図1〜図4に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部に、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する上皿5aと下皿5bとを有する皿ユニット5が設けられ、その皿ユニット5に遊技者が操作可能な演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)と発射ハンドル7とが装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、上皿5aから発射位置に導入された遊技球が発射され、上皿5aに複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6 秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
図2〜図5に示すように、遊技領域4aには、多数の障害釘4bの他に、非開閉式の第1始動口10と、開閉式の第2始動口11aを有する始動口装置11と、ゲート12と、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13と、複数(4つ)の一般入賞口14とが、夫々遊技球が通過(入賞)可能に図示の配置で設けられている。第1始動口10、ゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、ゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
始動口装置11は、第2始動口11aと、第2始動口11aを開閉する開閉部材11bと、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11cと、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)とを有し、第2始動口11aは、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態になり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
大入賞口装置13は、大入賞口13aと、大入賞口13aを開閉する開閉部材13bと、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13cと、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dとを有し、大入賞口13aは、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態になり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
遊技領域4aに発射された遊技球が、入賞口10,11a,13a,14の何れかに入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数(数個〜10数個)の遊技球が賞球として上皿5aに払出され、上皿5aが遊技球で満杯の場合には下皿5bに払出される。遊技球が入賞口10,11a,13a,14の何れにも入賞しなかった場合、最終的に排出口9から遊技領域4aの外部へ排出される。
遊技球が始動口10,11aに入賞した場合には大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選すると、大入賞口13aが開放する特別遊技(大当り遊技)が発生し、遊技球がゲート12を通過した場合には当り抽選が行われ、その当り抽選で当選すると、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示装置16と本願特有の可動役物装置17とが装備されている。センタ役物15は、その枠体15aが遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、その枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。画像表示装置16は、その画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ役物15の枠体15aの内側を通して視認可能に配置されている。
遊技盤4の左下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第1特図保留数に関わらず、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12を遊技球が通過する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
画像表示装置16には、特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときには、大当り抽選で当選する期待度を示唆する図柄変動演出が表示され、特別遊技が行われているときには、特別遊技を盛り上げる特別遊技演出が表示される。
パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図5に示すように、制御装置20は、遊技制御基板21、払出制御基板22、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25を備え、これら制御基板21〜25に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板23は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板21のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号、払出制御基板22からの制御情報(コマンド)を受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板22、演出制御基板23に制御情報を出力する。
払出制御基板22のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報、払出球検出SW26b、球有り検出SW26c、満タン検出SW26dからの信号を受けて、払出モータ26aを制御し、遊技制御基板21に制御情報を出力する。演出制御基板23のコンピュータは、遊技制御基板21、画像制御基板24、ランプ制御基板25からの制御情報、演出ボタンSW6からの信号を受けて、画像制御基板24、ランプ制御基板25に制御情報を出力する。
画像制御基板24のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、画像表示装置16、スピーカ27を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。ランプ制御基板25のコンピュータは、可動役物装置17(後述の原点SW)からの信号、演出制御基板23からの制御情報を受けて、可動役物装置17(後述の電動モータ)、枠ランプ28a、盤ランプ28bを制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。
可動役物装置17について詳細に説明する。
図2〜4に示すように、可動役物装置17は、画像表示装置16の画面と同様に、パチンコ遊技機1の前側からセンタ役物15の枠体15aの内側を通して、或いは枠体15aの内側において視認可能に配置されている。
図6〜16に示すように、可動役物装置17は、センタ役物15(又は遊技盤4)に固定された左役物ベース30及び右役物ベース31と、左右の役物ベース30,31に可動に装着された3つの可動役物32,33,34とを備え、3つの可動役物32,33,34は、主動の第1可動役物32(特定可動役物32)と第1可動役物32に従動の第2,第3可動役物33,34(2つの非特定可動役物33,34)とを含んでいる。
可動役物装置17は、更に、第1可動役物32を第1位置P1(図2)と第2位置P2(図3、図4)とに亙って上下方向へ移動駆動する駆動機構35と、第1,第2,第3可動役物32,33,34の動作パターンを切換える動作切換機構36とを備えている。
左右の役物ベース30,31について説明する。
図6、図7に示すように、左右の役物ベース30,31は、画像表示装置16の左右両側においてセンタ役物15又は遊技盤4の後側に隠れるように配置されている。左役物ベース30には、上下方向へ延びる2本の左ガイドロッド30a,30b、駆動機構35、動作切換機構36の主要部が取付けられ、右役物ベース31には、上下方向へ延びる1本の右ガイドロッド31aが取付けられている。
第1,第2,第3可動役物32,33,34について説明する。
図6〜図12に示すように、第1,第2,第3可動役物32,33,34は、夫々、左右方向へ長く形成され、左端部が左ガイドロッド30a,30bに上下方向へ移動自在にガイドされ、右端部が右ガイドロッド31aに上下方向へ移動自在にガイドされている。
第1可動役物32は、プレート状の第1役物本体32aと、第1役物本体32aから左方へ延びる第1左連結部材32bと、第1役物本体32aから右方へ延びる第1右連結部材32cと、第1左連結部材32bの左端部に固定されて左ガイドロッド30a,30bにガイドされる第1左スライダ32dと、第1右連結部材32cの右端部に固定されて右ガイドロッド31aにガイドされる第1右スライダ32eとを有する。
第2,第3可動役物33,34は、夫々、第1可動役物32と基本的に同様に構成され、第2,第3役物本体33a,34aと、第2,第3左連結部材33b,34bと、第2,第3右連結部材33c,34cと、第2,第3左スライダ33d,34dと、第2,第3右スライダ33e,34eとを有する。
第1,第2,第3役物本体32a,33a,34aは、画像表示装置16の画面の左右長と略同じ左右長を有し、画像表示装置16の画面の前側を移動可能に、且つ互いに前後に重なり得るように配置されている。例えば、第1役物本体32aには所定のロゴマークが形成され、第2役物本体33aには口を含む顔下部が形成され、第3役物本体34aには鼻を含む顔中央部が形成されている。
第1左スライダ32dは正面視L字形に形成され、第2左スライダ33dは正面視逆コ字形に形成され、第3左スライダ34dは正面視逆L字形に形成され、第1左スライダ32dに第2左スライダ33dが上側から係合可能であり、第2左スライダ33dに第3左スライダ34dが上側から係合可能である。
