以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。X軸は、YZ平面と直交する。Y軸は、XZ平面と直交する。Z軸は、XY平面と直交する。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るテーブル装置100の一例を示す図である。図2は、図1のA−A線矢視図である。図3は、図1のテーブル装置100を−X側から見た図である。図4は、図1のテーブル装置100を+X側から見た図である。図5は、図1の一部を拡大した図である。
テーブル装置100は、物体Sを支持可能なテーブル10と、XY平面内(水平面内)において移動可能な第1部材1と、第1部材1に対して相対移動可能な第2部材2と、少なくとも一部が第1部材1に配置され、第1部材1の移動によりZ軸方向に第2部材2が移動するように第2部材2をガイドするガイド装置4と、テーブル10の少なくとも一部に接続される第3部材3と、第3部材3との間に気体軸受5Gを形成して、Z軸方向に第3部材3を移動可能に支持する軸受部材5と、軸受部材5を支持する支持部材6と、第1部材1を移動するアクチュエータ7と、を備えている。軸受部材5は、第3部材3との間に気体を供給可能な供給口15を有し、その供給口15から供給される気体により、第3部材3との間に気体軸受5Gを形成して、その第3部材3を非接触支持する。
テーブル装置100は、ベース部材8を備えている。本実施形態において、ベース部材8は、第1ベース部材81と、第1ベース部材81を支持する第2ベース部材82とを含む。ベース部材8は、例えばテーブル装置100が設置される施設(例えば工場)の床面などに配置される。
テーブル10は、第2部材2に支持される。本実施形態において、第2部材2は、接続部材22を介して、テーブル10を支持する。第2部材2と接続部材22とは固定される。接続部材22とテーブル10とは固定される。なお、第2部材2と接続部材22とは一体でもよい。第3部材3は、テーブル10の少なくとも一部に接続される。テーブル10は、+Z方向を向く上面10Aと、上面10Aの反対方向(−Z方向)を向く下面10Bとを有する。物体Sは、テーブル10の上面10Aに載せられる。上面10Aは、物体Sを支持可能である。
第1部材1、第2部材2、及び第3部材3のそれぞれは、テーブル10の下面10B側(−Z側)に配置される。第2部材2は、テーブル10の下面10B側(−Z側)において、テーブル10を支持する。第3部材3は、テーブル10の下面10Bに接続される。
第1部材1、第2部材2、及び第3部材3のそれぞれは、可動部材である。第1部材1、第2部材2、及び第3部材3のそれぞれは、テーブル10の下方の空間(−Z側の空間)において移動する。第1部材1、第2部材2、及び第3部材3のそれぞれは、ベース部材8の上方の空間(+Z側の空間)において移動する。
第1部材1は、XY平面内において移動可能である。本実施形態において、第1部材1は、X軸方向に移動可能である。XZ平面内における第1部材1の外形は、ほぼ三角形(くさび形)である。図1及び図5に示すように、第1部材1は、XY平面と平行な下面1Bと、XY平面に対して傾斜する斜面1Gと、Z軸と平行な側面1Sとを有する。斜面1G及び側面1Sは、下面1Bよりも上側(+Z側)に配置される。斜面1Gは、+X方向に向かって上方(+Z方向)に傾斜する。斜面1Gの下端部と下面1Bの−X側の端部とが結ばれる。斜面1Gの上端部と側面1Sの上端部とが結ばれる。側面1Sの下端部と下面1Bの+X側の端部とが結ばれる。
第2部材2は、第1部材1に移動可能に支持される。第1部材1と第2部材2とは相対移動可能である。第2部材2は、第1部材1の上方(+Z側)において、第1部材1に対して相対移動する。
第2部材2は、少なくともZ軸方向に移動可能である。本実施形態においては、X軸方向に関する第1部材1の移動により、第2部材2がZ軸方向に移動する。XZ平面内における第2部材2の外形は、ほぼ三角形(くさび形)である。図1及び図5に示すように、第2部材2は、XY平面と平行な上面2Aと、XY平面に対して傾斜する斜面2Gと、Z軸と平行な側面2Sとを有する。上面2Aは、側面2S及び斜面2Gよりも上側(+Z側)に配置される。斜面2Gは、+X方向に向かって上方(+Z方向)に傾斜する。本実施形態において、斜面1Gと斜面2Gとは平行である。斜面2Gの上端部と上面2Aの+X側の端部とが結ばれる。斜面2Gの下端部と側面2Sの下端部とが結ばれる。側面2Sの上端部と上面2Aの−X側の端部とが結ばれる。
ガイド装置4は、X軸方向に関する第1部材1の移動により、Z軸方向に第2部材2が移動するように第2部材2をガイドする。ガイド装置4の少なくとも一部は、第1部材1に配置される。本実施形態において、ガイド装置4は、第1部材1に配置されたレール41と、第2部材2に配置され、レール41を移動可能なスライダ42とを含む。レール41は、第1部材1の斜面1Gに配置される。スライダ42は、第2部材2の斜面2Gに配置される。
ガイド装置4は、直動型の軸受を含む。本実施形態において、ガイド装置4は、転がり軸受を含む。転がり軸受は、転動体を有する。転動体は、玉及びころの一方又は両方を含む。すなわち、転がり軸受は、玉軸受及びころ軸受の一方又は両方を含む。本実施形態において、ガイド装置4は、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含む。
図6は、本実施形態に係るガイド装置4の一例を示す図である。レール41は、上方を向く表面41Aと、表面41Aの両側に配置される側面41Bと、側面41Bのそれぞれに形成された溝41Cとを有する。スライダ42は、レール41の表面41Aと対向可能な第1対向面42Aと、レール41の側面41Bと対向可能な第2対向面42Bと、少なくとも一部がレール41の溝41Cに配置される転動体(玉)42Tとを有する。玉42Tは溝41Cの内面に接触しつつ転がる。溝41Cに沿って玉42Tが転がることによって、スライダ42はレール41を円滑に移動可能である。
本実施形態において、レール41は、XY平面に対して傾斜するように、第1部材1(斜面1G)に配置される。レール41は、レール41の表面41AがXY平面に対して傾斜するように配置される。図5に示すように、本実施形態において、XY平面に対するレール41(表面41A)の傾斜角度はθである。角度θは、0度よりも大きく、90度よりも小さい。スライダ42は、第1対向面42Aとレール41の表面41Aとが平行となるように、第2部材2(斜面2G)に配置される。本実施形態において、スライダ42は、第2部材2の斜面2Gに2つ配置される。なお、スライダ42は、第2部材2に1つ配置されてもよい。3つ以上の複数のスライダ42が第2部材2に配置されてもよい。
