JP5756159B2 - ペースト状の塊を混合し、分配するための装置 - Google Patents

Description

本発明は、ペースト状の塊、特に骨セメントを混合し、分配するための装置に関する。さらに、本発明は、この種の装置を含む骨セメントシステムおよびこの種の装置またはこの種の骨セメントシステムを使用してセメント混合物、特に骨セメントを生成するための方法に関する。

ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）骨セメントはＳｉｒ Ｃｈａｒｎｌｅｙの先駆的研究に基づく。ＰＭＭＡ骨セメントは液体モノマー成分および粉末成分からなる。モノマー成分は一般に、モノマー、メチルメタクリレート、およびそれらに溶解される活性化因子（Ｎ，Ｎ−ジメチル−ｐ−トルイジン）を含有する。骨セメント粉末とも呼ばれる粉末成分は、スチレン、メチルアクリレートまたは同様のモノマー、Ｘ線不透過剤、および開始剤、過酸化ジベンゾイルなどのメチルメタクリレートおよびｃｏ−モノマーに基づいた重合、好ましくは懸濁重合により生成される１つ以上のポリマーを含む。粉末成分およびモノマー成分を混合し、メチルメタクリレート中で粉末成分のポリマーを膨張させることにより、塑性的に成形され得、実際の骨セメントであるドウ（生地、ｄｏｕｇｈ）を生成する。粉末成分およびモノマー成分、活性化因子、Ｎ，Ｎ−ジメチル−ｐ−トルイジンを混合することにより、ラジカルを形成しながら過酸化ジベンゾイルと反応する。このように形成されたラジカルはメチルメタクリレートのラジカル重合を誘発する。メチルメタクリレートの重合を進行すると、セメントドウが凝固するまでセメントドウの粘度は増加する。

ポリメチルメタクリレート骨セメントは、スパチュラを用いて適切な混合ビーカー中でセメント粉末およびモノマー液体を混合することにより混合され得る。この手順は、空気含有物がこのように形成されたセメントドウ中に存在し得るので、後で骨セメントの不安定化を引き起こすという点で不都合である。この理由のために、真空混合システム中で骨セメント粉末およびモノマー液体を混合することが好ましい。なぜなら、真空中での混合は、セメントドウから空気含有物をほとんど取り除くので、最適なセメントの質を達成するからである。真空中で混合した骨セメントは多孔率が明らかに減少しているので、改善された機械的特性を示す。多くの真空セメンティングシステムが開示されており、それらのうちの以下のものを例示的な目的のために記載する：特許文献１、特許文献２、特許文献３、特許文献４、特許文献５、特許文献６、特許文献７、特許文献８、特許文献９、特許文献１０、特許文献１１、特許文献１２、特許文献１３。

セメント粉末およびモノマー液体の両方が、混合システムの別個の区画において既に予め充填されており、セメントを適用する直前のみにセメンティングシステムにおいて互いに混合される、セメンティングシステムが開発されており、特許文献１４に提案されている。これらのシステムの１つの本質的な問題は、セメント粉末および以前に滅菌濾過されていたモノマー液体を含むシステム全体を滅菌することである。特定の問題は、骨セメントに一般に使用されているエチレンオキシド滅菌の実施である。この滅菌法は、セメント粉末中に存在するポリマーが分解されず、セメント特性が、エチレンオキシド滅菌により影響を受けないままであるという点でγ線照射による滅菌と比較して利点がある。エチレンオキシドを用いた滅菌に関連する１つの問題は、ガス状物質を最初にカートリッジおよび／またはセメントリザーバ内、それによりセメント粉末内に浸透させる必要があり、滅菌が完了した後にカートリッジから拡散させる必要があることである。この理由のために、カートリッジおよび／またはリザーバの内部と周囲との間のガス交換が基本的に妨げられないことが必要である。対照的に、使える状態である混合システムは、真空中でセメントが混合され得るように十分に密封することを必要とする。

商業的に利用可能な混合システムは、多孔ディスクを有する蓋がカートリッジ上に螺合され、セメントの適用直前に除去されることを必要とするという点でこの矛盾に対処している。前記蓋以外に、混合装置を含む真空気密カートリッジヘッド、真空コネクト、および後で取り付けられる分配管のための開口部が螺合される。したがって、医療従事者は、セメントを混合する直前にセメンティングシステムを開口し、次いでそれを再び閉じることを必要とする。これにより、以前に滅菌された骨セメント粉末に細菌が到達する場合がある。

特許文献１５は、ガス透過性滅菌プランジャおよび封止プランジャが、混合ロッド上で軸方向に移動されるように配置される、Ｐａｌａｃｏｓ（登録商標）ＰＲＯセメンティングシステム中に実装される骨セメントを混合し、分配するための装置を提案している。滅菌位置において滅菌プランジャはセメント粉末が排出できないように適切にカートリッジを閉鎖しながら、滅菌プランジャのガス透過性交換面は、エチレンオキシドをセメント粉末およびカートリッジの内部の滅菌のためにカートリッジ内に流し、滅菌が完了した後にカートリッジの内部空間から拡散することができる。滅菌プランジャはカートリッジの内部に配置されるカートリッジの円周フィンにより係合する円周溝を含む。これにより、滅菌プランジャはカートリッジに可逆的に接続され、滅菌プランジャは固定される。

封止プランジャは、骨セメントが混合される前に滅菌プランジャ上および／または内に差し込まれる。これにより２つの部分からなるプランジャが形成される。本発明に係る方法と同様に、次いで封止プランジャに真空が適用され、カートリッジ内部のモノマーリザーバからカートリッジ内に配置されるセメント粉末へのモノマーの移動が開口機構の作動により開始する。続いて、セメント粉末は、混合ロッドおよびそれに配置される混合要素によりモノマー液体と混合される。その後、これ以上真空が適用されない。混合要素が２つの部分のプランジャの下側と接触するまで、混合ロッドは２つの部分のプランジャの方向へ引かれる。次いで、混合ロッドは２つの部分のプランジャの真上の所定の切断部位で切断される。既に作製されたセメントドウを含有するカートリッジは次いで足部分から取り外される。次いで、分配管はカートリッジヘッドに取り付けられ、カートリッジは分配装置に接続される。

２つの部分のプランジャ上の分配装置の乳棒を最初に動かしている間、滅菌プランジャおよびカートリッジの溝−フィン接続がカートリッジのフィンを移動させることにより取り外され、次いで２つの部分のプランジャがカートリッジヘッドに対して軸方向に移動され得る。カートリッジはほぼ垂直に保持され、分配装置はカートリッジヘッドに対して２つの部分のプランジャを軸方向に押し、それによりカートリッジ内に存在する空気は、セメントドウが分配管に到達するまで分配管を通して出て行く。この後、セメントドウが適用される。

特許文献１６は、真空コネクタがカートリッジヘッド上に存在し、カートリッジ端部上に可逆的に固定されたプランジャを有する、骨セメントのための混合装置を開示している。一旦、粉末成分およびモノマー液体が混合されると、ターン−ロック締め具により取り付けられたプランジャはプランジャに対するカートリッジの回転運動により取り外される。この目的のために、プランジャにはその外側に凹部が設けられ、それにより、プランジャは特別なブリスターのビーディングと係合できるので、カートリッジがその長手方向軸周囲に回転すると固定される。このように分離されるプランジャはカートリッジヘッドの方向に適用される真空作用により動かされ、この動作の間にセメントドウを集め、それをカートリッジヘッドに輸送する。

特許文献１５に開示されている混合システムは、混合されたセメントドウを、カートリッジヘッドに対してプランジャを動かすことにより真空中で集めることができない。第１に、カートリッジに対する滅菌プランジャの固定がセメントアプリケータの乳棒の作用のみにより分離され得るが、手動でのロック解除は実施できず、第２に、混合ロッドの切断により、真空の作用時にカートリッジの内部が吸引されるため、真空中で集めることは進行できない。

