを調製する場合、第2の反応混合ゾーンにおける第2の反応混合により、第1の供給成分(A)、第2の供給成分(F)および第3の供給成分(G)の反応および混合が行われてもよい。第2の反応混合ゾーンにおける第2の反応混合により、この生成した組成物の剪断が行われてもよい。第2の反応混合ゾーンにおける反応および混合は、同時に、別々に、またはこれらの組合せにより生じてもよい。例えば、成分が同時に反応および混合されてもよい。また例えば、成分の反応が起こり、続いて成分の反応によりもたらされた、生成した組成物の混合が行われてもよい。第2の反応混合ゾーンにおける第2の反応混合により、この生成した組成物の剪断が行われてもよい。
また例えば、ジウレアグリースまたはトリウレアウレタングリースを調製する場合に利用される第3の供給ゾーンおよび第2の反応混合ゾーンは、テトラウレアグリースを調製する場合には存在しないこともある、または存在していても利用しないこともある、または存在していて、テトラウレアグリース調製する場合に、1つまたは複数の混合ゾーンとして利用することもある。
第2の反応混合ゾーンにおける第2の反応混合は、本発明の方法が適切に得られる任意の手段を用いて提供されてもよい。第2の反応混合ゾーンにおける第2の反応混合に対する適切な手段の例は、スクリューエレメントおよびスクリューエレメントの組合せが挙げられる。
第2の反応混合ゾーンの温度は、成分の第2の反応混合が得られる任意の適切な温度でよい。第2の反応混合ゾーンの温度は、一般的に110℃から200℃の範囲、好ましくは150℃から200℃の範囲、より好ましくは170℃から190℃の範囲である。
第1の反応混合ゾーンおよび存在する場合、第2の反応混合ゾーン内のスクリューエレメントの区域は、例えば、小さなピッチの搬送エレメント、大きなピッチの搬送エレメント、通常の混練エレメント、逆回転混練エレメント、混合エレメント、アンダーカット型搬送エレメント、スペーサーおよびこれらの組合せを含んでもよい。第1の反応混合ゾーンおよび第2の反応混合ゾーンにおけるエレメント、スペーサーおよびこれらの組合せは、例えば装置のサイズ、スクリューエレメントの直径およびこれらの組合せを含めた要素に依存し得る。第1の反応混合ゾーンおよび第2の反応混合ゾーンにおける搬送エレメントの例は、28/14、28/28、42/21、42/42、25/25、40/40、40/60、60/30、および60/60を含む。第1の反応混合ゾーンおよび第2の反応混合ゾーンにおける混練エレメントの例は、KB 45/5/14、KB 45/5/14 Li、KB 45/5/20、KB 45/5/28、KB 45/5/20 LiおよびKB 45/5/40を含む。第1の反応混合ゾーンおよび第2の反応混合ゾーンにおける混合エレメントの例は、ZME 6.5/13、TME/60およびSME 42/42を含む。第1の反応混合ゾーンおよび第2の反応混合ゾーンにおけるアンダーカット型搬送エレメントの例は、42/21SKおよび42/42SKを含む。エレメントが3つの数字で記載されている場合、最初の数字は、傾斜角度(度)を表し、2番目の数字は、ディスクの数を表し、3番目の数字は、長さを表す。KBは、混練ブロックを表し、ZMEは、歯混合エレメントを表し、TMEは、タービン混合エレメントを表し、SMEは、スクリュー混合エレメントを表す。アンダーカット型搬送エレメントを利用する場合、転移エレメント、例えば、42/21SKNを利用することによって、アンダーカット型エレメントの底の部分を標準の自動拭き取り型エレメントの輪郭形状へとスムーズに転移させることもできる。
冷却混合ゾーン、例えば本発明の方法の冷却混合ゾーンおよび存在する場合には、第2の冷却混合ゾーンにより、組成物の冷却、好ましくは組成物の冷却および混合を行ってもよい。冷却混合ゾーンにおける冷却混合(本明細書中では第1の冷却混合とも呼ばれている)により、冷却した組成物が提供され、さらにこのプロセスにおいて、組成物、例えばウレアグリース基剤を得ることができる位置までこの冷却した組成物を移送することもできる。存在する場合、第2冷却混合ゾーンにおける冷却混合(本明細書中では第2の冷却混合とも呼ばれている)により、冷却した組成物が提供され、さらにこのプロセスにおいて、組成物、例えば、ウレアグリース完成品を得ることができる位置までこの冷却した組成物を移送することもできる。1種または複数の添加剤が、冷却混合ゾーン、または冷却混合ゾーンの後ろで、つまり冷却混合ゾーンの外側で例えばウレアグリース加工装置を用いて提供されることによって、ウレアグリース完成品を提供することもできる。また例えば、添加剤供給ゾーン(例えば、オイル供給ゾーンを用いて、1種または複数の添加剤を添加する。)、続いて添加剤混合ゾーン(例えば、混合ゾーンを用いて)、続いて第2の冷却混合ゾーンを、ウレアグリース加工装置の代わりに利用することによって、ウレアグリース完成品を得ることもできる。
冷却混合ゾーンにおける冷却混合、および存在する場合、第2の冷却混合ゾーンにおける第2の冷却混合を行うことによりさらに移送が行われる場合、この移送は、本発明の方法が適切に得られる任意の手段を用いて行ってもよい。冷却混合ゾーン、および存在する場合、第2の冷却混合ゾーンにおける移送のための適切な手段の例は、スクリューエレメントおよびスクリューエレメントの組合せを含む。第1の冷却混合ゾーンにおける冷却混合、および存在する場合、第2の冷却混合ゾーンにおける第2の冷却混合により、生成した組成物の剪断が行われてもよい。第1の冷却混合ゾーンにおける冷却および混合は、同時に、別々に、またはこれらの組合せにより起こり得る。存在する場合、第2の冷却混合ゾーンにおける冷却および混合は、同時に、別々に、またはこれらの組合せにより起こり得る。
冷却混合ゾーンの温度は、冷却混合が得られる任意の適切な温度でよい。冷却混合ゾーンの温度は、一般的に30℃から120℃の範囲、好ましくは40℃から110℃の範囲、より好ましくは50℃から100℃の範囲である。
存在する場合、第2の冷却混合ゾーンの温度は、第2の冷却混合が得られる任意の適切な温度でよい。第2の冷却混合ゾーンの温度は、一般的に30℃から110℃の範囲、好ましくは40℃から100℃の範囲、より好ましくは50℃から90℃の範囲である。
