JP6569222B2 - ロボットシステム及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ロボットシステム及びその制御方法に関し、例えば、面取り加工などの仕上げ加工を行うロボットシステムに適用して好適なものである。
仕上げ加工とは、切削加工や研削加工等の後、部品の形状や粗さを最終的に求められる形状や粗さに調整する作業である。バリ取り、面取り及び磨きなど、加工の多様性もさることながら、求められる品質レベルも多様である。
複雑な形状の部品や精密部品については高品質な仕上げ加工が求められているが、このような精密な仕上げ加工は人間の手作業により行われているのが実情である。しかしながら高度な技能を持つ作業者の育成に時間を要するため、ロボットを利用した仕上げ加工の自動化が望まれている。
このような状況のもと、近年では、ロボットの動作軌道をオフラインで生成し、生成した動作軌道に沿ってロボットを動作させることにより、ワーク(被加工体)に対して所定の仕上げ加工を施すロボットシステムの研究開発も広く行われ、実用化されている。
この種のロボットシステムの1つとして、例えば特許文献1には、溶接部位を含むワーク表面の起伏を測定して実データを取得し、取得した実データに基づいて推定完成曲面を生成し、実データと推定完成曲面との高さ方向の差分を研削量としてロボットの経路(動作軌道)を自動生成する発明が開示されている。
特開2002−283099号公報
ところで、オフラインで生成した動作軌道に従ってロボットを動作させる場合、かかるロボットの絶対位置決め精度が悪いと、最終的に専門知識を有するユーザによる調整作業が必要となる問題があった。またこの調整作業も煩雑であり、ワークとは別の調整用のワークが必要となる問題もあった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、煩雑な調整作業を要することなく精度良く仕上げ加工を行い得るロボットシステム及びその制御方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、ワークに対して所定の仕上げ加工を行うロボットシステムにおいて、先端部に手先工具が取り付けられたロボットアームを有するロボットと、前記ロボットの動作を制御するロボット制御部とを有し、前記ロボット制御部は、予め生成された軌道データに応じた第1の目標軌道に沿って前記手先工具を移動させるように前記ロボットを制御することにより前記ワークを試加工させ、試加工後の前記ワークの形状として、前記ワークの加工面上の任意の複数の計測点の座標又は各前記計測点における前記加工面の面幅をそれぞれ計測し、計測した各前記計測点における前記加工面の面幅に基づいて、前記第1の目標軌道を構成する複数の各経由点における前記加工面の面幅をそれぞれ算出し、算出した各経由点における前記加工面の面幅が当該経由点について設定された面幅と一致させるよう前記第1の目標軌道を補正するようにした。
また本発明においては、ワークに対して所定の仕上げ加工を行うロボットシステムの制御方法であって、前記ロボットシステムは、先端部に手先工具が取り付けられたロボットアームを有するロボットと、前記ロボットの動作を制御するロボット制御部とを有し、前記ロボット制御部が、予め生成された軌道データに応じた第1の目標軌道に沿って前記手先工具を移動させるように前記ロボットを制御することにより前記ワークを試加工させる第1のステップと、前記ロボット制御部が、試加工後の前記ワークの形状を計測する第2のステップと、前記ロボット制御部が、計測結果に基づいて前記第1の目標軌道を補正する第3のステップとを設け、前記ロボット制御部は、前記第2のステップにおいて、試加工後の前記ワークの形状として、前記ワークの加工面上の任意の複数の計測点の座標又は各前記計測点における前記加工面の面幅をそれぞれ計測し、前記第3のステップにおいて、計測した各前記計測点における前記加工面の面幅に基づいて、前記第1の目標軌道を構成する複数の各経由点における前記加工面の面幅をそれぞれ算出し、算出した各経由点における前記加工面の面幅が当該経由点について設定された面幅と一致させるよう前記第1の目標軌道を補正するようにした。
本ロボットシステム及びその制御方法によれば、オフラインで生成した目標軌道がロボットの座標系に応じた位置に補正される。
本発明によれば、煩雑な調整作業を要することなく精度良く仕上げ加工を行い得るロボットシステム及びその制御方法を実現できる。