米国特許第６，０３３，１０５Ａ号 米国特許第５，６２４，１８４Ａ号 米国特許第４，６７１，２６３Ａ号 米国特許第４，９７３，１６８Ａ号 米国特許第５，１００，２４１Ａ号 国際公開第９９／６７０１５Ａ１号 欧州特許第１０２０１６７Ａ２号 米国特許第５，５８６，８２１Ａ号 欧州特許第１０１６４５２Ａ２号 独国特許第３６４０２７９Ａ１号 国際公開第９４／２６４０３Ａ１号 欧州特許第１００５９０１Ａ２号 米国特許第５，３４４，２３２Ａ号 欧州特許第０６９２２２９Ａ１号 独国特許出願公開第１０ ２００９ ０３１１７８Ｂ３号 独国特許第４３０２２３０Ａ１号

したがって、本発明の目的は、特許文献１５に基づいた従来技術の不都合な点を克服することである。すなわち、特許文献１５に開示される混合装置の上記の問題および上記に特定されていないが、従来技術から直接的に生じているさらなる不都合な点を克服する混合装置を開発することである。特に、本発明は、モノマーまたはセメント粉末のいずれもが周囲と直接接触せず、混合プロセスの前および間にセメント成分が汚染され得ないように閉鎖された混合装置である混合装置を提供する。混合装置は、セメント成分がカートリッジ内で混合された後、真空の作用時にカートリッジヘッドの方へ移動され得るプランジャを有し、それにより生成されたセメントドウは集められ、カートリッジヘッドの方向へ移動される。さらに、混合ロッドは真空の作用に起因してカートリッジの内部に吸引されないが、セメントドウは集められる。

本発明の目的は、ペースト状の塊、特に骨セメントを混合し、分配するための装置により満たされ、その装置は、両端部で開口するかまたは開口でき、混合要素を有するカートリッジと、カートリッジに配置される供給プランジャとを備え、開始位置において供給プランジャは第１のカートリッジ端部の領域に配置され、混合要素は混合ロッド上に配置され、混合ロッドは供給プランジャを通してカートリッジの内部に延び、混合ロッドおよび供給プランジャおよびカートリッジは、外部に対して装置のカートリッジの内部を封止する密接接続を一緒に形成し、供給プランジャは、混合ロッド上で軸方向に移動するように、かつカートリッジ内に配置され、混合ロッドが供給プランジャに対してもはや移動できなくなるように、少なくとも１つのクランプ顎部が、ロック要素によって混合ロッドに対して押され得るように、少なくとも１つのクランプ顎部が適切な方式で供給プランジャに配置される。

本発明によれば、クランプ顎部は好ましくは、混合ロッドに対して２次元接続を形成する。これに関して、クランプ面は歯状であってもよい。あるいは、クランプ顎部は好適には、マンドレルとして設計されてもよいか、または端部を有し、混合ロッドに対して押される場合、混合ロッドの表面に押される。基本的に、クランプ顎部は、留められる場合、混合ロッドを供給プランジャにクランプまたは留めるベルトとして設計されることが好都合であると想定される。

混合ロッドがもはや移動できないということは、予想外の力の作用により移動できないことを意味するわけではなく、装置の正常な使用の間に供給プランジャに対して混合ロッドがもはや移動できないことを意味する。特に、混合ロッドは真空作用に起因して供給プランジャに対してカートリッジの内側にもはや移動できない。

本発明によれば、軸方向は、混合ロッドが移動でき、カートリッジまたは（少なくとも本質的に）カートリッジ全体の内壁の対称軸を形成する方向を意味すると理解される。本発明によれば、内側カートリッジ壁は好ましくは円筒形であり、好ましくはカートリッジは円筒形である。この場合、カートリッジまたはその内側カートリッジ壁の円筒形軸は好ましくは、軸方向を参照する軸と一致する。

本発明は、ロック要素がクランプ顎部にスライドされるかまたは差し込まれる場合、ロック要素における対のスナップ留め手段にスナップ留めするスナップ式のフックを備えるクランプ顎部または少なくとも１つのクランプ顎部を提供できる。

本発明は好ましくは、開始位置において供給プランジャよりカートリッジ内部により深く配置される混合要素を提供できる。供給プランジャの開始位置は、ペースト状の塊がカートリッジ内部からまだ絞り出されていない位置である。本発明は好適には、供給プランジャの前側に配置される混合要素を提供でき、カートリッジの内部からペースト状の塊を絞り出すために供給プランジャは混合要素に対して移動する。前記方向は内側を向いている（カートリッジの内側に対する）方向と称される。反対方向は供給プランジャに対して外側を向いている方向と称される。

一つの開発によれば、本発明は好適には、残りの供給プランジャに対して軸方向において混合ロッド上で移動できる、供給プランジャの一部、好ましくは供給プランジャの別個の部分であるロック要素を提供でき、ロック要素が残りの供給プランジャと一緒にスライドされるかまたは残りの供給プランジャに一緒に差し込まれると、混合ロッド上に少なくとも１つのクランプ顎部を押すので、混合ロッドは供給プランジャに対してもはや移動できなくなる。

この構造は実施するのに安価であり容易である。さらに、この構造は装置の扱い易さを容易にできる。

本発明の特に好ましい開発は、ロック要素および残りの供給プランジャが不注意に一緒にスライドされるかまたは一緒に差し込まれることを防ぐ固定要素として手動で取り外し可能なスペーサをロック要素と残りの供給プランジャとの間に配置することを提案する。

安価で容易に実装される方式において、スペーサは、供給プランジャに対する混合ロッドの不注意なロックを防ぐので、多くの場合の非常に忙しい適用場面において、例えば手術中の装置の誤った操作を防ぐ。

さらに、本発明は好ましくは、供給プランジャの外側を向いている端部に配置されるロック要素を提供する。

これは装置の操作および構造の両方を簡単にする。

一つの開発によれば、本発明は、少なくとも１つのクランプ顎部が混合ロッド上に押されるように適切な方式で特に供給プランジャの封止プランジャに接続可能である確実動作嵌合様式（ｐｏｓｉｔｉｖｅ ｆｉｔ−ｌｉｋｅ）または非確実動作嵌合様式（ｎｏｎ−ｐｏｓｉｔｉｖｅ ｆｉｔ−ｌｉｋｅ）で残りの供給プランジャに一緒にスライドまたは差し込まれることによって供給プランジャに対して接続可能であるロック要素を提供できる。さらに、本発明は、少なくとも１つのスナップ留め要素によって取り外し可能な方式で封止プランジャに接続可能であるロック要素を提供できる。

本発明は好適には、カートリッジの内側を向いている端部上に滅菌プランジャを備える供給プランジャを提供でき、滅菌プランジャに隣接して混合要素がカートリッジ内に配置され、滅菌プランジャは少なくとも１つのガス透過性交換面を備え、好ましくは少なくとも１つの取り外し可能なスナップ留め要素によってカートリッジに接続されるかまたは接続されることができる。

滅菌プランジャを有することにより、エチレンオキシドなどの滅菌ガスを用いてカートリッジの内側の消毒が可能となる。これは特に臨床的応用のために非常に重要である。

さらに、本発明は、特に残りの供給プランジャの別個の部分として封止プランジャを備える供給プランジャを提供でき、封止プランジャは、混合ロッド上で軸方向に移動できるように配置され、かつ封止プランジャに配置される少なくとも１つのクランプ顎部を有する。

封止プランジャの主な作用は一方向においてカートリッジを封止することであり、また、絞り出されるカートリッジの内容物（ペースト状の塊）が、絞り出す方向と反対に不注意に封止プランジャを通過して排出できないことを確保することである。供給プランジャの提案される別個またはモジュール式の構造は本発明に係る構造を実装する安価で簡単な方法を提供する。

滅菌プランジャおよび封止プランジャを有する本発明に係る装置は、一緒にスライドされるかまたは一緒に差し込まれる滅菌プランジャおよび封止プランジャおよびロック要素が、少なくとも２つの部分の供給プランジャを形成し、好ましくはロック要素と一緒に少なくとも３つの部分の供給プランジャを形成するように提供され得る。

