JP5752740B2 - 内視鏡用スライディングチューブ - Google Patents

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Description

この発明は、内視鏡用スライディングチューブに関し、さらに詳しくは内視鏡を挿入し難い場所へのアクセスルートを確保する、内視鏡挿入補助具として広く一般的に使用されている技術に係るものである。
胆管結石や胆管癌の患者に対して、残存結石の確認や癌の進行度を診断するための胆道鏡検査は重要な診断方法となっている。しかし、内視鏡による胆管直接観察は側視内視鏡(親スコープ)の鉗子孔を通して経口胆道鏡(子スコープ)を挿入するため、側視内視鏡と経口胆道鏡の2つの光源が必要であるために大掛かりな検査となるうえに、機器が高額であるため導入している施設数は限られている。
そこで、最近では鼻腔から挿入する細径の経鼻内視鏡が多くの施設に導入されていることから、この経鼻内視鏡を用いた胆管直接観察を試みる施設が増えている。しかしながら、解剖学的に胆管は十二指腸の壁面に対し垂直に位置しているため、内視鏡の先端部を胆管に引っ掛けて挿入しようとしても、挿入させる力が十二指腸下行脚方向にかかるため、内視鏡の先端部が十二指腸下行脚へ逃げてしまい、胆管に内視鏡の先端部を挿入するのが非常に困難であった。
その対策として、胆管付近の十二指腸下行脚方向に閉塞用バルーンカテーテル単体を設置し、内視鏡が十二指腸下行脚へ逃げるのを防止させるという方法が発表されている。しかしながら、この方法では内視鏡の先端部がブロッカーバルーンシャフトのシャフトチューブの前端部に設けたブロッカーバルーンの表面に接触した後に、該表面上で滑ってしまい、うまく内視鏡の先端部に挿入方向の力をかけられないということが考えられる。そのため、検査自体の時間が長くなることから、患者への負担が増えてしまうという問題がある。
前記のような状況に鑑み、発明者等は内視鏡の先端部を胆管へ容易に誘導して挿入することができる技術の開発に取りかかり、この発明を完成させるに至ったが、この発明に関連して参考となると思われる特許文献として、特開昭62−22623号公報(特許文献1)や特開2011−224047号公報(特許文献2)がある。
前記の特許文献1は、筒状体からなる内視鏡用挿入補助具において、筒状体の先端側部分にその側壁に開口する開口部と、該開口部より先端側に隣接して膨縮するバルーンを設け、さらに筒状体にバルーンに流体を給排する通路を設け、該通路を通じてバルーンに流体を供給して膨張することにより体腔内に筒状体を固定させて内視鏡を案内するものである。また、特許文献2は、先端部に屈曲可能部を有する内視鏡と、先端に開口部と先端部の側壁に開口する側口部とを有し該内視鏡を内挿した第1オーバーチューブと、先端に開口部を有し該第1オーバーチューブを内挿した第2オーバーチューブとを備えた内視鏡装置であって、該第1オーバーチューブは、該第2オーバーチューブの開口部から該第1オーバーチューブの側口部が露出されるように突出でき、該第1オーバーチューブは、該側口部より先端側の外周面に膨張及び収縮可能な第1のバルーンを有し、該第2オーバーチューブは、先端部の外周面に膨張及び収縮可能な第2のバルーンを有し、該内視鏡は、該第2オーバーチューブの開口部から該第1オーバーチューブの側口部が露出した状態で、前記屈曲可能部を屈曲させることで該側口部から突出できて、内視鏡をファーター乳頭部へ容易に挿入することができるものである。しかし、いずれもバルーン又は第1のバルーンが前記背景技術に挙げたバルーンと同様なものであるため、同様な問題を抱えるものである。
特開昭62−22623号公報 特開2011−224047号公報
