JP5752495B2 - フィルタエレメント - Google Patents
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Description
上記フィルタエレメントの製造は、ひだ折りした濾材をエンドレス状に形成するために、濾材の端部同士を接合し、次いでこれをインナーチューブに被せる工程を備えて行われている。そして、濾材の端部同士を接合する方法としては、次のような方法がある。
(1)ホットメルトアプリケーター等を使用して、濾材の端部同士を重ねた面にホットメルト接着剤を流し込み接着する方法。
(2)濾材の端部同士を重ねた面にシールテープを挟み、超音波溶着機を使用して、該テープを溶かして溶着する方法(特許文献1参照)。
(3)濾材の端部同士を重ね合わせた状態で、該重ね合わせ部分を断面U字状の帯状クリップで挟み、かしめて接合する方法。
さらに、特許文献2に示されるように、プラスチッククリップで濾材の端部を把持し、超音波融着により、エンボス加工成形して一体化させる方法等がある。
そこで、本発明は、濾材同士を接合するために行われていた多くの工程を省略し、省資源、省エネルギー化を実現可能なフィルタエレメントを提供することを課題とする。
前記インナーチューブは合成樹脂で成形された構造体であり、
その外周部に前記インナーチューブの軸方向の全域にわたって直線状に延びるように設けられた、前記濾材の周方向における両端部が挿入されて保持されるための切れ込み又は溝部を備え、
前記切れ込み又は溝部は、外力を加えることによってその間隙を弾性的に広げることが可能であり、
前記切れ込み又は溝部におけるその間隙を閉じるように円周方向に働く弾性力によって、前記インナーチューブの軸方向の全域にわたって前記濾材に対し押圧力が加えられ、
前記切れ込み又は溝部に前記濾材の周方向における両端部が保持されてなる、
フィルタエレメントである。
(2)前記切れ込み又は溝部を形成している対向する面部を、前記濾材の周方向における両端部が外側へ抜けにくい形状に形成したものである。
前記切れ込み又は溝部は、外力を加えることによってその間隙を弾性的に広げることが可能である構成を備えることにより、インナーチューブへの濾材の両端部の挿入、組付け作業がしやすくなり、かつ、濾材の両端部をインナーチューブに働く弾性力を用いて確実に保持させることができる。
また、インナーチューブの切れ込み又は溝部におけるその間隙を閉じるように円周方向に働く弾性力によって、インナーチューブへの濾材の両端部の挿入、組付け作業がしやすくなり、かつ、濾材の両端部をインナーチューブに確実に保持させることができる。
(2)前記切れ込み又は溝部を形成している対向する面部を、前記濾材の周方向における両端部が外側へ抜けにくい形状に形成することにより、濾材の両端部をインナーチューブに確実に保持させることができる。
インナーチューブ10は、例えばポリアミド系合成樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系合成樹脂その他の熱可塑性樹脂を主材として成形されてなる構造体であり、流体を通過させるための多数の孔11を有する中空円筒状に形成されている。
インナーチューブ10の内部には、直径方向に架橋された補強片12を設けることができる。
濾材20は、不織布その他のシート状の帯状の濾材が用いられ、これを交互に折る等のひだ折り加工を施し、インナーチューブ10の外周に沿うように配設し、濾過部とする。この濾過部の軸方向における各端部は、合成樹脂製エンドプレート等により閉塞し、フィルタエレメントとなす。濾過部の軸方向における各端部及びフィルタエレメントの各端部の処理は、公知の手段を採用し得る。濾過部の外周に、流体を通過させるための多数の孔を有する中空円筒を設けることは任意である。
切れ込み13の間隙Tは、使用する濾材の厚さに応じて設定することができる。好ましくは、濾材20の周方向における両端部20a,20aの総厚さよりも小さく設定する。これにより、切れ込み13に濾材20の周方向における両端部20a,20aが挿入されて保持されている状態において、切れ込み13におけるその間隙を閉じるように円周方向に弾性力が働き、濾材20に対し押圧力が加えられ、インナーチューブ10の濾材20に対する保持がより確実となる。また、濾材20を切れ込み13に挿入して保持するにあたり、接着剤の使用も不要となる。もっとも、接着剤を使用することは妨げられない。
これにより、凸部13a,13aが、切れ込み13に濾材20の周方向における両端部20a,20aが挿入されて保持されている状態において、図4に示すように、弾性力によって濾材20に対して食い込み、濾材20の周方向における両端部20a,20aを外側へ引き抜く際の力がより必要となる。つまり、濾材20の周方向における両端部20a,20aが外側へ抜けにくくなる。
なお、図示のものは、凸部13bが複数あって断面において鋸歯状に表れ、各凸部13bは軸方向に直線状に伸びるように形成されているが、その形状、数、大きさ等は変更し得る。また、切れ込み13の対向する面部13a,13aに、凸部と凹部とを、互いに向き合う位置に形成し、切れ込み13の間隙が閉じるときに凸部と凹部とが嵌合するような形態としてもよい(図示省略)
溝部15の間隙Tは、使用する濾材の厚さに応じて設定することができる。間隙Tを弾性的に広げることができるようにした場合、濾材20の周方向における両端部20a,20aの総厚さよりも小さく設定する。これにより、溝部15に濾材20の周方向における両端部20a,20aが挿入されて保持されている状態において、溝部15におけるその間隙を閉じるように円周方向に弾性力が働き、濾材20に対し押圧力が加えられ、インナーチューブ10の濾材20に対する保持がより確実となる。また、濾材20を溝部15に挿入して保持するにあたり、接着剤の使用も不要となる。もっとも、接着剤を使用することは妨げられない。間隙Tを広げることを予定しない場合は、濾材20の両端部20a,20aを溝部15に挿入して接着剤を用いて固定する。
11 孔
13 切れ込み
13a 切れ込み13を形成している対向する面部
13b 凸部
15 溝部
20 濾材
20a 濾材の端部
Claims (2)
- 帯状の濾材をひだ折りして中空円筒状に形成した濾過部と、該濾過部の内側に配設された、流体を通過させるための孔を有する中空円筒状のインナーチューブとを備えたフィルタエレメントであって、
前記インナーチューブは合成樹脂で成形された構造体であり、
その外周部に前記インナーチューブの軸方向の全域にわたって直線状に延びるように設けられた、前記濾材の周方向における両端部が挿入されて保持されるための切れ込み又は溝部を備え、
前記切れ込み又は溝部は、外力を加えることによってその間隙を弾性的に広げることが可能であり、
前記切れ込み又は溝部におけるその間隙を閉じるように円周方向に働く弾性力によって、前記インナーチューブの軸方向の全域にわたって前記濾材に対し押圧力が加えられ、
前記切れ込み又は溝部に前記濾材の周方向における両端部が保持されてなる、
フィルタエレメント。 - 前記切れ込み又は溝部を形成している対向する面部を、前記濾材の周方向における両端部が外側へ抜けにくい形状に形成した、請求項1に記載のフィルタエレメント。
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