JP5756827B2 - 抵抗溶接用補助具 - Google Patents

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Description

本発明は、複数個のワークが積層されて形成された積層部を抵抗溶接にて接合する際に用いられる抵抗溶接用補助具に関する。
複数個の金属製部材(ワーク)同士を接合する手法として、これら金属製部材を積層して積層部を形成し、該積層部を、抵抗溶接装置を構成する1組の電極で挟持・加圧した後、該1組の電極間に通電を行い、前記金属製部材における接触面近傍の部位を溶融する抵抗溶接が従来から知られている。溶融した部位は、凝固によってナゲットと呼称される固相となる。場合によっては、特許文献1、2に記載されるように、3個以上の金属製部材同士を抵抗溶接によって接合することもある。
例えば、いわゆるハイテン鋼からなる厚肉ワーク、軟鋼からなる第1薄肉ワーク、軟鋼からなる第2薄肉ワークを積層した積層物を抵抗溶接によって接合する場合、第1薄肉ワークと第2薄肉ワークとの接触面ではナゲットが成長し難い。この理由は、第1薄肉ワークと第2薄肉ワークとの接触面での発熱量が少なくなるからである。
第1薄肉ワークと第2薄肉ワークとの接触面での発熱量が少なくなるのは、厚肉ワークの電気抵抗が大きく、且つ放熱が起こり難い(熱引けが遅い)からである。すなわち、厚肉ワークであるハイテン鋼は、軟鋼に比して高抵抗であり、且つ熱伝導率が小さい。その上、厚肉ワークの厚みが第1薄肉ワーク及び第2薄肉ワークに比して大きいので、接触面から電極に至るまでの距離が大きくなるからである。
そこで、本出願人は、特許文献2において、積層部の最上に位置するワークに対し、電極が当接した部位とは別の部位に加圧用部材を当接させ、さらに、前記電極及び前記加圧用部材による積層部に対する加圧力と、積層部の最下に位置するワークに当接した残余の電極による積層部に対する加圧力とを均衡させた状態で、前記2つの電極間に通電を行うことを提案している。
この場合、最上のワークに当接した電極による加圧力が、最下のワークに当接した残余の電極に向かうにつれて作用範囲が広がるように分布する。その結果、最上のワークと中間に位置するワークとの接触面積が、中間に位置するワークと最下のワークとの接触面積に比して小さくなるので、最上のワークと中間に位置するワークとの接触面の接触抵抗が大きくなる。従って、当該接触面における発熱量が大きくなり、十分に成長したナゲットを形成することができる。
特許第3894545号公報 特開2011−11259号公報
特許文献2記載の技術は、加圧用部材を抵抗溶接装置に設けるようにしているが、狭小スペースにおいては、電極及び加圧用部材の双方を抵抗溶接箇所に接触させることは容易ではない。
本発明は特許文献1、2記載の技術に関連してなされたもので、抵抗溶接装置と別体に設けられるとともに、抵抗溶接を行う部位が狭小スペースであるような場合であっても抵抗溶接を遂行し得る抵抗溶接用補助具を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、複数個のワークが積層されて形成された積層部を、抵抗溶接装置の第1電極と第2電極で挟持するとともに、前記第1電極と前記第2電極との間に通電を行う抵抗溶接にて接合する際に用いられる抵抗溶接用補助具であって、
前記第1電極によって押圧される基台部と、
前記基台部に設けられ、前記基台部が前記第1電極によって押圧されたときに前記積層部に当接して該積層部を押圧する第1加圧部と、
前記基台部に支持されて前記積層部に常時当接し、前記基台部が前記第1電極によって押圧されたときに前記第1加圧部とともに前記積層部を加圧する第2加圧部と、
前記第1電極が前記基台部から離間したときに前記基台部が前記積層部から離間する方向に変位するように弾発付勢することで、前記第1加圧部を前記積層部から離間させる弾発部材と、
を備え、
前記基台部及び前記第1加圧部が導電体からなり、且つ前記第2加圧部が絶縁体からなり、
