JP2011223478A - 高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型で大きな振動振幅が得られ、かつ高音質音の再生が可能な電気音響変換が得られる高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器の提供。
【解決手段】 高分子アクチュエータ101は、振動板1と、振動板1に拘束され、印加される電界に応じて収縮あるいは膨張する導電性高分子2と、振動板1を支持する支持体3,4とを含む。振動板1は音波を伝播させる機能を有する。導電性高分子2は振動板1に拘束され、印加される電界に応じて収縮あるいは膨張する機能を有する。支持体3および4は振動板1を支持する機能を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 高分子アクチュエータ101は、振動板1と、振動板1に拘束され、印加される電界に応じて収縮あるいは膨張する導電性高分子2と、振動板1を支持する支持体3,4とを含む。振動板1は音波を伝播させる機能を有する。導電性高分子2は振動板1に拘束され、印加される電界に応じて収縮あるいは膨張する機能を有する。支持体3および4は振動板1を支持する機能を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器に関し、特に携帯電話等の電子機器の音響部品として用いられる高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器に関する。
携帯電話等の電子機器の音響部品として動電型電気音響変換器が利用されている。この動電型電気音響変換器は、永久磁石とボイスコイルと振動膜から構成されている。その動作原理は、磁石を用いたステータの磁気回路の作用によりボイスコイルに固定された有機フィルム等の振動膜が振動し、音波を振動させるものである。
ところで、近年、携帯電話機やラップトップ型パーソナルコンピュータ等の携帯端末の需要が増えており、電気音響変換器の小型化への要求が高まりつつある。また、電気音響変換器の音響特性において重要な示強量である音圧レベルは、振動膜の空気に対する体積排除によって決定される。
一方、小型薄型の電気音響変換器を実現する手段として、圧電セラミックスによる圧電効果を利用した圧電型電気音響変換器がある。この圧電方式は、セラミック素材の圧電効果を利用して、電気信号の入力による電歪作用により、振動振幅を発生させるものである。上下層を電極材料で拘束されたセラミック自体が振動し、これが駆動源として機能するため、磁石やボイスコイルなど多数の部材から構成される磁気回路に比べ、部材点数が少なく、薄型化に優位である。
これに対して、圧電性を持つ高分子フィルム、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を振動源に使用する方法も挙げられる。このPVDFフィルムは、材料自体が圧電性を有することから、上下主面を電極で拘束することで、セラミックスと同様に、電気信号を入力することで、伸縮運動が発生する。このため、高い柔軟性と、高分子樹脂特有の高い内部損失特性を有することから、高音質・高信頼性の電気音響変換器の駆動源として期待される。
また、導電性高分子からなるメカノケミカル材料と、一組の電極とを有し、この材料に一方の電極を接触させ、両電極間に電圧をプラスとマイナスの方向を交互に任意に変えて印加して、その材料に収縮と伸張を与えることを特徴とするメカノケミカル材料の使用方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、2層構造のバイモルフ素子に関する発明であり、導電性硝子の表面にポリピロールを電極として設け、電極上にポリ−3−へキシルチオフェンを形成したのち、導電性硝子の上から引き剥がし、ポリピロール膜、ポリ−3−へキシルチオフェン膜からなるバイモルフ構造の素子を作製する技術が開示されている(特許文献2参照)。
しかし、動電型電気音響変換器を小型化する場合、振動膜の放射面面積が減少するため、音圧レベルが低下する問題があった。一方、音圧レベルを向上する手段として、磁気回路の発生力を高め、振動膜の振幅を増加させる方法がある。しかしながら、この手段においては磁束密度の増加や駆動電流の増加が必要とされ、永久磁石の体積増加やボイスコイルの太線化により、磁気回路の厚みが増加する課題がある。さらに、電流量増大に伴う消費電力の増加などの問題点もある。
また、圧電セラミックスによる圧電効果を利用した圧電型電気音響変換器は、内部損失が低いセラミックス材料を振動源とするため、有機フィルムを通して振幅を発生させる動電型電気音響変換器に比べ、機械品質係数Qが高い傾向にある。
例えば、動電型は3〜5程度に対して、圧電型では約50程度となる。機械品質係数Qは共振時に先鋭度を示すため、要約すれは、圧電型電気音響変換器では、基本共振周波数近傍では音圧が高く、それ以外の帯域では音圧が減衰することを意味する。すなわち、音圧レベル周波数特性において、音響特性の山谷が発生し、特定周波数の音が強調されたたり、消失されたりして、音楽再生などに十分な音質が得られない問題点を持つ。また、脆性材料であるセラミックスを用いるため、落下時の衝撃安定性が弱く、携帯電話などの小型電子機器に搭載した場合の信頼性確保に課題がある。
また、圧電性を持つ高分子フィルム、例えばPVDFは高純度の熱可塑性フッ素重合体であるため、圧電性を得るには緻密な精製工程が必要であり、一般的に高価な材料として認知されている。また、PVDFは材料線形性、すなわち、入力電圧に対する振動量との線形特性が悪いため、音響再生時の歪音が発生する問題点も持つ。このため、動電型電気音響変換器や圧電型電気音響変換器の代替となる、高音質で小型な電気音響変換器を生み出す画期的な技術が要求されていた。
また、特許文献1には、導電性高分子(メカノケミカル材料)に電極(本発明のリード線に対応)を接続する構成が記載されているだけであり、振動板を設け、その振動板に導電性高分子が拘束される構成は全く記載されておらず、よって特許文献1に記載の発明は本発明特有の効果を奏しない。
