JP5745754B2 - クレードル式傘歯車創成装置を用いて傘歯車を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クレードル式傘歯車創成装置およびそれを用いて傘歯車の歯型、歯筋を創成して傘歯車を製造する方法に関する。本発明の傘歯車を創成する方法によれば、ワークおよび切削工具の回転数を小さくしても刃筋痕跡が少なく、表面粗さが小さい滑らかな切り込み表面を有するスパイラルベベルギヤ(曲歯傘歯車)、ゼロール傘歯車、ハイポイド歯車などを切削工具(研削砥石とも言われる)の目詰まりなく製造できる。
機械フレームと、工作物(ワーク)支持機構と、クレードル機構を有するクレードル支持物とを備えるクレードル式傘歯車創成装置を用い、切削工具軸線をクレードル軸線に対して傾け、回転割り出しするワーク軸に固定された台形円錐状ワークを歯底角台上で旋回させてワークの向きを定めるとともに、摺動ベース上を滑走させてワーク外周面を前記切削工具軸に軸承されている切削工具に当接させてワーク外周面に歯筋を創成することは知られている。また、実用化されている(例えば、特許文献1参照)。このクレードル式傘歯車創成装置では、偏芯角が、クレードル軸ACRと工具軸Tの間の角度を制御する。旋回角がクレードルの固定基準に対する工具軸の方位を制御する。クレードル角がクレードル軸の周りのある角度位置工具を配置する。前記歯底角がクレードル軸に対して工作物支持物の向きを定める。前記摺動ベースが工作物と係合する工具の深さを調整する線形の寸法である。ヘッド設定がワーク軸に沿ったワーク支持物の線形の調整である。ワークオフセットがクレードル軸に対するワーク軸のオフセットを制御する。最後の設定、回転比が、クレードルと工作物の間の相対回転運動を制御する。
また、切削工具軸線を電気制御で2軸を駆動してクレードルのようなツールの動きをなすクレードル軸線に対して傾けてカッタユニットに設けるとともに、切削工具軸を昇降可能および前後方向に可能にカッタユニットに設け、回転しているワーク軸に固定された台形円錐状ワークを歯底角台上で旋回させてワークの向きを定めるクレードル式傘歯車創成装置も提案され、また、実用化されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
一方、米国ザ・グリーソン・ワークス社のコラムと、前記コラムに移動可能に取付けられた被加工物用スピンドルと、前記コラムに移動可能に取付けられたツール用スピンドルとを含み、前記被加工物用スピンドルおよび前記ツール用スピンドルが異なる三方向までの方向において互いに対して並進移動可能であり、前記被加工物用スピンドルおよび前記ツール用スピンドルが少なくとも一方の垂直な枢動軸線のまわりで互いに対して角度移動可能である傘歯車およびハイポイド歯車の六軸CNC歯車製造装置を用いて傘歯車を製造することも実施されている(例えば、特許文献1、特許文献4参照)。
上記特許文献4および特許文献1の図2に開示される六軸CNC歯車製造装置は、装置が2億円前後と高価であることと、上下一対の傾斜回転円板切削工具を加工中に他方の傾斜回転円板切削工具に取り替える必要があり、加工作業が中断される欠点がある。
前記特許文献1の図3、特許文献2の図4および特許文献3の図4または図7に開示されるクレードル式傘歯車創成装置は、六軸CNC歯車製造装置と比較して小型であり、装置も廉価である利点を有するが、切削工具の回転数は、8,000〜80,000rpmと高速である。また、創成された傘歯車に歯筋方向の加工痕が残るとこれと噛み合うピニオンとの噛み合わせでノイズが発生するために、必要により切削工具の送り速度を変化させて切削加工の微細な掻き傷がワーク歯状表面にできる間隔を不規則にして加工痕をなくする工程を取り入れる必要があった。