供給プランジャの前記モジュール式の構造により、製造するのが簡単でありそれ故、安価である部分の使用が可能となる。さらに、簡単な構造により故障の危険性が減少する。

これに関して、本発明は好適には、封止プランジャが滅菌プランジャに差し込まれ得ること、および３つの部分の供給プランジャを形成しながら、ロック要素が、封止プランジャおよび滅菌プランジャから組み立てられる供給プランジャ部分に差し込まれ得るかまたはスライドされ得ることが提供できる。

前記構造は特に簡単であり、使用が容易である。

本発明の一つの開発は、滅菌プランジャの少なくとも１つのスナップ留め手段のハンドル部分を収容するために外側に少なくとも１つの凹部を備える、残りの供給プランジャ、特に封止プランジャを提案する。

この凹部により、小型かつ空間を節約した装置の構造を維持しながら、例えば２本の指により装置は手動で操作できる。

本発明は好ましくは、残りの供給プランジャとは別個の部分である滅菌プランジャおよび／または封止プランジャを提供できる。

別個の部分は互いに接続される部分と比べて製造するのが容易かつ安価である。しかしながら、複数の部分の供給プランジャの部分は好適には、本発明の目的のための機能を有意に限定しながら、フレキシブルな接続により互いにしっかりと接続され得る。

本発明は好適には、混合ロッドを囲む３つの部分の供給プランジャシステムを提供できる。

特に好ましい開発によれば、本発明は、骨セメント粉末およびモノマーを混合することにより調製された骨セメントドウを、カートリッジの内部から、カートリッジの第１の端部と反対側のカートリッジの第２の端部に配置されるカートリッジヘッドに対して移動させるために、圧力によりロック解除された後、カートリッジ内、特にカートリッジの混合円筒形内に軸方向に移動可能である、供給プランジャ、特に３つの部分の供給プランジャシステムを提供でき、カートリッジは第２の開口部を備える。

これにより、３つの部分の供給プランジャがペースト状の塊のための供給プランジャとして使用され得る。

これに関して、本発明は、接続手段、特に接続ネジを備えるカートリッジヘッドにおける分配開口部を提供できる。

本発明は好適には、所定の切断部位を備える混合ロッドを提供でき、混合ロッドの所定の切断部位は好ましくは、混合ロッドを含む混合要素が、カートリッジの内側を向いている供給プランジャの端部に引かれる場合、所定の切断部位がスペーサにより覆われるように適切に配置される。

所定の切断部位を有することにより、混合ロッドが再生可能に切断され、それにより装置の確実な操作を可能にすることが確保される。スペーサにより覆われる所定の切断部位を有することにより、混合ロッドが不注意に切断されることが防がれる。なぜなら、スペーサは所定の切断部位を支持し、存在し得るトルクが、混合ロッド（混合ロッドは供給プランジャから誘導される）に対してさらに外側に作用するからである。スペーサを取り除いた後にのみ、所定の切断部位が露出され、可能な場合にはロック要素が押されるかまたは差し込まれた後、混合ロッドはその部位で容易に切断可能である。

本発明は好適には、供給プランジャを通して外側からカートリッジの内側への接続を提供する少なくとも１つの真空コネクタを備える供給プランジャ、特に封止プランジャおよび／または滅菌プランジャを提供できる。

真空コネクタは、カートリッジから滅菌ガスを除去するため、カートリッジ内のペースト状の混合物の流体成分を吸引するため、およびカートリッジの内部へ供給プランジャを推進するために使用されてもよい。

真空コネクタを有する本発明に係る装置の好ましい実施形態は真空コネクタに配置される逆止弁を有することを提案する。

本発明の一つの開発は、傾斜可能であるように供給プランジャ、特に封止プランジャに少なくとも１つのクランプ顎部を配置し、少なくとも１つのクランプ顎部は、混合ロッドの長手方向軸の方向において傾斜することにより供給プランジャの底部から離れた方向を向いている端部によって混合ロッド上に押され得ることを提案する。

さらに、本発明は、混合ロッドの長手方向軸の方向において傾斜することによりクランプ顎部の回転軸から離れた方向を向いている端部によって混合ロッド上に押されることができる少なくとも１つの傾斜可能なクランプ顎部を備えるロック要素を提供できる。

前記構造のクランプ顎部は安価に実装でき、強固でもあるので、装置の確実な操作を可能にする。

さらに、本発明は、ロック要素および／または封止プランジャが、弾性変形できる少なくとも１つの要素を備え、ロック要素が、残りの供給プランジャ、特に封止プランジャに一緒にスライドされたかまたは差し込まれた後、少なくとも１つの要素は、混合ロッド上に少なくとも１つのクランプ顎部を押すことを提案する。

弾性要素は混合ロッドに対してクランプ顎部の固定接続を提供する。

本発明の目的はまた、前記種類の装置と、結合剤、特にモノマーのためのリザーバ要素と、基礎要素とを含む、骨セメントシステムにより満たされ、基礎要素は、装置およびリザーバ要素を支持し、接続する。

骨セメントシステムは骨セメントを提供するための全ての成分を有する。

これに関して、本発明は、装置に対する非確実動作嵌合様式または確実動作嵌合様式の接続、特に装置の分配開口部に対する非確実動作嵌合様式または確実動作嵌合様式の接続のための結合手段を備える基礎要素を提供できる。

したがって装置は骨セメントシステム内に容易に挿入する。

さらに、本発明は、リザーバ要素からモノマーの流出を制御および／または誘発するためのバルブ手段、特に手動操作のためのバルブ手段を備えるリザーバ要素を提供できる。

これにより、骨セメントシステムからの骨セメントの流れが制御され得る。

さらに、本発明に係る骨セメントシステムは管を備える基礎要素を提供でき、管は、リザーバ要素をカートリッジの内側に接続し、モノマーは、管を通してカートリッジ内にリザーバ要素から流れることができる。

次いで骨セメントシステムは骨セメント混合物を生成するのに十分に適している。

本発明に係る骨セメントシステムはまた、結合剤のためのリザーバ容器を支持するためのリザーバ要素を提供でき、リザーバ容器はガラス容器であることが好適であり得る。

ガラス容器は、結合剤に対して化学的に耐性があり、それを壊すことにより容易に開口され得る。

本発明に基づいた目的はまた、この種類の装置またはこの種類の骨セメントシステムを使用して、セメント混合物、特に骨セメントを生成するための方法により満たされ、その方法は、
Ａ）カートリッジの少なくとも領域が粉末で満たされるカートリッジを設ける工程と、
Ｄ）カートリッジを、流体、好ましくは結合剤、特に好ましくはモノマーで満たす工程と、
Ｅ）混合要素により粉末を混合する工程と、
Ｆ）少なくとも１つのクランプ顎部によって供給プランジャにおいて混合ロッドをロックする工程と、
Ｈ）供給プランジャを推進することによりセメント混合物を分配する工程と、
を与えた順序で実施することを含む。

さらに、さらなる工程Ｂ）が提供され得る：
工程Ａ）の後で工程Ｄ）の前に、Ｂ）ガス透過性交換面を通して滅菌ガスを充填する工程と、カートリッジの内部空間および粉末を滅菌する工程とを含む。

さらに、本発明は、工程Ａ）において滅菌プランジャにより閉鎖されるカートリッジを提供できる。

これらの手段により、滅菌セメントおよび／または滅菌ペースト状の塊を提供できる。

本発明に係る方法はまた、工程Ｂ）の後で工程Ｄ）の前に、封止プランジャを滅菌プランジャ内に差し込む工程Ｃ）によりさらに開発され得る。

さらに、少なくとも１つのクランプ顎部によってロックされた混合ロッドを切断する工程Ｇ）が工程Ｆ）の後で工程Ｈ）の前に提供されてもよく、混合ロッドは好ましくは所定の切断部位にて切断される。

