以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書において、水平面における一の方向をX方向と、水平面においてX方向と直交する方向をY方向と、X方向及びY方向に対して直交する方向をZ方向と、それぞれ定義する。
図1〜3に示すように、カメラユニット組立設備2は、センサユニットSUを載置するための載置ステージ10と、センサユニットSUを載置ステージ10に載置するためのセンサユニット搬送装置20と、載置ステージ10を搬送するステージ搬送装置30と、センサユニットSUに対して硬化性樹脂を塗布する塗布装置40と、レンズユニットLUを搬送するレンズユニット搬送装置50と、レンズユニットLUに対してセンサユニットSUの光軸調整を行う光軸調整装置60と、センサユニットSUとレンズユニットLUとを接着させるために、センサユニットSUに塗布された硬化性樹脂に対し所定の光(例えば、紫外線)を照射する照射装置70と、レーザ変位計90と、各装置を制御するために所定の制御信号を出力するコントローラ80と、を備える。
センサユニット搬送装置20は、センサユニットSUの保持、及び保持の解除の切り替えが可能な保持具21と、保持具21の移動を行う保持具移動機構22とを有する。コントローラ80は、保持具移動機構22を介して、センサユニットSUを保持した状態のまま、X方向における保持具21の移動を行う。
ステージ搬送装置30は、X方向に延びたレール31と、レール31の上を移動自在なスライド部材32とを有する。コントローラ80は、スライド部材32を介して、レール31に沿ったスライド部材32の移動を行う。また、光軸調整装置60の6軸アライメントユニット62は、スライド部材32の上に固定され、載置ステージ10は6軸アライメントユニット62によって支持される。このため、スライド部材32がレール31に沿ってX方向へ移動することにより、載置ステージ10は、6軸アライメントユニット62とともに、X方向へ移動する。なお、6軸アライメントユニット62の詳細は後述する。
塗布装置40は、コントローラ80の制御の下、載置ステージ10にあるセンサユニットSUに硬化性樹脂を塗布する。
レンズユニット搬送装置50は、レンズユニットLUの保持、及び保持の解除の切り替えが可能な保持具51と、保持具51の移動を行う保持具移動機構52とを有する。コントローラ80は、保持具移動機構52を介して、レンズユニットLUを保持した状態のまま、X方向における保持具51の移動を行う。
図4に示すように、光軸調整装置60は、チャートユニット61と、6軸アライメントユニット62と、制御ユニット63と、を有する。
チャートユニット61は、センサユニットSUのイメージセンサSを用いて、レンズユニットLUのレンズLによってつくられるテストチャートの像を撮影する。ここで、テストチャートは、チャートユニット61に内蔵されたものであっても良い。また、チャートユニット61は、この撮影画像に対し所定の画像解析を行う。さらに、チャートユニット61は、この解析結果として、レンズLとイメージセンサSとの光軸のズレ量を算出する。加えて、チャートユニット61は、算出したズレ量から、6軸アライメントユニット62の補正条件を出力する。ここで、当該補正条件は、レンズLとイメージセンサSとの光軸調整を行うためのものであり、具体的には、X方向、Y方向、Z方向における移動方向とその移動量や、X軸、Y軸、Z軸周りの揺動方向とその揺動角度である。
チャートユニット61は、特に図示しないコンピュータによって制御される補正条件算出装置と、フォーカス判定用模様プレート(テストチャートと呼ぶ場合もある)を内蔵しており、このフォーカス判定用模様プレートを、センサユニットSUのイメージセンサSで撮影して、その出力を補正条件算出装置で解析する。図11(A)に、フォーカス判定用模様プレートFの例を示す。フォーカス判定用模様プレートFには、縞模様F1が描かれている。この縞模様F1を撮影した映像において、フォーカスが一致する時は、映像の濃淡(出力信号の黒と白の明暗差)が大きくなり、フォーカスが不一致(ぼけている)の時は、濃淡が小さくなる。また、フォーカス判定用模様プレートFには、その中心を判定するための交差模様F2が描かれている。これにより、プレート中心F3を判定することができる。また、縞模様F1又は交差模様F2の角度によって、Z軸周りの回転角度について判定することができる。
図11(B)には、フォーカス判定用模様プレートFをイメージセンサSで撮影した状態を模式的に示す。イメージセンサSで撮影されたデータ領域(フレーム)をGとし、そのデータ領域Gのフレーム中心Eと定義し、フレーム中心Eに対して周囲3か所以上の複数個所(ここでは4か所)の画素群を周辺画素A〜Dと定義する。補正条件算出装置は、フレーム中心Eと、データ領域Gに映し出されているプレート中心F3とのX−Y方向の誤差Gxs、Gysを算出する。また、データ領域Gに映し出されている交差模様F2と、データ領域GのX方向、Y方向のフレーム基準線KX、KYの差から、Z軸周りの誤差Gztを算出する。これらの誤差Gxs、Gys、Gztが、センサユニットSUの中止を、チャートユニット61の中心に合わせるためのXシフト、Yシフト、Zチルト(Z軸周り回転)の補正条件となる。