前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流は、前記基台部及び前記第1加圧部を経由することを特徴とする。
例えば、積層部(抵抗溶接箇所)が溝の底壁である場合、この抵抗溶接用補助具を溝内に挿入し、その後、第1電極で基台部を押圧して第1加圧部を積層部に当接させるとともに該第1加圧部で積層部を押圧することにより、第1電極と第2電極の間に、基台部と第1加圧部を経由する電流を流すことができるようになる。すなわち、抵抗溶接を容易に遂行することができる。
このように、本発明によれば、第1電極を挿入することが困難な狭小スペースに対しても、抵抗溶接を実施することができる。
しかも、第1加圧部と第2加圧部との合計加圧力が第2電極の加圧力と均衡することから、第1加圧部の加圧力が第2電極の加圧力に比して小さくなる。従って、積層部内では、加圧力が、第1加圧部から第2電極に向かうにつれて作用範囲が広がるように分布する。
積層部内で加圧力にこのような分布が生じる結果、積層部の最上に位置する最上ワークとそれに隣接するワークとの接触面積が、残余のワーク同士の接触面積に比して小さくなる。従って、最上ワークとそれに隣接するワークとの接触面の接触抵抗を大きくすることができ、これにより、ジュール熱に基づく発熱量を大きくすることができる。従って、該接触面に大きなナゲットを形成することが可能となり、結局、最上ワークとこれに隣接するワークとの接合強度を確保することができる。
しかも、第2加圧部によって最上ワークが押圧されるので、最上ワークがこれに隣接するワークから離間することが抑制される。従って、両ワークの間からスパッタが飛散することを防止することができる。
加えて、本発明では、第2加圧部が絶縁体であるため、第1電極が基台部に当接した瞬間に、第1電極と第2電極の間に、基台部と第2加圧部を経由する電流が流れることはない。第1電極が基台部に当接した直後は、第1電極によって積層部に付与される加圧力が十分ではないため、この時点で第1電極と第2電極の間に電流が流れてしまうとスパッタが飛散する懸念があるが、本発明では、この懸念を払拭することができる。
基台部には、第1電極が進入する凹部を陥没形成することが好ましい。この凹部と第1電極との位置を合致させることにより、抵抗溶接用補助具と抵抗溶接装置との位置合わせを容易に行うことができる。
なお、前記弾発部材は、例えば、基台部と第2加圧部との間に設けることができる。
この場合には、前記弾発部材を収容するホルダを設けることが好ましい。該ホルダに貫通形成された挿通孔に前記基台部を通すことにより、前記弾発部材を基台部と第2加圧部との間に設けることが容易となる。なお、前記第2加圧部を、このホルダに設けるようにすれば、該第2加圧部を基台部に容易に支持することができる。
さらに、前記第2加圧部の前記基台部からの離間距離を調節する離間距離調節部材を設けることが好ましい。この離間距離を調節することに伴って第1加圧部と積層部との離間距離も変化するので、第1加圧部による積層部に対する加圧力を適宜変更することができる。また、開口から底壁までの距離が相違する別の溝に変更されたとき等に対応することも容易である。抵抗溶接用補助具がホルダを有するものである場合には、ホルダ内に離間距離調節部材を挿入するようにしてもよい。
前記第2加圧部は、1個であってもよいが、前記第1加圧部を挟む位置に複数個設けることが好ましい。これにより第1電極からの加圧力が適切に分散されるからである。
本発明によれば、積層部を抵抗溶接する抵抗溶接装置とは別体として構成した抵抗溶接用補助具を介して、前記抵抗溶接装置を構成する第1電極と第2電極の間に電流を流すようにしている。このため、抵抗溶接を行う部位が狭小スペースであるような場合であっても、抵抗溶接を遂行することが容易となる。
