JP5761106B2 - 車両用心電計測装置 - Google Patents

車両用心電計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5761106B2
JP5761106B2 JP2012084875A JP2012084875A JP5761106B2 JP 5761106 B2 JP5761106 B2 JP 5761106B2 JP 2012084875 A JP2012084875 A JP 2012084875A JP 2012084875 A JP2012084875 A JP 2012084875A JP 5761106 B2 JP5761106 B2 JP 5761106B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
driver
potential
capacitive coupling
capacitively coupled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012084875A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013212311A (ja
Inventor
西井 克昌
克昌 西井
寛 森本
寛 森本
酒井 一泰
一泰 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012084875A priority Critical patent/JP5761106B2/ja
Publication of JP2013212311A publication Critical patent/JP2013212311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5761106B2 publication Critical patent/JP5761106B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、車両の運転者の心電図波形を計測する車両用心電計測装置に関する。
身体電位を計測する電極を用いて心臓の電気的な活動を検出し、グラフの形に記録した心電図が医療の現場で広く利用されている。近年、車両を運転中の運転者についてそのような心電図波形を計測する技術について研究が進められており、運転者の心臓の活動を監視することにより、運転中における運転者の心臓の異常に起因する種々の不都合を未然に抑制することが期待されている。
このような装置として、特許文献1には、ステアリングに運転者の皮膚に接触して運転者の身体電位を検出する直接電極を設け、またシートの座部に運転者の皮膚に接触せずに運転者の身体電位を検出する容量結合型電極を設け、直接電極における電位と容量結合型電極における電位とに基づき運転者の心電図波形を計測する車両用心電計測装置が開示されている。
また、特許文献2には、シートの座部にグランド電極を配置し、背もたれの2箇所に容量結合型電極を設け、グランド電極における電位と容量結合型電極における電位とに基づき運転者の心電図波形を計測する心電センサーが開示されている。
また、特許文献3には、ステアリングに基準電位を取得する電極を配置し、シートの座部および背もたれの2箇所に容量結合型電極を配置する車両用心電計測装置が開示されている。また、座部に配置された電極の信号と背もたれに配置された電極信号との差分を出力することも記載されている。
特開2011−24903号公報 特開2009−50679号公報 特開2010−46310号公報
運転中に心電図波形を計測すると様々な要因によりノイズが重畳するため、ノイズを低減することが求められる。
特許文献1に記載の装置では、シートの座部に設けられた容量結合型電極の下に振動ノイズ検出用の電極を配置している。しかしながら電極を座部に配置すると、運転者がペダル操作を行った際に発生する体動など走行に起因するノイズが大きく加わってしまい、そのノイズを低減することが難しかった。
また特許文献2に記載の装置には車両の走行によって生じるノイズの対策は特に記載されていない。また、座部にグランド電極が配置されていることにより、振動ノイズの影響や、上記ペダル操作等を行った再に発生する体動ノイズの影響を強く受けるため、安定して心電電位を検出することができない。また、座部でグランド電位を検出するためには人体と電極との間のインピーダンスが大きいので、心電信号を効率よく取得するために100GΩ程度の抵抗を用いることが記載されている。この場合、リーク電流が増加した場合などに出力電位が安定せず、心電図波形の精度が悪くなってしまうという問題があった。
また特許文献3に記載の装置は、電極が座部と背もたれに配置されており、これらの位置では車両の走行によって生じるノイズの加わり方が異なり、特に運転者のペダル操作によって生じるノイズが座部に配置された電極のほうが乗り易いため、差分を出力してもノイズが十分に低減されないという問題があった。
本発明の目的は、車両の走行に起因して生じるノイズを良好に低減できる車両用心電計測装置を提案することである。
