JP5765615B2 - 加工ロボットの軌道追従装置と方法 - Google Patents
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Description
特許文献2の「ロボットのオフライン教示方法」は、予め計測した結果に基づき位置、姿勢、寸法を修正した3次元モデルを基に、ロボット動作をオフラインで教示するものである。
特許文献4の「ワーク加工装置とその制御方法」は、衝撃的な加工反力が発生しても加工精度を維持しかつ工具の破損を防止するものである。
特許文献4の手段は、倣い治具を用いて倣い加工を行うため、ワークの加工部分の周辺形状によっては、この方式が適用できないという問題点があった。
また、ロボットアームの手先に工具を取り付け、加工経路に沿って動作させて加工する加工ロボットの場合、高速で位置制御しても、ロボットアームの弾性変形や加工工具の減耗により、ワークに対する押付け力が大きく変動する。
加工工具が受ける外力を計測する力覚センサと、
加工工具の位置、姿勢、及び押付け方向を含む軌道データを記憶する記憶装置と、
力覚センサによる計測値に基づき前記軌道データの目標値を演算しロボットコントローラに出力する軌道制御装置とを備え、該軌道制御装置により、
(A)ワークのCADモデルから前記軌道データを生成して記憶装置に記憶し、
(B)前記軌道データを目標軌道として加工工具の移動を位置制御するとともに動作中の加工反力を計測しておき、
(C)加工後に、計測した加工反力の計測値から目標押付力で動作するように前記目標軌道を修正する学習を実施し、この加工と学習を繰返す、ことを特徴とする加工ロボットの軌道追従装置が提供される。
(A)ワークのCADモデルから前記軌道データを生成して記憶装置に記憶し、
(B)前記軌道データを目標軌道として加工工具の移動を位置制御するとともに動作中の加工反力を計測しておき、
(C)加工後に、計測した加工反力の計測値から目標押付力で動作するように前記目標軌道を修正する学習を実施し、この加工と学習を繰返す、ことを特徴とする加工ロボットの軌道追従装置が提供される。
従って、ロボットアームの弾性変形や加工工具の減耗があっても、押付力が一定になるように目標軌道が毎回修正されるので、ロボットアームの弾性変形や加工工具の減耗の影響なしに、高精度の倣い加工をすることができる。
また、目標軌道に基づき、高速の加工速度で加工工具を(力制御ではなく)位置制御してワークを加工するので、高精度の倣い加工を高速で実施することができる。
この図において、1はワーク(被加工部材)、2はワーク保持装置、3は加工工具、10は加工ロボット、20は本発明の軌道制御装置である。
ワーク1は、この例ではワーク保持装置2により所定位置に正確に固定される。所定位置は、加工ロボット10の作動範囲内において予め設定された位置である。
なお加工ロボット10は、この例では、多関節ロボットであるが、本発明はこれに限定されず、その他のロボットであってもよい。
このような加工ロボット10の場合、高速で位置制御しても、ロボットアーム12の弾性変形や加工工具3の減耗により、ワーク1に対する押付け力が通常大きく変動する。
この例において、加工工具3は、ワーク1を加工する工具3aとこれを回転駆動する駆動装置3b(この例では電動スピンドルモータ)とからなる。
工具3aは、ブラシ、クッションサンダ(砥粒入りの樹脂のスポンジ)、砥石、超硬カッター、等である。
また、駆動装置3bは、往復駆動する駆動装置でも代替可能であり、電動スピンドルモータはエアモータでも代替可能である。
この力覚センサ22で検出される外力は、好ましくは6自由度の外力(3方向の力と、3軸まわりのトルク)であるが、本発明はこれに限定されず、ワーク1に対する押付力が検出できる限りで、その他の力センサであってもよい。
軌道データDは、例えば、ワーク座標系における加工工具3の3次元位置(x,y,z)と姿勢(a,b,c)で表され、姿勢パラメータa,b,cは、例えばオイラー角などである。また、加工工具3の押付け方向は、ワーク座標系における単位ベクトル(vx,vy,vz)で表される。
なお、本発明は、加工工具3の位置、姿勢、及び押付け方向を設定できる限りで、これらの座標系と姿勢パラメータの定義(一般に、姿勢表現には多種の定義のパラメータが使用されている)に限定されない。
