JP5758031B1 - 積層シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】層間密着性等の性能品質が改善された積層シートの、生産性に優れた製造方法を提供する。【解決手段】第一樹脂層21と、第二樹脂層22と、第一樹脂層21及び第二樹脂層22の間に配置された弾性層10と、を備える積層シート1を製造する方法。前記方法は、第一樹脂層21となる第一樹脂フィルム31と第二樹脂層22となる第二樹脂フィルム32との間に弾性層形成用組成物15が配置された積層体5を形成する積層工程と;前記積層工程の後、続けて、弾性層形成用組成物15を硬化させて弾性層10を形成する硬化工程と;を含む。また、前記硬化工程は加熱工程であることが好ましい。前記硬化前の弾性層形成用組成物15は、前記積層工程環境において流動性を有し、かつ前記硬化工程環境において不揮発性である積層シート1の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、積層シートの製造方法に関する。
弾性層を有する積層シートは、自動車や建築、電子機器、医療等の分野において、封止材や衝撃吸収材、機能性材料等として広く利用されている。例えば特許文献1には、電子機器と検査用回路基板との間に配設される電子機器検査用コンタクトシートとして、弾性層と該弾性層を両面から挟む保護膜とを備える積層シートが開示されている。特許文献2〜6は、弾性層を有する積層シートの製造方法や積層方法を開示する文献である。
特開2004−101410号公報 特開平10−264344号公報 特開2004−269786号公報 特開平7−138381号公報 特開平8−143834号公報 特開2008−88408号公報
上記のように、2つの樹脂層の間に弾性層を配置した積層シートは種々提案されているが、より高性能、高品質なものが求められている。典型的には、積層シートを構成する層同士の密着性(層間密着性)や外観、厚み精度等が向上した積層シートが要望されている。例えば、特許文献1の電子機器検査用コンタクトシートは、弾性層の両面に保護膜を積層してから加熱することによって作製されているが、すでに硬化した弾性層を用いて積層を行っているため、その層間密着性には限度がある。その意味では特許文献2も同種の技術といえる。特許文献3の方法では、2枚の支持体に挟まれたゴム溶液は乾燥時に溶剤が揮発する。この揮発成分は層間に留まるため、得られた弾性層と支持体との層間密着性はそれほど高くならない。乾燥時における溶剤の揮発は積層シートの外観に悪影響を及ぼすという問題もある。特許文献4では、未架橋物を2枚のフィルムで挟んだ積層体をロール状に巻いた後、該未架橋物を架橋するという手法を採用しているため、ロール状態の未架橋物は架橋されるまで安定せず、層間密着性や厚み精度のムラが大きい。特許文献5は、樹脂フィルムと弾性層との間にプライマー層を介在させる方法を開示しているが、この方法は、基本的に弾性層の片面に適用する手法である。なお特許文献6では、基材または剥離フィルムと剥離フィルムとの間に紫外線硬化型粘着剤組成物を挟んで、紫外線を照射することにより、基材等と剥離フィルムとの間に紫外線硬化粘着剤層(弾性層)を設けた積層体を作製している。このように、積層シートの高性能化、高品質化において、製法による制限は依然として大きい。従来技術と比べて層間密着性等の性能品質が向上した積層シートを、生産性に優れた方法で提供することができれば有益である。
本発明は、上記の事情に鑑みて創出されたものであり、層間密着性等の性能品質が改善された積層シートの、生産性に優れた製造方法を提供することを目的とする。
本発明によると、第一樹脂層と、第二樹脂層と、該第一樹脂層および該第二樹脂層の間に配置された弾性層と、を備える積層シートを製造する方法が提供される。この方法は、前記第一樹脂層となる第一樹脂フィルムと前記第二樹脂層となる第二樹脂フィルムとの間に弾性層形成用組成物が配置された積層体を形成する積層工程と;前記積層工程の後、続けて、該弾性層形成用組成物を硬化させて弾性層を形成する硬化工程と;を含む。前記硬化前の弾性層形成用組成物は、前記積層工程環境において流動性を有し、かつ前記硬化工程環境において不揮発性である。
