JP3138053U - 歯車研削用砥石の研削面の整形装置 - Google Patents

歯車研削用砥石の研削面の整形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】砥石の研削面を簡単に均一な面状態に整形することで、該砥石の研削面全域を有効に使用できるようにして砥石寿命の向上を図り得る研削面の整形装置を提供する。
【解決手段】所要ピッチの被研削歯車と噛み合い可能な研削面34が軸方向に連続的に形成され、該研削面34に所要粒度の砥粒35を設けてなる歯車研削用砥石31において、前記砥粒35より硬度の高い歯面44を有する整形工具41により前記研削面34を整形する装置であって、前記整形工具41の歯面44と歯車研削用砥石31の各研削面34とを噛み合わせた状態で、該整形工具41と歯車研削用砥石31とを同期的に回転させつつ該歯車研削用砥石31に軸方向の研削送りをかけることで、各研削面34を前記歯面44により研削整形するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

この考案は、平歯車等の被研削歯車の歯面を研削加工する歯車研削用砥石の研削面を整形する装置に関し、更に詳細には、例えばスクリュー状に連続する複数の研削面に砥粒を設けた歯車研削用砥石において、その研削面を高精度で効率良く整形(ドレッシング)し得る整形装置に関するものである。
歯車製造装置で製造された直後の平歯車やはすば歯車等の歯車には、熱処理工程での熱応力により歪み等が発生し、要求された最終寸法精度に達していない場合がある。このような場合は、製造後の歯車の歯面を研削して、その寸法精度を向上させる研削加工が施される。そして被研削歯車の歯面を研削するには、CBN(立方晶窒化硼素)砥粒を電着した歯車研削用砥石(以下砥石という)が広く用いられている。この種の砥石は、金属製砥石母材をスクリュー研削盤で加工することで、該母材の表面に精密なピッチでスクリュー状の研削面が軸方向全域に亘って複数形成されると共に、該研削面にCBN砥粒がメッキ層を介して電着されている。
被研削歯車の研削加工は、前記砥石と該歯車とを互いに噛み合わせた状態で、該砥石及び被研削用歯車を同期的に回転駆動させながら該歯車の歯面を創成研削するものである。従って、前記砥石は、高い歯面精度で成形されたドレスギヤにより予め整形されていないと、被研削歯車を良好な加工精度で仕上げることができない。更に前記砥石は、その外表面に複数形成されている何れの研削面によっても被研削歯車の歯面を一様な歯面精度で研削し得るように、各研削面が前記ドレスギヤで均一な面精度になるまで整形されていなければならない。このドレスギヤは、前記砥石の研削面によって研削された歯車(平歯車やはすば歯車)のインボリュート歯面及び歯底に、前記CBN砥粒より硬度の高い砥粒、例えばダイヤモンド砥粒をニッケルメッキ層等を介して電着したものである。
従来、砥石の研削面をドレスギヤで整形するには、該砥石の軸方向の複数箇所における研削面で、該ドレスギヤの母材となるべき歯車を複数個前もって研削加工し、得られた複数の歯車中から最も加工精度の高い歯車を母材として選択した後に、該母材に精密加工を施してドレスギヤを成形するようになっていた。そして、砥石における不適当な精度の箇所(以下「不適箇所」という)の研削面を前記ドレスギヤで整形することで、該砥石の軸方向全域の研削面が一様な面精度に保たれるようになっていた。なお、本明細書において前記整形(ドレッシング)は、砥石の研削面に要求されている寸法精度の確保または該精度に最大限近付けるための修正加工を称し、またドレスギヤは前記整形(ドレッシング)を実施するのに適した歯車状の整形工具を云うものとする。
特許第3096557号公報
しかし従来実施されている砥石の研削面の整形装置では、前述の如く、ドレスギヤの母材となる歯車を予め複数製作しておき、これら歯車の加工精度を全て計測してドレスギヤを成形しなければならず、極めて手間と時間が掛かる問題があった。更に、砥石の不適箇所の研削面をドレスギヤで整形する際には、作業者は不適箇所のある位置毎に、ドレスギヤの歯面と砥石の研削面との相対位置を正確に位置決めし、その研削面を修正(整形)する研削量を正確に捉えなければならない。従ってドレスギヤと砥石との噛み合わせ作業に手間が掛かるばかりか、不適箇所の位置毎の各研削面に対しドレッシングによる整形誤差が生じ易く、砥石における全ての研削面を均一な面精度で整形することは困難であった。
本考案は、このような問題点を解決するために提案されたものであって、砥石の研削面を簡単に均一な面状態に整形することで、該砥石の研削面全域を有効に使用できるようにして砥石寿命の向上を図ることができる。
前記課題を達成するため本願の第1考案は、請求項1に記載された通りの歯車研削用砥石の研削面の整形装置であって、所要ピッチの被研削歯車と噛み合い可能な研削面が軸方向に連続的に形成され、該研削面に所要粒度の砥粒を設けてなる歯車研削用砥石の前記研削面を、前記砥粒より硬度の高い歯面を有する整形工具により整形するに際し、前記整形工具の歯面と歯車研削用砥石の各研削面とを噛み合わせた状態で、該整形工具と歯車研削用砥石とを同期的に回転させつつ該歯車研削用砥石に軸方向の研削送りをかけることで、各研削面を前記歯面により研削整形する整形装置において、
(a) 前記歯車研削用砥石の径方向において、前記整形工具の歯面が特定の研削面と接触可能な位置を第1の基準位置とし、該整形工具を第1の基準位置から軸心側に所望の距離だけ相対的に近づけた該歯車研削用砥石の径方向の位置を整形位置として設定する第1ステップと、
(b) 前記歯車研削用砥石の一端側にある第1の研削面と前記整形工具の歯面とが噛み合い可能な状態で、該整形工具と歯車研削用砥石とを各軸心で同期回転させ、該整形工具が歯車研削用砥石の軸方向の一端側から他端側に向けて相対的に変位する送り成分を含む方向に対して、回転中の整形工具と歯車研削用砥石とを設定された整形位置に基づき第1の研削面から該歯車研削用砥石の他端側で折返す第2の研削面まで相対的に移動させる第2ステップと、