第2部材2は、X軸方向に関する第1部材1の移動により、Z軸方向に移動するようにガイド装置4にガイドされる。第1部材1が−X方向に移動すると、第2部材2は+Z方向に移動(上昇)する。第1部材1が+X方向に移動すると、第2部材2は−Z方向に移動(下降)する。テーブル10は、第2部材2に支持されている。そのため、Z軸方向に関する第2部材2の移動(昇降)により、テーブル10も、第2部材2と一緒に移動(昇降)する。すなわち、第2部材2が+Z方向に移動(上昇)すると、テーブル10は第2部材2と一緒に+Z方向に移動(上昇)する。第2部材2が−Z方向に移動(下降)すると、テーブル10は第2部材2と一緒に−Z方向に移動(下降)する。
なお、ガイド装置4において、第1部材1の斜面1Gにスライダ42が配置され、第2部材2の斜面2Gにレール41が配置されてもよい。
第1部材1の外形は、ほぼ三角形(くさび形)である。第2部材2の外形も、ほぼ三角形(くさび形)である。すなわち、本実施形態において、テーブル装置100は、所謂、くさび型昇降装置を含む。第1部材1を、くさび部材(第1くさび部材)1と称してもよい。第2部材2を、くさび部材(第2くさび部材)2と称してもよい。
アクチュエータ7は、第1部材1をXY平面内において移動可能である。アクチュエータ7は、第1部材1を移動するための動力を発生する。アクチュエータ7は、第1部材1がXY平面内において移動するように動力を発生する。本実施形態においては、アクチュエータ7の作動により、第1部材1はX軸方向に移動する。アクチュエータ7は、回転モータを含み、供給される電力により作動する。図1及び図2に示すように、アクチュエータ7と第1部材1とは、動力伝達装置11を介して接続される。アクチュエータ7の動力(駆動力)は、動力伝達装置11を介して、第1部材1に伝達される。
本実施形態において、動力伝達装置11は、アクチュエータ7の回転運動を直線運動に変換する。本実施形態において、アクチュエータ(回転モータ)7のシャフトは、θX方向に回転する。動力伝達装置11は、θX方向の回転運動を、X軸方向の直線運動に変換して、第1部材1に伝達する。第1部材1は、動力伝達装置11を介して伝達されるアクチュエータ7の動力(駆動力)により、X軸方向に移動する。
本実施形態において、動力伝達装置11は、ボールねじ11Bを含む。ボールねじ11Bは、アクチュエータ7の作動により回転するねじ軸と、第1部材1に接続され、ねじ軸の周囲に配置されるナットと、ねじ軸とナットとの間に配置されるボールとを含む。ボールねじ11Bのねじ軸は、支持軸受12により回転可能に支持される。本実施形態において、ボールねじ11Bは、θX方向に回転する。ボールねじ11BがθX方向に回転することにより、ナット及びそのナットが接続されている第1部材1がX軸方向に移動(直線移動)する。
アクチュエータ(回転モータ)7がボールねじ11Bのねじ軸を一方向に回転すると、そのねじ軸の回転により、第1部材1が+X方向に移動する。アクチュエータ(回転モータ)7がボールねじ11Bのねじ軸を逆方向に回転すると、そのねじ軸の回転により、第1部材1が−X方向に移動する。すなわち、アクチュエータ7の回転方向(ボールねじ11Bのねじ軸の回転方向)に基づいて、X軸方向に関する第1部材1の移動方向(+X方向及び−X方向のいずれか一方の方向)が決定される。第1部材1の移動方向に基づいて、Z軸方向に関する第2部材2(テーブル10)の移動方向(−Z方向及び+Z方向のいずれか一方の方向)が決定される。
図1及び図5に示すように、テーブル装置100は、第1部材1をガイドするガイド装置9を有する。ガイド装置9は、第1部材1をX軸方向にガイドする。ガイド装置9は、アクチュエータ7の作動により、X軸方向に第1部材1が移動するように第1部材1をガイドする。ガイド装置9の少なくとも一部は、ベース部材8に配置される。本実施形態において、ガイド装置9は、ベース部材8に配置されたレール91と、第1部材1に配置され、レール91を移動可能なスライダ92とを含む。レール91は、ベース部材8の上面に配置される。スライダ92は、第1部材1の下面1Bに配置される。
ガイド装置9は、直動型の軸受を含む。本実施形態において、ガイド装置9は、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含む。第1部材1は、アクチュエータ7の作動により、X軸方向に移動するようにガイド装置9にガイドされる。ガイド装置9は、図6を参照して説明したガイド装置4と同等の構造である。ガイド装置9についての詳細な説明は省略する。
なお、ガイド装置9において、ベース部材8の上面にスライダ92が配置され、第1部材1の下面1Bにレール91が配置されてもよい。
なお、本実施形態において、ガイド装置4は、転動体を有する転がり軸受を含むこととした。ガイド装置4が、転動体を有しない直動型のすべり軸受を含んでもよいし、直動型の気体軸受を含んでもよい。なお、ガイド装置4が、スライダを有しなくてもよい。例えば、第2部材2がZ軸方向に移動するように、第1部材1に設けられたレールに沿って第2部材2の斜面2Gが移動されてもよい。この場合、第1部材1に設けられたレールが、第2部材2をガイドするガイド装置として機能する。同様に、ガイド装置9が、直動型のすべり軸受を含んでもよいし、直動型の気体軸受を含んでもよい。なお、ガイド装置9が、スライダを有しなくてもよい。
第3部材3は、Z軸方向に移動可能である。第3部材3は、気体軸受5Gを形成可能な軸受部材5に移動可能に支持される。軸受部材5は、第3部材3をZ軸方向に移動可能に支持する。第3部材3と軸受部材5との間に気体が供給されることによって、その第3部材3と軸受部材5との間に気体軸受5Gが形成される。第3部材3と軸受部材5との間に気体軸受5Gが形成されることにより、第3部材3は、軸受部材5に非接触支持される。
図7は、第3部材3、軸受部材5、及び支持部材6のXZ平面と平行な断面図である。図8は、第3部材3、軸受部材5、及び支持部材6のXY平面と平行な断面図である。本実施形態において、第3部材3は、Z軸方向に長い棒状の部材である。第3部材3は、+Z方向を向く上面3Aと、−Z方向を向く下面3Bと、上面3Aと下面3Bとを結ぶ側面(外面)3Cとを有する。図8に示すように、本実施形態において、XY平面と平行な第3部材3の断面の外形は、円形である。すなわち、第3部材3は、Z軸方向に長い円柱状の部材である。第3部材3の軸は、Z軸と平行である。なお、第3部材3の内部が空洞でもよい。例えば、第3部材3がZ軸方向に長い円筒状の部材でもよい。