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、車両のステアリングホイールに配置され、運転者の皮膚に接触して前記運転者の身体電位を検出する直接電極と、前記車両のシートの背もたれに配置され、前記運転者の皮膚に接触せずに前記運転者の身体電位を検出する第1容量結合型電極および第2容量結合型電極と、前記直接電極における電位と前記第1容量結合型電極における電位との電位差と、前記直接電極における電位と前記第2容量結合型電極における電位との電位差と、の差に基づき前記運転者の心電図波形を計測する心電計測手段と、を備え、前記第1容量結合型電極と前記第2容量結合型電極とは、前記背もたれにおける前記運転者と接触する表面からの距離が異なる位置に配置される車両用心電計測装置である。
また請求項3に記載の発明は、車両のステアリングホイールに配置され、運転者の皮膚に接触して前記運転者の身体電位を検出する直接電極と、前記車両のシートの背もたれに配置され、前記運転者の皮膚に接触せずに前記運転者の身体電位を検出する第1容量結合型電極および第2容量結合型電極と、前記直接電極における電位と前記第1容量結合型電極における電位との電位差と、前記直接電極における電位と前記第2容量結合型電極における電位との電位差と、の差に基づき前記運転者の心電図波形を計測する心電計測手段と、を備え、前記第1容量結合型電極から前記運転者までの間と、前記第2容量結合型電極から前記運転者までの間と、には異なる介在物が配置されることを特徴とする車両用心電計測装置である。
このように構成された車両用心電計測装置では、直接電極の出力を基準電位として、第1容量結合型電極の電位に基づく出力信号と第2容量結合型電極の電位に基づく出力信号との差分の信号を用いて心電図波形を計測するため、第1容量結合型電極の信号に乗る車両の走行に起因した振動などのノイズ(以降、単に走行ノイズとも述べる)と第2容量結合型電極の信号に乗る走行ノイズが打ち消されて出力信号のノイズが低減できる。
ここで、第1容量結合型電極と第2容量結合型電極とが例えばシートの座部と背もたれといったように異なる構成の場所に配置されていると、電極の出力信号に乗る走行ノイズが同一でないため差分をとってもノイズが除去されにくくなる。また、座部に配置された容量結合型電極は運転者のペダル操作によって生じるノイズの影響を受けやすいため、座部に2つの容量結合型電極を配置してもノイズの除去が困難である。
しかしながら、本発明のように背もたれに2つの容量結合型電極を配置すると、それぞれの容量結合型電極の出力信号に乗るノイズの波形が近くなり、またペダル操作のノイズが大きくなりすぎることも抑制されるため、走行ノイズを良好に除去することができる。
ところで、出力される心電信号は第1容量結合型電極と第2容量結合型電極との出力信号の差分であるため、必要な出力信号を大きくするために2つの電極から検出される信号の大きさに差が生じるように構成されている
そのためには、例えば第1容量結合型電極と第2容量結合型電極とを、シートの背もたれにおける上下方向および左右方向が異なる位置に配置したり、請求項1に記載の発明のように、背もたれにおける運転者と接触する表面からの距離が異なる位置に配置したりすることが考えられる。
また上述した方法以外に、請求項3に記載の発明のように、第1容量結合型電極から運転者までの間と、第2容量結合型電極から運転者までの間と、に異なる介在物を配置してもよい。容量結合型電極がシートの内部に配置される場合には、シートの表皮から上記電極までの間に介在物を配置することが考えられる。また、シートの表皮自体を介在物として、上記電極ごとに異なる材質のシート表皮を形成してもよい。
なお、第1容量結合型電極から運転者までの間に配置される介在物と、第2容量結合型電極から運転者までの間に配置される介在物と、を誘電率の異なる材質とすることで、容易に2つの電極から検出される信号の差を大きくできる。
本発明の実施例としての車両用心電計測装置を示す図である。 実施例のシートの側面図である。 心電計測器の具体的な構成の一例を示すブロック図である。 容量結合型電極の配置を示すシートを前方から見た模式図である。 容量結合型電極の配置を示すシートの側面図である。 容量結合型電極と運転者の間に介在物を配置した状態を示すシートの側面図である。 シート表皮の材質を変更した状態を示すシートの側面図である。 (A),(B)とも、変形例の容量結合型電極の配置を示す図である。 本発明の効果を確認する試験の際に用いた電極の配置を示す図であって、(A)が背もたれ部の2箇所に配置した図、(B)が背もたれ部と座部に配置した図、(C)が座部の2箇所に配置した図である。 背もたれ部の2箇所に電極を配置した場合の心電波形を説明する図である。 背もたれ部と座部とに電極を配置した場合の心電波形を説明する図である。 座部の2箇所に電極を配置した場合の心電波形を説明する図である。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[実施例]
(1)装置全体の構成
本実施例の車両用心電計測装置は、車両に搭載されて用いられる装置であって、図1に示すように、直接電極11、第1容量結合型電極13、第2容量結合型電極15、心電計測器17などを備えるものである。