しかも、抵抗溶接用補助具が第1加圧部と第2加圧部を有するので、積層部内では、加圧力が、第1加圧部から第2電極に向かって作用範囲が広がるように分布する。このため、積層部の最上に位置する最上ワークとそれに隣接するワークとの接触面積が、残余のワーク同士の接触面積に比して小さくなるので、最上ワークとそれに隣接するワークとの接触面の接触抵抗が大きくなり、ジュール熱に基づく発熱量が大きくなる。従って、該接触面に大きなナゲットを形成することが可能となり、結局、最上ワークとこれに隣接するワークとの接合強度を確保することができる。
抵抗溶接装置と、本発明の実施の形態に係る抵抗溶接用補助具とを併用し、積層部に対して抵抗溶接を行う様子を示した概略要部正面図である。 前記抵抗溶接用補助具の概略分解斜視図である。 前記抵抗溶接用補助具を抵抗溶接箇所に設置した状態を示す概略要部側面図である。 図3から第1電極を下降させ、前記抵抗溶接用補助具を構成する基台部に当接させた状態を示す概略要部側面図である。 図4から第1電極をさらに下降させ、第1加圧部である押圧棒で積層部の最上層に加圧力を付与するとともに第1電極と第2電極の間に通電を行った状態を示す概略要部側面図である。 別の実施の形態に係る抵抗溶接用補助具の一部断面概略側面図である。
以下、本発明に係る抵抗溶接用補助具につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、抵抗溶接装置10と、本実施の形態に係る抵抗溶接用補助具12とを併用し、積層部14に対して抵抗溶接を行う様子を示した概略要部正面図である。この場合、積層部14は、第1ワーク16、第2ワーク18及び第3ワーク20の各平坦部を積層することで構成される。
はじめに、第1ワーク16、第2ワーク18及び第3ワーク20につき若干説明する。これら第1ワーク16、第2ワーク18及び第3ワーク20は、自動車車体を構成するためのインナ側サイドパネル、アウタ側サイドパネル、ルーフであり、積層部14は、ルーフレール22の底壁を形成する。
第1ワーク16の厚みは、例えば、約1mm〜約2mmに設定され、第2ワーク18及び第3ワーク20の厚みは、例えば、約0.5mm〜約0.7mmに設定される。また、第2ワーク18及び第3ワーク20の厚みは略同一であり、第1ワーク16は、これら第2ワーク18及び第3ワーク20に比して厚肉である。換言すれば、第1ワーク16は最厚ワークである。また、第1ワーク16はいわゆるハイテン鋼からなり、第2ワーク18及び第3ワーク20は、軟鋼からなる。
抵抗溶接装置10は、この場合、ポータブル型のハンドガンであり、作業ステーションの天井壁の近傍に設けられた案内レール(いずれも図示せず)から、ケーブル23を介して懸吊されている。
この抵抗溶接装置10は、略C字形状の固定アーム24を具備する、いわゆるC型ガンである。この固定アーム24の下方先端には、第2電極としての下チップ26が設けられる。該下チップ26は、第1ワーク16に向かって延在している。
固定アーム24の下方先端には、ボールネジ機構(図示せず)を収容したハウジング28が設けられる。前記ボールネジ機構のボールネジは、ハウジング28から突出し且つ前記下チップ26に向かって延在する連結ロッド30を、図1における上下方向に変位させるためのものである。なお、前記ボールネジは、前記ボールネジ機構を構成する図示しないサーボモータの作用下に回転動作する。
連結ロッド30の先端部には、図3に示すように、第1電極としての上チップ32が前記下チップ26に対向するようにして設けられる。これら下チップ26及び上チップ32は、溶接対象である積層部14を挟持し、且つ該積層部14に対して通電を行うものである。なお、下チップ26は図示しない電源の負極に電気的に接続されており、一方、上チップ32は前記電源の正極に電気的に接続されている。このため、本実施の形態では、上チップ32から下チップ26に向かって電流が流れる。
次に、本実施の形態に係る抵抗溶接用補助具12につき、図1〜図3を参照して説明する。これら図1〜図3から諒解されるように、抵抗溶接用補助具12は、抵抗溶接装置10とは別体として構成され、ルーフレール22内に予め収容されている。なお、図2及び図3では、第1ワーク16〜第3ワーク20の平坦部のみを示している。