第1及び第2の実施の形態によるロボットシステムの全体構成を概念的に示す概念図である。 第1の実施の形態による軌道補正機能の説明に供する概念図である。 第1の実施の形態による軌道補正機能の説明に供する概念図である。 第1の実施の形態による軌道補正機能の説明に供する概念図である。 第1の実施の形態による軌道補正機能の説明に供する概念図である。 第1の実施の形態による軌道補正処理の処理手順を示すフローチャートである。 第1の実施の形態における各経由点での面幅の算出方法の説明に供する概念図である。 第1の実施の形態における各経由点での面幅の算出方法の説明に供する概念図である。 第2の実施の形態による軌道補正処理の処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における各経由点での面幅の算出方法の説明に供する概念図である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)本実施の形態によるロボットシステムの構成
図1において、1は全体として本実施の形態によるロボットシステムを示す。このロボットシステム1は、テーブル2に固定されたワーク3に対して所定の仕上げ加工(以下、面取り加工であるものとする)を施すロボット4と、当該ロボット4の動作を制御するロボット制御部5とから構成される。
ロボット4は、基台10上に設置された多関節のロボットアーム11を備え、当該ロボットアーム11の先端にフランジ部12を介して力覚センサ13が取り付けられている。また力覚センサ13には、スピンドルモータ14を介して手先工具15が交換自在に取り付けられており、かくしてワーク3に対する手先工具15の押付け力を力覚センサ13によって計測しながら、手先工具15によりワーク3の面取り加工を行い得るようになされている。
なお、本実施の形態の場合、フランジ部12には、力覚センサ13に代えてロボット制御部5の一部を構成する2次元レーザ変位センサ等の形状計測センサ25(図4)を取り付け得るようになされており、加工後のワーク3の形状をこの形状計測センサによって計測することもできるようになされている。
ロボット制御部5は、制御装置6及びコントローラ7から構成される。制御装置6は、CPU(Central Processing Unit)20及びメモリ21等の情報処理資源を備えるコンピュータ装置であり、例えばパーソナルコンピュータから構成される。
制御装置6は、図示しないCAM(Computer Aided Manufacturing)システムを用いて生成されたロボット4の手先工具15の先端近傍に設定されたTCP(Tool Center Pint)の目標軌道と、力覚センサ13から与えられる計測値と、コントローラ7から与えられるロボット4の位置及び姿勢を表す位置・姿勢データとに基づいて手先工具15のTCPの実際の目標軌道を計算し、計算により得られた目標軌道に沿って手先工具15のTCPを移動させるための指令値(以下、これを位置・姿勢指令値と呼ぶ)をコントローラ7に送信する。
コントローラ7は、制御装置6と同様に、CPU22及びメモリ23等の情報処理資源を備えるコンピュータ装置であり、例えばパーソナルコンピュータから構成される。コントローラ7は、制御装置6から送信される位置・姿勢指令値に基づいてロボット4内のモータ等の各マニュピレータをそれぞれ制御することにより、制御装置6により算出された目標軌道上を手先工具15のTCPが移動するようにロボット4を駆動する。
(1−2)軌道補正機能
次に、かかるロボットシステム1の制御装置6に実装された軌道補正機能について説明する。ロボット4の手先工具15のTCPの目標軌道をオフラインで生成する場合、上述のように絶対位値決めの誤差が大きいロボットシステムでは面取り加工のような精密仕上げ加工を行うことが難しい。
そこで本実施の形態によるロボットシステム1には、図2のようにオフラインで生成された目標軌道R={r,r,…,r}をワーク3から離反する方向(手先工具15をワーク3に押付ける押付け方向の逆方向。以下、同様。)にシフトさせた目標軌道R’を生成し、生成した目標軌道R’に沿って手先工具15のTCPを移動させることにより図3のようにワーク3の試加工を行い、加工後のワーク3の加工面3Aの形状を図4のように2次元レーザ変位センサ等の形状計測センサ25を用いて計測し、計測結果に基づいて図5のように手先工具15のTCPの目標軌道R’を補正した目標軌道R”(図5)を生成する軌道補正機能が搭載されている。
図6は、このような軌道補正機能に関連して制御装置6のCPU20により実行される軌道補正処理の処理手順を示す。CPU20は、ロボットシステム1の運転モードとして、生産運転モード前に実行される軌道補正モードが選択されると、メモリ21に格納された第1の実施の形態のプログラム(図示せず)に基づき、この図6に示す処理手順に従って必要な処理を実行することにより、オフラインで生成された目標軌道rを補正する。
