JP5750865B2 - 発振装置および電子機器 - Google Patents

発振装置および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP5750865B2
JP5750865B2 JP2010245660A JP2010245660A JP5750865B2 JP 5750865 B2 JP5750865 B2 JP 5750865B2 JP 2010245660 A JP2010245660 A JP 2010245660A JP 2010245660 A JP2010245660 A JP 2010245660A JP 5750865 B2 JP5750865 B2 JP 5750865B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oscillation device
piezoelectric element
elastic member
oscillation
piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010245660A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012100044A (ja
Inventor
康晴 大西
康晴 大西
黒田 淳
淳 黒田
元喜 菰田
元喜 菰田
岸波 雄一郎
雄一郎 岸波
重夫 佐藤
重夫 佐藤
行雄 村田
行雄 村田
内川 達也
達也 内川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2010245660A priority Critical patent/JP5750865B2/ja
Publication of JP2012100044A publication Critical patent/JP2012100044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5750865B2 publication Critical patent/JP5750865B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Transducers For Audible Bands (AREA)

Description

本発明は、圧電素子を備えた発振装置に関し、特に、弾性部材に圧電素子が装着されている発振装置、この発振装置を有する電子機器、に関する。
近年、携帯電話機やノート型コンピュータなどの携帯型の電子機器の需要が拡大している。このような電子機器では、テレビ電話や動画再生、ハンズフリー電話などの音響機能を商品価値とした薄型の携帯端末の開発が進められている。このような開発の中、音響部品である発振装置(スピーカ装置)に対して、高音質でかつ小型・薄型化への要求が高まっている。
従来、携帯電話等の電子機器には、発振装置として動電型発振装置が利用されてきた。この動電型発振装置は、永久磁石とボイスコイルと振動膜から構成されている。しかし、動電型発振装置は、その動作原理および構造から、薄型化には限界がある。一方、特許文献1、2には、圧電素子を発振装置として使用することが記載されている。
また、圧電素子を用いる発振装置の他の例としては、スピーカ装置のほか、圧電素子から発振された音波を用いて対象物までの距離などを検出する音波センサ(特許文献3を参照)など、種々の発振装置や電子機器が知られている。例えば、同一形状で同一材料の二個の圧電素子を弾性部材に二段に積層することで、バイモルフの発振装置を実現する提案がある(特許文献4)。また、平面形状のサイズが相違する二個の圧電素子を弾性部材の両面に一個ずつ配置することで、バイモルフの発振装置を実現する提案もある(特許文献5)。
再表2007−026736号公報 再表2007−083497号公報 特開平03−270282号公報 特開2002−112391号公報 特開2008−28593号公報
圧電素子を用いる発振装置は、圧電層の圧電効果を利用して、電気信号の入力による電歪作用により、振動振幅を発生させるものである。そして、動電型発振装置がピストン型の進退運動によって振動を発生させるのに対して、圧電素子を用いる発振装置は屈曲型の振動姿態をとるために振幅が小さくなる。このため、上記した動電型の発振装置に対して薄型化に優位である。
しかしながら、圧電層として一般的なセラミック材料は脆性材料である上に、機械損失が小さいため、電気機械品質係数Q(以下、機械係数Qと略す)が高い特性を持つ。動電型発振装置の機械係数Qは3〜5程度であるに対して、圧電型の発振装置の機械係数Qは約50である。