一方、本発明の刃筋痕跡を目立たなくし、表面粗さ(Ra)の値が小さい傘歯車を切削加工して製作するという目的および加工方法とは異なり、切削またはプレス成形後の研削仕上げ代が残っている状態でシェービングしたり粗仕上げの研削工程を踏んだりすることなく焼き入れした後のワークを、このワークと同じモジュールを持つ工具歯車と互いに噛み合わせながら研削するに際し、前記工具歯車の歯に砥粒層を形成し、前記工具歯車と前記ワークとをそれぞれ回転駆動して互いに噛み合わせながら前記工具歯車に対して半径方向および軸線方向に超音波振動を付与しつつ、前記ワークと前記工具歯車の軸線方向の位置を相対的に変化させながら前記ワークの歯面を研削することにより、転がり滑り接触がない前記ワークと工具歯車のピッチ円部分を含めて研削することを特徴とする超音波の振動だけで平歯車の研削を行う方法も提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開2009−509793号公報の図2および図3 特開平10−29115号公報の図2 特開2002−144149号公報 特開2004−518545号公報 特許第3725017号明細書
本発明は、切削工具の刃筋痕跡が少なく、表面粗さの値が小さい滑らかな切り込み表面を有するスパイラルベベルギヤ、ゼロール傘歯車、ハイポイド歯車を切削工具の目詰まりなく製造できるクレードル式傘歯車創成装置の提供を目的とする。
本発明の別の目的は、クレードル式傘歯車創成装置を用い、加工痕が少なく、ワークに創成された歯形、歯筋の表面粗さ(Ra)が小さい滑らかな切り込み表面を有するスパイラルベベルギア、ゼロール傘歯車、ハイポイド歯車を切削工具の目詰まりなく製造する方法を提供するものである。
本発明の請求項1の発明は、ワーク軸(w)をクレードル軸(ACR)に対して傾け、前記ワーク軸に固定された台形円錐状ワーク(10)をクレードルで揺動または電気制御で2軸を駆動することにより形成される仮想のクレードル軸(ACR)を揺動させながらこの台形円錐状ワーク(10)外周面に切削工具軸(T)に回転可能に軸承された#400番cBN電着砥石を円錐筒状刃先に設けた切削工具(3)を前進・当接・回転させて前記台形円錐状ワーク(10)外周面に歯形、歯筋を創成するクレードル式傘歯車創成装置(1)であって、前記回転および前進する切削工具軸(T)に超音波発生装置(9)を設けたクレードル式傘歯車創成装置(1)を用い、前記切削工具軸(T)に軸承された切削工具(3)と、クレードル軸(ACR)に対して傾けて設けられたワーク軸(w)に軸承された台形円錐状ワーク(10)との相対的な動きを前記ワーク軸(w)に固定された台形円錐状ワーク(10)をクレードルで揺動させながら固定または回転させ、前記切削工具軸(T)を回転させながら前記台形円錐状ワーク(10)側へ前進させつつ、または、前進後停止させ、切削工具軸(T)に超音波による振幅振動を付加しながら前記切削工具(3)を台形円錐状ワーク(10)外周面に当接させることにより前記台形円錐状ワーク(10)外周面に歯形、歯筋を創成する傘歯車の製造方法において、
モジュール1.5、円錐角45度、ネジレ角35度、歯数24枚の曲歯傘歯車(10)を切削工具軸(T)に30kHz、周期54μmの超音波振幅11μmを付加させつつ、クレードル軸(ACR)の回転数120rpm、切削工具(3)の回転数1,500rpm、切削工具軸(T)の前進速度3μm/秒、1歯3秒の創成時間で仕上げ代0.02mmを残して0.03mmの粗研削加工したのち、1歯3秒の創成時間で残りの取り代0.02mmを仕上げ研削して表面粗さ(Ra)が0.642μmの歯筋の曲歯傘歯車を創成することを特徴とする、傘歯車の製造方法を提供するものである。
本発明の請求項2の発明は、切削工具軸(T)をクレードル軸(ACR)に対して傾け、前記切削工具軸(T)に軸承された切削工具(3)を回転させるとともにクレードルで揺動または電気制御で2軸を駆動することにより形成される仮想のクレードル軸(ACR)を揺動させ、ワーク軸(w)に軸承された台形円錐状ワーク(10)を0〜1,000rpmで固定または回転しているクレードル軸(ACR)を前記切削工具軸側(T)へ前進させて回転している前記切削工具(3)に台形円錐状ワーク(10)外周面を当接させることにより前記台形円錐状ワーク(10)外周面に歯形、歯筋を創成するクレードル式傘歯車創成装置(1)であって、前記前進するワーク軸(w)に15〜60kHzの超音波振動を付加する超音波発生装置(9)を設けたクレードル式傘歯車創成装置(1)を用い、クレードル軸(A