JP5745325B2 - 漏液検出装置及び漏液検出装置の基台 - Google Patents

漏液検出装置及び漏液検出装置の基台 Download PDF

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Description

本発明は、例えば生産ラインの製造装置やその製造装置に液体を供給する配管等からの漏液を検出する漏液検出装置に関するものである。
従来、この種の漏液検出装置は、例えば特許文献1に示されるように、製造装置等の下方の設置面に載置され、その設置面との間に浸入した液体を検出する。詳しくは、漏液検出装置は、投光素子及び受光素子が収容された透光性を有するケースを備え、そのケースの検出面(設置面側の端面)には、液体を導入するための液体導入部が凹設されている。そして、投光素子から出射された光はケースの液体導入部を介して受光素子で受光され、その受光量に基づいて液体導入部内の液体の有無が検出されるようになっている。
特開2004−53560号公報
ところで、上記のような漏液検出装置では、ケースの検出面側の形状等の設定は例えば被検出対象となる液体の種類に応じて変更される。そこで、ケース側の汎用性を向上させるために、ケースと設置面との間に透光性を有する基台を介在させ、液体導入部をケースでなく基台の設置面側の端面に形成した構成が考えられる。このような構成では、液体導入部を有する検出面側の構成を変更する場合に基台を変更するだけで済むため、ケース側の構成を変更することなく多種の液体検出に対応することができる。
また、このような漏液検出装置において、液体を液体導入部に浸入させやすくするために、液体導入部からケース側の端面まで貫通する空気孔を基台に形成する構成が考えられる。しかしながら、基台のケース側の端面とケースの検出側端面とは密着されるため、空気孔がケースの検出側端面によって閉塞されてしまい、液体導入部内の空気を空気孔に良好に逃がすことができないという問題が生じる虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、液体導入部内に液体を浸入させやすくすることが可能な漏液検出装置及び漏液検出装置の基台を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、透光性を有するケース内に投光素子及び受光素子を備えたセンサ本体部と、前記ケースの検出側端面と設置面との間に介在された透光性を有する基台とを備え、前記基台は、前記ケースに対して交換可能に取り付けられ、前記基台には、前記ケースに取り付けられたときに前記ケースの前記検出側端面と密着する密着面と、該密着面の裏側部分に凹設された液体導入部とが設けられ、前記投光素子から前記ケースの前記検出側端面に向けて出射された光を前記液体導入部を介して前記受光素子で受光し、その受光量に基づき前記液体導入部内における液体の有無を検出する漏液検出装置であって、前記基台には、前記液体導入部から前記基台における前記ケース側の端面まで貫通するとともに前記密着面において開口する空気孔が形成され、前記基台における前記ケース側の端面及び前記ケースの前記検出側端面の少なくとも一方には、前記投光素子から出射された光の光路を避けて前記空気孔から前記密着面の外縁部まで延びる溝部が形成されていることを特徴とする。
この発明では、設置面と基台との間に入った液体が液体導入部に浸入する際、その液体導入部内の空気が空気孔から溝部を通ってケースに密着する基台の密着面の外側まで逃げるため、液体導入部内に液体を浸入させやすくすることが可能となる。
また、被検出対象の液体の種類に応じて、基台を例えば溝部の深さや空気孔の大きさが異なる他の基台に交換することが可能となるため、例えば液体の粘度が高く液体導入部に浸入させづらい場合に、その液体に適した基台を選択的に用いることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の漏液検出装置において、前記溝部は、前記基台における前記ケース側の端面に形成されていることを特徴とする。