機械係数Qは共振時での振幅の先鋭度を示すため、要約すれば、圧電型の発振装置では、基本共振周波数近傍では音圧が高く、それ以外の帯域では音圧が著しく減衰することを意味する。このことは、小型化への問題を持つ。動電型の発振装置は機械係数Qは低く、ピストン状の振幅運動を発生させるのに対して、機械係数Qの高い圧電型の発振装置では屈曲運動の振動姿態をとる。
ピストン型では最大変位量は小さいが、振動端部での変位量が大きいため、同じ放射面積では体積排除量は屈曲型の振動姿態に対して優位となる。すなわち、圧電型の発振装置では、機械係数Qを低減するか、変位量を大幅に増大しない限り、動電型発振装置よりも小型化が困難である。
例えば、圧電型の発振装置において、動電型発振装置の三倍以上の変位を得る場合、応力が脆性材料の圧電セラミックに集中し、破損や破壊などの信頼性への問題が生じる。以上をまとめると、圧電型の発振装置では薄型化は可能であるが、原理上で小型化は困難である。
さらに、従来の圧電型の発振装置では、圧電セラミック上にランドとリード線を接合していた。しかしながら、圧電セラミックの形状が小型になるにつれ、ランドの重量や剛性、接合位置のなどの影響を強くうけ、基本共振周波数のバラツキによる、音圧レベル周波数特性のバラツキの問題点が生じていた。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、小型でありながら高効率で音響再生することができる発振装置、この発振装置を利用した電子機器、を提供するものである。
本発明の発振装置は、電界の印加により伸縮運動する平板状の圧電素子と、圧電素子の二つの主面の一方を拘束している平板状の金属弾性部材と、圧電素子の二つの主面の他方を拘束している平板状の樹脂弾性部材と、金属弾性部材と樹脂弾性部材とを支持している枠状の支持体と、を有し、金属弾性部材の周縁が支持体と直接接合しているとともに、樹脂弾性部材の周縁が支持体と直接接合しており、且つ、金属弾性部材の周縁と樹脂弾性部材の周縁とが相互に離間している
本発明の第一の電子機器は、本発明の発振装置と、発振装置に可聴域の音波を出力させる発振駆動部と、を有する。
本発明の第二の電子機器は、本発明の発振装置と、発振装置から発振されて測定対象物で反射した超音波を検知する超音波検知部と、検知された超音波から測定対象物までの距離を算出する測距部と、を有する。
本発明の発振装置では、圧電素子は電気機械品質係数Qが高いことから、特定の周波数帯域の限定した音波の再生には優位であり、高効率で音響再生することが可能となる。
本発明の実施の第一の形態の発振装置の構造を示す模式的な縦断正面図である。 圧電素子の構造を示す模式的な縦断正面図である。 本発明の実施の第二の形態の発振装置の構造を示す模式的な平面図である。 本発明の実施の第三の形態の発振装置の圧電素子の構造を示す模式的な分解斜視図である。 一従来例の発振装置の構造を示す縦断正面図である。 電子機器である携帯電話機の外観を示す模式的な正面図である。
[実施の第一の形態]
本発明の実施の第一の形態について図1および図2を参照して以下に説明する。本実施の形態の発振装置100は、図1に示すように、電界の印加により伸縮運動する平板状の圧電素子110と、圧電素子110の二つの主面の一方を拘束している平板状の金属弾性部材120と、圧電素子110の二つの主面の他方を拘束している平板状の樹脂弾性部材130と、金属弾性部材120と樹脂弾性部材130とを支持している枠状の支持体140と、を有する。
さらに、本実施の形態の発振装置100は、樹脂弾性部材130に圧電素子110に接続されているランド131とリード線132が埋含されている。樹脂弾性部材130と金属弾性部材120は圧電素子110の上下主面の何れかを拘束して、支持体140と直接接合している。
本構成の発振装置100では、圧電素子110の電歪効果を利用した伸縮運動を利用して音波を発振させる。ここで、圧電素子110は、図2に示すように、圧電材料111の両主面が電極層112,113によって拘束されており、電界の印加により圧電効果を利用して伸縮運動を発生する。
圧電材料111は、圧電効果を有する材料であれば、無機材料、有機材料ともに限定されないが、電気機械変換効率が高い材料、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)や、チタン酸バリウム(BaTiO3)などの材料が使用可能である。その厚みは特に限定されないが、10μm〜1mmであることが好ましい。セラミック材料が厚み10μm未満の場合、脆性材料であるため、機械強度の弱さから、取り扱い時に欠けや破損などが生じて、製造上の問題が生じる。