実際上、CPU20は、まず、オフラインで生成された目標軌道Rを所定距離だけワーク3から離反する方向にシフトさせた目標軌道R’を生成する(SP1)。
ここで、ロボット4の手先工具15のTCPの目標軌道Rは、それぞれ{x〔mm〕,y〔mm〕,z〔mm〕,A〔deg〕,B〔deg〕,C〔deg〕,v,v,v,w〔mm〕}で表現される複数の経由点の点列として生成される。x、y及びzは、それぞれ目標軌道r上の経由点のx座標、y座標及びz座標を表し、A,B及びCは、それぞれその経由点における手先工具15のロール角、ピッチ角及びヨー角を表す。また(v,v,v)は、その経由点に対する手先工具15の押付け方向ベクトルを表す。なお、手先工具15の押付け方向ベクトルは、その経由点におけるワーク3の法線方向と平行な単位ベクトルである。またwは、その経由点における加工面の面幅を表す。
そこでCPU20は、目標軌道rを構成するこのような各経由点について、ベクトルr={x,y,z}、ベクトルv={v、v、v}とし、シフト量をd〔mm〕とし、シフト後の目標軌道をR’={r’,r’,…,r’}として、次式
の演算を経由点r(i=1〜n)ごとにそれぞれ実行することにより、シフト後の目標軌道R’を求める。なお(1)式において太字はベクトルを表す。以下においても同様である。
続いて、CPU20は、シフト後の目標軌道R’に沿ってロボット4の手先工具15のTCPを移動させるようにしてワーク3を位置制御で試加工させる(SP2)。
具体的に、CPU20は、シフト後の目標軌道R’上の各経由点のx座標、y座標及びz座標と、その経由点における手先工具15のロール角A、ピッチ角B及びヨー角Cと、その経由点におけるワーク3に対する手先工具15の押付け方向vとをそれぞれ所定の制御周期(例えば12〔msec〕)で順次読み出し、読み出したこれらの情報と、当該制御周期でコントローラ7(図1)から与えられる現在のロボット4の位置・姿勢データとに基づいて、次の経由点に手先工具15のTCPが移動するようにロボット4を動作させるための位置・姿勢指令値を順次算出する。そしてCPU20は、このようにして算出した位置・姿勢指令値をコントローラ7に順次送信する。かくして、これらの位置・姿勢指令値に基づいてロボット4の位置及び姿勢がコントローラ7により制御され、これによりワーク3が試加工される。
続いて、CPU20は、試加工後のワークの加工面3A(図3)の形状を計測する(SP3)。具体的に、CPU20は、ユーザにより力覚センサ13(図1)に変えてフランジ部12(図1)に取り付けられた形状計測センサ25(図4)をワーク3の加工面3Aに沿って移動させるための位置・姿勢指令値を制御周期でコントローラ7に順次与える。これによりCPU20は、かかる形状計測センサ25からコントローラ7を介して与えられる計測データに基づいて、加工面3A上のn箇所の任意の点(以下、これを計測点と呼ぶ)について、その座標{x、y、z}及び当該計測点における面幅c(k=1,2,……n)をそれぞれ取得する。
次いで、CPU20は、このとき取得した各計測点の座標{x、y、z}及び当該計測点における面幅cに基づいて、ワーク3の加工面3Aの形状が目標とする加工形状となっているか否か(目標軌道R’上の各経由点における面幅cがその経由点について設定された面幅wとすべて一致するか否か)を判断する(SP4)。
なお、各経由点における面幅cは、各計測点の面幅cを利用して、以下の手法により算出することができる。まず、図7に示すように、各計測点p(k=1,2,……,n)をそれぞれそのときの目標軌道R’上に投影した点(以下、これを投影計測点p’と呼ぶ)を算出する。この投影計測点p’は、最短の経由点を2点探索し、図8に示すように、投影計測点p’からその2点の経由点rとrl+1とを結ぶ線分に下した垂線の足として、次式
により求めることができる。なお(2)式において「・」はベクトルの内積を表し、「||a||」はベクトルaの絶対値を表す。また(2)式は、図7の投影計測点p’を求める式であるが、他の投影計測点についても、同様に求めることができる。
この後、経由点rごとに、最短の投影計測点p’をそれぞれ2点探索し、検出した2点の投影計測点p’とその経由点rpとに基づいて、内分点計算によりその経由点rにおける面幅cを計算する。例えば図7の経由点rの場合では、最短の投影計測点として投影計測点pk−1’及び投影計測点p’が検出される。そこで、この経由点rでの面幅cは、次式により求めることができる。
かくしてCPU20は、ステップSP3において、このようにして求めた経由点rごとの面幅cと、個々の経由点rについてそれぞれ定められた面幅wとを比較し、これらがすべて一致するか否かに基づいてワーク3の加工面3Aの形状が目標とする加工形状となっているか否かを判断する。