この発明では、投光素子や受光素子等の主要部品を内部に備えるために設計上の制約が多いケース側ではなく、基台側に溝部が形成されるため、溝部の設計自由度の向上に寄与できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の漏液検出装置において、前記基台における前記ケース側の端面に形成された前記溝部は、前記基台の少なくとも前記液体導入部の裏側部分に形成され前記空気孔と連続する浅底部と、該浅底部と前記密着面の外縁部とを連通するように形成され前記浅底部よりも溝深さが深い深底部とを有することを特徴とする。
この発明では、溝部において液体導入部の裏側部分に形成され空気孔と繋がる部分を浅底部とするとともに、その浅底部から密着面の外縁部までの部分を深底部とすることで、浅底部によって液体導入部の深さを十分確保しつつも、浅底部と繋がる深底部によって液体導入部内の空気を密着面の外側まで好適に逃がすことが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の漏液検出装置において、前記液体導入部は、平面視で前記溝部に沿って延びる形状をなし、前記空気孔の断面形状は、平面視で前記液体導入部に沿った長孔状に形成されていることを特徴とする。
この発明では、空気孔の断面形状が平面視で液体導入部に沿った長孔状に形成されているため、空気孔の断面形状(流路面積)を大きくすることが可能となり、液体導入部内の空気を溝部に逃がしやすくすることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、透光性を有するケース内に投光素子及び受光素子を備えたセンサ本体部と、前記ケースの検出側端面と設置面との間に介在された透光性を有する基台とを備え、前記基台は、前記ケースに対して交換可能に取り付けられ、前記基台には、前記ケースに取り付けられたときに前記ケースの前記検出側端面と密着する密着面と、該密着面の裏側部分に凹設された液体導入部とが設けられ、前記投光素子から前記ケースの前記検出側端面に向けて出射された光を前記液体導入部を介して前記受光素子で受光し、その受光量に基づき前記液体導入部内における液体の有無を検出する漏液検出装置の前記基台において、前記液体導入部から前記ケース側の端面まで貫通するとともに前記密着面において開口する空気孔が形成され、前記ケース側の端面には、前記投光素子から出射された光の光路を避けて前記空気孔から前記密着面の外縁部まで延びる溝部が形成されていることを特徴とする。
この発明では、設置面と基台との間に入った液体が液体導入部に浸入する際、その液体導入部内の空気が空気孔から溝部を通ってケースに密着する基台の密着面の外側まで逃げるため、液体導入部内に液体を浸入させやすくすることが可能となる。
従って、上記記載の発明によれば、液体導入部内に液体を浸入させやすくすることが可能となる。
本実施形態の漏液検出センサの用途の一例を示す概略図。 漏液検出センサの斜視図。 漏液検出センサの分解斜視図。 センサ本体部の斜視図。 (a)基台をケース側端面から見た平面図、(b)同図(a)の断面図。 センサ本体部及び基台の側面図。 漏液検出センサを検出面側から見た平面図。 投光素子からの光の進路を説明するための模式図。 基台の空気孔部分を模式的に示す断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、漏液検出センサ1は、工場内の製造装置Dの下方の設置面Pにボルト(図示略)にて取り付けられ、製造装置Dからの漏液を検出するためのものである。漏液検出センサ1は、図2、図3に示すように、センサ本体部11と、設置面Pとセンサ本体部11との間に介在される基台12と、センサ本体部11を設置面Pに対して固定するとともに基台12を保持する保持部材13とを有している。
センサ本体部11は、略有底円筒状のケース14と、ケース14の上部を水密に閉塞するカバー15と、ケース14から導出されたケーブル16とを有する。ケース14は、円筒形の外周部21と、外周部21の一端を塞ぐ底部22とを有する。外周部21の開口14a(底部22とは反対側の端部)は、略円盤状のカバー15(図8参照)にて閉塞されている。尚、ケース14、カバー15及び前記基台12は、透光性、耐熱性及び耐薬品性を有するPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)等のフッ素樹脂からなる。また、カバー15とケース14の開口14aとはレーザ溶着されている。