上記のように、弾性層形成用組成物が流動性を有する状態で2枚の樹脂フィルムの間に該弾性層形成用組成物が配置された積層体を形成し、続けて硬化させることで、層間密着性に優れた積層シートを効率よく製造することができる。弾性層形成用組成物は不揮発性であるので、揮発成分が製造工程で気化することによる不具合(例えば層間密着性の低下、積層シート外観の低下)は防止または抑制される。また、上記製造方法は、ロール・ツー・ロール方式等の連続的生産に適用可能な生産性に優れた方法でもある。したがって、ここに開示される製造方法によると、生産性に優れた方法で積層シートの性能品質の改善を実現することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記硬化工程は加熱工程である。通常、加熱時には組成物中の揮発成分が気化して層間密着性を低下させたり外観を悪化させ得るが、ここに開示される弾性層形成用組成物は不揮発性であるため、そのような不具合の発生は防止または抑制される。したがって、加熱によって弾性層形成用組成物を硬化させる態様において、ここに開示される技術による効果は好ましく発揮される。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記加熱工程は:前記弾性層形成用組成物に対して、温度T℃で加熱を行うプレ加熱工程と;前記弾性層形成用組成物に対して、温度T℃で加熱を行う主加熱工程と(ここで、T<Tを満たす。);を含む。主加熱よりも低温のプレ加熱を実施することで、当該組成物は硬化する前に低粘度化し得る。これにより、組成物中に含まれ得るエアや微量揮発成分は該組成物から積層シート外に抜け出しやすくなり、層間密着性の低下や外観の悪化は防止される。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記積層工程は:前記第一樹脂フィルムを第一ロールに供給すること;前記第二樹脂フィルムを、前記第一ロールと向かいあうように配置された第二ロールに供給すること;および前記第一ロールに供給された前記第一樹脂フィルムと前記第二ロールに供給された前記第二樹脂フィルムとの間に、前記弾性層形成用組成物を供給すること;を含む。このように構成することで、第一樹脂フィルム、弾性層および第二樹脂フィルムを備える積層構造が好ましく実現される。また、2つのロール間隔の設定によって、弾性層の厚さを精度よく調整することができる。
実施形態に係る積層シートの製造方法を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、製品として実際に提供される本発明の積層シートのサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
図1に模式的に示すように、第一実施形態に係る積層シート1の製造方法では、第一樹脂層21となる第一樹脂フィルム31と第二樹脂層22となる第二樹脂フィルム32との間に弾性層形成用組成物15が配置された積層体を形成する(積層工程)。
具体的には、第一樹脂フィルム31および第二樹脂フィルム32を、例えばロール状態であらかじめ用意しておき、積層シート製造装置100にセットする。そして、上下に所定の間隔をおいて配置された第一ロール51と第二ロール52とを備える積層シート製造装置100において、下方に配置された第一ロール51に第一樹脂フィルム31を供給し、上方に配置された第二ロール52に第二樹脂フィルム32を供給する。第一ロール51と第二ロール52とは、そのロール面が互いに向かいあうように配置されており、第一樹脂フィルム31と第二樹脂フィルム32とは、第一ロール51と第二ロール52との間から一方向に送られる。図1では、第一樹脂フィルム31と第二樹脂フィルム32とは、水平状態で左方に送られる。
上記構成において、第一ロール51に供給された第一樹脂フィルム31と第二ロール52に供給された第二樹脂フィルム32との間に、弾性層形成用組成物15を供給(具体的には投入)する。このとき、第一ロール51と第二ロール52との配置(間隔)の設定によって、弾性層形成用組成物15は、第一樹脂フィルム31および第二樹脂フィルム32に密接し得る。また、硬化後には厚み精度の高い弾性層10になり得る。このようにして、第一樹脂フィルム31と第二樹脂フィルム32との間に弾性層形成用組成物15が配置された積層体5が得られる。なお、弾性層形成用組成物15の供給量(典型的には投入量)は、特に制限されず、弾性層の厚さ等に応じて設定すればよい。
弾性層形成用組成物15の供給(典型的には投入)タイミングは、積層前であれば特に制限されない。例えば、下方に位置する第一樹脂フィルム31の上に弾性層形成用組成物15を付与した後、第一樹脂フィルム31と第二樹脂フィルム32との配置間隔を利用して所望の厚さに調整することも可能である。また、この実施形態では、第一ロール51および第二ロール52は、ともに非加熱ロールであるが、積層シートの外観等の観点から、加熱ロールを用いてもよい。なお、第一樹脂フィルム31と第二樹脂フィルム32との間への弾性層形成用組成物15の供給方法(投入方法でもあり得る。)は、特に限定されず、コンマコーターやダイコーター、ロールコーター、バーコーター等の公知のコーターを使用すればよい。