軸受部材5は、第3部材3の側面3Cの周囲に配置される筒状の部材である。軸受部材5は、円筒状の部材である。軸受部材5の軸は、Z軸と平行である。本実施形態において、第3部材3の軸と軸受部材5の軸とは一致する。換言すれば、第3部材3の軸と軸受部材5の軸とは同じ軸である。軸受部材5は、第3部材3の側面3Cと対向可能な内面5Cを有する。内面5Cを、軸受面5Cと称してもよい。本実施形態において、軸受部材5は、軸受部材5の軸と平行なZ軸方向に関して、2つ配置される。以下の説明において、Z軸方向に配置される2つの軸受部材5のうち、+Z側に配置される軸受部材5を適宜、第1軸受部材51と称し、第1軸受部材51よりも−Z側に配置される軸受部材5を適宜、第2軸受部材52と称する。
支持部材6は、軸受部材5を支持する。軸受部材5は、支持部材6に固定される。支持部材6は、軸受部材5を介して、第3部材3を移動可能に支持する。本実施形態において、支持部材6は、少なくとも一部が第3部材3及び軸受部材5の周囲に配置される筒状の部材である。支持部材6の軸は、Z軸と平行である。本実施形態において、第3部材3の軸と軸受部材5の軸と支持部材6の軸とは一致する。換言すれば、第3部材3の軸と軸受部材5の軸と支持部材6の軸とは同じ軸である。図3及び図4などに示すように、支持部材6は、支持装置14Sに支持される。支持装置14Sは、ベース部材8に固定される。本実施形態において、支持部材6は、支持装置14Sを介して、ベース部材8に支持される。支持部材6は、支持装置14Sに固定される。本実施形態においては、ベース部材8に対する支持部材6の位置が固定される。
図7及び図8に示すように、軸受部材5は、支持部材6の内面に配置される。軸受部材5は、第3部材3の側面3Cの周囲に配置される。軸受部材5の内面5Cと、第3部材3の側面(外面)3Cとが対向する。軸受部材5の内面5Cは、間隙を介して、第3部材3の側面3Cと対向する。
軸受部材5は、第3部材3を非接触で支持する。軸受部材5は、第3部材3の側面3Cとの間に気体を供給可能な供給口15を有する。本実施形態において、供給口15は、第3部材3の側面3Cと対向するように配置される。供給口15は、軸受部材5の内面5Cに配置される。供給口15から供給される気体により、第3部材3の側面3Cと軸受部材5の内面5Cとの間に気体軸受5Gが形成される。気体軸受5Gにより、第3部材3の側面3Cと軸受部材5の内面5Cとの間に間隙が形成される。本実施形態において、供給口15は、空気(圧縮空気)を供給する。
第3部材3の側面3Cの周囲に形成される気体軸受5Gによって、X軸方向及びY軸方向に関する第3部材3の移動が制限される。気体軸受5Gによって、X軸方向及びY軸方向に関する第3部材3の移動が抑制され、Z軸方向に関する第3部材3の移動が許容される。
本実施形態において、第3部材3の断面の外形は、円形であり、軸受部材5は、第3部材3の側面3Cの周囲に配置される円筒状の部材である。断面の外形が円形である第3部材3の加工は、例えば角形である第3部材の加工に比べて、高い加工精度を容易に得ることができる可能性が高い。換言すれば、外形が円形である第3部材3を製造する場合のほうが、外形が角形である第3部材3を製造する場合よりも、目標形状を容易に得ることができる可能性が高い。また、断面が円形である内面5Cを有する軸受部材5を製造するほうが、断面が角形である内面を有する軸受部材を製造するよりも、高い加工精度(目標形状)を容易に得ることができる可能性が高い。例えば、角形の第3部材及び軸受部材を製造する場合、その第3部材の角部と軸受部材との間に形成される間隙の寸法と、その第3部材の平面部と軸受部材との間に形成される間隙の寸法とが等しくなるように第3部材及び軸受部材を製造することは困難である可能性がある。本実施形態によれば、円形の第3部材3及び軸受部材5を用いることにより、その第3部材3の側面3Cと軸受部材5の内面5Cとの間に形成される間隙の寸法が不均一になることが抑制される。したがって、その第3部材3の側面3Cと軸受部材5の内面5Cとの間に形成される間隙において、圧力が不均一になることが抑制される。そのため、気体軸受5Gの性能の低下が抑制され、第3部材3が目標軌道から外れて移動されることが抑制される。
本実施形態において、軸受部材5は、多孔体(多孔質部材)を含む。多孔体は、例えば特許第5093056号、特開2007−120527号などに開示されているようなグラファイト(カーボングラファイト)製でもよい。なお、多孔体がセラミックス製でもよい。供給口15は、多孔体の孔を含む。本実施形態において、多孔体の孔(供給口)15から気体が供給される。図7に示すように、本実施形態においては、軸受部材5と支持部材6との間にキャビティ16が形成される。気体供給装置17からキャビティ16に気体が供給される。キャビティ16に供給された気体は、軸受部材5の内部(多孔体の孔)を通過して、軸受部材5の内面5Cに到達し、その内面5Cに配置された供給口15から、内面5Cと外面3Cとの間の空間に供給される。これにより、内面5Cと外面3Cとの間に気体軸受5Gが形成される。内面5Cと外面3Cとが非接触状態となる。
本実施形態において、軸受部材5と第3部材3との間に供給された気体の少なくとも一部が排出される排気口18が設けられる。排気口18は、支持部材6に配置される。排気口18は、第1軸受部材51と第2軸受部材52との間に配置される。
第3部材3は、テーブル10に接続される。第3部材3は、第3部材3の上面3Aとテーブル10の下面10Bとが対向するように、テーブル10に接続される。本実施形態において、第3部材3の上面3A側の少なくとも一部がテーブル10に接続される。換言すれば、第3部材3の上端部の少なくとも一部がテーブル10に接続される。第3部材3の上面3Aとテーブル10の下面10Bとは、接触してもよいし、接触しなくてもよい。第3部材3は、テーブル10に固定される。ボルトのような固定部材により、テーブル10に対して第3部材3が固定される。
