JP5757910B2 - オイルフィルタ装置 - Google Patents
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Description
また、不織布、濾紙等を用いたフィルタエレメントによって変速機に用いるオイルに混入したコンタミを濾過して除去する技術もある(例えば、特許文献2)。
また、自動変速機の場合、油圧回路には、様々なバルブを組み込んだバルブボディを有するコントロールバルブユニットが装備されるが、バルブボディ内等に、オイルに混入したコンタミやエアを除去するフィルタを直接装備すれば、各バルブに供給する直前でオイルに混入したコンタミやエアを除去することができ、確実にオイル管理ができ、また、フィルタをコンパクトに付設することができる。
本発明は、かかる課題に鑑みて創案されたもので、オイル内に混入した小さなコンタミを変速機の油圧回路内で除去できるようにした、オイルフィルタ装置を提供すること、また、バルブボディへの組み込みが可能なオイルフィルタ装置を提供すること、さらには、オイル内に混入したエアを変速機の油圧回路内で除去できるようにした、オイルフィルタ装置を提供することを目的とする。
(5)また、車両用自動変速機の油圧回路に介装されたバルブユニットに内装され、前記入口にはライン圧の油路が接続され、前記オイル出口には前記バルブユニットに装備されたソレノイドバルブの元圧の油路が接続され、前記混入物出口には前記バルブユニットに装備されたスプールバルブの油路が接続されていることが好ましい。
さらに、円柱状空間を有するケース内に軸方向に可動に内装され、一端から他端に行くに従って縮径するテーパ状の内周面を有する外筒部材と、ケースに固定されると共に外筒部材の内方に間隙を存して同軸的に挿入され、外筒部材の内周面に対向し一端から他端に行くに従って接近する円筒形状の外周面を有する内筒部材と、外筒部材を一端へ向けて付勢する弾性部材と、を備え、円筒状油路を、外筒部材の内周面と内筒部材の外周面とにより区画形成しているので、入口から進入するオイルの量が増大すれば、円筒状油路内の油圧が上昇して、弾性部材の付勢力に抗して外筒部材を他端側に移動させる。これにより、一端から他端に行くに従って縮径するテーパ付き円筒形状に形成された外筒部材の内周面は、内筒部材の外周面と距離を拡大しながら油圧の上昇が抑えられる。
このようにして、ケースの第1開口から内部の円筒状油路内に進んだオイルは、遠心分離され、混入物は一部のオイルと共にケースの第2開口から排出され、混入物を除去されたオイルはケースの第3開口から排出されるので、例えば、第1〜3開口をケースの一側に並べて配置することで、本装置をバルブボディに容易に組み込むことが可能になる。
(5)車両用自動変速機の油圧回路に介装されたバルブユニットに内装すれば、本装置をコンパクトに組み付けることができ、入口にはライン圧の油路を接続すれば、高圧のライン圧を利用して遠心分離作用を得ることができる。また、オイル出口にはバルブユニットに装備されたソレノイドバルブの元圧の油路を接続すれば、遠心分離により比較的小さな混入物(或いは混入物及びエア)が除去されたオイルがソレノイドバルブの元圧の油路に導入されるので、ソレノイドバルブに渋りが発生するおそれが解消される。また、混入物出口にはバルブユニットに装備されたスプールバルブの油路を接続すれば、スプールバルブは混入物の影響の少ないので、バルブの不具合を招くことなく、オイルを有効に利用することができる。
なお、本実施形態では、オイルフィルタ装置が、自動変速機のコントロールバルブユニットに装備されたバルブボディに組み込まれているものを例示するが、本発明にかかるオイルフィルタ装置は、変速機のみならず油圧回路であれば有効であり、これに限定されるものではない。
まず、本オイルフィルタ装置の構成を説明する。