(c) 前記第2ステップに続き、第2の研削面と整形工具の歯面とが噛み合った状態で、前記第2ステップでの回転方向と逆方向に該整形工具と歯車研削用砥石とを各軸心で同期回転させ、整形工具が前記第2ステップと同じ経路を経て該歯車研削用砥石の軸方向の他端側から一端側へ相対的に戻る成分を含む方向に対して、逆方向に回転中の整形工具と歯車研削用砥石とを設定された整形位置に基づいて第2の研削面から第1の研削面まで相対的に移動させる第3ステップとからなり、
前記第1ステップから第3ステップまでの一連のステップを、少なくとも1回以上実行するようにしたことを特徴とする。
これにより、歯車研削用砥石における各研削面の整形が従来の整形装置に比して簡単になり、しかも各研削面での面精度は均一化するようになる。また、各研削面の整形を完了するまでの整形時間は、従来の整形方法での整形時間より短縮される。
なお、本考案における「同期」や「同期的」の概念は、完全な同期を意味する本来の概念の他に、完全な同期に略近い状態の概念を含んだ意味として以下定義される。
また本願の第2考案は、請求項2に記載の歯車研削用砥石の研削面の整形装置であって、請求項1に記載の整形装置を前提とし、n(nは自然数でn≧2)回目の第1ステップでは、直前の第1ステップで設定された整形位置を第(n−1)の基準位置とし、前記歯車研削用砥石の径方向に対する軸心側に前記整形工具を第(n−1)の基準位置から所望の距離だけ相対的に近づけた際に、該歯車研削用砥石における径方向の位置をn回目の第1ステップでの整形位置として設定するようにしたものである。
これにより、各研削面において面精度に大きなバラツキがある場合でも、整形工具の歯面が、第1の研削面から第2の研削面までの整形区間の各研削面を複数回に亘って繰返し整形することにより、各研削面を均一な面精度で、かつ良好な仕上げ精度で整形することが可能となる。
更に本願の第3考案は、請求項3に記載の歯車研削用砥石の研削面の整形装置であって、請求項1に記載の整形装置を前提とし、所要ピッチの被研削歯車と噛み合い可能な研削面が軸方向に連続的に形成され、該研削面に所要粒度の砥粒を設けてなる歯車研削用砥石の前記研削面を、前記砥粒より硬度の高い歯面を有する整形工具により整形するに際し、前記整形工具の歯面と歯車研削用砥石の各研削面とを噛み合わせた状態で、該整形工具と歯車研削用砥石とを同期的に回転させつつ該歯車研削用砥石に軸方向の研削送りをかけることで、各研削面を前記歯面により研削整形する整形装置において、
(d)前記歯車研削用砥石の径方向において、前記整形工具の歯面が特定の研削面と接触可能な位置を第1の基準位置とし、該整形工具を第1の基準位置から軸心側に所望の距離だけ相対的に近づけた該歯車研削用砥石の径方向の位置を整形位置として設定する第4ステップと、
(e)前記歯車研削用砥石の径方向に対し、前記整形工具を整形位置から遠ざけた該歯車研削用砥石の径方向の位置をもって回避位置として設定する第5ステップと、
(f)前記歯車研削用砥石の一端側にある第1の研削面と前記整形工具の歯面とが噛み合い可能な状態で、該整形工具と歯車研削用砥石とを各軸心で同期回転させ、該整形工具が歯車研削用砥石の軸方向の一端側から他端側に向けて相対的に変位する送り成分を含む方向に対して、回転中の整形工具と歯車研削用砥石とを設定された整形位置に基づき第1の研削面から該歯車研削用砥石の他端側で折返す第2の研削面まで相対的に移動させる第6ステップと、
(g)前記第5ステップを実行した後、前記整形工具と歯車研削用砥石とを前記回避位置まで相対的に引き離し、該整形工具が歯車研削用砥石の軸方向の他端側から一端側へ相対的に戻る成分を含む方向に対して、該整形工具と歯車研削用砥石とを回避位置に基づいて第2の研削面から第1の研削面まで相対的に移動させる第7ステップとからなり、
前記第4ステップから第7ステップまでの一連のステップを実行するようにしたものである。
これにより、歯車研削用砥石における各研削面の整形が従来の整形装置に比して簡単になり、しかも各研削面での面精度は均一化するようになる。また、歯車研削用砥石の各研削面を有効に使用することが可能となり、歯車研削用砥石の寿命の向上を図ることができる。
また、本願の第4考案は、請求項4に記載した歯車研削用砥石の研削面の整形装置であって、請求項3に記載の整形装置を前提とし、前記第7ステップに引き続いて、前記回避位置から前記歯車研削用砥石の径方向に対する軸心側に、前記整形工具と歯車研削用砥石とを相対的に近づける第8ステップが実行され、前記第4ステップから第8ステップまでの一連のステップを少なくとも2回以上実行すると共に、n(nは自然数でn≧2)回目の第8ステップでは、直前の第4ステップまたは第8ステップで設定された整形位置を第(n−1)の基準位置とし、前記歯車研削用砥石の径方向に対する軸心側に前記整形工具を第(n−1)の基準位置から所望の距離だけ相対的に近づけた際に、該歯車研削用砥石における径方向の位置をn回目の第8ステップでの整形位置として設定するようにしたものである。
このため、各研削面において面精度に大きなバラツキがある場合でも、整形工具の歯面が、第1の研削面から第2の研削面までの整形区間の各研削面を複数回に亘って繰返し整形することにより、各研削面を均一な面精度で、かつ、良好な仕上げ精度で整形することが可能となる。
本考案に係る歯車研削用砥石の研削面の整形装置によれば、歯車研削用砥石における各研削面の整形が従来の整形方法に比して簡単になり、かつ各研削面を均一な面精度で整形することができる。併せて、研削面の整形時間が短縮化され、研削面の整形コストも安価になる。また、各研削面において面精度に大きなバラツキがある場合でも、各研削面を均一な面精度で、かつ良好な仕上げ精度で整形することが可能となる。このように歯車研削用砥石における各研削面の有効使用が可能になるので、該砥石の寿命の向上を図ることができる。また、本考案に係る整形装置で整形された歯車研削用砥石を用いて被研削歯車の歯面を研削加工すると、多量の被研削歯車を良好な仕上げ精度で研削することができる。