上述のように、アクチュエータ7の作動により、第1部材1がX軸方向に移動される。X軸方向に関する第1部材1の移動により、第2部材2及びその第2部材2に支持されているテーブル10がZ軸方向に移動する。本実施形態においては、Z軸方向に関するテーブル10の移動により、そのテーブル10に接続されている第3部材3がテーブル10と一緒にZ軸方向に移動する。第3部材3は、軸受部材5(気体軸受5G)にガイドされてZ軸方向に移動する。本実施形態において、軸受部材5は、Z軸方向に第3部材3が移動するようにその第3部材3をガイドするガイド装置として機能する。第3部材3の側面3Cと対向する軸受部材5の内面5Cを、ガイド面5Cと称してもよい。本実施形態において、側面3C及び内面5Cのそれぞれは、Z軸と平行である。
Z軸方向に関して、第3部材3の寸法は、軸受部材5の寸法よりも大きい(長い)。本実施形態においては、Z軸方向に関して、第3部材3の上面3Aと下面3Bとの距離は、第1軸受部材51の+Z側の端部(上端部)と第2軸受部材52の−Z側の端部(下端部)との距離よりも大きい。本実施形態においては、Z軸方向に関して、第3部材3の寸法は、支持部材6の寸法よりも大きい(長い)。
図7などに示すように、Z軸方向に関する第3部材3の中心G3と軸受部材5の中心G5とが一致する状態において、上面3Aを含む第3部材3の+Z側の端部(上端部)は、軸受部材5(第1軸受部材51)の+Z側の端部(上端部)よりも+Z側に配置され、下面3Bを含む第3部材3の−Z側の端部(下端部)は、軸受部材5(第2軸受部材52)の−Z側の端部(下端部)よりも−Z側に配置される。換言すれば、Z軸方向に関する第3部材3の中心G3と軸受部材5の中心G5とが一致する状態において、第3部材3の上端部及び下端部のそれぞれは、軸受部材5(第1軸受部材51及び第2軸受部材52)の外側に配置される。
なお、本実施形態において、Z軸方向に関する軸受部材5の中心G5は、第1軸受部材51の上端部と第2軸受部材52の下端部との間の中心である。軸受部材5が1つである場合、Z軸方向に関する軸受部材5の中心G5は、その軸受部材5の上端部と下端部との間の中心である。軸受部材5がZ軸方向に関して3つ以上の複数配置される場合、Z軸方向に関する軸受部材5の中心G5は、複数の軸受部材のうち最も+Z側に配置される軸受部材の上端部と、最も−Z側に配置される軸受部材の下端部との間の中心である。
また、図7などに示すように、Z軸方向に関する第3部材3の中心G3と支持部材6の中心G6とが一致する状態において、上面3Aを含む第3部材3の+Z側の端部(上端部)は、支持部材6の+Z側の端部(上端部)よりも+Z側に配置され、下面3Bを含む第3部材3の−Z側の端部(下端部)は、支持部材6の−Z側の端部(下端部)よりも−Z側に配置される。換言すれば、Z軸方向に関する第3部材3の中心G3と支持部材6の中心G6とが一致する状態において、第3部材3の上端部及び下端部のそれぞれは、支持部材6の外側に配置される。
図9は、Z軸方向に関してテーブル10及び第3部材3が移動する状態の一例を示す図である。本実施形態においては、Z軸方向に関してテーブル10及び第3部材3が移動可能な移動範囲(移動量、ストローク)が定められている。本実施形態においては、アクチュエータ7の作動量(回転量)に基づいて、X軸方向に関する第1部材1の移動範囲(移動量、ストローク)が決定される。また、X軸方向に関する第1部材1の移動範囲(移動量、ストローク)に基づいて、Z軸方向に関する第2部材2(テーブル10)の移動範囲(移動量、ストローク)が決定される。また、第3部材3は、テーブル10に接続されており、Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲(移動量、ストローク)は、Z軸方向に関するテーブル10の移動範囲(移動量、ストローク)に基づいて決定される。図9に示すように、Z軸方向に関して、テーブル10及び第3部材3は、位置Z1と、位置Z1よりも+Z側の位置Z2との間を移動可能である。すなわち、テーブル10及び第3部材3がZ軸方向に移動可能な移動範囲は、位置Z1と位置Z2との間の範囲である。
本実施形態においては、Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲において、第3部材3の上端部及び下端部のそれぞれは、支持部材6の外側に配置され続ける。Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲において、第3部材3の上端部及び下端部のそれぞれは、軸受部材5(第1軸受部材51及び第2軸受部材52)の外側に配置され続ける。
Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲において、軸受部材5の内面5Cは、第3部材3の側面3Cと対向し続ける。Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲において、供給口15は、第3部材3の側面3Cと対向し続ける。換言すれば、Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲において、第3部材3が最も−Z側の位置Z1に配置された状態においても、軸受部材5の供給口15と第3部材3の側面3Cとは対向する。Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲において、テーブル10が最も+Z側の位置Z2に配置された状態においても、軸受部材5の供給口15と第3部材3の側面3Cとは対向する。すなわち、Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲の全部において、軸受部材5の供給口15と第3部材3の側面3Cとは対向し続ける。これにより、第3部材3の移動範囲において、第3部材3と軸受部材5との間に気体軸受5Gが形成され続ける。
また、本実施形態においては、Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲において、Z軸方向に関する第3部材3の中心G3は、軸受部材5の上端部と下端部との間に配置され続ける。換言すれば、Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲において、中心G3は軸受部材5の外側に配置されない。本実施形態においては、中心G3が軸受部材5の外側に配置されないように、Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲が定められる。