また、特許文献2には、導電性高分子(ポリ−3−へキシルチオフェン)に電極(ポリピロール)を接続する構成が記載されているだけであり、振動板を設け、その振動板に導電性高分子が拘束される構成は全く記載されておらず、よって特許文献2に記載の発明は本発明特有の効果を奏しない。
そこで、本発明の目的は、小型で大きな振動振幅が得られ、かつ高音質音の再生が可能な電気音響変換が得られる高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明による高分子アクチュエータは、振動板と、前記振動板に拘束され、印加される電界に応じて収縮あるいは膨張する導電性高分子と、前記振動板を支持する支持体とを含むことを特徴とする。
また、本発明による電気音響変換器は上記高分子アクチュエータを備えることを特徴とする。
また、本発明による電子機器は上記電気音響変換器を備えることを特徴とする。
本発明によれば、小型で大きな振動振幅が得られ、かつ高音質音の再生が可能な電気音響変換が得られる高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器が得られる。
まず、実施の形態の説明に入る前に、本発明の動作原理について説明する。図1は本発明に係る高分子アクチュエータの動作原理を示す模式図である。同図を参照すると、本発明に係る高分子アクチュエータ101は、振動板1と、導電性高分子2と、支持体3および4とを含んで構成される。
振動板1は音波を伝播させる機能を有する。導電性高分子2は振動板1に拘束され、印加される電界に応じて収縮あるいは膨張する機能を有する。支持体3および4は振動板1を支持する機能を有する。
すなわち、本発明に係る高分子アクチュエータ101は、駆動源に導電性高分子2の電解伸縮を利用していることを特徴とする。すなわち、振動板1と、導電性高分子2と、振動板1を固定する支持体3および4とを含んで構成され、導電性高分子2への電界印加による電界伸縮により、振動を発生させる高分子アクチュエータ101である。
このように構成された電気音響変換器(一例として、高分子アクチュエータ101)では、駆動源に、電場の状態に応じて伸縮を行う導電性高分子材料で構成されているため、磁気回路で構成される動電型電気音響変換器と比較して、小型な電気音響変換器が実現できる。
また、高分子材料自体が駆動源となり、駆動源自体が内部損失の高い高分子材料で構成されるため、変換器の機械品質係数Qが低く、共振周波数近傍での音圧ピークが小さく、音響の山谷がない平坦な音圧レベル周波数特性が実現できる。また、導電性高分子は化学的に安定であり、フィルム上に成形可能な材料もあることから、これを駆動源に用いた電気音響変換器は高い信頼性を有する。このため、高い信頼性を持ち低コストな電気音響変換器が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実施形態について説明する。図2は本発明に係る高分子アクチュエータの第1実施形態の縦断面図である。
同図を参照すると、本発明に係る高分子アクチュエータ102は、振動膜11と、この振動膜11の一方の面に固定された導電性高分子フィルム12と、振動膜11を固定支持する支持体13および14と、電気を接続するリード線15とを備えている。導電性高分子フィルム12は、振動を発生させる駆動源として機能している。
ここで、導電性高分子フィルム12は、電気化学的な酸化・還元反応により、伝導度の増減により膨張・収縮を可逆的に繰り返す材料である。すなわち、導電性高分子フィルム12は、酸化により負イオンが高分子鎖へドープされ、電導度が絶縁体から金属状態に転移し、膨張により変形する。
更に、このメカニズムを詳しく述べれば、以下のように説明できる。図3および図4は導電性高分子フィルム12の動作の一例を示す模式図である。図3で示すように電気化学的な酸化・還元反応によって導電性高分子は、(1)嵩高いドーパントの挿入、(2)ハイドロゲルで見られるような同種イオンの静電反発が生じる。これにより、π電子の非局在化が生じて、図4で示されるように分子形状の変化により膨張変形が発生するものである。なお、本発明では、この酸化・還元反応を利用した収縮運動を電気音響変換器(一例として、高分子アクチュエータ102)の駆動源に利用することが第一の特徴である。
図5はポリアセチレンの分子構造、図6はポリピロールの分子構造、図7はポリアニリンの分子構造をそれぞれ示す図である。本実施形態の電気音響変換器において、導電性高分子は電解収縮を発生する材料であれば、特に限定されないが、一例として、図5のようなポリアセチレン、図6のようなポリピロール、図7のようなポリアニリンが挙げられる。特に、ポリアニリン、ポリピロールは固体電解コンデンサの電極として広く実用化されている材料であり、製造安定性やコストなどで優位である。
図8は導電性高分子層の第1実施形態の縦断面図、図9は電解重合装置の第1実施形態の構成図、図10は重合の進行過程を示す分子構造の図である。本実施形態の電気音響変換器では、導電性高分子(一例として、導電性高分子フィルム12)層は図8のように構成される。図8を参照すると、導電性高分子20は上部電極層21、26と、電解液含浸繊維層22、25と、導電性高分子フィルム23と、封止樹脂24とを含んで構成される。
薄膜上に成形された導電性高分子フィルム23の上下主面に電解液を含浸させて電解液含浸繊維層22、25が接合している。また、電解液含浸繊維層22、25の導電性高分子に接合していないもう一方の主面が上部電極層21、26で拘束されており、更に、電解液の漏れを防止するために、上部電極層21、26、電解液含浸繊維層22、25、導電性高分子フィルム23の側面が封止樹脂24により封止されている。
導電高分子フィルム23は電解重合により作成されたポリポリピールをキャスト方により成形したものであり、詳しくは以下のように作製できる。電解重合については、図9で示される電解重合装置30において、作用電極31、参照電極32、対向電極33、電解液34を挿入し、定電流もしくは定電圧をかけることで、作用電極31上にフィルムが合成される。