そしてCPU20は、この判断で否定結果を得ると、計測結果に基づいて現在の目標軌道R’を補正する(SP5)。具体的に、CPU20は、目標軌道R’上のm個の経由点r’ごとに次式
の演算を実行することにより、シフト後の目標軌道R’を補正した新たな目標軌道R” ={r”,r”,…,rm”}を算出する。
なお(4)式において、lは1〜mの整数であり、aは目標軌道R’から目標軌道R”への目標軌道のシフト量と、対応する経由点rにおける加工面3Aの面幅cとから幾何学的に決定される係数を表す。例えば、エッジの角度が90度であれば、0.1〔mm〕のシフト量で0.1×√2だけ面幅が変化するためaが0.1414に設定される。
続いて、CPU20は、ステップSP2に戻り、この後、ステップSP4で肯定結果を得るまでステップSP2〜ステップSP5の処理を繰り返す。そしてCPU20は、やがてワーク3の加工面が目標通りの形状に面取り加工されることによりステップSP4で肯定結果を得ると、この一連の処理を終了し、そのときの目標軌道R”をこれ以降に実行される生産運転モード時におけるロボット4の手先工具15の目標軌道として内部設定する。
かくしてCPU20は、生産運転モードでは、上述のように内部設定した目標軌道R”に沿って手先工具15のTCPを移動させるようにロボット4を動作させる位置・姿勢指令値を上述の制御周期でコントローラ7に送信するようにして、ロボット4にワーク3を加工させる。
(1−3)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態のロボットシステム1では、オフラインで生成した目標軌道に基づいてワーク3を試加工し、加工後のワーク3の形状を計測し、計測結果に基づいて目標軌道を補正する。
従って、本ロボットシステム1によれば、オフラインで生成した目標軌道がロボット4の座標系に応じた位置に補正されるため、ロボット4の絶対位置決め精度が悪い場合においても、煩雑な調整作業を要することなく精度良く仕上げ加工を行うことができる。
また本ロボットシステム1では、オフラインで生成した軌道データに基づく目標軌道をワーク3から離反する方向にシフトさせた目標軌道を生成し、この目標軌道に沿って手先工具15のTCPを移動させるようにロボット4の動作を制御するため、試加工の際にワーク3を加工し過ぎることがなく、実際の製品を用いて試加工を行うことができる。かくするにつき、本ロボットシステム1によれば、調整用のワークを必要とすることなく、目標軌道の補正を行うことができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)本実施の形態による軌道補正機能
第1の実施の形態においては、ワーク3の試加工時及び生産加工時におけるロボット4の制御方式として位置制御方式を適用しているが、このような位置制御方式を適用した場合、試加工の際にワーク3を加工し過ぎることがないように、図6のステップSP1で設定する目標軌道のシフト量を大きくする必要がある。
具体的には、最初の図6のステップSP1においてシフト後の目標軌道を十分にワーク3から離れた位置に設定し、その後、ロボット4の動作確認を行いながら、手先工具15がワーク3に接触するまで目標軌道を少しずつワーク3に近づけていくように目標軌道を補正する必要がある。このためこの方法によると、最終的なロボット4の目標軌道の設定に相応の時間を要することとなる。
そこで、本実施の形態では、ワーク3の試加工時におけるロボット4の制御方式として、手先工具15を常に一定圧力でワーク3に押し付けながら目標軌道に沿って移動させる、いわゆる位置と力のハイブリッド制御方式を適用する。このようなハイブリッド制御を適用すると、ワーク3の加工時にロボット4の手先工具15がそのワーク3の形状に倣うため、ワーク3を加工し過ぎるのを防止することができ、ロボット4の手先工具15の目標軌道としてオフラインで生成した目標軌道をそのまま試加工時の手先工具15の目標軌道として適用することができる。
図1において、30はこのような本実施の形態によるロボットシステムを示す。このロボットシステム30は、軌道補正機能に関連して実行される軌道補正処理時や生産運転モード時において、位置と力のハイブリッド制御でロボット4を動作させながらワーク3を試加工又は加工する点を除いて第1の実施の形態によるロボットシステム1と同様に構成されている。
図9は、本実施の形態による軌道補正機能に関連して制御装置31(図1)のCPU20により実行される軌道補正処理の処理手順を示す。CPU20は、メモリ21に格納された第2の実施の形態のプログラム(図示せず)に基づき、この図9に示す処理手順に従って必要な処理を実行することにより、オフラインで生成されたロボット4の手先工具15の目標軌道を補正する。