第2左スライダ33dが第1左スライダ32dに係合すると、第1左スライダ32dに対して相対的に下方へ移動不能になり、第1役物本体32aの後側に第2役物本体33aが重なって、第1,第2可動役物32,33が合体状態になる。第3左スライダ34dが第2左スライダ33dに係合すると、第2左スライダ33dに対して相対的に下方へ移動不能になり、第2役物本体33aの後側に第3役物本体34aが重なって、第2,第3可動役物33,34が合体状態になる。
第1右スライダ32eには1対の鍔付きコロ32e1が装着され、この1対の鍔付きコロ32e1が右ガイドロッド31aを挟持状に転動可能に係合している。第2,第3右スライダ33e,34eには、第1右スライダ32eと同様に、1対の鍔付きコロ33e1,34e1が夫々装着されている。
図10、図12、図15、図16に示すように、第1,第2,第3可動役物32,33,34には、これら可動役物32,33,34を互いに連結解除可能に連結する連結機構40が設けられている。この連結機構40は、第2左スライダ33dに連結位置と連結解除位置とに亙って前後方向へ可動に装着された連結部材41と、この連結部材41を連結位置(後方)へ付勢するバネ部材(図示略)とを有する。
連結部材41には、上下2つの第1,第2係合部41a,41bと、この第1,第2係合部41a,41bの間に位置する被操作部41cとが、第2左スライダ33dから後方へ突出可能に設けられている。第1,第2可動役物32,33が合体状態のときに、第2係合部41bがその後側に位置する第1左スライダ32dの第2係合穴42bに係合可能になり、第2,第3可動役物33,34が合体状態のときに、第1係合部41aがその後側に位置する第3左スライダ34dの第1係合穴42aに係合可能になる。
連結部材41が連結位置のとき、第1,第2係合部41a,41bが第1,第2係合穴42a,42bに夫々係合して、第1,第2,第3可動役物32,33,34が互いに連結されて合体状態に保持される。この状態から、連結部材41が被操作部41cから連結解除位置に操作されると、第1,第2係合部41a,41bが第1,第2係合穴42a,42bから夫々係合解除して、第1,第2,第3可動役物32,33,34が互いに連結解除されて分離可能になる。
駆動機構35について説明する。
図6〜図8、図13、図14に示すように、駆動機構35は、左役物ベース30に固定された電動モータ50と、電動モータ50の出力軸50aに固着された駆動ギヤ51と、駆動ギヤ51に噛合して左役物ベース30に回転自在に支持された中間ギヤ52と、中間ギヤ52に噛合して左役物ベース30に回転自在に支持された従動ギヤ53と、従動ギヤ53に噛合するラック54aを有する可動ラック部材54とを有する。
駆動機構35は、更に、左役物ベース30に取付けられ可動ラック部材54を上下方向へ移動自在にガイドする2本の案内軸55a,55bと、可動ラック部材54を常時上方へ付勢する引張バネ56と、可動ラック部材54に回転自在に支持された可動ギヤ57と、左役物ベース30に設けられ可動ギヤ57に噛合する固定側のラック58と、第1左スライダ32dに設けられ可動ギヤ57に噛合する可動側のラック59とを有する。
電動モータ50が駆動されると、ギヤ51〜53とラック54aにより、可動ラック部材54が上下動され、これにより、ギヤ57とラック58,59により、第1左スライダ32d、即ち第1可動役物32が、可動ラック部材54の移動方向と同方向へ且つ可動ラック部材54の移動量の2倍の移動量上下動される。このように、駆動機構35は、第1可動役物32を直接的に移動駆動し、第1可動役物32を介して第1可動役物32と合体状態の第2,第3可動役物33,34を移動駆動することができる。
2本の左ガイドロッド30a,30bの下端部には、1対の圧縮バネ60が夫々外装されるとともに、この1対の圧縮バネ60により上方へ付勢される付勢部材61が上下方向へ移動自在に装着されている。付勢部材61は、ガイドロッド30a,30bの下端から一定距離離れると、それ以上は上方へ移動しないように左役物ベース30に係止される。
第1可動役物32が第1位置P1から第2位置P2へ移動すると、その第2位置P2の上方近傍位置から、付勢部材61が第1左スライダ32dに当接して下方へ押動されることで、第1左スライダ32dに1対の圧縮バネ60による上向きの付勢力が入力され、つまり、第1可動役物32が1対の圧縮バネ61により上方へ付勢される。
動作切換機構36について説明する。
図7、図15〜図25に示すように、動作切換機構36は、駆動機構35により第1,第2,第3可動役物32,33,34を第1位置P1と第2位置P2間で一体的に上下移動可能にする第1状態(図21)と、駆動機構35により第1可動役物32を第1位置P1から第2位置P2へ下方移動させる際に、第2,第3可動役物33,34を第1位置P1と第2位置P2間の第1,第2途中位置Pw1,Pw2(2つの途中位置Pw1,Pw2)に停止させ第1可動役物32から分離可能にする第2状態(図22、図23、図24)とに切換え可能に構成されている。