CR に対して傾けて設けられた切削工具軸(T)に軸承された#325番cBNビトリファイドボンド砥石を切削工具の円錐筒状刃先に設けた切削工具(3)と、ワーク軸(w)に軸承された台形円錐状ワーク(10)との相対的な動きを前記切削工具(3)を回転させながらクレードルで揺動させ、前記クレードル軸(A CR を固定または回転させつつ、前記ワーク軸(w)に超音波による振幅振動を付加しながら前記切削工具(T)側へ前進させて前記切削工具(3)を台形円錐状ワーク(10)外周面に当接させる切り込みを行って前記台形円錐状ワーク(10)外周面に歯筋を創成する傘歯車の製造方法において、
モジュール1.5、円錐角45度、ネジレ角35度、歯数24枚の曲歯傘歯車(10)をワーク軸(w)に30kHz、周期54μmの超音波振幅11μmを付加させつつ、クレードル軸(ACR)の回転数120rpm、切削工具(3)の回転数3,000rpm、ワーク軸(w)の前進速度3μm/秒、1歯3秒の創成時間で仕上げ代0.02mmを残す粗研削加工を行ったのち、1歯3秒の創成時間で残りの取り代0.02mmを仕上げ研削して曲歯傘歯車を製造することを特徴とする、傘歯車の製造方法を提供するものである。
回転する切削工具によりワーク外周面に歯形、歯筋を創成する際、前進する切削工具軸またはワーク軸に超音波振動を与えることにより切削工具の加工痕が目立たないJIS B 0610−2001の表面粗さ(Ra)の値が小さい歯形、歯筋(超音波振動を懸けない場合のRa値の20〜62%小さい値の滑らかな加工表面)が得られる。また、ワーク外周面に歯形、歯筋を創成する際の切削工具の回転数を100〜5,000rpmまでに低減でき(超音波振動を懸けない場合の切削工具軸の回転数は8,000〜80,000rpm)ことができ、ツール軸回転駆動モータの消費電力を小さくすることができる。
曲歯傘歯車を製造するときは、図1に示す先端が円錐台形筒状の円筒状台座の先端に砥石層を形成させた切削工具を用い、傘歯車創成時のクレードル軸の回転数を10〜1,000rpmで歯形、歯筋を創成できる。
図1はクレードル式傘歯車創成装置を上方から見た一部を切り欠いた斜視図である。 図2は切削工具軸に超音波発生装置を備えさせた超音波振動システムを示す一部を切り欠いた正面図である。 図3は電気制御で2軸を駆動することにより仮想のクレードル軸を形成するクレードル式傘歯車創成装置の斜視図である。
図1に示すクレードル式傘歯車創成装置1は、機械フレーム2、刃先3aが円錐筒状の切削工具3、切削工具支持コラム4、送り螺子5bの上下調整ハンドル5aを備える切削工具軸Tの昇降機構5、切削工具軸の駆動モータM、前記切削工具支持コラム4をハンドル6dの回転により回転駆動する送り螺子6cの回転を受けて案内テーブル6aをガイドレール6b上に滑走させる切削工具頭7の前後方向案内機構6、切削工具支持コラム4を搭載する前記案内テーブル6aを機械フレーム2上に設けられたツールテーブル8a上に設けたガイドレール8b,8b上をサーボモータ8dの回転駆動を受けて回転するボール螺子8cの回転駆動力により前記切削工具支持コラム4を左右方向に移動可能な案内機構8および超音波発信装置9を備えるツールステージTと、ワーク軸Wに軸承された台形円錐状ワーク10、クレードル旋回機構12を設けたクレードルコラム11、クレードル軸ACR、すくい角度設定器13、クーラント供給ノズル18、前記ワーク軸Wを回転させる駆動モータM、ワーク軸検出エンコーダ17および前記クレードル軸ACRを回転させる駆動モータMを具備したワークステージW、ならびに切削工具とワークの相対的な動きを制御する加工プログラムソフトウエアを搭載する数値制御コントローラCを備える。
上記加工プログラムソフトウエアは、クレードル軸ACR、ワーク軸W、切削工具軸Tの直線移動、回転移動の動き、および、傾斜角と呼ばれるクレードル軸ACRとワーク軸Wの間の角度を制御する。
上記すくい角度設定器13はクレードル軸ACRに対する切削工具支持コラム4の向きを定める。前記切削工具支持コラム左右案内機構8はワーク10と係合する切削工具3の深さを調整するリニアーガイドである。前記切削工具支持コラムの前後方向案内機構6は、切削工具軸Tを搭載する切削工具支持コラム4のリニアーガイドである。切削工具軸Tの昇降機構5は、クレードル軸に対する切削工具軸Tの高さ位置を制御する。