直接電極11は運転者の皮膚に接触して運転者の身体電位を検出するための電極であって、導電性材料からなり、車両のステアリングホイール1の表面に露出して配置される。導電性材料の一例としてはクロムメッキ樹脂が挙げられるが、これ以外の材料を用いてもよい。
第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15は、シート3に配置される導電性繊維や薄板状金属板等からなる板状・シート状の導電性の電極である。これら第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15は、運転者の皮膚に接触せずに運転者の身体と仮想コンデンサを形成し、電気的絶縁状態で静電容量結合によって運転者の身体電位を検出する。
第1容量結合型電極13は、シート3正面から見て第2容量結合型電極15よりも上側かつ左側に位置するように配置される。第2容量結合型電極15は、第1容量結合型電極13よりも下側かつ右側となる。
また第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15は、図2に示すように、シート3の表皮31の内側に埋め込んで配置されている。なお、表皮31には皮革やファブリック等の周知の非導電性の材料が用いられているが、上述した容量結合型電極として表皮31に編み込まれた金属ファイバーなどの網状電極を用いてもよい。
心電計測器17は、図1に示すように、直接電極11とステアリング側信号線21により接続され、また、第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15とシート側信号線23a,23bにより接続される。この心電計測器17は車両内部の任意の場所に配置される。
第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15の検出する身体電位は運転者の身体電位の変動に応じて変動する。そしてその電位はシート側信号線23a,23bを介して心電計測器17に伝達される。
心電計測器17の具体例を図3に示す。第1容量結合型電極13は、シート側信号線23aによってボルテージフォロア51の入力端子(+側)に接続されている。第1容量結合型電極13とボルテージフォロア51の入力端子との間には抵抗値の大きい、例えば1GΩ程度の抵抗53を介してグランド端子が接続され、第1容量結合型電極13と運転者の身体とで形成する仮想コンデンサが飽和状態となるのを防止している。
また、ボルテージフォロア51の入力端子(−側)は、ボルテージフォロア51の出力端子からのフィードバックが入力される。ボルテージフォロア51は、電流の入力を抑制しつつ第1容量結合型電極13からの電圧信号をコンデンサ55に伝達する。コンデンサ55と増幅回路57との間には抵抗59を介してグランド端子が接続される。
増幅回路57はコンデンサ55および抵抗59によって低周波成分がカットされた電圧信号を増幅して、マイクロコンピュータ61に出力する。
第2容量結合型電極15にも第1容量結合型電極13と同様にボルテージフォロア51、抵抗53、コンデンサ55、増幅回路57、抵抗59が接続されており、電圧信号がマイクロコンピュータ61に出力される。
マイクロコンピュータ61は、直接電極11が検出する身体電位と第1容量結合型電極13が検出する身体電位の電位差を出力すると共に、直接電極11が検出する身体電位と第2容量結合型電極15が検出する身体電位の電位差を出力する。
そして、それらの電位差の差分を出力し、その電位差差分に基づく心電信号をフィルタリング処理等すると共に所定周期でサンプリングし、時系列データとして記憶装置63に記憶する。この時系列データが心電図波形である。なお、上述したボルテージフォロア51,コンデンサ55等の構成は、オペアンプ等に置き換えてもよい。
心電計測器17は、心電図波形に異常がないか否かを監視し、異常があると判断した場合に警報を発したり、車両を徐々に停止させたりする等の運転支援制御を行うことができる。また、無線通信によって車外設備に心電図波形に係るデータを送信し、車外設備において波形に異常がないか否かを監視することもできる。
心電計測器17は車両制御コンピュータ19に接続されており、車速センサ等の出力が入力されるように構成され、車両が走行中であると判定した場合には、心電図波形のうちR波ピーク(R波の波高)の間隔等に基づいて運転者の状態を大局的に判定し、車両が停車中であると判定された場合には、心電図波形のうちR波ピークを含む心電図波形全体に基づいて体調など運転者の状態をより厳密に判定するものとしてもよい。
ここで、心電図波形は、主に、心房の電気的興奮を反映するP波と、心室の電気的興奮を反映するQ、RおよびS波と、興奮した心室の心筋細胞が再分極する過程を反映するT波とから構成され、R波の波高(電位差)が最も大きい。
従って、車両走行中においては、心電図波形のうち波高が最も大きい部分であるR波ピークの間隔等に基づき運転者の状態を大局的に判定する。一方、車両停車中においては運転者が安静状態になり易く筋電位等のノイズを少なくすることができるので、R波よりも波高の小さいT波およびP波を含めた心電図波形全体に基づき運転者の状態をより厳密に判定する。
