JP5755945B2 - キャビテーション診断装置および診断方法 - Google Patents
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Description
一方、特許文献2に開示された診断装置では、データテーブルを不要とすることができる。しかしながら、特許文献2に開示された診断装置では、調節弁の上流側流体圧力の変動の大きさと下流側流体圧力の変動の大きさとを用いてキャビテーションの有無を診断するため、流体を圧送するポンプの脈動の影響を受けてキャビテーションの診断精度が悪化する可能性があった。
また、本発明のキャビテーション診断装置の1構成例において、前記診断係数算出手段は、前記診断係数を(P2−P3)/P1により算出することを特徴とするものである。
また、本発明のキャビテーション診断装置の1構成例において、前記診断係数算出手段は、飽和水蒸気圧をPvとしたとき、前記診断係数を(P2−P3)/(P1−Pv)により算出することを特徴とするものである。
また、本発明のキャビテーション診断装置の1構成例において、前記記憶手段は、前記調節弁の相対容量係数とこれに対応する前記しきい値σth0,σth1,σth2,σth3との組からなるデータをあらかじめ記憶し、前記判定手段は、前記記憶手段から、前記調節弁の現在の相対容量係数に対応するしきい値σth0,σth1,σth2,σth3を取得することを特徴とするものである。
また、本発明のキャビテーション診断装置の1構成例において、前記記憶手段は、前記しきい値σth0と前記調節弁の相対容量係数との関係を線形近似した関数f0、前記しきい値σth1と前記調節弁の相対容量係数との関係を線形近似した関数f1、前記しきい値σth2と前記調節弁の相対容量係数との関係を線形近似した関数f2、および前記しきい値σth3と前記調節弁の相対容量係数との関係を線形近似した関数f3をあらかじめ記憶し、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている関数f0,f1,f2,f3を用いて、前記調節弁の現在の相対容量係数からしきい値σth0,σth1,σth2,σth3を算出することを特徴とするものである。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るキャビテーション診断装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態のキャビテーション診断装置は、流体が流れる配管3の途中に調節弁1が設けてある構成において、調節弁1の上流側の流体圧力P1を検出する上流側流体圧力検出器4と、調節弁1の下流側の流体圧力P2を検出する下流側流体圧力検出器5と、調節弁1による圧力損失から回復する途中の流体圧力P3を検出する回復途中流体圧力検出器6と、上流側流体圧力P1と下流側流体圧力P2と回復途中流体圧力P3とから診断係数を算出する診断係数算出部7と、調節弁1にキャビテーションが発生し始めるときの診断係数であるしきい値σth0と調節弁1の相対容量係数との関係、調節弁1に発生するキャビテーションが特性圧力比XFzの圧力条件を満たす状態に達したときの診断係数であるしきい値σth1と調節弁1の相対容量係数との関係、キャビテーションが臨界キャビテーションの圧力条件を満たす状態に達したときの診断係数であるしきい値σth2と調節弁1の相対容量係数との関係、およびキャビテーションがチョークフローの圧力条件を満たす状態に達したときの診断係数であるしきい値σth3(σth0<σth1<σth2<σth3)と調節弁1の相対容量係数1との関係をあらかじめ記憶する記憶部8と、記憶部8に記憶されている情報から調節弁1の現在の相対容量係数に対応するしきい値σth0,σth1,σth2,σth3を求め、このしきい値σth0,σth1,σth2,σth3と診断係数算出部7が算出した診断係数とを比較することにより、キャビテーションの有無および状態を判定する判定部9と、診断結果を外部に出力する診断結果出力部10と、流体の温度を検出する温度センサ30とを備えている。
まず、診断係数算出部7は、上流側流体圧力検出器4が検出した上流側流体圧力P1を読み取る(ステップS1)。同様に、診断係数算出部7は、下流側流体圧力検出器5が検出した下流側流体圧力P2を読み取る(ステップS2)。さらに、診断係数算出部7は、回復途中流体圧力検出器6が検出した回復途中流体圧力P3を読み取る(ステップS3)。
σ2=(P2−P3)/P1 ・・・(1)
σ2=(P2−P3)/(P1−Pv) ・・・(2)
なお、従来のキャビテーション係数σは、次式により算出することができる。
σ=(P2−Pv)/(P1−P2) ・・・(3)
XF=(P1−P2)/(P1−Pv) ・・・(4)
以上のステップS1〜S17の処理が、診断装置の動作が終了するまで(ステップS18においてYES)、一定時間ごとに行われる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においても、キャビテーション診断装置の構成および処理の流れは第1の実施の形態と同様であるので、図1、図4の符号を用いて説明する。第1の実施の形態で説明したとおり、キャビテーション発生(初生)の圧力条件、特性圧力比XFzの圧力条件、臨界キャビテーションの圧力条件またはチョークフローの圧力条件を満たすときの診断係数σ2(しきい値σth0,σth1,σth2,σth3)は、相対容量係数Cv%と概ね線形の関係にある。そこで、しきい値σth0と相対容量係数Cv%との関係を線形近似した関数f0(Cv%)と、しきい値σth1と相対容量係数Cv%との関係を線形近似した関数f1(Cv%)と、しきい値σth2と相対容量係数Cv%との関係を線形近似した関数f2(Cv%)と、しきい値σth3と相対容量係数Cv%との関係を線形近似した関数f3(Cv%)とを記憶部8にあらかじめ登録しておけばよい。
第1、第2の実施の形態で説明した診断係数算出部7と記憶部8と判定部9とは、CPU、メモリ及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、メモリに格納されたプログラムに従って第1、第2の実施の形態で説明した処理を実行する。
Claims (8)
- 流体が流れる調節弁の上流側の流体圧力P1を検出する上流側流体圧力検出手段と、
前記調節弁の下流側の流体圧力P2を検出する下流側流体圧力検出手段と、
前記調節弁による圧力損失から回復する途中の流体圧力P3を検出する回復途中流体圧力検出手段と、
前記上流側流体圧力検出手段が検出した上流側流体圧力P1と前記下流側流体圧力検出手段が検出した下流側流体圧力P2と前記回復途中流体圧力検出手段が検出した回復途中流体圧力P3とから診断係数を算出する診断係数算出手段と、
前記調節弁にキャビテーションが発生し始めるときの診断係数であるしきい値σth0と前記調節弁の相対容量係数との関係、およびキャビテーションの状態を判定するしきい値σthx(σth0<σthx)と前記調節弁の相対容量係数との関係をあらかじめ記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶されている情報から前記調節弁の現在の相対容量係数に対応するしきい値σth0,σthxを求め、このしきい値σth0と前記診断係数算出手段が算出した診断係数とを比較することにより、キャビテーションの有無を判定し、前記調節弁にキャビテーションが発生していると判定したときには、前記しきい値σthxと前記診断係数算出手段が算出した診断係数とを比較することにより、キャビテーションの状態を判定する判定手段とを備えることを特徴とするキャビテーション診断装置。 - 請求項1記載のキャビテーション診断装置において、
前記しきい値σthxは、前記調節弁に発生するキャビテーションが特性圧力比XFzの圧力条件を満たす状態に達したときの診断係数であるしきい値σth1と、キャビテーションが臨界キャビテーションの圧力条件を満たす状態に達したときの診断係数であるしきい値σth2と、キャビテーションがチョークフローの圧力条件を満たす状態に達したときの診断係数であるしきい値σth3(σth1<σth2<σth3)とからなり、
前記記憶手段は、前記しきい値σth0と前記調節弁の相対容量係数との関係、前記しきい値σth1と前記調節弁の相対容量係数との関係、前記しきい値σth2と前記調節弁の相対容量係数との関係、および前記しきい値σth3と前記調節弁の相対容量係数との関係をあらかじめ記憶し、
前記判定手段は、前記診断係数がしきい値σth0未満の場合、キャビテーションが発生していないと判定し、前記診断係数がしきい値σth0以上しきい値σth1未満の場合、騒音のクレーム発生および前記調節弁への悪影響の恐れがない範囲でキャビテーションが発生していると判定し、前記診断係数がしきい値σth1以上しきい値σth2未満の場合、特性圧力比XFzの圧力条件を満たすキャビテーションの状態であると判定し、前記診断係数がしきい値σth2以上しきい値σth3未満の場合、臨界キャビテーションの圧力条件を満たすキャビテーションの状態であると判定し、前記診断係数がしきい値σth3以上の場合、チョークフローの圧力条件を満たすキャビテーションの状態であると判定することを特徴とするキャビテーション診断装置。 - 請求項1または2記載のキャビテーション診断装置において、
前記診断係数算出手段は、前記診断係数を(P2−P3)/P1により算出することを特徴とするキャビテーション診断装置。 - 請求項1または2記載のキャビテーション診断装置において、
前記診断係数算出手段は、飽和水蒸気圧をPvとしたとき、前記診断係数を(P2−P3)/(P1−Pv)により算出することを特徴とするキャビテーション診断装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のキャビテーション診断装置において、
前記診断係数算出手段は、前記上流側流体圧力P1と前記下流側流体圧力P2と前記回復途中流体圧力P3の各々について所定期間内の平均値を算出し、これらの平均値を用いて前記診断係数を算出することを特徴とするキャビテーション診断装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のキャビテーション診断装置において、
前記記憶手段は、前記調節弁の相対容量係数とこれに対応する前記しきい値σth0,σth1,σth2,σth3との組からなるデータをあらかじめ記憶し、
前記判定手段は、前記記憶手段から、前記調節弁の現在の相対容量係数に対応するしきい値σth0,σth1,σth2,σth3を取得することを特徴とするキャビテーション診断装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のキャビテーション診断装置において、
前記記憶手段は、前記しきい値σth0と前記調節弁の相対容量係数との関係を線形近似した関数f0、前記しきい値σth1と前記調節弁の相対容量係数との関係を線形近似した関数f1、前記しきい値σth2と前記調節弁の相対容量係数との関係を線形近似した関数f2、および前記しきい値σth3と前記調節弁の相対容量係数との関係を線形近似した関数f3をあらかじめ記憶し、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている関数f0,f1,f2,f3を用いて、前記調節弁の現在の相対容量係数からしきい値σth0,σth1,σth2,σth3を算出することを特徴とするキャビテーション診断装置。 - 流体が流れる調節弁の上流側の流体圧力P1を検出する上流側流体圧力検出ステップと、
前記調節弁の下流側の流体圧力P2を検出する下流側流体圧力検出ステップと、
前記調節弁による圧力損失から回復する途中の流体圧力P3を検出する回復途中流体圧力検出ステップと、
前記上流側流体圧力検出ステップで検出した上流側流体圧力P1と前記下流側流体圧力検出ステップで検出した下流側流体圧力P2と前記回復途中流体圧力検出ステップで検出した回復途中流体圧力P3とから診断係数を算出する診断係数算出ステップと、
前記調節弁にキャビテーションが発生し始めるときの診断係数であるしきい値σth0と前記調節弁の相対容量係数との関係、およびキャビテーションの状態を判定するしきい値σthx(σth0<σthx)と前記調節弁の相対容量係数との関係をあらかじめ記憶する記憶手段を参照し、この記憶手段に記憶されている情報から前記調節弁の現在の相対容量係数に対応するしきい値σth0,σthxを求め、このしきい値σth0と前記診断係数算出ステップで算出した診断係数とを比較することにより、キャビテーションの有無を判定し、前記調節弁にキャビテーションが発生していると判定したときには、前記しきい値σthxと前記診断係数算出ステップで算出した診断係数とを比較することにより、キャビテーションの状態を判定する判定ステップとを備えることを特徴とするキャビテーション診断方法。
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