超音波発信装置9は、株式会社カイジョウよりAUTO CHASER300sの商品名や株式会社岳将より超音波スピンドルの商品名で市販されている。超音波発信装置9は、15〜60kHz、好ましくは、20〜40kHzの一定周波数の超音波を周期50〜56msで発信し、切削工具軸Tを2〜50μmの振幅で振動させる。軸の振幅は、レーザー測定器で測定できる。
図2に示す超音波振動システムように、超音波発信装置9はロータリーコネクタ20を介して切削工具軸Tに接続される。図中、3は切削工具、3aは切削工具刃先、21は超音波振動子、22はホーン、23はフランジ、24は切削工具軸内筒、25は軸受、26は外筒、Mは駆動モータ、27はプーリー、28はベルトである。ロータリーコネクタ20は、超音波発信装置9から超音波振動子21へ高周波電流を供給し、超音波振動子21は電気振動を機械振動に変換してホーン22へ伝達し、ホーン22はこの機械振動の振幅を拡大して切削工具軸Tに伝え、切削工具軸に軸承されている切削工具刃先3aを超音波振動させる。
切削工具3(研削砥石とも言われる)としては、砥番200〜600番のダイヤモンド、cBN、WC、GCなどの砥粒の電着砥石、ビトリファイドボンド砥石、メタルボンド砥石、レジンボンド砥石などが使用可能である。好ましくは、ワーク素材が焼き入れ鋼や合金鋼のような硬い鋼であるときは、ダイヤモンド、cBNの電着砥石がより平滑性の高い(表面粗さRa値が低い)歯筋を与える。なお、傘歯車の歯筋の表面粗さRaは、キーエンス株式会社の3Dレーザー顕微鏡 KEYENCE VK−8710(商品名)で測定できる。曲歯傘歯車を製造するときは、図1に示す先端が円錐台形筒状の円筒状台座の先端に砥石層を形成させた切削工具を用いる。
図1に示すクレードル式傘歯車創成装置1を用い、切削工具軸Tに軸承された切削工具3と、クレードル軸ACRに対して傾けて設けられたワーク軸Wに軸承されたワーク10との相対的な動きにより前記ワーク外周面に歯形、歯筋を創成して傘歯車を製造する。前記ワーク軸Wに固定された台形円錐状ワーク10をクレードルで揺動させながら0〜1,000rpmで固定または回転させ、前記切削工具軸Tを100〜20,000rpmで回転させながら2〜50μm/秒の送り速度で前記ワーク10側へ前進させつつ、切削工具軸Tに15〜60kHzの超音波による2〜50μmの振幅振動を付加しながら前記切削工具3をワーク外周面に当接させる切り込みを行って前記ワーク外周面に歯形、歯筋を創成する。
図3に示すクレードル式傘歯車創成装置1は、特許文献2の図2開示のクレードル式傘歯車創成装置のワーク軸に超音波発信装置9を接続したものであり、電気制御で2軸(X軸、Y軸)を駆動することにより仮想のクレードル軸ACRを形成する。この図3に示すツール軸が前進しないクレードル式傘歯車創成装置1は、ワーク軸を超音波振動させて平滑性の優れた歯筋を与えるが、図1に開示する高速回転および前後移動するツール軸を超音波振動させるクレードル式傘歯車創成装置1と比較すると、平滑性の優れた歯形、歯筋の表面粗さRaの改良程度は約半分である。また、切削工具軸Tの回転数の低減も劣る。
図3に示すクレードル式傘歯車創成装置1において、機械フレーム2の上にワ−クステージWとツールステージTが配設されている。ワ−ク軸Wはモ−タMの稼動で回転する。前記ワ−クステージWのすくい角設定器13を支持する滑走台8は案内レール8a上をモータMの駆動力を受けたボールネジ8bが回転駆動し、ワ−クステージWを左右方向(Z軸方向)に往復移動可能である。ワ−ク軸Wには超音波発信装置9が接続されている。
ツールステージTの案内レール19aを滑走するコラム11は、モ−タMの稼動で前後方向(X軸方向)へ進退し、切削工具軸頭7はモ−タMの稼動でY軸方向へ上下動する。切削工具3の切削工具軸Tはモ−タMで回転し、モータMで切削工具軸Tを傾斜させ、モータMで切削工具軸頭7を前後方向(X軸方向)に、モ−タMで切削工具軸頭7を上下方向(Y軸方向)に移動させて形成された仮想のクレードル軸ACRに対し切削工具軸Tを傾斜させるクレードル式傘歯車創成装置1である。