次に、本考案に係る歯車研削用砥石の研削面の整形装置について、その第1の実施の形態を、図1〜図9bを用いて説明する。図1は、本考案に係る整形装置1の正面図であり、図2は、図1に示す整形装置1の右側面図である。また図3は、図1に示す整形装置1の砥石回転部2を示す概略正面図であり、図4は、該砥石回転部2の概略側面図である。更に図5は、本考案に係る整形方法を実施して砥石31をドレッシングしている状態を示す概略説明図であり、図6は、砥石31のドレッシングに使用されるドレスギヤ41の一部拡大斜視図である。
なお、整形装置1における動作方向の説明は、図1〜図4と図8及び図11に示すX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、A軸回転、B軸回転、C軸回転に基づいて行ない、各動作方向の矢印方向を正方向とする。また本実施形態での歯車研削用砥石31と整形工具(ドレスギヤ)41との相対的な動作は、砥石回転部2をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に駆動させることで、ドレスギヤ41を砥石31の軸方向へ相対的に変位させる場合について以下説明する。
(整形装置について)
好適な実施形態に係る歯車研削用砥石の研削面の整形装置は、例えば図1及び図2に示す通りである。この整形装置1は、ベッド4に配設した砥石回転部2と歯車回転部3、プログラムやデータの記憶手段を備えて該整形装置1の各部位を制御する制御部16等で構成されている。前記砥石回転部2は、図3及び図4に示すように、コラム5、スライドヘッド6、ホイールサドル7、テーブルサドル8、スライドテーブル9、ホイールヘッド10、スピンドルヘッド11等を備えている。
前記スライドヘッド6は、ベッド4に立設したコラム5に搭載されて水平に延出し、その端部にホイールサドル7を介してテーブルサドル8を有している。このスライドヘッド6は、コラム5に取付けたX軸サーボモータ18によりX軸方向へ移動可能になっており、該スライドヘッド6の変位距離は、例えば光学式リニアスケール等のX軸位置検出手段(図示せず)により高精度で検出し得るようになっている。前記X軸サーボモータ18には、該モータの回転状態を検出するX軸エンコーダ22が設けられ、X軸サーボモータ18の回転によるスライドヘッド6の移動位置は、該X軸エンコーダ22とX軸位置検出手段とによって検出される。また、前記コラム5にはZ軸サーボモータ20が配設され、前記スライドヘッド6は該Z軸サーボモータ20によりZ軸方向に移動可能になっている。
図3に示すテーブルサドル8は、A軸サーボモータ(図示せず)によりホイールサドル7に対しA軸周りに回動可能になっている。またテーブルサドル8には、ホイールヘッド10とスピンドルヘッド11を搭載したスライドテーブル9が配設され、該スライドテーブル9は、図4に示す如く、前記ホイールヘッド10に内蔵したY軸サーボモータ19によって、該テーブルサドル8に対しY軸方向へ移動可能になっている。更に、例えば光学式リニアスケールのように、テーブルサドル8とスライドテーブル9との相対的な変位距離を良好な精度で検出するY軸位置検出手段(図示せず)が設けられている。Y軸サーボモータ19には、該モータの回転状態を検出するY軸エンコーダ23が配設されているので、該Y軸サーボモータ19の回転によるスライドテーブル9の移動位置は、前記Y軸エンコーダ23とY軸位置検出手段とにより検出される。
図2及び図4に示すように、砥石モータ17は前記スピンドルヘッド11に取付けられ、該砥石モータ17の回転軸(B軸)は砥石軸32に連結されている。また砥石軸32には、後述する歯車研削用砥石31が同心的に装着される。従って砥石モータ17が回転すると、砥石軸32は前記ホイールヘッド10に保持された状態で砥石31と共に正回転または逆回転する。なお、砥石モータ17の回転は前記制御部16で制御される。
図1に示す如く、歯車回転部3は、サポートコラム12、ワークテーブル15その他サポートアーム13等から構成される。前記サポートコラム12及びワークテーブル15はベッド4に配設され、該サポートコラム12はサポートアーム13を搭載している。前記ワークテーブル15は、後述するドレスギヤ41や、該ドレスギヤ41の心材となる母材歯車43を軸支する加工治具48の下端を保持すると共に、前記サポートアーム13に設けたサポートセンタ14は、該加工治具48の上端を保持するようになっている。また前記ワークテーブル15に設けられる前記加工治具48の保持部は、図1のC軸サーボモータ21によりC軸周りに回転可能になっている。なおC軸サーボモータ21には、該モータの回転状態を検出するC軸エンコーダ24が設けられ、C軸サーボモータ21が回転すると、ワークテーブル15の位置はC軸エンコーダ24によって検出される。
従って、前記加工治具48の一端をワークテーブル15で保持すると共に、他端をサポートアーム13のサポートセンタ14で保持し、この状態でC軸サーボモータ21を回転させると、前記ドレスギヤ41や母材歯車43は加工治具48を軸心としてC軸周りに回転する。このとき前記制御部16は、砥石モータ17及びC軸サーボモータ21の回転を同期的に制御すると共に、X軸サーボモータ18、Y軸サーボモータ19、Z軸サーボモータ20等の各駆動部を制御するようになっている。なお、本実施形態における「同期」及び「同期的」の概念は、完全な同期状態を意味する本来の概念の他、完全な同期に略近い状態の概念を含んだ広い意味を持つものとして定義される。
(歯車研削用砥石について)
本実施形態における歯車研削用砥石31は、例えばスクリュー研削盤によってスクリュー状に精密に仕上げた金属製砥石母材33の表面に、CBN砥粒35をメッキ層を介して電着することで成形され、被研削歯車を研削するための研削面34が該砥石31の軸方向全域に亘って連続的に複数箇所に設けられている(図5参照)。また、歯車研削用砥石31に噛み合うドレスギヤ41は、例えば図6に示すように、平歯車やはすば歯車等の母材歯車43におけるインボリュート歯面44及び歯底45に、前記CBN砥粒35よりも硬度の高いダイヤモンド砥粒47をニッケルメッキ層等のバインダを介して電着されたものである。
本実施形態に係る整形装置に使用する砥石31に電着されるCBN砥粒35の大きさと、同じく該装置に使用するドレスギヤ41に設けられるダイヤモンド砥粒47の大きさとの関係は次の通りである。すなわち砥石31に設けられるCBN砥粒35として、例えばJIS規格に規定される#50〜#200の範囲に相当する粒径を用いた場合、ドレスギヤ41に設けられるダイヤモンド砥粒47としては、同様の規格で規定される#170〜#600の範囲に相当する粒径のものを用いるのが好ましい。なお、本実施形態に係る砥石31が請求項に記載される歯車研削用砥石に対応し、またドレスギヤ41が請求項に記載の整形工具に対応し、更にCBN砥粒35が請求項に記載の砥粒に夫々対応する。
(第1の実施形態に係る整形装置について)
次に、第1の実施形態に係る砥石の研削面の整形装置を、主として図7、図8、図9a及び図9bを参照して説明する。ここで図7は、第1の実施形態に係る整形装置による工程のフローチャートであり、図8は、該工程のチャートである。また図9aは、研削面の整形時にドレスギヤが砥石の一端側の研削面に噛み合った状態を示す概略説明図であり、図9bは、研削面の整形時にドレスギヤが砥石の他端側の研削面に噛み合った状態を示す概略説明図である。
第1の実施形態は、図5、図9a及び図9bに示す如く、前記ドレスギヤ41が砥石31における軸方向の両端側に位置する研削面34a,34bの間を相対的に往復移動することによって、該砥石31の各研削面34が整形される所謂タンジェンシャル整形に関するものである。前記整形装置1における砥石回転部2には、図1及び図4に示す如く、前記砥石軸32に砥石31が着脱自在に取付けられている。また前記歯車回転部3にドレスギヤ41が取付けられ、砥石回転部2と歯車回転部3とは、加工開始時の位置よりも相互的に離間した待機位置にあるものとする。
第1の実施形態に係る整形装置の工程は、例えば図7に示すフローチャートに従って経時的に実行される。すなわち、図7のステップS1で整形装置1の運転を開始し、ステップS2で前記砥石31の研削面34を整形するに必要な整形条件を前記制御部16に設定する。この整形条件としては、例えば以下の如きものが挙げられる。
・図9aに示す砥石31の一方側で整形を開始する研削面(開始研削面)34a
・図9bに示す砥石31の他方側で折返しする研削面(折返し研削面)34b
・整形回数N
・1回当たりの整形工程での研削面34に対する研削送り量(整形量)|δx|
・ドレスギヤ41に対して砥石31を軸方向へ相対移動させる際の送り速度(相対送り速度)|δy|
・整形開始の起点となる砥石31とドレスギヤ41の相対位置(加工開始位置)
・砥石31とドレスギヤ41とを噛み合わせるために必要とされる該砥石31の軸心とドレスギヤ41の軸心との相対的な角度調整値。これは砥石31における研削面34の砥石諸元と、ドレスギヤ41の歯車諸元とに基づいて決定される。本実施例では、歯車回転部3に対しテーブルサドル8を傾斜させることで、図5に示す配置関係となる。
なお、本明細書中で「整形1回」とは、ドレスギヤ41が砥石31に対し開始研削面34aから相対移動を開始した後、折返し研削面34bで折返して該開始研削面34aまで戻る1往復分の相対移動によって、該砥石31の各研削面34が整形されることをいう。すなわち図9aにおける開始研削面34aが本考案における第1の研削面に対応し、図9bにおける折返し研削面34bが本考案の第2の研削面に対応し、加工開始位置が本考案の第1の基準位置に対応する。また整形回数Nの設定値は、例えば、砥石31の複数箇所の研削面34で夫々被研削歯車を研削加工し、加工後の被研削歯車の歯車精度を計測して、計測された加工精度に基づいて各研削面34での整形量を算出する方法等から決定される。
次にステップS3で、Y軸方向の砥石31とドレスギヤ41の相対位置(噛み合い位置)を決定し、得られた決定値を制御部16の記憶手段に記憶させる。これは前記ドレスギヤ41の歯を、砥石31の軸方向に対する研削面34の略中心部にノーバックラッシュ状態で位置させるためのものである。そしてステップS4で、図8及び図9bに示すように、前記スライドヘッド6をX軸方向に、また前記スライドテーブル9をY軸方向に、更に必要であれば該スライドヘッド6をZ軸方向に夫々移動させて、砥石回転部2を待機位置から加工開始位置へ移動させる。この加工開始位置としては、開始研削面34aでの噛み合い位置またはその近傍とし、1回目の整形時において前記ドレスギヤ41のダイヤモンド砥粒47が、前記砥石31における各研削面34から最も突出したCBN砥粒35と接触寸前の位置に設定するのが好ましい。
ステップS5では、砥石モータ17とC軸サーボモータ21とを同期的に一方向へ回転させ、各モータにより駆動される砥石31及びドレスギヤ41を夫々一方向に回転させる。次にステップS6に移行して、ドレスギヤ41を加工開始位置から研削送り量|δx|分の距離だけ前記砥石31の開始研削面34a側へ相対的に近付ける。すなわち開始研削面34aの噛み合い位置において、+X軸方向に対し前記スライドヘッド6を加工開始位置から距離+δxだけ移動させた整形位置に、ドレスギヤ41を配置させる(図8及び図9a)。なお、2回目以降の整形では、n(nは自然数でn≧2)回目の整形位置は、図8に示すように、前回の整形位置を基として更に+X軸方向にスライドヘッド6を距離+δxだけ移動させた位置となる。また整形を複数回に亘って実行する場合、その研削送り量|δx|は、整形の各回毎に異なる設定値としてもよい。
ステップS6の処理後はステップS7に移行し、X軸方向における砥石31とドレスギヤ41との位置関係を保持すると共に、前記砥石モータ17、C軸サーボモータ21及びY軸サーボモータ19を同期駆動して、回転中の砥石31を+Y軸方向へ相対送り速度|δy|で移動させる。これにより回転中のドレスギヤ41の歯面44が、砥石31の開始研削面34aから折返し研削面34bまでの往経路を、各研削面34と噛み合いながら該砥石31に対して相対移動する。このときドレスギヤ41のダイヤモンド砥粒47が、開始研削面34aと折返し研削面34bとの間にある一部の研削面34におけるCBN砥粒35の突出片を創成研削し、該砥石31の研削面34のCBN砥粒35を整形する。そしてステップS8において、ドレスギヤ41が砥石31の折返し研削面34bに到達した時点で、砥石31とドレスギヤ41との相対送りを停止させると共に、該砥石31及びドレスギヤ41の回転を停止させる。次いで、前記砥石モータ17とC軸サーボモータ21とを同期的に逆方向へ回転させ、該砥石31とドレスギヤ41とを夫々逆回転させる。
