JP5756284B2 - 微生物資材の培養・製造装置 - Google Patents
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Description
上記真正細菌とは、いわゆる細菌・バクテリアのことであり、大腸菌、枯草菌、シアノバクテリア等を含む生物群のことである。
上記愛媛県産業技術研究所では、上記環境浄化微生物を海の浄化や、工場排水、生活排水の発生源汚濁防止対策として使用できないか、という目的で研究が始まり、開発の結果、環境浄化のための微生物としての「えひめ AI」(登録商標)が発表され、国内で多くの使用例や効能が報告されている。
「えひめ AI」には「AI−1」(商品名)と「AI−2」(商品名)の2種類存在する。この「AI−1」及び「AI−2」は、愛媛県産業技術研究所のホームページに、「環境浄化微生物利用マニュアル」及び「『えひめ AI−2』の作り方と使い方」として、公開されている。
一方の「AI−1」については、上記環境浄化微生物利用マニュアルによれば、活性汚泥処理、生ゴミ処理、魚肥製造及び家畜糞尿処理にそれぞれ利用されている浄化剤である。
また、他方の「AI−2」については、上記えひめAI−2の作り方と使い方によれば、その製造方法は次のとおりである。
1.原料(500mlを作る場合)
納豆(粘液でも可) 1粒
ヨーグルト(飲むヨーグルトも可) 25g
ドライイースト 2g
白砂糖や三温糖等 25g
水道水 約450ml
2.器材 ペットボトル(500ml)
3.製法
・ペットボトルに納豆、ヨーグルト、ドライイースト、砂糖を計量し、混入
する。
・水道水を約450ml加えてよく攪拌する。
・よく混ざったものを30〜40℃で1週間培養する。
・培養液のpHをpH試験紙で確認する。
培養開始時のpHは約4〜5であるが、1週間後にpH3〜4になり、
パンや酒のような香り(発酵臭)がすれば成功である。
4.使用範囲とその効果
・浄化槽での使用・・・・・消臭
・台所での使用・・・・・・ヌメリの除去
・浴槽での使用・・・・・・湯あか取り
・生ゴミ処理での使用・・・消臭や発酵促進剤
上記「AI−1」は酵母・乳酸菌・納豆菌を主体に糖蜜等を用いて発酵培養させたものであり、産業用として利用することを目的としている。
上記「AI−2」は納豆、ヨーグルト及びドライイーストを主体に砂糖等を用いて発酵培養させたものであり、家庭用として利用することを目的としている。
両者は製法及び原料に多少の相違があるものの、その効果は同じである。
図9及び図10に示す製造装置は、上記微生物資材を培養・量産するのに適した構造を有している。
図示する製造装置は、複数の培養槽101及びヒートポンプ熱源装置102を備えている。
各培養槽101は、土台110上に設置した横に長い保温チェンバー103と、湯せん容器104と、この湯せん容器内に複数並べて配置してある培養液貯留タンク105とからなる。保温チェンバー103の上端に開口部を形成してあり、この開口部が保温蓋103aによって覆われている。保温チェンバー103の内壁面と湯せん容器104の内壁面との間には、図面上点で示している断熱材(又は保温材)106を充填してあって、湯せん容器の温度を一定に保っている。
湯せん容器104は保温チェンバー103に収納されている。湯せん容器104の内底部側には、すのこ状の保持台107を内底面より高い位置に設けてある。保持台107内には供給側の温水パイプ108及び戻り側の温水パイプ109が配管されており、温水パイプ108から温水が湯せん容器104内に供給され、この湯せん容器内には上端開口近いレベルまで温水が貯留されている。保持台107上には、培養液貯留タンク105が図左右方向に複数(図示の例では8個)並べられている。各培養液貯留タンク105内には各種の材料が調合された培養液が入れてある。培養液貯留タンク105は湯せん容器104内の温水中に配置されている。
ヒートポンプ熱源装置102は、図9に示す例では2列に配置してある培養槽101に接続されている。ヒートポンプ熱源装置102は、温水パイプ107から供給される温水の温度設定をする。
湯せん容器104内において、各培養液貯留タンク105の培養液は、温水パイプ108から供給される温水によって、全体が均一にゆっくりと加温され、常時全体を40℃前後に保つことにより、発酵培養の促進が図られ、微生物資材が製造される。