上述の積層工程の後、続けて、弾性層形成用組成物15を硬化させて弾性層10を形成する(硬化工程)。ここで「続けて」とは、積層工程の後であって硬化工程の前に積層体5をロールに巻き取る操作を含まないことを意味する。積層工程と硬化工程との間には時間的な制限はないが、積層工程の終了から硬化工程の開始までの時間は概ね30分以内(例えば10分以内、典型的には5分以内)とすることが適当である。積層工程と硬化工程との間には他の工程(例えば保管)を含まないことが好ましい。例えば、ロール・ツー・ロール方式のように、積層体5を停止することなく連続的に積層、硬化工程を実施することが好ましい。なお、この実施形態において、積層体5の搬送速度は、積層工程、硬化工程等を考慮して適当な範囲に設定されている。通常、弾性層形成用組成物15の硬化条件(例えば硬化温度や時間)や加熱器のサイズ(長さ)等に応じて搬送速度は調整され得る。
第一樹脂フィルム31と弾性層形成用組成物15と第二樹脂フィルム32とがこの順序で積層された積層体5は、具体的には、第一ロール51と第二ロール52とによって一方向に方向づけられて硬化手段70に到達する。この硬化手段70により、弾性層形成用組成物15は、第一樹脂フィルム31および第二樹脂フィルム32に挟まれた状態で硬化して弾性層10となる。この実施形態では、硬化工程は加熱工程であり、硬化手段70として加熱器71が用いられている。したがって、弾性層形成用組成物15は熱硬化型組成物である。硬化工程開始時には弾性層形成用組成物15は流動性を有するので、第一樹脂フィルム31および第二樹脂フィルム32と密接した状態で弾性層形成用組成物15は硬化する。これにより、形成される弾性層10は、第一樹脂層21および第二樹脂層22と強固に密着する。硬化工程の条件は、弾性体形成用組成物15の組成や積層体5の搬送速度等に基づいて設定される。なお、弾性層形成用組成物15の硬化形態に応じて、硬化手段70は赤外線照射器や紫外線(UV)照射器、高湿度環境等となり得る。
加熱工程の温度および時間は、弾性層形成用組成物15の硬化温度(典型的には架橋温度)、硬化時間(例えば90%硬化時間)等に基づいて設定すればよい。例えば、加熱工程の時間tは、加熱工程の温度T(℃)における弾性層形成用組成物15の90%硬化時間よりも大きくなるよう設定され得る。また、硬化工程を短時間で終了する観点から、加熱工程の温度T(℃)は、弾性層形成用組成物15の90%硬化時間が5分(より好ましくは3分、典型的には1分)となるときの温度(キュア温度)T(℃)よりも高いことが好ましい。具体的には、加熱工程における加熱温度T(℃)は、100℃以上(例えば120℃〜300℃、典型的には140℃〜200℃)であることが好ましい。加熱工程の時間tは、生産性等の観点から、10秒〜10分(例えば30秒〜5分、典型的には1分〜3分)程度とすることが好ましい。90%硬化時間やキュア温度は、市販のキュラストメーターを用いて測定することができる。なお、90%硬化時間とは、キュラストメーターによる測定において、トルク変化がなくなったときのトルク値(典型的には最大トルク値)の90%に達するまでの時間である。また、加熱工程の時間は、加熱工程の開始から終了までの時間であり、積層体が移動している場合には、積層体の一点が加熱工程を通過するのに要する時間である。また、加熱工程の温度としては、便宜的に、積層体表面の温度や加熱工程が行われる雰囲気温度(例えば乾燥器内の温度)を採用してもよい。
この実施形態では、硬化手段70として複数の加熱器71が積層体5の送り方向(図1中、矢印で示す方向)に沿って設置されている。加熱器71は積層体5の下方および上方に配置されている。硬化手段70を積層体5の上下に配置することにより、弾性層10の均質な硬化が実現される。なお、加熱器71は、特に制限されず、公知の熱風乾燥器等の加熱器を用いればよい。加熱器71の数に特に制限はなく、1または2以上である。また、上記複数の加熱器71は、一のチャンバー内に収容されていてもよい。
なお、弾性層形成用組成物の硬化が熱硬化ではなく、UV硬化等の他の硬化形態の場合も、積層シート外観の観点から、硬化工程の前に加熱工程を行うことが好ましい。その場合の加熱条件としては、上述の加熱工程の条件を好ましく適用することができる。
上述の積層工程および硬化工程を経て、第一樹脂層21と、第二樹脂層22と、第一樹脂層21および第二樹脂層22の間に配置された弾性層10と、を備える積層シート1が得られる。この積層シート1は、各層間の密着性に優れており、上記のような生産性に優れた方法で製造される。
硬化工程を経て作製された積層シート1は、ロール80に巻き取られてもよく(回収工程)、そのまま所望のサイズにカットされてもよい。また必要に応じて、特許文献1に記載されるように、積層シート1に貫通孔を形成するなど任意の処理工程に供され得る。