厚みが1mmを超える場合は、電気エネルギから機械エネルギに変換するエネルギ変換効率が著しく低下してしまう問題点がある。これは、電歪効果を利用する圧電セラミックでは、電気エネルギから機械エネルギへの変換効率は電界強度に依存するため、厚みの増加は必然的に変換効率の低下を招いてしまうからである。
電極層112,113を形成する電極材料については、電気伝導性を有する材料であれば、特に材質は限定されないが、例えば、銀や銀/パラジウムなどを使用することが可能である。特に、銀電極は低抵抗な汎用材料であるため、製造コストや製造プロセスで優位である。また、銀/パラジウムは耐酸化性に優れた低抵抗材料であるため、信頼性の観点から優位である。
その厚みは特に限定されないが、総厚で1〜50μであるのが好ましい。厚みが1μm未満の場合では、膜厚が薄いため、電極上に均一に成形できない問題点がある。電極層112,113の膜厚が100μmを超える場合は、電極層112,113が圧電材料に対して拘束面となり、エネルギ変換効率を低下させてしまう。
本発明の圧電素子110は、その一方の主面が金属弾性部材120によって拘束されている。金属弾性部材120は、圧電素子110から発生した振動を支持体140に伝播させる機能と機械強度を向上させる機能を持つ。
金属弾性部材120の厚みは5〜500μmであることが好ましい。また、材料の剛性を示す指標である縦弾性係数が、1〜500GPaであることが好ましい。金属弾性部材120の剛性が過度に低い場合や、過度の高い場合は、機械振動子として特性や信頼性を損なう問題点がある。なお、金属弾性部材120には、金属や樹脂など脆性材料である圧電セラミックに対して高い弾性率を持つ材料であれば特に限定されないが、加工性やコストの観点からリン青銅やステンレスなどの汎用材料が使用される。
本発明の圧電素子110は、金属弾性部材120に拘束されていない他方の主面が樹脂弾性部材130によって拘束されている。なお、樹脂弾性部材130には、あらかじめ、電極端子の役割を果たすランド131やリード線132が埋め込まれている。このため、本構成では電気接続時の製造容易性と信頼性が向上する。従来の圧電型の発振装置100では、圧電セラミック上にランド131とリード線132を接合していた。
しかしながら、圧電セラミックの形状が小型になるにつれ、ランド131の重量や剛性、接合位置のなどの影響を強くうけ、基本共振周波数のバラツキによる、音圧レベル周波数特性のバラツキの問題点が生じていた。特に、機械係数Qの高い圧電素子110では共振周波数近傍にエネルギが集中するため、基本共振周波数の僅かな変化でも音圧レベル周波数特性が著しく変化する。このため、一定形状に加工された樹脂弾性部材130にランド131とリード線132を埋設する本実施の形態の発振装置100では、製造工数の削減や、特性バラツキの安定化、信頼性向上などが実現できる。
また、圧電セラミックからなる圧電素子110は脆性材料ではあるため、機械応力による耐性は低い。圧電素子110の振幅運動の際に、応力が集中する特定の箇所では、圧電セラミックの機械強度の限界まで到達し、機械破壊、割れ、欠けなどの信頼性の問題が生じていた。
しかし、本実施の形態の発振装置100では、特定箇所の応力集中や落下時の衝撃エネルギーを、柔軟性が高く内部損失の大きい樹脂弾性部材130で吸収できる。また、ランド131接続時の高熱処理プロセスにより、消極(分極状態の破壊)が生じてしまう問題点があった。本実施の形態の発振装置100のように、樹脂弾性部材130を圧電セラミックに接合することで、容易に電気接続が可能となるため、消極などの信頼性も問題点を回避できる。
また、本実施の形態の発振装置100では、剛性が低い樹脂弾性部材130で拘束するため、圧電素子110への拘束による剛性増加を緩和できることから、特に、基本共振周波数への調整も容易となり、音響設計の自由度を高めることができ、工業的な価値も大きい。なお、樹脂弾性部材130は電気伝導性を有する材料であれば、いかなる材料も使用できるが、縦弾性係数が、100GPa以下であることが好ましい。
金属/樹脂弾性部材120,130は、圧電素子110から直接および間接に発生した振動で共振する。また、同時に金属/樹脂弾性部材120,130には、圧電素子110の基本共振周波数を調整する機能を持つ。なお、金属/樹脂弾性部材120,130は、円環状の支持体140で支持されている。金属/樹脂弾性部材120,130の機械的な発振装置100の基本共振周波数fは、以下の式で示されるように、負荷重量と、コンプライアンスに依存する。
[数1]
f=1/(2πL√(mC))
なお、"m"は質量、"C"はコンプライアンス、である。
言い換えれば、コンプライアンスは発振装置100の機械剛性であるため、このことは圧電素子110の剛性を制御することで基本共振周波数を制御できることを意味する。例えば、弾性率の高い材料の選択や、金属/樹脂弾性部材120,130の厚みを低減することで、基本共振周波数を低域にシフトさせることが可能となる。この一方で、弾性率の高い材料を選択することや、金属/樹脂弾性部材120,130の厚みを増加させることで基本共振周波数を高域にシフトさせることができる。
本実施の形態の発振装置100では、圧電素子110である圧電セラミックの特長を活かして、超音波(例えば、20kHz以下の周波数帯域)を発振することで可聴音の再生を行う。ここで超音波は変調波の輸送体として利用し、可聴帯域外が好ましく、例えば、100KHzなどが適している。また、本発明の発振装置100による音響再生方法は、超音波を変調波の輸送対として利用する音響再生器であるパラメトリックスピーカの動作原理を利用している。
AM(Amplitude Modulation)変調やDSB(Double Side Band amplitude modulation)変調、SSB(Single-Sideband Modulation)変調、FM(Frequency Modulation)変調をかけた超音波を空気中に放射し、超音波が空気中に伝播する際の非線形特性により、可聴音が出現する原理で音響再生を行っている。
非線形とは、流れの慣性作用と粘性作用の比で示されるレイノルズ数が大きくなると、層流から乱流に推移する現象が挙げられる。すなわち、音波は流体内で微少にじょう乱しているため、音波は非線形で伝播している。しかしながら、低周波数帯域での音波の振幅は非線形でありがら、振幅差が非常に小さく、通常、線形理論の現象として取り扱っている。これに対して、超音波では非線形性が容易に観察でき、空気中に放射した場合、非線形性に伴う高調波が顕著に発生する。
概略すれば、音波が空気中は分子集団が濃淡に混在する疎密状態であり、空気分子が圧縮よりも復元するのに時間が生じた場合、圧縮後に復元できない空気が、連続的に伝播する空気分子と衝突し、衝撃波が生じて可聴音が発生する原理である。なお、圧電素子110は電気機械品質係数Q(以下、機械係数Qと称す)が高い特徴を持つ。これは、基本共振周波数近傍にエネルギが集中するため、共振周波数近傍で音波は大きいが、それ以外の帯域では著しく減衰する特性を持つ。
すなわち、単一の周波数で音波を発振する圧電素子110では、機械係数Qが高いほど音波の音圧レベルは高く、電気機械変換効率の観点から優位となるため、本実施の形態の発振装置100では圧電素子110を使用することで効果が増大する。以下に、本発明の発振装置100の製造方法を述べる。まず、圧電素子110は、圧電素子110外径=φ15mm、厚み=100μm(0..01mm)の圧電板であり、各々の両面に、それぞれ厚み8μmの上部電極層112および下部電極層113を形成されている。
金属弾性部材120は、外径=φ17mm、厚み=100μm(0.3mm)のリン青銅からなる。また、樹脂弾性部材130は、外径=φ17mm、厚み=200μm(0.3mm)のポリエチレンポリマ−からなり、溶融成形によって、ランド131とリード線132とが、あらかじめ埋め込まれている。
支持体140は、支持体140は、外径=φ19mm、内径=φ18mmの中空状のケースであり、SUS304で形成されている。支持体140は、金属/樹脂弾性部材120,130、と直接接合している。また、圧電素子110は、中央に同心状に配置した。また、接合部材(図示せず)にはφ3mmのステンレスとPET材料を用いた。圧電素子110には、ジルコン酸チタン酸鉛系セラミックを用い、電極層112,113には銀/パラジウム合金(重量比70%:30%)を使用した。
この圧電セラミックの製造はグリーンシート法で行い、大気中で1100℃−2時間にわたって焼成し、その後、圧電材料層に分極処理を施した。圧電素子110と弾性部材との接着には、何れもエポキシ系接着剤を用いた。
以上のように、本発明に係る発振装置100は、小型で大音量の再生ができる。また、超音波を利用して音響再生する場合においては、指向性が狭く、ユーザのプライバシー保護などの点で、工業的な価値は大きい。
以上をまとめると、本発明の発振装置100は、図6に示すように、電子機器(例えば、携帯電話機、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、小型ゲーム機器など)の音源としても利用可能である。発振装置100全体の形状が増加せず、音響特性が向上することから、携帯型の電子機器に対しても好適に利用することが可能である。
