JP5750868B2 - 調理システム及び食材セット包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、食材を加熱して調理する調理器具を備えた調理システム、この調理システムに用いる食材セット包装体に関し、特に、ある料理をつくる際に、誰が調理しても、同じ味加減、同じ火加減で、同じ出来栄えの料理を再現することが可能な調理システム及び食材セット包装体に関する。
一般に、自宅で調理する場合は、小売店で購入した食材を、自宅の台所で包丁などを用いて適当な大きさに切断し、この食材を調理容器に入れ、さらに調味料などを適宜入れながら、調理器具により加熱するといった手順で行われる。
また、書店などでは、レシピが掲載された本が販売されており、この本を購入し、そのレシピにしたがって調理を行うことも行われる。
ところが、実際に調理を行ってみると、食材の品質、量、カットの大きさ、調理容器の種類や大きさ、調理器具の種類などの要因が相互にマッチングしないことが原因で、思い通りに調理できないことが多かった。
そこで、その原因を解消して、おいしい料理をつくるための技術が提案されている。
例えば、生鮮食材又は半調理された食材が封入されたパッキング体に、調理情報が記録されたバーコードを付しておき、調理器具が、そのバーコードを読み取ると、このバーコードの示す調理情報に沿って加熱調整を行う技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
この技術によれば、食材に適した調理情報に沿って調理器具が加熱調整を行うため、食材の品質等と調理器具とがマッチングして、おいしい料理をつくることができる。
また、調理器具である電子レンジが、包装体に付されたICタグから食品情報を読み取り、この食品情報にもとづいて調理条件を設定し、この調理条件に即した出力で加熱調理を行う技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
この技術によれば、調理条件が食品情報にもとづいて設定されるので、食材の品質等と調理器具とがマッチングして、おいしい料理をつくることができる。
特開2007−134128号公報 特開2001−317741号公報
しかしながら、上述した特許文献1〜2に記載の技術は、食材と調理器具とのマッチングに着目したものであり、調理容器については、ほとんど着目していなかった。
特許文献1〜2において、調理容器は、例えば、軟質合成樹脂シート(特許文献1)や紙(特許文献2)などで形成されている。また、調理容器は、これら以外にも、種々の材料で形成することができる。
また、実際に店頭に並んでいる食材セットの中には、食材と調理容器が一緒にパッケージングされたものがあり、その具体例として、例えば、簡易ジンギスカン鍋セットが知られている。かかる簡易ジンギスカン鍋セットは、ラム肉や野菜、専用のタレなどとともに、クロームメッキ鋼板製あるいはアルミ製の簡易ジンギスカン用鍋が入った状態で包装され、販売されている。
このうち、ジンギスカン用鍋は、使用回数が一回であることを前提に製造されているために簡易なつくりとなっているが、実際には、ガスコンロの強火や誘導加熱調理器の高出力に耐え得るだけの耐熱性、耐久性を有しているので、数回程度の利用が可能である。
ただし、このことは、使い捨ての使用形態から考えると過剰スペックであり、コストの押し上げの要因となっていた。しかも、使い捨てを前提とするので、毎回廃棄することになり、ゴミが増加していた。
また、ジンギスカン用鍋は、その形状からジンギスカンに適しているが、食材を代えて、他の肉やホルモン、野菜や魚などを焼くこともできる。このように、同じ一つのジンギスカン用鍋でも、食材を変えれば、複数種類の料理が楽しめるので、料理のレパートリーを広げることもできる。
さらに、食材と簡易な調理容器とのセット販売は、ジンギスカンに限るものではなく、例えば、寄せ鍋セットや水炊きセット、パエリア用や鍋焼きうどんなど、メニューは無限であり、需要の見通しが立てば、市場の拡大も見込まれる。
ところが、ユーザとっては、簡易な調理容器の使用限度を判断したり、使用回数を管理したりすることは容易ではない。例えば、強火で計5時間加熱調理した場合と、弱火で計5時間加熱調理した場合では、前者の方が簡易鍋のダメージが大きいはずであるが、ユーザがこれを判断するのは困難である。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、調理容器の使用限度を的確に判断可能として、調理容器を安心して再利用できるようにする調理システム及び食材セット包装体の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の調理システムは、食材が封入された包装容器と、食材を投入する調理容器と、この調理容器に投入された食材を加熱する調理器具とを備えた調理システムであって、包装容器又は調理容器は、食材の調理に関するレシピ情報を記憶する第一記録媒体を有し、調理容器は、該調理容器の使用可否を判断するための条件である使用制限情報と、該調理容器を用いて行われた過去の調理に関する情報である使用履歴情報とを記憶する第二記録媒体を有し、調理器具は、第一記録媒体からレシピ情報を読み取るとともに、第二記録媒体から使用制限情報と使用履歴情報とを読み取る情報読取手段と、使用制限情報と使用履歴情報とを用いて調理容器の使用の可否を判断する調理容器使用判定手段と、この調理容器使用判定手段での判断の結果を報知する報知手段と、調理容器使用判定手段での判断の結果、調理容器が使用可能であると判断されると、レシピ情報にもとづいて調理を実行する調理実行手段と、調理容器を用いて行われた調理に関する情報を使用履歴情報として調理容器の第二記録媒体に書き込む情報書込手段とを有し、第一記録媒体は、食材の調理に使用可能な調理容器を指定する調理容器指定情報を記憶し、第二記録媒体は、該第二記録媒体を有した調理容器を特定する調理容器特定情報を記憶し、調理器具の情報読取手段は、第一記録媒体から調理容器指定情報を読み取るとともに、第二記録媒体から調理容器特定情報を読み取り、調理容器使用判定手段は、調理容器指定情報が指定する調理容器と、調理容器特定情報が特定する調理容器が一致しているか否かを判断し、報知手段は、調理容器使用判定手段での判断の結果を報知する構成としてある。