なお、本実施形態において、軸受部材5の上端部は、第1軸受部材51の上端部である。軸受部材5の下端部は、第2軸受部材52の下端部である。軸受部材5が1つである場合、軸受部材5の上端部は、その1つの軸受部材5の上端部であり、軸受部材5の下端部は、その1つの軸受部材5の下端部である。また、軸受部材5がZ軸方向に関して3つ以上の複数配置される場合、軸受部材5の上端部は、複数の軸受部材のうち最も+Z側に配置される軸受部材の上端部である。軸受部材5の下端部は、複数の軸受部材のうち最も−Z側に配置される軸受部材の下端部である。
図1、図3、及び図4などに示すように、本実施形態において、第3部材3の下面3Bは、ベース部材8から離れている。本実施形態において、第3部材3は、テーブル10と接続され、テーブル10以外の部材とは接続されない。本実施形態においては、第3部材3の上面3Aにテーブル10が接続され、側面3Cの周囲に軸受部材5及び支持部材6が非接触状態で配置され、第3部材3の下面3Bに部材は接続されない。
本実施形態において、第3部材3は少なくとも2つ配置される。すなわち、テーブル装置100は、第3部材3を複数有する。本実施形態において、複数の第3部材3は、XY平面内においてテーブル10の異なる複数の部位のそれぞれに接続される。軸受部材5及び支持部材6は、複数の第3部材3のそれぞれに対応して配置される。テーブル10に複数の第3部材3が接続され、それら複数の第3部材3が軸受部材5及び支持部材6に支持されることによって、XY平面内におけるテーブル10の移動が抑制される。すなわち、複数の第3部材3がXY平面内においてテーブル10の異なる複数の部位のそれぞれに接続され、それら複数の第3部材3が軸受部材5及び支持部材6に支持されることによって、θZ方向に関するテーブル10の移動(回転)が抑制される。
例えば、2つ(2本)の第3部材3がテーブル10に接続される場合、それら第3部材3は、テーブル10の第1の部位と、その第1の部位とは異なるテーブル10の第2の部位とのそれぞれに接続される。3つ(3本)の第3部材3がテーブル10に接続される場合、それら第3部材3は、テーブル10の第1の部位と、その第1の部位とは異なるテーブル10の第2の部位と、それら第1の部位及び第2の部位とは異なるテーブル10の第3の部位とのそれぞれに接続される。
図1、図2、図3、及び図4などに示すように、本実施形態において、4つ(4本)の第3部材3がテーブル10に接続される。それら第3部材3は、テーブル10の下面10Bの第1の部位と、第1の部位とは異なるテーブル10の下面10Bの第2の部位と、第1の部位及び第2の部位とは異なるテーブル10の下面10Bの第3の部位と、第1の部位、第2の部位、及び第3の部位とは異なるテーブル10の下面10Bの第4の部位とののそれぞれに接続される。第1の部位、第2の部位、第3の部位、及び第4の部位は、下面10Bの中心の周囲に配置される。本実施形態において、複数の第3部材3は、第1部材1及び第2部材2の周囲の少なくとも一部に配置される。軸受部材5及び支持部材6は、4つ(4本)の第3部材3のそれぞれに対応して配置される。
なお、テーブル装置100は、5つ(5本)以上の任意の複数の第3部材3を有してもよい。軸受部材5及び支持部材6は、複数の第3部材3のそれぞれに対応して配置される。テーブル10に複数の第3部材3が接続され、それら複数の第3部材3が軸受部材5及び支持部材6に支持されることによって、XY平面内におけるテーブル10の移動が抑制される。
本実施形態において、第3部材3の断面の外形は、円形であり、軸受部材5は、第3部材3の側面3Cの周囲に配置される円筒状の部材である。そのため、軸受部材5の内側で、第3部材3がθZ方向に移動(回転)してしまう可能性がある。テーブル10に接続される第3部材3が1つである場合、軸受部材5に対する第3部材3の回転により、そのテーブル10も回転してしまう可能性がある。本実施形態においては、第3部材3は複数配置される。したがって、それら複数の第3部材3が軸受部材5及び支持部材6に支持されることによって、θZ方向に関するテーブル10の移動(回転)が抑制される。
本実施形態においては、気体軸受5Gにより、X軸方向及びY軸方向に関する第3部材3の移動が抑制されている。テーブル10は、第3部材3と接続され、気体軸受5GによってX軸方向及びY軸方向に関する第3部材3の移動が抑制されることによって、X軸方向及びY軸方向に関するテーブル10の移動が抑制される。また、本実施形態においては、XY平面内においてテーブル10の異なる複数の部位のそれぞれに第3部材3が接続され、それら複数の第3部材3のそれぞれが軸受部材5及び支持部材6によって支持される。これにより、X軸方向及びY軸方向に関するテーブル10の移動のみならず、θZ方向に関するテーブル10の移動(回転)も抑制される。
次に、上述のテーブル装置100の動作の一例について説明する。アクチュエータ7の作動により、動力伝達装置11を介して、第1部材1にアクチュエータ7の動力が伝達される。アクチュエータ7の作動により、第1部材1がX軸方向に移動する。第1部材1は、ガイド装置9にガイドされてX軸方向に円滑に移動する。ガイド装置9により、第1部材1は、X軸方向に目標軌道(望みの軌道)で移動される。本実施形態においては、ガイド装置9により、第1部材1は、X軸方向に真っ直ぐに移動可能である。
X軸方向に関する第1部材1の移動により、第2部材2がZ軸方向に移動する。第2部材2は、ガイド装置4にガイドされてZ軸方向に円滑に移動する。第2部材2がZ軸方向に移動することにより、その第2部材2に支持されているテーブル10も、第2部材2と一緒にZ軸方向に移動する。
本実施形態においては、テーブル10に接続された第3部材3と、その第3部材3を移動可能に支持する軸受部材5との間に気体軸受5Gが形成される。気体軸受5Gは、第3部材3がX軸方向及びY軸方向に移動することを抑制しつつ、その第3部材3がZ軸方向に移動することを許容する。また、気体軸受5Gにより、軸受部材5は、第3部材3を非接触で支持する。すなわち、第3部材3との間に気体軸受5Gを形成する軸受部材5は、第3部材3がX軸方向及びY軸方向に移動することを抑制しつつ、その第3部材3をZ軸方向に移動可能に非接触支持する。軸受部材5は、非接触で、第3部材3をZ軸方向にガイドする。これにより、第3部材3及びその第3部材3に接続されたテーブル10は、Z軸方向に目標軌道(望みの軌道)で移動される。本実施形態においては、第3部材3との間に気体軸受5Gを形成可能な軸受部材5により、第3部材3及びその第3部材3に接続されたテーブル10は、Z軸方向に真っ直ぐに移動可能である。