冷却混合ゾーン内、および存在する場合、第2の冷却混合ゾーン内のスクリューエレメントの区域は、例えば小さなピッチの搬送エレメント、大きなピッチの搬送エレメント、通常の混練エレメント、逆回転混練エレメント、混合エレメント、アンダーカット型搬送エレメント、スペーサーおよびこれらの組合せを含んでもよい。冷却混合ゾーンおよび第2の冷却混合ゾーン内のこれらのエレメント、スペーサーおよびこれらの組合せは、例えば、装置のサイズ、スクリューエレメントの直径、およびこれらの組合せを含めた要素に依存し得る。冷却混合ゾーンおよび第2の冷却混合ゾーンにおける搬送エレメントの例は、28/14、28/28、42/21、42/42、25/25、40/40、40/60、60/30および60/60を含む。冷却混合ゾーンおよび第2の冷却混合ゾーンにおける混練エレメントの例は、KB 45/5/14、KB 45/5/14 Li、KB 45/5/20、KB 45/5/28、KB 45/5/20 LiおよびKB 45/5/40を含む。冷却混合ゾーンおよび第2の冷却混合ゾーンにおける混合エレメントの例は、ZME 6.5/13、TME/60およびSME 42/42を含む。冷却混合ゾーンおよび第2の冷却混合ゾーンにおけるアンダーカット型搬送エレメントの例は、42/21SKおよび42/42SKを含む。アンダーカット型搬送エレメントを利用する場合、転移エレメント、例えば42/21SKNを利用することによって、アンダーカット型エレメントの底の部分を標準の自動拭き取り型エレメントの輪郭形状へとスムーズに転移させることもできる。
また例えば、本発明の方法はウレアグリースからガスを抜き取ることをさらに含む。例えば、冷却混合ゾーン、および存在する場合、第2の冷却混合ゾーン、またはこれら組合せは、ガス抜きしたウレアグリース基剤、ガス抜きしたウレアグリース完成品、またはこれらの組合せを提供するためのガス抜き装置を含んでもよい。ウレアグリースからの空気、ガスまたはこれらの組合せを抜き取ることができるいかなるガス抜き装置も利用し得る。
また例えば、生成されたウレアグリースが、さらなる冷却、混合、またはこれらの組合せが所望されない温度および組成である場合、この冷却混合ゾーンおよび存在する場合、第2の冷却混合ゾーンは、ウレアグリースを得ることができる位置にこのウレアグリースを搬送または輸送するために使用してもよい。
脱気ゾーンは、本発明の方法のオプションである。例えば、テトラウレアグリースを調製する場合、脱気ゾーンは、第1の反応混合ゾーンの後に存在してもよい。また例えば、ジウレアグリースまたはトリウレアウレタングリースを調製する場合、脱気ゾーンは、第2の反応混合ゾーンの後に存在してもよい。脱気ゾーンを利用する場合、脱気ゾーンにおける脱気は、成分、例えば二酸化炭素の脱気を行うことによって、脱気した組成物を得ることができる。二酸化炭素は、供給成分内に存在し得る水から形成されることもある。脱気ゾーンでの脱気は、本発明の方法が適切に得られる任意の手段を用いて行ってよい。脱気ゾーンにおける脱気に適切な手段の例として、大気の脱気、軽い真空脱気およびこれらの組合せが挙げられる。脱気ゾーンにおける脱気に好ましい手段は、軽い真空脱気の使用を含んでもよい。
脱気ゾーンが存在する場合、脱気ゾーンの温度は、脱気が得られる任意の適切な温度でよい。脱気ゾーンの温度は、一般的に130℃から190℃の範囲、好ましくは140℃から190℃の範囲、より好ましくは150℃から185℃の範囲である。
脱気ゾーンは、例えばスクリューエレメントまたはスクリューエレメントの組合せを含んでもよい。脱気ゾーン内のスクリューエレメントの区域は、例えば、小さなピッチの搬送エレメントまたは大きなピッチの搬送エレメントを含んでもよい。脱気ゾーン内のエレメントは、例えば装置のサイズ、スクリューエレメントの直径およびこれらの組合せを含めた要素に依存し得る。脱気ゾーンにおける搬送エレメントの例は、28/14、28/28、42/21、42/42、25/25、40/40、40/60、60/30および60/60を含む。
混合ゾーンは、本発明の方法のオプションである。例えば、ウレアグリースを調製する場合、混合ゾーンは、脱気ゾーン、オイル供給ゾーン、添加剤供給ゾーンまたはこれらの組合せの後、つまり下流に存在し得る。テトラウレアグリースの調製に脱気ゾーンを利用する場合、例えば第1の反応混合ゾーンの下流にある脱気ゾーンを利用する場合、混合ゾーンは、脱気ゾーンの下流で利用し得る。ジウレアグリースまたはトリウレアウレタングリースの調製に脱気ゾーンを利用する場合、例えば、第2の反応混合ゾーンの下流で脱気ゾーンを利用する場合、混合ゾーンは、脱気ゾーンの下流で利用し得る。
混合ゾーンにおける混合に適切な手段の例は、スクリューエレメントおよびスクリューエレメントの組合せを含む。混合ゾーンにおける混合により、組成物の冷却をさらに行ってもよい。混合ゾーンにおける混合により、組成物の移送、組成物の冷却またはこれらの組合せを行ってもよい。混合ゾーンにおける混合により、繊維質の形成を得ることができる組成物の剪断を行ってもよい。
混合ゾーン内のスクリューエレメントの区域は、例えば、小さなピッチの搬送エレメント、大きなピッチの搬送エレメント、通常の混練エレメント、逆回転混練エレメント、混合エレメント、アンダーカット型搬送エレメント、スペーサーおよびこれらの組合せを含んでもよい。混合ゾーン内のエレメント、スペーサーおよびこれらの組合せは、例えば、装置のサイズ、スクリューエレメントの直径およびこれらの組合せを含めた要素に依存し得る。混合ゾーン内の搬送エレメントの例は、28/14、28/28、42/21、42/42、25/25、40/40、40/60、60/30および60/60を含む。混合ゾーン内の混練エレメントの例は、KB 45/5/14、KB 45/5/14 Li、KB 45/5/20、KB 45/5/28、KB 45/5/20 LiおよびKB 45/5/40を含む。混合ゾーン内の混合エレメントの例は、ZME 6.5/13、TME/60およびSME 42/42を含む。混合ゾーン内のアンダーカット型搬送エレメントの例は、42/21SKおよび42/42SKを含む。アンダーカット型搬送エレメントを利用する場合、転移エレメント、例えば42/21SKNを利用することによって、アンダーカット型エレメントの底の部分を標準の自動拭き取り型エレメントの輪郭形状へとスムーズに転移させることもできる。
混合ゾーンの温度は、混合が得られる任意の適切な温度でよい。混合ゾーンの温度は、一般的に80℃から200℃の範囲、好ましくは90℃から190℃の範囲、より好ましくは100℃から180℃の範囲である。
オイル供給ゾーンは、本発明の方法のオプションである。例えば、十分な量の基油が供給ゾーン、例えば第1の供給ゾーン、第2の供給ゾーンおよび存在する場合には、第3の供給ゾーンに提供される場合、オイル供給ゾーンは不必要となり得る。
また例えば、追加のウレアグリース加工装置、例えば、ホモジナイザー、静置型混合機、スクリーンパックおよびこれらの組合せを利用することによりウレアグリース完成品を得る場合、オイル供給ゾーン(添加剤供給ゾーンとして利用される)、続いて混合ゾーン、続いて第2の冷却混合ゾーンは不必要となり得る。