次に、積層シートの材料について説明する。積層前の弾性層形成用組成物は、積層工程環境において流動性を有する。積層工程環境は、特に限定されないが、通常は凡そ5℃〜40℃(例えば20℃〜30℃)のほぼ大気圧環境であり、そのような環境において上記弾性層形成用組成物は流動性を有し得る。典型的には、弾性層形成用組成物は、常温(25℃)常圧環境において流動性を有する液状の組成物である。なお、液状には、シロップ状やスラリー状、ペースト状が包含される。
上記弾性層形成用組成物は、上述の環境において粘性を有し、典型的には所定以上の粘度を有するものであり得る。弾性層形成用組成物の粘度は、塗工性、積層性等の観点から、通常は凡そ0.1Pa・s以上に設定され得る。上記粘度は、好ましくは凡そ1Pa・s以上(例えば10Pa・s以上、典型的には30Pa・s以上)である。また上記粘度の上限は、塗工性等の観点から、凡そ500Pa・s以下(例えば300Pa・s以下、典型的には100Pa・s以下)とすることが適当である。上記粘度は30℃における粘度であり、弾性層形成用組成物を30℃の温浴で1時間加温した後、同温度にて、市販のB型粘度計を用いて、測定対象物の粘度に適したロータ、回転速度を採用して測定することができる。
また、上記弾性層形成用組成物は、硬化工程環境において不揮発性である。ここで、組成物が不揮発性であるとは、硬化工程環境において気化する揮発成分(典型的には溶剤)の割合が10重量%未満(例えば3重量%未満、典型的には1重量%未満)であることをいう。弾性層形成用組成物は、硬化工程環境において気化する揮発成分の割合が0.1重量%未満(例えば0.01重量%未満)であることが好ましく、揮発成分を実質的に含まないことがより好ましい。典型的には、弾性層形成用組成物は、溶剤を実質的に含まない無溶剤型の組成物である。この場合、弾性層形成用組成物は実質的に不揮発成分のみから構成されている。上記硬化工程環境は、特に限定されないが、凡そ60℃以上(例えば100℃〜300℃、典型的には120℃〜200℃)のほぼ大気圧環境であり得る。そのような環境において上記弾性層形成用組成物は不揮発性であり得る。
上記弾性層形成用組成物は、硬化処理を行うことで硬化し弾性層となる硬化性組成物である。この実施形態では、弾性層形成用組成物は熱硬化型の組成物であるが、これに限定されない。硬化は、例えば活性エネルギー線硬化(UV硬化、γ線硬化、電子線硬化等)、湿気硬化等であってもよく、典型的には架橋反応によってなされ得る。生産性の観点から、弾性層形成用組成物は、熱硬化型または光硬化型であることが好ましく、熱硬化型であることが特に好ましい。また、上記組成物は一液型であってもよく二液型であってもよい。
弾性層形成用組成物は、典型的には硬化性樹脂組成物であり、主成分(組成物中に最も多く含まれる成分。好ましくは50重量%を超えて含まれる成分。以下同じ。)としての重合体と、該重合体と架橋反応し得る架橋剤とを少なくとも含む未架橋物(未架橋の組成物)であり得る。ここで未架橋物には、架橋反応が実質的に開始していないものだけでなく、部分的に架橋された部分架橋物が包含される。重合体および架橋剤は、特に限定されず、硬化後の弾性層に要求される特性にあわせて公知のものから適切に選択すればよい。架橋剤は、弾性層形成用組成物が熱硬化型組成物の場合には熱架橋剤である。なお、弾性層形成用組成物が活性エネルギー線硬化型である場合には、架橋剤の含有は必須ではない。その場合、弾性層形成用組成物は、部分反応物(部分重合物)であり得る。弾性層形成用組成物は、必要に応じて、粘着付与剤、レベリング剤、架橋助剤(触媒)、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料等)、分散剤、難燃剤、加工助剤、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の、この分野において一般的な各種の添加剤を含有してもよい。
弾性層形成用組成物としては、市販品を用いるとよい。あるいは、所望の特性を発揮し得る重合体を合成し、該重合体と架橋反応し得る架橋剤を用意し、さらに必要であれば添加剤を用意し、これらを混合したものを使用することもできる。積層シートの外観等の観点から、公知の脱泡装置(好適には真空脱泡装置)を用いて脱泡処理(好ましくは減圧下での脱泡処理。真空脱泡ともいう。)を行った弾性層形成用組成物を使用するとよい。上記脱泡処理は、典型的には、エアが混入しやすい二液型組成物の混合物に対して効果的であり、混合材料が高粘度である場合には顕著なエア除去性を発揮し得る。また、弾性層形成用組成物は、適当な粘度にする等の目的で、積層工程に供給する前に、あらかじめ予備的な硬化を行っておいてもよい。