また、本発明の食材セット包装体は、食材が封入された包装容器と、この包装容器とともに包装される調理容器とを備えた食材セット包装体であって、食材の調理に関するレシピ情報を記憶する第一記録媒体を備え、調理容器は、該調理容器の使用可否を判断するための条件である使用制限情報と、該調理容器を用いて行われた過去の調理に関する情報である使用履歴情報とを記憶する第二記録媒体を有し、使用制限情報及び使用履歴情報は、調理容器の使用の可否の判断に用いられる構成としてある。
本発明の調理システム及び食材セット包装体によれば、使い捨てとされる調理容器を、安全かつ安心して複数回使用することができる。
また、ユーザにとっては、調理容器の再利用により、出費が抑えられるとともに、資源の有効利用にもなり、ゴミの排出量を減らすこともできる。
調理システムの構成を示す外観斜視図である。 包装容器用ICタグ記憶情報の構成を示す図表である。 第一実施形態における調理容器用ICタグ記憶情報の構成を示す図表である。 調理器具の構成を示す外観斜視図である。 第一実施形態における調理器具制御方法の手順を示すフローチャートである。 第二実施形態における調理容器用ICタグ記憶情報の構成を示す図表である。 調理器具記憶情報の構成を示す図表である。 第二実施形態における調理器具制御方法の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る調理システム及び食材セット包装体の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の調理システム及び食材セット包装体の第一実施形態について、図面を参照して説明する。
(1)調理システムの構成
調理システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、調理システムの構成を示す外観斜視図である。
図1に示すように、調理システム1は、食材セット包装体10と調理器具40とを備えている。
食材セット包装体10は、食材セット20と調理容器30が、一の包装体又は梱包体としてパッケージングされ、製造者から消費者(ユーザ)に流通されるものである。
食材セット20は、食材21が封入された包装容器22を一つ備えたものである。なお、食材セット20は、包装容器22を二つ以上備えたものとすることができる。
食材21は、所定の料理をつくるのに必要な具材である。例えば、所定の料理が「パエリア」の場合、食材21(具材)には、米、鶏肉、イカ、エビ、トマトなどが選択される。なお、所定の料理は、食材セット包装体10ごとに決められている。また、食材21は、製造者や店舗等にて予め下ごしらえされた状態で、包装容器22に封入されている。
包装容器22は、食材21が封入される袋体であって、酸素透過量が低い材料、気密性や遮光性を有する材料、加圧加熱殺菌処理に耐え得る材料などにより形成することができる。具体的には、例えば、レトルトパウチなどを用いることができる。
この包装容器22には、包装容器用ICタグ23が取り付けられている。
包装容器用ICタグ23は、図2に示すように、包装容器用ICタグ記憶情報として、「料理名情報」と、「食材情報」と、「調理容器指定情報」と、「レシピ情報」とを記憶する。
「料理名情報」は、食材セット包装体10ごとに決められた料理名を示す情報であって、食材21を調理することにより出来上がる料理の名称を示す。
「食材情報」は、食材21に関する情報であって、具体的には、包装容器22の番号(包装容器番号)、食材21の名称(食材名)、包装容器22ごとの食材21の分量(包装全量)などを示す情報が含まれている。
「調理容器指定情報」は、「料理名情報」に示された料理を行うのに適した調理容器30、「食材情報」に示された食材21を調理するのに適した調理容器30、又は、これら料理や調理を行う際に使用可能な調理容器30を指定する情報である。
この「調理容器指定情報」は、調理容器30を特定できる情報であれば形式を問わない。具体的には、調理容器30のメーカ名、商品名、製品番号、LOT番号などを用いることができる。
なお、図2においては、「調理容器指定情報」として調理容器30を指定する情報を一つのみ示しているが、一つに限るものではなく、例えば、複数の調理容器について、それぞれを指定する情報をリストアップすることもできる。
「レシピ情報」は、食材21の調理に関する情報であって、例えば、「調理手順」、「ユーザ実行内容」、「投入食材」、「投入量」、「調理器具実行内容」、「加熱出力」、「加熱時間」などを項目として構成することができる。
「調理手順」は、調理に際し、ユーザが実行する行為あるいは調理器具40が実行する処理の順番を示す。この「調理手順」にしたがって、調理器具40の動作がシーケンシャルに制御される。
「ユーザ実行内容」は、調理に際し、ユーザが実行する行為の内容を示す。具体的には、ユーザが包装容器22を開封して調理容器30に食材21を投入する「食材投入」、ユーザが食材21をまぜる「攪拌」などがある。
「投入食材」は、「ユーザ実行内容」に「食材投入」が示されているときに、調理容器30に投入される食材21が封入された包装容器22を示す。
「投入量」は、一回の「食材投入」において調理容器30に投入する食材21の分量を示す。例えば、一回の「食材投入」において、一の包装容器22に封入された食材21のすべてを投入するときは、「全量」が示される。また、一の包装容器22に封入された食材21を複数回に分けて調理容器30へ投入する場合には、「投入量」は、今回の投入分量が示される。