本構成では、電解液34の一例として、ピロールと塩酸水溶液を用い、これを不活性ガスでバブリングして脱酸素処理を行い、呈電流を流すことで、図10に示すような重合が進行し、約50μmのポリピロールフィルムが形成される。また、本実施形態の導電性高分子層20は、導電性高分子フィルム23の上下主面に電解液を含浸させた電解液含浸繊維層22、25が接合している。ここでは、電解液としては、一例として塩酸水溶液を使用する。また、塩酸を含浸する繊維については、塩酸に耐性をもつ繊維であれば特に限定されないが、好ましくはセルロース繊維など汎用性の高い材料が使用できる。
また、本実施形態の導電性高分子層20では、電解液を含浸する電解液含浸繊維層22、25のもう一方の主面が上部電極層21、26によって拘束される。ここで、上部電極層21、26の材質は、電気伝導性の材料であれば金属材料など特に限定されないが、好ましくは銀や金、銀/パラジウムなどの材料が使用できる。また、上部電極層21、26の厚みについても特に限定されないが、好ましくは5〜100μmであることが好ましい。
上部電極層21、26が5μm未満では、表面状態が凹凸である電解液含浸繊維層22、25を拘束するには不十分である。また、100μmを超える場合は、上部電極層21、26の導電性高分子フィルム23に対する厚みが増大し、伸縮運動を発生させる際の拘束になってしまう問題点がある。なお、電解液含浸繊維層22、25と上部電極層21、26については、接着材や両面テープによる接合も可能であるが、この好ましくは、上下側面からの過重による密着拘束であってもよい。
また、本実施形態の導電性高分子層20では、電解液含浸繊維層22、25内に含浸した電解液が漏出しないように、導電性高分子フィルム23、電解液含浸繊維層22、25、上部電極層21、26の側面を樹脂材料により封止している。ここで使用する樹脂材料は、電解液に対して耐性があれる高分子材料であれば、特に限定されず、形状についても、電解液の漏出を防ぐように、電解液含浸繊維層22、25を覆皮できれば、特に限定されない。
本発明の導電性高分子フィルム12は、振動膜11によって拘束されている(図2参照)。振動膜11は音波を伝播させる機能を有し、高分子電解質から収縮・膨張による振動が伝播することで音波を発生させるものである。また、この振動膜11には、落下時に衝撃安定性を高める機能と、電気音響変換器の基本共振周波数を調整する機能を持つ。すなわち、振動膜11は弾性材料から構成されるため、落下時の衝撃エネルギを振動膜で吸収することが可能であり、電気音響変換器の衝撃安定性が向上する。
また、機械振動子の基本共振周波数(f)は、次式(1)で示される。
f=1/2πL√(m・c)− − −(1)
ここに、mは機械振動子の質量、cはコンプライアンスを示す。同式で示されるように、機械振動子の基本共振周波数(f)は負荷重量と、コンプラインスとに依存する。言い換えれば、コンプラインスは振動子の機械剛性であるため、このことは振動膜の剛性を制御することで基本共振周波数を制御できることを意味する。
f=1/2πL√(m・c)− − −(1)
ここに、mは機械振動子の質量、cはコンプライアンスを示す。同式で示されるように、機械振動子の基本共振周波数(f)は負荷重量と、コンプラインスとに依存する。言い換えれば、コンプラインスは振動子の機械剛性であるため、このことは振動膜の剛性を制御することで基本共振周波数を制御できることを意味する。
例えば、弾性率の高い材料の選択や、材料の厚みを低減することで、基本共振周波数は低域にシフトさせることが可能となる。この一方で、弾性率の高い材料を選択することや、弾性材料の厚みを増加させることで基本共振周波数を高域にシフトさせることができる。基本構造の変更を伴わず、設計上の制約やコストに優位である。本発明のように、構成部材である弾性材料を変更することで所望の基本共振周波数に容易に調整できることとから、工業上の価値は大きい。
なお、振動膜には、有機高分子材料など高い弾性率を持つ材料であれば特に限定されないが、加工性やコストの観点からポリエチレンテレフタレートやポリエチレン、ポリウエタンなどの汎用材料が使用される。また、振動膜の厚みについては、5〜1000μmであることが好ましい。厚みが5μm未満の場合、機械強度が弱く、拘束部材として機能を損なうことや、加工精度による低下により、製造ロット間で振動子の機械振動特性のばらつきが生じてしまう問題点がある。
また、厚みが1000μmを超える場合は、剛性増による高分子電解質ゲルへの拘束が強まり、振動変位量の減衰を生じさせてしまう問題点がある。また、本実施形態の弾性材料は、材料の剛性を示す指標である縦弾性係数が、1〜500GPaであることが好ましい。上述のように、弾性材料の剛性が過度に低い場合や、過度の高い場合は、機械振動子として特性や信頼性を損なう問題点がある。
本実施形態では、振動膜11は支持体13に接合している(図2参照)。支持体13は電気音響変換のケースとしての役割を果たす。支持体13の材質は、金属や樹脂、さらには、金属と樹脂との複合材料などのいずれの材質も使用できるが、振動膜11から振動エネルギを効率よく伝播させるためには、伝達振動量に対してある程度の剛性を持つ材料であることが好ましい。
以下に本発明の高分子アクチュエータ102の動作原理を説明する(図2参照)。本発明の電気音響変換器(高分子アクチュエータ102)は、導電性高分子フィルム12に電気信号を印加と停止を繰り返し、収縮と膨張を利用している。上述したように、導電性高分子フィルム12に電界をかけることで、電解伸縮が発生し、可逆的な伸縮運動が生じる。この伸縮運動を振動膜11に伝播し、音波を発生させるのが、本発明の電気音響変換器(高分子アクチュエータ102)の動作原理である。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、電気音響変換器(高分子アクチュエータ102)は、振動膜11、及び厚み数百μm程度の導電性高分子フィルム12から駆動源が構成されるため、関連技術で使用されている磁気回路からなる動電型電気音響変換器に比べて小型化で優位となる。また、駆動源の構成部材が、金属やセラミックスに比べて内部損失の大きい樹脂材料で構成されることから、圧電型電気音響変換器に比べて、機械品質係数Qが低く、平坦な音圧レベル周波数特性を実現でき、高品質という点で優位となる。