また、製品(製造した微生物資材)を使用場所へ運搬しなければならず、運搬費がかかる問題が生じる。使用場所が遠隔地の場合、製品のさらなる運搬コスト増が伴い割高になる。
この発明の目的は、製造施設費全体及び運搬のコストダウンを図ると共に、製造及び運搬工程の短縮化を図ることにある。
上記第1及び第2の培養液タンクを保温する手段として、上述のように上記第1の培養槽及び第2の培養槽の各内面と第1及び第2の保温箱の各外面との間に保温材を充填して、上記第1及び第2の培養槽外からの外気温を遮断する。
上記取付け受け台は十字状に組み立てたベースフレームからなり、各ベースフレーム上に上記保持棒が起立されており、上記各保持棒は、上記各ベースフレームにこれらベースフレームの先端から交差する中心部に向けて間隔を開けて並べて配置されており、上記熱交換チューブは、上記ベースフレームの先端側から上記中心部側に向けてかつ下側から上側に向けて上昇しながら螺旋状に巻かれていると共に、上記保持棒間を挿通している。
また、各保持棒を等長とすることにより製造がし易くなる。
さらに、上記第1及び第2の培養槽の中に、培養液を撹拌し循環させる水中循環ポンプを渦巻き状の熱交換チューブの中央部分の上部の台板上に固定して、培養・製造の短縮や品質向上を図るものである。
この発明によれば、微生物資材の培養・製造と保管とを交互にすることができるから、常時、上記微生物資材を環境浄化のために利用をすることができ、利用時に培養・製造がされるまで待つ必要がない。
この発明によれば、必要な設置場所に設置できて、そこでの上記微生物資材の利用が可能となり、製造工程が簡略化することができ、製品の運搬の手間の問題を解決することができ、運搬費のコストダウンに寄与することができる。
図1及び図2に示す微生物資材の培養・製造装置は、第1の培養槽1及び第2の培養槽2と、第1及び第2の培養槽にそれぞれ接続されている熱源である熱源機3を備えている。
第1及び第2の培養槽1,2及び熱源機3はいずれも設置台4に設置されている。
まず、第1及び第2の培養槽1,2について説明するが、これら培養槽は互いに実質的に同一構成であるので、第1の培養槽について具体的に説明し、第2の培養槽における具体的な構造説明を省略する。
第1の保温箱11は上側開口が上蓋11aで覆われている。保温箱11の底部は、その内底部に図示の例では井桁状に組み立てられているステー11bによって補強されている。各保温箱11は、その材質として、風雨防止を図り、また箱外の環境からの影響を遮断するために、例えばステンレス製のもの等が使用される。また、第1の保温箱11内には、発泡スチロールやウレタンフォーム等の部材からなる保温材11cを配置してある。保温材11cは図面上点(ドット)で示してある。保温材11cは、保温箱11の内面と、第1の培養液タンク12の外面との間に充填されており、この第1の培養液タンク全体を囲むようにその外側から覆っている。保温材11cによって、第1の保温箱11内の保温温度は外気温度に影響されることなく、所定の値に維持されることになる。
第1の培養液タンク12内には、微生物資材を生成するための材料が調合された状態の培養液8Aが、開口部12b(図3)から内部に所定量投入されている。図3に示す第1の培養液タンク12では、タンク容量が500l(リットル)の合成樹脂製の既製のタンクを使用している。
図3に示すように、第1の培養液タンク12の上端の開口部12bは開閉蓋12aによって封止されている。第1の培養液タンク12の内底部には第1の熱交換ユニット5を配置してある。
第1の培養液タンク12は、第1の熱交換ユニット5の存在によって培養液8Aの貯留タンクであると共に、培養タンクでもある。
なお、第1の培養液タンク12内は酸性の強い培養液8Aに浸される可能性があるので、腐食防止の観点から金属部分はステンレス製であることが望ましい。
図4〜図6において、取付け受け台51は2本のベースフレーム51a,51bと、各ベースフレームに起立させてある複数の保持棒52とからなる。ベースフレーム51a,51bは十字に組み合わせられたステンレス製のものであり、例えば一方51aには角棒状のフレーム、他方51bには丸棒状のフレームが使用されている。各ベースフレーム51a,51b上に外側の両端から交差する中心部に向けて所定の間隔を開けて等長の複数の保持棒52を並べて起立状態に配置してある。