ここで、本実施の形態においては、位置と力のハイブリッド制御によりロボット4を制御するようにしてワーク3の試加工及びその後の生産加工を行うため、ロボット4の手先工具15のTCPの目標軌道をオフラインで生成する際に、ワーク3に対する手先工具15の押付け力も併せて設定される。
そしてCPU20は、軌道補正モードが選択されると、まず、オフラインで生成された目標軌道に沿って手先工具15を移動させるよう、位置と力のハイブリッド制御でロボット4の動作を制御することによりワーク3を試加工させる(SP10)。
実際上、CPU20は、オフラインで生成された目標軌道上の各経由点のx座標、y座標及びz座標と、その経由点における手先工具15のロール角A、ピッチ角B及びヨー角Cと、その経由点におけるワーク3に対する手先工具15の押付け方向v=(v、v、v)と、手先工具15のワーク3への押付け力とをそれぞれ所定の制御周期(例えば12〔msec〕)で順次読み出し、読み出したこれらの情報と、当該制御周期でコントローラ7から与えられる現在のロボット4の位置及び姿勢を表す位置・姿勢データと、力覚センサ13により計測されたワーク3に対する手先工具15の押付け力とに基づいて、次の経由点に手先工具15のTCPが移動するようにロボット4を動作させるための位置・姿勢指令値を順次算出する。そしてCPU20は、このようにして算出した位置・姿勢指令値と、ワーク3に対する手先工具15の押付け力とをコントローラ7に順次送信する。かくして、これらの位置・姿勢指令値と、ワーク3に対する手先工具15の押付け力とに基づいてロボット4の位置及び姿勢がコントローラ7により制御され、これによりワーク3が試加工される。
続いて、CPU20は、ステップSP11及びステップSP12を図6について上述した第1の実施の形態による軌道補正処理のステップSP3及びステップSP4と同様に処理する。そしてCPU20は、ステップSP12において否定結果を得ると、そのときの目標軌道を補正することにより、新たな目標軌道を生成する(SP13)。具体的に、CPU20は、そのときの目標軌道をR={r,r,…,r}とし、新たな目標軌道をR’={r’,r’,…,rn’}として、m個の経由点ごとに次式
の演算を実行することにより、新たな目標軌道R’を生成する。
なお(5)式において、lは1〜mの整数であり、aは目標軌道Rから目標軌道R’への目標軌道のシフト量と、対応するその経由点における加工面の面幅cとから幾何学的に決定される係数を表す。例えば、エッジの角度が90度であれば、0.1〔mm〕のシフト量で0.1×√2だけ面幅が変化するため係数aを0.1414に設定する。また面幅cは、第1の実施の形態による軌道補正処理のステップSP5と同様に算出される。
続いて、CPU20は、ステップSP10に戻り、この後、ステップSP12で肯定結果を得るまでステップSP10〜ステップSP13の処理を繰り返す。そしてCPU20は、やがてワーク3が目標通りの加工形状に面取り加工されることによりステップSP12で肯定結果を得ると、この一連の処理を終了し、そのときの目標軌道R’をこれ以降に実行される生産運転モード時におけるロボット4の手先工具15の目標軌道として内部設定する。
かくしてCPU20は、生産運転モードでは、上述のように内部設定した目標軌道R’に沿って手先工具15のTCPを移動させるようにロボット4を動作させる位置・姿勢指令値と、そのときのワーク3に対する手先工具15の押付け力とを上述の制御周期でコントローラ7に送信するようにして、位置と力のハイブリッド制御によりロボット4にワーク3を加工させる。
(2−2)位置と力のハイブリッド制御
次に、本実施の形態のロボットシステム30において、ロボット4の制御方式として適用された位置と力のハイブリッド制御について説明する。
本ロボットシステム30では、上述のようにロボット4の制御方式として位置と力のハイブリッド制御を採用している。そして本実施の形態において、制御装置31(図1)のCPU20は、複雑な形状のワーク3に対応するため、手先工具15を力制御でワーク3に押し付ける方向(押付け方向)をワーク3の表面の法線方向と一致させるべく、以下の演算を実行している。
まず、CPU20には、目標軌道として、CAMを用いて生成された、ワーク3の基準面等に固定されたローカル基準座標系ΣLを基準とした手先工具15のTCPの位置及び姿勢の点列(n)と、押付け方向ベクトルの点列v(n)とのデータが与えられる。