そこで、この発明は、前記のような従来の問題点に鑑み、内視鏡の先端部を胆管へ容易に案内することができ、しかも比較的安価にできる内視鏡用スライディングチューブを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内視鏡単体では挿入し難い部位への内視鏡挿入を補助するもので、前後端が開口したチューブ本体と、このチューブ本体の内腔に軸方向に摺動可能に収納されたブロッカーバルーンシャフトとを具え、前記チューブ本体は、前端部に留置用バルーンが設けられているとともに、内腔に内視鏡挿入用ルーメンと前記ブロッカーバルーンシャフト挿入用ルーメンが形成され、前記ブロッカーバルーンシャフトは、シャフトチューブを有し、該シャフトチューブの前端部にブロッカーバルーンが設けられている内視鏡用スライディングチューブにおいて、前記ブロッカーバルーンの表面に前記内視鏡挿入用ルーメンから挿入される内視鏡の先端部を接触させたのち目的部位へ案内するための部材が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、案内するための部材は、ブロッカーバルーンの表面にその取り付け基端側から中間部に複数個、放射方向に向けて延びて複数個設けられている滑落防止凸条である。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、チューブ本体の前端部内腔に収縮状態のブロッカーバルーンを収納する収納部が設けられている。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、チューブ本体の内視鏡挿入用ルーメンとブロッカーバルーンシャフト挿入用ルーメンは、長さ方向に沿って2つの空洞に区画する仕切壁により形成されているとともに、該仕切壁を設けない前端部内腔を収納部としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、内視鏡挿入用ルーメンとブロッカーバルーンシャフト挿入用ルーメンの内面は、親水性コーティングが施されている。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかにおいて、ブロッカーバルーンシャフトのシャフトチューブの長さ方向全長には前後端が開口したガイドワイヤ挿入用ルーメンが形成されている。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、内視鏡用スライディングチューブにおいて、ブロッカーバルーンの表面に内視鏡挿入用ルーメンから挿入される内視鏡の先端部を接触させたのち目的部位へ案内するための部材が設けられているので、この案内部材によって内視鏡の先端部を目的部位である、例えば胆管へ容易に案内することができる。特に、ブロッカーバルーンを十二指腸下行脚で膨らませておくことで、内視鏡がブロッカーバルーンに接触し十二指腸下行脚に逃げるのを防ぐことができ、従来とかく長くかかっていた検査時間を短縮して患者の負担を軽減することができるという優れた効果がある。
請求項2に記載の発明によれば、案内するための部材は、ブロッカーバルーンの表面にその取り付け基端側から中間部に複数個、放射方向に向けて延びて複数個設けられている滑落防止凸条であるので、挿入される内視鏡の先端部がどのような向きであっても迅速に対応することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、チューブ本体の前端部内腔に収縮状態のブロッカーバルーンを収納する収納部が設けられているので、使用しないときに収縮状態にしたブロッカーバルーンをコンパクトに収納部に収納することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、チューブ本体の内視鏡挿入用ルーメンとブロッカーバルーンシャフト挿入用ルーメンは、長さ方向に沿って2つの空洞に区画する仕切壁により形成されているとともに、該仕切壁を設けない前端部内腔を収納部としているので、収納部と、両ルーメンの関連構成を簡素にして、かつ機能性を発揮できる構造にすることが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、内視鏡挿入用ルーメンとブロッカーバルーンシャフト挿入用ルーメンの内面は、親水性コーティングが施されているので、これらルーメンに挿入される内視鏡とブロッカーバルーンシャフトの摺動を常に円滑にすることが可能となる。請求項6に記載の発明によれば、ブロッカーバルーンシャフトのシャフトチューブの長さ方向全長には前後端が開口したガイドワイヤ挿入用ルーメンが形成されているので、ガイドワイヤを使用したブロッカーバルーンシャフトの挿入も可能となる。