一つの開発によれば、本発明に係る方法は、工程Ｆ）においてロック要素を、残りの供給プランジャに、特に封止プランジャにスライドまたは差し込むことによってロックされる混合ロッドを提供でき、ロック要素は、スライドまたは差し込みに起因して混合ロッド上に少なくとも１つのクランプ顎部を押す。

これに関して、本発明は、工程Ｆ）におけるロック要素のスライドまたは差し込みの前に除去される固定要素としてのスペーサを提供できる。

最後に、本発明は好適には、セメント混合物を分配する前に少なくとも１つのスナップ留め要素を取り外すことによって工程Ｈ）においてカートリッジから取り外される供給プランジャ、特に複数の部分の供給プランジャを提供できる。

本発明は、クランプ顎部または等価のクランプ装置を使用するという驚くべき発見に基づき、本発明によればまた、クランプ顎部により、混合物が混合ロッドを用いてカートリッジにおける混合要素により混合され得る装置を提供することが可能とみなされ得、混合ロッドは、装置のさらなる使用にもはや必要とされず、扱いにくい場合、容易に切断でき、装置の機能に悪影響を与えずに再生できる。

特に供給プランジャが複数の部分の構造を有する場合、安価および容易に操作される装置が実装され得る。

混合装置は、手動でロック解除され、セメント成分が混合された後、真空の作動時にカートリッジにおいてカートリッジヘッドの方へ動かされ得る供給プランジャを有し、形成されるセメントドウ（ペースト状の塊）は集められ、カートリッジヘッドの方へ移動する。混合装置は、混合が完了した後、セメントドウが真空中で集められる場合、切断される混合ロッドが、真空作用に起因してカートリッジの内側に吸引され得ないように取り付けられた方式で供給プランジャに対して配置され得るように適切に設計される。

本発明の目的は、骨セメントを混合し、分配するための装置により満たされ、その装置は、円筒形状のカートリッジを有し、混合要素が配置され、混合要素は、封止された方式で第１のカートリッジ端部から誘導される混合ロッドにより軸方向に移動し、カートリッジを気密方式で閉鎖し、第１のカートリッジ端部の領域に配置され、混合ロッド上で軸方向に移動できる封止プランジャを有し、
ａ）滅菌プランジャが、混合要素と封止プランジャとの間の第１の円筒形端部の領域に配置され、少なくとも１つのガス透過性交換面を有し、外側から手動で取り外すことができる少なくとも１つのスナップ留め要素によりカートリッジに可逆的に接続される；
ｂ）滅菌プランジャから離れて軸方向に移動可能である封止プランジャが混合ロッド上に配置される；
ｃ）少なくとも１つのクランプ顎部が混合ロッドに対して押され得るように、少なくとも１つのクランプ顎部が適切な方式で封止プランジャおよび／または別個のロック要素に配置される；
ｄ）封止プランジャと一緒にスライドする場合、混合ロッド上で軸方向に移動できるように配置されるロック要素は、混合ロッドが真空作用によりもはや移動できないように、適切な方式で混合ロッドに対して少なくとも１つのクランプ顎部を押す；
これらにより、滅菌プランジャおよび封止プランジャおよびロック要素は、それらが一緒にスライドまたは差し込まれた後、３つの部分の供給プランジャを形成する。

本発明に係る装置の作用を以下により詳細に説明する。滅菌プランジャは、カートリッジ底部に隣接してカートリッジに配置され、スナップ留め手段によりカートリッジの内側に取り付けられる。滅菌プランジャの凹部はそこに配置される混合ロッドを有し、混合ロッドは凹部を通して軸方向に移動できる。混合要素はカートリッジの内側に配意される混合ロッドの端部に配置される。好ましくは、混合翼が混合要素として使用され得る。ハンドルが混合ロッドの外側端に配置される。滅菌プランジャはガス透過性交換面を備える。封止プランジャおよびロック要素は各々、混合ロッド周囲を軸方向に移動するように配置され、滅菌プランジャとは別個に配置される。

滅菌位置において、滅菌プランジャは封止プランジャおよびロック要素とは別であり、滅菌プランジャは、カートリッジ内に既に挿入され、カートリッジ内にスナップ留めされるだけのそのような要素である。ガス状滅菌手段（例えばおよび好ましくはエチレンオキシド）が、ガス透過性交換面を通してカートリッジの内側に進入でき、カートリッジの内部に配置されるセメント粉末、およびカートリッジの内部を滅菌する。次いで、滅菌手段は、ガス透過性交換面を通してカートリッジから外側に拡散する。経済的に合理的な時間で進行するこの脱ガスプロセスについて、交換面は十分に大きくするべきである。好ましくは、交換面は、カートリッジの断面積の少なくとも２５％、特に好ましくは少なくとも４０％、さらにより特に好ましくは少なくとも５０％を占める。

医療用セメント、特に骨セメントを生成する際に、カートリッジはセメントカートリッジとして、すなわちペースト状のセメントを内部で混合し、セメントカートリッジから分配することを可能にするのに十分な安定性を有するカートリッジとして提供され得る。さらに、カートリッジは、物質がセメントカートリッジの壁から溶出することができないように十分な程度まで化学的に耐性があるべきである。これは特に骨セメントなどの医療的応用のためのセメントのためのセメントカートリッジに関して非常に重要である。

混合することによりセメントを調製するために、場合により滅菌プランジャに封止プランジャがスライドされるかまたは差し込まれ、カートリッジは、周囲雰囲気から気密形式で閉鎖され、封止プランジャの凹部は滅菌プランジャの把持部を収容する。封止プランジャは、ガス透過性形式でカートリッジの内部に接続される真空コネクタを備える。次いで、カートリッジの内部空間は真空コネクタを使用して真空ホースにより排気される。次いで、モノマーが真空作用によりリザーバ容器からカートリッジに移される。例えば、モノマーは真空により吸引される。次いで、真空の存在下で、混合ロッドに配置される混合要素が、均一なセメントドウが生成されるまでセメント成分を混合するために使用される。続いて、混合要素が滅菌プランジャの下側に触れるまで、混合ロッドは滅菌プランジャに対して上方に引かれる。真空は次いですぐに止められる。次いでロック要素が手動により封止プランジャにスライドまたは押される。ロック要素は混合ロッドに対してクランプ顎部（複数も含む）を押し、混合ロッドは少なくとも１つのクランプ顎部を介して固定される。次いで、混合ロッドの上側部分は所定の切断部位を使用して切断される。次いで真空が再び付与され、少なくとも１つの把持部がカートリッジの長手方向軸の方向に動く。これにより、スナップ留め要素をカートリッジの内側から取り外し、滅菌プランジャおよび封止プランジャを含むプランジャ全体が、真空作用に起因してカートリッジヘッドの方へ動き、以前に混合されたセメントドウが集められ、カートリッジの方へ一緒に動く。次いで真空ホースが引き抜かれ、カートリッジはセメント適用の準備状態になる。

装置全体は好ましくはプラスチック材料から作製され得、熱可塑性材料が特にコスト効率が良く使用され得るので、本発明に好ましい。前記プラスチック材料は、従来のプラスチック射出成形により本発明に係る装置を製造するために使用され得る。

本発明の例示的な実施形態を９個の概略的な図面に基づいて以下に例示するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。

図１は、本発明に係る装置についての混合要素および混合ロッドを有する供給プランジャの概略的な斜視図を示す。 図２は、本発明に係る装置の断面図を示す。 図３は、図２の図に対して垂直である本発明に係る装置の断面図を示す。 図４は、本発明に係る装置についての滅菌プランジャの概略的な斜視図を示す。 図５は、本発明に係る装置についての封止プランジャの概略的な斜視図を示す。 図６は、本発明に係る装置についてのロック要素の概略的な斜視図を示す。 図７は、固定要素およびロックされていない混合ロッドを有する供給プランジャの概略的な側面図を示す。 図８は、固定要素を有さずロックされた混合ロッドを有する供給プランジャの概略的な側面図を示す。 図９は、本発明に係る骨セメントシステムの概略的な断面図を示す。