熱交換チューブ53は不凍液循環用の管であって、所定長(例えば120m)の合成樹脂製管を用いている。熱交換チューブ53は、不凍液の入口側53aから出口側53bに向けてかつ下側から上側に向けて上昇しながら螺旋状に巻かれている。熱交換チューブ53の渦巻きの過程では、図4〜図6に示すように取付け受け台51の上下左右四箇所の隣接する保持棒52間を通るために、渦巻き状態は各ベースフレーム51a,51b上に保持棒52によって安定的に保持されることになる。
熱交換チューブ53は、入口側53a及び出口側53bがそれぞれ熱源機3に接続されている(図3)。熱交換チューブ53内には、その入口側53aに連通している熱源機3から加熱された熱媒体である不凍液が供給される。
図2に示すように、熱交換チューブ53と熱交換チューブ63とは渦巻き方向が互いに反対である。
第1の培養槽1及び第2の培養槽2は、熱源機3に対して配管7A,7Bを介して並列的に接続されている。一方の配管7Aは供給側であり、この配管の分岐管7A1,7A2が第1の培養槽1及び第2の培養槽2の熱交換チューブ53,63の入口側53a,63aに接続されている。他方の配管7Bは戻り側であり、この配管の分岐管7B1,7B2が第1の培養槽1及び第2の培養槽2の熱交換チューブ53,63の出口側53b,63bに接続されている。
熱源機3の温度設定制御は、第1の培養槽1の保温箱11の側壁に取付けてある制御盤9によって行われる。
図1に示す符号10A1は第1の培養槽1及び第2の培養槽2に設けてあって、それぞれが貯留している培養液8A,8Bを槽外に排出するため排出口である。図3に示す符号10A2は第1の培養槽1に設けてあって、製造された培養液の取り出し口であり、同様の取り出し口を図示していないが、第2の培養槽2にも設けてある。
仮に、第1の培養槽1の第1の培養液タンク12内に貯留してある培養液8Aは、微生物資材用に調合された発酵培養前のものとし、第2の培養槽2の第2の培養液タンク22内に貯留してある培養液8Bは、製造された微生物資材のものであるとして説明する。
この例では、第1の培養槽1において微生物資材用に調合された微生物資材を培養して製造をする。製造時では、熱源機3から配管7Aを通じて熱交換チューブ53内に送られてくる所定温度に加温された不凍液は、入口側53aから出口側53bに向けて螺旋状に上昇し、この出口側から熱源機3側へ送られる過程を繰り返して、熱交換チューブ53内は約38℃前後の設定温度で循環される。熱交換チューブ53内の循環される不凍液の熱は、第1の培養液タンク12内の培養液8Aに効率良く伝導させることができ、培養液の材料の発酵が最大限発揮されることになる。同時に、第1の培養液タンク12内の培養液8Aは、第1の保温箱11内に保温材11cを通じて36℃〜38℃に保温され、管理される。培養必要期間として一週間経過すると、第1の培養液タンク12内の培養液8Aは、発酵培養が完了され、微生物資材の培養液として製品化される。
第1の培養槽1において微生物資材の発酵培養をしている間(上例では一週間)は、第2の培養槽2では微生物資材の保管をし、管理温度設定を熱源機3により行うと共に、取り出し口(図示せず。)から必要な量の培養液8Bを取り出して利用する。
微生物資材の発酵培養を終了した時点では、第2の培養槽2の管理されている培養液8Bはほぼ又は全くなくなるので、第2の培養槽で微生物資材の発酵培養を一週間かけて行い、その間、第1の培養槽1における第1の培養液タンク12内の培養液8Aを取り出し口10A2(図3)から必要な量の培養液を取り出して利用する。
このように、一方の培養槽(例えば第1の培養槽1)では上記微生物資材用に調合され材料を含む培養液を発酵培養して製造をしている間、他方の培養槽(例えば第2の培養槽2)では製造された上記微生物資材の培養液の保管をし、利用するものであり、熱源機3からの温度管理に基づいて第1の培養槽1及び第2の培養槽2が上記微生物資材の培養・製造と保管の役割を交互にする。