図3に示すクレードル式傘歯車創成装置1を用い、クレードル軸ACRに対して設けられた切削工具軸Tに軸承された切削工具3と、クレードル軸に対してすくい角設定器13により傾けられたワーク軸Wに軸承されたワーク10との相対的な動きにより前記ワーク外周面に歯筋を創成する。前記切削工具軸Tに軸承された切削工具3を100〜20,000rpmで回転させながらクレードル軸を0〜1,000rpmで固定または回転(揺動)させ、前記ワーク軸Wに15〜60kHzの超音波による2〜50μmの振幅振動を付加しながら2〜15μm/秒の送り速度で前記切削工具3側へ前進させて前記切削工具をワーク外周面に当接させる切り込みを行って前記ワーク外周面に歯形、歯筋を創成する。
実施例1
図1に示すクレードル式傘歯車創成装置、#400番cBN電着砥石を切削工具の円錐筒状刃先に設けた切削工具用い、モジュール1.5、円錐角45度、ネジレ角35度、歯数24枚の曲歯傘歯車を切削工具軸に30kHz、周期54μmの超音波振幅11μmを付加させつつ、クレードル軸の回転数120rpm、切削工具の回転数1,500rpm、切削工具軸の前進(切り込み)速度3μm/秒、1歯3秒の創成時間で仕上げ代0.02mmを残し5分12秒かけて0.03mmの粗研削加工したのち、1歯3秒の創成時間で残りの取り代0.02mmを7分28秒かけて仕上げ研削して表面粗さ(Ra)が0.642μmの歯筋の曲歯傘歯車を12分40秒で製造した。
比較例1
前記実施例1において、切削工具軸に超音波振動を付加させない外は同様にして表面粗さ(Ra)が1.238μmの歯筋の曲歯傘歯車を12分40秒で製造した。
実施例2〜実施例8、比較例2
実施例1において、切削工具の刃先の砥石種類を表1に示す砥番のcBNビトリファイドボンド砥石に変え、かつ、同表に示す創成条件で歯形、歯筋を創成して曲歯傘歯車を製造した。得られた曲歯傘歯車の歯筋の表面粗さ(Ra)を同表に示す。
表1
Figure 0005745754
実施例9
図3に示すクレードル式傘歯車創成装置、#325番cBNビトリファイドボンド砥石を切削工具の円錐筒状刃先に設けた切削工具用い、モジュール1.5、円錐角45度、ネジレ角35度、歯数24枚の曲歯傘歯車をワーク軸に30kHz、周期54μmの超音波振幅11μmを付加させつつ、クレードル軸の回転数120rpm、切削工具の回転数3,000rpm、ワーク軸の前進(切り込み)速度3μm/秒、1歯3秒の創成時間で仕上げ代0.02mmを残す粗研削加工を行ったのち、1歯3秒の創成時間で残りの取り代0.02mmを仕上げ研削加工して表面粗さ(Ra)が0.842μmの歯筋の曲歯傘歯車を360秒で製造した。
比較例3
図3に示すクレードル式傘歯車創成装置(1)において、超音波発生装置(9)を切削工具軸(T)側に付け替え、#325番cBNビトリファイドボンド砥石を切削工具の円錐筒状刃先に設けた切削工具用い、モジュール1.5、円錐角45度、ネジレ角35度、歯数24枚の曲歯傘歯車を切削工具軸に30kHz、周期54μmの超音波振幅11μmを付加させつつ、クレードル軸の回転数120rpm、切削工具の回転数20,000rpm、ワーク軸の前進(切り込み)速度3μm/秒、1歯2秒の創成時間で仕上げ代0.02mmを残す粗研削加工したのち、1歯2秒の創成時間で残りの取り代0.02mmを5回の切削回数で仕上げ研削加工して表面粗さ(Ra)が0.806μmの歯筋の曲歯傘歯車を455秒で製造した。
前進、後退できるツール軸またはワーク軸に超音波振動を与えることにより切削工具により切削屑がより細かくされ、ワーク表面からの除去が容易となるので、ツール軸の回転数を低減させても表面粗さの値が小さい平滑な歯筋を有する傘歯車を創成することができる。また、噛み合わせ時のノイズと原因となる歯筋方向におおよそ平行に形成される筋状の加工痕は、超音波振動で減少されているので、ノイズを減少させた傘歯車を製造できる。
1 クレードル式傘歯車創成装置
2 機械フレーム(ベッド)
ツールステージ
3 切削工具
T 切削工具(ツール)軸
9 超音波発生装置
ワークステージ
10 ワーク