テーブル10に支持された物体Sが目標位置に配置されるように、アクチュエータ7が作動する。本実施形態においては、第3部材3を非接触でZ軸方向にガイドする気体軸受5Gを形成可能な軸受部材5が設けられているため、テーブル10の目標軌道(望みの軌道)で移動させることができる。そのため、テーブル装置100は、物体Sを目標位置に配置することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、第3部材3との間に気体軸受5Gを形成して、Z軸方向に第3部材3を移動可能に支持(ガイド)する軸受部材5を設けたので、その第3部材3が接続されたテーブル10は、目標軌道(望みの軌道)で移動可能である。本実施形態において、軸受部材5は、第3部材3がZ軸方向に真っ直ぐに移動するように、第3部材3を移動可能に支持(ガイド)する。これにより、その第3部材3が接続されたテーブル10は、Z軸方向に真っ直ぐに移動可能である。すなわち、気体軸受5Gを形成可能な軸受部材5により、第3部材3及びテーブル10の移動における真直性の低下が抑制される。これにより、テーブル10に支持されている物体Sは目標位置に配置される。
本実施形態において、第3部材3と軸受部材5との間に気体軸受5Gが形成され、軸受部材5は、非接触で第3部材3を支持する。これにより、第3部材3は、円滑にZ軸方向に移動可能である。軸受部材が第3部材3と接触すると、第3部材3の移動に対して抵抗力が発生する可能性がある。その結果、テーブル10及び第3部材3を真っ直ぐに移動しようとしたにもかかわらず、テーブル10及び第3部材3が真っ直ぐに移動しない可能性がある。また、軸受部材が第3部材3と接触すると、第3部材3の移動により振動が発生する可能性がある。第3部材3に振動が発生すると、テーブル10も振動し、その結果、テーブル10の位置決め精度が低下する可能性がある。本実施形態においては、軸受部材5が第3部材3を非接触で移動可能に支持するため、テーブル10及び第3部材3は真っ直ぐに移動可能である。また、振動の発生が抑制される。その結果、テーブル10の位置決め精度の低下が抑制され、テーブル10及びそのテーブル10に支持される物体Sを目標位置に配置することができる。
また、本実施形態においては、テーブル装置100は、第1部材1及び第2部材2の相対移動によりテーブル10を移動するくさび型昇降装置を含むため、角度θを調整することによって、X軸方向に関する第1部材1の移動量とZ軸方向に関する第2部材2の移動量との比(減速比、分解能)を調整することができる。
また、本実施形態においては、Z軸方向に関する第3部材3の移動範囲において、供給口15は、第3部材3の側面3Cと対向し続ける。これにより、第3部材3の移動範囲において、第3部材3と軸受部材5との間に気体軸受5Gを形成し続けることができ、第3部材3と軸受部材5との非接触状態を維持することができる。
また、本実施形態においては、Z軸方向に関して、第3部材3の寸法は、軸受部材5の寸法よりも大きい。これにより、軸受部材5の上端部から突出する第3部材3とテーブル10とを円滑に接続することができる。また、軸受部材5の下端部からも第3部材3が突出することによって、軸受部材5の上端部側と下端部側との質量(重量)のバランスが向上する。これにより、第3部材3は、真っ直ぐに移動可能である。
また、本実施形態においては、第3部材3の移動範囲において、第3部材3の中心G3は、軸受部材5の上端部(一端部)と下端部(他端部)との間に配置され続ける。これにより、第3部材3の移動中においても、軸受部材5の上端部側と下端部側との質量(重量)のバランスが向上するため、第3部材3は、真っ直ぐに移動可能である。
なお、本実施形態においては、軸受部材5が多孔体を含み、その多孔体の孔から供給される気体によって気体軸受5Gが形成される、所謂、多孔質絞り方式を例にして説明した。気体軸受5Gを形成するための軸受部材5の絞り方式は、多孔質絞りに限定されない。例えば、多孔体を用いない自成絞り方式でもよいし、オリフィス絞り方式でもよいし、軸受面(ガイド面)に設けられた溝を介して気体を供給する表面絞り方式でもよい。例えばオリフィス絞り方式の軸受部材5の場合、気体を供給する供給口15は、オリフィスの開口を含む。
なお、本実施形態においては、XY平面と平行な断面の第3部材3の外形が円形であることとした。図10に示すように、XY平面と平行な断面の第3部材30の外形が、多角形でもよい。図10に示す例では、第3部材30の断面の外形は、四角形である。なお、第3部材30の断面の外形は、三角形でもよいし、五角形でもよいし、六角形でもよいし、七角形でもよいし、八角形でもよい。軸受部材50は、第3部材30の側面との間に一定の間隙が形成されるように、第3部材30の断面の形状に基づいて定められてもよい。図10に示す例においては、第3部材30が、軸受部材50の内側でθZ方向に移動(回転)することが抑制される。第3部材30は、テーブル10に1つ(1本)接続されてもよい。2つ(2本)以上の複数の第3部材30がテーブル10に接続されてもよい。以下の実施形態においても同様である。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。図11は、本実施形態に係るテーブル装置100の一例を示す図である。図12は、図11のA−A線矢視図である。図13は、図11のテーブル装置100を−X側から見た図である。図14は、図11のテーブル装置100を+X側から見た図である。図15は、図11の一部を拡大した図である。
本実施形態において、テーブル装置100は、X軸方向に関する第2部材2の移動を抑制する抑制部材13を備えている。抑制部材13は、第1部材1及び第2部材2よりも−X側に配置される。X軸方向に関して、第2部材2の少なくとも一部は、第1部材1と抑制部材13との間に配置される。抑制部材13は、ベース部材8に固定される。
例えば−X方向への第1部材1の移動により、第2部材2が第1部材1と一緒に−X方向へ移動する可能性がある。また、+X方向への第1部材1の移動により、第2部材2が第1部材1と一緒に+X方向へ移動する可能性がある。本実施形態においては、抑制部材13により、第2部材2がX軸方向に移動することが抑制される。これにより、X軸方向に関する第1部材1の移動が、Z軸方向に関する第2部材2の移動に効率良く変換される。
また、抑制部材13は、X軸方向に作用する第2部材2からの力を受け止める。そのため、第3部材3及び軸受部材5に対して第2部材2からX軸方向に関する力が作用することが抑制される。これにより、第3部材3と軸受部材5との間の間隙の寸法が維持される。したがって、気体軸受5Gの性能の低下が抑制され、気体軸受5Gは第3部材3をZ軸方向にガイド可能である。
本実施形態において、テーブル装置100は、少なくとも一部が抑制部材13に配置され、第2部材2をガイドするガイド装置14を有する。ガイド装置14は、第2部材2をZ軸方向にガイドする。図11及び図15に示すように、本実施形態において、ガイド装置14は、抑制部材13に配置されたレール141と、第2部材2に配置され、レール141を移動可能なスライダ142とを含む。スライダ142は、第2部材2の側面2Sに配置される。レール141は、スライダ142と対向するように、抑制部材13の側面13Sに配置される。
ガイド装置14は、直動型の軸受を含む。本実施形態において、ガイド装置14は、直動型の転がり軸受を含む。ガイド装置14が、図6を参照して説明したような、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含んでもよい。
なお、ガイド装置14において、抑制部材13の側面13Sにスライダ142が配置され、第2部材2の側面2Sにレール141が配置されてもよい。
図11などに示すように、本実施形態において、テーブル装置100は、第2部材2とテーブル10との間に配置され、テーブル10を柔軟に支持する支持装置19を有する。第2部材2は、支持装置19を介して、テーブル10を支持する。本実施形態において、支持装置19は、球面軸受23を含む。球面軸受23は、Z軸方向に関する荷重を受けるように配置される。支持装置19は、外面が球面である内輪部材20と、内輪部材20の外面と球面接触する支持面を有する外輪部材21とを含む。本実施形態において、外輪部材21は、第2部材2の上面2Aに配置される。内輪部材20は、接続部材22を介してテーブル10の下面10Bに接続される。テーブル10が支持装置19を介して第2部材2に支持されているので、テーブル10と第2部材2とは相対移動可能である。本実施形態においては、支持装置19により、Z軸方向に関するテーブル10と第2部材2との相対移動が抑制(制限)され、Z軸方向以外の方向(X軸、Y軸、θX、θY、及びθZ方向)に関するテーブル10と第2部材2との相対移動が許容される。
本実施形態において、接続部材22(支持装置19)は、テーブル10の下面10Bの中央部に接続される。複数(4つ)の第3部材3は、接続部材22を囲むように配置される。複数の第3部材3のそれぞれは、テーブル10の下面10Bの周縁部に接続される。
テーブル10が支持装置19を介して第2部材2に支持されているので、抑制部材13(ガイド装置14)と第2部材2との接触により、第2部材2が振動したり、第2部材2が目標軌道から外れて移動したりしても、テーブル10(内輪部材20)と第2部材2(外輪部材21)との相対移動により、その望まれない移動(振動)が吸収される。これにより、テーブル10が目標軌道から外れて移動したり、第2部材2の振動がテーブル10に伝達されたりすることが抑制される。
次に、上述のテーブル装置100の動作の一例について説明する。アクチュエータ7の作動により、動力伝達装置11を介して、第1部材1にアクチュエータ7の動力が伝達される。アクチュエータ7の作動により、第1部材1がX軸方向に移動する。第1部材1は、ガイド装置9にガイドされてX軸方向に移動する。ガイド装置9により、第1部材1は、X軸方向に目標軌道(望みの軌道)で移動される。本実施形態においては、ガイド装置9により、第1部材1は、X軸方向に真っ直ぐに移動可能である。
X軸方向に関する第1部材1の移動により、第2部材2がZ軸方向に移動する。第2部材2は、ガイド装置4にガイドされてZ軸方向に移動する。また、抑制部材13により、第2部材2は、X軸方向に関する移動を抑制されつつ、Z軸方向に移動する。また、第2部材2は、ガイド装置14にガイドされてZ軸方向に移動する。第2部材2がZ軸方向に移動することにより、その第2部材2に支持されているテーブル10も、第2部材2と一緒にZ軸方向に移動する。
気体軸受5Gは、第3部材3がX軸方向及びY軸方向に移動することを抑制しつつ、その第3部材3がZ軸方向に移動することを許容する。また、気体軸受5Gにより、軸受部材5は、第3部材3を非接触で支持する。これにより、第3部材3及びその第3部材3に接続されたテーブル10は、Z軸方向に目標軌道(望みの軌道)で移動される。本実施形態においても、第3部材3との間に気体軸受5Gを形成可能な軸受部材5により、第3部材3及びその第3部材3に接続されたテーブル10は、Z軸方向に真っ直ぐに移動可能である。
テーブル10に支持された物体Sが目標位置に配置されるように、アクチュエータ7が作動する。本実施形態においては、第3部材3を非接触でZ軸方向にガイドする気体軸受5Gを形成可能な軸受部材5が設けられているため、テーブル10の目標軌道(望みの軌道)で移動させることができる。そのため、テーブル装置100は、物体Sを目標位置に配置することができる。
以上説明したように、本実施形態においても、第3部材3が接続されたテーブル10は、目標軌道(望みの軌道)で移動可能である。軸受部材5は、第3部材3がZ軸方向に真っ直ぐに移動するように、第3部材3を移動可能に支持(ガイド)する。これにより、テーブル10に支持されている物体Sは目標位置に配置される。
本実施形態においては、抑制部材13が設けられるため、X軸方向に第1部材1が移動しても、第2部材2がX軸方向に移動することが抑制される。これにより、X軸方向に関する第1部材1の移動が、Z軸方向に関する第2部材2の移動に効率良く変換される。
また、本実施形態においては、テーブル10が支持装置19を介して第2部材2に支持されているので、抑制部材13(ガイド装置14)と第2部材2との接触により、第2部材2が望まれない移動(振動)をしても、支持装置19により、その望まれない移動(振動)がテーブル10に伝達されることが抑制される。
なお、本実施形態において、抑制部材13は省略されてもよい。支持装置19が設けられ、抑制部材13が省略されてもよい。第2部材2はテーブル10に連結され、そのテーブル10に第3部材3が接続されている。気体軸受5Gにより、X軸方向及びY軸方向に関する第3部材3の移動が抑制されている。そのため、抑制部材13が省略されても、第2部材2及びテーブル10がX軸方向に移動することが抑制される。
なお、本実施形態において、支持装置19は省略されてもよい。抑制部材13が設けられ、支持装置19が省略されてもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。図16は、本実施形態に係るテーブル装置100を備える半導体製造装置200の一例を示す図である。半導体製造装置200は、半導体デバイスを製造可能な半導体デバイス製造装置を含む。半導体製造装置200は、半導体デバイスを製造するための物体Sを搬送可能な搬送装置300を含む。搬送装置300は、本実施形態に係るテーブル装置100を含む。なお、図16においては、テーブル装置100を簡略して図示する。
本実施形態において、物体Sは、半導体デバイスを製造するための基板である。物体Sから半導体デバイスが製造される。物体Sは、半導体ウエハを含んでもよいし、ガラス板を含んでもよい。物体Sにデバイスパターン(配線パターン)が形成されることによって、半導体デバイスが製造される。
半導体製造装置200は、処理位置PJ1に配置された物体Sに対して、デバイスパターンを形成するための処理を行う。テーブル装置100は、テーブル10に支持された物体Sを処理位置PJ1に配置する。搬送装置300は、テーブル装置100のテーブル10に物体Sを搬送(搬入)可能な搬入装置301と、テーブル10から物体Sを搬送(搬出)可能な搬出装置302とを含む。搬入装置301によって、処理前の物体Sがテーブル10に搬送(搬入)される。テーブル装置100によって、テーブル10に支持された物体Sが処理位置PJ1まで搬送される。搬出装置302によって、処理後の物体Sがテーブル10から搬送(搬出)される。
テーブル装置100は、テーブル10を移動して、テーブル10に支持された物体Sを処理位置PJ1に移動する。上述の実施形態で説明したように、テーブル10は、第3部材3と接続されている。第3部材3は、軸受部材5によって非接触でガイドされる。そのため、テーブル装置100は、テーブル10を目標軌道で移動可能であり、テーブル10に支持された物体Sを処理位置(目標位置)PJ1に配置可能である。
例えば、半導体製造装置200が、光学系201を介して物体Sのデバイスパターンを計測する計測装置を含む場合、処理位置PJ1は、光学系201の焦点の位置(計測位置)を含む。処理位置PJ1に物体Sが配置されることにより、半導体製造装置200は、光学系201を介して、物体Sに形成されたデバイスパターンの画像を取得可能である。半導体製造装置200が、物体Sに膜を形成する成膜装置を含む場合、処理位置PJ1は、膜を形成するための材料が供給可能な位置である。処理位置PJ1に物体Sが配置されることにより、デバイスパターンを形成するための膜が物体Sに形成される。
処理位置PJ1において物体Sが処理された後、その処理後の物体Sが搬出装置302によってテーブル10から搬送される。搬出装置302によって搬送(搬出)された物体Sは、後工程を行う処理装置に搬送される。
本実施形態においては、テーブル装置100は、物体Sを処理位置(目標位置)PJ1に配置可能であるため、不良な製品が製造されてしまうことが抑制される。すなわち、テーブル装置100によって、半導体製造装置200における物体Sの位置決め精度の低下が抑制されるため、不良な製品の発生が抑制される。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。図17は、本実施形態に係るテーブル装置100を備える検査装置400の一例を示す図である。検査装置400は、半導体製造装置200によって製造された物体(半導体デバイス)S2を検査する。検査装置400は、物体S2を搬送可能な搬送装置300Bを含む。搬送装置300Bは、本実施形態に係るテーブル装置100を含む。なお、図17においては、テーブル装置100を簡略して図示する。
検査装置400は、検査位置PJ2に配置された物体S2の検査を行う。テーブル装置100は、テーブル10に支持された物体S2を検査位置PJ2に配置する。搬送装置300Bは、テーブル装置100のテーブル10に物体S2を搬送(搬入)可能な搬入装置301Bと、テーブル10から物体S2を搬送(搬出)可能な搬出装置302Bとを含む。搬入装置301Bによって、検査前の物体S2がテーブル10に搬送(搬入)される。テーブル装置100によって、テーブル10に支持された物体S2が検査位置PJ2まで搬送される。搬出装置302Bによって、検査後の物体S2がテーブル10から搬送(搬出)される。
テーブル装置100は、テーブル10を移動して、テーブル10に支持された物体S2を検査位置PJ2に移動する。上述の実施形態で説明したように、テーブル10は、第3部材3と接続されている。第3部材3は、軸受部材5によって非接触でガイドされる。そのため、テーブル装置100は、テーブル10を目標軌道で移動可能であり、テーブル10に支持された物体S2を検査位置(目標位置)PJ2に配置可能である。
本実施形態において、検査装置400は、検出光を用いて物体S2の検査を光学的に行う。検査装置400は、検出光を射出可能な照射装置401と、照射装置401から射出され、物体S2で反射した検出光の少なくとも一部を受光可能な受光装置402とを含む。本実施形態において、検査位置PJ2は、検出光の照射位置を含む。検査位置PJ2に物体S2が配置されることにより、物体S2の状態が光学的に検査される。
検査位置PJ2において物体S2の検査が行われた後、その検査後の物体S2が搬出装置302Bによってテーブル10から搬送される。
本実施形態においては、テーブル装置100は、物体S2を検査位置(目標位置)PJ2に配置可能であるため、検査不良の発生を抑制できる。すなわち、検査装置400は、物体S2が不良であるか否かを良好に判断することができる。これにより、例えば不良な物体S2が後工程に搬送されたり、出荷されたりすることが抑制される。
なお、本実施形態においては、テーブル10がZ軸方向に移動することとした。本実施形態において、テーブル10がZ軸に対して傾斜する方向に移動されてもよい。第1部材1がXY平面に対して傾斜する方向に移動されてもよいし、第2部材2がZ軸に対して傾斜する方向に移動されてもよい。軸受部材5に非接触支持された第3部材3は、その傾斜する方向にテーブル10をガイド可能である。軸受部材5に非接触支持される第3部材3により、テーブル10は、その傾斜する方向に真っ直ぐに移動可能である。