また、駆動源の構成部材が柔軟性の高い樹脂材料である点から、製造時の機械加工も容易であり、製造コストの点でも従来の電気音響変換器に比べて、優位である。さらに、樹脂材料で構成されていることから、落下時の衝撃安定性についても優位となる。
以上のように、本発明の電気音響変換器は、小型で高音質を実現できる上に、携帯電話へ容易に搭載可能であることから、工業価値は大きい。なお、本発明に係る電気音響変換器は、電子機器(例えば、携帯電話機、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、小型ゲーム機器など)の音源としても利用可能である。上述のように、小型高音質で高い信頼性を有することから、携帯型の電子機器に対して好適に利用することが可能である。
次に本発明の第2実施形態について説明する。図11は本発明に係る高分子アクチュエータの第2実施形態の縦断面図、図12は導電性高分子層の第2実施形態の縦断面図である。なお、図11において図2と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
図11を参照すると、本発明の第2実施形態における高分子アクチュエータ103は、振動膜11と、この振動膜11の一方の面に固定された導電性高分子フィルム(ポリアニリン)16と、振動膜11を固定支持する支持体13および14と、電気を接続するリード線15とを備えている。導電性高分子フィルム16は、振動を発生させる駆動源として機能している。
また、図12を参照すると、導電性高分子40(一例として、導電性高分子フィルム16)は上部電極層41、46と、電解液含浸繊維層42、45と、導電性高分子フィルム(ポリアニリン)43と、封止樹脂44とを含んで構成される。
本実施形態では、導電性高分子フィルム16にポリアニリンフィルムを使用しており、第1実施形態に対して、導電性高分子フィルム16の材質のみが異なる。本実施形態のポリアニリンの合成方法について以下に説明する。
図13はポリアニリンフィルムの分子構造を示す図である。等モルの塩酸とポリアニリン水溶液を、塩酸とNH2(S2O8)2 を、0°Cで混合攪拌することで、ペースト状のエメラルディン酸=エメラルディンソルト状態のポリアニリンを生成することができる。この生成物を塩酸とアンモニア水で交互に洗浄し、乾燥させることで得られた粉末を、再び、N−メチルピリロドンに溶かし、ガラス基板上でスピンコートすることで、図13に示すポリアニリンフィリムを得ることができる。
なお、ポリアニリンは、第1実施形態で使用したポリピロールと同様に電解伸縮を発生するため、高分子アクチュエータとして同様に動作する。また、ポリアニリンは、固体電解コンデンサの電極材料として広く使用されているため、汎用性は高く、製造コストや信頼性などの点で優位である。
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、導電性高分子材料の材質を変更することで、製造容易性や信頼性を向上させることが可能となる。また、本実施形態に係る電気音響変換器は、電子機器(例えば、携帯電話機、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、小型ゲーム機器など)の音源としても利用可能であり、携帯型の電子機器に対しても好適に利用することが可能である。
次に本発明の第3実施形態について説明する。図14は本発明に係る高分子アクチュエータの第3実施形態の縦断面図である。なお、同図において図2と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
図14を参照すると、本発明に係る高分子アクチュエータ104の第3実施形態は、振動膜11と、弾性部材17と、導電性高分子フィルム12と、振動膜11を固定支持する支持体13および14と、電気を接続するリード線15とを備えている。導電性高分子フィルム12は、振動を発生させる駆動源として機能している。
本実施形態では、第1実施形態に対して、弾性部材17が新たに配置していることが特徴である。すなわち、振動膜11と、高分子電解質ゲル(導電性高分子フィルム12)との間に弾性部材17が介在することで、電気音響変換器として好適な基本共振周波数への調整を、容易に可能としている。
関連技術において、音楽再生などの再生には、100〜20kHzの周波数帯域が使用されている。このため、電気音響変換器の基本共振数は帯域間での音圧レベル差を防止するために、約1kHz近傍に調整されている。通常、機械振動子の基本共振周波数は上記式(1)に示すように、剛性と不可重量に依存するため、ヤング率に小さい樹脂材料で構成される本発明の電気音響変換器で、必然的に低周波数にシフトしてしまう問題点がある。
そこで、振動膜と高分子電解質ゲルとの間に弾性部材を介在させることで、剛性を強化し、所望の基本共振周波数への調整が可能となる。なお、弾性材料には、金属や樹脂金属複合材料など、高分子電解質ゲルに対して高いヤングを持つ材料であれば特に限定されないが、加工性やコストの観点からリン青銅やステンレスなどの汎用材料が使用される。
また、弾性材料の厚みについては、5〜1000μmであることが好ましい。厚みが5μ未満の場合、機械強度が弱く、拘束部材として機能を損なうことや、加工精度による低下により、製造ロット間で振動子の機械振動特性のばらつきが生じてしまう問題点がある。また、厚みが1000μmを超える場合は、剛性増による圧電素子への拘束が強まり、振動変位量の減衰を生じさせてしまう問題点や、基本共振周波数が増大してしまう問題点がある。
また、本実施形態の弾性材料は、材料の剛性を示す指標である縦弾性係数が、1〜500GPaであることが好ましい。上述のように、ヤング率の過度に低い場合や、過度の高い場合は、機械振動子として特性や信頼性を損なう問題点がある。