CPU20は、この目標軌道Rから制御周期ごとの目標とすべき位置及び姿勢(t)と、押付け方向ベクトルv(t)とを、それぞれ所望する送り速度・加速度の台形加速となるように、次式
及び
により算出する。なお(6)式及び(7)式において、右上の添え字「T」は転置を表し、「t」は各制御周期における離散的な時刻を表す。また押付け方向ベクトルv(t)は単位ベクトルであり、送り方向とは直交するように生成される。
次に、CPU20は、送り方向ベクトルu(t)を、次の目標位置(経由点)までの方向ベクトルとして、次式
により算出する。またCPU20は、手先工具15を一定圧力f〔N〕でワークに押し付ける際の目標値を次式
により算出する。
ここで、各制御周期における次式
で表されるロボット4の位置・姿勢の計測値p(t)はコントローラ7から得られ、次式
で与えられるワーク3に対する手先工具15の押付け力の計測値f(t)は力覚センサ13(図1)の計測データを元に、手先工具15の重力成分を除去(重力補償)して算出されるものとする。
なおf(t)、f(t)及びf(t)はそれぞれx軸方向、y軸方向又はz軸方向の力を表し、τ(t)、τ(t)及びτ(t)はそれぞれx軸回り、y軸回り又はz軸回りのトルクを表す。また手先工具15の重力成分は、手先工具15をワーク3等に接触させずに同じ目標軌道Rを位置制御で動作したときの力覚センサ13の計測値を予め取得しておき、この計測値に基づいて算出する。
ここで複雑な形状に対応するために中間的な作業座標系を定義する。一般的な作業座標系の設定手法を自由既知形状に拡張し、各時刻において作業座標系Σpを、次式
と定義する。なお(12)式において、「(t)」は作業座標系Σからローカル基準座標系ΣLへの回転行列であり、「a×b」は次式
で与えられるa及びbの外積を表す。つまり作業座標系Σは、X軸を押付け方向、Y軸を送り方向として定義される座標系である。
その上で、CPU20は、押付け方向の力の誤差(t)を次式
により算出し、押付け方向の位置の誤差(t)を次式
により算出する。これにより曲面に対しても常に面の法線方向に力制御することができる。
そしてCPU20は、PID制御を用いて次式
により位置・姿勢指令値CMD(tk+1)を算出し、これをコントローラ7に送信する。なお、「KXX」は位置・力のPID制御ゲインである。
(2−3)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態のロボットシステム30では、ワーク3の試加工時に位置と力のハイブリッド制御によりロボット4の位置及び姿勢を制御しながらオフラインで生成した手先工具の目標軌道Rに基づいてワーク3を試加工し、加工後のワーク3の形状を計測し、計測結果に基づいて手先工具15の目標軌道を補正する。
従って、本ロボットシステム30によれば、第1の実施の形態により得られる効果に加えて、ロボット4の手先工具15の目標軌道の補正をより迅速に行うことができるという効果をも得ることができる。
(3)他の実施の形態
なお上述の第1及び第2の実施の形態においては、本発明を面取り加工を行うロボットシステム1,30に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の仕上げ加工を行うロボットシステムに広く適用することができる。
また上述の第1及び第2の実施の形態においては、試加工が施されたワーク3の形状を形状計測センサ25を用いて計測するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、ロボット4の手先工具15をワーク3の加工部位に接触させるタッチセンシングにより加工後のワーク3の形状を計測するようにしても良い。
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、試加工後のワーク形状の計測において加工面が目標通りの加工形状となっていなかった場合には、ワーク3の加工面3Aの全面に渡って試加工を最初から行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばワーク3の加工面3Aのうち、面幅が目標とする面幅よりも狭い箇所についてのみ選択的に試加工を再度実行するようにしても良い。
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、ロボット4の動作を制御するロボット制御部5を制御装置6,31及びコントローラ7により構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら制御装置6,31及びコントローラ7の機能を搭載した1つの装置としてロボット制御部5を構成するようにしても良い。