水中循環ポンプ200は、図示の例によれば、第1及び第2の熱交換ユニット5,6の渦巻き状の熱交換チューブ53,63の中央部上部にそれぞれ配置されている。各水中循環ポンプ200は台板201上に固定されており、支持部材202を介して第1及び第2の培養液タンク12,22の底面から所定距離離れた上方の位置で保持されている。各水中循環ポンプ200は、その上部に吸い込み口203と吐出口204とを設けてある。各水中循環ポンプ200内には培養液8A,8Bを循環可能なポンプ本体(図示せず。)が内蔵されている。各水中循環ポンプ200のポンプ本体により吸い込み口203からポンプ内に吸い込まれた培養液8A,8Bは図示していない循環水路を経て吐出口204から第1及び第2の培養液タンク12,22に吐出され、還流される。培養液8A,8Bの吸い込みから吐出まではゆっくり時間をかけて行う。
こうすることにより、第1及び第2の培養液タンク12,22内の培養液8A,8Bは、水中循環ポンプ200の作動によって、撹拌され、循環される。
なお、水中循環ポンプ200の制御は、第1及び第2の培養槽,2の外部に設けてある制御手段及び電源(いずれも図示していない。)を通じて行う。
本培養・製造装置は家庭、飲食店、公共施設その他環境浄化を必要とする場所に設置して、その利用を図ることができる。
本培養・製造装置において、前記「えひめ AI」に代表される環境浄化微生物資材の培養・製造のみならず、微生物を主体とする環境浄化材の培養・製造にも広く使用することができる。
11 第1の保温箱
11c 保温材
12 第1の培養液タンク
2 第2の培養槽
21 第2の保温箱
21c 保温材
22 第2の培養液タンク
3 熱源機
5 第1の熱交換ユニット
51 取付け受け台
52 保持棒
53 熱交換チューブ
6 第2の熱交換ユニット
61 取付け受け台
62 保持棒
63 熱交換チューブ
7A,7B 配管
8A,8B 培養液
200 水中循環ポンプ
203 吸い込み口
204 吐出口
Claims (3)
- 第1の培養槽及び第2の培養槽と、第1及び第2の培養槽にそれぞれ接続されている熱源機を備えており、
上記第1の培養槽及び第2の培養槽は上記熱源機に対して並列に接続されており、
上記第1及び第2の培養槽は、いずれも外装ケースであって互いに同一の形状かつ大きさである第1及び第2の保温箱と、この第1及び第2の保温箱内に保温状態にそれぞれ収納してあっていずれも互いに同一の形状かつ大きさである第1及び第2の培養液タンクを設けてあり、
上記第1及び第2の培養槽は設置台上に隣接して並んで載置されており、上記熱源機は設置台に配置されており、
上記第1及び第2の保温箱の各内面と上記第1及び第2の培養液タンクの各外面との間にそれぞれ保温材を充填してあり、
それぞれの上記保温材が上記第1及び第2の培養液タンク全体を囲むようにその外側から覆っており、
上記第1及び第2の培養液タンクは、微生物資材を生成するための材料が調合された状態の培養液を貯留可能であって、内底部に第1及び第2の熱交換ユニットを配置してあり、
上記第1及び第2の熱交換ユニットは配管を通じて上記熱源機に接続されていると共に、取付け受け台、複数の保持棒及び渦巻き状の熱交換チューブを備えており、
上記取付け受け台は十字状に組み立てたベースフレームからなり、各ベースフレーム上に上記保持棒が起立されており、
上記各保持棒は、上記各ベースフレームにこれらベースフレームの先端から交差する中心部に向けて間隔を開けて並べて配置されており、
上記熱交換チューブは、上記ベースフレームの先端側から上記中心部側に向けてかつ下側から上側に向けて上昇しながら螺旋状に巻かれていると共に、上記保持棒間を挿通している
ことを特徴とする微生物資材の培養・製造装置。 - 各保持棒は等長であることを特徴とする請求項1記載の微生物資材の培養・製造装置。
- 第1及び第2の培養液タンク内に吸い込み口及び吐出口を有する水中循環ポンプを設けてあり、上記水中循環ポンプは渦巻き状の熱交換チューブの中央部分の上部の台板上に固定されており、上記水中循環ポンプは内部に第1及び第2の培養液タンク内の培養液をポンプ本体により上記吸い込み口から吸い込みかつ上記吐出口から吐出可能であると共に、上記培養液を撹拌循環させるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微生物資材の培養・製造装置。
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