以上説明したように、本発明の第3実施形態によれば、高分子電解質ゲルと振動膜との間に弾性材料を介在させることで、音響変換器に好適な基本共振周波数へ容易に調整でき、高音質音の再生が可能となる。以上、本実施形態に係る電気音響変換器は、電子機器(例えば、携帯電話機、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、小型ゲーム機器など)の音源としても利用可能である。電気音響変換器全体の形状が大幅に増加せず、音響特性が向上することから、携帯型の電子機器に対しても好適に利用することが可能である。
次に本発明の第4実施形態について説明する。図15は本発明に係る高分子アクチュエータの第4実施形態の縦断面図、図16は同高分子アクチュエータの動作を示す模式図である。なお、図15において図2と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。また、図16において図15と同様の構成部分には同一番号を付している。
図15を参照すると、本発明に係る高分子アクチュエータ105の第3実施形態は、導電性高分子フィルム18と、振動膜11と、導電性高分子フィルム12と、振動膜11を固定支持する支持体13および14と、電気を接続するリード線15とを備えている。導電性高分子フィルム12および18は、振動を発生させる駆動源として機能している。
本実施形態の電気音響変換器は、二つの導電性高分子(導電性高分子フィルム12および18)が振動膜11の上下主面を拘束している。すなわち、二つの導電性高分子12および18の屈曲運動を利用することで、振動膜11の振動量が増幅し、音圧レベルは向上するものである。本実施形態の電気音響変換器で、導電性高分子12および18を同相となるように駆動させることで、図16に示すように、二つの導電性高分子12および18から発生する振動が干渉し、振動膜11の振動量が増幅するものである。従って、本実施形態は、振動子11の形状を大幅に増大させることなく、振動量を増加できること点で優位である。
以上説明したように、本発明の第4実施形態によれば、電子機器(例えば、携帯電話機、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、小型ゲーム機器など)の音源としても利用可能である。また、電気音響変換器全体の形状が増加せず、音響特性が向上することから、携帯型の電子機器に対しても好適に利用することが可能である。
次に本発明の第5実施形態について説明する。図17は本発明に係る高分子アクチュエータの第5実施形態の縦断面図である。なお、同図において図2と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
図17を参照すると、本発明に係る高分子アクチュエータ106の第5実施形態は、導電性高分子フィルム12と、導電性高分子フィルム12を固定支持する支持体13および14とを備えている。導電性高分子フィルム12は、振動を発生させる駆動源として機能している。
本実施形態の電気音響変換器は、導電性高分子フィルム12と支持体13とから構成される。本実施形態の導電性高分子フィルム12は、第1実施形態と同じ構成であるため、電解伸縮を発生し、高分子アクチュエータとして同様に動作する。このように、本実施形態によれば、導電性高分子材料と支持体からなる簡易な構成においても、高分子アクチュエータとして動作するため、製造容易性やコスト点で工業価値は大きい。
以上説明したように、本発明の第5実施形態によれば、電子機器(例えば、携帯電話機、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、小型ゲーム機器など)の音源としても利用可能であり、携帯型の電子機器に対しても好適に利用することが可能である。
以上説明したように、本発明の第1〜第5実施形態によれば、本発明に係る電気音響変換器は電界の印加によって伸縮運動する高分子電解質ゲルから構成されている。すなわち、高分子材料単体の振幅運動を利用しているため、動電型電気音響変換器の磁気回路に比べて、部品構成点数が少なく、小型化に優位である。また、駆動源が内部損失の高い樹脂材料で構成されているため、平坦な音圧レベル周波数特性が実現でき、高音質化が可能となる。
次に、本発明の電気音響変換器の特性評価を、以下、評価1〜評価3の評価項目で行った。
(評価1)音圧レベル周波数特性の測定:交流電圧入力時の音圧レベルを、素子から所定距離だけ離れた位置に配置したマイクロホンにより測定した。なお、この所定距離は、特に明記しない限り10cmであり、周波数の測定範囲は10Hz〜10kHzとした。
(評価2)音圧レベル周波数特性の平坦性測定:交流電圧1V入力時の音圧レベルを、素子から所定距離だけ離れた位置に配置したマイクロホンにより測定した。周波数の測定範囲は10Hz〜10kHzとし、2kHz〜10kHzの測定範囲において、最大音圧レベルPmaxと最小音圧レベルPminとの音圧レベル差により、音圧レベル周波数特性の平坦性を測定した。その結果、音圧レベル差(最大音圧レベルPmaxと最小音圧レベルPminとの差のことを指す)が20dB以内を“○”とし、20dBを超えるものを“×”とした。この所定距離は、特に明記しない限り10cmである。
(評価3)落下衝撃試験:電気音響変換器を搭載した携帯電話を50cm直上から、5回自然落下させ、落下衝撃安定性試験を行った。具体的には、落下衝撃試験後の割れ等の破壊を目視で確認し、さらに、試験後の音圧特性を測定した。その結果、音圧レベル差(試験前の音圧レベルと試験後の音圧レベルとの差のことを指す)が3dB以内を“○”とし、3dBを超えるものを“×”とした。
本発明の第1実施形態で記載した電気音響変換器の特性評価を実施した。評価結果は以下の通りである。
音圧レベル(1kHz) :81dB
音圧レベル(3kHz) :84dB
音圧レベル(5kHz) :86dB
音圧レベル(10kHz) :80dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
音圧レベル(1kHz) :81dB
音圧レベル(3kHz) :84dB
音圧レベル(5kHz) :86dB
音圧レベル(10kHz) :80dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