この発明の一実施の形態に係る内視鏡用スライディングチューブの長さ方向の一部を省略した正面図である。 ブロッカーバルーンシャフトの長さ方向の一部を省略した正面図である。 スライディングチューブの先端側の拡大正断面図である。 スライディングチューブの後端側の正断面図である。 ブロッカーバルーンシャフトのシャフトチューブの先端部を、ブロッカーバルーンを収縮させてスライディングチューブのチューブ本体の前端開口部から突出させた状態を示す正断面図である。 同上の断面図であり、(A)は図5のA−A線に沿う断面図、(B)は図5のB−B線に沿う断面図、(C)は図5のC−C線に沿う断面図である。 (A)はシャフトチューブのブロッカーバルーンを示す正面図、(B)はその右側面図である。 シャフトチューブのブロッカーバルーンの変形例を示す図7の(B)と対応する右側面図である。 シャフトチューブのブロッカーバルーンの別の変形例を示す図7の(B)と対応する右側面図である。 シャフトチューブのブロッカーバルーンのさらに別の変形例を示す図7の(A)と対応する正面図である。 スライディングチューブとシャフトチューブの両バルーンが膨張した状態を示す正面図である。 スライディングチューブを使用する術例として挙げた胆管付近の解剖学的な概要図である。 スライディングチューブを用いて内視鏡を胆管に挿入して観察するまでの過程を説明する概要図である。 スライディングチューブを用いて内視鏡を胆管に挿入して観察するまでの過程を説明する概要図である。 スライディングチューブを用いて内視鏡を胆管に挿入して観察するまでの過程を説明する概要図である。 スライディングチューブを用いて内視鏡を胆管に挿入して観察するまでの過程を説明する概要図である。 スライディングチューブを用いて内視鏡を胆管に挿入して観察するまでの過程を説明する概要図である。 スライディングチューブを用いて内視鏡を胆管に挿入して観察するまでの過程を説明する概要図である。 スライディングチューブを用いて内視鏡を胆管に挿入して観察するまでの過程を説明する概要図である。 内視鏡の先端部が屈曲した状態でバルーンの表面に接触し、該表面に設けた滑落防止凸条に誘導されている状態を示す斜視図である。 スライディングチューブを用いて内視鏡を胆管に挿入して観察するまでの過程を説明する概要図である。
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る内視鏡用スライディングチューブについて説明する。
図1〜3において、1はシリコーンゴムなど生体に適する材質からなる内視鏡用スライディングチューブで、このスライディングチューブ1は、前後端が開口した内腔2を全長にわたり有し、経口から内視鏡を十二指腸まで誘導可能なチューブ本体3と、該チューブ本体の内腔2に摺動可能に収納されたブロッカーバルーンシャフト4と、を具えている。
スライディングチューブ1のチューブ本体3の前端部には該チューブ本体を十二指腸に留置固定するための留置用バルーン5が設けられている。この留置用バルーン5が設けられた位置より少し後端側の位置から後端までのチューブ本体3の内腔2は図5,6にも示すように仕切壁6により上下に区画されている。すなわち、仕切壁6の先端からチューブ本体2の前端開口までの内腔が図6(A)に示すように仕切壁6が形成されていない大きい空洞になっており、ここが後述するようにブロッカーバルーンシャフト4に設けた後記ブロッカーバルーンが収縮状態で収納可能なバルーン収納部2aになっている(図3参照)。仕切壁6の先端からチューブ本体2の後端側の所定位置までの内腔が図6(B)に示すような略半円の断面形状を呈する2つの空洞となっており、またその位置からチューブ本体2の後端までの内腔が図6(C)に示すような真円の断面形状を呈する大小2つの空洞となっている。そして、前記2つの空洞のうち、下の大きな空洞が図示しない内視鏡を挿入する内視鏡挿入用メインルーメン2bに、上の小さな空洞がブロッカーバルーンシャフト4挿入用のサブルーメン2cに形成されている。図6(A)〜(C)において、7は留置用バルーン5を膨張させるための送気用ルーメンである。
チューブ本体3の後端部には、図4に示すように内視鏡挿入用メインルーメン2bから分岐し、メインルーメン2bの後述する親水性コーティングを湿潤させるための注水用コネクタ10、留置用バルーン5を膨張させるための送気用一方弁付きコネクタ11が設けられている。また、チューブ本体3の後端部には、ブロッカーバルーンシャフト4挿入用サブルーメン2cから分岐し、該サブルーメンの親水性コーティングを湿潤させるための注水用コネクタ13が設けられているとともに、先端部にはブロッカーバルーンシャフト4が自由に摺動しないように固定するための固定具(アダプタ)14が設けられている。15は注水用コネクタ13のルーメンから分岐したコネクタで、その先端には注水口を閉塞する先端キャップ16が設けられている。
一方、ブロッカーバルーンシャフト4は、図2,4,5に示すように細径で所定長さのシャフトチューブ20を有している。シャフトチューブ20の前端部には十二指腸の下行脚方向の閉塞と内視鏡を胆管へ誘導させるためのブロッカーバルーン21が設けられている。また、シャフトチューブ20は、その長さ方向(軸方向)全長にそれぞれ前後端が開口した2つのルーメンが設けられたダブルルーメン構造になっており(図3参照)、そのうちの大径のメインルーメンがガイドワイヤ挿入用ルーメン22であり、小径のサブルーメンがブロッカーバルーン21を膨張させるための送気用ルーメン23である。
ブロッカーバルーン21の表面にはそのシャフトチューブ20の後端側となる基端部から中間部に向けて図7に示すように、内視鏡誘導用案内部材としての滑落防止凸条25が複数個(図示では5個)、放射状に設けられている。そのため、内視鏡を胆管に誘導する際、内視鏡の先端部がブロッカーバルーン21の表面にある滑落防止凸条25に接触することにより同先端部がバルーン表面でスリップすることがなく、トラクションがかけられるためこのような滑落防止凸条のない単なる球状のバルーンに比べ内視鏡の胆管への誘導性が向上する。滑落防止凸条25を複数個、放射状に設けたのは内視鏡の先端部がより接触するのが容易となるからである。滑落防止凸条25としては、図示のように複数個、放射状に設けるのが好ましいが、必ずしも複数個である必要はなく、一個でもよい。また、その形状も突起状のものであれば特に問わず、任意である。前記の内視鏡の先端部を胆管へ誘導させ易い滑落防止凸条付きブロッカーバルーン21の留置位置は、患者によって異なるため、シャフトチューブ20は、図4のように本体チューブ3と独立して可動させることが可能となっている。
図8はブロッカーバルーンの変形例を示し、この例では3個の滑落防止凸条25aがブロッカーバルーン21aの表面にその基端部から中間部に向けて放射状に設けられている。また、図9もブロッカーバルーンの別の変形例を示し、この例では10個の滑落防止凸条25bがブロッカーバルーン21bの表面にその基端部から中間部に向けて放射状に設けられている。これら滑落防止凸条25a,25bの形状は前記した滑落防止凸条25と同じである。また、図10は更に別のブロッカーバルーンの例を示し、この例では滑落防止凸条25cが前記滑落防止凸条25a,25bのように単に平板となっているのではなく短手側に凹んだ湾曲状に形成されているとともに、基端側の一部が切欠されていて、複数個、ブロッカーバルーン21cの表面にその基端部から中間部に向けて放射状に設けられている。ここに挙げた、いずれの例のものでも前記滑落防止凸条25と同様な作用が期待できる。特に25cの場合は湾曲した凹内面で内視鏡の先端部を引っ掛けて捕捉し易く、その誘導を迅速かつ円滑に行うことが可能となるという作用効果が期待できる。
ブロッカーバルーンシャフト4の後端部には、図4に示すように、ガイドワイヤ挿入用ルーメン22と連通し、図示しないガイドワイヤの挿入口となるガイドワイヤ挿入用口部27と、ブロッカーバルーン21を膨張させるための送気用ルーメン23と連通し、ブロッカーバルーンを膨張させるための送気用活栓28が設けられている。