基油の投入は、本発明の方法が適切に得られる任意の手段によって提供され得る。オイル供給ゾーンへ基油を投入するための適切な手段の例は、ポンプを含む。オイル供給のための適切な市販のポンプの例は、Maag Pump Systems Textron A.G.、Zurich、Switzerlandから市販のCipexギアポンプを含む。
オイル供給ゾーンが存在する場合、オイル供給ゾーンにおけるオイル供給により、オイル供給ゾーンの後、つまり下流に位置するゾーンへの組成物の移送をさらに行うことができる。オイル供給ゾーンにおけるオイル供給によりさらなる移送が行われる場合、この移送は、本発明の方法が適切に得られる任意の手段を用いて行われてよい。オイル供給ゾーンにおける移送の適切な手段の例は、スクリューエレメントおよびスクリューエレメントの組合せを含む。オイル供給ゾーンにおけるオイル供給により、組成物の冷却をさらに行うこともできる。オイル供給ゾーンにおけるオイル供給により、組成物の移送と冷却を両方行うこともできる。
オイル供給ゾーン内のスクリューエレメントの区域は、例えば、小さなピッチの搬送エレメント、大きなピッチの搬送エレメント、通常の混練エレメント、逆回転混練エレメント、混合エレメント、アンダーカット型搬送エレメント、スペーサーおよびこれらの組合せを含んでもよい。オイル供給ゾーン内の搬送エレメント、スペーサーおよびこれらの組合せは、例えば装置のサイズ、スクリューエレメントの直径およびこれらの組合せを含めた要素に依存し得る。オイル供給ゾーンにおけるエレメントの例は、28/14、28/28、42/21、42/42、25/25、40/40、40/60、60/30および60/60を含む。オイル供給ゾーンにおける混練エレメントの例は、KB 45/5/14、KB 45/5/14 Li、KB 45/5/20、KB 45/5/28、KB 45/5/20 LiおよびKB 45/5/40を含む。オイル供給ゾーンにおける混合エレメントの例は、ZME 6.5/13、TME/60およびSME 42/42を含む。オイル供給ゾーンにおけるアンダーカット型搬送エレメントの例は、42/21SKおよび42/42SKを含む。アンダーカット型搬送エレメントを利用する場合、転移エレメント、例えば42/21SKNを利用することによって、アンダーカット型エレメントの底の部分を標準の自動拭き取り型エレメントの輪郭形状へとスムーズに転移させることもできる。
オイル供給ゾーンの温度は、オイルの供給が得られる任意の適切な温度でよい。オイル供給ゾーンの温度は、一般的に50℃から150℃の範囲、好ましくは60℃から140℃の範囲、より好ましくは70℃から130℃の範囲である。オイル供給ゾーンの温度は、オイル供給ゾーンの位置に関係し得る。例えば、第1の反応混合ゾーンまたは存在する場合、第2の反応混合ゾーンの近くに位置するオイル供給ゾーンは、冷却混合ゾーンの近くに位置するオイル供給ゾーンよりも高い温度にしてもよい。
オイル供給ゾーンを利用する場合、このオイル供給ゾーンの後に混合ゾーンが続いてもよい。つまり、混合ゾーンはオイル供給ゾーンの下流であってよい。オイル供給ゾーンの下流にある混合ゾーンにより、オイル供給ゾーン内に存在するオイルと、成分または組成物との混合を行うことができる。加わる可能性のあるオイルの量に応じて、オイル供給ゾーンと、続いて混合ゾーンとを1回または複数回繰り返してもよい。また例えば、オイル供給ゾーンおよび混合ゾーンは、組み合わせて、オイル供給および混合のための1つのゾーンとしてもよい。
本明細書中に記載されている様々なゾーンの温度は、当分野で知られている、熱交換に適切な任意の手段により維持されてもよい。熱交換の適切な手段の例は、電気ヒーター、燃料ヒーター、セラミックヒーター、calrodヒーター、コイル式ヒーターおよびこれらの組合せが挙げられる。熱交換のための好ましい手段は、電気ヒーターである。
例えば、様々なゾーンがバレルを含む場合、熱交換のための手段は、選択した熱伝達媒体を運ぶためのバレル内の通路、例えば、管、チャンバー、内側の空洞およびこれらの組合せを一般的に含んでよい。熱交換のための手段は、電気ヒーター、例えば、calrodヒーターまたはコイル式ヒーターであってよい。熱交換のための手段は一般的に、スクリューエレメントを収容している内側の空洞また中央の開口の回りに、各バレルの外周または各バレルと隣接して位置している。熱交換のためのそのような手段は、中央の開口に近いことが好ましいが、コイルのような形式で、例えば、絶縁処理を施した電気ヒーターのように、個々のバレルの外側の部分の周りに配置されてもよい。熱交換のための手段はまた、スクリューエレメントのシャフト内またはシャフトに沿って配置されてもよい。熱交換に好ましい種類の手段は、熱伝達媒体を運ぶ通路である。任意の流体、例えば、水、石油およびこれらの組合せを熱伝達媒体として使用することができ、熱伝達媒体の選択は、本発明の方法において、所望される特定の温度および処理しやすさに依存することになる。熱交換のための手段は、加熱、冷却またはこれらの組合せのために提供することができる。
本明細書中に記載されているゾーンは、本発明の方法が得られる任意の適切な構造体を含むことができる。適切な構造体の例は、反応容器、一連の個々のバレル、およびこれらの組合せを含む。好ましい構造体は、一連の個々のバレルを含む。より好ましい構造体は、互いに隣接し合い、縦方向に連結されることによって、異なる作業ステップを連続して実施することが可能な一連の個々のバレルを含む。一般的に一連の個々のバレルは、一連の個々のバレルの全長にわたり設置されるスクリューエレメントまたはスクリューエレメントの組合せを収容している。
適切なスクリューエレメントの例として、1軸スクリューエレメント、逆方向回転型構成での2軸スクリューエレメントおよび同方向回転型構成での2軸スクリューエレメントが挙げられる。スクリューエレメントは、同方向回転型構成での2軸スクリューエレメントを含むことが好ましい。本発明の方法を得ることができる任意の市販の2軸スクリュー同方向回転型押出機を利用してもよい。また、本発明の方法を得ることができる任意の市販の2軸ローター連続混合機を利用してもよい。
本発明の方法の一実施形態は、押出機を利用することを含んでもよい。本発明の装置の一実施形態は、押出機を含んでもよい。