上記の結果より明らかのように、本実施例の電気音響変換器によれば、音圧レベル周波数特性は平坦であり、大音量の再生が可能であり、高い信頼性を有することが実証された。
次に、実施例1の比較例1として、図18の関連技術における動電型電気音響変換器を作製した。図18は本発明に関連する動電型電気音響変換器の一例の構成図である。なお、図18(A)は同動電型電気音響変換器の縦断面図、図18(B)は同動電型電気音響変換器の横断面図の一例を示す。
図18(A)を参照すると、関連する動電型電気音響変換器201は、振動膜211と、ボイスコイル212と、フレーム213と、ポールピース214と、永久磁石215および216と、ヨーク217とを含んで構成される公知の装置である。この装置は公知であるため、その動作説明は省略する。
次に、実施例1との比較結果を示す。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :77dB
音圧レベル(3kHz) :75dB
音圧レベル(5kHz) :76dB
音圧レベル(10kHz) :97dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“×”
落下衝撃安定 :“×”
(結果)
音圧レベル(1kHz) :77dB
音圧レベル(3kHz) :75dB
音圧レベル(5kHz) :76dB
音圧レベル(10kHz) :97dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“×”
落下衝撃安定 :“×”
実施例2として、第2実施形態の電気音響変換器を作成した。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :80dB
音圧レベル(3kHz) :81dB
音圧レベル(5kHz) :84dB
音圧レベル(10kHz) :84dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
(結果)
音圧レベル(1kHz) :80dB
音圧レベル(3kHz) :81dB
音圧レベル(5kHz) :84dB
音圧レベル(10kHz) :84dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
上記の結果より明らかのように、本実施例の電気音響変換器によれば、実施例1と同等の特性を有しており、音圧レベル周波数特性は平坦で、高い信頼性を有する。
実施例3として、第3実施形態の電気音響変換器を作成した。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :80dB
音圧レベル(3kHz) :84dB
音圧レベル(5kHz) :86dB
音圧レベル(10kHz) :87dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
(結果)
音圧レベル(1kHz) :80dB
音圧レベル(3kHz) :84dB
音圧レベル(5kHz) :86dB
音圧レベル(10kHz) :87dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
上記の結果より明らかのように、本実施例の電気音響変換器によれば、実施例1と同等の特性を有しており、音圧レベル周波数特性は平坦で、高い信頼性を有する。
実施例4として、第4実施形態の電気音響変換器を作成した。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :80dB
音圧レベル(3kHz) :80dB
音圧レベル(5kHz) :87dB
音圧レベル(10kHz) :81dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
(結果)
音圧レベル(1kHz) :80dB
音圧レベル(3kHz) :80dB
音圧レベル(5kHz) :87dB
音圧レベル(10kHz) :81dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
上記の結果より明らかのように、本実施例の電気音響変換器によれば、実施例1と同等の特性を有しており、音圧レベル周波数特性は平坦で、高い信頼性を有する。
実施例5として、第5実施形態の電気音響変換器を作成した。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :81dB
音圧レベル(3kHz) :80dB
音圧レベル(5kHz) :81dB
音圧レベル(10kHz) :84dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
(結果)
音圧レベル(1kHz) :81dB
音圧レベル(3kHz) :80dB
音圧レベル(5kHz) :81dB
音圧レベル(10kHz) :84dB
音圧レベル周波数特性の平坦性 :“○”
落下衝撃安定 :“○”
上記の結果より明らかのように、本実施例の電気音響変換器によれば、実施例1と同等の特性を有しており、音圧レベル周波数特性は平坦で、高い信頼性を有する。
実施例6として、図19の関連する携帯電話機の一例の平面図に示す携帯電話機を用意し、この筐体内に実施例1の電気音響変換器を搭載した。なお、同図に示す携帯電話機は公知であり、またその構成および動作は本発明と関係がないため、ここでの説明は省略する。具体的には、図示しない携帯電話機の筐体内側面に、電気音響変換器を貼り付ける構成とした。
(評価):素子から10cm離れた位置に配置したマイクロホンにより、音圧レベルと周波数特性とを測定した。また、落下衝撃試験も行なった。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :78dB
音圧レベル(3kHz) :79dB
音圧レベル(5kHz) :80dB
音圧レベル(10kHz) :76dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ77dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