[実施の第二の形態]
本発明の実施の第二の形態を、図3を参照して説明する。本実施の形態の発振装置200では、樹脂弾性部材230の形状が変更されている。本実施の形態の発振装置200では、第一の実施形態に樹脂弾性部材230に対して複数の空孔231が形成されている。このように、樹脂弾性部材230に空孔231を形成することで、樹脂弾性部材230の剛性を低減でき、基本共振周波数の調整が容易となる。
以上、本実施の形態の発振装置200は、図6に示すように、電子機器(例えば、携帯電話機、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、小型ゲーム機器など)の音源としても利用可能である。発振装置全体の形状が増加せず、音響特性が向上することから、携帯型の電子機器に対しても好適に利用することが可能である。
[第三の実施形態]
本発明の第三の実施形態について図4を参照して説明する。本実施の形態の発振装置300では、圧電素子310が積層型に構成されている。圧電素子310は、図4に示すように、圧電材料からなる圧電板311〜315が五層に積層された多層構造である。圧電板同士の間には電極層(導体層)321〜324が一層ずつ形成されている。各圧電板311〜315の分極方向は一層ごとに逆向きとなっており、また、電界の向きも交互に逆向きとなるように構成されている。このような積層構造の圧電素子310によれば、電極層間に生じる電界強度が高いため、圧電板の積層数に応じた分だけ、圧電素子全体としての駆動力が向上する。
以上、本実施形態に係る電気音響変換器は、図6に示すように、電子機器(例えば、携帯電話機、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、小型ゲーム機器など)の音源としても利用可能である。電気音響変換器全体の形状が増加せず、音響特性が向上することから、携帯型の電子機器に対しても好適に利用することが可能である。
[発明の他の実施例]
本発明の発振装置の特性評価を、以下、評価1〜評価2の評価項目で行った。
(評価1)音圧レベル周波数特性の測定:交流電圧1V入力時の音圧レベルを、素子から所定距離だけ離れた位置に配置したマイクロホンにより測定した。なお、この所定距離は、特に明記しない限り10cmであり、周波数の測定範囲は10Hz〜10kHzとした。
(評価2)落下衝撃試験:発振装置を搭載した携帯電話を50cm直上から、5回自然落下させ、落下衝撃安定性試験を行った。具体的には、落下衝撃試験後の割れ等の破壊を目視で確認し、さらに、試験後の音圧特性を測定した。その結果、音圧レベル差(試験前の音圧レベルと試験後の音圧レベルとの差のことを指す)が3dB以内を○とし、3dB以上を×とした。
[実施例1]
本発明の第一の実施の形態で記載した発振装置100の特性評価を実施した。
[比較例1]
比較例1として、図5の従来の動電型発振装置を作製した。
[実施例2]
実施例2として、実施の第二の形態の発振装置200を作製した。
[実施例3]
実施例3として、実施の第二の形態の発振装置200を作製した。
Figure 0005750865
上記の結果より明らかのように、実施例1,2の発振装置100,200によれば、小型でかつ高い音圧レベルを有し、音圧レベルの周波数特性は平坦である。
[実施例4]
実施例4として、図6に示すような携帯電話機を用意し、この筐体内に実施の第一の形態の発振装置100を搭載した。具体的には、携帯電話機の筐体内側面に、発振装置100を貼り付ける構成とした。
[実施例5]
実施例5として、図6に示すような携帯電話機を用意し、この筐体内に実施の第二の形態の発振装置200を搭載した。具体的には、携帯電話機の筐体内側面に、発振装置を貼り付ける構成とした。
[実施例6]
実施例6として、図6に示すような携帯電話機を用意し、この筐体内に実施の第三の形態の発振装置300を搭載した。具体的には、携帯電話機の筐体内側面に、発振装置を貼り付ける構成とした。
Figure 0005750865
上記の結果より明らかのように、実施例4〜6の発振装置100,200,300によれば、小型でかつ高い音圧レベルを有し、音圧レベルの周波数特性は平坦である。
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では発振装置100,200を携帯電話機の発音装置として利用することを例示した。しかし、発振装置100と、発振装置100から発振されて測定対象物で反射した超音波を検知する超音波検知部と、検知された超音波から測定対象物までの距離を算出する測距部と、を有する電子機器(図示せず)なども実施可能である。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
電界の印加により伸縮運動する平板状の圧電素子と、
前記圧電素子の二つの主面の一方を拘束している平板状の金属弾性部材と、
前記圧電素子の二つの主面の他方を拘束している平板状の樹脂弾性部材と、
前記金属弾性部材と前記樹脂弾性部材とを支持している枠状の支持体と、
を有する発振装置。
2.
前記樹脂弾性部材に前記圧電素子に順次接続されているランドとリード線とが埋含されている1.に記載の発振装置。
3.
前記圧電素子の発振周波数が20kHz以上である1.または2.に記載の発振装置。
4.
前記圧電素子の主面の平面形状が矩形である1.ないし3.の何れか1つに記載の発振装置。
5.
前記圧電素子の主面の平面形状が円形である1.ないし3.の何れか1つに記載の発振装置。
6.
前記圧電素子の主面の平面形状が楕円形である1.ないし3.の何れか1つに記載の発振装置。
7.
前記圧電素子は、セラミック層と電極層とが交互に積層された積層構造からなる1.ないし6.の何れか1つに記載の発振装置。
8.
前記圧電素子が可聴波の超音波変調波を発振する1.ないし7.の何れか1つに記載の発振装置。
9.
1.ないし8.の何れか1つに記載の発振装置と、
前記発振装置に可聴域の音波を出力させる発振駆動部と、
を有する電子機器。
10.
1.ないし8.の何れか1つに記載の発振装置と、
前記発振装置から発振されて測定対象物で反射した前記超音波を検知する超音波検知部と、
検知された前記超音波から前記測定対象物までの距離を算出する測距部と、
を有する電子機器。
100 発振装置
110 圧電素子
111 圧電材料
112 上部電極層
113 下部電極層
120 金属弾性部材
130 樹脂弾性部材
131 ランド
132 リード線
140 支持体
200 発振装置
230 樹脂弾性部材
231 空孔

Claims (10)

  1. 電界の印加により伸縮運動する平板状の圧電素子と、
    前記圧電素子の二つの主面の一方を拘束している平板状の金属弾性部材と、
    前記圧電素子の二つの主面の他方を拘束している平板状の樹脂弾性部材と、
    前記金属弾性部材と前記樹脂弾性部材とを支持している枠状の支持体と、
    を有し、
    前記金属弾性部材の周縁が前記支持体と直接接合しているとともに、前記樹脂弾性部材の周縁が前記支持体と直接接合しており、
    且つ、前記金属弾性部材の周縁と前記樹脂弾性部材の周縁とが相互に離間している発振装置。
  2. 前記樹脂弾性部材に前記圧電素子に順次接続されているランドとリード線とが埋含されている請求項1に記載の発振装置。
  3. 前記圧電素子の発振周波数が20kHz以上である請求項1または2に記載の発振装置。
  4. 前記圧電素子の主面の平面形状が矩形である請求項1ないし3の何れか一項に記載の発振装置。
  5. 前記圧電素子の主面の平面形状が円形である請求項1ないし3の何れか一項に記載の発振装置。
  6. 前記圧電素子の主面の平面形状が楕円形である請求項1ないし3の何れか一項に記載の発振装置。
  7. 前記圧電素子は、セラミック層と電極層とが交互に積層された積層構造からなる請求項1ないし6の何れか一項に記載の発振装置。
  8. 前記圧電素子が可聴波の超音波変調波を発振する請求項1ないし7の何れか一項に記載の発振装置。
  9. 請求項1ないし8の何れか一項に記載の発振装置と、
    前記発振装置に可聴域の音波を出力させる発振駆動部と、
    を有する電子機器。
  10. 請求項1ないし8の何れか一項に記載の発振装置と、
    前記発振装置から発振されて測定対象物で反射した超音波を検知する超音波検知部と、
    検知された前記超音波から前記測定対象物までの距離を算出する測距部と、
    を有する電子機器。
JP2010245660A 2010-11-01 2010-11-01 発振装置および電子機器 Expired - Fee Related JP5750865B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010245660A JP5750865B2 (ja) 2010-11-01 2010-11-01 発振装置および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010245660A JP5750865B2 (ja) 2010-11-01 2010-11-01 発振装置および電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012100044A JP2012100044A (ja) 2012-05-24
JP5750865B2 true JP5750865B2 (ja) 2015-07-22

Family

ID=46391476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010245660A Expired - Fee Related JP5750865B2 (ja) 2010-11-01 2010-11-01 発振装置および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5750865B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5909169B2 (ja) * 2012-09-25 2016-04-26 京セラ株式会社 音響発生器、音響発生装置および電子機器

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03175800A (ja) * 1989-12-04 1991-07-30 Onkyo Corp 圧電型スピーカ
JPH07213997A (ja) * 1994-02-09 1995-08-15 Hokuriku Electric Ind Co Ltd 圧電振動装置
JPH10224895A (ja) * 1997-02-04 1998-08-21 Murata Mfg Co Ltd 超音波センサ
JP2002315096A (ja) * 2001-04-09 2002-10-25 Nippon Soken Inc 超音波センサ
JP3668180B2 (ja) * 2001-11-15 2005-07-06 日本電信電話株式会社 超音波再生方法・超音波再生装置
JP2004221903A (ja) * 2003-01-14 2004-08-05 Sony Corp 圧電発音素子及びその製造方法
JP2006050309A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電型スピーカの保持構造
JP2010177867A (ja) * 2009-01-28 2010-08-12 Kyocera Corp 圧電スピーカ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012100044A (ja) 2012-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5761192B2 (ja) 発振装置および電子機器
JP5741580B2 (ja) 発振装置
JP5682973B2 (ja) 発振装置および電子機器
WO2012060041A1 (ja) 発振装置及び携帯装置
JP2012015755A (ja) 発振装置および電子機器
JP5771952B2 (ja) 発振装置および電子機器
JP2012015758A (ja) 発振装置、その製造方法、電子機器
JP5637211B2 (ja) 発振装置
JP5750865B2 (ja) 発振装置および電子機器
JP5440422B2 (ja) 発振装置
JP5617412B2 (ja) 発振装置および電子機器
JP2012029087A (ja) 発振装置
JP2012015757A (ja) 発振装置および電子機器
JP2012029110A (ja) 発振装置
JP2012029104A (ja) 発振装置および電子機器
JP5505165B2 (ja) 発振装置
JP2012029078A (ja) 発振装置
JP5488266B2 (ja) 発振装置
JP5691410B2 (ja) 発振装置
JP5516181B2 (ja) 発振装置
JP2011223478A (ja) 高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器
JP2012015764A (ja) 発振装置
JP2012134599A (ja) 発振装置および電子機器
JP2012015756A (ja) 電子機器および発振ユニット
JP2012015759A (ja) 発振装置および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150504

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5750865

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees