JP5749180B2 - プログレッシブレンズデザインの自動変更 - Google Patents

プログレッシブレンズデザインの自動変更 Download PDF

Info

Publication number
JP5749180B2
JP5749180B2 JP2011545633A JP2011545633A JP5749180B2 JP 5749180 B2 JP5749180 B2 JP 5749180B2 JP 2011545633 A JP2011545633 A JP 2011545633A JP 2011545633 A JP2011545633 A JP 2011545633A JP 5749180 B2 JP5749180 B2 JP 5749180B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
astigmatism
design
line
spectacle lens
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011545633A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012515933A (ja
Inventor
ヘルムート、アルトハイマー
ボルフガング、ベッケン
グレゴール、エッサー
ディートマー、ウッテンバイラー
アンドレア、ベルク
Original Assignee
ローデンストック.ゲゼルシャフト.ミット.ベシュレンクテル.ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ローデンストック.ゲゼルシャフト.ミット.ベシュレンクテル.ハフツング filed Critical ローデンストック.ゲゼルシャフト.ミット.ベシュレンクテル.ハフツング
Publication of JP2012515933A publication Critical patent/JP2012515933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5749180B2 publication Critical patent/JP5749180B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/06Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive
    • G02C7/061Spectacle lenses with progressively varying focal power
    • G02C7/063Shape of the progressive surface
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/024Methods of designing ophthalmic lenses
    • G02C7/025Methods of designing ophthalmic lenses considering parameters of the viewed object
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/024Methods of designing ophthalmic lenses
    • G02C7/028Special mathematical design techniques

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)

Description

本発明は、プログレッシブ眼鏡レンズデザインを計算するための方法、プログレッシブ眼鏡レンズを製造するための方法、プログレッシブ眼鏡レンズデザインを計算してプログレッシブ眼鏡レンズを製造するための対応する装置、対応するコンピュータプログラムプロダクト、および、記憶媒体、並びに、眼鏡レンズの使用に関する。
それぞれの着用位置および着用状況におけるプログレッシブ眼鏡レンズの計算および最適化は、高い技術的で光学的な基準を達成してきた。例えば、従来技術によれば、個々の処方(球面度数、円柱度数、軸線、加入度数、プリズム、ベース)、および、眼鏡着用者の眼の前方のレンズの個々の位置または配置(角膜頂点間距離(CVD)、顔形角(FFA)、前傾、または、広角)、並びに、生理学的パラメータ(例えば瞳孔間距離)を考慮に入れて、注文を受けた後に独自のオンラインとしてプログレッシブ眼鏡レンズが最適化されて計算され得る。しかしながら、通例、顧客は、累進長のみが異なる数少ない(通常は2つ)眼鏡レンズデザインから選択するしかない。
また、従来技術によれば、新たに開発されるべき各デザインに、特に各累進帯長に、独自のあるいは個々の目標値(デザイン)が生成されて預けられる。例えば、汎用プログレッシブレンズに加えて、様々な特別なプログレッシブレンズのためのデザインも開発される。様々な特別なプログレッシブレンズのためのデザインは、多くの場合、主要な視対象に関して、すなわち近見帯および遠見帯における主視認方向に関してのみ異なるものである。様々な特別なプログレッシブレンズのためのデザインも開発される。したがって、WO2001/057584は、異なる用途(ドライバー、パイロット、時計屋など)のためのデザインを直ぐに定めることを提案する。デザイン生成に関する、並びに、製造者による多くの異なるデザインのロジスティクスおよび眼鏡技師による必要な製品訓練コースに関する、この非常に複雑な手続きにもかかわらず、これらの標準的なデザインを用いて個々の着用状況に対して満足に対応することは多くの場合不可能である。
WO2001/057584
本発明の目的は、眼鏡レンズデザインを計算するための高速で、効率的で、柔軟な方法、および、計算された眼鏡レンズデザインにしたがって眼鏡レンズを製造するための方法を提供することである。また、本発明の目的は、眼鏡レンズを製造するための対応する装置、並びに、対応するコンピュータプログラムプロダクトおよび記憶媒体を提供することである。更に、本発明の目的は、眼鏡レンズデザインを計算するための方法であって、眼鏡レンズデザインを、(個人の)選好、使用の主要な焦点、フレームデータ、および、眼鏡着用者の他の(個人の)データに、改良された仕方で合わせる方法を提供することである。
この目的は、請求項1の特徴を含むプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成しあるいは計算するための方法、請求項14の特徴を含むプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成しあるいは計算するための装置、請求項15の特徴を含むコンピュータプログラムプロダクト、請求項16の特徴を含む記憶媒体、請求項17の特徴を含むプログレッシブ眼鏡レンズを製造するための方法、請求項21の特徴を含むプログレッシブ眼鏡レンズを製造するための装置、請求項22の特徴を含むコンピュータプログラムプロダクト、請求項23の特徴を含む記憶媒体、および、請求項24の特徴を含む眼鏡レンズの使用によって解決される。好ましい実施形態が、従属請求項の主題となっている。
本発明によれば、プログレッシブ眼鏡レンズデザイン、特に個々のプログレッシブ眼鏡レンズデザインを、開始デザインの変換によって生成あるいは計算するためにコンピュータで実行される方法において、
− 開始デザインを定めるステップであって、該開始デザインが、
− 主線HLの経路のための仕様と、
− 一定のベース目標非点収差A=constによる少なくとも1つのベース目標等非点収差線Iの仕様であって、ベース目標等非点収差線Iが少なくとも第1の所定の制御点
Figure 0005749180
を通る、仕様と、
を備える、ステップと、
− 開始デザインを変換するステップであって、該変換が、
− 予め決定された、あるいは予め決定可能なカーブに沿って第1の制御点をシフトさせるステップ
Figure 0005749180
であって、第1の制御点
Figure 0005749180
のシフトがデザイン固有および/または眼鏡レンズ着用者固有のデータを考慮に入れて行われる、ステップと、
− ベース目標等非点収差線Iの経路をそれがシフトされた第1の制御点
Figure 0005749180
を通るように変更するステップI→I’と、
− 変更されたベース目標等非点収差線I’を示す目標非点収差分布A(u,y)を生成しあるいは計算するステップと、
を含む、ステップと、
を備え、ここで、
xが、水平座標を示し、
yが、垂直座標を示し、
uが、主線からの点(x,y)の水平距離を示し、
A(u,y)が、変換された開始デザインの目標非点収差分布を示す、
方法が提供される。
プログレッシブ眼鏡レンズの最適化は、通常、プログレッシブ眼鏡レンズの少なくとも1つの光学的パラメータ(例えば、非点収差および/または屈折力)のための所望値または目標値、あるいは少なくとも1つの収差(例えば、非点収差誤差または非点収差偏差および/または屈折誤差)のための所望値または目標値が考慮に入れられる目的関数を最小にすることによって行われる。屈折誤差とは、眼鏡レンズの屈折力と、屈折能測定により決定される屈折力との差である。非点収差偏差または非点収差誤差とは、眼鏡レンズの非点収差と、屈折能測定によって決定される非点収差との差である。好ましくは、これらは、眼鏡レンズの着用位置における値、すなわち、眼鏡レンズ/眼の系を考慮に入れる値である。
目的関数において考慮に入れられる少なくとも1つの光学特性(特に非点収差)または少なくとも1つの収差(特に非点収差偏差)の所望値または目標値は、眼鏡レンズのデザインを特徴付ける。この出願によって定められる目標非点収差値Aは、特に、非点収差偏差の目標値Asttargetまたは眼鏡レンズの非点収差(表面非点収差または着用位置における非点収差)のための目標値であると理解される。
例えば、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインベースの最適化は、以下の形式の目的関数を最小にすることにより行われ得る。
Figure 0005749180
上記式において、
ΔRi,targetは、i番目の評価点における局所屈折誤差の目標値であり、
ΔRは、i番目の評価点における実際の局所屈折誤差であり、
Asti,targetは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の目標値であり、
Astは、i番目の評価点における実際の局所非点収差偏差または実際の局所非点収差誤差であり、
i,ΔRは、i番目の評価点における屈折誤差の局所重み付けであり、
i,Astは、i番目の評価点における非点収差偏差または非点収差誤差の局所重み付けである。
収差ΔRおよびΔRi,target、並びにAstおよびAsti,targetの空間分布は、ΔR(x,y)およびΔRtarget(x,y)、並びにAst(x,y)およびAsttarget(x,y)の形式でそれぞれ示すことができる。
ここで、座標系は、例えば、(物体側または眼側において)最適化されるべき眼鏡レンズの表面における座標系に関連しており、座標系の原点は、例えば、(未加工の円形の)眼鏡レンズの幾何学的中心、または、眼鏡レンズの心取りあるいは取付点と一致する。垂直(「y」)および水平(「x」)軸は、幾何学的中心または心取りあるいは取付点において、眼鏡レンズのそれぞれの(眼側または物体側)表面に対する接平面内に位置している。垂直方向は、眼鏡レンズの着用位置における垂直方向に関連することが好ましい。この場合、眼鏡レンズは、例えば(例えばDIN 58 208 part 2に定められるような)平均着用位置または個々の着用位置に配置される。眼鏡レンズは個々の着用位置に配置されるのが好ましい。無論、他の適した座標系で収差の空間分布を示すこともできる。
特に、y軸(x=0)に関してではなく、主線(主線ではu=0が成り立つ)に関して最適化されるべき表面の座標系によって、すなわち、ΔR(u,y)、ΔRtarget(u,y)、Ast(u,y)、および、Asttarget(u,y)の形式によって最適化値を示すことが好ましい。目標値または最適化目標値が主線に関して特定される場合には、考慮に入れられるべき眼鏡レンズの着用位置が変えられるとき、特に瞳孔間距離、角膜頂点間距離、前傾、物体距離モデル等が変えられるときに、変えられた主視線に対して主線を適合させるだけで十分である。その結果、目標値または最適化目標値が自動的に調整される。
眼鏡レンズの最適化において目標値として考慮に入れられる、眼鏡レンズにわたる収差の目標値(特に非点収差偏差Asti,targetまたはAsttarget(x,y)またはAsttarget(u,y))、および随意的には収差の局所重み付け(gi,R、gi,ΔR)の空間分布は、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインを特徴付ける。言い換えれば、眼鏡レンズのデザインは、通常、眼鏡レンズの最適化において目標値として考慮に入れられる1つまたは2つ以上の収差のための目標値(特に非点収差偏差Asti,targetまたはAsttarget(x,y)またはAsttarget(u,y))の分布を備える。
ここで、特に、主線、および、眼鏡レンズにわたる非点収差偏差の目標値Asti,targetまたはAsttarget(x,y)またはAsttarget(u,y)の空間分布は、プログレッシブ眼鏡レンズのデザイン定義および最適化において中心的な役割を果たす。例えば、プログレッシブレンズデザインの分類および視野サイズの評価は、非点収差分布に基づいて適切に行なわれる。また、眼鏡レンズデザインは、屈折誤差、倍率誤差、歪み誤差、または、他の収差のための目標値の分布を備えることもできる。ここで、これらの値は、表面値、または、好ましくは着用値、すなわち、眼鏡レンズの着用位置における値であり得る。
また、眼鏡レンズデザインは適切な物体距離モデルを備えることができる。例えば、物体モデルは、主線に沿う相互物体距離(reciprocal object distance)として規定される物体距離関数を備えることができる。標準化された物体距離モデルは例えばDIN 58 208 part 2(画像6参照)に示されている。しかしながら、物体距離モデルは、この標準的な物体距離モデルから逸脱することがあり得る。
主線は略直線または曲線であると理解され、該主線に沿って遠見部から近見部への眼鏡レンズの屈折力の所望の増大が達成される。主線は、眼鏡レンズ上下に対して、すなわち、略垂直方向に沿ってほぼ中心付けられる。したがって、主線は、目標値の記述のために(物体側または眼側の)最適化されるべき表面の座標系において構成線を構成する。眼鏡レンズの主線の経路は、それが主視線に少なくともほぼ従うように選択される。主線を主視線に適合させるための方法は例えばEP1277079に記載されている。
主視線は、2つの眼球の回転中心の距離を二等分する垂直面(いわゆる、単眼面)内に位置する線を見るときにそれぞれの眼鏡レンズ表面を通り抜ける主光線の一連の貫通点であると理解される。眼鏡レンズ表面は物体側表面または眼側表面であってもよい。単眼面内の線の位置は、選択された物体距離モデルによって決定される。
プログレッシブ眼鏡レンズデザインは、通常、遠見帯、近見帯、および、中間帯または累進帯を備える。より高い収差が許容される外周帯と比較して良好な結像特性を有する内側帯の画定は、通常、規定される目標等非点収差線によって得られる。眼着用光学素子では、大抵、それに沿う非点収差の大きさが0.5Dに等しい等非点収差線が、この目的を達成するために使用される。この線は、以下で詳しく説明するように、目標仕様のための非点収差モデルの構成のために使用されるのが好ましい。
異なるデザインを有する(すなわち、眼鏡レンズの光学特性のための、あるいは収差のための異なる目標仕様を有する、特に非点収差のための、あるいは非点収差偏差のための異なる目標値を有する)プログレッシブ眼鏡レンズ(プログレッシブレンズ)を製造するため、対応する異なるデザインまたは目標仕様が生成あるいは計算されなければならず、また、その後に最適化が行なわれなければならない。その結果、この出願によって定められる眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算することは、眼鏡レンズデザインと関連付けられる個々の収差のための目標仕様または目標値、特に非点収差偏差または目標非点収差のための目標仕様を計算あるいは生成することを含む。
本発明によれば、通常の手法とは異なり、預けられた旧来の目標仕様から新たな目標仕様が導出される。したがって、本発明に係る方法を用いると、様々な幅の遠見および/または近見視覚帯および/または低いあるいは高い非点収差勾配を有するプログレッシブ眼鏡レンズデザイン(要するに、プログレッシブレンズデザイン)を、既知の目標仕様を有する既存のプログレッシブレンズデザイン(以下、開始デザインまたは基本デザインと称される)から直接に生成することができる。全てのデザイン変更が同じ開始デザインから得られるため、移行がスムーズである。したがって、顧客ニーズを最良の想定し得る方法で常に満たすために、任意の数のデザインバリエーションが生成され得る。
デザイン変更は、開始デザインの最適化目標仕様、特にベース目標等非点収差線の経路の適切な変化によって行なわれる。
この目的を達成するために、何よりも最初に、
− 主線の仕様、または、主線の経路のための仕様と、
− 一定のベース目標非点収差A=constによる少なくとも1つのベース目標等非点収差線Iの仕様と、
を備える開始デザインが定められる。
ベース目標等非点収差線Iの経路をより良く制御できるようにするために、少なくとも第1の制御点
Figure 0005749180
が、ベース目標等非点収差線I上で定められ、あるいは特定される。
特に、非点収差仕様を構成するため、あるいは眼鏡レンズにわたる目標非点収差分布を計算するため、眼鏡レンズの鼻側および側頭側のそれぞれの少なくとも1つのベース目標等非点収差線(またはその経路)、好ましくは1つのベース目標等非点収差線が示される。ベース目標等非点収差線の大きさAを自由に選択することができ、有利な大きさは0.25D〜1.0D、特に0.5Dである。
また、開始デザインは、主線に沿う屈折力経路のための仕様と、主線HLに沿う目標非点収差値のための仕様とを備えることができる。開始デザインの更なるパラメータ、例えば
− 眼鏡レンズの外周における最大限に許容できる目標非点収差;および/または、
− 最大目標等非点収差線;および/または、
− 予め決定されあるいは予め決定可能な方向での遠見部および近見部におけるベース目標等非点収差線からの最大目標等非点収差線の距離、
を定めることもできる。
開始デザインと関連付けられる目標非点収差値の空間分布は、上記仕様に基づいて適切な補間により決定され得る。
あるいは、開始デザインまたは開始仕様は、眼鏡レンズの最適化されるべき領域の少なくとも一部にわたる目標非点収差値の空間分布を含むことができる。したがって、主線の経路、主線に沿う目標非点収差値、ベース目標等非点収差線の経路、および、開始デザインと関連付けられる随意的な更なるパラメータが、一意的に決定される。
また、開始デザインは、例えばその角膜頂点深さによって定められる開始表面を備えることができる。開始表面が特定されると、主線HLの経路およびベース目標等非点収差線Iの経路も一意的に特定される。
更に、開始デザインに応じて、最大限に許容できるデザイン変更が予め特定あるいは定められ得る。
主線および目標非点収差値の空間分布は、前述した座標系などの水平軸xと垂直軸yとを有する適切なデカルト座標系、すなわち、例えば眼鏡レンズの最適化されるべき表面内、好ましくは眼鏡レンズの眼側表面内の座標系で表示および計算され得る。該座標系の原点は、例えば、(未加工の円形の)眼鏡レンズの幾何学的中心と一致し、あるいは、眼鏡レンズの心取りまたは取付点と一致する。垂直(「y」)軸および水平(「x」)軸は、幾何学的中心または心取りあるいは取付点において、眼鏡レンズのそれぞれの(眼側または物体側、好ましくは眼側の)最適化されるべき表面に対する接平面内に位置する。垂直方向は、眼鏡レンズの着用位置における垂直方向に関連することが好ましく、この場合、眼鏡レンズは、例えば(例えばDIN 58 208 part 2に規定されるような)平均着用位置または個々の着用位置に配置される。好ましくは、眼鏡レンズは個々の着用位置に配置される。この座標系{x,y}において、主線上の点(xHL,y)の水平座標xHLは、形式f(y)の関数によって表わすことができる。すなわち、xHL=f(y)となる。
しかしながら、座標変換{x,y}→{u,y}を行なうことが有益であることが分かってきた。この場合、x=u+f(y)であり、uは主線からの点(u,y)の距離を示す。以下、全ての計算が座標系(u,y)で行なわれる。座標系(u,y)では、主線上の全ての点が座標(u=0,y)を有し、また、ベース目標等非点収差線上の全ての点が座標(u(y),y)を有する。
しかしながら、無論、全ての計算を座標系{x,y}であるいは別の適した座標系で行なうこともできる。
主線HLおよびベース目標等非点収差線Iは、適切なパラメータ表示によって数学的に定めることができる。例えば、主線HLの経路は、f(y)なる形式の一次元の好ましくは連続的な関数によって表わすことができる。言い換えると、主線HL上の点に関しては、(xHL=f(y),y)が成り立つ。主線は、関数f(y)が特定されるときに定められる。主線の経路は、開始デザインの変換においては変えられないことが好ましい。
ベース目標等非点収差線Iの経路を形式u(y)の一次関数によって表わすこともできる。言い換えると、ベース目標等非点収差線I上の点に関しては、(xIG(y)=u(y),y)が成り立つ。ベース目標等非点収差線Iは、関数u(y)が特定されるときに定められる。関数u(y)は連続関数であることが好ましい。更に好ましくは、関数u(y)の一次導関数も少なくとも1回連続的に微分可能な関数である。
ベース目標等非点収差線は、多くの適切な一次元の、好ましくは少なくとも1回連続的に微分可能な関数u(y)によって表わすことができる。驚くべきことに、関数u(y)を適切な方法で少数の可変パラメータによって既に表わすことが可能であり、それにより、開始デザインの計算および変換がかなり簡略化されて加速されることが分かった。
特に、2つの垂直座標y,yを定めることにより、ベース目標等非点収差線を異なる帯域へ、例えば遠見帯、累進帯、および、近見帯へ分けることができる。個々の帯域では、ベース目標等非点収差線を異なる関数u(y)によって表わすことができる。個々の帯域は直接に隣接することが好ましい。
累進帯(すなわち、y≦y≦yのとき)では、例えば、主線に沿う所定の屈折力経路が、伴うMinkwitz定理にしたがって、あるいは、例えば開始デザインに含まれる所定の開始表面から、ベース目標等非点収差線の経路が直接に特定され、あるいは計算され得る。同様に、以下で説明するように、ベース目標等非点収差線の経路が、現在の物体距離経路および調節モデルから計算され得る。
特定のy座標で0.5Dベース目標等非点収差線の座標u05を計算するため、主線の近傍で以下の線形手法を使用することができる。
Figure 0005749180
ここで、A(u)は、定められたy座標を伴う水平断面における主線からの距離(u)での目標非点収差値を示す。
線形手法は、おおよそ、主線から小さく隔たった距離に適用される。主線に沿う屈折力の増大または立ち上がりが比較的大きい場合(累進帯でほぼ常に適用される条件)には、距離u05が高い精度で計算され得る。
上記方程式において、非点収差の勾配または導関数
Figure 0005749180
は、決定されるべき未知量である。非点収差の横方向の立ち上がりあるいは非点収差の増大
Figure 0005749180
は、主線に沿う屈折力増大によりMinkwitz定理にしたがって決定され得る。したがって、主線からの境界線の点の水平距離、または、ベース目標等非点収差線のu座標を同様に決定できる。以下が成り立つ。
Figure 0005749180
ここで、
Figure 0005749180
は、主線からの距離に伴う水平方向での目標非点収差の増大を示し、
Figure 0005749180
は、垂直方向での屈折力の勾配を示す。
このとき、累進帯における主線からの0.5Dベース目標等非点収差線の距離u05を以下のように計算できる。
Figure 0005749180
本発明の一態様によれば、累進帯におけるベース目標等非点収差線の経路を、主線に沿う所定の屈折力経路に基づいて計算するのではなく、現在の物体距離経路および調節モデル(以下、単にastiモデルと称す)から計算することが提案される。特に、以下が提案される。
Figure 0005749180
ここで、

Figure 0005749180
は相互物体距離を示し、aは主線上の物体距離を示しており、また、
Akkは、角膜頂点球(vertex sphere)上の眼の調節結果を示す。
眼鏡レンズのデザイン特性も決定する相互物体距離A1(y)は、眼鏡レンズのための少なくとも連続的な関数として特定され得る。典型的な物体距離関数A1(y)は以下の通りである。
− 遠見帯では、A1(y)=1/(目標遠見距離);
− 近見帯では、A1(y)=1/読書距離;
− 主線に沿う関数A1(y)の垂直移行または垂直経路を、例えば二重漸近線関数によって、あるいはスプライン関数として表わすことができる。
物体空間(すなわち、眼鏡レンズの前方)における距離は、通常、技術光学における符号の規則にしたがって、マイナスとなるように示される。標準的なプログレッシブレンズにおいては、その遠見帯が無限視力に適合され、遠見基準点では、A1(y=yBF)=0が成り立ち、加入度数≦2、5Dに関しては
Figure 0005749180
が成り立ち、また、近見基準点では、加入度数>2、5Dに関して、A1(y=yBN)=−Addが成り立つ。近見視力およびルームレンズにおいては、A1(yBF)を、考慮されたルーム距離に適合させることができる。
Akkは、角膜頂点球上の眼の調節結果、または、所望の補正を得るために必要な眼の調節を示す。一般に、主線上の点を通り抜ける主光線に沿う結像に関しては、以下が成り立つ。
Figure 0005749180
または
Figure 0005749180
(すなわち、全体の屈折力が(D+Akk)に等しい)
上記式において、
S’は、(顧客の視覚障害に対応する)眼側波面の両眼転導を示し、
A1は、物体側の両眼転導を示し、
Dは、眼鏡レンズの屈折力を示し、
Akkは、角膜頂点球上の眼の調節結果を示す。
主線構成のための典型的な手法は、
− (例えば、二重漸近線関数によって、スプライン関数を重ね合わせることによって等)主線に沿う相互物体距離A1(y)を特定すること。
− S’(y)を、眼鏡着用者の遠見屈折と同一視すること。すなわち、S’(y)=S’=眼鏡着用者の遠見屈折とすること。
− 調節モデル、例えばAkk(A1(y))を、A1における線形モデルとして定めること。
− 以下の2つの値の対を介して調節を決定すること。
○遠見調節Akk=Akk(A1=0)=0(すなわち、無限遠の物体における調節がない)
○近見調節Akk=Akk(A1BN)が、以下のように注文データから計算される
Akk=S’−A1−S’
この場合、S’=S’+ZおよびZ=加入度数
ここでは、A1(y)のための関数経路を規定することだけが要求される。全ての他のパラメータは、計算によって自動的に得られる。
Minkwitz定理にしたがって、およびastiモデルにしたがって計算されるベース目標等非点収差線uMinkwitzおよびuAsti−Modellは、開始デザインの累進帯においてはほぼ一致する。移行帯では、Minkwitz定理にしたがって、およびastiモデルにしたがって計算されるベース目標等非点収差線uMinkwitzおよびuAsti−Modellを僅かに偏位させることができる。(安定化された)遠見帯および近見帯では、Minkwitz定理にしたがって、およびastiモデルにしたがって計算されるベース目標等非点収差線(uMinkwitzおよびuAsti−Modell)が、かなり異なる可能性がある。
同様に、Minkwitz定理(要するに、Minkwitzモデル)を使用して決定される経路と、現在の物体距離経路および調節モデル(要するに、astiモデル)から決定される経路とを組み合わせることによって、開始デザインのベース目標等非点収差線の経路を計算することができる。したがって、デザインバリエーションにおける開始デザインの物体距離関数の変化を、改良された方法で考慮に入れることができる。特に、ベース目標等非点収差線を特定するときに物理法則が守られることが確保され得る。また、目標非点収差仕様を安定させることができる。
主線からのベース目標等非点収差線の距離u05が、例えば以下の式にしたがって決定され得る。
05=uAsti−Modell+g(uMinkwitz−uAsti−Modell
この場合、
Asti−Modellは、現在の物体距離経路および調節モデルから決定される、主線からのベース目標等非点収差線の距離を示し、
Minkwitzは、Minkwitz定理にしたがって決定される、主線からのベース目標等非点収差線の距離を示し、また、
gは、2つのモデルの重み付けを示す。
制御は、ファクタgを介して行なわれ、この場合、条件0≦g≦1が成り立つ。
g=1に関して、u05=uMinkwitz−Modellが成り立つ(Minkwitzに従った経路)。g=0に関しては、u05=uAsti−Modellが成り立つ(非点収差モデルに従った経路)。
ファクタgは、主線に沿う非点収差または目標非点収差の水平増大の極値から決定され得る。ここでは、主線に沿うu方向の目標非点収差の最小導関数または増大
Figure 0005749180
および最大導関数または増大
Figure 0005749180
が検索されあるいは計算される。水平断面における非点収差の増大が最小である場合(A’=A’min)には、g=0である。
ここでは、ファクタgは、A’の関数に応じて値0〜1の間で直線的に変化する。
Figure 0005749180
この場合、
Figure 0005749180
は、水平方向における非点収差の増大を示し、この場合、(u=0,y)y=constであり、
Figure 0005749180
は、主線の領域における水平方向での目標非点収差の最大導関数または増大を示し、
Figure 0005749180
は、主線の領域における水平方向での目標非点収差の最小導関数または増大を示す。
増大
Figure 0005749180
は、例えばMinkwitz定理にしたがって、あるいはastiモデルにしたがって計算され得る。すなわち、
Figure 0005749180
となる。
相互物体距離A1(y)が、デザイン変化で変えられない場合には、前述した2つのモデルの組み合わせを省くことができる。
先に提案された方法にしたがった、すなわち、現在の物体距離経路および調節モデルからの、または、Minkwitz定理にしたがって決定される経路あるいは現在の物体距離経路および調節モデルから決定される経路の組み合わせによる、0.5ベース目標等非点収差線の経路の計算は、0.5等非点収差線の更なる変換と無関係であり、あるいは、目標非点収差値の更なる変換と無関係である。したがって、本発明の一態様は、プログレッシブ眼鏡レンズの少なくとも1つの帯域に目標非点収差A(u,y)の分布を備えるプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するためにコンピュータで実行される方法であって、
− 物体距離モデルおよび調節モデルを定めるステップと、
− 特定された物体距離モデルおよび調節モデルに基づき、一定のベース目標非点収差A=constによるベース目標等非点収差線Iの経路を計算するステップと、
− ベース目標等非点収差線Iを示す目標非点収差分布A(u,y)を生成あるいは計算するステップと、
を備える、方法に関する。
ここで、
xは水平座標を示し、
yは垂直座標を示し、
uは所定の主線からの点(x,y)の水平距離を示す。
また、本発明の一態様は、プログレッシブ眼鏡レンズを製造あるいは計算するための前述した方法を実行するように構成された対応する装置およびコンピュータプログラムプロダクトに関する。
遠見部および/または近見部において、ベース目標等非点収差線の連続または経路は、独立に特定することができ、あるいは自由に且つ無限に(特定の所定の限界内で)変更することができ、したがって、デザイン仕様を作ることができる。
例えば、近見部または近見帯におけるベース目標等非点収差線は、パラメータまたは係数a、b、c、dを伴う以下の関数によって表わされ、あるいは特定され得る。
Figure 0005749180
遠見部では、ベース目標等非点収差線を例えばパラメータまたは係数a、b、cを伴う以下のn次多項式によって表わされ、あるいは特定され得る(以下では、手短に、多項式表示とも称される)。
Figure 0005749180
このタイプの関数は、ハードデザインを表わすのに特に適する。
あるいは、遠見部では、ベース目標等非点収差線をパラメータまたは係数a、b、c、dを伴う以下の関数によって表わされ、あるいは特定され得る(以下では、手短に、逆正接表示とも称される)。
Figure 0005749180
そのような関数は、ソフトデザインを表わすのに特に適する。
無論、ベース目標等非点収差線は、他の適したパラメータ表示によってもされ、あるいは特定され得る。
第2のステップでは、開始デザインが変換される。開始デザインの変換は、以下のように予め決定されあるいは予め決定可能なカーブに沿って第1の制御点をシフトすることを含む。
Figure 0005749180
この場合、
Figure 0005749180
は、シフトされる第1の制御点を示す。それに沿って第1の制御点がシフトされる予め決定されあるいは予め決定可能なカーブu→y、K:u→k(u)は、任意のカーブであることが可能である。
また、ベース目標等非点収差線が更なる制御点を通過することもできる。更なる制御点は、対応する予め決定されあるいは予め決定可能なカーブに沿ってシフトされ得る。この場合、変更されたベース目標等非点収差線は、それがシフトされた制御点を通過するように計算される。それに沿ってそれぞれの制御点がシフトされ得るカーブの方向は、任意の方向であることが可能である。
その後、ベース目標等非点収差線Iの経路は、それがシフトされた第1の制御点を通過するように変更される。ここでは、ベース目標等非点収差線Iの経路だけが変更されるのであって、ベース目標等非点収差線に沿う目標非点収差の一定の大きさAは変更されない。
例えば、ベース目標等非点収差線の経路は、予め決定された変換にしたがって変更される。
Figure 0005749180
この場合、
Figure 0005749180
となっている。
Figure 0005749180
は、ベース目標等非点収差線Iの経路を特定する一次関数を示し、
Figure 0005749180
は、変更されたベース目標等非点収差線I’の経路を特定する一次関数を示す。
第1の制御点および随意的に更なる制御点(したがって、ベース目標等非点収差線の経路)は、眼鏡着用者または眼鏡レンズデザインの個々のニーズに対する視覚帯(例えば遠見帯および/または近見帯)の最適な適合を達成するために、予め決定されたデザインまたは眼鏡着用者に固有の仕様またはフレームワーク状態に基づいて、直接にあるいは手動であるいは自動的にシフトされ得る。それぞれの制御点の最大限に許容できる外側への(すなわち、主線へ向かう)および/または内側への(すなわち、眼鏡レンズまたは眼鏡レンズ縁の外周へ向かう)シフトが特定され得る。第1の制御点および随意的に更なる制御点をシフトさせるときにそのデータが考慮に入れられる眼鏡着用者は、平均的な眼鏡着用者または特定の眼鏡着用者または特定の顧客であることが可能である。
少なくとも1つの制御点
Figure 0005749180
をシフトさせるときに考慮に入れられる、デザインおよび/または眼鏡レンズ着用者に固有のデータまたはフレームワーク状態は、特に、
− 遠見帯および近見帯の重み付け、および/または、
− 眼鏡レンズの用途の重点、および/または、
− フレーム・心取りデータ
に関連するデータを含むことができる。
特に、デザインおよび/または眼鏡レンズ着用者に固有のデータまたはフレームワーク状態は、顧客選好、個々の選好の重み付け、および、他のパラメータに関連するデータを含むことができる。
少なくとも1つの制御点の位置を決定するとき、あるいは、変更されたベース目標等非点収差線の経路を計算するときに考慮に入れられるデザインおよび/または眼鏡レンズ着用者に固有のデータまたはフレームワーク状態は、以下のデータまたはデータのセットのうちの1つまたは2つ以上を更に含むことができる。
− 屈折データまたは屈折力のパラメータ、特に、球面度数、円柱度数、円柱軸、加入度数;および/または、
− 眼鏡レンズデザインが生成あるいは設計される目的となる、眼鏡レンズの主要な用途(例えば、運転、コンピュータ職場、読書、工芸など)に関連するデータ;および/または、
− 眼鏡着用者の平均的なあるいは個々のパラメータ、および/または、眼鏡着用者の眼の前方における眼鏡レンズまたは眼鏡の着用位置。眼鏡着用者の平均的なあるいは個々のパラメータ、および/または、眼鏡レンズの着用位置は、特に、瞳孔間距離、角膜頂点間距離(CVD)、前傾(FI)等を含む;および/または、
− 平均的なあるいは個々の物体距離、特に読書(近見作業)時の作動距離、遠見時の作動距離に関連するデータ;および/または、
− 遠見および近見の主視野方向に関連するデータ、
− 今までに着用された眼鏡レンズに関連する個々のデータ、特に、以前の眼鏡レンズが単一視、遠近両用、または、プログレッシブ眼鏡レンズであるかどうかに関する、今までに着用された眼鏡レンズに関連する個々のデータ、デザイン(ハード/ソフト)、累進長、タイプ(個別、定型)、材料(プラスチック/ケイ酸塩)、屈折率、基準点の位置、以前の眼鏡レンズの加入度数、および/または、以前の眼鏡レンズの屈折データと比べた屈折データの変化、に関連するデータ、および/または、
− 今までに着用した眼鏡に対する個々の望ましい改良、特に、より大きな遠見帯、より大きな中間帯、より大きな近見帯、読書時のより小さな下転、または低減された揺動運動、に関連するデータ、および/または、
− 平均的なあるいは個々の環境的影響に関連するデータ(周囲の輝度など)、および/または、
− 潜在的に存在する個々の例外的な頭部および身体の姿勢に関連するデータ、および/または、
− 個々の生理学的パラメータ、特に眼鏡着用者の1または複数の眼の個々の生理学的パラメータ、特に、矯正視力、立体視の閾値;および/または、
− 屈折能測定における物体距離に関連するデータ:遠見および近見。
また、デザインおよび/または眼鏡レンズ着用者に固有のデータまたはフレームワーク状態は、更なるパラメータを備えることができる。
変更されたベース目標等非点収差線I’が定められた後、変更されたベース目標等非点収差線I’を示す目標非点収差分布A(u,y)が、次のステップで計算あるいは生成される。変更されたベース目標等非点収差線I’を示す目標非点収差分布の生成または計算は、主線と、変更されたベース目標等非点収差線I’との間の目標非点収差値の補間を含むことができる。以下、ベース目標等非点収差線の変更、および、変更されたベース目標等非点収差線I’を示す目標非点収差分布の生成または計算について詳しく説明する。
このように計算された目標非点収差分布は、更に変換され得る。例えば、スケーリングファクタを乗じることによる垂直方向での更なる圧縮または伸長等によって、計算された目標非点収差分布を更に変換することができる。
したがって、本発明に係る方法を用いると、眼鏡レンズのデザイナーは、任意のプログレッシブレンズデザインまたは目標非点収差の任意の分布を、高速且つ効率的な方法で生成あるいは変えることができる。特に、本発明に係る方法を用いると、既存のプログレッシブレンズデザイン(開始デザインまたは基本デザイン)のためのデザイン特性を、迅速且つ効率的に変更することができ、かつ、それを顧客ニーズに合わせることができる。また、比較的簡単で高速の計算により、低い、あるいは高い非点収差勾配を伴う更に大きな、あるいは更に小さな視覚帯を有する(例えば、大きいあるいは小さい遠見部、広いあるいは狭い近見部を有する)変形またはデザインを生成することができる。したがって、本質的な利点は、特に個々のプログレッシブ眼鏡レンズにとって適した目標仕様を生成するための前述の付加的な労力を回避できるという点である。更なる利点は、開始デザインのデザイン特性および良好な結像特性を失うことなく、所定の限界範囲内で視覚帯を任意に且つ無限に調整できる可能性である。したがって、顧客ニーズを最良の想定し得る方法で常に満たすために、任意の数のデザイン変形例を生成することができる。
本発明に係る方法は、
− ドライバーのための、大きい、広い遠見部を有するプログレッシブレンズ、
− 大きい遠見部、低い加入度数、および、小さい勾配を有するスポーツ用プログレッシブレンズ(活動的な行動のためのレンズ)、
− 広い近見部と40cmの主作業焦点とを有するレンズ、
− 様々なコンピュータ職場用レンズ、並びに、近見レンズおよびルームレンズ、
などの異なる分野の用途に適合する個々のデザインを生成するのに特に適するとともに、生成されたデザインに基づいて個々の眼鏡レンズを製造するのに特に適する。
1つの実施形態によれば、少なくとも1つの制御点
Figure 0005749180
がカーブに沿ってシフトされ、該カーブが直線であり、それにより、
Figure 0005749180
が成り立ち、この場合、
Figure 0005749180
は、直線の外側方向ベクトルを示し、これに沿って制御点が移動しあるいは移動でき、
Figure 0005749180
は、直線の内側方向ベクトルを示し、これに沿って制御点が移動しあるいは移動でき、
tは、方向ベクトル
Figure 0005749180
による直線に沿ったシフトを示す。
それに沿って少なくとも1つの制御点をシフトさせることができる直線の方向は、任意の方向であり得る。例えば、それに沿ってそれぞれの制御点が移動するあるいは移動できる直線は、所定の制御点
Figure 0005749180
におけるベース目標等非点収差線の正規曲線と一致する。
ここで、シフトt、すなわち視野サイズを制限することができ、その場合、tが、最大限に許容できる外側偏差を示し、tが、最大限に許容できる内側偏差を示す。このとき、例えば近見部における最大視野サイズは、直線
Figure 0005749180
に沿って制御点
Figure 0005749180
が十分外側に(すなわち、外周へ向けて)シフトされることを意味する。それに応じて、例えば近見部における最小視野サイズは、直線
Figure 0005749180
に沿って制御点
Figure 0005749180
が十分内側に(すなわち、主線へ向けて)シフトされることを意味する。
例えば、パラメータtを以下の式を用いて計算することができ、
Figure 0005749180
ここで、
0≦gF,N≦100が成り立ち、
50<gF,N≦100に関しては、
Figure 0005749180
が成り立ち、
0≦gF,N<50に関しては、
Figure 0005749180
が成り立ち、
この場合、
は、遠見帯の重み付け(%)を示し、
は、近見帯の重み付け(%)を示し、
は、最大限に許容できる外側シフトを示し、
は、最大限に許容できる内側シフトを示す。
50%(gF,N=50)の遠見帯または近見帯の重み付けにおいては、m=0である。すなわち、基本デザインは変更されない。それぞれの重み付けが(50%,100%](50<gF,N≦100)の区間にある場合、0<m≦1および
Figure 0005749180
が成り立つ。すなわち、それぞれの視覚帯が広げられる。遠見帯または近見帯のそれぞれの重み付けが(0%,50%](0≦gF,N<50)の区間にある場合、−1≦f<0および
Figure 0005749180
が成り立つ。すなわち、それぞれの視覚帯が低減される。
重み付けgF,N=100は、制御点
Figure 0005749180
が直線
Figure 0005749180
に沿って外側に最大限にシフトされること、すなわち、t=tであることを意味する。この場合、
Figure 0005749180
が成り立つ。したがって、重み付けgF,N=0は、制御点
Figure 0005749180
が直線
Figure 0005749180
に沿って内側に最大限にシフトされること、すなわち、t=tであることを意味する。この場合、
Figure 0005749180
が成り立つ。
重み付けgF,Nが定められる場合には、関連する直線パラメータtを以下のファクタを用いて決定することができる。
Figure 0005749180
F,N=50のときには、f=0であり、開始デザインまたは基本デザインは変更されない。
重み付けg≠50および/またはg≠50は、視野サイズを変え、したがって開始デザインまたは基本デザインも変える。
プログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算する方法は、遠見帯および/または近見帯の重み付けに応じた最大目標非点収差値Amaxの適合Amax→A’maxを更に含むことができる。
50%から外れる遠見帯および/または近見帯の重み付け(gF,N≠50および/またはgF,N≠50)は、それぞれの視覚帯のサイズを変え、したがって、眼鏡レンズ上の外周領域のサイズも変える。ここで眼鏡レンズ上の外周領域においては、収差が更に高い値を有することができ、あるいは有することが許容される。好ましくは、少なくとも1つの第1の制御点がシフトされた後に決定されあるいは計算される目標非点収差分布A(u,y)について、最大限に許容される目標非点収差Amaxの適合が行なわれる。例えば、遠見帯が広げられおよび/または近見帯が広げられる場合には、通例、Amaxが増大される(非点収差のためのサンドボックスモデル)。しかしながら、遠見帯が低減されおよび/または近見帯が低減される場合には、Amaxが低減される。
例えば、最大限に許容できる目標非点収差値Amaxは、以下の式にしたがって、遠見部および/または近見部の重み付けに応じて適合され得る。
A’max=n(g,g)Amax
この場合、
Figure 0005749180
は、スケーリングファクタであり、
は、遠見帯の重み付け(%)であり、ここで0≦g≦100が成り立ち、
は、近見帯の重み付け(%)であり、ここで0≦g≦100が成り立ち、
Ast maxは、最大限に許容できる適合(%)であり、ここで0≦PAst max≦50が成り立つ。
例えば、PAst max=15である。
遠見部および/または近見部の重み付けに応じた目標非点収差分布A(u,y)の最大限に許容される非点収差の適合は、目標非点収差分布A(u,y)が決定された方法とは無関係に行なわれてもよい。例えば、開始デザインまたは基本デザインからその伸長または圧縮によって得られた目標非点収差分布の最大限に許容できる非点収差が、前述した方法を用いて適合され得る。
したがって、本発明の更なる態様は、プログレッシブ眼鏡レンズを製造あるいは計算するためにコンピュータで実行される方法であって、
− 開始目標非点収差分布A(u,y)の特定ステップと、
− 遠見帯および/または近見帯の予め決定されあるいは予め決定可能な重み付けに応じた開始目標非点収差分布における最大目標非点収差値Amaxの適合ステップAmax→A’maxと、
を備える、方法に関する。
遠見帯の重み付けgおよび近見帯の重み付けgは、顧客選好および/またはフレームデータに応じて定められ得る。
遠見帯および近見帯の重み付けg、gは、デザイン設計者により適切に定められることができ、あるいは、視野における遠見帯の重要性または近見帯の重要性に関して検出される顧客データまたは顧客選好から自動的に導出されることができる。得られる顧客データまたは顧客選好から遠見帯および/または近見帯の重み付けを計算するための方法は、例えばWO2008/08995に記載されている。
同様に、重み付けg、gが、フレームデータから導出され得る。例えば、長いレンズの場合には、厄介な横収差を減らすために、外周遠見帯に対して更に高い重み付けを割り当てることができる。デザイン変化を伴うことなく、すなわち、境界非点収差線の経路を変えることなく、基準点遠見および/または近見を上方へおよび/または下方へ単にシフトさせることは、問題を殆ど解決しないが、一方では、累進長を更に短くして、チャンネル幅を減少させる。境界非点収差線は、特に、側頭および鼻のベース目標等非点収差線、並びに、随意的に側頭および鼻の更なる目標非点収差線であると理解される。
スポーツフレームは、通常は高い顔形角を有し、それらの眼鏡が主に活動的な行動(例えば、ランニング、サイクリング、スキー、ジョギングなど)のために使用され、近見作業ではそれほど使用されないため、「活動的挙動の重要性」と同様、顔形角をデザイン制御において考慮に入れることもできる。特に、重み付けg(遠見帯の重み付け)、g(近見帯の重み付け)、g(動的な視覚的印象と関連がある重み付けダイナミクス)、および顔形角の線形依存性が、定式化され得る。例えば、顔形角が大きければ大きいほど、gおよびgが大きくなり、gが小さくなる。
プログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための方法は、スケーリングステップを更に備えることができる。スケーリングステップにおいては、条件u≧uまたはu≦−uが満たされる各水平断面の点における目標非点収差値A(u,y=const)にスケーリングファクタs(u,y)が乗じられる。
開始デザインの前述した変換によって得られる目標非点収差分布A(u,y)を、更に変換することができる。すなわち、以下のように更にスケーリングファクタs(u,y)を乗じることにより、目標非点収差分布A(u,y)を変換することができる。
Figure 0005749180
主線に沿う特性を得るために、条件u≧uまたはu≦−uが満たされる点に関してスケーリングファクタの乗算を行なうことができる。この場合、目標非点収差値は、主線の近傍で変えられない(すなわち、|u|<|u|のとき)。また、u=|u|のときには、スケーリングファクタsを1に設定できる。すなわち、s(±u,y)=1となる。
ある特別な用途においては、開始デザインを大きく変更することが生理学的に有益となり得る。これに関する一例は、高速活動スポーツ用のプログレッシブレンズである。ここで、大きな誤差がない遠見帯、および側頭領域での非常に滑らかな移行(僅かな揺動運動)への必要性が特に重要である。しかし、近見帯のサイズはあまり重要ではない。他の極端な、すなわち、非常に大きな広い近見帯は、例えば精密な活動のために求められ、興味の対象にもなり得る。そのような要求をより良く満たすため、非点収差のための目標仕様の計算に関して、表面に関して目標にされた方法で目標非点収差値に更に影響を与えるよう、更なるファクタs(u,y)が使用され得る。
典型的な関数s(u,y)が以下のように定められ得る。
眼鏡レンズのそれぞれの水平断面y=constにおいて、目標非点収差値には、各レンズ半体(鼻、側頭)に関数値1を有する所定の内側u座標uから外側へ向けて直線的に変化するファクタが乗じられる。無論、水平断面内での直線的な変化の代わりに、他の関数を同様に使用できる(例えば、uの四次関数(quadrangular function)、uの三次関数、二重漸近線関数など)。
また、第2の構成線u(y)を定めることができる。例えば、u=const、|u|>|u|である。構成線u(y)上のスケーリングファクタs(u,y)の値は、異なる水平断面において様々に特定され得る。
特に、直線点(u,f(y))(uの一次関数に関して)が、異なる水平断面y=constにおいて様々に特定され得る。言い換えれば、uでの外関数値fが、遠見帯、近見帯、および、累進帯において様々に特定され得る。すなわち、f=f(y)となる
活動的スポーツレンズにおいては、中間レンズ領域または上側レンズ領域における外周非点収差を、例えば更に減らすことができる。その結果、上側レンズ領域では、関数f(y)を明らかに1よりも小さく(f(y)<1)、好ましくは0.5よりも小さくすることができる。近見帯では、関数f(y)が再び値1をとってもよい。近見帯では、f(y)≒1が成り立つことが好ましい。
更に広い近見帯の場合には、正反対の経路が有益である。上側領域においては、変更が行なわれないことが好ましい。すなわち、f(y)≒1である。近見帯では、非点収差の更なる減少が行なわれる。すなわち、f(y)<1である。
したがって、遠見帯、近見帯、および/または、外周における目標非点収差は、制御が簡単な関数によって、目標にされた方法で更に影響されあるいは低減され得る。
例えば、f(y)が、パラメータa、b、c、d、mを伴う二重漸近線関数であってもよく、ここで、
Figure 0005749180
が成り立ち、また、