この抵抗溶接用補助具12は、長尺な基台部34と、積層部14を第3ワーク20側から押圧するための加圧棒36(第1加圧部)と、積層部14の最上層である第3ワーク20に常時当接する2個の加圧片38a、38b(第2加圧部)とを有する。
基台部34は、ルーフレール22の長手方向に沿って延在する長尺物である。略円柱体形状をなし、先端が湾曲面として形成された前記加圧棒36は、基台部34の下端面における長手方向略中腹部に配設される。なお、加圧棒36は、基台部34とは別部材として取り付けられたものであってもよいし、基台部34と一体的な同一部材としてその下端面から突出形成されたものであってもよい。
一方、基台部34の上端面における長手方向略中腹部には、凹部40が陥没形成される。すなわち、加圧棒36は、凹部40の下方に位置する。
凹部40には、前記上チップ32が対向する。換言すれば、凹部40及び加圧棒36は、上チップ32と同一軸線上に配置される。後述するように、積層部14に対して抵抗溶接を行う際には、上チップ32が凹部40に進入する。
基台部34及び加圧棒36は、金属等の導電体から構成される。従って、上チップ32が凹部40に進入してその先端が該凹部40の底壁に当接し、且つ加圧棒36が第3ワーク20に当接した状態(図5参照)では、上チップ32から下チップ26に向かう電流iが流れる。
図2及び図3に示すように、略平板形状の加圧片38a、38bは、基台部34の長手方向の両端部に、該基台部34の下端面から離間するようにして設けられる。この配置により、加圧片38a、38bは、加圧棒36を挟み、該加圧棒36から互いに略等間隔で離間している。
すなわち、基台部34の長手方向の両端部には、中空四面体形状のホルダ42a、42bがそれぞれ設けられる。具体的には、ホルダ42a、42bには、ルーフレール22の長手方向に沿って延在する挿通孔44a、44bがそれぞれ形成され、これら挿通孔44a、44bの各々に、基台部34の端部が通される。ホルダ42a、42bの下端面には、前記挿通孔44a、44bに指向する第1ネジ孔46a、46bが貫通形成されており、加圧片38a、38bは、該第1ネジ孔46a、46bに螺合された第1ネジ48a、48bの頭部を覆うようにして該第1ネジ48a、48bに支持されている。換言すれば、加圧片38a、38bは、第1ネジ48a、48bに装着されたカバーでもある。
加圧片38a、38bがこのようにしてホルダ42a、42bの下端面に配置されるため、該加圧片38a、38bが基台部34の下端面から離間する。また、上記の構成により、加圧片38a、38bがホルダ42a、42bを介して基台部34に支持される。
ホルダ42a、42bの内部(挿通孔44a、44b内)には、断面が略楕円形状をなすリング形状スプリング50a、50b(弾発部材)が、それぞれ、第1ネジ48a、48bと、スプリングホルダ52a、52bとで挟持されるようにして収容される。スプリングホルダ52a、52bの上端面が基台部34の下端面に当接しているので、結局、リング形状スプリング50a、50bは、加圧片38a、38bと基台部34との間に位置決めされている。
ホルダ42a、42bの挿通孔44a、44b内には、平板形状のスペーサ54a、54b(離間距離調節部材)も収容される。これらスペーサ54a、54bは、基台部34の上端面に載置される。
ホルダ42a、42bの上端面には、前記挿通孔44a、44bに指向する第2ネジ孔56a、56bがそれぞれ貫通形成されている。これら第2ネジ孔56a、56bの各々に螺合された第2ネジ58a、58bは、前記スペーサ54a、54bを、その上端面から押圧する。これにより、スペーサ54a、54bが基台部34と第2ネジ58a、58bで挟持される。
ホルダ42a、42bの前方側面及び後方側面には、ホルダ42a、42bの長さ方向寸法に略対応する寸法の絶縁プレート60a〜60dがそれぞれ添着される。これら絶縁プレート60a〜60dと前記加圧片38a、38bはいずれも、樹脂等の絶縁体からなる。