動作切換機構36は、第2状態において、詳しくは、駆動機構35により第1可動役物32を第1位置P1→第1途中位置Pw1→第2途中位置Pw2→第2位置P2へと下方移動させる際に、連結機構40により連結された第1,第2,第3可動役物32,33,34を一体的に第1位置P1→第1途中位置Pw1へと下方移動させ、第1途中位置Pw1において連結機構40による第1,第2,第3可動役物32,33,34の連結を解除して、第3可動役物34を第1途中位置Pw1に停止させる(図22)。
次に、第1,第2可動役物32,33を一体的に第1途中位置Pw1→第2途中位置Pw2へと下方移動させ、これにより、第3可動役物34を第1,第2可動役物32,33から分離させ、第1途中位置Pw1からの下方移動開始直後に連結機構40により第1,第2可動役物32,33を連結させてから、第2途中位置Pw2において連結機構40による第1,第2可動役物32,33の連結を解除して、第2可動役物33を第2途中位置Pw2に停止させる(図23)。最後に、第1可動役物32を単独で第2途中位置Pw2→第2置P2へと下方移動させ(図24)、これにより、第2可動役物33を第1可動役物32から分離させる。
また、動作切換機構36は、第2状態において、詳しくは、駆動機構35により第1可動役物32を第2位置P2→第2途中位置Pw2→第1途中位置Pw1→第1位置P1へと上方移動させる際に、先ず、第1可動役物32を単独で第2位置P2→第2途中位置Pw2へと上方移動させ、第2途中位置Pw2において第1,第2可動役物32,33を合体させる(図23)。
次に、第1,第2可動役物32,33を一体的に第2途中位置Pw2→第1途中位置Pw1へと上方移動させ、第2途中位置Pw2からの上方移動開始直後に連結機構40により第1,第2可動役物32,33を連結させてから、第1途中位置Pw1において連結機構40による第1,第2可動役物32,33の連結を解除すると共に、第1,第2,第3可動役物32,33,34を合体させる(図22)。最後に、第1,第2,第3可動役物32,33,34を一体的に第1途中位置Pw1→第1位置P1へと上方移動させ、第1途中位置Pw1からの上方移動開始直後に連結機構40により第1,第2,第3可動役物32,33,34を連結させる。
動作切換機構36は、更に、第1,第2,第3可動役物32,33,34を第1位置P1に係止可能にする第3状態(図25)に切換え可能であり、この第3状態の係止を解除して第1,第2状態の何れかに切換え可能に構成されている。
ここで、図8に示すように、駆動機構35の可動ラック部材54には、可動プレート65が固定され、この可動プレート65に4つの遮蔽板66が上下方向に間隔を空けて設けられている。一方、左役物ベース30には、3つの光学センサ67(原点SW67)が、夫々、4つの遮蔽板66の少なくとも1つを検出可能に取付けられている。3つの光学センサ67の検出・非検出のパターンにより、第1可動役物32の第1位置P1、第1途中位置Pw1、第2途中位置Pw2、第2位置P2を検知可能に構成されている。
動作切換機構36の詳細な構造・機能について説明する。
図7、図15〜図25に示すように、動作切換機構36は、左役物ベース30に取付けられた切換ユニット37を備え、その切換ユニット37は、左役物ベース30に固定されたケース70と、このケース70に鉛直の軸部材71aを介して回動自在に支持され第1,第2,第3左スライダ32d,33d,34dの近傍に配置された切換部材71と、切換部材71を90度に亙って回動させる回動駆動機構72とを有し、この回動駆動機構72により切換えられた切換部材71の回動位置によって、第1状態、第2状態、第3状態の何れかに択一的に切換える。
回動駆動機構72は、ケースに固定された電動モータ75と、電動モータ75の駆動力を切換部材71に伝達して切換部材71を回動させるギヤ列76とを有し、軸部材71aには切換部材71を平面視にて反時計回り方向へ付勢して回動駆動機構72のバックラッシュを吸収する捩じりバネ77が外装されている。
この回動駆動機構72により、図20(1)に示すように、切換部材71が平面視にて時計回り方向へ最大限回動した第1回動位置Q1に切換えられると第1状態になり、図20(2)に示すように、切換部材71が平面視にて反時計回り方向へ最大限回動した第2回動位置Q2に切換えられると第2状態になり、図20(3)に示すように、切換部材71が第1,第2回動位置Q1,Q2間の第3回動位置Q3に切換えられると第3状態になる。尚、この切換部材71の回動位置の切換えは、基本的に、第1,第2,第3可動役物32,33,34が第1位置P1にあるときに行われる。
ここで、切換部材71には、セクター形状の第1,第2遮蔽板80a,81aが設けられ、第1遮蔽板80aにはスリット80bが形成されている。発光部及び受光部を有する第1光学センサ80(原点SW80)が第1遮蔽板80aを挟むように、また、発光部及び受光部を有する第2光学センサ81(原点SW81)が第2遮蔽板81aを挟むように、夫々ケース70に取付けられている。
第1光学センサ80がオフ(第1遮蔽板80aで遮蔽)になり、第2光学センサ81がオンになって、第1回動位置Q1を検知し、第1,第2光学センサ80,81が共にオンになって、第2回動位置Q2を検知し、第1光学センサ80がオンになり、第2光学センサ81がオフ(第2遮蔽板81aで遮蔽)になって、第3回動位置Q3を検知する。