図１は、本発明に係る装置についての混合要素１および混合ロッド２を有する供給プランジャの概略的な斜視図を示す。供給プランジャは円筒形の外側寸法を有し、円筒形の内壁を有するカートリッジ（図示せず）内に挿入されることを意図する。供給プランジャは３つの別個の部分から構成される。組み立てられた状態において、混合要素１は、カートリッジの内側に配置され、カートリッジ内容物を混合する機能をする。この目的のために、混合要素１はカートリッジの長手方向において混合ロッド２上で動くことができ、回転軸としての混合ロッド２周囲で回転され得る。

供給プランジャは混合要素１に隣接する供給プランジャの一部を形成する外側滅菌プランジャ３を備える。滅菌プランジャ３は混合要素１の上部に配置される。滅菌プランジャ３は図４に別に示される。封止プランジャ４が供給プランジャの第２の部分として滅菌プランジャ３内および上に配置される。封止プランジャ４は図５に別に示される。ロック要素５が供給プランジャの第３の部分として封止プランジャ４上に配置される。ロック要素５は図６に別に示される。

滅菌プランジャ３、封止プランジャ４、およびロック要素５の詳細は本明細書以下に説明されているが、参照は図４、５および６にもなされる。

スペーサ６が、封止プランジャ４とロック要素５との間に固定要素６として配置され、ロック要素５が封止プランジャ４に差し込まれ、それにより混合ロッド２が不注意にロック解除されることを防止するために使用される。スペーサ６はハンドル８を備え、そのハンドル８により、たとえ供給プランジャがカートリッジに配置されたとしても、スペーサ６は封止プランジャ４とロック要素５との間に引き出され得る。

図２は図１における断面Ａ−Ａに沿った本発明に係る装置の概略的な断面図を示し、図３は図１の断面Ｂ−Ｂに沿った図２の装置に対して垂直である本発明に係る装置の概略的な断面図を示す。カートリッジ９、またはカートリッジ壁９は場合により図２および３に描かれており、供給プランジャは開始位置に配置されている。

２つの凹部が、滅菌プランジャ３の円筒形状の外壁に配置され、カートリッジ９の外側でほぼ滅菌プランジャ３の中央から滅菌プランジャ３の上部に延びる。１つのスナップ留め（ｓｎａｐ−ｉｎ）要素１０が各々２つのスリットの間の外側に配置され、凹部の幅はスナップ留め手段１０の幅よりわずかに大きい。このことは、スナップ留め手段１０が各々、滅菌プランジャ３の底部を向いている側でのみ滅菌プランジャ３の外壁に接続されるストリップ１２に配置されることを意味する。前記ストリップ１２は滅菌プランジャ３の上端部を越えて延び、外側から手動により操作され得る把持部１４として設計され、組み立てられた開始位置においてカートリッジの内側から突出する。

スナップ留め手段１０を収容するための２つのくぼみ部が、内側カートリッジ壁９における対のスナップ留め手段として配置される。把持部１４は滅菌プランジャ３の長手方向軸の方向において押され得る。これに関して、スナップ留め手段１０は、カートリッジ９の内側から離れて、内側カートリッジ壁９のくぼみ部の外側に動くので、ロックが解除される。理論的に、滅菌プランジャ３は、ただ１つのスナップ留め手段およびスナップ留め手段を作動するための１つの把持部を備えるように構造化され得るが、この場合、２つの把持部１４が２つの指で作動するので、滅菌プランジャ３は簡単には作動しない。

封止プランジャ４は、把持部１４、または場合により滅菌プランジャ３のスナップ留め手段１０のストリップ１２を収容するために外側に２つの凹部を有する。凹部は、それらがスナップ留め手段１０を取り外すために混合ロッド２に対して一緒に押される場合、ストリップ１２を収容する。

封止プランジャ４は真空コネクタ１６を備える。本発明によれば、封止プランジャ４は真空コネクタ１６に接続される逆止弁（図示せず）を備え得ることが特に好ましい。これに関して、逆止弁は、ガス流が封止プランジャ４の下側から真空コネクタ１６のみの方向へ流れることができ、ガス流は真空コネクタ１６から封止プランジャ４の下側の方向へ進むことができないように設計される。逆止弁はボール弁のように設計されてもよい。カートリッジ９の内側において加圧ガスのセメントドウ内への進入を防ぐために、セメントドウがプランジャシステム３、４、５に加圧ガスを付与することにより押し出される場合、逆止弁は特に重要である。

封止プランジャ４は、複数の傾斜可能なクランプ顎部１８（図１には示さず）を備え、そのクランプ顎部１８は、混合ロッド２の長手方向軸の方向において傾斜することによりそれらの端部を封止プランジャ４の底部から離れた方向に向けることによって混合ロッド上に押され得る。クランプ顎部１８は、封止プランジャ４の上部に配置される軸方向にスリットのある円筒形により形成され、混合ロッド２を取り囲む。前記円筒形は、この目的のために、円筒形の上端部から封止プランジャ４の上部まで延びるスリットを備える。混合ロッド２の方向へ傾斜され得るクランプ顎部１８を表すストリップがこのように形成される。

代替として、図１〜６に示していないが、ロック要素５もまた、少なくとも１つの傾斜可能なクランプ顎部を備えてもよく、そのクランプ顎部は、混合ロッド２の長手方向軸の方向において傾斜することによりそれらの端部をクランプ顎部の回転軸から離れた方向に向けることによって混合ロッド２上に押され得る。前記クランプ顎部は、封止プランジャ４の上部を向いているロック要素５の下側に配置される軸方向にスリットのある円筒形により形成され得る。

封止プランジャ上にロック要素５を一緒にスライドするかまたは差し込んだ後、ロック要素５は、混合ロッド２の方へ少なくとも１つのクランプ顎部１８を押す弾性変形できる少なくとも１つの要素を備えてもよい。ロック要素５、封止プランジャ４、および滅菌プランジャ３の各々は、混合ロッド２上で軸方向に移動できるようにそれらの中心軸において凹部を備える。スリットがロック要素５の凹部から半径方向に延びる。スリットは、適切なプラスチック材料が使用される場合、軸方向において弾性的に変形され得る台形ストリップを形成する。ロック要素５が、クランプ顎部を押すためにただ１つの簡単なプラスチック円筒形を備えることも好適に実施可能である。これは、使用されるプラスチック材料の弾性のみを利用する。

さらに、本発明は、封止プランジャ４上にロック要素５を一緒にスライドするかまたは差し込んだ後、混合ロッド２に対して少なくとも１つのクランプ顎部１８を押す、弾性変形できる少なくとも１つの要素を備える封止プランジャ４を提供できる。

封止プランジャ４は滅菌プランジャ３に差し込まれることができ、これにより２つの部分のプランジャを形成する。セメントが混合した後、ロック要素５が、封止プランジャ４および滅菌プランジャ３により作製される２つの部分のプランジャに差し込まれるかまたはスライドされて、これにより３つの部分の供給プランジャを形成する。３つの部分のプランジャシステムが混合ロッド２を取り囲む。

装置の有益な開発は、ロック要素５と封止プランジャ４との間の固定要素６として配置される手動で取り外し可能なスペーサ６を有し、そのスペーサは、ロック要素５および封止プランジャ４が不注意に一緒にスライドするかまたは一緒に差し込まれることを防ぐ作用をする。

これに関して、本発明は、確実動作嵌合様式（ｐｏｓｉｔｉｖｅ ｆｉｔ−ｌｉｋｅ）または非確実動作嵌合様式（ｎｏｎ−ｐｏｓｉｔｉｖｅ ｆｉｔ−ｌｉｋｅ）の適切な様式で封止プランジャ４に一緒にスライドするかまたは差し込まれることによって封止プランジャ４に接続可能であるロック要素５を提供でき、これにより少なくとも１つの顎部１８は混合ロッド２に対して押される。これにより混合ロッド２が取り付けられ、カートリッジの内側に対する真空を誘導する吸引を遮断する。