なお、ここではフレーム中心Eと、データ領域Gに映し出されているプレート中心F3とのX−Y方向の誤差Gxs、GysをXシフト、Yシフトの補正条件としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、レンズユニットLUにおけるレンズLの中心は、イメージセンサSの映像の中で最も明るい位置となり、周囲に広がるにつれて、環状に段階的に暗くなっていく。従って、イメージセンサSで撮影された画像を解析することによって、データ領域Gの中で最も明るい領域をレンズ中心FMと判定し、そのレンズ中心FMと、データ領域Gのフレーム中心EとのX方向及びY方向の誤差Gxs、Gysを、Xシフト、Yシフトの補正条件とすることも好ましい。この手法は、レンズユニットLUのレンズLの中心が、フォーカス判定用模様プレートFの中心と不一致となる場合に有効である。
更に、6軸アライメントユニット62によって、センサユニットSUをZ軸方向に上昇(レンズLに近づくようにプラス方向に移動)させながら、Z軸方向の複数箇所でフォーカス判定用模様プレートFをイメージセンサSで撮像する。補正条件算出装置は、周辺画素A〜D内の濃淡差値(明暗差値)BWを算出し、Z方向の移動に沿った濃淡差値BWの出力変動から、チルト誤差を算出する。具体的には、図12(A)〜(D)に示すように、周辺画素A〜Dのそれぞれについて、Z方向の移動に伴う濃淡差値(明暗差値)BWのピーク点(これをベストフォーカスという)のZ方向位置(これをZ方向フォーカス位置という)ZA、ZB、ZC、ZDを決定する。ベストフォーカスのタイミング、即ちZ方向フォーカス位置ZA、ZB、ZC、ZDが、各周辺画素A〜Dで互いにずれている場合は、イメージセンサSの光軸と、レンズLの光軸に角度差を有すると定義できるので、このZ方向フォーカス位置が、全周辺画素A〜Dで殆ど一致するように、センサユニットSUをY軸周り及びX軸周りでチルト制御する。
例えば、図12(E)の通り、X軸方向に実距離Xabを有する画素Aと画素Bについて解析を行い、図12(A)(B)の通り、画素Aと画素BのZ方向フォーカス位置の差としてのZ軸方向の実距離Zab(=ZA−ZB)を算出した場合を想定する。さらに図12(F)の関係式によって、これら2つの実距離Xab、Zabを隣辺とする直角三角形の斜辺の傾斜角を算出することで、Y軸周りの光軸の傾斜ズレ量Gytを決定できる。同様に、図12(E)の通り、Y軸方向に実距離Yacを有する画素Aと画素Cについて解析を行い、図12(A)(C)の通り、画素Aと画素CのZ方向フォーカス位置の差としてのZ軸方向の実距離Zac(=ZA−ZC)を算出した場合を想定する。更に図12(G)のように、これら2つの実距離Yac、Zacを隣辺とする直角三角形の斜辺の傾斜角を算出することで、X軸周りの光軸の傾斜ズレ量Gxtを決定できる。これらの傾斜ズレ量Gyt、Gxtが、Yチルト、Xチルトの補正条件となる。
なお、ここでは、3つの画素A〜CのZ方向フォーカス位置ZA、ZB、ZCを用いてXチルト、Yチルトの補正条件を算出する場合を例示した。即ち、Xチルト、Yチルトを算定する際には、少なくとも3角形の頂点を構成する3つの周辺画素A〜Cを用いれば可能である。一方、4つの画素A〜D又はそれ以上の画素を用いて算出することもできる。例えば、図12(E)に示すように、X方向の同一位置に存在する画素Aと画素CのZ方向位置の平均値(ZA+ZC)/2と、X方向の同一位置に存在する画素Bと画素Dの平均値(ZB+ZD)/2を値を用いて、Y軸周りの傾斜ズレ量(Yチルトの補正条件)を算出しても良い。X軸周りの傾斜ズレ量を算出する場合も同様である。
また、周辺画素A〜DのZ方向フォーカス位置の平均値は、最終的なZシフトの設定条件Gztとなる。なお、Zシフトについては、他の補正値を算定するためにサーチ動作する軸となるので、Zシフトについては補正条件という概念ではなく、最終的な設定条件となる。
以上の結果、チャートユニット61の補正条件算出装置によって、Xシフト、Yシフト、Zシフト、Xチルト、Yチルト、Zチルトの補正条件(Zシフトについては設定条件)を出力することができる。なお、ここではXチルト、Yチルトの補正条件を決定する際に、複数画素間で、Z方向フォーカス位置の差と、画素間距離を用いた三角関数により、幾何学的に算出する場合を例示しているが、本発明はこの手法に限定されないことはいうまでもない。
6軸アライメントユニット62は、載置ステージ10を支持するとともに、載置ステージ10の位置及び姿勢を個別に調節可能なものであり、載置ステージ10のX方向への移動を行うXシフト機構62XSと、載置ステージ10のY方向への移動を行うYシフト機構62YSと、載置ステージ10のZ方向への移動を行うZシフト機構62ZSと、X方向に延びるX軸Ax(図5参照)周りにおける載置ステージ10の姿勢調整を行うXチルト機構62XTと、Y方向に延びるY軸Ay(図6参照)周りにおける載置ステージ10の姿勢調整を行うYチルト機構62YTと、Z方向に延びるZ軸周りにおける載置ステージ10の姿勢調整を行うZチルト機構62ZTと、を有する。なお、このX軸Ax、Y軸Ayは、イメージセンサSからZ軸方向に離れた場所に設定される。