このように構成されたホルダ42a、42bは、ルーフレール22に挿入される断面略コ字形状の位置決め用スタンド64a、64b(特に図1及び図2参照)の挟持壁66a〜66dに挟持される。
本実施の形態に係る抵抗溶接用補助具12は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
この抵抗溶接用補助具12は、ルーフレール22を形成する凹部の底壁同士が予め接合された第1ワーク16及び第2ワーク18に対して第3ワーク20を接合する際に用いられる。
すなわち、先ず、第2ワーク18の凹部に第3ワークの凹部を挿入し、これにより積層部14(ルーフレール22)を形成する。そして、ルーフレール22内に、複数個の抵抗溶接用補助具12を互いが所定間隔で離間するように挿入する。
個々の抵抗溶接用補助具12につき説明すると、位置決め用スタンド64a、64bをルーフレール22内に挿入する。この際、位置決め用スタンド64a、64bの開口と、ルーフレール22の開口を一致させるとともに、ルーフレール22の側壁に、挟持壁66a〜66dの少なくとも一部を当接させる。この当接により、位置決め用スタンド64a、64bがルーフレール22内に位置決め固定される。
次に、位置決め用スタンド64a、64bの位置と加圧片38a、38bの位置が合致するように、位置決め用スタンド64a、64bの開口から抵抗溶接用補助具12を挿入する。これに伴って、ホルダ42a、42bの前方壁及び後方壁が位置決め用スタンド64a、64bの挟持壁66a〜66dに挟持され、その結果、抵抗溶接用補助具12が位置決め用スタンド64a、64bを介してルーフレール22内で位置決め固定される。
この際、加圧片38a、38bは、位置決め用スタンド64a、64bの底壁を介して第3ワーク20(積層部14の最上層)に当接する。すなわち、加圧片38a、38bは、抵抗溶接が開始される前から、積層部14に載置される。一方、加圧棒36の先端面は、この時点では、第3ワーク20から離間している(図3参照)。
その後、抵抗溶接装置10を、上チップ32と下チップ26が抵抗溶接用補助具12を挟む位置に移動させる。これにより、図3に示す状態となる。なお、図3中の参照符号70は、第1ワーク16と第2ワーク18が抵抗溶接によって接合される際に形成されたナゲットである。
ここで、抵抗溶接用補助具12を構成する基台部34の上端面には、凹部40が形成されている。従って、作業者は、この凹部40を、溶接位置と上チップ32の位置合わせ目標として抵抗溶接装置10を移動させればよい。すなわち、凹部40を形成することにより、抵抗溶接装置10の溶接位置への位置決めが容易となる。
下チップ26を積層部14の最下層である第1ワーク16に当接させた後、次に、前記ボールネジ機構を構成する前記サーボモータを付勢する。これに伴って前記ボールネジが回転動作を開始することにより上チップ32が降下し、図4に示すように、凹部40に進入する。
上チップ32の先端面が凹部40の底壁に当接すると、上チップ32と基台部34及び加圧棒36が導通状態となるが、この時点では、加圧棒36の先端面が未だ第3ワーク20から離間している。従って、加圧棒36から積層部14に電流が流れることはない。
また、加圧片38a、38bが絶縁体であり、且つホルダ42a、42bの前方壁及び後方壁に添着された絶縁プレート60a〜60dも絶縁体であるため、加圧片38a、38bやホルダ42a、42bから位置決め用スタンド64a、64bを経由する電流が流れることもない。
加圧片38a、38bが導電体であると、この際に加圧片38a、38bから積層部14に電流が流れることになる。この時点では、上チップ32による加圧片38a、38bを介しての積層部14への加圧が十分ではないので、第2ワーク18と第3ワーク20との間が若干離間することもある。また、この時点から抵抗溶接終了時まで加圧片38a、38bから積層部14に電流が流れると、累積電流量が大きくなる。以上のことが相俟ってスパッタが飛散する懸念があるが、本実施の形態では、加圧片38a、38bが絶縁体であるためにこの懸念が払拭される。