ケース14の外周部21の前後方向Xの後端部には、略矩形状に突出する基部24が形成されている。基部24には、略円筒状のケーブル導出部23が突出形成されており、このケーブル導出部23からはケーブル16がケース14の外部に導出されている。
保持部材13には、固定用の前記ボルトが挿通されるボルト挿通孔31aを有する固定部31が形成されている。固定部31には、センサ本体部11のケーブル導出部23を収容する収容部32が立設され、その収容部32からはケース14の基部24を保持する一対の保持片33が延出形成されている。
ケース14の底部22と設置面Pとの間に介在される基台12は略円盤状をなし、高さ方向Zから見てセンサ本体部11のケース14と略同形をなしている。また、基台12は、ケース14と同様に透光性、耐熱性及び耐薬品性を有するPFA等のフッ素樹脂からなる。基台12の後部(前後方向Xの端部)には、幅方向Yの両側にそれぞれ突出する一対の凸部12aが形成されている。一方、保持部材13において凸部12aと対応する位置には、固定部31から前方に延びる一対の係止部31bが形成され、この係止部31bは基台12の凸部12aにそれぞれ係止されている。これにより、基台12が保持部材13から前方へ外れてしまうことが防止されるようになっている。
また、基台12には、その外縁から上方に突出する係止凸部12bが形成され、この係止凸部12bがケース14の外周部21の下端に形成された係止凹部21aに周方向に係止されることにより、ケース14に対する基台12の周方向の回り止めがされるようになっている。
このような基台12において、設置面P側の端面が検出面12cとなっており、その検出面12cとは反対側の端面(ケース側端面12d)には、図3及び図5に示すように、ケース14の底部22(検出側端面)と密着する密着面41が形成されている。密着面41は、基台12の中央部から前縁部にかけて形成されている。また、基台12のケース側端面12dにおいて密着面41の周りには複数の凹部42が形成されている。
一方、図7に示すように、基台12の検出面12cの中央部には、円形凹部43が形成されるとともに、その円形凹部43の周りには平面上の環状面44が形成されている。また、環状面44の後端側(後述の第2検出部とは反対側)には、円形凹部43に向かって突出するガイド部44aが形成されている。
このような漏液検出センサ1は、図7に示すように、設置面Pと基台12との間の液体を検出するための第1検出部S1及び第2検出部S2を有している。第1及び第2検出部S1,S2は、基台12の密着面41の内側の範囲に設けられている。詳述すると、第1及び第2検出部S1,S2は、前後方向Xに並設されており、第1検出部S1は漏液検出センサ1の中央位置に形成され、第2検出部S2は漏液検出センサ1の前縁寄りの位置に形成されている。
第1検出部S1は、図7に示すように、基台12の円形凹部43内に形成された一対の基台側隆起部45を有している。この一対の基台側隆起部45は、基台12に幅方向Yに並設されている。また、各基台側隆起部45は設置面P側(反ケース側)に突出しており、そのケース14側部分は凹部となっている(図3参照)。各基台側隆起部45において幅方向Yに互いに対向する対向面45aは、基台側隆起部45の下端部(設置面P側端部)に向かうにつれて離間するように形成されている。この各対向面45aと各対向面45aの上端を繋ぐ天井面45bとによって形成される空間が液体導入部G1となっている。この液体導入部G1は、基台12の前後方向Xに延びた形状をなしている。
また、第1検出部S1は、図4に示すように、ケース14の底部22において幅方向Yに並設された一対のケース側隆起部46を有している。各ケース側隆起部46は、基台12側に突出しており、その内側部分は凹部となっている。この一対のケース側隆起部46は一対の基台側隆起部45のケース14側の凹部分にそれぞれ嵌り込んで密着されている(図8参照)。
また、第1検出部S1は、ケース14の内部に配置された投光素子47及び受光素子48を有している。投光素子47及び受光素子48は、ケース14内に収容された回路基板(図示略)に設けられ、一対のケース側隆起部46の上方にそれぞれ配置されている。