車両の走行中においては、心電図波形からR波ピークのみを検出し、その周期から一分間当たりの心拍数を算出する。そして、RR間隔から心拍数のゆらぎを監視し、この心拍数のゆらぎを周波数解析し低周波成分および高周波成分を算出する。そして、算出した心拍数および心拍数のゆらぎの低周波成分/高周波成分比に基づいて眠気などの状態変化や不整脈の有無を判定する。不整脈など運転に不適な状態にあると判定した場合は、車両の駆動装置やブレーキ装置に干渉制御して車両を徐々に停止させたり、表示装置に警告画面を表示させたりする制御を行なってもよい。
不整脈のおそれがあると判定した場合は、通信装置を介して、予め登録された連絡先に自動的に通報したり、あるいは、車外に緊急事態を知らせるようホーンを鳴らしたり、ライトを点滅させたりするようにするとよい。
次に、本実施例の車両用心電計測装置の作動について説明する。運転者がシート3に着座して運転が開始されると、運転者の手が直接接触している直接電極11による検出信号がステアリング側信号線21を介して心電計測器17に入力される。
また、第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15による検出信号がシート側信号線23a,23bを介して心電計測器17に入力される。心電計測器17は直接電極11による検出信号を基準電位として第1容量結合型電極13の検出信号の電位差と第2容量結合型電極15の検出信号の電位差との差分に基づく心電信号をフィルタリング処理等すると共に所定周期でサンプリングし、心電図波形を得る。
(2)効果
このように構成された車両用心電計測装置では、直接電極11の検出信号を基準電位として、第1容量結合型電極13における電位と第2容量結合型電極15における電位との差分の信号を用いて心電図波形を計測するため、第1容量結合型電極13の検出信号に乗る走行ノイズと第2容量結合型電極15の検出信号に乗る走行ノイズが打ち消されて出力信号のノイズを低減することができる。
また、背もたれ部3aの2箇所に容量結合型電極を配置しているため、それぞれの容量結合型電極にのるノイズが近くなり、またペダル操作のノイズが大きくなりすぎることも抑制されるため、走行ノイズを良好に除去することができる。
また、第1容量結合型電極13と第2容量結合型電極15の配置を上下方向かつ左右方向で異なる位置としているため、それぞれの電極が検出する心電信号の差を大きくすることができ、心電図波形の検出精度を高めることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施例においては、第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15は、検出される心電信号の強さに差異を持たせる目的で、上述したように第1容量結合型電極13が第2容量結合型電極15に対して上側かつ左側であるように配置される構成を例示したが、この配置以外であっても、背もたれ部3aにおける上下方向または左右方向の少なくとも一方が異なる位置に配置することで、検出される身体電位の強さ(例えばR波の強さ)に差異を持たせることができる。また、例えば図4(A),(B)に示すように、背もたれ部3aの左右どちらかに偏らせて配置してもよい。その場合には、いずれの電極も背もたれ部3aに配置されていることから走行ノイズはほぼ同等となり、両信号を差分することによって走行ノイズは除去されて、R波の差分成分のみが残ることになる。よって、走行ノイズの影響を低減した波形を得ることで心電R波を容易に検出しやすくなるという効果を得ることができる。
また、上記実施例では上方に位置する第1容量結合型電極13がシート3の正面から見て第2容量結合型電極15よりも左側に配置される構成を例示したが、右側になるように配置してもよい。なお、上記実施例のように第1容量結合型電極13が左側に配置される場合には、特に心電図の第2誘導が検出しやすいドライバの場合に、R波の強さに差異をより持たせることができ、心電R波を容易に検出しやすくなるという効果を得ることができる。
また、図5に示すように、第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15は、背もたれ部3aにおける表皮31からの距離が異なる位置に配置されてもよい。このように構成することで、運転者と接触するシートの表面部分からの距離が容量結合型電極ごとに異なることとなるため、検出される身体電位の強さ(例えばR波の強さ)に差をつけることができる。
また図5では第1容量結合型電極13が表皮31から遠くなるように配置されており、第1容量結合型電極13と表皮31との間には介在物33が設けられている。介在物33,35としては、例えば、ウレタン材、裏布材、またはABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合樹脂)やPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)などの樹脂材を用いることができる。
また、図6に示すように、第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15それぞれに対して、それぞれ表皮31までの間に異なる材質の介在物35,37が配置されていてもよい。介在物33,35としては、誘電率の異なる材質を用いることで、検出される身体電位の強さに差をつけることができる。なお介在物はいずれか一方の容量結合型電極に対してのみ配置されていてもよい。