W ワーク軸
CR クレードル軸
C 数値制御コントローラ

Claims (2)

  1. ワーク軸(w)をクレードル軸(ACR)に対して傾け、前記ワーク軸に固定された台形円錐状ワーク(10)をクレードルで揺動または電気制御で2軸を駆動することにより形成される仮想のクレードル軸(ACR)を揺動させながらこの台形円錐状ワーク(10)外周面に切削工具軸(T)に回転可能に軸承された#400番cBN電着砥石を円錐筒状刃先に設けた切削工具(3)を前進・当接・回転させて前記台形円錐状ワーク(10)外周面に歯形、歯筋を創成するクレードル式傘歯車創成装置(1)であって、前記回転および前進する切削工具軸(T)に超音波発生装置(9)を設けたクレードル式傘歯車創成装置(1)を用い、前記切削工具軸(T)に軸承された切削工具(3)と、クレードル軸(ACR)に対して傾けて設けられたワーク軸(w)に軸承された台形円錐状ワーク(10)との相対的な動きを前記ワーク軸(w)に固定された台形円錐状ワーク(10)をクレードルで揺動させながら固定または回転させ、前記切削工具軸(T)を回転させながら前記台形円錐状ワーク(10)側へ前進させつつ、または、前進後停止させ、切削工具軸(T)に超音波による振幅振動を付加しながら前記切削工具(3)を台形円錐状ワーク(10)外周面に当接させることにより前記台形円錐状ワーク(10)外周面に歯形、歯筋を創成する傘歯車の製造方法において、
    モジュール1.5、円錐角45度、ネジレ角35度、歯数24枚の曲歯傘歯車(10)を切削工具軸(T)に30kHz、周期54μmの超音波振幅11μmを付加させつつ、クレードル軸(ACR)の回転数120rpm、切削工具(3)の回転数1,500rpm、切削工具軸(T)の前進速度3μm/秒、1歯3秒の創成時間で仕上げ代0.02mmを残して0.03mmの粗研削加工したのち、1歯3秒の創成時間で残りの取り代0.02mmを仕上げ研削して表面粗さ(Ra)が0.642μmの歯筋の曲歯傘歯車を創成することを特徴とする、傘歯車の製造方法。
  2. 切削工具軸(T)をクレードル軸(ACR)に対して傾け、前記切削工具軸(T)に軸承された切削工具(3)を回転させるとともにクレードルで揺動または電気制御で2軸を駆動することにより形成される仮想のクレードル軸(ACR)を揺動させ、ワーク軸(w)に軸承された台形円錐状ワーク(10)を0〜1,000rpmで固定または回転しているクレードル軸(ACR)を前記切削工具軸側(T)へ前進させて回転している前記切削工具(3)に台形円錐状ワーク(10)外周面を当接させることにより前記台形円錐状ワーク(10)外周面に歯形、歯筋を創成するクレードル式傘歯車創成装置(1)であって、前記前進するワーク軸(w)に15〜60kHzの超音波振動を付加する超音波発生装置(9)を設けたクレードル式傘歯車創成装置(1)を用い、クレードル軸(A CR に対して傾けて設けられた切削工具軸(T)に軸承された#325番cBNビトリファイドボンド砥石を切削工具の円錐筒状刃先に設けた切削工具(3)と、ワーク軸(w)に軸承された台形円錐状ワーク(10)との相対的な動きを前記切削工具(3)を回転させながらクレードルで揺動させ、前記クレードル軸(A CR を固定または回転させつつ、前記ワーク軸(w)に超音波による振幅振動を付加しながら前記切削工具(T)側へ前進させて前記切削工具(3)を台形円錐状ワーク(10)外周面に当接させる切り込みを行って前記台形円錐状ワーク(10)外周面に歯筋を創成する傘歯車の製造方法において、
    モジュール1.5、円錐角45度、ネジレ角35度、歯数24枚の曲歯傘歯車(10)をワーク軸(w)に30kHz、周期54μmの超音波振幅11μmを付加させつつ、クレードル軸(ACR)の回転数120rpm、切削工具(3)の回転数3,000rpm、ワーク軸(w)の前進速度3μm/秒、1歯3秒の創成時間で仕上げ代0.02mmを残す粗研削加工を行ったのち、1歯3秒の創成時間で残りの取り代0.02mmを仕上げ研削して曲歯傘歯車を製造することを特徴とする、傘歯車の製造方法。
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