Figure 0005749180
であり、
この場合、|u|>|u|である。
レンズ周縁uでのファクタf(y)のための取り扱いが簡単な関数は、パラメータa、b、c、d、mを伴う以下の二重漸近線関数である。
Figure 0005749180
関数s(u,y)に関しては以下が成り立つ。
Figure 0005749180
二重漸近線関数f(y)の係数b、c、dおよびmは、予め定められ、あるいは予め特定され得る。例えば、b=1、c=−0.3、d=5、m=1、amax=−0.5を設定することができる。このとき、重み付けダイナミクスgに基づいて、偏差、または仰角またはハブaが制御され得る。例えば、二重漸近線関数f(y)の係数aに関しては以下が成り立つ。
Figure 0005749180
=80%およびamax=−0.5に関して、aは−0.4である。遠見部における降下はa=−0.4であり、スケーリングファクタs(yFT)の値=1−0.4=0.6である。
前述したスケーリングステップまたは前述したスケーリング方法は、この目標非点収差分布が得られる方法に関係なく、任意の目標非点収差分布に適用され得る。特に、前述したスケーリング方法は、ベース目標等非点収差線の変換によって得られる目標非点収差分布のスケーリングに限定されない。
したがって、本発明の一態様は、開始デザインの変換によってプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するためにコンピュータで実行される方法において、
− 開始デザインを特定するステップであって、開始デザインが開始目標非点収差分布A(u,y)を備える、ステップと、
− 条件|u|>|u|が満たされる各水平断面の点において目標非点収差値A(u,y=const)にスケーリングファクタs(u,y)を乗じることによって開始デザインを変換するステップであって、好ましくはs(u,y)=1が成り立つ、ステップと、
を含む、方法に関する。
先に説明したように、ベース目標等非点収差線は、簡単な方法でパラメータ表示され得る。この場合、異なる帯域(例えば、2つの垂直座標yおよびyを定めることにより定められ得る遠見帯、近見帯、および/または累進帯)では、ベース目標等非点収差線が様々な関数によって表され得る。以下、ベース目標等非点収差線Iがシフトされた第1の制御点を通るような、ベース目標等非点収差線Iの典型的な変換について説明する。
ベース目標等非点収差線は、変換が行なわれない少なくとも1つの領域を有することができる。ベース目標等非点収差線は、特に、少なくとも1つの枢支点または固定点
Figure 0005749180
を通ることができ、この場合、枢支点または固定点では、条件

Figure 0005749180
Figure 0005749180
が満たされる。
特に、座標(u,y=y)および/または(u,y=y)を有するベース目標等非点収差線上の点は、枢支点または固定点をそれぞれ構成することができる。
1つの例によれば、ベース目標等非点収差線は、累進帯(すなわち、y≦y≦yのとき)では変換されない。したがって、導出された個々のデザインは、屈折力経路の特性と、それに関連する開始デザインの累進チャンネルの最小幅と、を維持する。累進帯におけるベース目標等非点収差線の経路は、前述したように、主線に沿う屈折力経路に基づいて、または、現在の物体距離経路および調節モデルから、決定され得る。したがって、座標(u,y)および(u,y)を有する点は、枢支点または固定点をそれぞれ構成する。
しかしながら、近見帯および/または遠見帯では、ベース目標等非点収差線の変換を行なうことができる。以下、近見帯におけるベース目標等非点収差線の変更について詳しく説明する。
先に説明したように、近見帯におけるベース目標等非点収差線は、例えばパラメータまたは係数a、b、c、dを伴う以下の形式の関数によって表わすことができる。
Figure 0005749180
この関数の一次導関数は、
Figure 0005749180
である。
ベース目標等非点収差線は、近見部における第1の予め決定されあるいは予め決定可能な制御点
Figure 0005749180
を通過する。
開始デザインを変換することは、予め決定されあるいは予め決定可能なカーブに沿って、特に直線に沿って、第1の制御点をシフトさせること、すなわち、
Figure 0005749180
Figure 0005749180
を含む。制御点のシフトは、前述したように眼鏡着用者の個人データに応じて行なわれる。
変更されたベース目標等非点収差線I’は、パラメータa’、b’、c’、d’を伴う以下の形式の関数によって表わされる。
Figure 0005749180
パラメータまたは係数a=a’は、適切な方法で特定または定められ得る。上記関数の残りのパラメータは、シフトされた制御点
Figure 0005749180
のデータから、随意的には更なる条件を考慮に入れることにより計算あるいは決定され得る。そのような条件は、(近見帯の境界上の)垂直座標yと(遠見帯の境界上の)垂直座標yとの間で延びる累進帯におけるベース目標等非点収差線の経路が変更されず、それにより、この帯域(すなわち、yとyとの間)で、開始デザインのベース目標等非点収差線と、導出された個々のデザインのベース目標等非点収差線とが一致する、という条件であってもよい。したがって、点(u,y=y)は枢支点または固定点を構成する。同様に点(u,y=y)も枢支点または固定点を構成する。
開始デザインのベース目標等非点収差線の経路は予め決定されているので、主線からのベース目標等非点収差線の距離u、並びにy=yでの一次導関数によって決定される、累進帯における開始デザインのベース目標等非点収差線の経路のデータに基づいて、計算され得る。
このデータと、シフトされた制御点の座標のデータとに基づいて、一次方程式の以下の系を解くことにより、変更されたベース目標等非点収差線の残りのパラメータ、すなわち近見帯における変更されたベース目標等非点収差線の経路が、一意的に計算され得る。
Figure 0005749180
Figure 0005749180
Figure 0005749180
ハードデザインの遠見部におけるベース目標等非点収差線の経路は、通常、制御点を特定して操作することによっても変更され得る。特に、遠見部におけるベース目標等非点収差線は、パラメータまたは係数a、b、cを伴う以下の関数によって表わされ得る。
Figure 0005749180
通常は、多項式の屈折力nが定められ、あるいは適切に規定される。
この関数の一次導関数は、
Figure 0005749180
である。
遠見部におけるベース目標等非点収差線は、第1の予め決定されあるいは予め決定可能な制御点
Figure 0005749180
を通過する。この点は、前述したようにシフトされる
Figure 0005749180
。上記関数のパラメータは、シフトされた制御点
Figure 0005749180
のデータから、また随意的には更なる条件を考慮に入れて、計算あるいは決定され得る。そのような更なる条件は、点(u,y=y)が枢支点または固定点を構成するという条件であってもよい。
変更されたベース目標等非点収差線は、パラメータa’、b’、c’を伴う以下の形式の関数によって表わされる。
Figure 0005749180
変更されたベース目標等非点収差線のパラメータまたは係数は、例えば以下の方程式の系を解くことにより一意的に決定される。この場合、累進帯では、ベース目標等非点収差線の経路が不変のままである。すなわち、
Figure 0005749180
Figure 0005749180
Figure 0005749180
パラメータまたは係数a、b、c、dを伴う以下の形式の関数
Figure 0005749180
によって表わされるソフトデザインのベース目標等非点収差線に関しては、変更されたベース目標等非点収差線の経路を一意的に決定する上で、遠見部または遠見帯における通常2つの予め決定された制御点
Figure 0005749180
および
Figure 0005749180
で十分である。2つの制御点は、前述したようにシフトされる。
Figure 0005749180
Figure 0005749180
変更されたベース目標等非点収差線のパラメータまたは係数a’、b’、c’、d’、したがって遠見部におけるそれらの経路は、以下の方程式の系を解くことにより一意的に決定され得る。
Figure 0005749180
Figure 0005749180
Figure 0005749180
Figure 0005749180
この場合、座標y=yを有するベース目標等非点収差線上の点は、枢支点または固定点である。
前述したように、変更されたベース目標等非点収差線I’を示す目標非点収差分布の生成または計算は、主線と変更されたベース目標等非点収差線I’との間の目標非点収差値の補間を含むことができる。
特に、開始デザインは、主線に沿う目標非点収差値A(u=0,y)のための仕様を含むことができ、その場合、変更された目標等非点収差線を示す目標非点収差分布A(u,y)の生成または計算は、主線上の目標非点収差値A(u=0,y)と、変更されたベース目標等非点収差線上の目標非点収差値との間の補間を含み、ここでA(u=0,y)=A(u=0,y)が成り立つ。
条件A(u=0,y)=A(u=0,y)は、開始デザインの主線に沿う目標非点収差値A(u=0,y)が変換されないことを意味する。変更されたベース目標等非点収差線I’上の目標非点収差値は、ベース目標非点収差Aに等しい。
補間は、線形補間、四次補間(quadrangular interpolation)、または、三次補間であってもよい。より高次の補間も考えられる。
以下、主線の所定の経路およびベース目標等非点収差線の所定の経路に基づく目標非点収差分布または目標非点収差値の典型的な計算または生成について詳しく説明する。
前述したように、所定のベース目標等非点収差線Iの経路は、一次関数u(y)によって特定され得る。無論、所定の主線HLと変更されたベース目標等非点収差線I’との間の目標非点収差分布は、後述する方法によっても計算され得る。この場合、以下の式において、変更されたベース目標等非点収差線I’の経路を表わす一次関数u’(y)は、ベース目標等非点収差線Iの経路を表わす一次関数u(y)に取って代わる。
特に、目標非点収差値を水平断面で補間することができ、その場合、補間は、各水平断面において、主線上の所定の目標非点収差値A(u=0,y)=A(y)と、変更されたベース目標等非点収差線上の値A=constとの間で行なわれる。
uに関して、補間は、直線的に、四次的に(quadrangularly)、あるいは、以下の任意の屈折力関数により行なわれ得る。
Figure 0005749180
定められた屈折力pの場合、係数b(y)が以下によって直接に決定され得る。
Figure 0005749180
この場合、前述したように、u(y)は、主線からのベース目標等非点収差線の水平距離である。
その結果、補間を以下のように書き表すことができる。
Figure 0005749180
屈折力pは、一般に可変態様で特定される。pが大きく選択されればされるほど、主線上の非点収差の横方向増大が滑らかになる。累進帯では、非点収差が一般にMinkwitz定理にしたがって直線的に増大し、そのため、この帯域ではpが1に選択されるのが好ましい。近見部の目標非点収差が増大するにつれて、pも同様に増大するのが好ましく、それにより、目標非点収差の水平増大が更に緩慢になる。このことは、近見部の拡張をもたらす。
眼鏡レンズの外周(すなわち、ベース目標等非点収差線と眼鏡レンズ周縁との間)では、値Amaxを有する外側の最大目標等非点収差線を更に特定することにより、また、遠見部および近見部においてベース目標等非点収差線からの最大目標等非点収差線の距離を特定することにより、目標非点収差分布を決定することができる。
特に、いわゆる平行カーブモデル法により、眼鏡レンズの外周の目標非点収差値を決定あるいは計算することができる。
この方法によれば、ベース目標等非点収差線または更なる目標等非点収差線のための平行カーブが、眼鏡レンズの外周で構成される。これらの目標等非点収差線の通常の距離は、最大値Amaxと、正規曲線に沿うベース目標等非点収差線からの関連する距離とを特定することによって制御される。最大または外側目標等非点収差線の距離は、一定である必要はなく、距離関数a(y)によって特定され得る。a(y)の値が大きくなればなるほど、目標等非点収差線同士が互いに更に離れ、非点収差が更に滑らかに移行する。距離関数a(y)は、遠見部の距離aおよび近見部の距離aが特定され、その後にyにおいて線形補間されるよう、簡単な一次関数であってもよい。
眼鏡レンズの外周における任意の点P(u,y)の目標非点収差値は、例えば以下のように計算することができる。
1.その正規曲線が点P(u,y)を通るベース目標等非点収差線上の点P(u,y)を、適切な数値法によって決定する、
2.2つの点P(u,y)およびP(u,y)の距離dを、以下のように計算する
Figure 0005749180