「調理器具実行内容」は、調理に際し、調理器具40が実行する処理の内容を示す。具体的には、調理器具40が食材21を加熱する「加熱」などがある。
「加熱出力」は、調理に際して食材21が受けるべき加熱の程度を示す。例えば、調理器具40としてIH調理器を用いる場合は、火力調節として「とろ火」、「弱火」、「中火」、「強火」、出力として「120W」、「230W」、「350W」、・・・、「3000W」などの中から選択される。
「加熱時間」は、「加熱出力」に示された出力で食材21を加熱する時間を示す。
なお、図2に示した「レシピ情報」は、一つの食材21を投入するステップと、攪拌しながら加熱するステップの二つのステップ(調理手順)を示しているが、ステップ数は、二つに限るものではなく、三つ以上とすることができる。また、調理内容としては、「食材投入」、「攪拌」、「加熱」の他にも、例えば、「さらに食材や水を追加する」、「強火で焦げ目を付けた後、裏返して、中火に落とす」、「硬め/柔らかめ、ウェルダン/レアなどの火加減を選択する」、「上蓋を被せて蒸らす」など、任意の調理内容を組み合わせて「レシピ情報」を構成することができる。
これら包装容器用ICタグ記憶情報を記憶する包装容器用ICタグ23は、包装容器22の表面に貼付してもよく、あるいは、包装容器22を構成するシート材の内部に埋め込んでもよい。
また、包装容器用ICタグ23は、食材21の調理に関するレシピ情報や調理容器30を指定する調理容器指定情報を記憶することから、「第一記録媒体」としての機能を有している。
さらに、複数の包装容器22によって一の食材セット20が構成されている場合、包装容器用ICタグ23は、個々の包装容器22、又は、食材セット20の全体を包装する梱包容器(包装容器)の一方又は双方に付すことができる。
ここで、梱包容器にのみ包装容器用ICタグ23を取り付ける場合には、「レシピ情報」で指定される投入食材を封入した包装容器22が判別できるように、それぞれの包装容器22を、表示内容や外形などで識別可能にしておくとよい。
また、個々の包装容器22の識別にICタグ(記録媒体)を用いることもできる。この場合、それら包装容器22ごとに、封入された食材21に関する「食材情報」を当該包装容器22に取り付けられたICタグに記憶させておく。そして、調理を行う際、そのICタグに記憶された「食材情報」を調理器具40のICリーダ42(後述)に読み取らせることで、「レシピ情報」の示す投入食材に合致しているか否かを判定させることができる。
さらに、一の食材セット20の梱包容器と複数の包装容器22のそれぞれにICタグを取り付ける場合には、「レシピ情報」を分散して記憶させることができる。例えば、食材セット20の梱包容器に取り付けられたICタグには、「調理器具実行内容」を除く「レシピ情報」を記憶させておき、複数の包装容器22のそれぞれに取り付けられたICタグには、「レシピ情報」のサブセットとして、封入された食材21に関する「調理器具実行内容」を記憶させておく。これにより、調理器具40は、食材セット20のICタグから「調理手順」を読み込み、この「調理手順」で指定された「投入食材」の包装容器22のICタグから「調理器具実行内容」を読み込むことで、調理を順次実行することができる。
調理容器30は、例えば、使い捨て容器などを用いることができ、調理の際、食材21が投入されるとともに、調理器具40から与えられた熱を食材21に伝える。また、調理容器30は、食材セット包装体10が製造者から消費者に流通する際には、食材21が封入された包装容器22を入れる収納筐体としての機能を有することができる。
さらに、調理容器30は、調理器具40の加熱方式に適合した材料を用いて形成される。例えば、IH調理器あるいはガスコンロ用としては、鋼鈑を耐熱性樹脂で被覆してトレイ状、鍋状などに成形したものを採用することができる。
この調理容器30には、調理容器用ICタグ31が取り付けられている。
調理容器用ICタグ31は、調理容器用ICタグ記憶情報を記憶している。
調理容器用ICタグ記憶情報は、図3に示すように、「設定情報」と、「書込情報」と項目として構成することができる。
「設定情報」は、調理容器用ICタグ31に予め記憶されている情報(該調理容器30がメーカから出荷される際に既にメーカにより記憶されている情報)であって、例えば、「調理容器特定情報」と、「使用制限情報」がある。
「調理容器特定情報」は、該「調理容器特定情報」を記憶する調理容器用ICタグ31が取り付けられた調理容器30を特定する情報である。具体的には、例えば、調理容器30のメーカ名、商品名、製品番号、LOT番号などを用いることができる。
「使用制限情報」は、調理容器30の使用の可否を判断するために設定された条件を示す情報である。この「使用制限情報」には、「使用可能回数」などがある。「使用可能回数」は、該調理容器30を用いて調理を行う回数の制限値を示す。
「書込情報」は、調理器具40のICライタ43(後述)によって調理容器用ICタグ31に書き込まれる情報であって、例えば、「使用履歴情報」がある。
「使用履歴情報」は、調理容器30を用いて行われた過去の調理に関する情報であって、例えば、「使用回数」を項目として構成することができる。「使用回数」は、該調理容器30を用いて過去に調理が行われた回数である。
なお、調理容器用ICタグ31は、使用制限情報や使用履歴情報、調理容器特定情報を記憶することから、「第二記録媒体」としての機能を有している。
また、調理容器用ICタグ31は、図1においては、調理容器30のフランジ部32に付されているが、フランジ部32に限るものではなく、例えば、食材21が投入される器部(うつわぶ)33に付したり、あるいは、フランジ部32にぶらさげたりすることができる。