図15には、この6軸アライメントユニット62の具体的な構成例が示されている。6軸アライメントユニット62は、ステージ搬送装置30のスライド部材32に固定される。6軸アライメントユニット62は、スライド部材32に固定されるZシフト機構62ZSと、このZシフト機構62ZSのスライド部材に固定されるXシフト機構62XSと、このXシフト機構62XSのスライド部材に固定されるYシフト機構62YSと、このYシフト機構62YSのスライド部材に固定されるZチルト機構62ZTと、Zチルト機構62ZTの回転テーブルに固定されるYチルト機構62YTと、このYチルト機構62YTのチルトテーブルに固定されるXチルト機構62XTを有する。このXチルト機構62XTのチルトテーブル上に載置ステージ10が設置される。従って、6軸アライメントユニット62は、Z軸方向に沿って、X及びYシフト機構62XS、62YSと、X及びYチルト機構62XT、62YTが積層されており、その中間にZチルト機構62ZTが介在する構造となっている。
また、例えばXシフト機構62XSの駆動機構は、ベース側とスライド部材の間を連結してスライド部材を一方側に付勢する弾性部材65XS−B(例えばバネやゴム)と、この弾性部材65XS−Bの付勢に抗してスライド部材をカム等によって移動させる駆動源65XS−M(例えばサーボモータやソレノイド)によって構成される。また更に、Yチルト機構62YTの駆動構造は、ベース側とチルトテーブルの間を連結してチルトテーブルを一方側に揺動させる弾性部材65YT−B(例えばバネやゴム)と、この弾性部材65YT−Bの付勢に抗してチルトテーブルをカム等によって反対側に揺動させる駆動源65YT−M(例えばサーボモータやソレノイド)によって構成される。このように、弾性部材と、カム等を組み合わせると、全体として極めてコンパクトな構成で6軸アライメントユニット62を駆動できる。なお特に図示しないが、Yシフト機構62YS、Zチルト機構62ZT、Xチルト機構62XTの駆動機構も同種の構造を採用している。
本実施形態の6軸アライメントユニット62によれば、X及びYチルト機構62XT、62YTが載置ステージ10に接近するので、チルト半径RX、RYを小さくすることが可能になり、後述するチルト制御時におけるシフト誤差を小さくすることが可能となる。更にX及びYチルト機構62XT、62YTの各チルト軸Ax、Ayが、センサユニットSUの中心を基準としてZ軸方向に離れた場所に配置されるので、チルト制御時におけるZ方向のシフト誤差を小さくすることができ、その結果、後述する<中間段階>の繰り返し処理において、テストチャートを撮影するためのZ方向に移動範囲(サーチ範囲)が段階的に狭めることが可能となるという利点も有する。
制御ユニット63は、入出力ユニット63Aと、判定部63Bと、設定部63Cと、駆動部63Dと、を有する。
入出力ユニット63Aは、外部からの制御信号が入力されるとともに、外部に対して所定の制御信号を出力する。外部から入力される制御信号としては、例えば、コントローラ80から出力された所定の制御信号や、チャートユニット61から出力された6軸アライメントユニット62の補正条件等がある。外部に対して出力する制御信号としては、例えば、載置ステージ10のシフト調整が完了した旨の制御信号や、載置ステージ10のチルト調整が完了した旨の制御信号がある。
判定部63Bは、判定処理を行う。判定処理では、入力された6軸アライメントユニット62の補正条件が、紫外線等の光照射の許容範囲内であるか否かの判定が行われる。さらに、判定処理では、入力された6軸アライメントユニット62の補正条件が、6軸アライメントユニット62の可動範囲内であるか否かの判定が行われる。ここで、6軸アライメントユニット62の可動範囲とは、X方向、Y方向、Z方向における移動方向とその移動量や、X軸、Y軸、Z軸周りの揺動方向とその揺動角度である。
設定部63Cは、設定処理を行う。設定処理では、判定部63Bにおける判定結果に基づいて、Xシフト機構62XS、Yシフト機構62YS、Zシフト機構62ZS、Xチルト機構62XT、Yチルト機構62YT、Zチルト機構62ZTに関する駆動条件を設定する。例えば、6軸アライメントユニット62の補正条件が、判定部63Bによって、6軸アライメントユニット62の可動範囲内であると判定された場合には、設定部63Cは、6軸アライメントユニット62の補正条件に従って、6軸アライメントユニット62に関する駆動条件を設定する。