ロック要素５は、取り外し可能でない様式で４つのスナップ留め要素２０を介して封止プランジャ４に接続される。これにより、ロック要素５は封止要素からもはや取り外されることができず、混合ロッド２は真空作用に起因して移動することに対して安全に固定される。

スペーサ６は、把持部１４、または場合により滅菌プランジャ３のストリップ１２のための２つの側方の凹部を備える。

装置の機能に関して、３つの部分のプランジャシステム３、４、５は、混合により骨セメント粉末から調製される骨セメントおよびモノマーをカートリッジヘッドの方向へ移動させるために手動でのロック解除後、真空作用によって、混合円筒形内に、または場合によりカートリッジ９内に軸方向に移動され得ることが有益である。このように形成される骨セメントドウは、大部分の気体を封入することを回避しながら真空内に集められ得る。

本発明によれば、カートリッジ９の分配開口部は好ましくは接続手段を有する。接続ネジがこの目的のために特に良く適している。接続ネジは、人口器官を固定するために、混合した骨セメントドウを骨空洞、例えば大腿近位部内に導入するために使用される分配管を留めるために使用され得る。

本発明の特に好ましい開発によれば、混合ロッド２は所定の切断部位２２を備え、混合要素１が混合ロッド２により滅菌プランジャ３の下側に引かれる場合、スペーサ６によりまたはスペーサ６のためにロック要素５により覆われるように、混合ロッド２の所定の切断部位２２は適切に配置されることが特に好ましい。したがって、所定の切断部位２２がロック要素５により覆われるので、封止プランジャ４とロック要素５との間にスペーサ６が固定要素として配置される限り、混合ロッド２は時期尚早に切断されることを防がれる。これにより失敗の操作の工程がほとんど防がれる。

封止部２４が、滅菌プランジャ３の外側周囲の円周に配置され、内側カートリッジ壁に対して滅菌プランジャ３を封止する。同様に、封止部２６が封止プランジャ４の外側周囲に配置され、それらが組み立てられる場合、滅菌プランジャ３に対して封止プランジャ４を封止する。封止部２４、２６はゴムからなり、滅菌プランジャ３および封止プランジャ４のそれぞれの周囲の円周溝に配置される。

滅菌プランジャ３は、その下側にガス透過性多孔ディスク２８を備える。多孔ディスク２８は滅菌プランジャ３の助材３０により支持される。

真空コネクタ１６は、封止プランジャ４に設けられる円周ガスチャネル３２において終端する。

図７は、固定要素６およびロックされていない混合ロッド２を有する供給プランジャの概略的な側面図を示し、図８は、本発明に係る方法および本発明に係る装置の作用を例示するために、固定要素６を有さず、ロックされた混合ロッド２を有する供給プランジャの概略的な側面図を示す。

図７および８は、２つの部分のみの供給プランジャ、すなわち封止プランジャ４およびロック要素５を示す。これらは図１〜６に示した例示的な実施形態のように構造化される。滅菌プランジャ３は図７および８に示されておらず、その外側における供給プランジャで完結している。円周の封止部２６は滅菌プランジャ（図７および８に示さず）の円筒形内壁に対して封止プランジャ４を封止する。混合ロッド２は、封止プランジャ４およびロック要素５の内側における通路を通して延び、混合要素１に取り付けられる。

図７に示した状況において、スペーサ６はまた、封止プランジャ４とロック要素５との間に配置される。ロック要素５のスナップ留め要素２０は、この目的のために割り当てられた封止プランジャ４における凹部と係合する。カートリッジ内容物が混合要素１により混合された後、混合要素１が滅菌プランジャ３に接触するまで、混合ロッド２は上方に引かれる。滅菌プランジャ３は図７および８に示していないので、この位置において封止プランジャ４に対して間隙が存在する。

続いて、スペーサ６はハンドル８により引っ張られる。この目的のために、スペーサ６にはスリットが設けられ、そのスリットに混合ロッド２が配置され、その幅は混合ロッド２の直径と等しいかまたはわずかに大きい。スペーサ６が弾性または容易に変形可能な材料からなる場合、その領域を含むスリットは、好適には混合ロッド２の直径より狭くてもよい。

次いでロック要素５は封止プランジャ４にスライドまたは差し込まれる。これにより、混合ロッド２の所定の切断部位２２が露出される。さらに、クランプ顎部１８は混合ロッド２に押され、したがって混合ロッド２は所定の位置においてロックされる。この状況を図８に示す。これに関して、ロック要素５のスナップ留め手段２０は最初の凹部から滑り、より深く配置される封止プランジャ４における凹部内に滑る。ロック要素５が封止プランジャ４内に下方に移動できるが、ロック要素５が封止プランジャ４から引き出され得ないように、スナップ留め手段２０はそれらの外側で傾斜している。

図９は、カートリッジ８０を有する本発明に係る骨セメントシステムの構造の概略的な断面図を示す。ロックされた供給プランジャ８１がカートリッジ８０に配置され、そのロックされていない状態においてカートリッジ８０の長手方向においてカートリッジ８０の内部に移動されるように配置される。供給プランジャ８１は、封止部８２およびその全周に沿って供給プランジャ８１を囲む剥離唇部８４を備える。２つのロック装置８５が供給プランジャ８１の上部において供給プランジャ８１に配置される。排気され得るカートリッジ８０の内部を通る真空コネクタ８７が供給プランジャ８１の上部に設けられる。

所定の切断部位８８を有する混合ロッド８９が、供給プランジャ８１を通るガイドスリーブ９０を通して延びる。混合翼９１がカートリッジ８０の内側で混合ロッド８９に配置される。混合ロッド８９は供給プランジャ８１においてベアリングのように支持されるので、混合翼９１がカートリッジ８０において回転でき、長手方向（図９において上下）において移動できるように、混合ロッド８９は回転できる。カートリッジ８０の内側は、円筒形の中空空間がカートリッジ８０の内側に形成されるように、円筒形のカートリッジ壁９２により画定され、さらに、下側の漏斗形状の内部空間（図９における内部カートリッジ空間の下側領域）がカートリッジ８０の内部を形成する。

把持部９５が混合ロッド８９の上側端部に配置され、混合ロッド８９を手動でまたは好適にはモータで操作するように使用され得る。ロックされた供給プランジャ８１と反対側のカートリッジ８０の側で、内部カートリッジ空間は分配開口部９６において終端し、その分配開口部９６を通して、カートリッジ８０に存在する材料が、ロックされていない供給プランジャ８１を使用して絞り出され得る。分配開口部９６の領域において、カートリッジ８０は、カートリッジ８０をキャリア９９の管９８に接続するためのオスネジ９７を有する。この目的のために、カートリッジ８０はキャリア９９のメスネジ内に螺合される。

モノマー液体を含有するアンプル１００がキャリア９９の他側の容器１０２に配置される。アンプル１００は、アンプル１００のヘッドを剪断する開口機構１０４を通して開口され得る。

カートリッジ８０は骨セメント粉末で約３／２レベルまで満たされる。内容物を滅菌するために、カートリッジ８０の内側は真空コネクタ８７を通して最初に排気される。続いて、例えばエチレンオキシドなどの滅菌ガスがカートリッジ８０内に誘導される。カートリッジ８０の内容物を滅菌するための十分な時間が経過した後、エチレンオキシドは再びポンプを用いて除去される。

次いで開口機構１０４がアンプル１００を開口し、モノマー液体を管９８内に流すために使用される。カートリッジ８０の内側における負圧のために、モノマー液体は、セメント粉末と混合されるカートリッジ８０内に吸引される。混合ロッド８９および混合翼９１はモノマー液体およびセメント粉末を混合するために使用され得る。真空のために、生成されるセメント混合物中に望ましくない空気混入が生じない。混合プロセスの後、混合ロッド８９は供給プランジャ８１における混合翼９１の制限停止部まで上方に引かれ、クランプ顎部７８がロック機構７９により混合ロッド８９に押される。これに関して、クランプ顎部７８のマンドレルが所定の切断部位８８の下の混合ロッド８９に押され、押されたクランプ顎部７８の接触面にさらに混合ロッド８９を取り付ける。続いて、混合ロッド８９は所定の切断部位８８で切断され得るが、ロックされたクランプ顎部７８により取り付けられたままになっている。