本発明の方法によるウレアグリースを調製するのに適切な市販の2軸スクリュー同方向回転型押出機の例として、Coperion Werner and Pfleiderer、Stuttgart、Germanyから市販の、40mm、2軸スクリュー同方向回転型押出機(モデル番号:ZSK40MC)、Coperion Werner and Pfleiderer、Stuttgart、Germanyから市販の、34mm、Mega Volume2軸スクリュー同方向回転型押出機(モデル番号:ZSK34MV)、Coperion Werner and Pfleiderer、Stuttgart、Germanyから市販の、62mm、2軸スクリュー同方向回転型押出機(モデル番号:ZSK62)およびCoperion Werner and Pfleiderer、Stuttgart、Germanyから市販の、125mm、2軸スクリュー同方向回転型押出機(モデル番号:ZSK125)が挙げられる。
適切な市販の連続混合機の例として、Farell Corporation、Ansonia、Connecticut、USAから市販のFCMおよび日本製鋼所、広島、日本から市販のCMPおよびCIMシリーズが挙げられる。
本発明の一実施形態のスクリューエレメントは、本明細書中に記載されている通り、様々なゾーンにおいて実行される様々なプロセスを行うために助けとなり得る、異なるサイズ、形状、角度および構成の様々な部分を含んでもよい。様々な部分を含むスクリューエレメントによって、スクリューエレメントの様々なサイズ、形状、角度、および構成を選択することにより、スクリューエレメントの全長にわたって実行されることになる、ゾーンの様々なプロセスが提供されてもよい。
スクリューエレメントを利用する場合、本発明の装置は、スクリューエレメントを駆動する手段をさらに含む。スクリューエレメントを駆動する手段は、本発明の方法が得られる任意の適切な手段でよい。スクリューエレメントを駆動する適切な手段の例として、電気モーターおよび燃料モーターが挙げられる。スクリューエレメントを駆動する好ましい手段は、電気モーターである。
本発明の装置がスクリューエレメントを含む場合、スクリュー速度は、ウレアグリースを提供するための本発明の方法が適切に得られる任意の速度でよい。スクリュー速度は、一般的に毎分50回転(rpm)から1200rpmの範囲、好ましくは250rpmから700rpmの範囲、より好ましくは300rpmから600rpmの範囲である。
本発明の装置を通る成分のスループットの総速度は一般的に、例えば生産されるウレアグリースの量、装置のサイズ、スクリューエレメントの直径およびこれらの組合せを含めた要素に依存する。例えば市販の小型の2軸スクリュー同方向回転型押出機では、成分のスループットの速度が低い可能性があるのに対し、市販の大型の2軸スクリュー同方向回転型押出機では、成分のスループットの速度はより高い可能性がある。
本発明の装置が、互いに隣接し合い、縦方向に連結されることによって、異なる作業ステップを連続して実施することが可能であり、一連の個々のバレルの全長にわたり設置されているスクリューエレメントを収容している、個々のバレルを含んでいる場合、バレルの数は、本発明の方法が適切に得られる任意の数でよい。バレルのサイズおよび数は、一般的に、例えば調製される組成物の量、組成物を生成する速度、スクリューエレメントのサイズ、実行されるプロセスステップの数およびこれらの組合せを含めた様々な要素に依存する。
本発明の方法によるウレアグリースを調製する場合に利用するバレルの数は、一般的に、5バレルから25バレルの範囲、好ましくは7バレルから20バレルの範囲、より好ましくは10バレルから18バレルの範囲である。ウレアグリース基剤の調製における使用のための、本発明の好ましい装置は、15台のバレルを含む。ウレアグリース完成品の調製における使用のための、本発明の好ましい装置は、18台のバレルを含む。ウレアグリース完成品を調製するための装置は、添加剤供給ゾーン(例えば、オイルに加えて、またはオイルの代わりに1種または複数の添加剤を添加するのに使用されるオイル供給ゾーン)、続いて混合ゾーン、続いて第2の冷却混合ゾーンを含んでもよい。
本発明の方法に従って調製したウレアグリースの保存および移送は、当分野で使用されている、ウレアグリースの保存および移送の任意の温度および技法を利用して実行することができる。保存および移送の例として、ドラム缶、ペール缶、運搬用容器およびこれらの組合せの使用が挙げられ、一般的には耐腐蝕性のライナーが付いている。保存寿命は、不活性雰囲気、例えば、窒素またはアルゴン下で保存することにより増加し得る。
図1から図4は、本発明の1つまたは複数の実施形態を開示している。明確にするため、ウレアグリースの調製において利用される典型的な構成要素、例えば、パイプ、バルブ、計量デバイス、ポンプ、制御装置およびこれらの組合せは、全般的に省略されている。図1から図4では、1つに組み合わせられた流路を用いた流れ(複数可)を開示していることもあるが、分離した個々の流路を利用することもできる。
図1を参照すると、ウレアグリース、例えばテトラウレアグリースを調製するための一連のゾーン10が開示されている。点線は、存在していて利用してもよい、存在していて利用しなくてもよい、または存在しなくてもよい、場合によるゾーンおよび流路を示している。第1の供給成分は、12を介して第1の供給ゾーン36へと導入される。第1の供給ゾーン36からの第1の供給成分は、14を介して第2の供給ゾーン38へ送られ、この第2の供給ゾーン38で第2の供給成分が導入される。第2の供給ゾーン38から得られた組成物は、16を介して第1の反応混合ゾーン40へ送られ、第1の反応組成物が得られる。第1の反応混合ゾーン40からのこの第1の反応組成物は、58を介して冷却混合ゾーン50へ送られ、冷却した組成物が得られる。次いで60を介して冷却した組成物が得られる。場合によって、この第1の反応組成物は、18を介して第1の反応混合ゾーン40から脱気ゾーン42へ送られ、脱気した組成物が得られる。脱気した組成物は、62を介して脱気ゾーン42から冷却混合ゾーン50へと送られてもよい。次いで60を介して冷却した組成物を得ることができる。また場合によって、第1の反応組成物は、64を介して第1の反応混合ゾーン40から第1の混合ゾーン44へ送られてもよい。第1の混合ゾーン44から得られた組成物は、66を介して冷却混合ゾーン50へ送られてもよい。次いで60を介して冷却した組成物を得ることができる。また場合によって、第1の反応組成物は、68を介して第1の反応混合ゾーン40からオイル供給ゾーン46へ送られてもよい。オイル供給ゾーン46から得られた組成物は、24を介して第2の混合ゾーン48へ送られてもよい。第2の混合ゾーン48から得られた組成物は、26を介して冷却混合ゾーン50へ送られてもよい。次いで60を介して冷却した組成物を得ることができる。