一方、6軸アライメントユニット62の補正条件が、判定部63Bによって、6軸アライメントユニット62の可動範囲外であると判定された場合には、設定部63Cは、可動範囲内において、かつ、6軸アライメントユニット62の補正条件に従って、6軸アライメントユニット62に関する駆動条件を設定する。例えば、補正条件のうちX軸周りの揺動角度のみが可動範囲を超え、その他の補正条件が可動範囲内である場合には、設定部63Cは、X軸周りの揺動に関しては、予め定められたX軸周りの揺動角度の最大値を新たな補正条件に置きかえるようにし、X軸〜Z軸におけるシフト制御とY軸周り及びZ軸周りの揺動とについては、当初の補正条件に従って、各機構62YS〜62ZTに関する駆動条件を設定する。
さらに、設定処理では、各機構62XT〜62ZTを駆動させた場合に、所定の平面(例えば、XY平面)におけるレンズLの光軸とイメージセンサSの光軸とが一致した状態(以下、一致状態と称する)を維持するように、各機構62XS〜62ZTに関する駆動条件や駆動順序を設定する。なお、本実施形態でいう光軸の一致状態とは仮想的なものであり、イメージセンサSの画素中心と、撮影されたテストチャートの中心を一致させた状態、即ちチルト調整を行う準備が整った状態を意味している。その後、例えば、Xチルト機構62XTのみによって載置ステージ10の揺動のみを行なう場合、設定処理では、まず、この載置ステージ10の揺動後の状態(仮想駆動状態)におけるレンズLの光軸とイメージセンサSの光軸のズレ量が算出される。次に、このズレ量を打ち消すようなYシフト機構62YS及びZシフト機構62ZSの駆動条件が算出される。さらに、Xチルト機構62XTについての駆動と、Yシフト機構62YS及びZシフト機構62ZSの駆動とが同時に行われるように、6軸アライメントユニット62全体としての駆動条件が設定される。
設定部63Cにおける設定処理の詳細構成を図13(A)に示す。ここでは、チャートユニット61から得られた、Xシフト、Yシフト、Zシフト、Xチルト、Yチルト、Zチルトの補正条件(設定条件)を利用して、これを各機構62XT〜62ZTに対する駆動指示値(駆動条件)に変換、算出する工程となる。設定部63Cは、Xシフト入力を駆動指示値に変換するXシフト値変換手段63Cxs、Yシフト入力を駆動指示値に変換するYシフト値変換手段63Cys、Zシフト入力を駆動指示値に変換するZシフト値変換手段63Czs、Xチルト入力を駆動指示値に変換するXチルト値変換手段63Cxt、Yチルト入力を駆動指示値に変換するYチルト値変換手段63Cyt、Zチルト入力を駆動指示値に返還するZチルト値変換手段63Cztを有する。なお、Xシフト、Yシフト、Zシフト、Xチルト、Yチルト、Zチルトの各入力は、絶対的な値であっても良く、また現在値からの相対移動量であっても良い。いずれにしろ、設定部63Cでは、Xシフト、Yシフト、Zシフト、Xチルト、Yチルト、Zチルトに関する絶対的又は現在値からの相対的な要求値が入力され、その要求値が、駆動指示値に変換される。
Xシフト値変換手段63Cxsでは、設定部63Cに入力されたXシフト補正条件Gxsを、そのままXシフト機構62XSによるX方向移動制御値Uxsに変換して出力する。Yシフト値変換手段63Cysでは、Yシフト補正条件Gysを、そのままYシフト機構62YSによるY方向移動制御値Uysに変換して出力する。Zシフト値変換手段63Czsでは、Zシフト設定条件Gzsを、そのままZシフト機構62ZSによるZ方向移動制御値Uzsとして出力される。なお、本実施形態に限っては、Zシフト設定条件Gzsが絶対値としての要求値となっていることから、Z方向移動制御値Uzsも絶対値として出力するようにしている。
Xチルト値変換手段63Cxtでは、設定部63Cに入力されたXチルト補正条件Gxtを、Xチルト機構62XTにおけるX軸回転制御値Uxtとして出力する。なお、ここではX軸回転制御値Uxtが正(プラス回転)の場合とは、センサ面SCがY方向のプラス側に移動することを意味している。そこで、Xチルト機構62XTにおけるチルト半径をRx(図5参照、詳細は後述)とした場合、Xチルト機構62XTがX軸回転制御値Uxtだけ揺動した仮想駆動状態を想定すると、図13(B)に示すように、揺動半径の揺動端に位置するセンサ面SCがY方向のプラス側に距離Hysだけ移動してしまう。そこで、Xチルト値変換手段63Cxtでは、揺動端がY方向に移動する距離Hysを相殺するためのY方向復帰制御値Fysも同時に出力する。このY方向復帰制御値Fysは「−Hys」となり、幾何学的にFys=−Rx・sin(Uxt)と算出できる。また更に、Xチルト機構62XTがX軸回転制御値Uxtだけ揺動した仮想駆動状態を想定すると、図13(B)に示すように、揺動端に位置するセンサ面SCがZ方向のマイナス側に距離Hzs(x)だけ移動してしまう。そこで、Xチルト値変換手段63Cxtでは、揺動端がZ方向に移動する距離Hzs(x)を相殺するためのZ方向復帰制御値Fzs(x)も同時に出力する。このZ方向復帰距離Fzs(x)は「Hzs(x)」となり、幾何学的に、Fzs(x)=Rx(1−cos(Uxt))と算出できる。これらのY方向復帰制御値Fys及びZ方向復帰制御値Fzs(x)は、総称としてXチルト時復帰制御値と定義できる。なお、本実施形態では、X軸AxがイメージセンサSからZ軸方向に離れていることと、X軸回転制御値Uxtが小さいことから、このZ方向復帰制御値Fzs(x)の値が小さくなるので、これによる制御を省略しても良い。また、Z方向の復帰制御を行わなくても、最終的なZ方向の位置決めは、別途、最終決定されるZ方向の補正条件を採用すれば十分である。以上の通り、Xチルト値変換手段63Cxtは、Xチルト補正条件Gxtの入力に基づいて、X軸回転制御値Uxt、Y方向復帰制御値Fys、Z方向復帰制御値Fzs(x)を出力する。