3.A(d=0)とAmax(a(y))との間の補間によって、関連する目標非点収差値A(u,y)=A(d,a(y))を計算する。デザインに応じて、この補間は、例えば、線形補間、四次補間(quadrangular)、または、三次補間、または、他の適した補間であってもよい。好ましくは、補間が線形補間である。
あるいは、いわゆる円錐台モデル法にしたがって、眼鏡レンズの外周の目標非点収差値を計算することができる。
この方法は、遠見帯へ移行するときにベース目標等非点収差線が非常に大きく曲げられ、それにより、ベース目標等非点収差線の正規曲線が距離a(y)内で既に交差する可能性がある場合に特に有益である。この場合、前述した方法によれば、外側目標等非点収差線をこれ以上明確に構成することができない。これは、上記方法が複数の解決策を与えるからである。目標等非点収差線は円錐台の輪郭線としてモデリングされ、円錐台のベース領域が目標等非点収差線によって画定される。円錐台の先端S(uSP,ySP)の位置と先端における関連する目標非点収差値ASPとを特定することにより、以下の方法にしたがって各点P(u,y)が一意的に目標非点収差値と関連付けられる。
1.点P、Sを通過する直線と円錐台の制限カーブとの交点F(u,y)を決定する、
2.距離を計算する:
Figure 0005749180
Figure 0005749180

3.目標非点収差値A(u,y)を計算する:
Figure 0005749180
Figure 0005749180
特に、遠見部においては、更なる第2の目標等非点収差線(例えばIz=0,25またはA=0.25D)によって、目標非点収差値の計算を(例えば前述した補間によって)更に細かく制御できる。したがって、開始デザインは、遠見部および/または近見部または遠見帯および/または近見帯における更なる目標等非点収差線の経路のための仕様を備えることができる。ベース目標等非点収差線との類推によって、更なる第2の目標等非点収差線を特定および計算あるいは変更することができる。
特に、補間は、最初は、主線と第2の更なる目標等非点収差線との間で行なわれ、その後、第2の更なる目標等非点収差線とベース目標等非点収差線との間で行なわれる。この場合、目標非点収差値の計算は、主線上の目標非点収差値と変更された更なる目標等非点収差線上の目標非点収差値との間の第1の補間と、変更された更なる目標等非点収差線上の目標非点収差値と変更されたベース目標等非点収差線上の目標非点収差値との間の第2の補間と、を含むことができる。この場合、第1および第2の補間はそれぞれ、主線上の目標非点収差値と変更されたベース目標等非点収差線上の目標非点収差値との間の前述した補間に関する類推によって行なわれる。
好ましくは、プログレッシブ眼鏡レンズデザインを計算しあるいは計算するための方法は、眼鏡着用者の個人パラメータを得るステップを含むことができる。
先に説明したように、デザインまたは眼鏡着用者に固有のデータあるいはフレームワーク状態は、それらに基づいて少なくとも1つの制御点がシフトされるが、このようなデザインまたは眼鏡着用者に固有のデータあるいはフレームワーク状態は、既に決定されたデータまたはパラメータ、例えば、遠見帯、近見帯、および/または、累進帯のサイズおよび/または位置に関する平均的なニーズおよび/または選好、眼鏡着用者の眼の平均的な生理的パラメータ、眼鏡レンズの着用位置の平均的なパラメータ、平均的なフレームおよび/または心取りデータなどに関連することができる。例えば、これらのパラメータは、メモリ、記憶媒体、データベース等に記憶させることができるとともに、そこから読み出すことができる。
デザインまたは眼鏡着用者に固有の仕様またはフレームワーク状態は、それらに基づいて少なくとも1つの制御点がシフトされるが、このようなデザインまたは眼鏡着用者に固有のデータあるいはフレームワーク状態はまた、特定の眼鏡着用者または特定の顧客の個々のパラメータおよび/または個々のデザイン仕様(例えば、選好、使用の焦点、重み付け遠見帯および/または近見帯)を備えることもできる。
眼鏡着用者の個々のデータおよび/または個々のデザイン仕様は、例えばRodenstock GmbH社による「Consulting FreeSign」などのコンサルティングツールを用いてかなり詳細に得ることができる。顧客は、想定し得る個々のデザイン提案またはデザイン実現を直接に実演されることが好ましい。今までのところ、対応するフレキシブルレンズデザインにおける視覚帯に関する個々の顧客ニーズの実現は、十分に解決されてこなかった。通常、Rodenstock GmbH社による「Impression Sport extracurved」などの特別なデザインを使用しなければならなかった。しかしながら、これらの特別なデザインは、全ての近見距離およびベースカーブを網羅しなかった。本発明を用いると、目標仕様を目標にされた方法で変更することにより個々の視覚帯を強調できる。例えば、近見帯の横方向の拡張を行なうことができ、これは、−顧客の要求プロファイル(高い重み付けダイナミクスまたは遠見部)に応じて−遠見帯および/または近見帯における目標等非点収差線の勾配の増大または遠見帯の減少と組み合わされてもよい。
プログレッシブ眼鏡レンズを製造あるいは計算するための前述した方法は、所定の開始デザインの変換によってプログレッシブ眼鏡レンズを製造あるいは計算するための他の方法と組み合わせることができる。
例えば、開始デザインの変換は、遠見および/または近見基準点の可変調整可能な(個々の)垂直位置に応じて、例えば補間によって計算される目標非点収差値A(u,y)の変換(例えば、垂直方向の伸長または圧縮)を更に含むことができる。変換は、計算されるべき眼鏡レンズデザインが遠見および/または近見基準点の必要とされる垂直位置を示すように行なわれる。そのような変換は、特許出願WO2008/089996に記載されている。ここでは、眼鏡レンズデザインは、遠見および/または近見部屈折力に関する眼鏡着用者のための処方値または眼鏡着用者のために必要とされる値(例えば屈折能測定によって決定される)がそれぞれの基準点で実現されるときの、遠見および/または近見基準点の所定の空間位置を示す。つまり、デザインと関連付けられる収差(特に、非点収差偏差および屈折誤差)が、遠見および/または近見基準点で可能な限り小さくなる(好ましくは、ほぼゼロ)ようになっている。
あるいは、遠見および/または近見基準点の個別に決定される垂直位置に応じて、スケーリングファクタs(u,y)が乗じられる目標非点収差値A(u,y)を変換することができる。
更に好ましくは、開始デザインの変換は、関数h=h(S’(y’),l/l)を用いて、あるいは関数h=h(l/l)を用いて、目標非点収差値にスケーリングファクタl/lを乗じることを更に含むことができる。この場合、lは、個々の眼鏡レンズデザインの累進長を示し、lは、開始デザインの累進長を示す。好ましくは、h(l/l)=a・(l/l)+bであり、a、bは一定である。
したがって、また、開始デザインのデザイン特性を維持しつつ、遠見および近見のための基準点(遠見基準点および近見基準点)の任意の位置と、主視覚帯と、を有するプログレッシブレンズデザインが導出され最適化され得る。このため、遠見Bおよび近見Bのための基準点の望ましい個々の位置を単に定めれば十分である。累進面の累進帯の垂直位置および長さは、個々のユーザ状況に自動的に適合される。ここで、最適化において、遠見Bおよび近見Bのための基準点の任意の位置を考慮に入れることができる。
同様に、開始デザインは、眼鏡レンズの主線に沿う物体距離関数のための仕様を更に含むことができる。個々のデザインを計算するための方法は、開始デザインの物体距離関数の適切な変換を更に含むことが好ましい。物体距離関数の変換の変換係数は、個々の眼鏡レンズデザインの遠見および/または近見基準点における眼鏡レンズの屈折力が開始デザインの遠見および/または近見基準点における眼鏡レンズの屈折力に対応するよう、ニュートン反復によって決定される。物体距離関数の適切な変換は、前述した特許出願WO2008/089996に記載されている。
また、開始デザインの変換は、目標非点収差値(補間によって決定される開始目標非点収差値または目標非点収差値)とスケーリングファクタSAddとの乗算を更に含むことができる。この場合、
Figure 0005749180
となっている。
ここで、tAddは、一般に、計算されるべき眼鏡レンズまたは眼鏡レンズデザインの加入度数Addおよび/または遠見屈折力Fおよび/または所定のベース加入度数Addの関数tAdd=tAdd(Add,F,Add)であるファクタを示し、Add=Addに関してtAdd=1が成り立つ。最も簡単なケースでは、tAdd=1である。
例えば、開始デザインは、ベース加入度数Addのための開始目標非点収差分布を含むことができる。最初に、この開始目標非点収差分布をリスケーリングして、加入度数Addのための目標非点収差分布を得ることができる。この場合、Addは、計算されるべき眼鏡レンズまたは眼鏡レンズデザインの加入度である。その後、ベース目標等非点収差線の経路を前述したように変えることができ、また、ベース目標等非点収差線の新たな経路に適合される変更された目標非点収差分布を補間によって決定することができる。スケーリングファクタsを乗じることによるベース加入度数Addを伴う所定の目標非点収差分布の変換は、特許出願DE102008105189.0に記載されている。
同様に、異なる注文において目標非点収差値を適切に変換することができる。同じように、開始デザインの他の目標仕様(例えば、屈折誤差、倍率などにおける目標仕様)を適切に変換あるいは変えることができる。
本発明に係る方法は、従来のプログレッシブ眼鏡レンズあるいは屈折力が最適化されたプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインまたはデザイン変形例を生成すること、および、個別に最適化されたプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインまたはデザイン変形例を生成することの両方に適する。
プログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するための本発明に係る方法を用いると、既に幾つかのパラメータを伴うバランスのとれた開始デザイン(例えば、汎用デザイン、近見デザインなど)から、任意の数のデザインを得ることができる。この場合、移行が滑らかである。好ましい実施形態において、開始デザインから得られる全てのデザインは、主線に沿う屈折力経路の同一特性を好ましく維持し、したがって更には、累進チャンネルにおける最小幅も好ましく維持する。その結果、全ての屈折力範囲にわたって新たなデザインを生成する必要なく、視野サイズと勾配経路とのほぼ全ての考えられる組み合わせを後で生成することができる。本発明に係る手続きを用いると、ベースデザインまたは開始デザインを直接に変更する必要がなく、更なるパラメータに基づいて最適化の直前に目標仕様を生成するための係数を適合させるだけで済むため、それにより、適切な用途デザインを迅速に得ることができる。特に、本発明に係る方法は、データベースにより制御される計算プロセスに特に適している。本発明に係る方法を用いると、異なるデザイン変形例が迅速且つ効率的に生成され、かつ互いに対して検査され得るため、従来の、屈折力が最適化されたあるいは個々のプログレッシブ眼鏡レンズを開発して製造するための労力を著しく減らすことができる。
また、眼鏡着用者の近見および/または遠見基準点の自由に規定できる位置に対する適合、したがって異なる累進長に対する適合を行なうことができる。特に、既存の最適化仕様または既存の開始デザインを、任意に伸長および圧縮することができ、したがって、個々の着用状況、特に個別に決定された累進長に適合させることができる。ここでは、異なるデザイン(例えば、異なる累進長を有する異なる開始デザイン)の目標仕様の補間が必要とされない。したがって、既存の開始デザインから、異なる(更に長いあるいは更に短い)累進帯または累進長を有する変形を更に迅速且つ効率的に生成することができる。
また、物体距離関数の更なる自動的な適合、したがって、目標屈折力経路の自動適合を行なうこともできる。
計算された眼鏡レンズデザインは、物体側または好ましくは眼側のプログレッシブ面を有するプログレッシブ眼鏡レンズのための眼鏡レンズデザインであってもよい。反対側の面は、単純な球面または回転対称な非球面になり得ることが好ましい。また、前述した方法を使用して、二重プログレッシブ眼鏡レンズのための眼鏡レンズデザインを計算あるいは生成することもできる。
更に、本発明の更なる態様によれば、所定の開始デザインの変換によってプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための好ましい方法を実行するよう適合されたデザイン計算手段またはデザイン変換手段を備える、プログレッシブ眼鏡レンズデザインまたはプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するための装置が提供される。
開始デザインは、
− 主線HLの経路のための仕様と、
− 一定のベース目標非点収差A=constによる少なくとも1つのベース目標等非点収差線Iの仕様であって、ベース目標等非点収差線Iが少なくとも第1の所定の制御点
Figure 0005749180
を通る、仕様と、
を備える。
特に、デザイン計算手段またはデザイン変換手段は、
− 予め決定されあるいは予め決定可能なカーブに沿って第1の制御点
Figure 0005749180
の位置のシフト
Figure 0005749180
を行なうよう適合された制御点変化手段であって、第1の制御点
Figure 0005749180
のシフトがデザイン固有および/または眼鏡レンズ着用者固有のデータを考慮に入れて行なわれる、制御点変化手段と、
− 変更されたベース目標等非点収差線I’を、それがシフトされた第1の制御点
Figure 0005749180
を通るように計算するよう適合されたベース目標等非点収差線計算手段と、
− 変更されたベース目標等非点収差線I’を示す目標非点収差分布A(u,y)の生成または計算を行なうよう適合された計算手段と、
を備え、
ここで、
xは、水平座標を示し、
yは、垂直座標を示し、
uは、主線からの点(x,y)の水平距離を示し、
A(u,y)は、変換された開始デザインの目標非点収差値を示す。
また、プログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための装置は、眼鏡着用者の個人データを得るよう適合された取得手段を備えることができる。
開始デザインを永久的にあるいは一時的にメモリに記憶させることができる。特に、ベース目標等非点収差線計算手段と、目標非点収差分布を生成あるいは計算するための計算手段と、を備えることができるデザイン計算および/またはデザイン変換手段は、対応して構成されるあるいはプログラムされる従来のコンピュータ、専用ハードウェア、および/または、コンピュータネットワークまたはコンピュータシステムによって実施され得る。デザイン計算またはデザイン変換手段、および、特にベース目標等非点収差線計算手段および/または目標非点収差分布を生成あるいは計算するための計算手段は、適切なインタフェースによってメモリと信号通信することができ、特にメモリ内に記憶されたデータを読み出しおよび/または変更することができる。制御点変化手段は、ユーザが制御点の位置を変えることができるようにするインタラクティブグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を更に備えることができる。
ベース目標等非点収差線計算手段は、適切なインタフェースによってグラフィカルユーザインタフェースと信号通信できる。ベース目標等非点収差線計算手段は、シフトされた第1の制御点
Figure 0005749180
を通るベース目標等非点収差線I’の計算をリアルタイムで行なうことができる。
本発明によれば、コンピュータプログラムプロダクト、すなわち、装置クレームのカテゴリーに記載されるコンピュータプログラム、および、コンピュータプログラムが記憶されて成る記憶媒体が提供され、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされて実行されるときに、プログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための本発明に係る好ましい方法を実行するよう適合されている。
本発明の更なる態様によれば、プログレッシブ眼鏡レンズを製造するための方法であって、
− プログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための好ましい方法にしたがってプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを計算するステップと、
− 計算された眼鏡レンズデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化するステップと、
を含む方法が提案される。
また、製造方法は、
− 計算されたあるいは最適化された眼鏡レンズの表面データを与えるステップと、
− 与えられた眼鏡レンズの表面データにしたがって眼鏡レンズを製造するステップと、
を備えることができる。
製造または生産は、数値制御されるCNCにより、鋳造方法により、2つの方法の組み合わせにより、あるいは、他の適した方法にしたがって行なうことができる。
眼鏡レンズの計算または最適化は、以下の目的関数を最小にすることを含むことができる。
Figure 0005749180
ここで、
Asti,targetは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の目標値であり、
Astは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の実際の値であり、
i,Astは、i番目の評価点における非点収差偏差または局所非点収差誤差の局所重み付けである。
上記式において、Asti,targetは、それぞれのi番目の評価点でプログレッシブ眼鏡レンズデザインに割り当てられる、既に決定されている目標非点収差分布である。
目的関数では屈折誤差ΔRも考慮に入れられることが更に好ましく、それにより、眼鏡レンズの計算または最適化は、以下の目的関数を最小にすることを含む。
Figure 0005749180
ここで、
ΔRi,targetは、i番目の評価点における局所屈折誤差の目標値であり、
ΔRは、i番目の評価点における局所屈折誤差の実際の値であり、
i,ΔRは、i番目の評価点における屈折誤差の局所重み付けである。
局所重み付けgi,Astは、以下の式にしたがって計算され得る。
Figure 0005749180
しかしながら、重み付けファクタGi,Astを更に有する特定の局所重み付けgi,Astをスケーリングすることもできる。
目的関数における重み付けファクタgi,Astは、一般に、良好な最適化結果を得ることができるよう、基本デザインまたは開始デザインに関して定められる。例えば非点収差分布が後に変えられる場合には、それにしたがって局所重み付けgi,Astも同様に適合させることが都合良い場合がある。例えば、小さい非点収差誤差(小さいAsttarget)が定められる帯域での視覚は、外周視覚帯よりも高い重み付けを受け入れることができる。
目標非点収差Asttarget<1.0の値に関しては、関数
Figure 0005749180
が1よりも大きくなり、また、値Asttarget>1.0に関しては、関数が1よりも小さくなる。屈折力pが大きければ大きいほど、関数が急勾配となり、より多くの帯域がAsttarget<1.0によって重み付けられる。好ましくは、p≦1であり、例えばp=0.15である。
更なる実施形態によれば、局所重み付けgi,Astに関して
Asti,target≦1.0において
Figure 0005749180
が成り立ち、Asti,target>1.0においてgi,Ast=1が成り立つ。
屈折誤差の大きさに応じて、i番目の評価点における屈折誤差の局所重み付けgi,ΔRを同様の方法でスケーリングすることができる。
眼鏡レンズを最適化するために目的関数において考慮に入れられる局所重み付けの前述した適合は、無論、所望値または目標値(目標非点収差値および/または目標屈折値)が決定される方法にかかわりなく適用され得る。したがって、本発明の1つの態様は、眼鏡レンズを計算あるいは最適化するための方法であって、
− 目標非点収差分布Asti,targetを特定するステップと、
− 以下の形式の目的関数を最小にすることにより眼鏡レンズを計算あるいは最適化するステップと、
Figure 0005749180
と、
を含み、
Asti,targetは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の目標値であり、
Astは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の実際の値であり、
i,Astは、i番目の評価点における非点収差偏差または局所非点収差誤差の局所重み付けであり、
局所重み付けgi,Astに関して以下が成り立ち、
Figure 0005749180
pが、好ましくは1以下の予め決定されあるいは予め決定可能な定数である、
方法に関する。
また、本発明の1つの態様は、眼鏡レンズを計算して最適化するための方法を実行するための対応するコンピュータプログラムプロダクトおよび対応する装置に関する。
本発明の更なる態様によれば、プログレッシブ眼鏡レンズを製造するための装置であって、
− 開始デザインの変換によってプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための好ましい方法にしたがってプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを計算あるいは生成するよう適合されたデザイン計算またはデザイン変換手段と、
− 計算されたデザインに基づいて眼鏡レンズの計算または最適化を実行するよう適合された最適化または計算手段と、
を備える装置が提案される。
開始デザインは、
− 主線HLの経路のための仕様と、
− 一定のベース目標非点収差A=constによる少なくとも1つのベース目標等非点収差線Iの仕様であって、ベース目標等非点収差線Iが少なくとも第1の所定の制御点
Figure 0005749180
を通る、仕様と、
を備える。
特に、デザイン計算またはデザイン変換手段は、
− 予め決定されあるいは予め決定可能なカーブに沿って第1の制御点
Figure 0005749180
の位置のシフト
Figure 0005749180
を行なうよう適合された制御点変化手段であって、第1の制御点
Figure 0005749180
のシフトが、デザイン固有および/または眼鏡レンズ着用者固有のデータを考慮に入れて行なわれる、制御点変化手段と、
− 変更されたベース目標等非点収差線I’を、それがシフトされた第1の制御点
Figure 0005749180
を通るように計算するよう適合されたベース目標等非点収差線計算手段と、
− 変更されたベース目標等非点収差線I’を示す目標非点収差分布A(u,y)の生成または計算を行なうよう適合された計算手段と、
を備え、
ここで、
xは、水平座標を示し、
yは、垂直座標を示し、
uは、主線からの点(x,y)の水平距離を示し、
A(u,y)は、変換された開始デザインの目標非点収差分布を示す。
最適化または計算手段−および、デザイン計算またはデザイン変換手段−は、適切に構成されたあるいはプログラムされたコンピュータ、専用のハードウェアおよび/またはコンピュータネットワークまたはコンピュータシステム等によって実施され得る。同じコンピュータまたは同じコンピュータシステムを、例えば眼鏡レンズのためのデザインの計算および計算されたデザインに基づく眼鏡レンズの計算または最適化の両方を行なうように構成あるいはプログラムすることができる。しかしながら、デザインの計算および眼鏡レンズの計算を、計算されたデザインに基づき、別個の計算ユニットで、例えば別個のコンピュータまたはコンピュータシステムで行なうこともできる。
また、プログレッシブ眼鏡レンズを製造するための装置は、眼鏡レンズを仕上げるための機械加工手段を備えることが好ましい。機械加工手段は、決定された最適化仕様にしたがってブランクを直接に機械加工するための例えばCNC制御機を備えることができる。仕上げられた眼鏡レンズは、簡単な球面または回転対称な非球面と、本発明にしたがって計算された個々のデザイン仕様および眼鏡着用者の個々のパラメータに基づいて最適化されるプログレッシブ面とを有することが好ましい。球面または回転対称な非球面は、眼鏡レンズの前面(すなわち、物体側面)であることが好ましい。無論、計算されたデザインに基づいて最適化された表面を、眼鏡レンズの前面として設けることもできる。また、眼鏡レンズの両方の面をプログレッシブ面にすることもできる。
また、プログレッシブ眼鏡レンズを製造するための装置は、眼鏡着用者の個人データを得るための取得手段を更に備えることもできる。特に、取得手段はグラフィカルユーザインタフェースを備えることができる。
本発明によれば、コンピュータプログラムプロダクト、すなわち、装置クレームのカテゴリーに記載されるコンピュータプログラム、および、コンピュータプログラムが記憶されて成る記憶媒体が更に提供され、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされて実行されるときに、プログレッシブ眼鏡レンズを計算あるいは最適化するための方法を実行するよう適合されており、該方法は、以下のステップ、すなわち、
− プログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための好ましい方法にしたがってプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを計算するステップと、
− 計算された個々のデザインに基づいてプログレッシブ眼鏡レンズを計算あるいは最適化するステップと、
を含む。
本発明の更なる態様は、眼鏡着用者の視覚障害を補正するための、特定の眼鏡着用者の眼の前方の眼鏡レンズの眼鏡着用者の所定の平均着用位置または個々の着用位置での、好ましい製造方法にしたがって製造されるプログレッシブ眼鏡レンズの使用に関する。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を一例として説明する。
遠見部または遠見帯におけるベース目標等非点収差線の逆正接表示を伴うデザインの例である。 遠見部または遠見帯におけるベース目標等非点収差線の多項式表示を伴うデザインの例である。 ベース目標等非点収差線の変換の例である。 スケーリングファクタを乗じることによる目標非点収差値のスケーリングの例であり、図4aは、当初の目標非点収差分布であり、図4bは、スケーリングされた目標非点収差分布である。 スケーリングファクタを乗じることによる目標非点収差値のスケーリングの更なる例であり、図5aは、当初の目標非点収差分布であり、図5bは、スケーリングされた目標非点収差分布である。 幅広い遠見部を有する眼鏡レンズのためのデザインのケースでのu=25mmのときの垂直断面における二重漸近線f(y)である。 幅広い近見部を有する眼鏡レンズのためのデザインのケースでのu=25mmのときの垂直断面における二重漸近線f(y)である。 広げられた遠見帯における異なる水平断面(すなわち、y=const)でのスケーリングファクタs(u,y)の例である。 =25mmに関する垂直断面における図7aに示されるスケーリングファクタの二重漸近線f(y)の経路である。 図7aに示されるスケーリングファクタs(u,y)の三次元表示である。 広げられた近見帯における異なる水平断面(すなわち、y=const)でのスケーリングファクタs(u,y)の例である。 =25mmに関する垂直断面における図8aに示されるスケーリングファクタの二重漸近線f(y)の経路である。 図8aに示されるスケーリングファクタs(u,y)の三次元表示である。 開始デザインを変えるためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 支持点の局所重み付けの適合の例である。 局所重み付けを入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 第1の得られたデザインおよび対応するプログレッシブ眼鏡レンズの例であり、 図12a−1は、目標非点収差分布であり、 図12a−2は、主線に沿う屈折力経路であり、 図12a−3は、図12a−1に示される目標非点収差分布に基づいて計算されあるいは最適化されるプログレッシブ眼鏡レンズの実際の(着用位置の)非点収差分布である。 第1の得られたデザインおよび対応するプログレッシブ眼鏡レンズの例であり、 図12b−1は、目標非点収差分布であり、 図12b−2は、主線に沿う屈折力経路であり、 図12b−3は、図12b−1に示される目標非点収差分布に基づいて計算されあるいは最適化されるプログレッシブ眼鏡レンズの実際の(着用位置の)非点収差分布である。 Minkwitz定理にしたがって、実際の物体距離経路および調節モデルに基づいて、および2つのモデルの組み合わせに基づいて計算されるベース目標等非点収差線の例である。 2つのモデルの重み付けの例である。 図14a、bは、ベース目標等非点収差線のパラメータを入力するためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 眼鏡レンズの外周における目標非点収差値の計算の例である。 開始デザインの入力パラメータを用いて制御点を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 開始デザインの制御点の最大変化を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 開始デザインの構成線および制御点である。 図17aに示される開始デザインの目標非点収差分布である。 図17bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化される眼鏡レンズの実際の(着用位置の)非点収差分布である。 第1の変換されたデザインの入力パラメータを用いて制御点を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 第1の変換されたデザインの構成線および制御点である。 図19aに示される変換されたデザインの目標非点収差分布である。 図19bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化される眼鏡レンズの実際の(着用位置の)非点収差分布である。 第2の変換されたデザインの入力パラメータを用いて制御点を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 第2の変換されたデザインの構成線および制御点である。 図21aに示される変換されたデザインの目標非点収差分布である。 図21bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化される眼鏡レンズの実際の(着用位置の)非点収差分布である。 第3の変換されたデザインの入力パラメータを用いて制御点を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 第3の変換されたデザインの構成線および制御点である。 図23aに示される変換されたデザインの目標非点収差分布である。 図23bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化される眼鏡レンズの実際の(着用位置の)非点収差分布である。 第4の変換されたデザインの入力パラメータを用いて制御点を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 第4の変換されたデザインの構成線および制御点である。 図25aに示される変換されたデザインの目標非点収差分布である。 図25bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化される眼鏡レンズの実際の(着用位置の)非点収差分布である。 顧客選好を得るためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。 典型的な処理流れである。 プログレッシブ眼鏡レンズデザインまたはプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するため、および計算されたデザインに基づいて眼鏡レンズを随意的に計算しあるいは最適化するための装置の一例の概略表示である。
座標系{x,y}は、先に規定されるように前面のデカルト座標系に関連する。座標中心は、眼鏡レンズの幾何学中心と一致する。座標系{u,y}は、先に規定されるように座標系{u,y}に関連する。座標中心は、眼鏡レンズの幾何学中心と一致する。
以下の図では、参照符号10が主線を示し、参照符号12が鼻のベース目標等非点収差線を示し、参照符号14が鼻の更なる目標等非点収差線を示し、参照符号16、18が遠見帯における鼻のベース目標等非点収差線の第1(参照符号16)および第2(参照符号18)の制御点に対応し、参照符号20、22が遠見帯における鼻の更なる目標等非点収差線の第1および第2の制御点に対応し、参照符号24が近見帯におけるベース目標等非点収差線の第1の制御点に対応する。制御点を、矢印として示される直線26(制御点16)、28(制御点18)、30(制御点20)、32(制御点22)、および、34(制御点24)に沿って移動させることができ、あるいはシフトさせることができる。プライム記号を備える参照符号は、側頭側の同一要素に関連しており、この場合、側頭のベース目標等非点収差線12’の構成は、鼻のベース目標等非点収差線12の構成とほぼ同一であり、また、側頭の更なる目標等非点収差線14’の構成は、鼻の更なる目標等非点収差線14の構成とほぼ同一である。
示される全ての図において、ベース目標等非点収差線12または12’に沿う一定の大きさの非点収差は、0.5Dに等しい。更なる目標等非点収差線14または14’に沿う一定の大きさの非点収差は、0.25Dに等しい。符号B、B、Bは、眼鏡レンズデザインの遠見点、近見点、および、心取り点をそれぞれ表わす。
別に他の点が述べられていなければ、図示される目標非点収差の全ての分布は、眼鏡レンズの着用位置における、すなわち、眼鏡レンズ/眼の系を考慮に入れた、目標非点収差の分布に関連する。
図1は、構成線主線、ベース目標等非点収差線、および、更なる目標非点収差線−と、「ソフト」開始デザインの制御点とを示している。
図2aは、構成線主線10、ベース目標等非点収差線12、および、遠見帯14における更なる目標等非点収差線−と、「ハード」開始デザインの制御点とを示している。図2bは主線に沿う屈折力経路を示している。図2において、Dを単位とする屈折力が横座標上にプロットされ、また、y座標(mm)が縦座標上にプロットされる。
図1に示される「ソフト」開始デザインの遠見部において、ベース目標等非点収差線12(側頭および鼻の両方)の経路は、パラメータa、b、c、dを伴う関数
Figure 0005749180
(遠見部の逆正接表示)によって定められる。
図2に示される「ハード」開始デザインの遠見部において、ベース目標等非点収差線12(側頭および鼻の両方)の経路は、パラメータa、b、cを伴う関数
Figure 0005749180
(遠見部の多項式表示)によって定められる。
図1に示される開始デザインおよび図2に示される開始デザインの両方の近見部において、ベース目標等非点収差線12(側頭および鼻の両方)の経路は、パラメータa、b、c、dを伴う関数
Figure 0005749180
によって定められる。
「ソフト」および「ハード」開始デザインの制御点は、矢印として示される対応する直線26、28、30、32、34に沿って内側へ(すなわち、主線へ向けて)あるいは外側へ(すなわち、外周へ向けて)移動あるいはシフトされ得る。前述したように、ベース目標等非点収差線12および随意的に更なる目標等非点収差線14の経路は、それらがシフトされた制御点を通過するように変えられる。1つの実施形態によれば、鉛直座標yと鉛直座標yとの間(すなわち、累進帯)において、鼻および側頭のベース目標等非点収差線12および12’の変化はない。累進帯において、主線上の屈折力増大は、ベース目標等非点収差線の経路を決定する。
制御点16〜24の位置決めは、デザインおよび/または眼鏡レンズ着用者固有データに基づいて自動的に行なわれ得る。
図3は、ベース目標等非点収差線12の制御点の位置の変化を詳細に示している。ベース目標等非点収差線12は、遠見部における2つの制御点P、Pと、近見部における制御点Pとを通過する。制御点P、P、Pは、矢印として示される直線に沿って内側へ(P、P、P→P1i、P2i、PNi)あるいは外側へ(P、P、P→P1a、P2a、PNa)シフトされ得る。それぞれの制御点の変換を以下のように表わすことができる。
Figure 0005749180
ここで、
Figure 0005749180
は当初の制御点を示し、
Figure 0005749180
はシフトされた制御点を示す。
制御点は所定の限界内でシフトさせることができ、その場合、制御点の最も内側の位置に関して
Figure 0005749180
が成り立つとともに、制御点の最も外側の位置に関して
Figure 0005749180
が成り立つ。ここで、tは、制御点の最大限に許容できる外側へのシフトを示し、tは制御点の最大の内側へのシフトを示す。最も内側の制御点を通る変更されたベース目標等非点収差線は、内側境界線12−iと称される。最も外側の制御点を通る変更されたベース目標等非点収差線は外側境界線12−gと称される。
直線パラメータ「t」と関連付けられるファクタ「m」(t=mti,a)は、例えば、それぞれの視覚帯gF,Nの重み付け(g−遠見帯の重み付け、g−近見帯の重み付け)に基づいて決定され得る。例えば、ファクタmが、式
Figure 0005749180
にしたがって計算され得る。ここで、0≦gF,N≦100に関しては、−1≦m≦1が成り立つ。0<gF,N<50に関しては、−1<m<0が成り立ち、それぞれの視覚帯が減少する。50<gF,N<100に関しては、0<m<1が成り立ち、それぞれの視覚帯が広げられる。gF,N=0に関しては、それぞれの視覚帯が変えられず、あるいは、それぞれの開始デザインが変えられない。
ベース目標等非点収差線のそれぞれの制御点P、P、Pの位置の内側境界(P1i、P2i、PNi)および外側境界(P1a、P2a、PNa)を、予め決定することができあるいは前もって定めることができる。このとき、直線パラメータtおよび方向ベクトルvを以下のように決定することができる。
Figure 0005749180
Figure 0005749180
この場合、制御点の位置に関して、
Figure 0005749180
が成り立つ。
内側および外側境界点またはそれらの位置を開始デザインに予め記憶させることができる。
重み付けgF,N≠50%は、視覚帯サイズを変化させ、したがって、収差が高次とされ得る、および高次となることが許容されるプログレッシブ眼鏡レンズデザインの外周帯のサイズも変化させる。開始デザインの伸長または圧縮などの他の変形も、デザインの外周帯のサイズを変化し得る。そのような場合、最大限に許容できる非点収差Amaxの更なる適合を行なうことができる。例えば、遠見部が圧迫あるいは圧縮される場合、および/または近見部が広げられる場合には、最大限に許容できる非点収差Amaxが増大され、逆もまた同様である(非点収差のサンドボックスモデル)。例えば、これは、簡単であるが実用的な以下の関数による、最大限に許容できる非点収差Amaxの乗算によって行なうことができる。
Figure 0005749180
この場合、
Figure 0005749180
は、スケーリングファクタであり、
(0≦g≦100)は、遠見帯の重み付け(%)であり、
(0≦g≦100)は、近見帯の重み付け(%)であり、
Ast max(0≦PAst max≦50)は、最大限に許容できる適合(%)である。
例えば、PAst max=30%およびgF,N=100%である場合には、視覚帯の減少に関して(例えばソフトデザインに関して)、以下のようにファクタnを計算することができる。
Figure 0005749180
しかしながら、視覚帯の増大に関しては(例えばハードデザインに関しては)、以下が成り立つ。
Figure 0005749180
図4aおよび図4bは、改良された方法でダイナミクスファクタを考慮に入れるために、スケーリングファクタs(u,y)を掛け合わせることによる目標非点収差値のスケーリングの一例を示している。図5aおよび図5bは、スケーリングファクタs(u,y)を掛け合わせることによる目標非点収差値のスケーリングの更なる例を示している。
図4aおよび図5aは、それぞれ当初の(すなわち、ダイナミクスファクタを考慮に入れない、あるいはg=0のときの)目標非点収差分布Asttarget(u,y)を示しており、また、図4bおよび図5bはそれぞれ、スケーリングされた目標非点収差分布を、同一の目標非点収差の等値線として示している。等値線間の距離は0.25Dである。図4a、bおよび図5a、bに示される目標非点収差分布における遠見部gの重み付けは100%である。
目標非点収差値のスケーリングにおいては、以下が成り立つ。
Figure 0005749180
典型的な関数s(u,y)を、以下のように規定することができる。
Figure 0005749180
例えば関数f(y)は、以下のように係数a、b、c、d、mを伴う二重漸近線関数となり得る。
Figure 0005749180
例えば係数aは、以下のように決定され得る。
Figure 0005749180
眼鏡レンズのそれぞれの水平断面y=constにおいて、目標非点収差値には、関数値1を有する所定の内側u座標(座標u)から外側へ向けて、各レンズ半体(鼻、側頭)に対して、直線的に変化するファクタが乗じられる。
外側直線点(u,f(y))を、水平断面において様々に特定することができる。すなわち、外側直線点(u,f(y))は座標yの関数である。
図4bに示される目標非点収差分布は、以下のパラメータ、すなわち、u=1mm、u=25mm、a=−0.5、b=1.0、c=−0.33、d=5、m=1、amax=−0.5、g=100%によって生成された。図5bに示される目標非点収差分布は、以下のパラメータ、すなわち、u=1mm、u=30mm、a=−0.5、b=1.0、c=−0.5、d=10、m=1、amax=−0.5、g=100%によって生成された。
関数f(y)は、ダイナミクスの重み付けgに依存する。例えば、中央レンズ領域または上側レンズ領域で外周非点収差を更に減少させることは、ダイナミックスポーツレンズにとって有益である。その結果、関数f(y)は、上側レンズ領域で明らかに1未満となることができ(f(y)<1)、例えば0.5に等しくなっている。近見帯では、関数f(y)が再び値1を達成できる。近見帯では、f(y)≒1が成り立つことが好ましい。この場合における典型的な関数s(u=u,y)=f(y)が図6aに示されている。特に、図6aは、u=25mmのときの垂直断面における二重漸近線関数f(y)(すなわち、u=25mmにおける関数f(y))を示している。
望ましい更に幅広い近見帯の場合には、正反対の経路が有益である。すなわち、上側領域では、変化がないこと、すなわち、f(y)≒1であることが好ましい。近見帯では、非点収差の更なる減少が存在する。すなわち、f(y)<1である。この場合における典型的な関数s(u=u,y)=f(y)が図6bに示されている。特に、図6bは、u=25mmのときの垂直断面における二重漸近線関数f(y)(すなわち、u=25mmにおける関数f(y))を示している。
したがって、遠見帯、近見帯、および/または外周における目標非点収差は、制御が簡単な関数によって目標にされた方法で、更に影響されあるいは減少され得る。
図7a〜図7cおよび表1は、広げられた遠見帯におけるスケーリングファクタの一例に関連する。図7aは、5mmの距離での、y=−25mm〜y=25mmの様々な水平断面(すなわち、y=constのとき)におけるスケーリングファクタs(u,y)を示している。図7bは、u=25mmにおける垂直断面での、図7aに示されるスケーリングファクタの二重漸近線関数f(y)の経路を示している。二重漸近線関数の係数は、a=−0.4、b=1.0、c=−0.30、d=10.00、m=1.00、u=0、u=25、f(u=0)=1である。図7cは、図7に示されるスケーリングファクタ
Figure 0005749180
の三次元表示を示している。表1は関数s(u,y)の値を示している。
Figure 0005749180
図8a〜図8cおよび表2は、広げられた近見帯におけるスケーリングファクタの一例に関連する。図8aは、5mmの距離での、y=−25mm〜y=25mmの様々な水平断面(すなわち、y=constのとき)におけるスケーリングファクタs(u,y)を示している。図8bは、u=25mmにおける垂直断面での、図8aに示されるスケーリングファクタの二重漸近線関数f(y)の経路を示している。二重漸近線関数の係数は、a=0.50、b=0.50、c=0.20、d=0.00、m=1.00、u=0、u=25、f(u=0)=1である。図7cは、図7aに示されるスケーリングファクタs(u,y)の三次元表示を示している。表2は関数s(u,y)の値を示している。
Figure 0005749180
図9は、開始デザインのパラメータを入力すること、および随意的に変えることができるようにする典型的なグラフィカルユーザインタフェース36を示している。また、図9に示されるグラフィカルユーザインタフェースは、開始デザインを変えることを可能にする。
図9のセクションまたは領域38には、開始デザイン、または変換された開始デザインの構成線および対応する制御点が示されている。同様に、その範囲内でベース目標等非点収差線12またはその経路を変えることができる(境界線の形態を成す)限界、すなわち、最も内側のベース目標等非点収差線12−iおよび最も外側のベース目標等非点収差線12−aも示され得る。