第2検出部S2は、前記第1検出部S1と略同様に、各基台側隆起部51、各ケース側隆起部52、投光素子53及び受光素子54を有し、各基台側隆起部51の対向面51a間には液体導入部G2が構成されている。それに加え、第2検出部S2には、基台12の液体導入部G2を前後方向Xに挟む位置に設けられた一対の案内凸部55が形成されている。各案内凸部55は、設置面P側(反ケース側)に突出しており、そのケース14側部分は凹部となっている。また、液体導入部G2の天井面51bには、空気抜きのための空気孔51cが形成されている。
また、基台12の環状面44には、3つの円柱状の脚部44bが突出形成されている(図6参照)。各脚部44bは設置面Pと当接しており、脚部44bの長さによって設置面Pから環状面44までの間隔が決定され、その脚部44bの長さは被検出対象となる液体に応じて設定される。即ち、被検出対象となる液体に応じて設置面Pから環状面44までの間隔を変更する場合、脚部44bの長さが異なるタイプの基台12に変更するだけで済むため、センサ本体部11の汎用性が向上されるようになっている。
上記漏液検出センサ1の第1及び第2検出部S1,S2の検出態様は略同様であるため、第1検出部S1を例にとり図8に従って説明する。
第1検出部S1の投光素子47から出射された光は、一方(図8において左側)のケース側隆起部46及び基台側隆起部45の対向面45aを通過する。このとき、第1検出部S1の液体導入部G1に液体が浸入しておらず、対向面45aに液体が接触していなければ、投光素子47からの光は左側の対向面45aで屈折し、もう一方(右側)の対向面45a(基台側隆起部45)及びケース側隆起部46を通過して受光素子48にて受光される。
一方、液体導入部G1内に浸入した液体が各対向面45aと接触する状態では、左側の対向面45aでの屈折率が変化するため、受光素子48での受光量は、液体導入部G1内に液体が浸入していない状態から変化する。即ち、受光素子48での受光量は、基台側隆起部45間の液体の有無に応じて変化し、受光素子48はその受光量に応じた受光信号を図示しない制御部に出力する。
また、このような漏液検出センサ1では、製造装置Dからの漏液が設置面Pに付着し、基台12と設置面Pとの隙間に漏液が流入すると、まず、基台12の下面(検出面12c)において円形凹部43周りの環状面44と設置面Pとの隙間に漏液が流入し、次に、円形凹部43と設置面Pの隙間に漏液が流入するようになっている。
詳述すると、基台12の環状面44と設置面Pの隙間に流入した漏液は、まず、毛細管現象の推進力及び新たに漏液が供給されることによる流入方向への圧力によって、環状面44と設置面Pの隙間に広がっていく。ここで、円形凹部43と設置面Pとの隙間は、環状面44と設置面Pとの隙間よりも大きいため、基台12と設置面Pとの間に浸入した漏液が円形凹部43に浸入しにくくなっており、その漏液は主に円形凹部43以外の環状面44の部分に広がっていく。そして、漏液が環状面44の全体に広がった状態で、基台12と設置面Pとの間に漏液が更に浸入すると、前記ガイド部44aから円形凹部43内に漏液が流入するようになっている。
つまり、製造装置Dからの漏液が一定量以下の場合、その漏液は環状面44と設置面Pの隙間まで流入する。一方、製造装置Dからの漏液が一定量を超える場合、その漏液は、環状面44と設置面Pの隙間から円形凹部43内にまで流入するようになっている。そして、この基台12において、環状面44に流入する漏液を検出する部分に第2検出部S2を設けているとともに、円形凹部43に流入する漏液を検出する部分に第1検出部S1を設けることで、第1及び第2検出部S1,S2の液体検出にタイムラグを生じさせることが可能となる。これにより、漏液検出センサ1の液体検出のバリエーションを増やすことが可能となっている。
このような漏液検出センサ1において、図3及び図5に示すように、第1検出部S1の基台側隆起部45間には、液体導入部G1から基台12のケース側端面12d(検出面12cとは反対側の端面)まで高さ方向Zに貫通された空気孔61が形成されている。平面視において空気孔61の断面形状は円形状に形成されている。また、基台12のケース側端面12dには、空気孔61から密着面41の外縁部41aまで延びる溝部62が形成されている。この溝部62は、投光素子47から出射された光の光路を避けて基台12の後端側(第2検出部S2とは反対側)に延びている。