図1に示すように、バルブボディ本体(アッパボディ)1の一部には、円柱状空間10aを内部に備えたケース部(ケース)10が形成されており、このケース部10の円柱状空間10a内には、外筒部材20が軸方向に可動に装備され、内筒部材30が軸方向に固定されて装備され、外筒部材20と内筒部材30との間に一端(図中、左端)から他端(図中、右端)にオイルが流通する円筒状油路(第1円筒状油路)52が形成されている。
バルブボディカバー2が結合するケース部10の底面(図中、下面)を構成する側壁及びセパレートプレート3には、第1開口11,第2開口12,第3開口13,第4開口14が形成されている。バルブボディカバー2には、これらの第1開口11,第2開口12,第3開口13,第4開口14と対応して、第1油路41,第2油路42,第3油路43,第4油路44が区画形成されている。
また、内筒部材30は、その基端の端壁部(第1端壁部)31の鍔状の外周部31bを、円柱状空間10aの端部(円筒状油路52の一端側)に形成された段部10dに当接した状態で、スナップリング8によって係止されている。
また、内筒本体32のテーパ状内周面32bと管状部25の外周面25aとの間には、第2円筒状油路54が形成されている。
外筒部材20の外筒本体22の先端部23と内筒部材30の端壁部31の内壁面31aとの間は一定以上離隔しており、端壁部31と外筒部材20の先端部23との間には、空間(第1空間)51が形成されている。空間51は外筒部材20の軸方向移動に応じて軸方向に拡縮する。第1油路41及び第1開口11はこの空間(第1空間)51に臨んでおり、第1油路41内のオイルは、第1開口11から空間51内に進入可能になっている。これらの第1開口11及び空間51により、オイルを円筒状油路52に進入させる入口が構成される。
外筒部材20の外筒本体22の端壁部21の近くで第2開口12及び第2油路42に対応する箇所の外周には、第2開口12に連通する溝部24aが形成され、外筒部材20の外筒本体22の中間部には、外筒本体22の内外を貫通するように溝部24aと連通する貫通穴24が形成されている。また、円柱状空間10aには溝部24aと第2開口12とを連通する環状溝10eが形成される。したがって、空間53内のオイルの一部は、貫通穴24から溝部24a,環状溝10e及び第2開口12を通じて第2油路42に排出可能になっている。
また、空間55は、内筒部材30と蓋部材4との間でバネ6を収容する空間56、及び、管状部25の内部空間(円筒状内周面25b内の空間)57と連通している。さらに、管状部25の内部空間57は、外筒部材20の端壁部21と円柱状空間10aの端壁部10cとの間でバネ5を収容する空間58と連通している。
さらに、第4開口14及び第4油路44は空間58に臨んでおり、空間55内のオイルの一部は、管状部25の内部空間57,空間58,第4開口14を通じて第4油路44に排出可能になっている。
この螺旋流の旋回成分によって、オイル内に混入しているオイルよりも重いコンタミ等の混入物(以下、コンタミという)はオイルの螺旋流SF1の外周側に遠心分離されるので、コンタミは、貫通穴24から溝部24a,環状溝10e及び第2開口12を通じて第2油路42に一部のオイルと共に排出されるようになっている。これらの空間53,貫通穴24,溝部24a,環状溝10e及び第2開口12により、コンタミを含んだオイルを排出するコンタミ出口(混入物出口)が構成される。
このときも、第2円筒状油路54の外周を区画する内筒本体32のテーパ状内周面32bによって、第2円筒状油路54の一端の空間53から他端の空間55に向けて流路断面積が次第に縮小するので、オイルの螺旋流SF2は次第に加速するようになっている。
なお、第1油路41は図示しないオイルポンプで加圧され調圧されたライン圧のオイルを供給する油路に接続され、第2油路42はオイル内のコンタミ及びエアの混入にあまり影響されないスプール系のバルブへオイルを供給する油路に接続され、第3油路43はオイル内のコンタミの混入影響の大きいソレノイドバルブへオイルを供給する油路に接続され、第4油路44はエアと余剰オイルを排出するエア&ドレン回路や潤滑用油路に接続されている。