続いて、供給プランジャ８１はロック装置８５において手動でロック解除される。カートリッジ８０の内側の圧力はその周囲よりも低いので、クランプ顎部７８およびロック機構７９を備える供給プランジャ８１は混合ロッド８９と共にカートリッジ８０の内側に引かれる。カートリッジ８０は、例えばバルブ（図示せず）を操作することによってその前部で開口されるか、またはカートリッジ８０はキャリア９９からネジを回して外される。次いで供給プランジャ８１を押し込むことにより、セメント混合物は分配開口部９６を通して供給プランジャ８１の内側から絞り出される。供給プランジャ８１は、供給プランジャ８１の上部に対してガスが付与される圧力によってもカートリッジ８０内に運ばれ得る。この目的のために、逆止弁（図示せず）が真空コネクタ８７に配置され、カートリッジの内側内、すなわちカートリッジ８０の内側のセメント混合物内への加圧ガスの進入を防ぐ。

骨セメントが所望の部位に容易に付与されるように分配管はネジ９７に螺合され得る。

したがって、骨セメントを混合し、分配するための本発明に係る上記の装置を有する本発明に係る骨セメントシステムは、結合剤、特にモノマーのためのリザーバ要素１０２および基礎要素９９から構成され、基礎要素９９はカートリッジ８０を有する装置およびリザーバ要素１０２を支持する。本発明に係る前記骨セメントシステムおよび装置は、閉鎖されたプレパック（予め充填された）システムを一緒に形成し、セメント粉末だけでなく、モノマーもまた、セメント成分が混合される前に、骨セメントシステムの別の区画に既に存在し、存在するモノマー液体は混合プロセスの直前のみにセメント粉末内に移される。

この目的のために、基礎要素９９は、装置、特に装置における分配開口部に対する非確実動作嵌合様式および／または確実動作嵌合様式の接続のための結合手段としてメスネジ９７を備える。

リザーバ要素１０２は、結合剤、特にモノマーのための容器１００を備える。容器１００は好ましくはガラス容器である。ガラス容器として特にガラスアンプルが好都合である。あるいは、容器１００は管状バッグまたは側方が封止されたバッグの形態で提供されてもよい。前記バッグは拡散を抑制する多数重なったプラスチックフィルム、または好適にはアルミニウムベースの複合ホイルから作製されてもよい。

本発明によれば、リザーバ要素１０２は容器１００からのモノマーの流出を制御および／または誘発するためにバルブ手段（図示せず）を備えてもよい。前記バルブ要素は特に、ガラスアンプルを開口するための要素１０４として設計されてもよい。さらに、管状バッグまたは側方が封止されたバッグがモノマーのための容器１００として使用されるかまたは有用である場合、バルブ要素はまた、管状バッグまたは側方が封止されたバッグを開口するのに良く適し得る。

基礎要素９９は管状手段９８を備え、容器１００が開口機構および／またはバルブ手段１０４により早く開口される場合、モノマーが、管状手段を通して装置内、特にカートリッジ８０内にリザーバ容器１０２から流れる。これに関して、モノマーは、真空作用により管状手段９８を通してカートリッジ８０内に吸引されることが特に有益である。

上記の説明および添付の特許請求の範囲、図面、および例示的な実施形態に開示される本発明の特徴は、単独および任意の組み合わせの両方で本発明の種々の実施形態を実施するのに本質的であり得る。

１ 混合要素
２ 混合ロッド
３ 滅菌プランジャ
４ 封止プランジャ
５ ロック要素
６ スペーサ／固定要素
８ 把持部
９ カートリッジ
１０ スナップ留め手段
１２ ストリップ
１４ 把持部
１６ 真空コネクタ
１８ クランプ顎部
２０ スナップ留め手段
２２ 所定の切断部位
２４、２６ 封止部
２８ 多孔ディスク
３０ 助材
３２ ガスチャネル
７８ マンドレルを備えるクランプ顎部
７９ ロック要素
８０ カートリッジ
８１ 供給プランジャ
８２ 封止部
８３ 多孔ディスク
８４ 剥離唇部
８５ ロック装置
８７ 真空コネクタ
８８ 所定の切断部位
８９ 混合ロッド
９０ ガイドブッシング
９１ 混合要素／混合翼
９２ カートリッジ壁
９５ 把持部
９６ 分配開口部
９７ ネジ
９８ 管
９９ 支持部／基礎要素
１００ アンプル
１０２ 容器／リザーバ要素
１０４ 開口機構

Claims (26)

1. ペースト状の塊、特に骨セメントを混合し、分配するための装置であって、両端部で開口するかまたは開口でき、混合要素（１、９１）を有するカートリッジ（９、８０）と、前記カートリッジ（９、８０）に配置される供給プランジャ（８１）とを備え、開始位置にある前記供給プランジャ（８１）は第１のカートリッジ端部の領域に配置され、前記混合要素（１、９１）は混合ロッド（２、８９）上に配置され、前記混合ロッド（２、８９）は、前記供給プランジャ（８１）を通して前記カートリッジの内部に延び、前記混合ロッド（２、８９）および前記供給プランジャ（８１）および前記カートリッジ（９、８０）は、外部に対して前記装置の前記カートリッジの内部を封止する密接接続を一緒に形成し、前記供給プランジャ（８１）は、前記混合ロッド（２、８９）上で軸方向に移動するように、かつ前記カートリッジ（９、８０）内に配置され、前記混合ロッド（２、８９）が前記供給プランジャ（８１）に対してもはや移動できなくなるように、少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）が、ロック要素（５、７９）によって前記混合ロッド（２、８９）に対して押され得るように、前記少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）が適切な方式で前記供給プランジャ（８１）に配置される、装置。
2. 前記ロック要素（５、７９）が、前記供給プランジャ（８１）の一部であり、好ましくは前記供給プランジャ（８１）の別個の部分であり、前記ロック要素（５、７９）は、残りの供給プランジャ（３、４、８１）に対して軸方向において前記混合ロッド（２、８９）上で移動でき、前記ロック要素（５、７９）が、残りの供給プランジャ（３、４、８１）と一緒にスライドされるかまたは残りの供給プランジャ（３、４、８１）に一緒に差し込まれると、前記混合ロッド（２、８９）上に前記少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）を押すので、前記混合ロッド（２、８９）は前記供給プランジャ（８１）に対してもはや移動できなくなる、請求項１に記載の装置。
3. 手動で取り外し可能なスペーサ（６）が、前記ロック要素（５、７９）と残りの供給プランジャ（３、４、８１）との間に固定要素として配置され、前記ロック要素（５、７９）および残りの供給プランジャ（３、４、８１）が不注意に一緒にスライドされるかまたは一緒に差し込まれることを防ぐ、請求項２に記載の装置。
4. 前記ロック要素（５、７９）が、前記供給プランジャ（８１）の外側を向いている端部に配置される、請求項１〜３のいずれか一項に記載の装置。
5. 前記供給プランジャ（８１）が、前記カートリッジの内側を向いている端部上に滅菌プランジャ（３）を備え、前記滅菌プランジャ（３）に隣接して前記混合要素（１、９１）が前記カートリッジ（９、８０）内に配置され、前記滅菌プランジャ（３）は少なくとも１つのガス透過性交換面（２８、８３）を備え、前記滅菌プランジャ（３）は好ましくは、少なくとも１つの取り外し可能なスナップ留め要素（１０）によって前記カートリッジ（９、８０）に接続されるかまたは接続されることができる、請求項１〜４のいずれか一項に記載の装置。
6. 前記供給プランジャ（８１）が、特に残りの供給プランジャ（３、５、８１）の別個の部分として封止プランジャ（４）を備え、前記封止プランジャ（４）は、前記混合ロッド（２、８９）上で軸方向に移動できるように配置され、かつ前記封止プランジャ（４）に配置される少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）を有する、請求項１〜５のいずれか一項に記載の装置。
7. 前記滅菌プランジャ（３）および封止プランジャ（４）および／または前記ロック要素（５、７９）は、一緒にスライドするかまたは一緒に差し込まれ、少なくとも２つの部分の供給プランジャ（８１）を形成し、好ましくは前記ロック要素（５、７９）と一緒に少なくとも３つの部分の供給プランジャ（３、４、５）を形成する、請求項５または６に記載の装置。
8. 前記封止プランジャ（４）が、前記滅菌プランジャ（３）に差し込まれることができ、前記ロック要素（５、７９）が、３つの部分の供給プランジャ（３、４、５）を形成しながら、前記封止プランジャ（４）および前記滅菌プランジャ（３）から組み立てられた前記供給プランジャの部分（３、４）に差し込まれることができるかまたはスライドされることができる、請求項７に記載の装置。
9. 残りの供給プランジャ（８１）、特に封止プランジャ（４）が、前記滅菌プランジャ（３）の少なくとも１つのスナップ留め手段（１０）の把持部（１４）を収容するために外側に少なくとも１つの凹部を備える、請求項５〜８のいずれか一項に記載の装置。
10. 前記供給プランジャ（８１）、特に３つの部分の供給プランジャシステム（３、４、５）が、骨セメント粉末およびモノマーを混合することにより調製された骨セメントドウを、前記カートリッジの内部から、前記カートリッジ（９、８０）の第１の端部と反対側の前記カートリッジ（９、８０）の第２の端部に配置されるカートリッジヘッドに対して移動させるために、圧力によりロック解除された後、前記カートリッジ（９、８０）内、特に前記カートリッジ（９、８０）の混合円筒形内に軸方向に移動可能であり、前記カートリッジ（９、８０）は第２の開口部（９６）を備える、請求項１〜９のいずれか一項に記載の装置。
11. 前記混合ロッド（２、８９）が、所定の切断部位（２２、８８）を備え、前記混合ロッド（２、８９）の前記所定の切断部位（２２、８８）は好ましくは、前記混合ロッド（２、８９）を含む前記混合要素（１）が、前記カートリッジの内側を向いている前記供給プランジャ（８１）の端部に引かれる場合、前記所定の切断部位（２２、８８）がスペーサ（６）により覆われるように適切に配置される、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の装置。
12. 前記供給プランジャ（８１）、特に封止プランジャ（４）および／または滅菌プランジャ（３）が、前記供給プランジャ（８１）を通して外側から前記カートリッジの内側への接続を提供する少なくとも１つの真空コネクタ（１６、８７）を備え、前記真空コネクタ（１６、８７）に逆止弁が配置されることが好ましい、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の装置。
13. 前記少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）が、傾斜可能であるように前記供給プランジャ（８１）、特に封止プランジャ（４）に配置され、前記少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）が、前記混合ロッド（２、８９）の長手方向軸の方向において傾斜することにより前記少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）の端部を前記供給プランジャ（８１）の底部から離れた方向に向けることによって前記混合ロッド（２、８９）上に押されることができる、請求項１〜１２のいずれか一項に記載の装置。
14. 前記ロック要素（５、７９）が、少なくとも１つの傾斜可能なクランプ顎部（１８、７８）を備え、前記少なくとも１つの傾斜可能なクランプ顎部（１８、７８）は、前記混合ロッド（２、８９）の長手方向軸の方向において傾斜することにより前記少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）の端部を前記クランプ顎部（１８、７８）の回転軸から離れた方向に向けることによって前記混合ロッド（２、８９）上に押されることができる、請求項１〜１３のいずれか一項に記載の装置。
15. 前記ロック要素（５、７９）および／または封止プランジャ（４）が、弾性変形できる少なくとも１つの要素を備え、前記ロック要素（５、７９）が、残りの供給プランジャ（３、４、８１）、好ましくは封止プランジャ（４）に一緒にスライドされたかまたは差し込まれた後、前記少なくとも１つの要素は、前記混合ロッド（２、８９）上に前記少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）を押す、請求項１〜１４のいずれか一項に記載の装置。
16. 請求項１〜１５のいずれか一項に記載の装置と、結合剤、特にモノマーのためのリザーバ要素（１０２）と、基礎要素（９９）とを含む、骨セメントシステムであって、前記基礎要素（９９）は、前記装置および前記リザーバ要素（１０２）を支持し、接続する、骨セメントシステム。
17. 前記基礎要素（９９）が、前記装置に対する非確実動作嵌合様式または確実動作嵌合様式の接続、特に前記装置の分配開口部（９６）に対する非確実動作嵌合様式または確実動作嵌合様式の接続のための結合手段（９７）を備える、請求項１６に記載の骨セメントシステム。
18. 前記リザーバ要素（１０２）が、前記リザーバ要素（１０２）からモノマーの流出を制御および／または誘発するためのバルブ手段（１０４）、特に手動操作のためのバルブ手段（１０４）を備える、請求項１６または１７に記載の骨セメントシステム。
19. 前記基礎要素（９９）が管（９８）を備え、前記管（９８）は前記リザーバ要素（１０２）を前記カートリッジの内側に接続し、前記モノマーが、前記管（９８）を通して前記カートリッジ（９、８０）内に前記リザーバ要素（１０２）から流れることができる、請求項１６〜１８のいずれか一項に記載の骨セメントシステム。
20. 請求項１〜１５のいずれか一項に記載の装置または請求項１６〜１９のいずれか一項に記載の骨セメントシステムを使用して、セメント混合物、特に骨セメントを生成するための方法であって、
    Ａ）カートリッジ（９、８０）の少なくとも領域が粉末で満たされるカートリッジ（９、８０）を設ける工程と、
    Ｄ）前記カートリッジ（９、８０）を、流体、好ましくは結合剤、特に好ましくはモノマーで満たす工程と、
    Ｅ）混合要素（１、９１）により前記粉末を混合する工程と、
    Ｆ）少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）によって供給プランジャ（８１）において混合ロッド（２、８９）をロックする工程と、
    を与えた順序で実施することを含む、方法。
21. 工程Ａ）の後で工程Ｄ）の前に、Ｂ）ガス透過性交換面（２８、８３）を通して滅菌ガスを充填する工程と、前記カートリッジの内部空間および前記粉末を滅菌する工程とを含み、前記カートリッジ（９、８０）は工程Ａ）において滅菌プランジャ（３）により閉鎖される、請求項２０に記載の方法。
22. Ｃ）工程Ｂ）の後で工程Ｄ）の前に、封止プランジャ（４）を前記滅菌プランジャ（３）内に差し込む工程を含む、請求項２１に記載の方法。
23. Ｇ）工程Ｆ）の後で、前記少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）によってロックされた前記混合ロッド（２、８９）を切断する工程を含み、前記混合ロッド（２、８９）は好ましくは所定の切断部位（２２、８８）にて切断される、請求項２０〜２２のいずれか一項に記載の方法。
24. 工程Ｆ）において前記混合ロッド（２、８９）が、ロック要素（５、７９）を残りの供給プランジャ（３、４、８１）に、特に封止プランジャ（４）にスライドまたは差し込むことによってロックされ、前記ロック要素（５、７９）は、前記スライドまたは差し込みに起因して前記少なくとも１つのクランプ顎部（１８、７８）を前記混合ロッド（２、８９）上に押す、請求項２０〜２３のいずれか一項に記載の方法。
25. 工程Ｆ）における前記ロック要素（５、７９）のスライドまたは差し込みの前に固定要素としてのスペーサ（６）が除去される、請求項２４に記載の方法。
26. 前記供給プランジャ（８１）、特に複数の部分の供給プランジャ（８１）が、セメント混合物を分配する前に少なくとも１つのスナップ留め要素（１０）を取り外すことにより前記カートリッジ（９、８０）から取り外される、請求項２０〜２５のいずれか一項に記載の方法。

Images