また場合によって、第1の反応組成物は、18を介して第1の反応混合ゾーン40から脱気ゾーン42へ送られ、脱気した組成物を得ることができる。脱気した組成物は、70を介して脱気ゾーン42からオイル供給ゾーン46へ送られてもよい。オイル供給ゾーン46から得られた組成物は、24を介して第2の混合ゾーン48へ送られてもよい。第2の混合ゾーン48から得られた組成物は、26を介して冷却混合ゾーン50へ送られてもよい。次いで60を介して冷却した組成物を得ることができる。また場合によって、第1の反応組成物は、18を介して第1の反応混合ゾーン40から脱気ゾーン42へ送られ、脱気した組成物を得ることができる。脱気した組成物は、20を介して脱気ゾーン42から第1の混合ゾーン44へ送られてもよい。第1の混合ゾーン44から得られた組成物は、22を介してオイル供給ゾーン46へ送られてもよい。オイル供給ゾーン46から得られた組成物は、24を介して第2の混合ゾーン48へ送られてもよい。第2の混合ゾーン48から得られた組成物は、26を介して冷却混合ゾーン50へ送られてもよい。次いで60を介して冷却した組成物を得ることができる。また例えば、オイル供給ゾーン46および第2の混合ゾーン48を組み合わせることによって、オイルの供給および混合を行ってもよい1つのゾーンとすることもできる。
また場合によって、60を介して冷却混合ゾーン50から冷却した組成物を得る代わりに、または得ることに加え、この冷却した組成物が、28を介して、冷却混合ゾーン50から第2のオイル供給ゾーン52へ送られてもよい。例えば、ウレアグリース完成品を得るために、1種または複数の添加剤を加える場合、第2のオイル供給ゾーン52を、添加剤供給ゾーン52と呼ぶこともできる。第2のオイル供給ゾーン52から得られた組成物は、30を介して第3の混合ゾーン54(1種または複数の添加剤を加える場合、添加剤混合ゾーン54と呼ぶこともできる)へ送られてもよい。第3の混合ゾーン54から得られた組成物は、32を介して第2の冷却混合ゾーン56へ送られ、第2の冷却した組成物を得ることができる。次いで34を介して第2の冷却した組成物を得ることができる。また例えば、第2のオイル供給ゾーン52および第3の混合ゾーン54を組み合わせることによって、オイルの供給、添加剤の供給またはこれらの組合せ、および混合を行ってもよい1つのゾーンとすることもできる。
図2を参照すると、ウレアグリース、例えばジウレアグリースまたはトリウレアウレタングリースを調製するための一連のゾーン110が開示されている。点線は、存在していて利用してもよい、存在していて利用しなくてもよい、または存在しなくてもよい、場合によるゾーンおよび流路を示している。第1の供給成分は、112を介して第1の供給ゾーン140へ導入される。第1の供給ゾーン140からの第1の供給成分は、114を介して第2の供給ゾーン142へ送られ、この第2の供給ゾーン142で第2の供給成分が導入される。第2の供給ゾーン142から得られた組成物は、116を介して第1の反応混合ゾーン144へ送られ、第1の反応組成物が得られる。第1の反応混合ゾーン144からの第1の反応組成物は、118を介して第3の供給ゾーン146へ送られ、この第3の供給ゾーン146で第3の供給成分が導入される。第3の供給ゾーン146から得られた組成物は、120を介して第2の反応混合ゾーン148へ送られ、第2の反応組成物が得られる。第2の反応組成物は、166を介して冷却混合ゾーン158へ送られ、冷却した組成物が得られる。次いで168を介して冷却した組成物が得られる。
場合によって、第3の供給ゾーン146が、第3の供給ゾーンおよび第4の供給ゾーンを全般的に含む、2つの供給ゾーンに分離されてもよい(図には示されていない)。例えば、第3の供給ゾーン146に2つの供給成分を導入する場合、第3の供給ゾーン146が2つの供給ゾーンに分離され、第3の供給ゾーンへ一方の供給成分が導入され、第4の供給ゾーンに他方の供給成分が導入されてもよい。また場合によって、第3の供給ゾーン146が2つの供給ゾーンに分離される場合、反応混合ゾーンが、2つの供給ゾーンの間に存在することもできる(図には示されていない)。
場合によって、第2の反応組成物は、122を介して第2の反応混合ゾーン148から脱気ゾーン150へ送られ、脱気した組成物を得ることもできる。脱気した組成物は、170を介して脱気ゾーン150から冷却混合ゾーン158へと送られてもよい。次いで168を介して冷却した組成物を得ることができる。また場合によって、第2の反応組成物は、172を介して第2の反応混合ゾーン148から第1の混合ゾーン152へ送られてもよい。第1の混合ゾーン152から得られた組成物は、174を介して冷却混合ゾーン158へ送られてもよい。次いで168を介して冷却した組成物を得ることができる。また場合によって、第2の反応組成物は、176を介して第2の反応混合ゾーン148からオイル供給ゾーン154へ送られてもよい。オイル供給ゾーン154から得られた組成物は、128を介して第2の混合ゾーン156へ送られてもよい。第2の混合ゾーン156から得られた組成物は、130を介して冷却混合ゾーン158へ送られてもよい。次いで168を介して冷却した組成物を得ることができる。また場合によって、第2の反応組成物が、122を介して第2の反応混合ゾーン148から脱気ゾーン150へ送られ、脱気した組成物を得ることができる。脱気した組成物は、178を介して脱気ゾーン150からオイル供給ゾーン154へ送られてもよい。オイル供給ゾーン154から得られた組成物は、128を介して第2の混合ゾーン156へ送られてもよい。第2の混合ゾーン156から得られた組成物は、130を介して冷却混合ゾーン158へ送られてもよい。次いで168を介して冷却した組成物を得ることができる。また場合によって、第2の反応組成物が、122を介して第2の反応混合ゾーン148から脱気ゾーン150へ送られ、脱気した組成物を得ることもできる。脱気した組成物は、124を介して脱気ゾーン150から第1の混合ゾーン152へ送られてもよい。第1の混合ゾーン152から得られた組成物は、126を介してオイル供給ゾーン154へ送られてもよい。オイル供給ゾーン154から得られた組成物は、128を介して第2の混合ゾーン156へ送られてもよい。第2の混合ゾーン156から得られた組成物は、130を介して冷却混合ゾーン158へ送られてもよい。次いで168を介して冷却した組成物を得ることができる。また例えば、オイル供給ゾーン154および第2の混合ゾーン156を組み合わせることによって、オイルの供給および混合を行ってもよい1つのゾーンとすることもできる。