Yチルト値変換手段63Cytでは、設定部63Cに入力されたYチルト補正条件Gytを、Yチルト機構62YTにおけるY軸回転制御値Uytとして出力する。なお、ここではY軸回転制御値Uytが正(プラス回転)の場合、センサ面SCがX方向のプラス側に移動することを意味している。そこで、Yチルト機構62YTにおけるチルト半径をRy(図6参照、詳細は後述)とした場合、Yチルト機構62YTがY軸回転制御値Uytだけ揺動した仮想駆動状態を想定すると、図13(C)に示すように、揺動端に位置するセンサ面SCがX方向のプラス側に距離Hxsだけ移動してしまう。従って、Yチルト値変換手段63Cytでは、揺動端がX方向に移動する距離Hxs分を相殺するためのX方向復帰制御値Fxsも同時に出力する。このX方向復帰制御値Fxsは「−Hxs」となり、幾何学的にFxs=−Ry・sin(Uyt)と算出できる。また更に、Yチルト機構62YTがY軸回転制御値Uytだけ揺動した仮想駆動状態を想定すると、図13(C)に示すように、揺動端に位置するセンサ面SCがZ方向のマイナス側に距離Hzs(y)だけ移動してしまう。そこでYチルト値変換手段63Cytでは、揺動端がZ方向に移動する距離Hzs(y)分を相殺するためのZ方向復帰制御値Fzs(y)も同時に出力する。このZ方向復帰距離Fzs(y)は「Hzs(y)」となり、幾何学的に、Fzs(y)=Ry(1−cos(Uyt))と算出できる。これらのX方向復帰制御値Fxs及びZ方向復帰制御値Fzs(y)は、総称としてYチルト時復帰制御値と定義できる。なお、本実施形態では、Y軸AyがイメージセンサSからZ軸方向に離れていることと、Y軸回転制御値Uytが小さいことから、Z方向復帰制御値Fzs(y)が小さくなるので、これによる制御を省略しても良い。以上の通り、Yチルト値変換手段63Cytは、Yチルト補正条件Gytの入力に基づいて、Y軸回転制御値Uyt、X方向復帰制御値Fxs、Z方向復帰制御値Fzs(y)を出力する。
Zチルト値変換手段63Cztでは、設定部63Cに入力されたZチルト補正条件Gztを、Zチルト機構62ZTにおけるZ軸回転制御値Uztとして出力する。X軸回転制御の場合は、復帰制御は不要となる。
駆動部63Dは、設定部63Cによって設定された駆動条件に従って、6軸アライメントユニット62の各機構62YS〜62ZTを制御する。
図5〜6に示すように、レーザ変位計90は、載置ステージ10に載置されたセンサユニットSUのセンサ面SCのチルト半径RX、RYを算出するものである。X軸AXからレーザ変位計90までの高さをKX、レーザ変位計90が検知したセンサユニットSUのセンサ面SCまでの距離をHとした場合、X軸AXを基準とするセンサユニットSUのセンサ面SCのチルト半径RXは、(KX−H)と表せる(図5参照)。同様に、Y軸AYからレーザ変位計90までの高さをKYとした場合、Y軸AYを基準とするセンサユニットSUのセンサ面SCのチルト半径RYは、(KY−H)と表せる(図6参照)。このレーザ変位計90でイメージセンサS毎に算出されるチルト半径RX、RYの数値は、コントローラ80又は制御ユニット63によって保持される。なお、ここではイメージセンサSを搭載する毎にチルト半径RX、RYを算出する場合を例示するが、搭載誤差が小さい場合や、そこまで精度が要求されない場合は、固定値となるチルト半径RX、RYを予めコントローラ80又は制御ユニット63に保持させておいてもよい。 次に、カメラユニット組立設備2における、カメラユニットの組み立て手順の一例を示す。
まず、図1において、センサユニット搬送装置20は、載置ステージ10に向けてセンサユニットSUを搬送し、載置ステージ10上の所定の位置(X軸とY軸との交点上)にセンサユニットSUを載置する(図2参照)。次に、塗布装置40は、載置ステージ10に配されたセンサユニットSUに対して所定の硬化性樹脂を塗布する。第3に、ステージ搬送装置30は載置ステージ10を、レーザ変位計90の近くまで搬送する。このとき、X軸とY軸との交点が、レーザ変位計90の光軸90Aの上に位置する(図5参照)。その後、レーザ変位計90は、レーザ変位計90が検知したセンサユニットSUのセンサ面SCまでの距離Hを測定した後、センサ面SCのチルト半径RX、RYを算出する。第4に、ステージ搬送装置30は載置ステージ10を、レンズユニット搬送装置50はレンズユニットLUを、それぞれ光軸調整装置60の近くまで搬送する(図3参照)。第5に、光軸調整装置60は、所定のテストチャートを用いて、レンズユニットLUに設けられたレンズLと、センサユニットSUに設けられたイメージセンサSとの光軸調整を行う。なお、レンズLとイメージセンサSとの光軸調整を行う間、レンズユニット搬送装置50によってレンズユニットLUは固定されている。第6に、光軸調整の後、照射装置70は、センサユニットSUに塗布された硬化性樹脂に対し所定の光を照射する。これにより、センサユニットSUに対しレンズユニットLUが接着される結果、カメラユニットが組み立てられる。
次に、光軸調整装置60による光軸調整について説明する。
図4に示すように、チャートユニット61は、下方に設けられた撮像窓61W、レンズユニットLUのレンズLを介して、所定のテストチャートを撮影する。
<初期段階>初期段階では、イメージセンサSをZ方向に移動させることなく、所定のZ方向位置で静止させて、テストチャートを撮影する。次に、チャートユニット61は、テストチャートの撮影画像に対する画像解析を通して、6軸アライメントユニット62のシフト補正条件及びチルト補正条件を出力する。ここでの6軸アライメントユニット62のシフト補正条件は、所定の平面においてレンズLの光軸とイメージセンサSの光軸と一致させるためのものである。例えば、XY平面においてレンズLの光軸とイメージセンサSの光軸とを一致させる場合、シフト補正条件は、X方向〜Y方向における移動方向及びその移動量となるXシフト補正条件Gxs、Yシフト補正条件Gysである。更にチルト補正条件は、イメージセンサSのX−Y軸とテストチャートのX−Y軸を一致させるためのものであり、X軸周りの回転方向及び回転量となるZチルト補正条件Gztである。
チャートユニット61が出力した6軸アライメントユニット62のシフト補正条件及びチルト補正条件は、制御ユニット63へ入力される。制御ユニット63は、6軸アライメントユニット62のシフト補正条件に従って、所定の判定処理及び設定処理を介して、載置ステージ10のシフト調整及びチルト調整を行う。具体的には、Xシフト値変換手段63Cxsで得られるX方向移動制御値Uxs及びYシフト値変換手段63Cysで得られるY方向移動制御値Uysを利用して、載置ステージ10をX方向、Y方向にシフト調整して、所定の平面(例えば、XY平面)においてレンズLの光軸とイメージセンサSの光軸とが一致する一致状態とする。また、Zチルト値変換手段63Cztで得られるZ軸回転制御値Uztを利用して、載置ステージ10をZ方向にチルト調整して、イメージセンサSのX−Y軸とテストチャートのX−Y軸が一致する状態とする。載置ステージ10のシフト調整及びチルト調整が完了した後、制御ユニット63は、チャートユニット61に対して、載置ステージ10のシフト調整及びチルト調整が完了した旨の制御信号を出力する。これにより、初期段階で実行するXシフト調整、Yシフト調整、Zチルト調整が完了する。ちなみに、この初期段階では、Xチルト調整、Yチルト調整は行わない。即ち、本実施形態でいう光軸の一致状態とは、チャートユニット61とイメージセンサSの互いの中心及びX−Y座標を一致させた状態を意味している。
<中間段階>チャートユニット61に対し載置ステージ10の初期段階のシフト調整が完了した旨の制御信号が入力されると、チャートユニット61は、再び、Xチルト及びYチルト、並びにZシフトを調整するためのテストチャートの撮影を行う。この場合は、図12(A)で示すように、Z方向に載置ステージ10を移動させながら、Z方向の複数の位置でテストチャートを撮影する。次に、チャートユニット61は、この撮影結果に対する画像解析に基づき、6軸アライメントユニット62のチルト補正条件を算出する。このチルト補正条件とは、レンズLの光軸とイメージセンサSの光軸が同軸状となるように、載置ステージ10の姿勢を調節するための条件である。そして、チャートユニット61は、算出したチルト補正条件を出力する。この6軸アライメントユニット62のチルト補正条件は、例えば、X軸〜Y軸周りにおける揺動方向及びその揺動量となるXチルト補正条件Gxt及びYチルト補正条件Gytであり、Zシフト補正条件はZ方向の移動方向とその移動量となるZシフト補正条件Gzsである。なお、Zシフト補正条件Gzsは、イメージセンサSの最終位置決め時(最終段階)のみに限って用いる値となる。
チャートユニット61が出力した6軸アライメントユニット62のチルト補正条件は、制御ユニット63へ入力される。制御ユニット63は、このチルト補正条件に従って、6軸アライメントユニット62を制御する。すなわち、制御ユニット63は、6軸アライメントユニット62のチルト補正条件に従って、一致状態を維持したまま、載置ステージ10のチルト調整を行う。具体的には、Xチルト補正条件Gxtの入力に基づいて、Xチルト値変換手段63Cxtで得られるX軸回転制御値Uxt、Y方向復帰制御値Fys(更に望ましくはZ方向復帰制御値Fzs(x))を利用して、6軸アライメントユニット62を制御することで、一致状態を維持したままによるXチルト調整を実現する。同様にYチルト補正条件Gytの入力に基づいて、Yチルト値変換手段63Cytで得られるY軸回転制御値Uyt、X方向復帰制御値Fxs(更に望ましくはZ方向復帰制御値Fzs(y))を利用して、6軸アライメントユニット62を制御することで、一致状態を維持したままによるYチルト調整を実現する。
載置ステージ10のチルト調整が完了した後、制御ユニット63は、チャートユニット61に対して、載置ステージ10のチルト調整が完了した旨の制御信号を出力する。載置ステージ10の姿勢調整が完了した旨の制御信号がチャートユニット61に入力されると、チャートユニット61は、<中間段階>のプロセスに戻って、前述と同様のチルト補正条件の算出を再び行い、その結果を制御ユニット63に出力する。
制御ユニット63に2回目のチルト補正条件が入力された場合、判定部63Bは、2回目のチルト補正条件が、光照射の許容範囲内であるか否かを判定する。即ち、Xチルト補正量Gxt、Yチルト補正量Gyt(換言するとレンズLとイメージセンサSの光軸のズレ量)が許容範囲内か否かを判定する。この判定は、補正量Gxt、Yチルト補正量Gytを用いても良いが、チャートユニット61で解析されるZ方向フォーカス位置ZA〜ZDのズレ量で判定することも可能である。
2回目のチルト補正条件が光照射の許容範囲内であると判定された場合には、2回目のチルト補正条件に従った載置ステージ10のチルト調整を行わずに、<最終段階>に移行し、絶対値となるZシフト補正条件Gzsを利用して、イメージセンサSのZ方向の最終位置決めを行った後、コントローラ80へ、載置ステージ10のチルト調整及びシフト調整が完了した旨の制御信号を出力する。コントローラ80は、この制御信号の入力を条件に、照射装置70に対し、照射開始の制御信号を出力する。照射装置70は、照射開始の制御信号の入力を条件に、センサユニットSUに塗布された硬化性樹脂に対して紫外線照射を行う。
一方、2回目のチルト補正条件が光照射の許容範囲外であると判定された場合には、このまま<中間段階>のプロセスを継続し、6軸アライメントユニット62が2回目のチルト補正条件に従った載置ステージ10のチルト調整を行う。その後、制御ユニット63は、2回目の載置ステージ10のチルト調整が完了した旨の制御信号を、チャートユニット61に対して出力する。そして、2回目のチルト調整が完了した載置ステージ10に対し、<中間段階>のプロセスに戻ってチルト補正条件の再算出を行う。これ以降、再算出されたチルト補正条件が光照射の許容範囲内であると判定されて<最終段階>に移行できるまで、(1)再算出されたチルト補正条件に関する所定の判定処理や設定処理の実行、(2)判定処理や設定処理の結果を反映した載置ステージ10のチルト調整、(3)チルト補正条件の再算出、を繰り返し行う。
図14には、中間段階においてチャートユニット61で解析された周辺画素A〜DのZ方向フォーカス位置を重ねて表示する図を示す。図14(A)は第一回目の中間段階、図14(B)は第二回目の中間段階、図14(C)は第三回目の中間段階である。第一回目では、Z方向フォーカス位置ZA〜ZDが大きくズレるが、第二回目になるとZ方向フォーカス位置ZA〜ZDが急激に接近する。第三回目では、Z方向フォーカス位置ZA〜ZDが殆ど一致する。第三回目で、Z方向フォーカス位置ZA〜ZDのズレ量が所定範囲APの範囲内に収まるので、<最終段階>に移行する。なお、この図14からわかるように、中間段階において、イメージセンサSをZ方向に移動させながら撮像するサーチ範囲Zsrは、第一回目は広く設定する必要があるが、第二回目以降は、Z方向フォーカス位置ZA〜ZDの平均値と中心として狭く設定することが好ましく、撮像時間を短縮することが可能となる。
このように、制御ユニット63では、設定部63Cが、一致状態を維持するように各機構62XS〜62ZTに関する駆動条件や駆動順序を設定するため、各機構62XT〜62ZTによる載置ステージ10のチルト調整を行っても、センサユニットSUのイメージセンサの光学中心の位置は固定される。換言すると、チルト調整を行う際に、このチルト調整で生じるであろうX−Y平面方向のシフト量を算出し、予め相殺するようにシフト制御するので、チルト調整時のチルト半径の揺動端の位置が殆ど静止した状態となり、チルト調整に要する時間を短縮することができる。
また、制御ユニット63では、判定部63Bと設定部63Cとにより、6軸アライメントユニット62の補正条件に従いながらも、可動範囲を外れない範囲で、6軸アライメントユニット62の各機構62XS〜62ZTに関する駆動条件が設定されるため、可動範囲を超えた駆動条件によって、センサユニットSU等が周囲の装置や部品に接触するなどの事故を未然に防ぐことができる。
上記実施形態では、制御ユニット63が判定部63Bを有していたが、本発明はこれに限られず、判定部63Bが省略されていても良い。
上記実施形態では、制御ユニット63に2回目のチルト補正条件が入力された場合、判定部63Bは、2回目のチルト補正条件が光照射の許容範囲内であるか否かを判定するとしたが、本発明はこれに限られず、制御ユニット63に1回目のチルト補正条件が入力された場合、判定部63Bは、1回目のチルト補正条件が光照射の許容範囲内であるか否かを判定するとしてもよい。