また、図7に示すように、第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15それぞれに対して、近接する部分の表皮31の材質を異ならせてもよい。例えば一方の表皮31aにのみ導電糸などの導電性の素材を用い、他方は通常の表皮材を用いることが考えられる。もちろん他方も通常の表皮材とは異なる材料を用いてもよい。
また、第1容量結合型電極13と第2容量結合型電極15とを異なる構成としてもよい。例えば、異なる材質の導電性材料を用いたり、シート形状の面積を異ならせたりすることが考えられる。
また、上記実施例においては、第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15がシート3の内部に埋め込まれて配置される構成を例示したが、シート3に被せるカバーにおける運転者の背中と接触する側に配置したり、シート3に設けられた挿入孔に挿入して取り付ける構成などであってもよい。
また、上記実施例においては、第1容量結合型電極13および第2容量結合型電極15の2つの容量結合型電極を設ける構成を例示したが、3つ以上の容量結合型電極を設ける構成でもよい。例えば、図8(A),(B)に示すように3つの容量結合型電極43,45,47を配置することが考えられる。なお3つ以上の容量結合型電極を配置する場合には、それらの基準電位からの電位差を適宜加算して用いることができる。例えば、直接電極11の身体電位を基準電位として、容量結合型電極43,45,47の電位差をそれぞれA,B,Cとしたときに、A−(マイナス)Bの値と、A−(マイナス)Cの値とを加算した信号を用いて心電図波形を計測してもよい。
[効果を確認する試験]
図10は、図9(A)に示すように背もたれ部3aの上下2箇所に容量結合型電極41を配置した場合に出力される心電波形を説明する図であって、車両の走行速度(イ)およびステアリングの操舵角(ロ)と並べて、容量結合型電極41それぞれの基準電位に対する電位(ハ)、(ニ)とそれらの差分(ホ)を示している。また図10〜図12の(ハ)〜(ホ)において、車両の加減速やステアリング操作などの特別な運転操作を行わないときに発生した走行ノイズ、即ちノイズ除去の対象とすべきノイズの位置を円形の枠で囲っている。
背もたれ部3aにおける背中上側の電極にて検出された電位差(ハ)と、背中下側の電極にて検出された電位差(ニ)との差分を取ると、(ホ)に示すように、走行ノイズを良好に低減することができた。なお、背中上側よりも背中下側の電極で計測した信号の方がR波の振幅が大きいので、差分を取っても十分に大きな心電信号を残すことができた。
一方、図9(B)に示すように背もたれ部3aの下方と座部3bとの2箇所に容量結合型電極を配置した場合、図11に示すように、座部3bの電極にて検出された電位差(ハ)と、背もたれ部3aの電極にて検出された電位差(ニ)との差分を取ると、(ホ)に示すように、走行ノイズが消えずに残った。これは、背もたれ部3aと座部3bとで走行ノイズが乗るタイミングやその大きさ、位相などが異なるためである。
また、図11(ホ)では心電信号が消失している。これは、背もたれ部3aに配置された電極と座部3bに配置された電極とで検出される信号の大きさが近くなったためである。
背もたれ部3aと座部3bというように異なる部位に配置すると、運転者の体格や運転姿勢などによって受ける影響に差が出やすいため、(ホ)のように走行ノイズが除去しきれずに残ることが多くなる。本発明のように背もたれ部3aの異なる2箇所に配置すれば、体格や運転姿勢の影響が比較的同等に発現するため、差分の信号に走行ノイズが残ってくることが抑制される。
また、図9(C)に示すように座部3bの前後2箇所に容量結合型電極を配置した場合、図12に示すように、座部3bの前方の電極にて検出された電位差(ハ)と、座部3bの後方の電極にて検出された電位差(ニ)との差分を取ると、(ホ)に示すように、走行ノイズが消えずに残ると共に、心電信号が消失した。このように、座部の場合は、左右に配置されることによってアクセルやブレーキ、クラッチなどのペダル操作を行うことためや衣服のポケットに財布などの物を入れている場合など、大腿部の姿勢の違いや操作そのものによる動きの違いなどによって、差分後も走行ノイズが残ってしまう。また、座部3bの2箇所に容量結合型電極を配置すると、両者のR波振幅はほぼ同等となり、差分の心電信号を大きくできない。一方本発明のように背もたれ部3aの2箇所に配置することで、差分の心電信号を大きくすることができる。
1…ステアリングホイール、3…シート、3a…背もたれ部、3b…座部、11…直接電極、13…第1容量結合型電極、15…第2容量結合型電極、17…心電計測器、19…車両制御コンピュータ、21…ステアリング側信号線、23a,23b…シート側信号線、31…表皮、31a…表皮、33…介在物、41,43,45,47…容量結合型電極、51…ボルテージフォロア、53…抵抗、55…コンデンサ、57…増幅回路、59…抵抗、61…マイクロコンピュータ、63…記憶装置