また場合によって、168を介して冷却した組成物を冷却混合ゾーン158から得る代わりに、または得ることに加えて、冷却した組成物は、132を介して冷却混合ゾーン158から第2のオイル供給ゾーン160へ送られてもよい。例えば、ウレアグリース完成品を得るために1種または複数の添加剤を加える場合、第2のオイル供給ゾーン160は、添加剤供給ゾーン160と呼ぶこともできる。第2のオイル供給ゾーン160から得られた組成物は、134を介して第3の混合ゾーン162(1種または複数の添加剤を加える場合、添加剤混合ゾーン162と呼ぶこともできる)へ送られてもよい。第3の混合ゾーン162から得られた組成物は、136を介して第2の冷却混合ゾーン164へ送られ、第2の冷却した組成物を得ることができる。次いで138を介して第2の冷却した組成物を得ることができる。また例えば、第2のオイル供給ゾーン160および第3の混合ゾーン162を組み合わせることによって、オイルの供給、添加剤の供給またはこれらの組合せ、および混合を行ってもよい1つのゾーンとすることもできる。
図3を参照すると、ウレアグリース、例えばテトラウレアグリースを提供するためのスクリューエレメント、例えば、本明細書中の実施例で参照されている装置と同様のものである2軸スクリュー同方向回転型押出機を含む装置200の概略図が開示されている。装置200は、一連の18台の個々のバレル(201から218)を含み、これらのバレルは、互いに隣接し合い、縦方向に連結されることによって、異なる作業ステップを連続して実施することが可能であり、例えば、一連の個々のバレル全長にわたり設置されている、同方向回転の構成での2軸スクリューエレメントを収容している。一連のバレル201−218は、いくつかのゾーンを含む。バレル201は、第1の供給ゾーンを構成する。バレル202は、第2の供給ゾーンを構成する。バレル203−206は、第1の反応混合ゾーンを構成する。バレル207−208は、場合により脱気ゾーンを構成する。バレル209は、オイル供給ゾーンを構成する。バレル210−211は、第1の混合ゾーンを構成する。バレル212は、第2のオイル供給ゾーンを構成する。バレル213−214は、第2の混合ゾーンを構成する。バレル215は、第3のオイル供給ゾーンを構成する。バレル216は、第3の混合ゾーンを構成する。バレル217−218は、冷却混合ゾーンを構成してもよい。例えば、バレル217で得られたウレアグリースがさらなる冷却、混合またはこれらの組合せが所望されない温度および組成である場合、冷却混合ゾーン、例えば、バレル217−218は、冷却混合ゾーンとして利用される代わりに、ウレアグリースを得ることができる位置へこのウレアグリースを搬送または移送するために使用されてもよい。
テトラウレアグリースを提供するための本発明の代表的なプロセスにおいて、第1のフィーダー220内に基油を含む第1の供給成分(A)と、第2フィーダー222内の式OCN−R1−NCO(式中、R1は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビレン、例えばメチレンジイソシアネート(4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート)(MDIとも呼ばれている)を含む)を有する成分とがバレル201に加えられる。場合によってMDIは、フレークとして添加されてもよい。また場合によってMDIは、例えば基油で希釈することにより基油と組み合わせて、液体として添加されてもよい。また場合によって第1フィーダー220および第2フィーダー222は、1つのフィーダーとして組み合わせられ、基油およびMDIがブレンドとしてバレル201に添加されてもよい。また例えば、いくつかの基油フィーダーを用いる代わりに、1つの基油フィーダーを利用することによって、1種または複数のポンプ、パイプ、バルブおよびこれらの組合せを用いて、1カ所または複数カ所の位置に基油を提供することもできる。
第3のフィーダー224内の基油と、第4のフィーダー226内の1種または複数の成分、例えば、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビル、例えば、1−オクタデシルアミンを含む)を有するモノアミンを含む第2の供給成分(B)および式NH2R3NH2(式中、R3は、2から12個の炭素原子を含むヒドロカルビレンまたは2から12個の炭素原子を含むポリオキシヒドロカルビレンを含む)を有するジアミン、例えばポリオキシプロピレンジアミン(POD)を含む別の第2の供給成分(C)は、好ましくは成分(B)および成分(C)がブレンドを構成して、バレル202に添加される。場合によって、第3フィーダー224および第4フィーダー226は、1つのフィーダーとして組み合わせられ、基油と成分(B)と成分(C)がブレンドとしてバレル202へ添加されてもよい。
このプロセスはバレルを介して継続するので、第1の反応混合は、通常バレル203−206で起きる。得られた組成物の脱気は、バレル207−208内の排出口228を利用して行うこともできる。第5フィーダー230内の基油は、バレル209へ添加される。混合と、さらに基油およびバレル(複数可)の温度によっては、通常冷却が、バレル210−211において行われる。第6フィーダー232内の基油は、バレル212へ添加される。混合と、さらに基油およびバレル(複数可)の温度によっては、通常冷却が、バレル213−214において行われる。第7フィーダー234内の基油、1種または複数の添加剤またはこれらの組合せが、バレル215に添加される。混合と、さらに基油およびバレル(複数可)の温度によっては、通常冷却が、バレル216において行われる。次いで得られた組成物は、バレル217−218へ送られ、冷却した組成物が得られる。バレル217において得られたウレアグリースが、さらなる冷却、混合またはこれらの組合せが所望されない温度および組成物である場合、バレル217−218は、ウレアグリースを得ることができる位置にこのウレアグリースを搬送または移送するのに使用されてもよい。ウレアグリース、例えばテトラウレアグリースは、バレル218から得ることができ、例えば保存容器に放出されてもよい。
場合によっては、生成した組成物は、バレル218からさらなるバレルの繰返し(図には示されていない)へ送られてもよく、この繰返しには、オイルの供給、添加剤の供給またはこれらの組合せ、続いて混合、続いて第2の冷却混合が含まれる。また場合によっては、得られた組成物は、バレル218からウレアグリース加工装置(図には示されていない)、例えば静置型混合機、ホモジナイザー、スクリーンパックまたはこれらの組合せに送られてもよい。