さらに、調理容器用ICタグ31は、フランジ部32又は器部33の表面に貼付することができ、あるいは、フランジ部32等の厚み方向の内部に埋め込むことができる。
調理器具40は、調理容器30や食材21を加熱して、食材21を調理するための熱源である。
この調理器具40には、例えば、ガスコンロ、電気コンロ、電子レンジ、電磁調理器(IH調理器)、IH炊飯器などを用いることができる。
なお、本実施形態においては、調理器具40の代表例として、IH調理器について説明する。
調理器具(IH調理器)40は、図4に示すように、加熱部41と、ICリーダ42と、ICライタ43と、記憶部44と、温度センサ45と、表示部46と、入力部47と、スピーカ48と、制御部49とを有している。
加熱部41は、食材21及び調理容器30に熱を加える部分である。具体的には、例えば、IH調理器のプレート41−1及び誘導加熱コイル(図示せず)、ガスコンロのコンロ部分、電子レンジのマイクロ波放出部などが該当する。
ICリーダ42は、包装容器用ICタグ23や調理容器用ICタグ31から所定の情報を読み取る。
なお、ICリーダ42は、第一記録媒体である包装容器用ICタグ23から使用制限情報を読み取るとともに、第二記録媒体である調理容器用ICタグ31から使用履歴を読み取ることから、「情報読取手段」としての機能を有している。
ICライタ43は、調理容器用ICタグ31に対して所定の情報を書き込む。この所定の情報には、例えば、使用履歴情報などがある。
なお、ICライタ43は、図3に示す使用履歴情報を、第二記録媒体である調理容器用ICタグ31に書き込むことから、「情報書込手段」としての機能を有している。
記憶部44は、調理器具40の有する各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する。また、記憶部44は、ICリーダ42で読み取られた情報やICライタ43により書き込む情報を記憶する。
温度センサ45は、食材21の温度を、調理容器30等を介して間接的に測定する。この測定を行うために、温度センサ45は、例えば、IH調理器のプレート41−1の裏側、ガスコンロの五徳の近傍、電子レンジのテーブル付近などに設けることができる。
表示部46は、例えば、液晶ディスプレイなどで構成することができ、所定の情報やメッセージを表示する。この表示される所定のメッセージには、例えば、調理の際の対話メッセージや、調理容器30が使用制限を超過しているときの使用不可メッセージなどがある。
入力部47は、操作用の各種ボタン(例えば、スタートボタンやエンターキーなど)で構成することができ、調理にともないユーザが操作するボタン、例えば、調理の開始時に押されるスタートボタンや、ユーザが食材21を調理容器30に投入し終えた後に押されるエンターキーなどにより構成することができる。
なお、表示部46をタッチパネルで構成した場合は、この表示部46に入力部47としての機能を持たせることもできる。
スピーカ48は、警報音や音声ガイドなどを出力する。
制御部49は、調理器具40の構成各部を制御して、調理器具40の有する機能を実現する。また、制御部49は、調理容器30の使用回数を算出し、これを記憶部44に記憶させるとともに、ICライタ43を介して調理容器30の調理容器用ICタグ31に書き込ませる。
さらに、制御部49は、「調理器具制御方法」に関する処理を実行する。この処理については、次の「(2)調理器具制御方法」にて詳述する。
(2)調理器具制御方法
次に、本実施形態の調理器具40の動作(調理器具制御方法)について、図5を参照して説明する。
同図は、調理器具40が実行する調理器具制御方法の手順を示すフローチャートである。
調理器具制御方法は、調理器具40が、調理容器30について、食材21の調理に適したものであるか、調理器具40への使用に適したものであるか、調理容器30の使用制限を超過しているか否かを確認し、適していないときや超過しているときには、その調理容器30を使用しないようにユーザに報知し、一方、適しているときや超過していないときには、その調理容器30を用いて調理を実行する処理である。
図5に示すように、ユーザは、調理器具40の電源スイッチ(図示せず)をONにする(電源投入、ステップ10)。これにより、調理器具40が起動して、ステップ11以降の処理が実行される。なお、電子レンジなどのように、常時電源に接続されているものについては、ステップ10を省略できる。
次いで、ユーザは、包装容器22に付された包装容器用ICタグ23を、調理器具40のICリーダ42に近づける。これにより、ICリーダ42は、包装容器用ICタグ23から、包装容器用ICタグ記憶情報を読み取る(包装容器記憶情報の読み取り、ステップ11)。
また、ユーザは、調理容器30に付された調理容器用ICタグ31を、調理器具40のICリーダ42に近づける。これにより、ICリーダ42は、調理容器用ICタグ31から、調理容器用ICタグ記憶情報を読み取る(調理容器記憶情報の読み取り、ステップ12)。
ICリーダ42は、それら読み取った包装容器用ICタグ記憶情報と調理容器用ICタグ記憶情報を、制御部49へ送る。
制御部49は、受け取った包装容器用ICタグ記憶情報と調理容器用ICタグ記憶情報を、記憶部44に記憶させる。
また、制御部49は、包装容器用ICタグ記憶情報に含まれている「調理容器指定情報」と、調理容器用ICタグ記憶情報に含まれている「調理容器特定情報」を抽出する。そして、「調理容器指定情報」の示す調理容器(群)の中に、「調理容器特定情報」の示す調理容器30と一致するものがあるか否かを判断する(調理容器が指定のものか?、ステップ13)。