ステップS8を処理した後はステップS9に移行し、前記ステップS7で実行したと同じく、X軸方向における砥石31とドレスギヤ41との位置関係を保持すると共に、前記砥石モータ17、C軸サーボモータ21及びY軸サーボモータ19を同期駆動して、逆回転中の砥石31を−Y軸方向へ相対送り速度|δy|で開始研削面34aまで移動させる。そしてドレスギヤ41が砥石31の開始研削面34aに到達すると、1回目の整形は終了する。次にステップS10で前記制御部16(但し、作業者による判断も含む)は、ステップS2で設定された整形回数N=k(kは自然数)回の整形処理が実行されたか否かを確認する。確認結果が肯定(YES)であればステップS11に進み、また確認結果が否定(NO)、すなわち整形処理が設定値k回未満の場合は、ステップS5に戻ってk回目の整形が終了するまで整形処理を繰り返す。
ステップS11では、整形を終了した研削面34の面精度(整形精度)を計測する。この面精度の計測手段としては、例えば整形された全研削面34から複数箇所の研削面34を任意に選択し、選択された研削面34で夫々被研削歯車を研削加工し、加工後の被研削歯車の歯車精度を計測し、このように計測された複数の被研削歯車の歯車精度と所期の歯車精度とを比較する等がある。次にステップS12に進み、先のステップS11の処理で得られた計測結果の面精度が、所望の面精度許容範囲に入っているか否かを判別する。判別結果が肯定(YES)、すなわち計測された面精度が許容範囲内にあればステップS14に進み、また判別結果が否定(NO)、すなわち許容範囲内に入っていない場合はステップS13に進む。
そしてステップS14では、図8に示すように、少なくとも前記スライドヘッド6を−X軸方向へ移動させると共に、前記スライドテーブル9を−Y軸方向へ移動させることで、前記砥石回転部2を最終回の整形を終了した整形位置から加工開始位置を経て待機位置まで復帰させ、ステップS15において整形加工を終了する。またステップS13では、計測された面精度が許容範囲内に入るのに必要な整形回数を再度設定した後、先のステップS5以降に戻って設定された回数分の整形処理を行なう。
(第2の実施形態に係る整形装置について)
次に第2の実施形態に係る砥石の研削面の整形装置について、図10及び図11を参照して説明する。前述した第1の実施形態では、ドレスギヤ41の歯面44が砥石31の研削面34に常時噛み合った状態で、該砥石31とドレスギヤ41とが開始研削面34a及び折返し研削面34bの間の移動経路を相対的に往復移動して各研削面34を整形するものであった。しかし第2の実施形態では、砥石31とドレスギヤ41とが開始研削面34aから折返し研削面34bまでの一方向の移動経路を相対移動して各研削面34を整形するものである。ここで図10は、第2の実施形態に係る整形装置により実施される工程のフローチャートであり、また図11は、該工程のチャートである。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分は実質的に変更がないので、同一符号を付して説明は省略する。
先ず整形装置1は、その初期において、第1の実施形態と同じく待機位置にあるものとする。例えば図10のステップS20で整形装置1の運転を開始し、ステップS21で前記砥石31の研削面34を整形するに必要な整形条件を前記制御部16に設定する。この整形条件としては、図7のフローチャートのステップS2で説明した内容の条件に加えて、図9bに示した折返し研削面34bとドレスギヤ41との噛み合いを解除可能にするX軸方向の位置(回避位置)等が挙げられる。なお、本実施形態における「整形1回」の概念は、ドレスギヤ41が砥石31に対して開始研削面34aから相対移動を開始した後、一旦、折返し研削面34bから回避位置まで相対移動し、更に該回避位置から開始研削面34aまで戻る1サイクル分の相対移動によって、該砥石31の各研削面34が整形されることをいう。
次にステップS22では、図7のステップS3と同様の内容を実行する。そしてステップS23に移行し、図11に示すように、前記スライドヘッド6をX軸方向へ、前記スライドテーブル9をY軸方向へ、更に必要であれば該スライドヘッド6をZ軸方向へ移動させて、前記砥石回転部2を待機位置から加工開始位置へ移動させる。この加工開始位置は、図7のステップS4の場合と同様の位置に設定される。なお、その後のステップS24及びステップS25については、図7における前記ステップS5及びステップS6と同様の内容を実行する。ここで2回目以降の整形では、n(nは自然数でn≧2)回目の整形位置は、図11に示すように、前回の整形位置を基として更に+X軸方向にスライドヘッド6を距離+δxだけ移動させた位置となる。また、整形を複数回に亘って実行する場合、研削送り量|δx|は、整形の各回毎に異なる設定値としてもよい。
ステップS25の処理後はステップS26に移行し、X軸方向における前記砥石31とドレスギヤ41の位置関係を保持すると共に、前記砥石モータ17、C軸サーボモータ21及びY軸サーボモータ19を同期駆動して、回転中の砥石31を−Y軸方向へ相対送り速度|δy|で移動させる。これにより回転中のドレスギヤ41の歯面44が、砥石31の開始研削面34aから折返し研削面34bまでの移動経路を、各研削面34と噛み合いながら該砥石31に対して相対移動する。このときドレスギヤ41のダイヤモンド砥粒47が、開始研削面34aと折返し研削面34bとの間にある一部の研削面34におけるCBN砥粒35の突出片を創成研削し、該砥石31の研削面34のCBN砥粒35を整形する。