図4を参照すると、ウレアグリース、例えばジウレアグリースを得るためのスクリューエレメント、例えば、本明細書中の実施例で参照されている装置と同様のものである2軸スクリュー同方向回転型押出機を含む装置300の概略図が開示されている。装置300は、一連の18個の個々のバレル(301から318)を含み、これらのバレルは、互いに隣接し合い、縦方向に連結されることによって、異なる作業ステップを連続して実施することが可能であり、例えば一連の個々のバレルの全長にわたり設置されている、同方向回転の構成での2軸スクリューエレメントを収容している。バレル301−303は、例えば、18台のバレルを含む押出機のうちの15台のバレルを利用する場合など、休止していて利用しなくてもよいし、または例えば、バレル304−318がそれぞれバレル301−315の代わりとなる15台のバレルを含む押出機を利用する場合など、存在しなくてもよい。バレル304−318は、いくつかのゾーンを構成する。バレル304は、第1の供給ゾーンを構成する。バレル305は、第2の供給ゾーンを構成する。バレル306−307は、第1の反応混合ゾーンを構成する。バレル308は、第3の供給ゾーンを構成する。バレル309は、第2の反応混合ゾーンを構成する。バレル310は、場合により脱気ゾーンを構成する。バレル311は、第1の混合ゾーンを構成する。バレル312は、オイル供給ゾーンを構成する。バレル313−314は、第2の混合ゾーンを構成する。バレル315は、第2のオイル供給ゾーンを構成する。バレル316−317は、第3の混合ゾーンを構成する。バレル318は、冷却混合ゾーンを構成する。例えば、バレル317における生成したウレアグリースが、さらなる冷却、混合またはこれらの組合せが所望されない温度および組成である場合、冷却混合ゾーン、例えばバレル318は、冷却混合ゾーンとして使用される代わりに、ウレアグリースを得ることができる位置にこのウレアグリースを搬送または移送するために使用されてもよい。
ジウレアグリースを提供するための本発明の代表的なプロセスにおいて、第1フィーダー320内の基油を含む第1の供給成分(A)と、第2フィーダー322内の、式OCN−R1−NCO(式中、R1は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビレン、例えばメチレンジイソシアネート(4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート)(MDIとも呼ばれている)を含む。)を有する成分とがバレル304に添加される。場合によってMDIは、フレークとして添加されてもよい。また場合によっては、MDIは、例えば基油で希釈することにより基油と組み合わせて、液体として添加されてもよい。また場合によって、第1フィーダー320および第2フィーダー322は、1つのフィーダーとして組み合わされ、基油およびMDIは、ブレンドとしてバレル304に添加することもできる。また例えば、いくつかの基油フィーダーを用いる代わりに、1つの基油フィーダーを利用することによって、1種または複数のポンプ、パイプ、バルブおよびこれらの組合せを用いて1カ所または複数カ所の位置で基油を提供することもできる。
第3フィーダー324内の、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビル、例えばオクチルアミンを含む。)を有するモノアミンを含む第2の供給成分(D)は、バレル305に添加される。このプロセスはバレルを介して継続するので、第1の反応混合は、通常バレル306−307内で起きる。第4フィーダー326内の、式NH2R2(式中、R2は、2から30個の炭素原子を含むヒドロカルビルを含む。)を有するモノアミン、例えばドデシルアミンを含む第3の供給成分(E)は、バレル308に添加される。
このプロセスは、バレルを介して継続するので、第2の反応混合は、通常バレル309内で起きる。生成した組成物の脱気は、バレル310の排出口328を利用して実施してもよい。混合は、バレル311で行われる。
第5フィーダー330内の基油は、バレル312に添加される。混合と、さらに基油およびバレル(複数可)の温度によっては、通常冷却が、バレル313−314において行われる。第6フィーダー332内の基油は、バレル315に添加される。混合と、さらに基油およびバレル(複数可)の温度によっては通常冷却が、バレル316−317において行われる。次いで得られた組成物は、バレル318へ送られ、冷却した組成物が得られる。バレル317において得られたウレアグリースが、さらなる冷却、混合またはこれらの組合せが所望されない温度および組成である場合、バレル318は、ウレアグリースを得ることができる位置にこのウレアグリースを搬送または移送するのに使用されてもよい。ウレアグリース、例えばジウレアグリースは、バレル318から得ることができ、例えば保存容器へ放出することができる。
場合によっては、得られた組成物は、バレル318からさらなるバレルの繰返し(図には示されていない。)へ送られてもよく、この繰返しには、オイルの供給、添加剤の供給またはこれらの組合せ、続いて混合、続いて第2の冷却混合が含まれる。また場合によっては、得られた組成物は、バレル318からウレアグリース加工装置(図には示されていない)、例えば、静置型混合機、ホモジナイザー、スクリーンパックまたはこれらの組合せに送ることもできる。
Coperion Werner and Pfleiderer、Stuttgart、Germanyから市販の34mm、2軸スクリュー同方向回転型押出機(モデル番号:ZSK34MV)を用いて本発明の代表的なプロセスを実施することにより、テトラウレアグリースおよびジウレアグリースを調製した。表1は、調製したテトラウレアグリースおよびジウレアグリースの配合を開示している。HVI 160BおよびHVI 650は、Shell Groupの系列会社から市販の基油を指す。
押出機の特徴を表2に開示する。
反応成分を基油中で希釈し、ギアポンプ(Maag Pump Systems Textron A.G.、Zurich、Switzerlandより市販のCipex)を用いて、押出機へ液体を注入した。異なる成分の希釈率を表3に開示する。溶融成分(MDI、室温で固体アミン)を使用しているので、また供給システムのつまりを避けるため、ラインおよび容器を絶縁した。低い温度であれば成分が凝固してしまう成分をポンプで注入する前に、温かいオイルをライン内にまず注入した。補充用オイル供給物を注入したが、この補充用オイル供給物は、化学反応の前にオイルを成分と共に注入する場合、本明細書中ではこれを「反応用オイル」と呼び、化学反応の後に、例えばグリースの冷却および希釈を行うために注入する場合(例えばバレル9、12、15またはこれらの組合せにおいて)、本明細書中ではこれを「希釈用オイル」と呼ぶ。
テスト実験を開始するために利用した手順:
−溶融成分(MDI、室温で固体アミン)のために、予熱した(80℃)フラッシュオイル(予熱用オイル)でラインを温めた。
−反応用オイルを始動
−予熱用オイルを停止して、アミンの供給を開始
−予熱用オイルを停止して、MDIの供給を開始
−希釈用オイルを始動
テスト実験を停止するために利用した手順:
−MDIの供給を停止して、ラインへ温かいオイルを流し込んだ
−アミンの供給を停止して、ラインへ温かいオイルを流し込んだ
−オイルの流し込みを10分間維持した
完全に反応が実行されたか確認するため、ASTM D2076と同様な方法で、アミンの総数を滴定により測定した。試料をPetroleum Spirit中で溶解し、Bromocresol Green指示薬の存在下で、0.1Nアルコール性塩化水素で滴定した。過剰のMDIを、Fourier Transform Infra Red (FTIR)方法で求めた。未反応のジイソシアネートを、約2250cm−1での赤外のイソシアネートピークを検査することによって求めた。
テトラウレアグリース:
テトラウレアグリースの調製に利用した成分配合を表4に開示する。成分は、HVI 160B基油中で希釈した。HVI 160B基油を、反応用オイルおよび希釈用オイルとして注入した。
容器は、絶縁されたタンクで、各タンクには電気ヒーター、および軸上に異なる高さに位置する2つのプロペラを含む撹拌システムを備えていた。
テトラウレアグリース用の押出機のレイアウトは、以下を含んだ:
−バレル1:希釈MDIおよび基油の供給(搬送エレメント)
−バレル2:希釈アミンの供給(搬送エレメント)
−バレル3から6:反応/混合/移送
−バレル7および8:場合による脱気ゾーン(バレルは開放されていてもよい。)
−バレル9:場合による希釈用オイルの供給/注入
−バレル10および11:混合/冷却/移送
−バレル12:場合による希釈用オイルの供給/注入
−バレル13および14:混合/冷却/移送
−バレル15:場合による希釈用オイル、1種もしくは複数の添加剤またはこれらの組合せの供給/注入
−バレル16:混合
−バレル17から18:移送/排出
テトラウレアグリースの調製に利用されるスクリューの構成(スクリュー構成1)を、表5に開示する。
表6に開示された温度プロファイルは、スクリュー構成1に対して得たもので、テトラウレアグリースの調製のためのテスト実験を通してこれを使用した。
テトラウレアグリース基剤は、毎時30キログラム(kg/hr)から43kg/hrの範囲の異なるスループットおよび毎分320回転(rpm)から600rpmの範囲の異なるスクリュー速度において得られた(情報は、表7において開示されている。)。基本的特性は、テトラウレアベースグリースに対して得られたもので、表8において開示されている。
テスト実験1からのテトラウレアグリース基剤(グリース試料1)を、添加剤パッケージで処理し、テトラウレアグリース完成品を得た。100グラムのテトラウレアグリース基剤(グリース試料1)を取り出し、85℃に加熱し、実験室用混合機を用いて、固体添加剤をテトラウレアグリース基剤へ分散させた。次いでテトラウレアグリースを、固体が分散するまで、3連ロールミルを用いて3回粉砕した。粉砕した試料を、残りのグリース(1448グラム)ならびに固体および液体の添加剤と共にHobart混合機に置いた。グリース試料を85℃で45分間混合した。次いでAPV Gaulin粉砕機を用いて低圧でグリース試料を粉砕することによって、テトラウレアグリース完成品(グリース試料2)を得た。
基本特性は、テトラウレアグリース完成品に対して得たもので、表9で開示する。
ジウレアグリース:
ジウレアグリースを調製するために利用した成分配合を表10に開示する。これらの成分は、HVI 160B基油中で希釈した。HVI 650基油は、反応用オイルおよび希釈用オイルとして注入した。
容器は、絶縁されたタンクで、各タンクには電気ヒーター、および軸上に異なる高さに位置する2つのプロペラを含む撹拌システムを備えていた。
ZSK34MV押出機でのジウレアグリース試験は、18台のうちの15台のバレルを利用した。3台の休止中のバレルは、第1の供給ゾーンの直前の押出機の最初の位置に存在し、搬送エレメントしか含んでいなかった。
ジウレアグリースの製造のため、2つのアミンの供給点/注入点は、互いに離して配置した。ZSK34MV押出機での2つの供給点/注入点の間の距離が、例えば336mmであれば、本明細書中に開示されている特性を含むウレアグリースを得るのに恐らく十分であることが発見された。
ジウレアグリース基剤のための押出機のレイアウトは、以下を含む:
−バレル1から3:休止中バレル(搬送エレメントのみ)
−バレル4:希釈MDIおよび反応用オイルの供給(搬送エレメント)
−バレル5:第1の希釈アミンの注入(搬送エレメント)
−バレル6および7:反応/混合/移送
−バレル8:第2の希釈アミンの注入
−バレル9:反応/混合/移送
−バレル10:場合による脱気ゾーン(バレルは開放されていてよい。)
−バレル11:混合
−バレル12:場合による希釈オイルの供給/注入
−バレル13および14:混合/冷却/移送
−バレル15:希釈用オイル、1種もしくは複数の添加剤またはこれらの組合せの注入
−バレル16:混合
−バレル17から18:移送/排出
ジウレアグリースの調製に利用されるスクリュー構成(スクリュー構成2)を、表11に開示する。
表12に開示された温度プロファイルは、スクリュー構成2に対して得たもので、ジウレアグリースの調製のためのテスト実験を通してこれを使用した。
ジウレアグリース基剤は、45kg/hrから60kg/hrの範囲の異なるスループットおよび300rpmから600rpmの範囲の異なるスクリュー速度において得られた(情報は、表13において開示されている。)。基本的特性は、ジウレアグリース基剤に対して得られたもので、表13において開示されている。
テスト実験9およびテスト実験12からのジウレアグリース基剤を添加剤パッケージで処理した。100グラムのジウレアグリース基剤を取り出し、120℃に加熱し、固体添加剤をジウレアグリース基剤に分散させ、次いで実験室用混合機を用いてグリースの塊(2800グラム)に添加した。次いで3連ロールミルを用いてこのジウレアグリースを1回粉砕した。
基本的特性は、テスト実験9からのジウレアグリース基剤を用いたジウレアグリース完成品(グリース試料3)およびテスト実験12からのジウレアグリース基剤を用いたジウレアグリース完成品(グリース試料4)に対して得られたもので、表14において開示されている。