判断の結果、一致するものがないときは、制御部49は、表示部46に調理容器使用不可メッセージを表示させる(ステップ14)。調理容器使用不可メッセージは、調理容器30が「調理容器指定情報」の示す調理容器以外のものであるときに表示されるメッセージであって、例えば、「調理容器が指定外です!」といった表示内容とすることができる。また、制御部49は、調理容器30が指定のものでないことを示す警報音をスピーカ48から出力させることができる。これら調理容器使用不可メッセージの表示や警報音の出力などを行うことにより、調理容器30が使用できないことをユーザに報知できる。
一方、一致するものがあるときは、制御部49は、調理容器用ICタグ記憶情報の中から「使用履歴情報」の「使用回数」を抽出する(ステップ15)。また、制御部49は、調理容器用ICタグ記憶情報の中から「使用制限情報」の「使用可能回数」を抽出する。
次いで、制御部49は、「使用回数」の示す数値が「使用可能回数」の示す数値(閾値)を超過しているか否かを判断する(ステップ16)。
判断の結果、「使用回数」の示す数値が「使用可能回数」の示す数値を超過しているときは、制御部49は、表示部46に調理容器使用不可メッセージを表示させる(ステップ14)。調理容器使用不可メッセージは、調理容器30が使用制限を超過しているために使用できないことを示すメッセージであって、例えば、「調理容器が使用制限回数を超えています!」といった表示内容とすることができる。また、制御部49は、調理容器30が使用制限回数を超えていることを示す警報音をスピーカ48から出力させることができる。これら調理容器使用不可メッセージの表示や警報音の出力などを行うことにより、調理容器30が使用できないことをユーザに報知できる。
一方、「使用回数」の示す数値が「使用可能回数」の示す数値を超過していないときは、制御部49は、「レシピ情報」にもとづく処理(調理実行処理)を実行する(ステップ17)。この調理実行処理には、例えば、「レシピ情報」の「調理器具実行内容」と「加熱出力」と「加熱時間」とにもとづいて制御部49が加熱部41を駆動制御し、食材21や調理容器30を加熱する処理などが含まれる。
そして、制御部49は、「使用回数」の示す数値に「1」を加算する。ICライタ43は、その加算により得られた和を新たな「使用回数」として、調理容器用ICタグ31に書き込んで記憶させる(ステップ18)。
なお、制御部49は、使用制限情報と使用履歴とを用いて調理容器30の使用の可否を判断することから、「調理容器使用判定手段」としての機能を有している。
また、表示部46及びスピーカ48は、調理容器使用判定手段である制御部49にて調理容器30が使用できないと判断されると、この判断結果をユーザに知らせることから、「報知手段」としての機能を有している。
さらに、制御部49及び加熱部41は、レシピ情報にもとづいて調理を実行することから、「調理実行手段」としての機能を有している。
また、制御部49は、「レシピ情報」の各ステップのうち、「ユーザ実行内容」が指定されているステップを処理しようとする場合には、その「ユーザ実行内容」を示す言葉や文章を表示部46に表示させるなどしてユーザに伝えることができる。また、ユーザが「ユーザ実行内容」の示す内容を実行し、この実行を終了して入力部47を操作し、制御部49がその操作を確認すると、この確認の後に、次のステップを実行するようにすることができる。ただし、特に支障が無いときには、表示部46による報知や入力部47での操作を経ずに、次のステップを実行してもよい。
以上説明したように、本実施形態の調理システム及び食材セット包装体によれば、食材や調理器具に適した調理容器が予め指定されており、この調理容器を用いて調理を行うことから、食材に対していつも同じ熱量を加えることができ、誰が調理しても、同じ出来栄えで料理をつくることができる。
また、調理容器について使用回数などの使用制限が設けられているため、その制限に達するまで、調理容器を使用することができる。特に、調理容器が使い捨て容器の場合には、1回使って捨ててしまうのではなく、複数回の使用が可能となるため、ユーザにとっては、調理容器の再利用により出費が抑えられるとともに、資源の有効利用にもなり、ゴミの排出量を減らすこともできる。
さらに、調理容器の使用回数が使用制限を超過すると、調理器具が自動的にユーザに報知されるため、ユーザは、使い捨てとされる調理容器を、安全かつ安心して複数回にわたって使用することができる。
しかも、調理容器の使用回数や使用状況を調理器具が管理するので、ユーザは、それら使用回数等を自身で管理する必要がなくなり、省力化を図ることができる。
なお、本実施形態においては、食材セット20と調理容器30が食材セット包装体10として一つにまとめられて製造者から消費者へ流通されることとしているが、これに限るものではなく、食材セット20と調理容器30は、それぞれ別個独立して流通させることができる。このようにすれば、調理容器30の複数回の使用を効率的に行うことができる。すなわち、最初は、食材セット包装体10を購入し、これに同封されている調理容器30を用いて、同じく同封されている食材21を調理する。このとき、食材21は、食することで無くなるが、調理容器30は手許に残る。その後、食材セット包装体10ではなく食材セット20のみを購入し、最初の調理に用いた調理容器30を今回も使用して調理を行うことにより、同じ調理容器30を効率的に複数回にわたって使用することができる。
また、食材セット20と調理容器30が食材セット包装体10として一体的に流通する場合には、包装容器用ICタグ記憶情報を包装容器用ICタグ23ではなく調理容器用ICタグ31に記憶させることができる。これにより、包装容器用ICタグ23を省略することができる。また、この場合は、調理容器用ICタグ31が「第一記録媒体」の機能を兼ねる。
さらに、包装容器用ICタグ記憶情報を調理容器用ICタグ31に記憶させる場合において、その調理容器30を複数回にわたって調理に使用するとき、2回目以降の調理では、調理器具40が調理容器用ICタグ31から読み取る情報を、「使用履歴情報」等とし、食材に関する情報(食材情報やレシピ情報)については、調理容器用ICタグ31からは読み取らず、新たに購入された食材セット20の包装容器用ICタグ23から読み取るようにする。このようにすれば、1回目の調理と2回目以降の調理で食材21が異なる場合でも、それら食材21ごとに適した熱量を加えることができ、それぞれにおいしい料理をつくることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の調理システム及び食材セット包装体の第二の実施形態について、図6〜図8を参照して説明する。
図6は、調理容器用ICタグに記憶される調理容器用ICタグ記憶情報の構成を示す図表である。図7は、調理器具の記憶部に記憶される調理器具記憶情報の構成を示す図表である。図8は、本実施形態における調理器具の動作を示すフローチャートである。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、調理器具の出力を調整する点が相違する。すなわち、第一実施形態においては、「レシピ情報」の「加熱出力」が、そのまま調理器具の出力として設定されていたのに対し、本実施形態においては、「レシピ情報」の「加熱出力」で指定した通りに調理容器を加熱できるように、インピーダンスや導電率などの調理容器固有情報(マッチング情報)を参照して調理器具の出力の調整/更正を行う点で相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、本実施形態において、第一実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
(1)調理システムの構成
本実施形態の調理システム1は、食材セット包装体10と調理器具40とを備えている。
食材セット包装体10は、食材セット20と調理容器30が、一の包装体又は梱包体としてパッケージングされている。
調理容器30には、調理容器用ICタグ31が取り付けられている。
調理容器用ICタグ31は、調理容器用ICタグ記憶情報を記憶している。
調理容器用ICタグ記憶情報は、「設定情報」と「書込情報」とを有しており、「設定情報」には、図3に示す「調理容器特定情報」及び「使用制限情報」の他に、図6に示す「調理容器固有情報」が含まれている。
「調理容器固有情報」は、調理容器30に関する情報であって、特に、調理容器30の加熱特性に関する情報をいう。具体的には、例えば、「インピーダンス」や「導電率」(調理器具40がIH調理器の場合)、「熱容量」(調理器具40がコンロの場合)などの情報を「調理容器固有情報」とすることができる。
ここで、「インピーダンス」とは、調理器具40の加熱部41(IH調理器においては加熱コイル)に対する、無負荷時と、調理容器30を載置したときとの差分のインピーダンスをいう。
この「インピーダンス」は、調理容器30と調理器具40の組合せによって様々な値になるので、調理容器30のマッチングに関する固有情報としては、この「インピーダンス」が適用される調理器具40を指定する情報(「調理器具指定情報」)と一対に「インピーダンス」を記憶する。ただし、利用可能な調理器具40が複数ある場合は、この一対の情報を利用可能な調理器具40の数だけ複数記憶する(図6参照)。
なお、「調理器具指定情報」には、例えば、その指定する調理器具40のメーカ名、型番、機種名などを用いることができる。
「導電率」とは、調理容器30を形成する材料の導電率をいう。この「導電率」は、調理器具40によらずほぼ一定なので、一つだけ記憶すればよい。ただし、「インピーダンス」と併記して複数記憶しておいてもよい(図6参照)。
なお、「調理容器固有情報」として、「熱容量」を調理容器用ICタグ31に記憶させておくことが好ましい。
また、「調理容器固有情報」には、「インピーダンス」等の他に、例えば、調理容器30の外形寸法や内容量などを含めることができる。
さらに、本実施形態に挙げた「インピーダンス」、「導電率」、「熱容量」、「調理容器30の外形寸法」、「調理容器30の内容量」などは、あくまで「調理容器固有情報」の一例である。「調理容器固有情報」としてどのような情報を用いるかは、調理容器30の種類、調理容器30を形成する材料の物性、調理器具40の有する機能や性能などにより、任意に決めることができる。
調理器具(IH調理器)40は、加熱部41と、ICリーダ42と、ICライタ43と、記憶部44と、温度センサ45と、表示部46と、入力部47と、スピーカ48と、制御部49とを有している。
ICリーダ42は、包装容器20の包装容器用ICタグ23から包装容器用ICタグ記憶情報を読み取る。また、ICリーダ42は、調理容器30の調理容器用ICタグ31から調理容器用ICタグ記憶情報を読み取る。
記憶部44は、ICリーダ42で読み取られた包装容器用ICタグ記憶情報や調理容器用ICタグ記憶情報を記憶する。
また、記憶部44は、調理器具記憶情報を記憶する。この調理器具記憶情報には、図7に示すように、「出力情報」と、「調理器具特定情報」がある。
「出力情報」は、該調理器具40の出力を示す情報であって、「段階」と「出力」とを項目として構成されており、複数の段階ごとに出力が設定されている。なお、出力の単位は、[W]である。
「調理器具特定情報」とは、調理器具40を特定可能な情報(メーカ名、型番、機種名など)である。
制御部49は、調理器具制御方法に関する処理を実行する。この処理については、次の「(2)調理器具制御方法」にて詳述する。
(2)調理器具制御方法
次に、本実施形態の調理器具40の動作(調理器具制御方法)について、図8を参照して説明する。
同図は、調理器具40が実行する調理器具制御方法の手順を示すフローチャートである。
調理器具40の記憶部44には、予め「調理器具記憶情報」である「出力情報」と「調理器具特定情報」が記憶されている。
図8に示すように、ユーザは、調理容器30に付された調理容器用ICタグ31を、調理器具40のICリーダ42に近づける。これにより、ICリーダ42は、調理容器用ICタグ31から、「調理容器固有情報」を含む「設定情報」と、「書込情報」とを読み取る(ステップ20)。これら読み取られた「設定情報」と「書込情報」は、記憶部44に記憶される。
制御部49は、記憶部44から、「調理容器固有情報」に含まれる「調理器具指定情報」と、「調理器具特定情報」とを取り出す。そして、それら「調理器具指定情報」と「調理器具特定情報」とを比較し、「調理器具指定情報」の指定する一又は二以上の調理器具の中に、「調理器具特定情報」の特定する調理器具と一致するものがあるか否かを検索する。
検索の結果、「調理器具指定情報」の指定する調理器具(群)の中に「調理器具特定情報」の特定する調理器具と一致するものがあったときは、制御部49は、その調理器具に対応する「インピーダンス」と「導電率」とを取り出す。そして、制御部49は、それら「インピーダンス」及び「導電率」と、調理器具40が内部的に保有する更正情報とを用いて、適切な出力を算出し設定する(ステップ21)。これにより、出力は、「調理容器固有情報」にもとづいて調整される。この設定された出力は、記憶部44に記憶される。
そして、制御部49は、「レシピ情報」にもとづく処理(調理実行処理)を実行する(ステップ22)。このとき、調理容器30や食材21を加熱するための出力は、ステップ21にて設定された出力を用いる。
一方、検索の結果、「調理器具指定情報」の指定する調理器具(群)の中に「調理器具特定情報」の特定する調理器具と一致するものがなかったときは、その調理容器30が該調理器具40による調理に適さないことを示す「調理不適」と判定する。この場合、ステップ22の調理は実行しない。
なお、制御部49は、「調理器具指定情報」と「調理器具特定情報」とを比較することから、「調理容器使用判定手段」としての機能を有している。
また、制御部49は、調理容器固有情報にもとづいて出力を調整することから、「調理実行手段」としての機能を有している。
さらに、調理器具40がガスコンロの場合は、「調理容器固有情報」の項目として、「熱容量」が用いられる。調理器具40の制御部49は、調理容器30の「熱容量」を取得すると、内部更正情報にもとづいて適切な出力を設定する。
この「熱容量」は、調理器具40によらずほぼ一定なので、それだけ記憶していればよく、「調理器具指定情報」を記憶する必要はない。この場合、調理器具40の制御部49は「調理器具指定情報」と「調理器具特定情報」との比較判定を行わない。ただし、利用可能な調理器具40のリスト(「調理器具指定情報」)を合せて記憶しておいて、使用可否判定に利用してもよい。
以上説明したように、本実施形態の調理システム及び食材セット包装体によれば、調理容器の物性(インピーダンスなど)に応じて、調理器具の出力を調整することができる。これにより、食材に対していつも同じ熱量を加えることができ、誰が調理しても、同じ出来栄えで料理をつくることができる。
以上、本発明の調理システム及び食材セット包装体の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る調理システム及び食材セット包装体は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した第一実施形態では、調理容器の使用の可否を判断する際に用いられる使用制限情報が、調理容器の使用回数の制限回数であったが、これに限るものではなく、一の調理容器を用いて実行された過去の調理における加熱に関する累積データの制限値、例えば、加熱時間の制限値、加熱量の制限値、加熱温度×加熱時間の制限値などを使用制限情報に含むこともできる。
また、調理容器の使用の可否を判断する際に用いられる使用履歴情報が、調理容器の使用回数であったが、これに限るものではなく、一の調理容器を用いて実行された過去の調理における加熱に関するデータ、例えば、加熱時間、加熱量、加熱温度×加熱時間を使用履歴情報に含むこともできる。
さらに、使用制限情報に加熱時間の制限値等を含め、使用履歴情報に加熱時間等を含めた場合、調理器具の制御部は、過去の調理に使用された調理容器に対する加熱時間、加熱量、加熱温度×加熱時間の各累積値を算出し、この算出結果と該算出結果に対応する使用制限情報とを比較して、調理容器の使用の可否を判断するようにすることもできる。
また、上述した第一実施形態における調理容器ICタグ記憶情報に、「利用可能な調理器具のリスト」を含めることができる。これにより、調理器具の制御部は、該調理器具がその「利用可能な調理器具のリスト」に示される調理器具の中に含まれているか否かを判断し、判断の結果、含まれているときは、その調理容器を使用できるものと判定し、一方、含まれていないときは、その調理容器を使用できないものと判定する。
さらに、例えば、煮物料理のように、調理時間が長くかかる場合などで、ユーザが調理器具の前を離れることができるように、インタネットや携帯電話通信網などの公知の通信手段を介して、パソコンや携帯電話などの通信端末に調理の経過状況を表示させたり、火加減変更や調理の中断などの簡単な「ユーザ実行内容」を入力したりできるようにして、外部機器の通信端末に報知手段や入力手段を担わせることができる。
本発明は、調理容器の使用制限に関する発明であるため、調理容器を備えたシステムに利用可能である。
1 調理システム
10 食材セット包装体
20 食材セット
21 食材
22 包装容器
23 包装容器用ICタグ
30 調理容器
31 調理容器用ICタグ
40 調理器具
41 加熱部
42 ICリーダ
43 ICライタ
44 記憶部
46 表示部
47 入力部
48 スピーカ
49 制御部

Claims (10)

  1. 食材が封入された包装容器と、前記食材を投入する調理容器と、この調理容器に投入された前記食材を加熱する調理器具とを備えた調理システムであって、
    前記包装容器又は前記調理容器は、前記食材の調理に関するレシピ情報を記憶する第一記録媒体を有し、
    前記調理容器は、該調理容器の使用可否を判断するための条件である使用制限情報と、該調理容器を用いて行われた過去の調理に関する情報である使用履歴情報とを記憶する第二記録媒体を有し、
    前記調理器具は、
    前記第一記録媒体から前記レシピ情報を読み取るとともに、前記第二記録媒体から前記使用制限情報と前記使用履歴情報とを読み取る情報読取手段と、
    前記使用制限情報と前記使用履歴情報とを用いて前記調理容器の使用の可否を判断する調理容器使用判定手段と、
    この調理容器使用判定手段での判断の結果を報知する報知手段と、
    前記調理容器使用判定手段での判断の結果、前記調理容器が使用可能であると判断されると、前記レシピ情報にもとづいて調理を実行する調理実行手段と、
    前記調理容器を用いて行われた調理に関する情報を前記使用履歴情報として前記調理容器の前記第二記録媒体に書き込む情報書込手段とを有し
    前記第一記録媒体は、前記食材の調理に使用可能な調理容器を指定する調理容器指定情報を記憶し、
    前記第二記録媒体は、該第二記録媒体を有した調理容器を特定する調理容器特定情報を記憶し、
    前記調理器具の情報読取手段は、前記第一記録媒体から前記調理容器指定情報を読み取るとともに、前記第二記録媒体から前記調理容器特定情報を読み取り、
    前記調理容器使用判定手段は、前記調理容器指定情報が指定する調理容器と、前記調理容器特定情報が特定する調理容器が一致しているか否かを判断し、
    前記報知手段は、前記調理容器使用判定手段での判断の結果を報知する
    ことを特徴とする調理システム。
  2. 前記使用制限情報は、前記調理容器の使用制限回数、及び/又は、前記調理容器を用いて実行された過去の調理における加熱に関する累積データの制限値を含み、
    前記使用履歴情報は、前記調理容器の使用回数、及び/又は、前記調理容器を用いて実行された過去の調理における加熱に関するデータを含み、
    前記調理器具の調理容器使用判定手段は、
    前記使用制限情報と前記使用履歴情報とを比較して、前記調理容器の使用の可否を判断する
    ことを特徴とする請求項記載の調理システム。
  3. 前記第二記録媒体は、該第二記録媒体を有した調理容器の加熱特性に関する調理容器固有情報を記憶し、
    前記調理器具の情報読取手段は、前記第二記録媒体から前記調理容器固有情報を読み取り、
    前記調理器具の調理実行手段は、前記調理容器固有情報にもとづいて出力を調整する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の調理システム。
  4. 前記調理器具は、該調理器具を特定する調理器具特定情報を有し、
    前記調理容器固有情報は、該調理容器固有情報が適用される調理器具を一又は二以上指定する調理器具指定情報を含み、
    前記調理器具の調理容器使用判定手段は、前記調理器具指定情報と前記調理器具特定情報とを比較し、
    この比較の結果、前記調理器具指定情報の指定する一又は二以上の調理器具の中に前記調理器具特定情報の特定する調理器具と一致するものがある場合には、前記調理実行手段は、前記調理容器固有情報にもとづいて出力を調整する
    ことを特徴とする請求項記載の調理システム。
  5. 前記調理器具は、前記調理容器への前記食材の投入が終了したときに操作される入力手段を有した
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の調理システム。
  6. 前記報知手段は、前記調理容器使用判定手段で前記調理容器が使用できないと判断されると、この判断結果を示す音声を出力するスピーカを有した
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の調理システム。
  7. 食材が封入された包装容器と、この包装容器とともに包装される調理容器とを備えた食材セット包装体であって、
    前記食材の調理に関するレシピ情報を記憶する第一記録媒体を備え、
    前記調理容器は、該調理容器の使用可否を判断するための条件である使用制限情報と、該調理容器を用いて行われた過去の調理に関する情報である使用履歴情報とを記憶する第二記録媒体を有し、
    前記使用制限情報及び前記使用履歴情報は、前記調理容器の使用の可否の判断に用いられる
    ことを特徴とする食材セット包装体。
  8. 前記第一記録媒体は、前記食材の調理に使用可能な調理容器を指定する調理容器指定情報を記憶し、
    前記第二記録媒体は、該第二記録媒体を有した調理容器を特定する調理容器特定情報を記憶し、
    前記調理容器指定情報及び前記調理容器特定情報は、前記調理容器の使用の可否の判断に用いられる
    ことを特徴とする請求項記載の食材セット包装体。
  9. 前記使用制限情報は、前記調理容器の使用制限回数、及び/又は、前記調理容器を用いて実行された過去の調理における加熱に関する累積データの制限値を含み、
    前記使用履歴情報は、前記調理容器の使用回数、及び/又は、前記調理容器を用いて実行された過去の調理における加熱に関するデータを含む
    ことを特徴とする請求項又は記載の食材セット包装体。
  10. 前記第二記録媒体は、該第二記録媒体を有した調理容器の加熱特性に関する調理容器固有情報を記憶する
    ことを特徴とする請求項のいずれかに記載の食材セット包装体。
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