Claims (5)

  1. 車両のステアリングホイールに配置され、運転者の皮膚に接触して前記運転者の身体電位を検出する直接電極と、
    前記車両のシートの背もたれに配置され、前記運転者の皮膚に接触せずに前記運転者の身体電位を検出する第1容量結合型電極および第2容量結合型電極と、
    前記直接電極における電位と前記第1容量結合型電極における電位との電位差と、前記直接電極における電位と前記第2容量結合型電極における電位との電位差と、の差に基づき前記運転者の心電図波形を計測する心電計測手段と、を備え
    前記第1容量結合型電極と前記第2容量結合型電極とは、前記背もたれにおける前記運転者と接触する表面からの距離が異なる位置に配置される
    ことを特徴とする車両用心電計測装置。
  2. 前記第1容量結合型電極から前記運転者までの間と、前記第2容量結合型電極から前記運転者までの間と、には異なる介在物が配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用心電計測装置。
  3. 車両のステアリングホイールに配置され、運転者の皮膚に接触して前記運転者の身体電位を検出する直接電極と、
    前記車両のシートの背もたれに配置され、前記運転者の皮膚に接触せずに前記運転者の身体電位を検出する第1容量結合型電極および第2容量結合型電極と、
    前記直接電極における電位と前記第1容量結合型電極における電位との電位差と、前記直接電極における電位と前記第2容量結合型電極における電位との電位差と、の差に基づき前記運転者の心電図波形を計測する心電計測手段と、を備え、
    前記第1容量結合型電極から前記運転者までの間と、前記第2容量結合型電極から前記運転者までの間と、には異なる介在物が配置される
    ことを特徴とする車両用心電計測装置。
  4. 前記第1容量結合型電極から前記運転者までの間に配置される前記介在物と、前記第2容量結合型電極から前記運転者までの間に配置される前記介在物と、は誘電率の異なる材質である
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用心電計測装置。
  5. 前記第1容量結合型電極と前記第2容量結合型電極とは、前記シートの背もたれにおける上下方向および左右方向が異なる位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用心電計測装置。
JP2012084875A 2012-04-03 2012-04-03 車両用心電計測装置 Expired - Fee Related JP5761106B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012084875A JP5761106B2 (ja) 2012-04-03 2012-04-03 車両用心電計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012084875A JP5761106B2 (ja) 2012-04-03 2012-04-03 車両用心電計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013212311A JP2013212311A (ja) 2013-10-17
JP5761106B2 true JP5761106B2 (ja) 2015-08-12

Family

ID=49586152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012084875A Expired - Fee Related JP5761106B2 (ja) 2012-04-03 2012-04-03 車両用心電計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5761106B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101731190B1 (ko) * 2015-11-30 2017-04-27 계명대학교 산학협력단 심전도를 이용한 운전자 상태 감시 장치 및 그 방법

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6430384B2 (ja) 2013-09-05 2018-11-28 テイ・エス テック株式会社 シート
CN103637795B (zh) * 2013-12-30 2015-04-01 中国人民解放军总医院 心电图机自动诊断功能检测方法
CN104224162B (zh) * 2014-05-26 2016-07-13 东北大学 一种基于安卓手机与3d电极的驾驶员心电监护系统及方法
JP6453722B2 (ja) * 2015-07-08 2019-01-16 日本電信電話株式会社 生体センサー装置
JP2017113437A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 有限会社アイ・アール・ティー 心拍波検出装置及び心拍数計測装置
JP7234100B2 (ja) * 2019-11-18 2023-03-07 株式会社東海理化電機製作所 学習データ拡張方法、および学習データ生成装置
JP7301015B2 (ja) * 2020-03-25 2023-06-30 株式会社東海理化電機製作所 車両用心電検出装置
EP4155205A1 (en) * 2021-09-24 2023-03-29 Aircraft Cabin Modification GmbH System for in-flight detection of physiological data and kit for in-flight monitoring of physiological parameters

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4738958B2 (ja) * 2005-09-26 2011-08-03 学校法人立命館 心電図計測装置
JP5057070B2 (ja) * 2007-07-31 2012-10-24 株式会社エクォス・リサーチ 心電センサー
JP5292018B2 (ja) * 2008-08-22 2013-09-18 トヨタ自動車株式会社 車両用心電計測装置
JP2012040241A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Ritsumeikan 心電図波形計測装置
JP2012050585A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Denso Corp 心電位検出装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101731190B1 (ko) * 2015-11-30 2017-04-27 계명대학교 산학협력단 심전도를 이용한 운전자 상태 감시 장치 및 그 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013212311A (ja) 2013-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5761106B2 (ja) 車両用心電計測装置
JP5292018B2 (ja) 車両用心電計測装置
JP5637108B2 (ja) 車両用心電計測装置
JP5368904B2 (ja) 車両用心電計測装置
US10117589B2 (en) Vehicle seat
JP5196191B2 (ja) 車両用生体センシング装置
US9277882B2 (en) Sensor for contactless electrocardiographic measurement
JP4962735B2 (ja) 生体情報取得装置
JP6068820B2 (ja) 車両用シート
US20110125002A1 (en) Signal detecting device for detecting a difference signal for an electrical measurement of a vital parameter of a living being, electrode arrangement and method
JP2011024902A (ja) 車両用心電計測装置
JPS59214429A (ja) 自動車用心拍検出器
CN108882880A (zh) 心率变异性与困倦检测
JP2012040241A (ja) 心電図波形計測装置
US10449874B2 (en) Seat with detector
JP2021070460A (ja) 車両用シート用計測装置
US20130261477A1 (en) In-vehicle electrocardiograph device and vehicle
KR101679976B1 (ko) 차량 내 심전도 측정 장치
JP2009106675A (ja) 生体情報取得装置
JP5573810B2 (ja) 車両用心電計測装置
JP6731785B2 (ja) 信頼性判定装置及び信頼性判定方法
DE102015223402A1 (de) Semi-kontakttyp-ekg-messsystem und messverfahren dafür
JP2016185777A (ja) シート
Sakai et al. Design of seat mounted ECG sensor system for vehicle application
KR20070028745A (ko) 맥박 및 호흡 무자각적 측정방법 및 이를 사용한 차량용측정장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150512

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150525

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5761106

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees