JP5752484B2 - Co吸脱着剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、CO吸脱着剤の製造方法に関するものであり、より詳細には、CO吸着性能が高いCO分離回収用吸脱着剤の製造技術に関するものである。
燃料電池車用のオンサイト型水素ステーションでは、都市ガスや液化石油ガス(LPG)を原料として、水蒸気改質、CO変性工程を経て製造された水素を、さらに高純度化(不純物濃度10ppm以下)する必要がある。特に燃料電池触媒の触媒毒となるCOの除去は重要となる。従来、水素ガス中のCOの除去には、当該ガスに酸素又は空気を添加し、酸化触媒を用いてCOをCO2に変換するCO選択酸化が行われてきた。しかし、CO選択酸化には高価な貴金属触媒が必要であり、また、添加した酸素により水素が消費されるという欠点があった。また、COを除去する方法として、触媒を用いて水素でCOをメタン化して除去する方法も提案されている。しかし、この方法ではCO2が共存する場合、CO2のメタン化反応も起こるので、水素が消費されてしまう。さらに触媒には高価な貴金属が不可欠であると共に、反応の暴走を抑えるために精密な温度制御に設備的な配慮が必要である。
ところで、従来、種々の成分が混合した原料ガスから、COを分離回収するためにCO吸着剤が用いられており、このようなCO吸着剤が種々提案されている。例えば、特許文献1には、酸化アルミニウムと酸化亜鉛とからなる担体に銅を担持させたCO吸着剤が提案されている。この吸着剤は、銅密度、亜鉛/銅比を特定の範囲に制御することで、可逆的吸着能を向上させる技術である(特許文献1(段落[0050])参照)。また、特許文献2〜5には、シリカゲルに、ピリジン、ジアミン化合物等とハロゲン化銅(I)とからなる錯体を担持したCO吸着剤が提案されている。
また、CO吸着剤の製造方法として、特許文献6には、アルミナ担体に、銅(II)塩と還元剤を含む液を接触させ、溶媒を除去する方法が提案されている。また、特許文献7には、アルミナ担体に無機酸を含浸させてから、銅(II)塩と還元剤を含む液を接触させ、溶媒を除去する方法;アルミナ担体に、銅(II)塩、還元剤及び無機酸を含む液を接触させ、溶媒を除去する方法が提案されている。
特開平11−179197号公報 特開平9−290149号公報 特開平9−290150号公報 特開平9−290152号公報 特開平9−290153号公報 特開平1−155945号公報 特開2010−269264号公報
従来、種々のCO吸着剤の製造方法が提案されているが、可逆的吸着能をさらに高めるために、銅(I)化合物の担持量を増加させたものが要望されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、水素ステーションで使用でき、簡単な設備(圧力スウィング吸着法(PSA)又は温度スウィング吸着法(TSA))で、COの選択的な除去ができるCO吸脱着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、多孔質担体に担持させる銅(I)化合物量を増加させるべく、さらなる研究を進めた結果、銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と還元剤(有機化合物)とを溶媒の非存在下で接触させることにより、銅化合物の再溶出を防止でき、且つ、銅(II)化合物を効率よく還元できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決することができた本発明のCO吸脱着剤の製造方法は、銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と、溶融した有機化合物とを溶媒の非存在下で混合した後、焼成することを特徴とする。上記製造方法では、前記銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と固体状の有機化合物とを混合した後、前記有機化合物の融点以上の温度で加熱混合することが好ましい。
前記有機化合物は、多孔質担体に担持された銅(II)化合物1molに対して、0.01mol〜0.25mol使用することが好ましい。前記有機化合物としては、糖類及びカルボン酸類よりなる群から選択される少なくとも1種が好適である。前記多孔質担体としては、アルミナからなる担体及び/又はシリカ−アルミナ複合物からなる担体が好適である。
本発明の製造方法によれば、CO吸脱着性能が高いCO吸脱着剤が得られる。
本発明のCO吸脱着剤の製造方法は、銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と、溶融した有機化合物とを溶媒の非存在下で混合した後、焼成することを特徴とする。
本発明のCO吸脱着剤の製造方法では、多孔質担体に担持された銅(II)化合物を、有機化合物の熱分解生成物により銅(I)化合物に還元することにより、CO吸脱着剤を製造する。この還元処理を行う場合、多孔質担体に担持された銅(II)化合物に対して均一に還元性有機物を接触させるために、還元性有機物を溶媒に溶解(又は分散)させた後、この溶液(又は分散液)と多孔質担体と接触させることが考えられる。しかしながら、当該方法では、銅(II)化合物を還元させる際に、同時に多孔質担体から銅(II)化合物が溶媒へと再溶出(又は再分散)してしまう。これに対して、本発明製法では、銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と有機化合物とを溶媒の非存在下で接触させるため、銅(II)化合物を再溶出(又は再分散)させることなく、還元することができる。
本発明では、まず、銅(II)化合物を担持させた多孔質担体を調製する。
前記銅(II)化合物としては、例えば、塩化銅(II)、フッ化銅(II)、臭化銅(II)等のハロゲン化銅(II);酸化銅(II);シアン化銅(II);ギ酸銅(II)、酢酸銅(II)、シュウ酸銅(II)、硫酸銅(II)、硝酸銅(II)、リン酸銅(II)、炭酸銅(II)等の銅(II)の酸素酸塩又は有機酸塩;水酸化銅(II);硫化銅(II);トリフルオロ銅(II)酸塩、テトラフルオロ銅(II)酸塩、トリクロロ銅(II)酸塩、テトラクロロ銅(II)酸塩、テトラシアノ銅(II)酸塩、テトラヒドロオクソ銅(II)酸塩、ヘキサヒドロオクソ銅(II)酸塩、アンミン錯塩等の錯塩;等が例示される。前記銅(II)化合物は、単独若しくは2種以上を組合せて使用しても良い。これらの中でも、ハロゲン化銅(II)が好ましく、塩化銅(II)が最も実用的である。
前記多孔質担体の材料としては、例えば、アルミナ、シリカ又はこれらの複合物等の金属酸化物からなる多孔質担体又は活性炭等が挙げられる。これらの多孔質担体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、金属酸化物からなる多孔質担体が好ましく、アルミナ又はシリカ−アルミナ複合物からなる多孔質担体が好適である。
前記アルミナからなる多孔質担体は、例えば可溶性のアルミニウム塩の水溶液から水酸化アルミニウムを沈澱させ、これをろ過により取出し、強熱することにより得られる。シリカ−アルミナ複合物からなる多孔質担体の製法としては、シリカとアルミナとを単に機械的混合する方法;シリカゲルとアルミナゲルとを湿った状態で練り合せる方法;シリカゲルにアルミニウム塩を浸漬する方法;シリカとアルミナとを水溶液から同時にゲル化させる方法;シリカゲル上にアルミナゲルを沈着させる方法;等が挙げられる。これらのアルミナからなる多孔質担体及びシリカ−アルミナ複合物からなる多孔質担体は、いずれも市販されており、本発明においては、これを必要に応じて乾燥してから使用することが好ましい。
前記多孔質担体の粒子径は0.3mm以上が好ましく、より好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上であり、10mm以下が好ましく、より好ましくは6mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。粒子径が上記範囲内である多孔質担体を用いることにより、吸脱着剤充填層の圧力損失を許容範囲に調節しやすくなり、容易に所望の吸脱着速度を得ることができる。なお、粒子径は光学顕微鏡等を用いて確認することができる。
前記多孔質担体の細孔容積は0.1cm3/g以上が好ましく、より好ましくは0.2cm3/g以上、さらに好ましくは0.3cm3/g以上であり、0.7cm3/g以下が好ましい。多孔質担体の細孔容積が0.1cm3/g以上であれば、銅(II)化合物等を含む溶液又は分散液の保持に有利であり、また、0.7cm3/g以下であれば、多孔質担体の物理的強度がより良好となる。
前記多孔質担体の比表面積は150m2/g以上が好ましく、より好ましくは250m2/g以上、さらに好ましくは300m2/g以上であり、1800m2/g以下が好ましく、より好ましくは1600m2/g以下、さらに好ましくは1300m2/g以下である。比表面積が上記範囲内である多孔質担体を用いることにより、銅(II)化合物の保持及び分散がより良好となる。
前記多孔質担体に、銅(II)化合物を担持させる方法は特に限定されず、例えば、多孔質担体を、銅(II)化合物を含む液に接触させた後、溶媒を除去する方法が挙げられる。接触させる方法としては、多孔質担体を、銅(II)化合物を含む液に含浸する方法;多孔質担体に、銅(II)化合物を含む液をスプレーする方法;等が挙げられる。この場合、多孔質担体細孔に存在する気体を完全に液で置換するため、真空脱気した多孔質担体に液を接触させたり、多孔質担体に液を接触させた後、減圧条件下で脱気したりしてもよい。
前記銅(II)化合物を含む液としては、溶媒に銅(II)化合物を溶解させた溶液、溶媒に銅(II)化合物を分散させた分散液のいずれでもよいが、溶液が好ましい。前記溶媒としては、例えば、水;アンモニア水;クロロホルム、四塩化炭素、二塩化エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、塩化メチレン、フッ素系溶剤等の含ハロゲン溶剤;ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、デカリン等の炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸アミル等のエステル類;イソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルアセテート等のセロソルブ類;カルビトール類;等が挙げられる。これらの中でも、水が好適に使用できる。
多孔質担体を接触させる液中の銅(II)化合物の濃度は、2mol/l以上が好ましく、より好ましくは3mol/l以上、さらに好ましくは3.5mol/l以上であり、9mol/l以下が好ましく、より好ましくは8mol/l以下、さらに好ましくは6mol/l以下である。銅(II)化合物の濃度を2mol/l以上とすることにより、溶媒を除去する際に必要なエネルギーをより減少させることができ、9mol/l以下とすることにより、溶媒に銅(II)化合物を溶解させる際の加温(加熱)エネルギーをより減少させることができる。
前記銅(II)化合物を含む液に含まれる銅(II)化合物の濃度をより高くする観点から還元剤を含有させないことが好ましい。多孔質担体を、銅(II)化合物を含む液に含浸する場合、含浸時間は5分間以上が好ましく、より好ましくは10分間以上、さらに好ましくは30分間以上であり、100分間以下が好ましく、より好ましくは80分間以下、さらに好ましくは60分間以下である。
多孔質担体と液とを接触させた後、溶媒を除去する。溶媒を除去することで、銅(II)化合物を多孔質担体に担持させることができる。
溶媒を除去する方法は特に限定されず、加熱乾燥、減圧乾燥が挙げられる。これらの中でも、液と接触した多孔質担体の温度を下げることなく、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下に加熱乾燥することにより溶媒を留出除去することが好ましい。乾燥温度は、50℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上であり、300℃以下が好ましく、より好ましくは250℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。乾燥時間は、1時間以上が好ましく、1.5時間以上がより好ましく、10時間以下が好ましく、5時間以下がより好ましい。乾燥は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
多孔質担体に対する銅(II)化合物の担持量は、0.5mmol/g以上が好ましく、より好ましくは1mmol/g以上であり、10mmol/g以下が好ましく、より好ましくは5mmol/g以下である。銅(II)化合物の担持量が余りに少ないとCO吸着能力が不足し、一方、その担持量が余りに多いとかえって分離効率が低下する。ここで、多孔質担体に対する銅(II)化合物の担持量は、多孔質担体及び銅(II)化合物の仕込み量より下記式により求める。
多孔質担体に対する銅(II)化合物の担持量=銅(II)化合物の仕込み量/多孔質担体の仕込み量
本発明では、銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と溶融した有機化合物とを溶媒の非存在下で混合して、銅(II)化合物を還元する。多孔質担体に担持された銅(II)化合物は、有機化合物によって効率良く還元され、銅(I)化合物と銅(II)化合物との混合物、あるいは、I価とII価の中間の原子価を持つものになるものと推定される。ここで、溶媒の非存在下とは、多孔質担体に担持された銅(II)化合物の再溶出又は再分散が生じない状態をいう。具体的には、溶媒の存在量が、多孔質担体100質量部に対して40質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。なお、多孔質担体中への有機化合物の分散を良好にできることから、溶媒の存在量が、多孔質担体100質量部に対して0.3質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上である。
前記有機化合物は銅(II)化合物の還元用に使用される。前記有機化合物としては、銅(II)化合物を担持した多孔質担体と混合後の加熱(焼成)処理において、常圧で昇華、揮発しないものであって、加熱(焼成)処理時に熱分解して還元性物質(H2、CO、Hラジカル等)と炭素(残留物として)を生成するものが用いられる。前記有機化合物としては、例えば、スクロース(サッカロース)、グルコース、フルクトース、ガラクトース、プシコース、マンノース、アロース、タガトース、リボース、デオキシリボース、キシロース、アラビノース、マルトース、ラクトース等の糖類;シュウ酸等カルボン酸類;等が挙げられる。これらの中でも糖類が好ましく、スクロースがより好ましい。
前記有機化合物の使用量は、多孔質担体に担持された銅(II)化合物1molに対して、0.01mol以上が好ましく、より好ましくは0.03mol以上、さらに好ましくは0.05mol以上であり、0.25mol以下が好ましく、より好ましくは0.20mol以下、さらに好ましくは0.18mol以下である。有機化合物の使用量が上記範囲内であれば、効率よく銅(II)化合物を銅(I)化合物に変換させることができる。
前記有機化合物の使用量は、銅(II)化合物を担持させた多孔質担体100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、30質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。有機化合物の使用量が上記範囲内であれば、多孔質担体の全表面に有機化合物を行きわたらせることができ、より確実に還元を行うことができる。多孔質担体と溶融した有機化合物とを混合する方法は特に限定されず、従来公知の固液混合方法を採用すればよい。
前記銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と有機化合物との混合は、前記銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と固体状の有機化合物とを混合した後、有機化合物の融点以上の温度で加熱混合することが好ましい。多孔質担体に液状の有機化合物を接触させると、有機化合物が直ちに多孔質担体へと吸収されるため、個々の多孔質担体に対して有機化合物が接触する量が不均一となりやすい。これに対して、固体状の有機化合物と多孔質担体とを均一に混合した後、有機化合物を溶融させれば、個々の多孔質担体に対して有機化合物を均一に接触させることができる。
この場合、前記有機化合物の融点は、50℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、250℃以下が好ましく、より好ましくは230℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。融点が50℃以上であれば、常温(25℃)において固体状であり操作性が良好となり、融点が250℃以下であれば、溶融するために必要なエネルギーを抑制できる。
多孔質担体と固形状の有機化合物とを混合する方法は特に限定されず、公知の混合機を用いて混合でき、例えば、ミキサー、ボールミル、V型混合機等を用いることができる。混合時間は、多孔質担体と有機化合物が均一に混合できればよく、通常5分間〜60分間程度である。
続いて、有機化合物の融点以上の温度で加熱混合する。この際の加熱温度と有機化合物の融点との差(加熱温度−有機化合物の融点)は、10℃以上が好ましく、より好ましくは20℃以上、さらに好ましくは30℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。また、上記加熱温度までの昇温速度は、0.5℃/min以上が好ましく、より好ましくは1℃/min以上、さらに好ましくは1.5℃/min以上であり、10℃/min以下が好ましく、より好ましくは5℃/min以下、さらに好ましくは3℃/min以下である。なお、固体状の有機化合物と多孔質担体との混合中から、昇温を行ってもよい。
最後に、銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と有機化合物との混合物を焼成する。焼成することで、有機化合物を分解除去する。焼成温度は、100℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは180℃以上であり、500℃以下が好ましく、より好ましくは350℃以下、さらに好ましくは300℃以下である。焼成時間は、1時間以上が好ましく、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは3時間以上であり、12時間以下が好ましく、より好ましくは10時間以下、さらに好ましくは8時間以下である。
焼成は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。なお、上記の有機化合物との加熱混合における加熱処理と、混合後の混合物に対する焼成処理は、異なる熱処理装置を用いてもよいし、同一の熱処理装置を用いて加熱処理と焼成処理とを連続して行ってもよい。有機化合物の混合、分散の促進と、焼成時に不活性雰囲気を確保する観点から、加熱処理と焼成処理は異なる装置で行うことが好ましい。
上記のようにして得られた吸脱着剤は、吸着塔に充填され、PSA法又はTSA法により、COを含む混合ガスからのCOの分離回収が遂行される。CO含む混合ガスの処理量は、特に限定されるものではないが、2000m3/h以下が好ましく、1000m3/h以下がより好ましい。
PSA法によりCOの分離回収を行う場合は、吸着工程における吸着圧力は大気圧以上、たとえば0kPa[gage]〜600kPa[gage]とすることが望ましく、脱気工程における脱気圧力は大気圧以下、例えば真空度を30kPa[abs]〜1.0kPa[abs]とすることが望ましい。TSA法によりCOの分離回収を行う場合は、吸着工程における吸着温度はたとえば0℃〜40℃程度、脱気工程における脱気温度はたとえば60℃〜180℃程度とすることが望ましい。また、PSA法とTSA法とを併用し、吸着を大気圧以上で低温条件下に行い、脱気を大気圧以下で高温条件下に行うこともできる。なお、TSA法はエネルギー消費の点でPSA法に比しては不利であるため、工業的にはPSA法を採用するか、PSA−TSA併用法を採用することが望ましい。
適用できるCOを含む混合ガスとしては、例えば、都市ガスや液化石油ガス(LPG)を原料として、水蒸気改質を経て製造されたCO含有水素ガスが用いられる。
本発明の方法により得られた固体吸脱着剤によるCO吸脱着現象は、主として担体に担持された銅(II)化合物が還元された銅化合物とCOとの可逆的な化学反応(錯体形成反応と解離反応)に基づくものであり(N2、CO2との化学反応は起こらない)、副次的に担体の細孔表面上へのCO等の物理的な吸着及びそこからの脱離に基づくものであると考えられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
CO吸脱着剤中のCu含有量の測定方法
CO吸着剤を微粉砕後、硫酸と硝酸との混合液を添加し、350℃で炭素分を熱分解すると共に、銅化合物を溶解させた。この液を水で希釈後、ろ過し、ろ液についてICP(誘導結合プラズマ)発光分析により定量分析を行うことにより、CO吸着剤のCu含有量を求めた。
CO可逆吸着性能の評価方法
高精度比表面積・細孔分布測定装置(日本ベル社製、「BELSORP−max」)を用いて、CO可逆吸着量を測定した。測定は、装置の専用セルに吸脱着剤を充填し、200℃で1時間真空排気(10-6Pa)した後に、40℃、10kPaでCOを吸着させ、その後排気減圧(約10-2kPa)することを繰返して、7kPa〜0.02kPa間のCO可逆吸着量を測定した。なお、この測定は水素製造設備におけるCO変成工程でのCO濃度(7体積%相当)を想定したものである。
製造例1
200mLの三角フラスコに塩化銅(II)2水和物(キシダ化学社製特級試薬)44.0gを、40℃に加温した脱塩水42.2gに溶解させた溶液を調製した。この溶液に、予め120℃で4時間以上乾燥させた活性アルミナからなる多孔質担体(住友化学工業社製、活性アルミナ(品名「NKHD−24」、粒子径2mm〜4mm、細孔容積0.35cm3/g、比表面積300m2/g))を80.0g入れ、60分間時々撹拌しながら液を含浸させた。それを1Lナス型フラスコに入れ、ロータリー・エバポレーターに取り付け、30rpmで回転させながら、N2−200mL/min流通下にこのフラスコを油浴加熱して乾燥させた。油浴の温度条件は、140℃(フラスコ内温120℃)まで1時間で昇温させ、140℃で3時間保持した後、自然冷却した。冷却後、多孔質担体中の溶媒存在量は、多孔質担体100質量部に対して8.6質量部であった。
冷却後、フラスコ内にスクロース(キシダ化学社製特級試薬、融点185℃)を10.4g加えて、ロータリー・エバポレーターに取り付け30rpmで回転させながら、N2−200mL/min流通下にこのフラスコを油浴加熱した。油浴の温度条件は、260℃(フラスコ内温230℃)まで2.5時間(1.6℃/min)で昇温させ、260℃で3時間保持した後、自然冷却した。冷却後の吸着剤を磁性皿に移し外部加熱式管状炉に入れ、N2−400mL/min気流下で5℃/minで230℃まで昇温し、7時間保持後自然冷却して、CO吸脱着剤を得た。
製造例2
スクロースの使用量を5.2gに変更したこと以外は製造例1と同様にしてCO吸脱着剤を製造した。
製造例3
スクロースの使用量を2.6gに変更したこと以外は製造例1と同様にしてCO吸脱着剤を製造した。
製造例4
200mLの三角フラスコに塩化銅(II)2水和物(キシダ化学社製特級試薬)44.0g、スクロース(キシダ化学社製特級試薬)10.4gを、40℃に加温した脱塩水42.2gに溶解させた溶液を調製した。この溶液に、予め120℃で4時間以上乾燥させた活性アルミナからなる多孔質担体(住友化学工業社製、活性アルミナ(品名「NKHD−24」、粒子径2mm〜4mm、細孔容積0.35cm3/g、比表面積300m2/g))を80.0g入れ、60分間時々撹拌しながら液を含浸させた。それを1Lナス型フラスコに入れ、ロータリー・エバポレーターに取り付け、30rpmで回転させながら、N2−200mL/min流通下にこのフラスコを油浴加熱して乾燥させた。油浴の温度条件は、140℃(フラスコ内温120℃)まで1時間で昇温させ、140℃で5時間保持した後、自然冷却した。冷却後の吸着剤を磁性皿に移し外部加熱式管状炉に入れ、N2−400mL/min気流下で5℃/minで230℃まで昇温し、10時間保持後自然冷却して、CO吸脱着剤を得た。
製造例5
200mLの三角フラスコに塩化銅(II)2水和物(キシダ化学社製特級試薬)44.0gを、40℃に加温した脱塩水42.2gに溶解させた溶液を調製した。この溶液に、予め120℃で4時間以上乾燥させた活性アルミナからなる多孔質担体(住友化学工業社製、活性アルミナ(品名「NKHD−24」、粒子径2mm〜4mm、細孔容積0.35cm3/g、比表面積300m2/g))を80.0g入れ、60分間時々撹拌しながら液を含浸させた。それを1Lナス型フラスコに入れ、ロータリー・エバポレーターに取り付け、30rpmで回転させながら、N2−200mL/min流通下にこのフラスコを油浴加熱して乾燥させた。油浴の温度条件は、140℃(フラスコ内温120℃)まで1時間で昇温させ、140℃で3時間保持した後、自然冷却した。
スクロース(キシダ化学社製特級試薬)10.4gを40℃に加温した脱塩水30.0gに溶解させた溶液を調製し、この溶液を冷却後のフラスコ内に加えた。これをロータリー・エバポレーターに取り付け、30rpmで回転させながら、N2−200mL/min流通下にこのフラスコを油浴加熱して乾燥させた。油浴の温度条件は、140℃(フラスコ内温120℃)まで1時間で昇温させ、140℃で3時間保持した後、自然冷却した。冷却後の吸着剤を磁性皿に移し外部加熱式管状炉に入れ、N2−400mL/min気流下で5℃/minで230℃まで昇温し、10時間保持後自然冷却して、CO吸脱着剤を得た。
Figure 0005752484
製造例1〜3は銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と、溶融した有機化合物とを水の非存在下で混合した後、焼成した場合である。これらの製造方法により得られたCO吸脱着剤は、Cu含有量が多く、可逆吸着性能に優れている。
製造例4は、多孔質担体に、銅(II)化合物と有機化合物とを含む液を含浸させた後、焼成した場合である。この製造方法により得られたCO吸着剤は、前記製造方法1〜3のCO吸脱着剤に比べて可逆吸着性能が劣る結果となった。これは、銅(II)化合物と還元物質の含浸を同時に行っているため、それらが競合する結果、銅(II)化合物の含浸が妨害されるためと考えられる。
製造例5は、銅(II)化合物を担持させた多孔質担体に、有機化合物の水溶液を含浸させた後、焼成した場合である。この製造方法により得られたCO吸着剤は、前記製造方法1〜3のCO吸脱着剤に比べて、Cu含有量が少なくなっており、可逆吸着性能が劣る結果となった。これは、多孔質担体と有機化合物の水溶液とを接触させた際に、銅(II)化合物が再溶出したためと考えられる。
本発明は、CO分離回収吸脱着剤の製造方法として好適である。

Claims (5)

  1. 銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と、前記銅(II)化合物に対する還元性を有する溶融した有機化合物とを溶媒の非存在下で混合した後、焼成することを特徴とするCO吸脱着剤の製造方法。
  2. 前記銅(II)化合物を担持させた多孔質担体と固体状の有機化合物とを混合した後、前記有機化合物の融点以上の温度で加熱混合する請求項1に記載のCO吸脱着剤の製造方法。
  3. 前記有機化合物を、多孔質担体に担持された銅(II)化合物1molに対して、0.01mol〜0.25mol使用する請求項1又は2に記載のCO吸脱着剤の製造方法。
  4. 前記有機化合物が、糖類及びカルボン酸類よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のCO吸脱着剤の製造方法。
  5. 前記多孔質担体が、アルミナからなる担体及び/又はシリカ−アルミナ複合物からなる担体である請求項1〜4のいずれか1項に記載のCO吸脱着剤の製造方法。
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