音圧レベル(1kHz) :78dB
音圧レベル(3kHz) :79dB
音圧レベル(5kHz) :80dB
音圧レベル(10kHz) :76dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ77dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
実施例7として、図19に示すような携帯電話機を用意し、この筐体内に実施例2の電気音響変換器を搭載した。具体的には、携帯電話機の筐体内側面に、電気音響変換器を貼り付ける構成とした。
(評価):素子から10cm離れた位置に配置したマイクロホンにより、音圧レベルと周波数特性とを測定した。また、落下衝撃試験も行なった。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :77dB
音圧レベル(3kHz) :75dB
音圧レベル(5kHz) :74dB
音圧レベル(10kHz) :80dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ75dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
音圧レベル(1kHz) :77dB
音圧レベル(3kHz) :75dB
音圧レベル(5kHz) :74dB
音圧レベル(10kHz) :80dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ75dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
実施例8として、図19に示すような携帯電話機を用意し、この筐体内に実施例3の電気音響変換器を搭載した。具体的には、携帯電話機の筐体内側面に、電気音響変換器を貼り付ける構成とした。
(評価):素子から10cm離れた位置に配置したマイクロホンにより、音圧レベルと周波数特性とを測定した。また、落下衝撃試験も行なった。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :76dB
音圧レベル(3kHz) :75dB
音圧レベル(5kHz) :80dB
音圧レベル(10kHz) :76dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ74dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
音圧レベル(1kHz) :76dB
音圧レベル(3kHz) :75dB
音圧レベル(5kHz) :80dB
音圧レベル(10kHz) :76dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ74dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
実施例9として、図19に示すような携帯電話機を用意し、この筐体内に実施例4の電気音響変換器を搭載した。具体的には、携帯電話機の筐体内側面に、電気音響変換器を貼り付ける構成とした。
(評価):素子から10cm離れた位置に配置したマイクロホンにより、音圧レベルと周波数特性とを測定した。また、落下衝撃試験も行なった。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :75dB
音圧レベル(3kHz) :78dB
音圧レベル(5kHz) :79dB
音圧レベル(10kHz) :74dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ73dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
音圧レベル(1kHz) :75dB
音圧レベル(3kHz) :78dB
音圧レベル(5kHz) :79dB
音圧レベル(10kHz) :74dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ73dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
実施例10として、図19に示すような携帯電話機を用意し、この筐体内に実施例3の電気音響変換器を搭載した。具体的には、携帯電話機の筐体内側面に、電気音響変換器を貼り付ける構成とした。
(評価):素子から10cm離れた位置に配置したマイクロホンにより、音圧レベルと周波数特性とを測定した。また、落下衝撃試験も行なった。
(結果)
音圧レベル(1kHz) :75dB
音圧レベル(3kHz) :74dB
音圧レベル(5kHz) :80dB
音圧レベル(10kHz) :81dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ74dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
音圧レベル(1kHz) :75dB
音圧レベル(3kHz) :74dB
音圧レベル(5kHz) :80dB
音圧レベル(10kHz) :81dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ74dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
実施例11として、図20の関連するラップトップ型パーソナルコンピュータの一例の外観図に示すようなパーソナルコンピュータを用意し、この筐体内に実施例1の電気音響変換器を搭載した。なお、同図に示すパーソナルコンピュータは公知であり、またその構成および動作は本発明と関係がないため、ここでの説明は省略する。具体的には、図示しないパーソナルコンピュータの筐体内側面に、電気音響変換器を貼り付ける構成とした。
(評価):素子から10cm離れた位置に配置したマイクロホンにより、音圧レベルと周波数特性とを測定した。また、落下衝撃試験も行なった。
〔結果〕
音圧レベル(1kHz) :74dB
音圧レベル(3kHz) :73dB