グラフィカルユーザインタフェース36のセクション40または領域は、プログレッシブ眼鏡レンズのための異なるデザインタイプの中からの選択と、加入度数の表示とを可能にする。
グラフィカルユーザインタフェース36のセクションまたは領域42では、物体距離関数を視覚化することができる。グラフィカルユーザインタフェース30のセクション44は、表示し、随意的に変更するための、変換されるべき構成線の選択を可能にする。グラフィカルユーザインタフェース36のセクション46では、個々の重み付けg、g、gを入力できる。グラフィカルユーザインタフェース36のセクション48では、境界線における(すなわち、最も内側および最も外側の0.5Dベース目標等非点収差線、並びに、最も内側および最も外側の追加0.25D目標等非点収差線における)制御点の座標を指し示しあるいは表示できる。
変更された目標非点収差値を伴うデザイン提案を、入力データに基づいて自動的に計算して視覚化できる。
前述したように、眼鏡レンズの最適化の計算は、以下の形式の目的関数、すなわち、
Figure 0005749180
を最小にすることにより行なわれる。
Asti,targetは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の目標値であり、
Astは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の実際の値であり、
i,Astは、i番目の評価点における非点収差偏差または局所非点収差誤差の局所重み付けである。
先の式において、Asti,targetは、それぞれのi番目の評価点でプログレッシブ眼鏡レンズデザインに割り当てられる、予め決定されている目標非点収差分布である。
更に好ましくは、屈折誤差ΔRも目的関数において考慮に入れられ、それにより、眼鏡レンズを計算あるいは最適化することは、目的関数、すなわち、
Figure 0005749180
を最小にすることを含み、
ΔRi,targetは、i番目の評価点における局所屈折誤差の目標値であり、
ΔRは、i番目の評価点における局所屈折誤差の実際の値であり、
i,ΔRは、i番目の評価点における屈折誤差の局所重み付けである。
目的関数における重み付けファクタgi,Astは、一般に、基本デザインまたは開始デザインにおいて特定され、それにより、良好な最適化結果を得ることができる。例えば垂直方向での伸長または圧縮によって、および/またはベース目標等非点収差線の変更によるそれぞれの視覚帯の変換によって、および/または更なる変換によって、非点収差分布が後に変えられる場合には、それに応じて局所重み付けgi,Astを適合させることが有益な場合がある。例えば、小さい非点収差誤差(小さいAsttarget)が定められる視覚帯は、外周視覚帯よりも高い重み付けを受け入れることができる。その後、開始デザインと関連付けられるデザイン固有の局所重み付けの変化は、極端なデザイン変更においてのみ必要とされる。
例えば以下のように、局所重み付けgi,Astを非点収差の実際の経路に適合させることができる。
Figure 0005749180
目標非点収差の値Asttarget<1.0に関しては、関数
Figure 0005749180
が1よりも大きくなり、値Asttarget>1.0に関しては、関数が1よりも小さくなる。屈折力pが大きければ大きいほど、関数が急勾配となり、Asttarget<1.0によって重み付けられる帯域が多くなる。
更なる実施形態によれば、局所重み付けgi,Astにおいて以下が成り立つ。
Asttarget≦1.0に関して
Figure 0005749180
、および、
Asttarget>1.0に関してgi,Ast=1
i番目の評価点における屈折誤差の局所重み付けgi,ΔRは、屈折誤差の大きさに応じて同様の方法でスケーリングできる。
図10は、屈折力pの異なる値(p=1、p=0.5、p=0.2、p=0.15、p=0.1)に関して、Dを単位とする非点収差の関数として局所重み付けgi,Astを示している。
眼鏡着用者の個人データの少なくとも一部を考慮に入れて、眼鏡レンズの計算または最適化を更に行なうことができる。
図11は、局所重み付けを入力して変更するためのグラフィカルユーザインタフェース48の一例を示している。グラフィカルユーザインタフェース48のセクションまたは領域50では、局所重み付け
Figure 0005749180
、特に屈折力p、並びに、AstmaxおよびAstminにおける局所重み付けを入力することができ、および/または随意的に変更することができる。グラフィカルユーザインタフェース50のセクション52では、遠見部または遠見帯における更なる重み付けを定めることができる。同様に、セクション52は、遠見帯の半値幅または分布幅を入力しおよび/または変更するための入力マスクを含むことができる。グラフィカルユーザインタフェース50のセクション54では、近見部または近見帯における更なる重み付けを定めることができる。更なる重み付けを用いると、最適化において、一般的な重み関数が影響され得る。同様に、セクション54は、近見帯の半値幅または分布幅を入力しおよび/または変更するための入力マスクを含むことができる。
遠見部および/または近見部における更なる重み付け、並びに、更なる重み付けにおける閾値を予め定めることができる。特に、デザイン決定において、最適化試験により閾値を規定することができる。
図12aおよび図12bは、2つの典型的な目標非点収差分布と、それぞれの目標非点収差分布にしたがって計算されあるいは最適化されるプログレッシブ眼鏡レンズの(着用位置における)実際の非点収差の対応する分布と、を示している。
図12a−1および図12b−1に示される目標非点収差分布はそれぞれ、主線10およびベース目標等非点収差線12および12’を示している。累進帯におけるベース目標等非点収差線12または12’の経路は、現在の物体距離経路および調節モデルにしたがって計算される。図12a−1および図12b−1に示される目標非点収差分布は、同一の開始デザインの変換によって得られ、この場合、変換は、定められた制御点の位置の変更と、物体距離の変更とを含む。したがって、ベース目標等非点収差線の経路を、最適な方法で物体距離経路に適合させることができる。
図12a−2および図12b−2はそれぞれ、各目標非点収差分布の主線10に沿う屈折力経路を示している。図12a−3および図12b−3はそれぞれ、図12a−1および図12b−1のそれぞれに示される目標非点収差分布にしたがって計算あるいは最適化されるプログレッシブ眼鏡レンズの実際の非点収差を示している。
同様に、Minkwitz定理(要するに、Minkwitzモデル)を使用して決定される経路と、現在の物体距離経路および調節モデル(要するに、astiモデル)から決定される経路とを組み合わせることによって、ベース目標等非点収差線の経路を計算することができる。例えば、主線からのベース目標等非点収差線の距離u05を、以下に式にしたがって決定することができる。
Figure 0005749180
ここで、uAsti−Modellは、現在の物体距離経路および調節モデルから決定される主線からのベース目標等非点収差線の距離を示している。
Minkwitz−Modellは、Minkwitz定理にしたがって決定される主線からのベース目標等非点収差線の距離を示しており、また、gは、2つのモデルの重み付けを示している。
g=1に関しては、u05=uMinkwitz−Modellが成り立つ(Minkwitzにしたがった経路)。g=0に関しては、u05=uAsti−Modellが成り立つ(非点収差モデルにしたがって経路)。先に説明したように、ファクタgは以下の式にしたがって計算または決定され得る。
Figure 0005749180
したがって、ファクタgは、勾配
Figure 0005749180
(すなわち、
Figure 0005749180
)の関数である。
図13aは、Minkwitz定理(線12−1)にしたがって、現在の物体距離経路および調節モデルに基づいて(線12−2)、および2つのモデルの組み合わせに基づいて(線12−3)計算されるベース目標等非点収差線の例を示している。図13bは、非点収差A’の増大に応じた計算gを示している。
図14aおよび図14bは、ベース目標等非点収差線のパラメータを入力するためのグラフィカルユーザインタフェース56(図14a)および58(図14b)の例を示している。グラフィカルユーザインタフェース58のセクション60において、ユーザは、Minkwitz定理にしたがって、あるいは以下の式によるモデルにしたがってベース目標等非点収差線が計算されるかどうかを特定することができる。
Figure 0005749180
ここで、kは、予め決定されあるいは予め決定可能な更なるプリファクタを示している。
ベース目標等非点収差線の経路が定められた後、このベース目標等非点収差線を示す目標非点収差分布が計算されあるいは決定される。特に、前述したように、主線とベース目標等非点収差線との間の目標非点収差値は、主線上の目標非点収差値とベース目標等非点収差線上の目標非点収差値との間の補間(例えば線形補間、四次補間(quadrangular interpolation)、または、三次補間(cubic interpolation))によって計算され得る。眼鏡レンズの外周では、前述したパラレルカーブモデル法にしたがって、前述した円錐台モデル法にしたがって、あるいは、2つの方法の組み合わせにしたがって目標非点収差値を計算できる。
図15は、パラレルカーブモデル法(図15ではPCモデルと称される)にしたがった、および、円錐台モデル法(図15ではTCモデルと称される)にしたがった眼鏡レンズの外周での目標非点収差値の計算を示している。図15において、眼鏡レンズの中心帯(直線62および64間の帯域)では、目標非点収差値を外周で計算するために円錐台モデル法が使用され、また、遠見部および近見部ではパラレルカーブモデル法が使用される。
また、図15において、
点P(u,y)は、眼鏡レンズまたは眼鏡レンズデザインの外周における任意の点を示し、
点S(uSP,ySP)は円錐台の先端を示し、
点F(u,u)は、点PおよびSを通る直線と円錐台の限界曲線との交点を示している。
更に、以下が成り立つ。
Figure 0005749180
Figure 0005749180
図16aおよび図16bは、開始デザインの入力パラメータを用いて制御点を入力して変えるため(図16aのグラフィカルユーザインタフェース66)、および開始デザインの制御点の最大変化を入力して変えるため(図16bのグラフィカルユーザインタフェース68)のグラフィカルユーザインタフェース66および68の例を示している。開始デザインが、図17a〜図17cに示されている。図19〜図25は、開始デザインから導出される、変換されたデザインを示している。
図17〜図25に示される全てのデザインにおいて、遠見基準点Bは8mmの垂直高さ(yBF=8mm)にあり、心取り点Bは4mmの垂直高さ(yBZ=4mm)にあり、また、近見基準点Bは−14mmの垂直高さ(yBN=−14mm)にある。
図17〜図25に示されるプログレッシブ眼鏡レンズデザインは、以下のパラメータsph=0.50D、cyl=0.00D、加入度数=2.5Dを有するプログレッシブ眼鏡レンズのための眼鏡レンズデザインに関連する。眼鏡レンズは、以下のパラメータを伴う着用位置にある。
瞳孔間距離右(PD)=32mm、
瞳孔間距離左(PD)=32mm、
角膜頂点間距離(CVD)=13mm、
前傾=7°、
顔形角=0°(すなわち、垂直位置に対する眼鏡レンズの傾きがない)
前面のベースカーブDは5.5Dである。球状前面の半径は95.4545mmである。眼鏡レンズの屈折率nは1.597に等しい。
主線上のDを単位とする相互物体距離(reciprocal object distance)は、以下の二重漸近線関数によって表わされる。
Figure 0005749180
図17〜図25の全てにおいて、眼鏡レンズデザインは、主線10、ベース目標等非点収差線12、および、更なる目標等非点収差線14を有する。ベース目標等非点収差線12および更なる目標等非点収差線14の経路は、視覚帯の重み付け(すなわち、遠見帯および/または近見帯の重み付け)、および随意的にダイナミクスの重み付けに基づいて、自動的に変えられる。その後、それぞれのベース目標等非点収差線12および更なる目標等非点収差線14を示す目標非点収差分布が、自動的に計算される。
主線10上の目標非点収差値と更なる目標等非点収差線14上の目標非点収差値との間の目標非点収差分布の計算は、累進帯における線形補間を用いて、並びに、遠見帯および近見帯における四次補間(quadrangular parable)を用いて行なわれる。指数の移行は以下のように線形である。
Figure 0005749180
この場合、1≦p(y)≦2が成り立つ。
したがって、遠見帯および近見帯において、目標非点収差のより滑らかな水平増大を得ることができる。
更なる目標等非点収差線14上の目標非点収差値とベース目標等非点収差線12上の目標非点収差値との間で、目標非点収差値の計算が線形補間によって行なわれる。外周では、前述した円錐台モデルにしたがって目標非点収差分布の計算が行なわれる。
図17a〜図17cはそれぞれ、開始デザインの制御点および構成線(図17a)、図17aに示される開始デザインの目標非点収差分布(図17b)、および、図17bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化される眼鏡レンズの実際の(着用位置における)非点収差分布(図17c)を示している。
遠見部において、開始デザインの0.5Dベース目標等非点収差線12は、逆正接関数(逆正接表示)によって表わされる。外周では、前述した円錐台モデルにしたがって目標非点収差分布が計算される。遠見部および近見部の重み付けはそれぞれ(g=g=50%)である。ダイナミクスの重み付けgは0%である。また、開始デザインは、遠見部において更なる0.25D目標等非点収差線14を備える。
図16aおよび図16bは、制御点(主点)の位置と、0.5Dベース目標等非点収差線および更なる0.25D目標等非点収差線の制御点の位置の最大限に許容できる変化と、を示している。
以下の表3は、開始デザインのベース目標等非点収差線および更なる目標等非点収差線の制御点の位置を示している。制御点は、主線に対して対称に配置される。したがって、側頭の制御点(u>0)だけが示される
Figure 0005749180
遠見部の制御点は、水平および垂直の両方にシフトされ得る。以下が成り立つ。
Figure 0005749180
Figure 0005749180
ここで、
Figure 0005749180
は、開始デザインのそれぞれの制御点の位置を示し、
Figure 0005749180
は、シフトされた制御点の位置を示し、
Figure 0005749180
は、最大限に許容できる外側および内側シフトを示す。g<50%において、遠見部の対応する制御点は内側/上方へシフトされる。g>50%において、遠見部の対応する制御点は外側/下方へシフトされる。
この例では、近見部の0.5Dベース目標等非点収差線の制御点が、水平のみにシフトされ得る。以下が成り立つ。
Figure 0005749180
ここで、uは、開始デザインの近見部における第3の制御点の主線からの水平距離を示し、uは、近見部におけるシフトされた制御点の主線からの水平距離を示す。
以下の表4は、制御点の位置の最大限に許容できる変化を示している。
Figure 0005749180
以下の表5は、遠見部重み付けおよび近見部重み付けgFおよびgNと、デザイン変更における制御点との間の関係を示している。
Figure 0005749180
開始デザインの第1の変更
図18は、開始デザインの第1の変更にしたがった第1の変換されたデザインの入力パラメータを用いて、制御点の位置を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェース70の一例を示している。
図19aおよび図19bは、第1の変換されたデザインを示しており、ここで図19aは、構成線主線10、ベース目標等非点収差線12、および、更なる目標等非点収差線14−並びに対応する制御点16〜24を示し、図19bは、図19aに示される変換されたデザインの対応する目標非点収差分布を示す。遠見部におけるベース目標等非点収差線は、開始デザインと同様に、逆正接関数(逆正接表示)によって表わされる。
このデザイン変更では、遠見部および近見部が様々に重み付けられる。例えば、重み付けg=0%であり、近見部の重み付けg=100%である。ダイナミクスの重み付けgは0%である。制御点のシフトは、重み付けに基づいて自動的に計算される。ベース目標等非点収差線12および更なる目標等非点収差線14の経路は、それらが対応してシフトされる制御点を通るように変えられる。その後、変えられたベース目標等非点収差線および更なる目標等非点収差線を示す目標非点収差分布が、補間によって決定される。このようにして計算された目標非点収差分布が図19bに示されている。随意的に、このようにして計算された目標非点収差分布を、例えば、スケーリングファクタを乗じることにより、最大限に許容できる非点収差値の適合により、あるいは、更なる変更により更に変更することができる。
図19cは、図19bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化された眼鏡レンズの実際の(着用位置における)非点収差分布を示している。
図17a、bに示される開始デザインの第1の変換または変更により、極めて近見部へ指向されたデザインを伴うプログレッシブ眼鏡レンズデザインまたはプログレッシブ眼鏡レンズを自動的に得ることができる。
開始デザインの第2の変更
図20は、図17a、bに示される開始デザインの変更によって自動的に計算される第2の変換されたデザインの入力パラメータを用いて、制御点を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェース72の一例を示している。
図21aおよび図21bは、第2の変換されたデザインを示しており、ここで図21aは、構成線主線10、ベース目標等非点収差線12、および、更なる目標等非点収差線14−並びに対応する制御点16〜24を示し、図21bは、図21aに示される変換されたデザインの対応する目標非点収差分布を示す。また、遠見部におけるベース目標等非点収差線は、開始デザインと同様に、逆正接関数(逆正接表示)によって表わされる。
この第2のデザイン変更において、遠見部の重み付けはg=70%であり、近見部の重み付けg=20%である。ダイナミクスの重み付けgは0%である。制御点のシフトは、新たな重み付けgおよびgに基づいて自動的に計算される。ベース目標等非点収差線12および更なる目標等非点収差線14の経路は、それらが対応してシフトされる制御点を通るように変えられる。その後、変えられたベース目標等非点収差線および更なる目標等非点収差線を示す目標非点収差分布が、図20bに示される補間によって決定される。随意的に、このようにして計算された目標非点収差分布を、例えば、スケーリングファクタを乗じることにより、最大限に許容できる非点収差値の適合により、あるいは、更なる変更により更に変更することができる。
図21cは、図21bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化された眼鏡レンズの実際の(着用位置における)非点収差分布を示している。
図17a、bに示される開始デザインの第2の変換または変更により、近見部を犠牲にして(50%→20%)遠見部に僅かに重きを置く(50%→70%)プログレッシブ眼鏡レンズデザインまたはプログレッシブ眼鏡レンズを自動的に得ることができる。
開始デザインの第3の変更
図22は、図17a、bに示される開始デザインの変更によって自動的に計算される第3の変換されたデザインの入力パラメータを用いて制御点の位置を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェース74の一例を示している。
図23aおよび図23bは、第3の変換されたデザインを示しており、ここで図23aは、構成線主線10、ベース目標等非点収差線12、および、更なる目標等非点収差線14−並びに対応する制御点16〜24を示し、図23bは、図23aに示される変換されたデザインの対応する目標非点収差分布を示す。
第1または第2の変更の場合と異なり、この変更では、ベース目標等非点収差線12および更なる目標等非点収差線14の表示に関して、逆正接表示から多項式表示へと切り換える。多項式表示におけるそれぞれの制御点(u,y)(すなわち、ベース目標等非点収差線12および更なる目標等非点収差線14の遠見部のそれぞれの制御点)は、以下のように開始デザインのベース目標等非点収差線または更なる目標等非点収差線の逆正接表示の2つの制御点(u,y),(u,y)から平均化することによって計算され得る。
Figure 0005749180
逆正接表示から多項式表示への切り換えは、遠見部の重み付けgに自動的に依存し得る。例えば、0.5Dベース目標等非点収差線および更なる目標等非点収差線を、g=81%およびg=91%から多項式表示へとそれぞれ切り換えることができる。
第3のデザイン変更において、遠見部の重み付けはg=100%であり、近見部の重み付けg=20%である。ダイナミクスの重み付けgは0%である。制御点のシフトは、新たな重み付けgおよびgに基づいて自動的に計算される。ベース目標等非点収差線12および更なる目標等非点収差線14の経路は、それらが対応してシフトされる制御点を通るように変えられる。その後、変えられたベース目標等非点収差線および更なる目標等非点収差線を示す目標非点収差分布が、図23bに示される補間によって決定される。随意的に、このようにして計算された目標非点収差分布を、例えば、スケーリングファクタを乗じることにより、最大限に許容できる非点収差値の適合により、あるいは、更なる変更により更に変更することができる。
図23cは、図23bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化された眼鏡レンズの実際の(着用位置における)非点収差分布を示している。
開始デザインの第3の変更により、最大の重点を自動的に遠見部に置くことができる。
開始デザインの第4の変更
図24は、図16に示される開始デザインの変更によって自動的に計算される第3の変換されたデザインの入力パラメータを用いて制御点の位置を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェース76の一例を示している。
図25aおよび図25bは、第4の変更にしたがって変換された開始デザインを示しており、ここで図25aは、構成線主線10、ベース目標等非点収差線12、および、更なる目標等非点収差線14−並びに対応する制御点を示し、図25bは、図25aに示される変換されたデザインの対応する目標非点収差分布を示す。第3の変更と同様に、この第4の変更では、ベース目標等非点収差線12および更なる目標等非点収差線14の表示に関して、逆正接表示から多項式表示へと切り換える。
第4のデザイン変更において、遠見部の重み付けはg=100%であり、近見部の重み付けg=20%である。ダイナミクスの重み付けgは80%である。制御点のシフトは、新たな重み付けgおよびgに基づいて自動的に計算される。
ベース目標等非点収差線12および更なる目標等非点収差線14の経路は、それらが対応してシフトされる制御点を通るように変えられる。その後、変えられたベース目標等非点収差線および更なる目標等非点収差線を示す目標非点収差分布が、補間によって決定される。
このように決定された目標非点収差分布には、以下のように、重み付けダイナミクスを考慮に入れるべくグローバルスケーリングファクタs(u,y)が乗じられる。
Figure 0005749180
ここで、Atarget(u,y)は、予め決定される目標非点収差分布である。
グローバルスケーリングファクタs(u,y)を乗じることは、先に詳しく説明した。特に、スケーリングファクタは以下のように計算することができる。
Figure 0005749180
Figure 0005749180
ここで、例えば、u=0、u=25、f=1、b=1、a=−0.4、c=−0.3、d=10、および、m=1である。
滑らかな外周移行とパラメータ重み付けダイナミクスgとの間の簡単な関係は、例えば、gに応じて係数a(2つの漸近線の差)を変えることによって確立され得る。例えば、係数aが以下のように計算され得る。
Figure 0005749180
残りの係数は、適切に定められ、あるいは特定され得る。
重み付けダイナミクスg=100%に関して最大限に許容できる値amaxを、他の係数と同様にデザイン固有の方法で定めることができる。g=0、a=0において、b=1のときには、s(u,y)=const=1が成り立つ。
結果として得られる目標非点収差分布が、図25bに示されている。図25cは、図25bに示される目標非点収差分布にしたがって最適化された眼鏡レンズの実際の(着用位置における)非点収差分布を示している。
開始デザインの第4の変更により、最大の重点を自動的に遠見部に置くことができる。重み付けダイナミクスg(g=90%)の更なる考慮は、外周非点収差および外周非点収差勾配の更なる減少を可能にする。したがって、活動的な行動(例えばスポーツ)により良く適するプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインが自動的に計算され得る。
図26は、顧客選好を得るためのグラフィカルユーザインタフェース78の一例を示している。遠見帯および近見部の重み付け並びに重み付けダイナミクスは、得られた顧客選好および活発な挙動に関する情報並びに随意的には眼鏡着用者の更なる個人データに基づいて決定され得る。
遠見、中間範囲、および、近見における並びに眼鏡着用者の活発な挙動における5つの異なるピクトグラムは、眼鏡着用者が自分のデザインプロファイルを選択する際に互いに対して重み付けなければならない帯域を象徴している。ピクトグラムは、それぞれの距離範囲の一例としての機能を果たし、これらの距離において想定し得る全ての行動の僅かな選択だけを表わしている。範囲は、割り当てられるべきポイントをもって重み付けられ得る。具体的な例では、全体で9個のポイントを4つの異なる範囲(遠見、中間範囲、近見、および、活発な挙動)に割り当てることができる。それぞれの遠見範囲が顧客にとって重要になればなるほど、あるいは、顧客の行動が1つの範囲に入り込めば入り込むほど、より多くのポイントがこの範囲に割り当てられる。範囲ごとのポイントの数およびポイントの総数は、制限されていてもよい。例えば、範囲ごとに最大で5つのポイントを割り当てることができるが、総数は9を越えない。
割り当てられたポイントは、眼鏡着用者の個々のデザインプロファイルを決定する。所定の総数のポイントに対して遠見部のために多くのポイントが割り当てられるほど、それぞれの視覚帯の重み付けが大きくなる。活発な挙動および中間範囲視野における点は、主に累進帯の長さに影響を及ぼし、したがって、眼鏡レンズの歪みフリーの程度をも決定する。活発な挙動における点は、特に、重み付けダイナミクスと相関関係を持つことができる。ポイントの割り当てにおいて、各範囲の同じ数のポイントは、バランスのとれた汎用デザインに対応する。
図27は、好ましい方法にしたがって計算される決定されたプログレッシブ眼鏡レンズデザインに基づく、(個別に最適化される)プログレッシブ眼鏡レンズの製造のための典型的な処理流れを概略的に示している。
第1のステップ(S1)では、(個々の)デザイン固有および/または眼鏡レンズ固有データが検出される。デザイン固有および/または眼鏡レンズ固有データは、入力を可能にし、随意的に入力データの変更を可能にする適切なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)によって得ることができる。
眼鏡レンズ固有データは、特に、屈折データ(球面度数、円柱度数、軸線、加入度数、プリズム、ベース)、フレームおよび心取りデータ(垂直レンズサイズおよび心出し高さ、フレーム形状)、および/または、眼鏡の着用状況または着用位置のパラメータ(特に、瞳孔間距離、角膜頂点間距離、前傾、顔形角など)を含む。デザイン固有データは、特に、主要な用途に関連するデータ、または、プログレッシブレンズの主要な使用焦点(運転、コンピュータ職場、読書、工芸等)に関連するデータ、および/または、視覚帯(遠見帯、近見帯、および、中間帯または累進帯)に対する選好に関連するデータを含むことができる。得られた個々の選好および/または使用の焦点に基づいて、対応する重み付け(重み付け遠見、重み付け近見、重み付け中間帯、重み付けダイナミクス)を個々の視覚帯に割り当てることができる。
また、デザイン固有データは、読書(近見作業)時の作業距離、遠見における作業距離などの物体距離に関連するデータ、および/または、調節モデルに関連するデータを含むことができる。
デザインおよび眼鏡レンズに固有のデータが得られてアクセスされ、また、それらのデータは、ベース目標等非点収差線の最適な経路または視覚帯の最適なサイズ、および、好ましくは基準点遠見および基準点近見の最適な空間位置の決定を制御する。
第2のステップ(S2)では、得られた個々のデータに基づいて、特定の着用状況で特定の眼鏡着用者にとって最良のベース目標等非点収差線の経路、したがって、視覚帯(遠見帯、近見帯、および、累進帯)の最適なサイズおよび/または位置、並びに、随意的には遠見および/または近見基準点の最適な空間位置が計算されあるいは定められる。これは、得られた個々のデータに基づいて手動で、あるいは好ましくは自動で行なうことができる。
更なるステップ(S3)では、ステップS2で決定されたベース目標等非点収差線の最適な経路を用いて、好ましくは、特定された開始デザイン80の変換により好ましい方法にしたがって決定された遠見基準点および近見基準点の最適位置を用いて、プログレッシブレンズデザインまたはプログレッシブレンズデザインのための提案が計算される。このデザイン提案は、適切なグラフィカルユーザインタフェースによって視覚化され、その場合、ユーザには、ベース目標等非点収差線の経路を変えることによって(例えば、制御点をシフトすることによって)、随意的には遠見および/または近見基準点の個々の位置を変えることによって、および/または、デザインおよび眼鏡レンズに固有のデータ、特に選好、フレームデータ、重み付け等を変えることによって、デザインを積極的に変更するための機会が与えられる。
ベース目標等非点収差線の経路、随意的には遠見および/または近見基準点の位置、および/または、視覚帯に関する選好は、例えば適切なインタラクティブなグラフィカルユーザインタフェースによって変えることができあるいは適合させることができる。
新たな眼鏡レンズデザインがリアルタイムで計算されて視覚化されることが好ましい。同様に、開始デザインに対する新たな眼鏡レンズデザインの光学特性の違いあるいは変更が視覚化され得る。
また、計算された(個々の)デザインまたはデザイン提案に基づき、(好ましくは三次元モジュールの携帯を成す)適切なグラフィカルユーザインタフェースを用いて、眼鏡レンズの対応する幾何学的データ(中心厚さ、エッジ厚さ、ベースカーブ、重み)が同様に計算され視覚化され得る。特に、化粧特性または眼鏡レンズの審美性に関連するデータ(例えば、重みや、製造高さ、最大エッジ厚さ、中心厚さなどの幾何学的データ等)が視覚化され得る。眼鏡レンズの化粧特性の視覚化は、例えば、決定された幾何学的データを伴う眼鏡レンズのモデルの三次元グラフィック表示によって実現され得る。眼鏡レンズの化粧特性の表示は、例えばベースカーブおよび屈折率の選択によって影響され得る。選択は、屈折力に依存する場合がある。
眼鏡レンズの幾何学的特性および/または化粧特性の視覚化に加えて、眼鏡レンズの光学特性(視覚帯、特に個々の視覚帯の空間位置およびサイズ、ベース目標等非点収差線の経路など)の視覚化を行なうことができる。視覚帯のサイズの表示は、想定し得る材料依存性を考慮に入れることなく、処方データに関連してのみ行なわれ得る。無論、材料依存性の考慮を行なうこともできる。
また、視認快適性(例えば、下転、揺れ動き、周辺視野、歪み等)の視覚化をもたらすことができる。
また、視覚帯、視認快適性、および/または、計算された眼鏡レンズの化粧特性または審美性に関連する性能値の適切な表示が提供されていてもよい。また、別のデザイン提案および/または別のデザイン提案の性能値が同様に与えられ得る。
その後(ステップS4)、最終的な個々のデザインに基づいて個々のプログレッシブ眼鏡レンズが計算されあるいは最適化され、この場合、眼鏡レンズの計算または最適化において、眼鏡着用者に関連する(個人)データ(個々の着用状況、フレームデータ、眼鏡着用者の眼に関連するデータなど)が同様に考慮に入れられてもよい。数値制御された機械との直接的な適合により、鋳造法により、あるいは、他の適した方法により、最終的な計算されたあるいは最適化された眼鏡レンズを、例えばガラスまたはプラスチックから製造することができる(ステップ5)。
図28は、プログレッシブ眼鏡レンズデザインまたはプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するための装置、随意的には計算されたデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化するための装置の一例の概略表示を示している。
好ましい装置は、少なくとも第1のコンピュータ100を有するコンピュータシステム90を備える。しかしながら、随意的に、コンピュータシステム70は、(単一方向、双方向、および/または、多方向)ネットワーク300によって互いに接続される複数のコンピュータ10q、q=1、2、...、を備えることができる。
コンピュータ100は、プロセッサ110、メモリ120、および、バス130を有する。また、コンピュータ100は、入力デバイス140および/または出力デバイス150を備えることができる。コンピュータ100の要素110〜170は、コンピュータ101、102等の対応する要素を一般化する。例えば、コンピュータ100は、従来のパーソナルコンピュータ(PC)、マルチプロセッサコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ポータブルPC(ラップトップ)、または、固定PC等である。
コンピュータ100のプロセッサ110は、例えば、中央プロセッサ(CPU)、マイクロコントローラ(MCU)、または、デジタル信号プロセッサ(DSP)である。
メモリ120は、時間的に制限される態様であるいは永久的な態様でデータおよびコメントを記憶する要素を象徴している。より良い理解のためにメモリ120がコンピュータ100の一部として示されているが、記憶機能は、他の場所、例えばプロセッサ自体(例えば、キャッシュ、レジスタ)でおよび/またはネットワーク300でも、例えばコンピュータ101/102でも実施され得る。メモリ120は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラム可能またはプログラム不可能なPROM、または、他のアクセスオプションを有するメモリであってもよい。メモリ120は、コンピュータ可読プログラムキャリア上で、例えば
(a)磁性キャリア(ハードディスク、フロッピディスク、磁気テープ)、
(b)光学キャリア(CD−ROM,DVD)、
(c)半導体キャリア(DRAM、SRAM、EPROM、EEPROM)
上で物理的に実施されあるいは記憶され得る。
随意的に、メモリ120を、異なる媒体にわたって分布させることができる。メモリ120の一部を、固定態様であるいは交換可能な態様で取り付けることができる。コンピュータ100は、読み書きのためにフロッピディスクドライブなどの既知の手段を使用する。
メモリ120は、バイアス(Basic Input Output System)、オペレーティングシステム(OS)、プログラムライブラリ、コンパイラ、インタープリタ、および/または、スプレッドシートまたはワードプロセッシングプログラムなどのサポートコンポーネントを記憶できる。これらのコンポーネントは、より良い理解のために図示されない。サポートコンポーネントは、市販されており、専門家によりコンピュータ100にインストールすることができあるいはコンピュータ100上で実行できる。
また、メモリ120は、開始デザインまたは基本デザインおよびデザイン固有または眼鏡レンズ固有のパラメータおよび/またはフレームワーク状態を記憶できる。
プロセッサ110、メモリ120、入出力デバイスは、少なくとも1つのバス130を介して接続され、および/または、随意的には(単一方向、双方向、および/または、多方向)ネットワーク300(例えばインターネット)を介して結合され、または、互いに通信する。バス130およびネットワーク300は、コマンドおよびデータ信号の両方を送信する論理的なおよび/または物理的な接続に相当する。コンピュータ100内の信号は主に電気信号であり、一方、ネットワークでの信号は、電気信号、磁気信号、および/または、光信号であり、または、無線信号である。
ネットワーク環境(ネットワーク300など)は、オフィス、カンパニー広域コンピュータネットワーク、イントラネット、および、インターネット(ワールドワイドウェブ)において共通である。ネットワーク内のコンピュータ間の物理的距離は、何ら重要ではない。ネットワーク300は、無線または有線ネットワークであってもよい。ネットワーク300の実施のための想定し得る例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、広域ネットワーク(WAN)、ISDNネットワーク、赤外線リンク(IR)、無線リンク、例えばユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)、または、サテライトリンクである。送信プロトコルおよびデータフォーマットは知られている。そのような例は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)、URL(Unique Resource Locator)、HTML(Hypertext Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)、WML(Wireless Application Markup Language)、無線アプリケーションプロトコル(WAP)などである。
入出力デバイスは、ユーザインタフェース160の一部であってもよい。
入力デバイス140は、コンピュータ100によって処理されるべき命令およびデータを与えるデバイスである。例えば、入力デバイス140は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、トラックボール、カーソル矢印)、マイクロホン、ジョイスティック、スキャナである。これらの例は、好ましくはグラフィカルユーザインタフェースを介した人間の相互作用を伴う全てのデバイスであるが、デバイス140は、(例えば衛星アンテナまたは地上アンテナによる)無線受信器またはセンサ(例えば温度計)など、人間の相互作用を伴わずに済ませることもできる。入力デバイス140は、記憶媒体またはキャリア170を読み取るために使用できる。
出力デバイス150は、既に処理されたデータおよび命令を表示するデバイスを示す。それらの例は、モニタまたは異なるディスプレイ(陰極線管、フラトスクリーン、液晶ディスプレイ、ラウドスピーカ、プリンタ等)である。入力デバイス140と同様に、出力デバイス150は、好ましくはグラフィカルユーザインタフェースを介してユーザと通信することが好ましい。出力デバイスは、他のコンピュータ101、102等とも通信する。
また、コンピュータにロードされて実行されるときに、プログレッシブ眼鏡レンズデザインまたはプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するための方法、および随意的には計算されたデザインに基づいて眼鏡レンズを計算しあるいは最適化するための方法を行なうよう適合されたコンピュータプログラムプロダクト200が提供される。コンピュータプログラムプロダクト200を、物理記憶媒体またプログラムキャリア210に記憶させることができ、あるいはプログラム信号として与えることができる。
コンピュータプログラムプロダクト200は、特に本発明または本発明の好ましい実施形態に係る方法の方法ステップをプロセッサ110に実行させるプログラム命令および随意的にデータを含む。言い換えると、コンピュータプログラム200は、コンピュータ100の機能、および、ネットワークシステム300とのコンピュータの相互作用を定める。例えば、コンピュータプログラムプロダクト200を、任意のプログラミング言語のソースコードとしておよび/またはコンパイルされた形式(すなわち、機械可読形式)の2進コードとして与えることができる。当業者は、前述したサポートコンポーネント(例えば、コンパイラ、インタープリタ、オペレーティングシステム)のいずれかと関連してコンピュータプログラムプロダクト200を使用できる。
コンピュータプログラムプロダクト200がメモリ120に記憶されるものとして示されているが、コンピュータプログラムプロダクト100は、他の場所に記憶されていてもよい。コンピュータプログラムプロダクト200を、記憶媒体またはプログラムキャリア170に記憶させることもできる。同様に、開始デザインまたは基本デザインおよび/またはデザイン固有および/または眼鏡レンズ固有のパラメータおよび/またはフレームワーク状態は、メモリ120に記憶されてはならず、望み通りに他の場所、例えば記憶媒体170に記憶されなければならない。
記憶媒体170は、コンピュータ100の外部にあるように典型的に示される。コンピュータプログラムプロダクト200をコンピュータ100へ転送するために、記憶媒体170を入力デバイス140に挿入することができる。記憶媒体170を、任意のコンピュータ可読キャリアとして、例えば前述した媒体(メモリ120参照)のうちの1つとして実施できる。好ましくは、ネットワーク300を介してコンピュータ100に転送されるプログラム信号180は、コンピュータプログラムプロダクト200を含むこともでき、あるいは、コンピュータプログラムプロダクトの一部となることもできる。
コンピュータシステム10の個々のコンポーネントを結合するためのインタフェースも知られている。簡単のため、インタフェースは示されていない。インタフェースは、例えば、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、ゲームポート、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、内部または外部モデム、グラフィックス・アダプタ、および/または、音源カードを有することができる。
また、プログレッシブ眼鏡レンズデザインまたはプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成するあるいは計算するための装置、並びに、随意的には計算されたデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化するための装置は、眼鏡レンズを仕上げるための機械加工手段を備えることができる。機械加工手段は、例えば、眼鏡レンズの決定されたデータにしたがってブランクを直接に機械加工するためのCNC機械を備えることができる
10 主線
12 鼻のベース目標等非点収差線
14 鼻の更なる目標等非点収差線
16 遠見帯における鼻のベース目標等非点収差線の第1の制御点
18 遠見帯における鼻のベース目標等非点収差線の第2の制御点
20 遠見帯における更なる鼻の目標等非点収差線の第1の制御点
22 遠見帯における更なる鼻の目標等非点収差線の第2の制御点
24 近見帯におけるベース目標等非点収差線の第1の制御点
26〜34 それに沿ってそれぞれの制御点が移動できる直線
36 グラフィカルユーザインタフェース
38〜46 グラフィカルユーザインタフェース36のセクション
48 局所重み付けを入力するあるいは与えるためのグラフィカルユーザインタフェース
50〜54 グラフィカルユーザインタフェース48のセクション
56、58 ベース目標等非点収差線のパラメータを入力するためのグラフィカルユーザインタフェース
60 グラフィカルユーザインタフェース58のセクション
62、64 直線
66〜76 制御点を入力して変えるためのグラフィカルユーザインタフェース
78 顧客選好を得るためのグラフィカルユーザインタフェース
80 開始デザイン
90 コンピュータシステム
100、10q コンピュータ
110 プロセッサ
120 メモリ
130 バス
140 入力デバイス
150 出力デバイス
160 ユーザインタフェース
170 記憶媒体またはキャリア
180 プログラム信号
200 コンピュータプログラムプロダクト
300 ネットワーク