なお、内視鏡はその先端部を経口的に胆道まで挿入するが、一般的に胆道までの距離は患者により多少変化するため、胆道までの距離よりスライディングチューブ1の全長が長いと、口よりスライディングチューブ1が長く突出することがある。仮に口からの突出量が多い場合、チューブ本体3が弛んでしまい、内視鏡の操作性や応答性を低下させる原因となることがあるため、内視鏡の挿入位置は、なるべくスライディングチューブ1の挿入部分付近が好ましい。そこで、コネクタ10付近のチューブ本体3の側壁に、図4に示すように内視鏡挿入用の側孔30がメインルーメン2bと連通して設けられている。この側孔30から内視鏡を挿入することによりスライディングチューブ1の全長を調節することなく、内視鏡の挿入位置をスライディングチューブ1の挿入部分付近に近付けることができ、内視鏡の操作性や応答性を一定に保つことが可能となっている。
チューブ本体3のメインルーメン2b、及びサブルーメン2cの内面は、内視鏡及びブロッカーバルーンシャフトのシャフトチューブ20が摺動し易いように親水性コーティングが施されている。
次に、図12〜21を参照して前記した内視鏡用スライディングチューブの作用について、内視鏡用スライディングチューブ1を用いて内視鏡を胆管に挿入して観察するまでの過程を説明する。図12はこの実施の形態の内視鏡用スライディングチューブ1を使用する術例として挙げた胆管付近の解剖学的な概要図である。
使用に際しては、まず、図3に示すようにブロッカーバルーン21を収縮状態でチューブ本体3の前端部に設けたバルーン収納部2aに収納した状態の内視鏡用スライディングチューブ1を、その前端側から口を経て十二指腸内腔まで挿入する(図13)。このとき、チューブ本体3の前端部に設けられた留置用バルーン5も収縮した状態にある。そして、十二指腸上行部付近で送気用ルーメン7から注入する空気により留置用バルーン5を膨張させ、チューブ本体3を留置固定する(図14)。
次に、滑落防止凸条付きブロッカーバルーンシャフト4を十二指腸下部にあるファーター乳頭より先の肛門側まで伸張させる(図15)。このブロッカーバルーンシャフト4の伸張に際しては、シャフトチューブ20が比較的柔らかい材質からなるので、その軸方向周囲において左右等にぶれてしまうことがある。そのため、シャフトチューブ20のガイドワイヤ挿入用ルーメン22に予め図示しないガイドワイヤを通し、腰を強くして目的位置まで挿入し、その先端の位置合わせを行った後、送気用ルーメン23から注入する空気によりブロッカーバルーン21を膨張させ、十二指腸内腔を閉塞させる(図16)。
このように前記ガイドワイヤを用いればブロッカーバルーンシャフト4の伸張をスムーズに行うことができる。そのほかに、例えばガイドワイヤ挿入用ルーメン22に予め通しておいたガイドワイヤを目的位置まで先行させ、しかる後に該ガイドワイヤに沿ってシャフトチューブ20を進めるようにしてもよい。なお、前記では留置用バルーン5及びブロッカーバルーン21とも膨張させるために空気を注入したが、空気などの気体だけでなく生理食塩水など液体でもよい。
次に、内視鏡挿入用の側孔30からチューブ本体3のメインルーメン2bに先端から挿入した内視鏡40を順次挿入を進めてチューブ本体3より押し出す(図17)。そして、その先端部を屈曲させ、ファーター乳頭に挿入させた後、胆管入口に押し込んでいくことになる(図18)。このとき十二指腸下行部で膨張させたブロッカーバルーン21に内視鏡40の屈曲した先端部が接触し、該バルーンの表面に設けられている滑落防止凸条25に案内されて、肛門側に押し込まれずに胆管内へ挿入される(図19)。
すなわち、図20にもその詳細な様子を示すように内視鏡40の先端部が屈曲した状態でバルーンの表面に接触すると、従来だとその表面上を滑って下方向へ脱落してうまく胆管内へ挿入ができなかったが、バルーン表面に滑落防止凸条25があることにより屈曲した先端部がこの滑落防止凸条25に当ってその位置が規定され進行方向が誘導されるので、効率よく内視鏡40にトルクが伝わり、楽に胆管内へ挿入することができる。
先端部が胆管内へ挿入された内視鏡40はその後、先端部が所定の位置に達した状態で胆管観察を行うことになる(図21)。
胆管観察が終わったら、内視鏡40を後退させて胆管内から抜く。そして、再びチューブ本体3のメインルーメン2bに入れて引き出す一方、ブロッカーバルーン21及び留置用バルーン5から空気を抜いて収縮させ、ブロッカーバルーン21が設けられたブロッカーバルーンシャフト4にあってはシャフトチューブ20を後退させることにより再びブロッカーバルーン21がバルーン収納部2aに収納した状態にする。しかる後、スライディングチューブ1を挿入した十二指腸内腔から後退させて引き出す。これによってスライディングチューブ1の全体が口から外部に引き出され、元の術前の状態になる。
前記のようであって、このスライディングチューブ1を用いれば、ブロッカーバルーン21の表面に設けた滑落防止凸条25により内視鏡40の先端部を胆管へ容易に案内することが可能となり、従来のようにバルーンの表面から滑って脱落してしまうということがなく、内視鏡40の先端部の胆管内への挿入が容易となる。
しかも、この実施の形態にあっては、前記のように内視鏡用スライディングチューブ1のブロッカーバルーン21を窄めてチューブ本体3の前端部に設けたバルーン収納部2aに収納可能としたので、ブロッカーバルーン21のシャフトチューブ先端が組織等に接触し、チューブ本体3を体腔内に挿管することが難しくなるような恐れもない。
なお、前記実施の形態は、あくまでも好ましい一例であり、この発明は特許請求の範囲に記載した範囲内であれば細部の設計等は任意に変更、修正が可能であることは言うまでもない。例えば内視鏡の先端部の挿入先として胆管を示したが、胆管だけでなく内臓器官のあらゆる目的部位に対しても適用可能である。また、案内部材としての滑落防止凸条25をはじめ、主要な構成部材であるチューブ本体3やブロッカーバルーンシャフト4の形状、構造も一例を示したにすぎず、他の設計としてもよい。
1 内視鏡用スライディングチューブ
2 内腔
2a バルーン収納部
2b 内視鏡挿入用メインルーメン
2c ブロッカーバルーンシャフト挿入用のサブルーメン
3 チューブ本体
4 ブロッカーバルーンシャフト
5 留置用バルーン
6 仕切壁
20 シャフトチューブ
21 ブロッカーバルーン
22 ガイドワイヤ挿入用ルーメン
23 送気用ルーメン
25,25a,25b,25c 滑落防止凸条(案内部材)
30 内視鏡挿入用側孔
40 内視鏡

Claims (6)

  1. 内視鏡単体では挿入し難い部位への内視鏡挿入を補助するもので、前後端が開口したチューブ本体と、このチューブ本体の内腔に軸方向に摺動可能に収納されたブロッカーバルーンシャフトとを具え、前記チューブ本体は、前端部に留置用バルーンが設けられているとともに、内腔に内視鏡挿入用ルーメンと前記ブロッカーバルーンシャフト挿入用ルーメンが形成され、前記ブロッカーバルーンシャフトは、シャフトチューブを有し、該シャフトチューブの前端部にブロッカーバルーンが設けられている内視鏡用スライディングチューブにおいて、前記ブロッカーバルーンの表面に前記内視鏡挿入用ルーメンから挿入される内視鏡の先端部を接触させたのち目的部位へ案内するための部材が設けられていることを特徴とする内視鏡用スライディングチューブ。
  2. 案内するための部材は、ブロッカーバルーンの表面にその取り付け基端側から中間部に複数個、放射方向に向けて延びて複数個設けられている滑落防止凸条である請求項1に記載の内視鏡用スライディングチューブ。
  3. チューブ本体の前端部内腔に収縮状態のブロッカーバルーンを収納する収納部が設けられている請求項1又は2に記載の内視鏡用スライディングチューブ。
  4. チューブ本体の内視鏡挿入用ルーメンとブロッカーバルーンシャフト挿入用ルーメンは、長さ方向に沿って2つの空洞に区画する仕切壁により形成されているとともに、該仕切壁を設けない前端部内腔を収納部としている請求項3に記載の内視鏡用スライディングチューブ。
  5. 内視鏡挿入用ルーメンとブロッカーバルーンシャフト挿入用ルーメンの内面は、親水性コーティングが施されている請求項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡用スライディングチューブ。
  6. ブロッカーバルーンシャフトのシャフトチューブの長さ方向全長には前後端が開口したガイドワイヤ挿入用ルーメンが形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡用スライディングチューブ。
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