軌道制御PC26は、この例では、ロボットコントローラ16と別個に設けられているが、ロボットコントローラ16と軌道制御PC26を同一の制御PCで構成してもよい。
上述した装置を用い、本発明の軌道追従方法は、S1〜S3の各ステップ(工程)からなる。
(A)ステップS1(軌道データ生成ステップ)では、ワーク1のCADモデルから軌道データDを生成して記憶装置24に記憶する。
このステップS2とステップS3とを繰り返すことによって加工時の押付け力を目標押付力に近づけながら、加工を繰り返すことができ、工具が次第に減耗したとしても、一定の加工が得られる。
次いで、P形学習では、力誤差eKにP学習ゲインφを積算する。また、PI形学習では力誤差eKを積分したものにI学習ゲインψを積算したものを更に加算したものを軌道の補正量Δu=φeK+ψ∫eKdtとする。
ロボットはこのk+1回目の目標軌道uk+1に沿ってロボットが作動し、k+1回目の動作結果がログデータとして記憶される。
この繰返し学習によって、加工時の押付け力を目標押付力に近づけながら、加工を繰り返すことができ、工具が次第に減耗したとしても、一定の加工が得られる。
なお、学習動作はこの例に限定されず、その他の学習制御系、例えば、神経回路モデルを利用した学習制御系であってもよい。
従って、ロボットアーム12の弾性変形や加工工具3の減耗があっても、押付力が一定になるように目標軌道が毎回修正されるので、ロボットアーム12の弾性変形や加工工具3の減耗の影響なしに、高精度の倣い加工をすることができる。
また、目標軌道に基づき、高速の加工速度で加工工具3を(力制御ではなく)位置制御してワーク1を加工するので、高精度の倣い加工を高速で実施することができる。
3 加工工具、
10 加工ロボット、12 ロボットアーム、
16 ロボットコントローラ、
20 軌道制御装置、22 力覚センサ、
24 記憶装置、26 軌道制御PC(制御PC)
Claims (3)
- ロボットアームの先端に加工工具を取り付け、加工経路に沿って動作させてワークを加工する加工ロボットの軌道追従装置であって、
加工工具が受ける外力を計測する力覚センサと、
加工工具の位置、姿勢、及び押付け方向を含む軌道データを記憶する記憶装置と、
力覚センサによる計測値に基づき前記軌道データの目標値を演算しロボットコントローラに出力する軌道制御装置とを備え、該軌道制御装置により、
(A)ワークのCADモデルから前記軌道データを生成して記憶装置に記憶し、
(B)前記軌道データを目標軌道として加工工具の移動を位置制御するとともに動作中の加工反力を計測しておき、
(C)加工後に、計測した加工反力の計測値から目標押付力で動作するように前記目標軌道を修正する学習を実施し、
前記(B)では、加工工具を力制御ではなく位置制御してワークを加工し、
前記軌道制御装置は、
前記(B)と(C)を繰り返し、
k回目(kは1以上の整数)の前記(B)においてワークを加工した後に、k回目の前記(B)で計測した加工反力の計測値から前記目標軌道を修正することにより、k+1回目の前記(B)で用いる目標軌道を取得する、ことを特徴とする加工ロボットの軌道追従装置。 - ロボットアームの先端に加工工具を取り付け、加工経路に沿って動作させてワークを加工する加工ロボットの軌道追従方法であって、
(A)ワークのCADモデルから軌道データを生成して記憶装置に記憶し、
(B)前記軌道データを目標軌道として加工工具の移動を位置制御するとともに動作中の加工反力を計測しておき、
(C)加工後に、計測した加工反力の計測値から目標押付力で動作するように前記目標軌道を修正する学習を実施し、
前記(B)では、加工工具を力制御ではなく位置制御してワークを加工し、
前記(B)と(C)を繰り返し、
k回目(kは1以上の整数)の前記(B)においてワークを加工した後に、k回目の前記(B)で計測した加工反力の計測値から前記目標軌道を修正することにより、k+1回目の前記(B)で用いる目標軌道を取得する、ことを特徴とする加工ロボットの軌道追従方法。 - 前記(C)の学習は、計測した計測値と目標押付力との差が所定の閾値以下になるまで繰り返す、ことを特徴とする請求項2に記載の加工ロボットの軌道追従方法。
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