Claims (23)

  1. プログレッシブ眼鏡レンズデザインを開始デザインの変換によって生成あるいは計算するためにコンピュータで実行される方法であって、
    − 開始デザインを定めることであって、該開始デザインは、
    − 主線HLの経路のための仕様と、
    − 一定のベース目標非点収差A=constによる少なくとも1つのベース目標等非点収差線Iの仕様であって、前記ベース目標等非点収差線Iが少なくとも第1の所定の制御点
    Figure 0005749180
    を通る、仕様と、を備える、ことと、
    − 開始デザインを変換することであって、該変換は、
    − 予め決定された、あるいは予め決定可能なラインに沿って第1の制御点をシフトさせるステップ
    Figure 0005749180
    であって、第1の制御点
    Figure 0005749180
    のシフトがデザイン固有および/または眼鏡レンズ着用者固有のデータに基づいて行なわれる、ステップと、
    − ベース目標等非点収差線Iの経路をそれがシフトされた第1の制御点
    Figure 0005749180
    を通るように変更するI→I’ステップと、
    − 変更されたベース目標等非点収差線I’を示す目標非点収差分布A(u,y)を生成あるいは計算するステップと、
    を含み、
    xは、水平座標を示し、
    yは、垂直座標を示し、
    uは、主線からの点(x,y)の水平距離を示し、
    A(u,y)は、変換された開始デザインの目標非点収差分布を示し、
    前記少なくとも1つのベース目標等非点収差線Iは、眼鏡レンズの鼻側のベース目標等非点収差線と、眼鏡レンズの側頭側のベース目標等非点収差線と、を含み、各ベース目標等非点収差線はそれぞれ、対応する第1の制御点を通り、前記I→I’ステップにおいて、各ベース目標等非点収差線は、その経路がそれぞれ、シフトされた前記対応する第1の制御点を通るように変更され、
    前記ベース目標等非点収差線上の目標非点収差の値は、0.25D〜1.0Dの範囲内である、
    方法。
  2. 前記少なくとも1つの制御点
    Figure 0005749180
    をシフトさせるときに考慮に入れられる前記デザイン固有および/または眼鏡レンズ着用者固有のデータは、
    − 遠見帯および近見帯の重み付け、および/または、
    − 眼鏡レンズの用途の重点、および/または、
    − フレームおよび心取りデータ
    に関連するデータを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの制御点
    Figure 0005749180
    が前記ラインに沿ってシフトされ、該ラインが直線であり、それにより、
    Figure 0005749180
    が成り立ち、
    Figure 0005749180
    は、前記直線の外側方向ベクトルを示し、これに沿って前記制御点が移動しあるいは移動でき、
    Figure 0005749180
    は、前記直線の内側方向ベクトルを示し、これに沿って前記制御点が移動しあるいは移動でき、
    tは、前記方向ベクトル
    Figure 0005749180
    による前記直線に沿ったシフトを示す、
    請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記パラメータtが以下の式を用いて計算され、
    Figure 0005749180
    ここで、
    0≦gF,N≦100が成り立ち、
    50<gF,N≦100に関しては、
    Figure 0005749180
    が成り立ち、
    0≦gF,N<50に関しては、
    Figure 0005749180
    が成り立ち、
    この場合、
    は、前記遠見帯の重み付け(%)であり、
    は、前記近見帯の重み付け(%)であり、
    は、最大限に許容できる外側シフトであり、
    は、最大限に許容できる内側シフトである、
    請求項2を引用する請求項3に記載の方法。
  5. 前記遠見帯および/または近見帯の重み付けに応じた最大目標非点収差値Amaxの適合Amax→A’maxを更に含む、請求項2、請求項2を引用する請求項3、または請求項4に記載の方法。
  6. A’max=n(g,g)Amaxであり、 ここで、
    Figure 0005749180
    はスケーリングファクタであり、
    は前記遠見帯の重み付け(%)であり、0≦g≦100が成り立ち、 gは前記近見帯の重み付け(%)であり、0≦g≦100が成り立ち、 PAst maxは最大限に許容できる適合(%)であり、0≦PAst max≦50が成り立つ、
    請求項5に記載の方法。
  7. 前記遠見帯の重み付けgおよび前記近見帯の重み付けgが顧客選好および/またはフレームデータに応じて定められる、請求項4および請求項6に記載の方法。
  8. 条件u≧uまたはu≦−uが満たされる各水平断面の点における前記目標非点収差分布A(u,y=const)にはスケーリングファクタs(u,y)が乗じられる、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (y)がパラメータa、b、c、d、mを伴う二重漸近線関数となることができ、
    Figure 0005749180
    が成り立ち、
    Figure 0005749180
    であり、
    ここで =const,|u|>|u|, =1である、
    請求項8に記載の方法。
  10. 前記ベース目標等非点収差線Iの経路が一次元関数u(y)によって表わされ、前記変更されたベース目標等非点収差線I’の経路が一次元関数u’(y)によって表わされ、
    前記ベース目標等非点収差線が少なくとも1つの枢支点または固定点
    Figure 0005749180
    を通り、
    該枢支点または固定点では、条件
    Figure 0005749180
    Figure 0005749180
    が満たされる、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記開始デザインは、前記主線に沿う前記目標非点収差値A(u=0,y)のための仕様を含み、
    前記変更された目標等非点収差線を示す前記目標非点収差分布A(u,y)の生成または計算は、前記主線上の目標非点収差値 (u=0,y)と、前記変更されたベース目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u=0,y)との間の補間を含み、ここでA(u=0,y)=A(u=0,y)が成り立つ、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記補間は、線形補間、四次補間、または、三次補間である、請求項11に記載の方法。
  13. 眼鏡着用者の個人パラメータを得るステップを更に含む、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 所定の開始デザインの変換を行なうよう適合されたデザイン変換手段を備える、プログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための装置であって、前記開始デザインは、
    − 主線HLの経路のための仕様と、
    − 一定のベース目標非点収差A=constによる少なくとも1つのベース目標等非点収差線Iの経路のための仕様であって、前記ベース目標等非点収差線Iが少なくとも第1の所定の制御点
    Figure 0005749180
    を通る仕様と、
    を備え、
    デザイン計算またはデザイン変換手段は、
    − 予め決定された、あるいは予め決定可能なラインに沿って前記第1の制御点
    Figure 0005749180
    の位置のシフト
    Figure 0005749180
    を行なうよう適合された制御点変化手段であって、前記第1の制御点
    Figure 0005749180
    のシフトが、デザイン固有および/または眼鏡レンズ着用者固有のデータに基づいて行なわれる、制御点変化手段と、
    − 変更されたベース目標等非点収差線I’を、それが前記シフトされた第1の制御点
    Figure 0005749180
    を通るように計算するよう適合されたベース目標等非点収差線計算手段と、
    − 前記変更されたベース目標等非点収差線I’を示す目標非点収差分布A(u,y)を生成あるいは計算するよう適合された計算手段と、
    を備え、
    xは、水平座標を示し、
    yは、垂直座標を示し、
    uは、主線からの点(x,y)の水平距離を示し、
    A(u,y)は、変換された開始デザインの目標非点収差値を示し、
    前記少なくとも1つのベース目標等非点収差線Iは、眼鏡レンズの鼻側のベース目標等非点収差線と、眼鏡レンズの側頭側のベース目標等非点収差線と、を含み、各ベース目標等非点収差線はそれぞれ、対応する第1の制御点を通り、前記ベース目標等非点収差線計算手段による計算において、各ベース目標等非点収差線は、その経路がそれぞれ、シフトされた前記対応する第1の制御点を通るように変更され、
    前記ベース目標等非点収差線上の目標非点収差の値は、0.25D〜1.0Dの範囲内である、
    装置。
  15. コンピュータにロードされて実行されるときに請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための方法を実行するよう適合されたコンピュータプログラム。
  16. コンピュータプログラムが記憶されて成る記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされて実行されるときに請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための方法を実行するよう適合された記憶媒体。
  17. プログレッシブ眼鏡レンズを製造するための方法であって、
    − 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための前記方法にしたがって前記プログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを計算することと、
    − 前記計算された眼鏡レンズデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化することと、
    を含む、方法。
  18. 前記眼鏡レンズを計算または最適化することは、以下の目的関数を最小にすることを含み、
    Figure 0005749180
    ここで、
    Asti,targetは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の目標値を示し、
    Astは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の実際の値を示し、
    i,Astは、i番目の評価点における非点収差偏差または局所非点収差誤差の局所重み付けを示す、
    請求項17に記載の方法。
  19. 前記局所重み付けgi,Astに関して、
    Figure 0005749180
    が成り立ち、
    ここでpは、予め定められた屈折力である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記眼鏡レンズの計算または最適化が、眼鏡着用者の個人データを考慮に入れて更に行なわれる、請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の方法。
  21. プログレッシブ眼鏡レンズを製造するための装置であって、
    − 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための前記方法にしたがって前記眼鏡レンズのためのデザインを計算するよう適合されたデザイン計算手段と、
    − 前記計算されたデザインに基づいて前記眼鏡レンズの計算または最適化を実行するよう適合された最適化または計算手段と、
    を備える、装置。
  22. コンピュータにロードされて実行されるときにプログレッシブ眼鏡レンズを計算および最適化するための方法を実行するよう適合されたコンピュータプログラムであって、前記方法は、
    − 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための前記方法にしたがって前記プログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを計算するステップと、
    − 前記計算された個々のデザインに基づいて前記眼鏡レンズを計算しあるいは最適化するステップと、
    を含む、コンピュータプログラム。
  23. コンピュータプログラムが記憶されて成る記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされて実行されるときにプログレッシブ眼鏡レンズを計算および最適化するための方法を実行するよう適合されており、前記方法は、
    − 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のプログレッシブ眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算するための前記方法にしたがって前記プログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを計算するステップと、
    − 前記計算された眼鏡レンズデザインに基づいて前記プログレッシブ眼鏡レンズを計算あるいは最適化するステップと、
    を含む、記憶媒体。
JP2011545633A 2009-01-20 2009-12-09 プログレッシブレンズデザインの自動変更 Active JP5749180B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102009005214.3 2009-01-20
DE102009005214A DE102009005214A1 (de) 2009-01-20 2009-01-20 Automatische Gleitsichtglasdesignmodifikation
PCT/EP2009/008812 WO2010083860A1 (de) 2009-01-20 2009-12-09 Automatische gleitsichtglasdesignmodifikation