切換部材71には、第1受止部90、第2受止部91、第3受止部92、第1操作部93、第2操作部94が設けられ、一方、第1左スライダ32dには、第1受止部90に上側から係合可能な第1係合部95が設けられ、第2左スライダ33dには、第2受止部91に上側から係合可能な第2係合部96が設けられ、第3左スライダ34dには、第3受止部92に上側から係合可能な第3係合部97が設けられ(図10、図12等も参照)、第1,第2操作部93,94は、夫々連結部材41の被操作部41cを操作可能である。
図20(1)、図21に示すように、切換部材71が第1回動位置Q1に切換えられた第1状態では、切換部材71の第1,第2,第3受止部90,91,92が、夫々第1,第2,第3係合部95,96,97の移動軌跡上から退いた状態に、第1,第2操作部93,94が、連結部材41の被操作部41cの移動軌跡上から退いた状態になる。従って、第1,第2,第3可動役物32,33,34を、第1位置P1と第2位置P2間にいて連結機構40により互い連結した状態に保持して一体的に上下動させることができる。
図20(2)、図22〜図24に示すように、切換部材71が第2回動位置Q2に切換えられた第2状態では、切換部材71の第1受止部90が、第1係合部95の移動軌跡上から退いた状態に、切換部材71の第2,第3受止部91,92が、夫々第2,第3係合部96,97の移動軌跡上に張出した状態になる。
従って、第1可動役物32を第1位置P1と第2位置P2間にいて上下動させることができ、第1位置P1から第2位置P2へ下方移動させる際、第1途中位置Pw1において、第3係合部97を第3受止部92に係合させて、第3可動役物34を停止させ(図22)、第2途中位置Pw2において、第2係合部96を第2受止部91に係合させて、第2可動役物33を停止させることができる(図23)。
ここで、第3受止部92と第3係合部97が、第2状態のときに第3可動役物34を第1途中位置Pw1に停止させる第1途中位置停止機構を構成し、第2受止部91と第2係合部96が、第2状態のときに第2可動役物33を第2途中位置Pw2に停止させる第2途中位置停止機構を構成している。
また、第2状態では、第1,第2操作部93,94が、連結部材41の被操作部41cの移動軌跡上に張出した状態になる。従って、第1可動役物32を第1位置P1から第2位置P2へ下方移動させる際、第1途中位置Pw1において、被操作部41cが第1操作部93により操作されて(図22)、連結機構40による連結を解除させ、故に、第3可動役物34を停止させて、第1,第2可動役物32,33から分離させることができ、第2途中位置Pw2において、被操作部41cが第2操作部94により操作されて(図23)、連結機構40による連結を解除させ、故に、第2可動役物33を停止させて、第1可動役物32から分離させることができる。
ここで、被操作部41cと第1操作部93が、第2状態のときに第1途中位置Pw1において連結機構40による連結を解除する第1途中位置連結解除機構を構成し、被操作部41cと第2操作部94が、第2状態のときに第2途中位置Pw2において連結機構40による連結を解除する第2途中位置連結解除機構を構成している。
第1,第2操作部93,94について詳しく説明すると、図19、図22〜図24に示すように、第1操作部93は、上傾斜部93a、頂部93b、下傾斜部93cを有し、第2操作部94は、上傾斜部94a、頂部94bを有する。
図22に示すように、第2状態において、下方移動する被操作部41cは、第1操作部93の上傾斜部93aに係合して前方へ移動され、頂部93bに係合することで連結機構40による連結が完全に解除され、ここで、第3可動役物34が第1途中位置Pw1になり、第1,第2可動役物32,33から分離させられる。その後、下方移動する被操作部41cは、第1操作部93の下傾斜部93cに係合して後方へ移動され、同じく一体的に下方移動する第1,第2可動役物32,33が連結機構40により連結される。
また、図23に示すように、下方移動する被操作部41cは、第2操作部94の上傾斜部94aに係合して前方へ移動され、頂部94bに係合することで連結機構40による連結が完全に解除され、ここで、第2可動役物33が第2途中位置Pw2になり、第1可動役物32から分離させられ、被操作部41cは頂部94bに係合した状態で停止する。
一方、図23に示すように、上方移動する被操作部41cは、第2操作部94の頂部94bに係合した状態から、上傾斜部94aに係合して後方へ移動され、同じく一体的に上方移動する第1,第2可動役物32,33が連結機構40により連結される。
また、図22に示すように、上方移動する被操作部41cは、第1操作部93の下傾斜部93cに係合して前方へ移動され、頂部93bに係合することで連結機構40による連結が完全に解除され、その後、上方移動する被操作部41cは、第1操作部93の上傾斜部93aに係合して後方へ移動され、同じく一体的に上方移動する第1,第2,第3可動役物32,33,34が連結機構40により連結される。