本発明の一実施形態にかかるオイルフィルタ装置は、上述のように構成されるので以下のような作用及び効果が得られる。
まず、オイルポンプで加圧され調圧されたライン圧のオイルが第1油路41に導入されると、第1開口11から空間51内に進入する。第1開口11からのオイルは、空間51及び円筒状油路52の周方向に流れ込むので、空間51から円筒状油路52内に進入したオイルは、図3に示すように、円筒状油路52内を螺旋状に一端から他端に進む。
特に、本実施形態では、円筒状油路52の外周を区画する外筒本体22のテーパ状内周面22bによって、円筒状油路52の一端の空間51から他端の空間53に向けて流路断面積が次第に縮小するので、オイルの螺旋流SF1は次第に加速するため、螺旋流の旋回成分による遠心分離作用をより確実に得ることができる。
この螺旋流SF2の旋回成分によって、オイル内に混入しているオイルよりも軽いエアはオイルの螺旋流SF2の内周側に遠心分離され、エアは、空間55の内周側に連通する管状部25の内部空間57から空間58,第4開口14を通じて第4油路44に一部のオイルと共に排出される。
そして、コンタミ及びエアの多くを除去されたオイルは、空間55から空間56,第3開口13を通じて第3油路43に排出される。
さらに、エアを含んだオイルは、第4油路44からエア&ドレン回路のほかに潤滑用油路にも送られるので、この点でもオイルを有効に利用することができる。
したがって、円筒状油路52内では、オイルは常に一定範囲の圧力状態となり、旋回流SF1の流速が過剰に低下することはなく、常に遠心分離作用を得ることができる。
したがって、円筒状油路52内及び第2円筒状油路54内では、オイルは常に一定範囲の圧力状態となり、旋回流SF1,SF2の流速が過剰に低下することはなく、常に遠心分離作用を得ることができる。
図5は円筒状油路52に進入するオイルの流量が比較的少ない場合を示し、外筒部材20が円筒状油路52の上流側に位置し、外筒部材20とケース部10の一端内壁との距離S1が比較的大きくなっている。円筒状油路52の流路断面積に対応する径方向距離d11及び第2円筒状油路54の流路断面積に対応する径方向距離d21は比較的小さい。
また、本装置は、ストレーナタイプのメッシュフィルタや濾紙等を用いたフィルタエレメントのように、大きな圧力損失を招くことがなく、比較的小さなコンタミまでもオイルから分離することができる上、円筒状油路52と、オイルをこの円筒状油路52に旋回成分を与えて進入させるという簡素な構造なので、小型化も容易であり、バルブボディ1内に組み込むことも容易である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、この実施形態を適宜変更して或いは一部を採用して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、テーパ状内周面22b,32bの採用によって特有の効果を得ているが、テーパ状内周面22b,32bは一部に採用するか或いは採用せずに真円筒面などを用いてもよい。
また、上記実施形態では、外筒部材20を可動にしたがこれも必須ではない。
さらに、外筒部材20に管状部25を設け、エア抜きも可能にしているがこれも必須ではなく、コンタミ除去のみを採用してもよい。
2 バルブボディカバー(ロアボディ)
3 セパレートプレート
5 バネ(弾性部材)
10 ケース部(ケース)
10a 円柱状空間
10b 円柱状空間10aを区画形成する円筒状内壁面
10c 円柱状空間10aの端壁部
11〜14 開口
20 外筒部材
21 外筒部材20の端壁部(第2端壁部)
22a 外筒部材20の円筒状外周面
22b 外筒部材20の内周面(テーパ状内周面)
24 貫通穴
25 管状部
30 内筒部材
31 内筒部材30の端壁部(第1端壁部)
32a 内筒部材30の円筒状外周面
32b 内筒部材30の内周面(テーパ状内周面)
41〜44 油路
51,53,55,56,57,58 空間
52 円筒状油路(第1円筒状油路)
54 第2円筒状油路
Claims (5)
- 油圧回路に介装され、
円筒状油路と、
前記円筒状油路の一端の側面に設けられ前記円筒状油路に螺旋状にオイルを進入させる入口と、
前記円筒状油路の中間部若しくはそれよりも他端側の外周部に設けられ前記円筒状油路内の螺旋流によって外周側に遠心分離された質量がオイルよりも大きい混入物を排出する混入物出口と、
前記円筒状油路の他端の内周部に連通して設けられ前記円筒状油路内の螺旋流によって前記混入物を遠心分離されたオイルを排出するオイル出口と、を備え、
前記円筒状油路は、前記一端から前記他端に行くに従って流路面積が縮小されていると共に、
内部に円柱状空間を有するケースと、
前記円柱状空間内に軸方向に可動に内装され、前記一端から前記他端に行くに従って縮径するテーパ状の内周面を有する外筒部材と、
前記ケースに固定されると共に前記外筒部材の内方に間隙を存して同軸的に挿入され、前記外筒部材の前記内周面に対向し前記一端から前記他端に行くに従って前記内周面に接近する円筒形状の外周面を有する内筒部材と、
前記外筒部材を前記一端へ向けて付勢する弾性部材と、をさらに備え、
前記円筒状油路は、前記外筒部材の前記内周面と前記内筒部材の前記外周面とにより区画されて形成されている
ことを特徴とする、オイルフィルタ装置。 - 前記内筒部材の前記一端側に形成された第1端壁部と、
前記外筒部材の前記他端側に形成された第2端壁部と、
前記第1端壁部と前記外筒部材の前記一端側の先端部との間に形成された第1空間と、
前記第2端壁部と前記内筒部材の前記他端側の先端部との間に形成された第2空間と、
前記ケースの前記第1空間に面する側壁に、前記円筒状油路の周方向にオイルが流れ込むように配向されて形成された第1開口と、
前記外筒部材の軸方向中間部に、前記外筒部材の内外を連通するように形成された貫通穴と、
前記貫通穴に連通するように前記ケースの側壁に形成された第2開口と、
前記内筒部材の内側に前記他端側から前記一端側に延びるように形成されたオイル流路と、
前記ケースの側壁に前記オイル流路と連通するように形成された第3開口と、を備え、
前記入口は前記第1開口により構成され、
前記混入物出口は、前記貫通穴及び前記第2開口により構成され、
前記オイル出口は、前記第3開口により構成されている
ことを特徴とする、請求項1記載のオイルフィルタ装置。 - 前記外筒部材の前記第2端壁部に前記一端側に延びるように突設され、前記オイル流路の内部に配設された管状部と、
前記内筒部材の内周面と前記管状部の外周面とにより区画されて形成されて、前記円筒状油路内のオイルの螺旋流が螺旋状を保ちながら前記他端側から前記一端側に流通する第2円筒状油路と、
前記円筒状油路内及び前記第2円筒状油路内の螺旋流によって内周側に遠心分離されたエアを排出するエア出口と、
前記混入物及び前記エアを遠心分離されたオイルを排出する前記オイル出口と、を備えている
ことを特徴とする、請求項2記載のオイルフィルタ装置。 - 前記内筒部材の内周面は、前記他端から前記一端に行くに従って縮径するテーパ状に形成され、
前記第2円筒状油路は、前記他端から前記一端に行くに従って流路面積が縮小されている
ことを特徴とする、請求項3記載のオイルフィルタ装置。 - 車両用自動変速機の油圧回路に介装されたバルブユニットに内装され、
前記入口にはライン圧の油路が接続され、
前記オイル出口には前記バルブユニットに装備されたソレノイドバルブの元圧の油路が接続され、
前記混入物出口には前記バルブユニットに装備されたスプールバルブの油路が接続されている
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のオイルフィルタ装置。
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