上記実施形態では、レンズLとイメージセンサSとの光軸調整を行なう際、当該光軸は垂直方向に向いていたが、本発明はこれに限られず、当該光軸調整の際、当該光軸は水平方向に向いていてもよい。以下、図7〜10を用いて、水平方向に向いた光軸について光軸調整を行なうカメラユニット組立設備4について説明する。なお、カメラユニット組立設備4についての説明は、上記実施形態と異なる部分のみ行い、同一の部材・部品については、同一の符号を付し、その詳細の説明は省略する。
カメラユニット組立設備4は、載置ステージ10と、センサユニット搬送装置20と、ステージ搬送装置30と、塗布装置40と、レンズユニット搬送装置50と、光軸調整装置60と、照射装置70と、レーザ変位計90と、6軸アライメントユニット62の姿勢を切替える姿勢切替装置100と、各装置を制御するために所定の制御信号を出力するコントローラ80と、を備える。
載置ステージ10は、チャック機構16を有する。チャック機構16により、載置ステージ10に載置されたセンサユニットSUの保持、及びこの保持の解除を行なうことができる。
姿勢切替装置100は、スライド部材32の上に設けられた第1スタンド101と、第1スタンド101に対してZ方向へスライド自在に設けられた第2スタンド102と、第2スタンド102に設けられ、Y軸へ延びるとともに6軸アライメントユニット62を支持する支持軸103と、支持軸103を駆動するモータ104と、を備える。
6軸アライメントユニット62は、支持軸103によって、Y軸周りに回動自在となっている。6軸アライメントユニット62がY軸周りに回動することにより、載置ステージ10は、水平状態(図7,8参照)と、垂直状態(図9、10参照)との間で切替え自在となる。また、第2スタンド102が第1スタンド101に対してスライドすることにより、6軸アライメントユニット62は、Z方向へ移動自在となる(図8,9参照)。
次に、カメラユニット組立設備4における、カメラユニットの組み立て手順の一例を示す。
まず、図7において、センサユニット搬送装置20は、載置ステージ10に向けてセンサユニットSUを搬送し、載置ステージ10上の所定の位置(X軸とY軸との交点上)にセンサユニットSUを載置する(図8参照)。チャック機構16は、載置ステージ10に載置されたセンサユニットSUの保持を行なう。これにより、載置ステージ10に載置されたセンサユニットSUは、位置合わせされた状態のまま載置ステージ10に固定される。次に、塗布装置40は、載置ステージ10に配されたセンサユニットSUに対して所定の硬化性樹脂を塗布する。第3に、姿勢切替装置100は、水平状態から垂直状態へ載置ステージ10を切り替えるとともに、第2スタンド102及びステージ搬送装置30は、載置ステージ10を所定の方向へスライド移動させる。これにより、載置ステージ10は、垂直状態のままレーザ変位計90の近くまで搬送される(図9参照)。その後、レーザ変位計90は、レーザ変位計90が検知したセンサユニットSUのセンサ面SCまでの距離Hを測定した後、センサ面SCのチルト半径RX、RYを算出する。第4に、ステージ搬送装置30は載置ステージ10を、レンズユニット搬送装置50はレンズユニットLUを、それぞれ光軸調整装置60の近くまで搬送する(図10参照)。第5に、光軸調整装置60は、所定のテストチャートを用いて、レンズユニットLUに設けられたレンズLと、センサユニットSUに設けられたイメージセンサSとの光軸調整を行う。第6に、光軸調整の後、照射装置70は、センサユニットSUに塗布された硬化性樹脂に対し所定の光を照射する。これにより、センサユニットSUに対しレンズユニットLUが接着される結果、カメラユニットが組み立てられる。
このように、カメラユニット組立設備4は、6軸アライメントユニット62の姿勢を切替える姿勢切替装置100を備えるため、載置ステージ10が垂直状態のまま、すなわち、センサユニットSUやレンズユニットLUの光軸の向きが使用状態に近い水平方向のまま、光軸調整を行なうことができる。さらに、載置ステージ10は、チャック機構16を有するため、光軸の向きを水平方向にしても、センサユニットSUは載置ステージ10から脱落せずに済む。この結果、光軸の向きが使用状態に近い水平方向のまま、光軸調整を行なうことができる。
上記実施形態では、センサユニットSUやレンズユニットLUの光軸調整の際、光軸の向きが使用状態に近い水平方向であったが、本発明はこれに限られず、センサユニットSUやレンズユニットLUの光軸調整の際、光軸の向きが垂直方向に交差する斜め方向であってもよい。
更に上記実施形態では、コントローラ80、制御ユニット63、チャートユニット61の補正条件算出装置、レーザ変位計90と連動するチルト半径算出手段などが、別体のように図示しているが、これらはコントローラ80にまとめて包含される概念であり、ハードウエアとしては、一体的に構築しても良く、分散的に構築しても良い。
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。