次にステップS27において、折返し研削面34bでのY軸方向における砥石31とドレスギヤ41との相対位置を保持した状態で、該折返し研削面34bとドレスギヤ41との噛み合いが完全に解除できる回避位置まで、前記スライドヘッド6を−X軸方向に整形位置から移動させる。次のステップS28では、回避位置でのX軸方向における砥石31とドレスギヤ41との位置関係を保持すると共に、前記砥石モータ17とC軸サーボモータ21を回転駆動して、前記スライドテーブル9を−Y軸方向へ移動させ、回転中の砥石31を回避位置から加工開始位置に向けて相対移動させる。
更にステップS29で前記制御部16(但し、作業者による判断も含む)は、ステップS21で設定された整形回数N=k(kは自然数)回の整形処理を実行されたか否かを確認する。その確認結果が肯定(YES)、すなわち設定値k回の整形処理を満たす場合はステップS30に進み、また確認結果が否定(NO)、すなわち整形処理が設定値k回未満の場合は、ステップS25に戻ってk回目の整形が終了するまで整形処理を繰り返す。そしてステップS30では、図7のステップS11と同じく砥石研削面の計測を実行する。
次のステップS31では、先のステップS30の処理で得られた計測結果の面精度が、所望の面精度許容範囲に入っているか否かを判別する。判別結果が肯定(YES)、すなわち計測された面精度が許容範囲内にあればステップS33に進み、また判別結果が否定(NO)、すなわち許容範囲内に入っていない場合はステップS32に進む。このステップS32では、計測された面精度が許容範囲内に入るのに必要な整形回数を再度設定した後、ステップS24以降に戻って設定された回数分の整形処理を行なう。またステップS33では、図11に示す如く、少なくとも前記スライドヘッド6を−X軸方向へ移動させると共に、前記スライドテーブル9をY軸方向に移動させることで、前記砥石回転部2を最終回の整形を終了した整形位置から加工開始位置を経て待機位置まで復帰させ、更にステップS34で整形加工を終了する。
(研削面の整形加工例について)
第2の実施形態に係る整形装置によって、砥石31の研削面34を整形したときの加工例につき述べる。前記砥石31を1条ウォームとし、開始研削面34aと折返し研削面34bとの距離を70(mm)、ドレスギヤ41を歯数21Tの平歯車とし、砥石モータ17の回転数を6000(rpm)、整形1回当たりの研削送り量をδx=10(μm)、ドレスギヤ41と砥石31との相対送り量δy=5.161(mm/min),整形回数をN=4(回)といった加工条件に基づき整形すると、整形加工が完了するまでの整形時間は60(min)で、各研削面34を均一な面精度に整形することができた。
前記の如く第1及び第2の実施形態では、回転中のドレスギヤ41の歯面44が、各研削面34に研削送りをかけた状態で、砥石31の開始研削面34aから折返し研削面34bまでの移動経路を連続的に噛み合いながら砥石31に対して相対移動する。このときドレスギヤ41のダイヤモンド砥粒47が、開始研削面34aと折返し研削面34bとの間にある一部の研削面34のCBN砥粒35の突出片を創成研削し、砥石31の研削面34のCBN砥粒35は整形される。従って整形後の砥石31の各研削面34は、従来の整形方法に比してより簡単に、かつ均一な面精度で整形することができる。また、各研削面34の整形を完了するに要する時間は、従来の整形方法での整形時間より短縮される。その結果、砥石31の研削面34の整形コストは安価になる。
(第3の実施形態について)
次に、本願の第3の実施形態を、図12に従って簡単に説明する。前述した第1及び第2の実施形態では、ドレスギヤ41の接線方向となる砥石31の軸方向に砥石31とドレスギヤ41とを相対移動させる所謂タンジェンシャル整形を行なう整形装置であったが、第3の実施形態では、ドレスギヤ41の軸方向(工具軸)81と砥石31の軸方向(砥石軸)82との両方向に対して、ドレスギヤ41と砥石31とを相対的に斜めに動作させる所謂ダイアゴナル整形を行なう整形装置である。なお、図12は、前記砥石31とドレスギヤ41との動作を示す概略説明図である。
ダイアゴナル整形方法で砥石31の研削面83を整形する整形装置は、例えば図12に示すように、ドレスギヤ41を回転させる工具回転用駆動部84、砥石31を回転させる砥石回転用駆動部85、砥石31を軸方向に駆動させる砥石軸用駆動部86、工具軸81の軸方向に対して砥石31(またはドレスギヤ41)を駆動させる工具軸用駆動部87が少なくとも同期的に駆動制御され、これによりドレスギヤ41と砥石31とが相対的に動作するようになっている。そしてドレスギヤ41の歯面が軸方向における砥石31の一端側の研削面から他端側の研削面までの各研削面と噛み合いながら、該ドレスギヤ41が砥石31に対して相対移動(図7及び図10)すると、該ドレスギヤ41に設けた前記ダイヤモンド砥粒が、砥石31の研削面におけるCBN砥粒の突出片を創成研削して、各研削面を均一な面精度に整形することができる。
前記のダイアゴナル整形を行なう整形装置では、整形工具の歯面をバイアス形状とし、該整形工具の歯面を歯車研削用砥石の研削面に噛み合わせて整形加工することで、前記研削面は、バイアスの歯面形状に対応した歯形形状に創成される。すなわちダイアゴナル整形方法で整形された歯車研削用砥石を使用して被研削歯車を創成研削すれば、該被研削歯車の歯面をバイアスの歯面形状に転写した加工が可能となる。
本考案に係る歯車研削用砥石の研削面の整形装置は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することができる。例えば、前記砥石31の研削面34やドレスギヤ41の母材歯車43を整形する処理手順は、図7及び図10の各フローチャートに開示の内容に限定されるものでない。また、図7のフローチャートにおいて、ステップS8とステップS9との間に、図9bに示す折返し研削面34bの噛み合い位置で、+X軸方向に対してスライドヘッド6を直前に設定された整形位置から更に距離+δxだけ移動させる「研削送りδx」のステップを加入し、当該ステップの処理を実行するようにしてもよい。更に第1の実施形態では、開始研削面34aや折返し研削面34bを前記砥石31の両端部に配置したが、整形の開始位置や整形の折返し位置は、例えば整形装置1の砥石モータ17、C軸サーボモータ21、Y軸サーボモータ19等の各駆動部を同期駆動で動作できれば、砥石31の各研削面34から夫々離れた位置に設定してもよい。