本発明は、ワークに対して所定の仕上げ加工を行う種々のロボットシステムに広く適用することができる。
1,30……ロボットシステム、3……ワーク、4……ロボット、5……ロボット制御部、6,31……制御装置、7……コントローラ、13……力覚センサ、15……手先工具、20……CPU、25……形状計測センサ。

Claims (7)

  1. ワークに対して所定の仕上げ加工を行うロボットシステムにおいて、
    先端部に手先工具が取り付けられたロボットアームを有するロボットと、
    前記ロボットの動作を制御するロボット制御部と
    を備え、
    前記ロボット制御部は、
    予め生成された軌道データに応じた第1の目標軌道に沿って前記手先工具を移動させるように前記ロボットを制御することにより前記ワークを試加工させ、
    試加工後の前記ワークの形状として、前記ワークの加工面上の任意の複数の計測点の座標又は各前記計測点における前記加工面の面幅をそれぞれ計測し、
    計測した各前記計測点における前記加工面の面幅に基づいて、前記第1の目標軌道を構成する複数の各経由点における前記加工面の面幅をそれぞれ算出し、
    算出した各経由点における前記加工面の面幅が当該経由点について設定された面幅と一致させるよう前記第1の目標軌道を補正する
    ことを特徴とするロボットシステム。
  2. 前記ロボット制御部は、
    予め生成された前記軌道データに基づく第2の目標軌道を前記ワークから離反する方向にシフトさせた前記第1の目標軌道を生成し、
    生成した前記第1の目標軌道に沿って前記手先工具を移動させるように前記ロボットを制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
  3. 前記ロボット制御部は、
    前記ワークの形状を計測する形状計測センサを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
  4. 前記ロボット制御部は、
    前記手先工具を一定圧力で前記ワークに押し付けながら、予め生成された前記軌道データに基づく前記第1の目標軌道に沿って前記手先工具を移動させるように前記ロボットを制御することにより前記ワークを試加工させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
  5. ワークに対して所定の仕上げ加工を行うロボットシステムの制御方法であって、
    前記ロボットシステムは、
    先端部に手先工具が取り付けられたロボットアームを有するロボットと、
    前記ロボットの動作を制御するロボット制御部と
    を有し、
    前記ロボット制御部が、予め生成された軌道データに応じた第1の目標軌道に沿って前記手先工具を移動させるように前記ロボットを制御することにより前記ワークを試加工させる第1のステップと、
    前記ロボット制御部が、試加工後の前記ワークの形状を計測する第2のステップと、
    前記ロボット制御部が、計測結果に基づいて前記第1の目標軌道を補正する第3のステップと
    を備え
    前記ロボット制御部は、
    前記第2のステップにおいて、
    試加工後の前記ワークの形状として、前記ワークの加工面上の任意の複数の計測点の座標又は各前記計測点における前記加工面の面幅をそれぞれ計測し、
    前記第3のステップにおいて、
    計測した各前記計測点における前記加工面の面幅に基づいて、前記第1の目標軌道を構成する複数の各経由点における前記加工面の面幅をそれぞれ算出し、
    算出した各経由点における前記加工面の面幅が当該経由点について設定された面幅と一致させるよう前記第1の目標軌道を補正する
    ことを特徴とするロボットシステムの制御方法。
  6. 前記第1のステップにおいて、前記ロボット制御部は、
    予め生成された前記軌道データに基づく第2の目標軌道を前記ワークから離反する方向にシフトさせた前記第1の目標軌道を生成し、
    生成した前記第1の目標軌道に沿って前記手先工具を移動させるように前記ロボットを制御する
    ことを特徴とする請求項に記載のロボットシステムの制御方法。
  7. 前記第1のステップにおいて、前記ロボット制御部は、
    前記手先工具を一定圧力で前記ワークに押し付けながら、予め生成された前記軌道データに基づく前記第1の目標軌道に沿って前記手先工具を移動させるように前記ロボットを制御することにより前記ワークを試加工させる
    ことを特徴とする請求項に記載のロボットシステムの制御方法。
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