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012515933A JP2012515933A (ja) 2012-07-12
JP5749180B2 true JP5749180B2 (ja) 2015-07-15

Family

ID=41694083

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011545633A Active JP5749180B2 (ja) 2009-01-20 2009-12-09 プログレッシブレンズデザインの自動変更

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8888280B2 (ja)
EP (1) EP2389609B1 (ja)
JP (1) JP5749180B2 (ja)
DE (1) DE102009005214A1 (ja)
ES (1) ES2401982T3 (ja)
WO (1) WO2010083860A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2401123T3 (es) 2009-01-23 2013-04-17 Rodenstock Gmbh Control de diseño por medio de un polígono de diseño
DE102010049168A1 (de) 2010-10-21 2012-04-26 Rodenstock Gmbh Verordnungs- und individualisierungsabhängige Modifikation des temporalen peripheren Sollastigmatismus und Anpassung der Objektabstandsfunktion an veränderte Objektabstände für die Nähe und/oder die Ferne
JP5897285B2 (ja) * 2011-09-02 2016-03-30 イーエイチエス レンズ フィリピン インク 累進屈折力レンズ選択装置、累進屈折力レンズ選択方法及び累進屈折力レンズ選択プログラム
WO2013086137A1 (en) 2011-12-06 2013-06-13 1-800 Contacts, Inc. Systems and methods for obtaining a pupillary distance measurement using a mobile computing device
DE102011120974A1 (de) 2011-12-13 2013-06-13 Rodenstock Gmbh Helligkeitsabhängige Anpassung eines Brillenglases
PL2820471T3 (pl) * 2012-03-01 2021-04-06 Shamir Optical Industry Ltd Metoda i system ulepszający receptę okulistyczną
JP5976366B2 (ja) * 2012-04-05 2016-08-23 イーエイチエス レンズ フィリピン インク 累進屈折力レンズおよび累進屈折力レンズの設計方法
US9286715B2 (en) 2012-05-23 2016-03-15 Glasses.Com Inc. Systems and methods for adjusting a virtual try-on
US9483853B2 (en) 2012-05-23 2016-11-01 Glasses.Com Inc. Systems and methods to display rendered images
US20130314401A1 (en) 2012-05-23 2013-11-28 1-800 Contacts, Inc. Systems and methods for generating a 3-d model of a user for a virtual try-on product
TW201443367A (zh) * 2013-05-02 2014-11-16 Hon Hai Prec Ind Co Ltd 透鏡的設計方法
EP3109693A4 (en) * 2014-02-20 2017-10-11 Nikon Corporation Glasses-lens design method, glasses-lens production method, glasses lens, glasses-lens design system, glasses-lens design program, and recording medium
US10302965B2 (en) 2014-03-31 2019-05-28 Hoya Lens Thailand Ltd. Progressive addition lens, design method and manufacturing method therefor, and progressive addition lens manufacturing system
US10401648B2 (en) 2015-03-20 2019-09-03 Essilor International Ophthalmic lens and method for determining the same
DE102015205721B4 (de) * 2015-03-30 2017-01-19 Rodenstock Gmbh Verfahren zum Erstellen eines Designs einer Rezeptfläche einer Multifokallinse und Multifokallinse mit einer solchen Rezeptfläche
WO2018022042A1 (en) * 2016-07-27 2018-02-01 Carl Zeiss Vision International Gmbh Method for determining an improved design for a progressive lens taking into account higher order aberrations of the eye
ES2687223A1 (es) * 2017-04-21 2018-10-24 Horizons Optical S.L.U. Procedimiento de optimización de una lente oftálmica progresiva y procedimiento de fabricación de la misma.
TW202032209A (zh) * 2018-11-30 2020-09-01 美商賽特眼鏡視光有限公司 用於治療近視的光散射鏡片及包含該鏡片之眼鏡
CN113655634B (zh) * 2021-08-27 2023-04-18 苏州明世光学科技有限公司 一种减少旁中心离焦眼镜片及其设计方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6199983B1 (en) 1996-10-14 2001-03-13 Seiko Epson Corporation Apparatus and method for manufacturing a progressive multi-focal lens
JP2001076177A (ja) * 1999-09-06 2001-03-23 Fujitsu Ltd ポリゴンリダクション処理を用いたモーフィング画像処理装置および方法
JP2003521741A (ja) 2000-01-17 2003-07-15 オプティシェ ヴェルケ ジー. ローデンストック プログレシブ眼科用レンズの製造方法
ES2260233T3 (es) 2000-04-25 2006-11-01 Rodenstock Gmbh Metodo para calcular un cristal de gafas progresivo y metodo para la fabricacion de un cristal de gafas de este tipo.
AU2002953061A0 (en) * 2002-11-20 2002-12-19 Sola International Holdings Ltd Method for designing progressive lenses
DE10313275A1 (de) * 2003-03-24 2004-10-14 Rodenstock Gmbh Verfahren zum Berechnen eines individuellen Progressivglases
JP4846985B2 (ja) * 2004-04-20 2011-12-28 セイコーオプティカルプロダクツ株式会社 光学特性補間方法、眼鏡装用シミュレーション画像処理方法、眼鏡装用シミュレーション画像処理装置、眼鏡レンズの評価方法、眼鏡レンズの評価装置
US7229173B2 (en) 2004-08-25 2007-06-12 Essilor International (Compagnie Generale D'optique) S.A. Short corridor progressive addition lenses with reduced unwanted astigmatism
CN101243352B (zh) 2005-06-20 2013-03-20 埃西勒国际通用光学公司 短通道渐进多焦点镜片
WO2007010806A1 (ja) * 2005-07-21 2007-01-25 Nikon-Essilor Co., Ltd. 累進屈折力レンズ
FR2898193B1 (fr) * 2006-03-01 2008-05-09 Essilor Int Procede de determination d'une lentille ophtalmique progressive.
WO2008008995A2 (en) 2006-07-13 2008-01-17 Neustar, Inc. Configuring a graphical user interface of a mobile communication device
DE112008000060A5 (de) 2007-01-25 2009-12-10 Rodenstock Gmbh Verfahren zur Bestimmung der Bezugspunkte Ferne und Nähe
US8840245B2 (en) 2007-01-25 2014-09-23 Rodenstock Gmbh Flexible progressive lens optimizer
JP5642390B2 (ja) * 2007-01-25 2014-12-17 ローデンストック.ゲゼルシャフト.ミット.ベシュレンクテル.ハフツング 様々な位置の基準点を有する眼鏡レンズの計算方法
EP2115527B1 (de) 2007-01-25 2014-04-16 Rodenstock GmbH Verfahren zur optimierung eines brillenglases
DE102008015189A1 (de) 2008-03-20 2009-10-01 Rodenstock Gmbh Umskalierung des Sollastigmatismus für andere Additionen

Also Published As

Publication number Publication date
US20120016645A1 (en) 2012-01-19
ES2401982T3 (es) 2013-04-25
EP2389609B1 (de) 2012-12-26
EP2389609A1 (de) 2011-11-30
WO2010083860A1 (de) 2010-07-29
DE102009005214A1 (de) 2010-07-22
JP2012515933A (ja) 2012-07-12
US8888280B2 (en) 2014-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5749180B2 (ja) プログレッシブレンズデザインの自動変更
JP5710500B2 (ja) 多角形デザインを使用するデザイン制御
JP6069389B2 (ja) フレキシブル遠近両用レンズのオプティマイザ
JP5666472B2 (ja) 可変プログレッシブレンズデザイン
JP5615556B2 (ja) オルト位置のための基準点
JP5133255B2 (ja) 倍率及び/又は収差を計算するための方法及び倍率及び/又は収差が低い眼鏡レンズの製造方法
JP6043731B2 (ja) 目標光学関数の決定方法
JP2017049607A (ja) 累進めがねレンズ要素の列
CN104335103A (zh) 用于为佩戴者提供个性化眼镜片光学系统的方法
US20140293216A1 (en) Method For Determining An Ophthalmic Lens
WO2016104809A1 (ja) 両眼用の一対の眼鏡レンズ、その製造方法、供給システム、および供給プログラム
JP6495005B2 (ja) 両眼用の一対の眼鏡レンズ、その製造方法、供給システム、および供給プログラム
JP4226903B2 (ja) 急な屈折力変化をもつ累進多焦点レンズ
JP4383742B2 (ja) 急な屈折力変化をもつ累進多焦点レンズ
US11372263B2 (en) Bifocal spectacle lens, computer implemented method for creating a numerical representation of same, computer program, data processing system, and non-volatile computer readable storage medium
CN104884999B (zh) 多焦点眼镜片
EP4078269A1 (en) Method for determining an optical lens
CN106796359A (zh) 渐进屈光力镜片、其设计方法及制造方法以及渐进屈光力镜片制造系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5749180

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250