音圧レベル(5kHz) :78dB
音圧レベル(10kHz) :76dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ72dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
音圧レベル(1kHz) :74dB
音圧レベル(3kHz) :73dB
音圧レベル(5kHz) :78dB
音圧レベル(10kHz) :76dB
落下衝撃試験 :5回落下後においても圧電素子の割れは見られず、試験後、音圧レベル(1kHz)を測定したところ72dBであった。
音圧レベル周波数特性の平坦性:“○”
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)振動板を削除し、かつ支持体が導電性高分子を支持することを特徴とする高分子アクチュエータ。
本発明を電気音響変換器、及び携帯電話など電子機器全般に適用することが可能である。
1 振動板
2 導電性高分子
3,4 支持体
11 振動膜
12,18 導電性高分子フィルム
13,14 支持体
15 リード線
16 導電性高分子フィルム(ポリアニリン)
17 弾性部材
20 導電性高分子
21,26 上部電極層
22,25 電解液含浸繊維層
23 導電性高分子フィルム
24 封止樹脂
30 電解重合装置
31 作用電極
32 参照電極
33 対向電極
34 電解液
40 導電性高分子
41,46 上部電極層
42,45 電解液含浸繊維層
43 導電性高分子フィルム(ポリアニリン)
44 封止樹脂
101 高分子アクチュエータ
102 高分子アクチュエータ
103 高分子アクチュエータ
104 高分子アクチュエータ
105 高分子アクチュエータ
106 高分子アクチュエータ
2 導電性高分子
3,4 支持体
11 振動膜
12,18 導電性高分子フィルム
13,14 支持体
15 リード線
16 導電性高分子フィルム(ポリアニリン)
17 弾性部材
20 導電性高分子
21,26 上部電極層
22,25 電解液含浸繊維層
23 導電性高分子フィルム
24 封止樹脂
30 電解重合装置
31 作用電極
32 参照電極
33 対向電極
34 電解液
40 導電性高分子
41,46 上部電極層
42,45 電解液含浸繊維層
43 導電性高分子フィルム(ポリアニリン)
44 封止樹脂
101 高分子アクチュエータ
102 高分子アクチュエータ
103 高分子アクチュエータ
104 高分子アクチュエータ
105 高分子アクチュエータ
106 高分子アクチュエータ
Claims (10)
- 振動板と、
前記振動板に拘束され、印加される電界に応じて収縮あるいは膨張する導電性高分子と、
前記振動板を支持する支持体とを含むことを特徴とする高分子アクチュエータ。 - 前記導電性高分子としてポリアニリンフィルムを用いることを特徴とする請求項1記載の高分子アクチュエータ。
- 前記振動板と前記導電性高分子との間に弾性部材が設けられることを特徴とする請求項1記載の高分子アクチュエータ。
- 前記振動板の上下主面が複数の前記導電性高分子に拘束されることを特徴とする請求項1または2記載の高分子アクチュエータ。
- 前記振動板として振動膜が用いられ、前記振動膜は樹脂材料で形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
- 前記振動板は音波を放射する音響振動膜であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
- 前記導電性高分子は、
導電性高分子フィルムと、
前記導電性高分子フィルムの上下主面に設けられ、電解液を含浸させた複数の繊維層と、
前記繊維層の、前記導電性高分子フィルムが設けられていない方の面に設けられる電極層とを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。 - 前記導電性高分子フィルムは、作用電極、参照電極、対向電極を電解液に浸して構成される電界重合装置において、定電流もしくは定電圧をかけることで前記作用電極上に合成されることを特徴とする請求項7記載の高分子アクチュエータ。
- 請求項1から8のいずれかに記載の高分子アクチュエータを備えることを特徴とする電気音響変換器。
- 請求項9記載の電気音響変換器を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010092701A JP2011223478A (ja) | 2010-04-14 | 2010-04-14 | 高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010092701A JP2011223478A (ja) | 2010-04-14 | 2010-04-14 | 高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
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---|---|---|---|
JP2010092701A Pending JP2011223478A (ja) | 2010-04-14 | 2010-04-14 | 高分子アクチュエータおよびそれを用いた電気音響変換器ならびに電子機器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5211267B1 (ja) * | 2011-11-17 | 2013-06-12 | Necトーキン株式会社 | 加振装置 |
-
2010
- 2010-04-14 JP JP2010092701A patent/JP2011223478A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5211267B1 (ja) * | 2011-11-17 | 2013-06-12 | Necトーキン株式会社 | 加振装置 |
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