上チップ32の先端面が凹部40の底壁に当接した以降は、基台部34が上チップ32によって押圧される。このため、基台部34及び加圧棒36が上チップ32と同期して下降する。このようにして基台部34が下降することに伴い、リング形状スプリング50a、50bが圧縮される。
上チップ32がさらに下降すると、基台部34及び加圧棒36がさらに下降し、図5に示すように、加圧棒36の先端面が第3ワーク20に当接する。すなわち、積層部14が下チップ26と加圧棒36で挟持される。この後も上チップ32が若干下降するので、下チップ26及び加圧棒36が積層部14を押圧する。
また、加圧片38a、38bが、圧縮したリング形状スプリング50a、50bから反力を受ける。このため、加圧片38a、38bも積層部14を押圧する。
ここで、第3ワーク20に対する加圧棒36及び加圧片38a、38bの合計加圧力(F1+F2+F2’)は、第1ワーク16に対する下チップ26の加圧力(F3)と均衡する。すなわち、積層部14の上方から作用する加圧力(F1+F2+F2’)と、下方から作用する加圧力(F3)とが略同等となる。
また、加圧片38a、38bが加圧棒36を挟む位置に設けられているので、F2=F2’ないしはF2≒F2’が成り立つ。すなわち、上チップ32からの加圧力が均衡して分散される。
必然的に、このとき、F1<F3が成立する。従って、積層部14内では、加圧力は、加圧棒36及び加圧片38a、38b側(上チップ32側)から下チップ26に向かうにつれて、作用範囲が広くなる(大きくなる)ように分布する。このため、第2ワーク18と第3ワーク20の接触面に作用する力は、抵抗溶接用補助具12を用いずに上チップ32と下チップ26で積層部14を挟持した場合に比して小さくなる。
次に、前記電源から電流が供給され、これにより、図5に示すように、上チップ32から下チップ26に向かう方向に電流iが流れ始める。上記したように、上チップ32、下チップ26の各々が前記電源の正極、負極に接続されているからである。
ここで、抵抗溶接用補助具12を構成する基台部34及び加圧棒36が導電体であるため、電流iは、上チップ32から基台部34及び加圧棒36を経由して下チップ26に向かう。一方、上記と同様に、加圧片38a、38bやホルダ42a、42bから位置決め用スタンド64a、64bを経由する電流が流れることはない。すなわち、上チップ32からの電流iは、基台部34及び加圧棒36のみを経由して下チップ26に至る。
そして、この電流iに基づくジュール熱により、第2ワーク18と第3ワーク20の接触面が加熱される。
ここで、F1<F3であるために積層部14内に上記のように加圧力に分布が生じる本実施の形態では、第3ワーク20が加圧棒36によって第2ワーク18側に指向して押圧される範囲が、抵抗溶接用補助具12を用いずに上チップ32と下チップ26のみで抵抗溶接を行う場合(すなわち、上チップ32による加圧力と下チップ26による加圧力とが等しい場合)に比して狭くなる。このため、本実施の形態においては、第2ワーク18と第3ワーク20との接触面積が、通常の抵抗溶接を行う場合に比して狭い。
従って、第2ワーク18と第3ワーク20の接触面における接触抵抗及び電流密度が、通常の抵抗溶接を行う場合に比して大きくなる。その結果として、該接触面におけるジュール熱の発生量、すなわち、発熱量が大きくなる。以上のような理由から、第2ワーク18と第3ワーク20の接触面に大きな加熱領域が形成される。
第2ワーク18と第3ワーク20の接触面は、この加熱領域によって加熱され、十分に温度上昇して溶融し始める。その結果、該接触面に溶融領域72が形成される。
所定時間が経過して溶融領域72が十分成長した後、通電を停止するとともに、上チップ32を基台部34から離間させる。又は、上チップ32を基台部34から離間させることで上チップ32と下チップ26を電気的に絶縁するようにしてもよい。
上チップ32が凹部40の底壁から離間すると、基台部34が上チップ32による押圧から解放されるので、リング形状スプリング50a、50bが伸張する。これに追従して基台部34が第3ワーク20(積層部14)から離間する方向に弾発付勢され、図3に示す状態に戻る。
また、通電が停止されることに伴い、第1ワーク16〜第3ワーク20の発熱も終了する。時間の経過とともに溶融領域72が冷却固化して固相(ナゲット)となり、このナゲットを介して第2ワーク18と第3ワーク20が互いに接合された接合品が得られるに至る。
以上から諒解されるように、本実施の形態によれば、ルーフレール22をはじめとする溝部等、抵抗溶接を行う部位が狭小スペースであるような場合であっても、該溝部に抵抗溶接用補助具12を予め挿入しておくことにより、抵抗溶接を容易に遂行することができる。
そして、得られた接合品では、第2ワーク18と第3ワーク20の接合強度が優れる。上記したように第2ワーク18と第3ワーク20の接触面に十分なジュール熱が発生したことに伴って、第2ワーク18と第3ワーク20の間に、十分に成長したナゲットが形成されるからである。
以上のように、本実施の形態によれば、軟鋼からなる第2ワーク18と第3ワーク20との積層箇所、すなわち、電気抵抗が小さく且つ熱引けが遅く、このために発熱量が小さな溶接対象に対して抵抗溶接を行う場合であっても、接合強度に優れた接合品を得ることができる。
ルーフレール22の深さは、車種によって相違する。また、抵抗溶接に必要な加圧力が車種によって相違することもある。以上のような場合に加圧片38a、38bの位置(基台部34からの離間距離)を変更する場合には、例えば、スペーサ54a、54bの枚数を増減すればよい。勿論、スペーサ54a、54bを用いることなく抵抗溶接を行うことも可能である。
この場合、抵抗溶接装置10としてポータブル型のハンドガンを用いるようにしているので、積層部14を抵抗溶接によって接合した後、抵抗溶接装置10を別の抵抗溶接箇所に移動させ、通常の抵抗溶接を行うこともできる。すなわち、抵抗溶接装置10の汎用性が向上する。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、図6に示すように、基台部34に、その厚み方向に沿って貫通孔80a、80bを形成するとともに、該貫通孔80a、80bに、押圧ボルト82a、82bを遊挿するようにしてもよい。この場合、加圧片38a、38bを、押圧ボルト82a、82bの頭部を覆うようにして設け、且つ押圧ボルト82a、82bの頭部と基台部34の下端面との間にコイルスプリング84a、84b(弾発部材)を介装すればよい。
この実施の形態において、加圧片38a、38bの基台部34からの離間距離を調整するためには、基台部34と、押圧ボルト82a、82bの貫通孔80a、80bからの抜け止めをなすナット86a、86bとの間にスペーサ(離間距離調整部材)を介装すればよい。これらのスペーサにも、押圧ボルト82a、82bを遊挿するための貫通孔を形成することは勿論である。
また、上記の実施の形態ではポータブル型の抵抗溶接装置10を例示しているが、例えば、ロボットの先端アームに取り付けられた抵抗溶接装置であってもよい。また、抵抗溶接装置10は、C型ガンに限定されるものではなく、いわゆるX型ガンであってもよい。X型ガンの場合、下チップ26及び上チップ32を、開閉自在な1組のチャック爪の各々に設け、該1組のチャック爪を開動作又は閉動作することによって、下チップ26と上チップ32とを互いに離間又は接近させればよい。
さらに、第1ワーク16〜第3ワーク20の材質は、上記したハイテン鋼や軟鋼に特に限定されるものではない。例えば、第1ワーク16〜第3ワーク20の全てが軟鋼である組み合わせであってもよいし、第1ワーク16のみがハイテン鋼、第2ワーク18及び第3ワーク20が軟鋼である組み合わせであってもよい。その他、抵抗溶接が可能なものであれば如何なる材質であってもよい。第1ワーク16〜第3ワーク20の厚みも、適宜変更可能である。
ルーフレールの場合、例えば、厚肉のハイテン鋼からなる第1インナ側サイドパネル、厚肉のハイテン鋼からなる第2インナ側サイドパネル、薄肉の軟鋼からなるアウタ側サイドパネル、薄肉の軟鋼からなるルーフの4個のワークを用いることがある。このようなときには、アウタ側サイドパネルと、最上に位置するルーフの接触面でナゲットが成長し難くなるので、上記と同様にルーフレール内に抵抗溶接用補助具12を挿入して抵抗溶接を行うことにより、アウタ側サイドパネルとルーフの接触面積を小さくして発熱量を大きくすることができる。
さらにまた、下チップ26から上チップ32に向かう電流iを流すようにしてもよい。
10…抵抗溶接装置 12…抵抗溶接用補助具
14…積層部 16、18、20…ワーク
22…ルーフレール 24…固定アーム
26…下チップ 32…上チップ
34…基台部 36…加圧棒
38a、38b…加圧片 40…凹部
42a、42b…ホルダ 44a、44b…挿通孔
50a、50b…リング形状スプリング 54a、54b…スペーサ
60a〜60d…絶縁プレート 64a、64b…位置決め用スタンド
66a〜66d…挟持壁 70…ナゲット
72…溶融領域 80a、80b…貫通孔
82a、82b…押圧ボルト 84a、84b…コイルスプリング

Claims (6)

  1. 複数個のワークが積層されて形成された積層部を、抵抗溶接装置の第1電極と第2電極で挟持するとともに、前記第1電極と前記第2電極との間に通電を行う抵抗溶接にて接合する際に用いられる抵抗溶接用補助具であって、
    前記第1電極によって押圧される基台部と、
    前記基台部に設けられ、前記基台部が前記第1電極によって押圧されたときに前記積層部に当接して該積層部を押圧する第1加圧部と、
    前記基台部に支持されて前記積層部に常時当接し、前記基台部が前記第1電極によって押圧されたときに前記第1加圧部とともに前記積層部を加圧する第2加圧部と、
    前記第1電極が前記基台部から離間したときに前記基台部が前記積層部から離間する方向に変位するように弾発付勢することで、前記第1加圧部を前記積層部から離間させる弾発部材と、
    を備え、
    前記基台部及び前記第1加圧部が導電体からなり、且つ前記第2加圧部が絶縁体からなり、
    前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流は、前記基台部及び前記第1加圧部を経由することを特徴とする抵抗溶接用補助具。
  2. 請求項1記載の補助具において、前記基台部に、前記第1電極が進入する凹部が陥没形成されるとともに、前記凹部及び前記第1加圧部が前記第1電極と同一軸線上に配置されることを特徴とする抵抗溶接用補助具。
  3. 請求項1又は2記載の補助具において、前記弾発部材が、前記基台部と前記第2加圧部との間に設けられていることを特徴とする抵抗溶接用補助具。
  4. 請求項3記載の補助具において、前記弾発部材を収容するとともに前記第2加圧部が設けられたホルダを有し、前記ホルダに貫通形成された挿通孔に前記基台部が通されることで、前記第2加圧部が前記ホルダを介して前記基台部に支持されることを特徴とする抵抗溶接用補助具。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の補助具において、前記第2加圧部の前記基台部からの離間距離を調節する離間距離調節部材を有することを特徴とする抵抗溶接用補助具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の補助具において、前記第2加圧部が、前記第1加圧部を挟む位置に複数個設けられることを特徴とする抵抗溶接用補助具。
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