弾性層(硬化工程後の弾性層。以下同じ。)は、上記のように弾性層形成用組成物を硬化することにより得られる硬化層であり、常温において弾性を有する層である。弾性層には、粘弾性層も包含される。弾性層の弾性率(貯蔵弾性率)は、通常は0.1×10Pa〜200×10Pa(例えば0.5×10Pa〜100×10Pa、典型的には1×10Pa〜50×10Pa)程度であり得る。特に限定されないが、弾性層は第一樹脂層、第二樹脂層(以下、まとめて「樹脂層」と略す場合がある。)とは異なる機械的性質を有する。弾性層は、例えば、樹脂層の弾性率よりも低い(典型的には、樹脂層の弾性率の1/100以下程度の)弾性率を有するものであり得る。なお、上記貯蔵弾性率は、周波数1Hz、温度23℃で測定される貯蔵弾性率であり、例えば、一般的な粘弾性測定装置(例えば、レオメトリックサイエンティフィック社製の動的粘弾性スペクトル測定器、型式「ARES」)を使用し、厚み2mmのサンプルを直径8mmのパラレルプレートにセットして、上記周波数にて測定を行うことにより把握することができる。測定温度域および昇温速度は、粘弾性測定装置の機種等に応じて適切に設定すればよい。
また弾性層は、粘着性であってもよく非粘着性であってもよい。例えば、積層シートから弾性層表面を露出させるか、表面が露出した弾性層を別途作製した場合において、弾性層表面が、JIS Z 0237:2000に規定する180°剥離試験に基づく測定値で1.0N/20mm未満(例えば0.1N/20mm未満、典型的には0.01N/20mm未満)の値を示す場合、非粘着性と評価することができる。
弾性層の厚さは、通常は凡そ10μm〜1000μmとすることが適当である。硬化工程における硬化効率、弾性層の機能発現、厚み精度等の観点から、弾性層の厚さは、20μm〜500μm(例えば30μm〜300μm、典型的には50μm〜200μm)程度とすることが好ましい。
第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルム(以下、まとめて「樹脂フィルム」と略す場合がある。)は、樹脂を主成分とするフィルムであり、典型的には非多孔質のフィルムであって、いわゆる不織布や織布とは区別される概念である。樹脂フィルムは、所定の剛性(強度)を有し、加工性、取扱い性に優れるので、例えばロール・ツー・ロール方式等の連続的生産において、千切れる等の不具合が生じ難い好適な材料となり得る。また、弾性層形成用組成物の支持性にも優れる。上記樹脂フィルムには、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)等の各種添加剤が配合されていてもよい。
第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムは、特に限定されないが、通常、10MPa〜1000MPa程度の引張強さを有するものであり得る。取扱い性、生産性等の観点から、100MPa〜800MPa(例えば200MPa〜600MPa)程度の引張強さを有する樹脂フィルムを選択して使用することが好ましい。上記引張強さは、JIS K 7127:1999に準拠して測定される。なお、第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムの引張強さは同じであってもよく異なっていてもよい。
第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムの密度は、0.80g/cm〜2.0g/cm(例えば1.00g/cm〜1.60g/cm、典型的には1.20g/cm〜1.50g/cm)程度であり得る。このように所定の緻密さを有する樹脂フィルムを用いることで、弾性層形成用組成物を良好に積層することができ、このような態様において、弾性層との層間密着性に優れた構成が好ましく実現される。上記密度は、ASTM D 1505に準拠して測定される。なお、第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムの密度は同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムは、光線透過率(例えば紫外線透過率)および/または透湿性が低いものであり得る。そのような樹脂フィルムを用いる場合には、弾性層形成用組成物として熱硬化型が好ましく採用され、硬化工程として加熱工程が好ましく採用され得る。上記樹脂フィルムは、波長400nm以下(例えば200nm〜400nmの波長範囲)における平均光線透過率が、例えば50%以下(例えば20%以下、典型的には10%以下)であり得る。上記光線透過率は、公知の分光光度計(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製の型式「U−4100」)を用いて測定することができる。なお、第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムの上記光線透過率は同じであってもよく、異なっていてもよい。
第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムの厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、一般的には概ね2μm〜500μm(例えば10μm〜200μm)のものを好ましく使用し得る。上記厚さを大きくすることにより、生産性が向上する傾向があり、上記厚さの上限を制限することにより、弾性層の硬化作業が効率化される。なお、第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムの厚さは同じであってもよく、異なっていてもよい。
この実施形態では、積層工程の前に、第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムの弾性層形成面に、プライマー層が形成されている。これによって、第一樹脂層、第二樹脂層と弾性層との密着性(投錨性)がさらに向上する。このような密着性向上のための表面処理は、プライマー層の形成に限定されず、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理であってもよい。プライマー層形成材料としては、弾性層材料、樹脂フィルム材料を考慮して、当業者の技術常識に基づき適切なものを選択すればよい。積層シート外観の観点から、プライマー層の形成は乾燥工程を含むことが好ましく、当該乾燥工程を経た後のプライマー層付き樹脂フィルムを使って積層工程を行うことが好ましい。プライマー層の厚さは、通常は10μm未満(例えば3μm未満)程度である。
また、第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムには、それらの弾性層形成面とは反対側の面に、追加の層がさらに積層されてもよい。上記追加の層としては、特に限定されず、その目的に応じて望ましい材質、厚さのものを適宜選定すればよい。例えば、特許文献1に記載されるような銅箔等の金属層を積層してもよく、樹脂フィルム表面を保護する保護層を積層してもよい。これら追加の層は、樹脂フィルム表面(弾性層形成面とは反対側の面)の少なくとも一部に(例えば全面を覆うように)設けられ得る。また上記追加の層は、樹脂フィルムと弾性層形成用組成物との積層の前に、あるいは当該積層後(典型的には硬化工程後)に、樹脂フィルムに積層され得る。
第一樹脂フィルムおよび第二樹脂フィルムは、硬化後の積層シートにおいて、それぞれ第一樹脂層および第二樹脂層となる。そのため、第一樹脂層、第二樹脂層も、それぞれを単体としてみたとき、第一樹脂フィルム、第二樹脂フィルムと同じ材料から形成され、同等の引張強さ、密度、厚さを有し得る。特に限定されるものではないが、この実施形態では、第一樹脂層、第二樹脂層は、弾性層よりも機械的強度(例えば、上述の引張強さ、弾性率等)が高く、熱膨張係数が小さい。第一樹脂層および第二樹脂層は、積層シートの安定性(例えばカール防止性)等の観点から、同じ構成を有するものが好ましく用いられる。この実施形態では、第一樹脂層および第二樹脂層は、同じ材料から構成されており、同等の厚さ、同等の機械的強度を有する。
第一樹脂層および第二樹脂層は各々、弾性層に対して典型的には非剥離性である。ここで、2つの層(第一樹脂層と弾性層、または第二樹脂層と弾性層)が非剥離性であるとは、積層シートの使用態様において、当該2層が分離せずに用いられる、あるいは少なくとも分離しない前提で用いられることを意味する。典型的には、積層シートは、上記2層間に剥がれが生じた場合には不具合と評価されるような態様で使用され得る。したがって、第一樹脂層と弾性層、第二樹脂層と弾性層は、それぞれ所定以上の層間剥離強度を有している。
具体的には、第一樹脂層または第二樹脂層と弾性層との層間剥離強度がいずれも凡そ1N/20mmを超えるか(例えば5N/20mm超、典型的には10N/20mm超)、剥離できなかった場合、第一樹脂層または第二樹脂層は弾性層に対して非剥離性であると判断することができる。層間剥離強度は、幅20mmの短冊状の試験片を用意し、引張試験機を用いて、測定温度23℃、引張速度50mm/分の条件において、弾性層から第一樹脂層または第二樹脂層をT字状に剥離し(T型剥離)、そのときの剥離力(層間剥離強度)を測定することにより行われる。上記測定は、例えば弾性層と第一樹脂層とを一部強制的に剥離させ、その一部剥離させた試験片の第一樹脂層と残りの層(弾性層および第二樹脂層)とをそれぞれ引張試験機のチャックで掴み、実施するとよい。第二樹脂層の非剥離性評価も上記と同様にして行われ得る。引張試験機としては、公知のもの(例えば、島津製作所製の「オートグラフ」)を使用すればよい。後述の実施例についても上記と同様の方法が採用される。
この実施形態では、弾性層、第一樹脂層および第二樹脂層の材質および厚さは、特許文献1の実施例1に記載の積層材の構成と基本的に同じであるため、ここでは具体的な説明は省略するが、弾性層(典型的には硬化樹脂層)、第一樹脂層および第二樹脂層の材質は、これに限定されず、例えば、アクリル系樹脂層、ゴム系ポリマー層、ポリエステル層、ウレタン系樹脂層、ポリエーテル層、ポリアミド層、フッ素系樹脂層、エポキシ系樹脂層、塩化ビニル系樹脂層、ポリフェニレンサルファイド系樹脂層、ポリカーボネート系樹脂層、フェノール系樹脂層、ポリオレフィン層、スチレン系樹脂層、ポリ酢酸ビニル層、エチレン−酢酸ビニル系樹脂層、ビニルアルコール系樹脂層、メラミン樹脂層、ユリア樹脂層、レゾルシノール系樹脂層等の樹脂層(樹脂成分を主成分として含む層)から選択され得る。硬化工程が加熱工程である場合には、第一樹脂層および第二樹脂層として耐熱性のよいものを選択するとよい。例えば、第一樹脂層、第二樹脂層の構成材料としてエンジニアリングプラスチックが好ましく用いられる。
次に、第二実施形態に係る積層シートの製造方法について説明する。第二実施形態に係る積層シートの製造方法は、加熱工程を除いては第一実施形態と基本的に同じであるので、この実施形態については加熱工程を中心に説明し、その他の点についての説明は省略する。
第二実施形態における加熱工程は、弾性層形成用組成物に対して温度T℃の加熱を行うプレ加熱工程と、弾性層形成用組成物に対して温度T℃の加熱を行う主加熱工程と、を含む。プレ加熱工程と主加熱工程とは、上記の順序で実施される。ここで、T<Tを満たすことが好ましい。また、プレ加熱工程の時間をtとし、主加熱工程の時間をtとしたとき、t≧t(より好ましくはt>t、例えばt≧2t)を満たすことが好ましい。上記のようなプレ加熱工程を実施することにより、弾性層形成用組成物は硬化する前に低粘度化し、該組成物中に含まれ得るエアや微量揮発成分は該組成物から積層シート外に抜け出しやすくなる。その結果、層間密着性の低下や積層シート外観の悪化は防止される。
プレ加熱工程の温度Tおよび時間tは、弾性層形成用組成物の硬化温度、硬化時間等に基づいて設定すればよい。例えば、プレ加熱工程の時間tは、温度T(℃)における弾性層形成用組成物の90%硬化時間よりも小さくなるよう設定され得る。また、積層シート外観の観点から、プレ加熱工程の温度T(℃)は、弾性層形成用組成物の90%硬化時間が2分(より好ましくは3分、典型的には5分)となるときの温度(キュア温度)TX1(℃)よりも低いことが好ましい。具体的には、プレ加熱工程における加熱温度T(℃)は、140℃未満(例えば130℃以下、典型的には60℃〜90℃)であることが好ましい。プレ加熱工程の時間tは、生産性の観点から、30秒〜5分(例えば1分〜3分)程度とすることが好ましい。上記温度T(℃)および時間tは、汎用されている主要な熱硬化型弾性層形成用組成物(例えば、温度100℃〜150℃および1分〜3分程度の加熱で90%硬化する弾性層形成用組成物)に対して総じて好適であるので、その適用範囲は広い。
主加熱工程の温度Tおよびtも、上記加熱工程の場合と同様に、弾性層形成用組成物の硬化温度、硬化時間等に基づいて設定すればよい。例えば、主加熱工程の時間tは、主加熱工程の温度T(℃)における弾性層形成用組成物の90%硬化時間よりも大きくなるよう設定され得る。また、硬化工程を短時間で終了する観点から、主加熱工程の温度T(℃)は、弾性層形成用組成物の90%硬化時間が5分(より好ましくは3分、典型的には1分)となるときの温度(キュア温度)TX2(℃)よりも高いことが好ましい。具体的には、主加熱工程における加熱温度T(℃)は、100℃以上(例えば120℃〜300℃、典型的には140℃〜200℃)であることが好ましい。加熱工程の時間tは、生産性の観点から、30秒〜5分(例えば1分〜3分)程度とすることが好ましい。上記温度T(℃)および時間tは、上記汎用されている主要な熱硬化型弾性層形成用組成物に対して総じて好適である。
プレ加熱工程および主加熱工程は、第一実施形態と同様、複数の加熱器が積層体の送り方向に沿って設置された構成によって好ましく実施され得る。複数の加熱器の配置とその個別温度設定により、プレ加熱工程、主加熱工程の条件(温度、時間)を所望の範囲とすることができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実験1>
上記第一実施形態に記載の方法で積層シートサンプル(1)を製造した。具体的には、積層シートサンプル(1)は、図1に示す積層シート製造装置100を用いて、第一ロール51に第一樹脂フィルム31を供給し、第二ロール52に第二樹脂フィルム32を供給し、第一ロール51上を通る第一樹脂フィルム31と第二ロール52上を通る第二樹脂フィルム32との間に、コーターを用いて弾性層形成用組成物15(熱硬化型弾性層形成用組成物)を投入し、第一樹脂フィルム31と弾性層形成用組成物15と第二樹脂フィルム32とをこの順序で積層した(積層工程)。上記積層工程の後、続けて、弾性層形成用組成物15を含む積層体5を加熱器71に搬送し、該加熱器71により所定の加熱を行い、弾性層形成用組成物15を硬化させて弾性層10を形成した(硬化工程)。このようにして、上記第一実施形態と同様の構成を有する積層シートサンプル(1)を作製した。
従来の方法で作製した積層シートサンプル(2)を用意した。このサンプル(2)は、上記サンプル(1)で使用した弾性層形成用組成物を用いて、弾性層となる弾性フィルムを単体で形成し、次いで、第一樹脂フィルムと弾性フィルムと第二樹脂フィルムとを、この順序で積層した後、加熱することにより作製されたものである。上記サンプル(2)の各層の材料や厚さは上記サンプル(1)と同じである。
上記サンプル(1)および(2)について、第一樹脂層と弾性層、第二樹脂層と弾性層の層間密着性を、T型剥離による層間剥離強度測定によって評価した。目標とする層間剥離強度を達成し、樹脂層と弾性層とが強固に密着していた場合は「○」と評価し、層間剥離強度が目標の値に達せず、比較的簡単に剥がれてしまった場合は「×」と評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005758031
表1に示すように、サンプル(2)よりもサンプル(1)の方が層間密着性に優れていたことが確認された。この結果から、ここに開示される製造方法を採用することで、生産性に優れた方法で、積層シートの層間密着性を改善し得ることがわかる。
<実験2>
次に、加熱工程の条件について検討を行った。具体的には、硬化工程(加熱工程)を表2に示す条件に変更した他は上記サンプル(1)と同様にして積層シートサンプル(3)および(4)を作製した。対比のため、サンプル(1)も用意し、これらサンプル(1)、(3)および(4)について外観評価を行った。
Figure 0005758031
外観評価の結果、サンプル(1)、(3)および(4)は、いずれも実用上問題のないレベルの外観を有していた。また、サンプル(3)および(4)は、サンプル(1)よりも気泡の発生がさらに低減されており、より優れた外観を有していた。なかでも、サンプル(4)は気泡の発生がまったく認められず特に優れた外観を有していた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 積層シート
5 積層体
10 弾性層
15 弾性層形成用組成物
21 第一樹脂層
22 第二樹脂層
31 第一樹脂フィルム
32 第二樹脂フィルム
51 第一ロール
52 第二ロール

Claims (3)

  1. 第一樹脂層と、第二樹脂層と、該第一樹脂層および該第二樹脂層の間に配置された弾性層と、を備えており、該第一樹脂層および該第二樹脂層は該弾性層に対して非剥離性である積層シートを製造する方法であって、
    前記第一樹脂層となる第一樹脂フィルムと前記第二樹脂層となる第二樹脂フィルムとの間に弾性層形成用組成物が配置された積層体を形成する積層工程と;
    前記積層工程の後、続けて、該弾性層形成用組成物を硬化させて弾性層を形成する硬化工程と;
    を含み、
    前記硬化工程は加熱工程であり、
    前記加熱工程は、
    前記弾性層形成用組成物に対して、温度T ℃で加熱を行うプレ加熱工程と;
    前記弾性層形成用組成物に対して、温度T ℃で加熱を行う主加熱工程と(ここで、T <T を満たす。);
    を含み、
    前記硬化前の弾性層形成用組成物は、前記積層工程環境において流動性を有し、かつ前記硬化工程環境において不揮発性である、積層シートの製造方法。
  2. 記プレ加熱工程の加熱温度Tは140℃未満であり、
    前記主加熱工程の加熱温度Tは100℃以上である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記積層工程は、
    前記第一樹脂フィルムを第一ロールに供給すること;
    前記第二樹脂フィルムを、前記第一ロールと向かいあうように配置された第二ロールに供給すること;および
    前記第一ロールに供給された前記第一樹脂フィルムと前記第二ロールに供給された前記第二樹脂フィルムとの間に、前記弾性層形成用組成物を供給すること;
    を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
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