また第1及び第2の実施形態では、CBN砥粒35が電着された砥石31の研削面34を、整形工具としてダイヤモンド砥粒47を電着したドレスギヤ41の歯面44で整形する場合を説明したが、例えば、歯車研削用砥石の砥石母材の表面を精密な仕上げ精度で加工する場合に採用される砥石母材表面の整形を適宜応用してもよい。更に、砥石31としてCBN砥粒35の電着されたものにつき述べたが、それ以外に、例えばWA砥石(砥石本体をタングステン・アルミナのバインダ結合体としたもの)を使用するようにしてもよい。
一般に、歯車研削用砥石(砥石31)による被研削歯車の研削加工では、加工後の被研削歯車を所望の歯形形状(以下「所望歯形形状」という)とするために、歯車研削用砥石の研削面、すなわち砥石母材63の表面64は被研削歯車の歯形形状に対応させた形状で形成することが望まれる。このような研削加工の場合には、図13に示すように、整形工具として良好な仕上げ精度で加工された母材歯車の歯面62にCBN砥粒65を電着したマスタ歯車61を製作する。そして砥石母材63の表面64は、本考案に係る整形方法でマスタ歯車61によって創成研削された後、例えば、CBN砥粒等の超硬砥粒65を該表面64に固着させる。これにより砥石母材63の表面64は、所望歯形形状に倣ったマスタ歯車61の歯面62によって所望歯形形状に対応した歯面形状に成形される。従って、本実施の形態で説明したように、CBN砥粒35が電着された砥石31を、ダイヤモンド砥粒47を付したドレスギヤ41で整形する場合は、該整形が完了するまでのCBN砥粒35の整形量を少なくすることが可能になり、該砥石31の研削面34を効率良く整形することができる。しかも、被研削歯車は良好な仕上げ精度で加工される。
かくして砥石母材の表面を整形加工した歯車研削用砥石は、「歯車と噛み合い可能な研削面が軸方向に連続した状態で複数箇所に形成された砥石母材と、該砥石母材の研削面に固着された超硬砥粒とを備えた歯車研削用砥石であって、歯車研削用砥石として、請求項1〜6の何れかに記載の歯車研削用砥石の研削面の整形方法によって整形された砥石母材の研削面に超硬砥粒を固着した歯車研削用砥石」を特徴とする構成であればよい。
また、本実施の形態では、砥石回転部2側のX軸、Y軸、Z軸の各軸を動作可能に、A軸、B軸の両軸を回転可能に、歯車回転部3側のC軸を回転可能に構成した整形装置1を用いたが、本考案に係る歯車研削用砥石の研削面の整形装置の構成については、種々変更可能である。すなわち前記整形装置は、「歯車を研削する研削面が軸方向に対してスクリュー状に形成された歯車研削用砥石を回転可能に軸支する砥石回転部と、歯車を回転可能に軸支する歯車回転部と、砥石回転部や歯車回転部に回転力を与える回転駆動手段と、砥石回転部と歯車回転部との軸間距離を調整する軸間調整手段と、歯車研削用砥石の軸方向に歯車が相対的に変位する成分を含む送り方向に対して、砥石回転部と歯車回転部とを相対的に移動させる送り駆動手段と、回転駆動手段による回転や送り駆動手段による動作によって相対移動した相対変位量を検出する位置検出手段と、回転駆動手段による整形工具と当該歯車研削用砥石との回転を同期制御すると共に送り駆動手段の動作を駆動制御する制御手段とを備える」ことを特徴とする構成であればよい。
本考案に係る歯車研削用砥石の研削面の整形装置の正面図である。 図1に示す整形装置の右側面図である。 図1の整形装置が備える砥石回転部を模式的に示す概略正面図である。 図3に示した砥石回転部の概略側面図である。 本考案に係る整形方法を実施して、砥石をドレッシングしている状態を示す概略説明図である。 図5における砥石のドレッシングに使用されるドレスギヤの一部を拡大して示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る砥石の研削面の整形装置の工程を経時的に説明するフローチャートである。 第1の実施の形態に係る整形装置で実施される工程のチャートである。 第1の実施の形態に係る整形装置において、研削面の整形時にドレスギヤが砥石の一端側の研削面に噛み合った状態を示す概略説明図である。 第1の実施の形態に係る整形装置において、研削面の整形時にドレスギヤが砥石の他端側の研削面に噛み合った状態を示す概略説明図である。 第2の実施の形態に係る砥石の研削面の整形装置による工程を経時的に説明するフローチャートである。 第2の実施の形態に係る整形装置で実施される工程のチャートである。 第3の実施の形態に係る整形装置において、ドレスギヤと砥石との動作を示す概略説明図である。 実施の形態の変更例において、砥石をドレッシングしている状態を示す概略説明図である。
符号の説明
31 砥石(歯車研削用砥石)
34 研削面
34a 開始研削面(第1の研削面)
34b 折返し研削面(第2の研削面)
35 CBN砥粒(砥粒)
41 ドレスギヤ(整形工具)
44 インボリュート歯面(歯面)
45 歯底(歯面)
47 ダイヤモンド砥粒
61 マスタ歯車(整形工具)
63 砥石母材(歯車研削用砥石)
65 超硬砥粒(砥粒)

Claims (4)

  1. 所要ピッチの被研削歯車と噛み合い可能な研削面(34)が軸方向に連続的に形成され、該研削面(34)に所要粒度の砥粒(35)を設けてなる歯車研削用砥石(31)の前記研削面(34)を、前記砥粒(35)より硬度の高い歯面(44)を有する整形工具(41)により整形するに際し、前記整形工具(41)の歯面(44)と歯車研削用砥石(31)の各研削面(34)とを噛み合わせた状態で、該整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを同期的に回転させつつ該歯車研削用砥石(31)に軸方向の研削送りをかけることで、各研削面(34)を前記歯面(44)により研削整形する整形装置において、
    (a) 前記歯車研削用砥石(31)の径方向において、前記整形工具(41)の歯面(44)が特定の研削面(34)と接触可能な位置を第1の基準位置とし、該整形工具(41)を第1の基準位置から軸心側に所望の距離だけ相対的に近づけた該歯車研削用砥石(31)の径方向の位置を整形位置として設定する第1ステップと、
    (b) 前記歯車研削用砥石(31)の一端側にある第1の研削面(34a)と前記整形工具(41)の歯面(44)とが噛み合い可能な状態で、該整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを各軸心で同期回転させ、該整形工具(41)が歯車研削用砥石(31)の軸方向の一端側から他端側に向けて相対的に変位する送り成分を含む方向に対して、回転中の整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを設定された整形位置に基づき第1の研削面(34a)から該歯車研削用砥石(31)の他端側で折返す第2の研削面(34b)まで相対的に移動させる第2ステップと、
    (c) 前記第2ステップに続き、第2の研削面(34b)と整形工具(41)の歯面(44)とが噛み合った状態で、前記第2ステップでの回転方向と逆方向に該整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを各軸心で同期回転させ、整形工具(41)が前記第2ステップと同じ経路を経て該歯車研削用砥石(31)の軸方向の他端側から一端側へ相対的に戻る成分を含む方向に対して、逆方向に回転中の整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを設定された整形位置に基づいて第2の研削面(34b)から第1の研削面(34a)まで相対的に移動させる第3ステップとからなり、
    前記第1ステップから第3ステップまでの一連のステップを、少なくとも1回以上実行するようにした歯車研削用砥石の研削面の整形装置。
  2. n(nは自然数でn≧2)回目の第1ステップでは、直前の第1ステップで設定された整形位置を第(n−1)の基準位置とし、前記歯車研削用砥石(31)の径方向に対する軸心側に前記整形工具(41)を第(n−1)の基準位置から所望の距離だけ相対的に近づけた際に、該歯車研削用砥石(31)における径方向の位置をn回目の第1ステップでの整形位置として設定するようにした請求項1に記載の歯車研削用砥石の研削面の整形装置。
  3. 所要ピッチの被研削歯車と噛み合い可能な研削面(34)が軸方向に連続的に形成され、該研削面(34)に所要粒度の砥粒(35)を設けてなる歯車研削用砥石(31)の前記研削面(34)を、前記砥粒(35)より硬度の高い歯面(44)を有する整形工具(41)により整形するに際し、前記整形工具(41)の歯面(44)と歯車研削用砥石(31)の各研削面(34)とを噛み合わせた状態で、該整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを同期的に回転させつつ該歯車研削用砥石(31)に軸方向の研削送りをかけることで、各研削面(34)を前記歯面(44)により研削整形する整形装置において、
    (d) 前記歯車研削用砥石(31)の径方向において、前記整形工具(41)の歯面(44)が特定の研削面(34)と接触可能な位置を第1の基準位置とし、該整形工具(41)を第1の基準位置から軸心側に所望の距離だけ相対的に近づけた該歯車研削用砥石(31)の径方向の位置を整形位置として設定する第4ステップと、
    (e) 前記歯車研削用砥石(31)の径方向に対し、前記整形工具(41)を整形位置から遠ざけた該歯車研削用砥石(31)の径方向の位置をもって回避位置として設定する第5ステップと、
    (f) 前記歯車研削用砥石(31)の一端側にある第1の研削面(34a)と前記整形工具(41)の歯面(44)とが噛み合い可能な状態で、該整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを各軸心で同期回転させ、該整形工具(41)が歯車研削用砥石(31)の軸方向の一端側から他端側に向けて相対的に変位する送り成分を含む方向に対して、回転中の整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを設定された整形位置に基づき第1の研削面(34a)から該歯車研削用砥石(31)の他端側で折返す第2の研削面(34b)まで相対的に移動させる第6ステップと、
    (g) 前記第5ステップを実行した後、前記整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを前記回避位置まで相対的に引き離し、該整形工具(41)が歯車研削用砥石(31)の軸方向の他端側から一端側へ相対的に戻る成分を含む方向に対して、該整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを回避位置に基づいて第2の研削面(34)から第1の研削面(34)まで相対的に移動させる第7ステップとからなり、
    前記第4ステップから第7ステップまでの一連のステップを実行するようにした歯車研削用砥石の研削面の整形装置。
  4. 前記第7ステップに引き続いて、前記回避位置から前記歯車研削用砥石(31)の径方向に対する軸心側に、前記整形工具(41)と歯車研削用砥石(31)とを相対的に近づける第8ステップが実行され、
    前記第4ステップから第8ステップまでの一連のステップを少なくとも2回以上実行すると共に、
    n(nは自然数でn≧2)回目の第8ステップでは、直前の第4ステップまたは第8ステップで設定された整形位置を第(n−1)の基準位置とし、前記歯車研削用砥石(31)の径方向に対する軸心側に前記整形工具(41)を第(n−1)の基準位置から所望の距離だけ相対的に近づけた際に、該歯車研削用砥石(31)における径方向の位置をn回目の第8ステップでの整形位置として設定するようにした請求項3に記載の歯車研削用砥石の研削面の整形装置。
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