ところで、図2〜図4に示すように、画像表示装置16には、その画面の外周近傍を枠状に覆う装飾部材18が装着されている。この装飾部材18の上部に、画像表示装置16の画面の一部を露出させる2つの表示穴18aが形成され、装飾部材18とその2つの表示穴18aから表示される画像表示装置16による画像、更には可動役物装置17との協働により特定の遊技演出を行わせるように構成されている。
具体的に、装飾部材18の2つの表示穴18aは2つの目玉の輪郭を形成し、第1,第2,第3可動役物32,33,34が第1位置P1にあるとき、その後側に2つの表示穴18aを隠蔽し、第1,第2,第3可動役物32,33,34が第1位置P1から下方移動すると、2つの表示穴18aを露出させる。
第2状態において、第1可動役物32を第2位置P2へ移動させることで、第2役物本体33aが第2途中位置Pw2に移動停止した状態で口を含む顔下部を形成し、第3役物本体34aが第1途中位置Pw1に移動停止した状態で鼻を含む顔中央部を形成し、そこで、装飾部材18上部の2つ表示穴18aから画像表示装置16による目玉画像を表示させて、画像表示装置16の画面前側に展開する顔を形成することができる(図4)。
以上説明した可動役物装置17の作用・効果について説明する。
通常時には、動作切換機構36により第3状態(図25)に切換えられ、第1,第2,第3可動役物32,33,34が第1位置P1に係止されて、不要に下方移動するのを確実に防止することができる。遊技に応じて何らかの有利さを報知又は示唆する際に、動作切換機構36により第3状態の係止が解除されて、有利さを獲得できる期待度や有利さの対象等に応じて、第3状態から第1,第2状態の何れかに切換えられる。
そして、動作切換機構36により第1状態(図21)に切換えられた状態で、駆動機構35により、第1可動役物32が第1位置P1から第2位置P2へ駆動され、第2位置P2から第1位置P1へ駆動されると、第1,第2,第3可動役物32,33,34が一体的に第1位置P1から第2位置P2へ下方移動し、一体的に第2位置P2から第1位置P1へ上方移動し、第1,第2,第3役物本体32a,33a,34aは、ばらけることなく画像表示装置16の画面前側を移動する。
動作切換機構36により第2状態(図22〜図24)に切換えられた状態で、駆動機構35により、第1可動役物32が第1位置P1から第2位置P2へ駆動されると、その過程で、第1,第2,第3可動役物32,33,34は第1位置P1からは一体的に下方移動するが、第3可動役物34が第1途中位置Pw1に停止して、第1,第2可動役物32,33から分離し、第2可動役物33が第2途中位置Pw2に停止して、第1可動役物32から分離し、第1,第2,第3役物本体32a,33a,34aは、上下にばらけて画像表示装置16の画面前側に展開する。
また、駆動機構35により、第1可動役物32が第2位置P2から第1位置P1へ駆動されると、その過程で、第2途中位置Pw2から第1,第2可動役物32,33が一体となって上方移動し、第1途中位置Pw1から、第1,第2,第3可動役物32,33,34が一体となって上方移動する。
このように、第1可動役物32を第1位置P1→第2位置P2→第1位置P1へと移動させる際、第1,第2,第3役物本体32a,33a,34aを常時一体的に移動させる役物動作(第1状態)と、第1,第2,第3役物本体32a,33a,34aを移動途中に分離させばらつかせる役物動作(第2状態)とを適宜切換えることができるので、斬新な多彩な役物動作を実現することができる。
しかも、第1,第2,第3可動役物32,33,34に、可動役物32,33,34を互いに連結解除可能に連結する連結機構40を設けたので、第1,第2状態において、連結機構40により連結された第1,第2,第3可動役物32,33,34を一体的に確実に移動させることが可能になる。
動作切換機構36が、第2状態において第1,第2,第3可動役物32,33,34を第1位置P1から第2位置P2の方へ移動させる際に、可動役物32,33,34を分離可能に連結機構40による連結を解除するので、第1途中位置Pw1に停止させた第3可動役物34を第1,第2可動役物32,33から確実に分離でき、第2途中位置Pw2に停止させた第2可動役物33を第1可動役物32から確実に分離できるようになる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記実施例に種々の変更を付加して実施が可能である。尚、本発明については、その他の種々のパチンコ遊技機、或いは、スロットマシン等の種々の遊技機に適用可能である。
例えば、主動の特定可動役物と、この特定可動役物に従動の1つの非特定可動役物(合計2つの可動役物)を設け、駆動機構により特定可動役物を第1位置と第2位置とに亙って移動駆動し、動作切換機構により、駆動機構により2つの可動役物を第1位置と第2位置間で一体的に移動可能にする第1状態と、駆動機構により特定可動役物を第1位置から第2位置へ移動させる際に、非特定可動役物を第1位置と前記第2位置間の途中位置に停止させ特定可動役物から分離可能にする第2状態とに切換え可能に構成してもよい。
或いは、3つ以上の非特定可動役物(合計4つの可動役物)を設け、動作切換機構により、第2状態において、駆動機構により特定可動役物を第1位置から第2位置へ移動させる際に、3つ以上の非特定可動役物を第1位置と前記第2位置間の3つ以上の途中位置に停止させ特定可動役物から分離可能に構成してもよい。