溝部62は、基台12の空気孔61から反第2検出部側に液体導入部G1の裏側部分を通って密着面41の略外縁まで前後方向Xに沿って延びる浅底部63と、その浅底部63と密着面41の外縁部41aとを連通するように形成された深底部64とを有する。深底部64は、浅底部63の幅方向Y両側にそれぞれ形成され、深底部64の溝深さT2は、浅底部63の溝深さT1よりも深く設定されている。また、各深底部64は、基台側隆起部45から密着面41周りの凹部42まで前後方向Xに沿って延びている。尚、浅底部63及び深底部64の溝深さT1,T2はそれぞれ、浅底部63及び深底部64の底面から基台12の密着面41までの高さ方向Zの寸法である。この浅底部63と深底部64とからなる溝部62によって、空気孔61と連続する間隙が基台12とケース14との間に形成されるようになっている。尚、図9に示すように、基台12のケース側端面12dにおいて空気孔61の第2検出部S2側の箇所は、ケース14の底部22と密着する密着面41となっている。また、その密着面41は、空気孔61部分において傾斜部65を経て移行するように形成されている。
次に、上記実施形態の作用について説明する。
第1検出部S1において、液体が液体導入部G1に浸入する際、液体導入部G1内の空気は液体の流入圧力によって空気孔61を介して溝部62の浅底部63から深底部64へと流れる。その後、その空気は、深底部64から凹部42へと流れ、最終的にケース14と基台12の外周部との隙間からセンサ本体部11の側面側(高さ方向Zと直交する方向)に流れる。このように液体導入部G1内の空気が外部に逃げるため、液体の流入圧力が小さくとも液体導入部G1に浸入しやすくなっている。
また、溝部62において液体導入部G1の裏面側に位置する箇所が浅底部63とされ、その浅底部63から密着面41の外縁部41aまでの部分が深底部64とされている。このため、浅底部63によって液体導入部G1の深さ(高さ方向Zの寸法)を十分確保することが可能となり、安定した液体検出が可能となっている。また、液体導入部G1内の空気は、浅底部63よりも深い深底部64によって密着面41の外側までスムーズに流れるようになっている。
また、本実施形態では、溝部62の浅底部63及び深底部64の溝深さT1,T2や空気孔61の流路面積(断面面積であって平面視での空気孔61の面積)が異なる基台12が複数用意されており、それらの基台12を被検出対象の液体に応じてセンサ本体部11に対して交換することが可能となっている。このため、例えば液体の粘度が高く液体導入部G1に浸入させづらい場合に、その液体に適した基台12を選択的に用いることが可能となっている。
尚、本実施形態では、第2検出部S2の液体導入部G2にも空気孔51cが形成されているが、該空気孔51c部分には、第1検出部S1の空気孔61部分に設けたような溝部を設けていない。これは、第2検出部S2が基台12の前縁部分に設けられるために、その液体導入部G2に液体が浸入する際には十分な流入圧力が得られ、該液体導入部G2内の空気が空気孔51cから案内凸部55の裏側(ケース14側)の凹部を通じて外部に流れやすくなっているためである。一方、第1検出部S1は、基台12の中央部に設けられるために、液体導入部G1への液体の流入圧力が小さくなりがちである。このため、溝部62を第1検出部S1の液体導入部G1に設けることによって、該溝部62の空気の逃がし効果をより顕著に得ることが可能となっている。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)本実施形態では、基台12には、液体導入部G1からケース側端面12dまで貫通された空気孔61が形成され、基台12のケース側端面12dには、空気孔61から密着面41の外縁部41aまで延びる溝部62が形成されている。これにより、設置面Pと基台12との間に入った液体が液体導入部G1に浸入する際、その液体導入部G1内の空気が空気孔61から溝部62を通ってケース14に密着する基台12の密着面41の外側まで逃げるため、液体導入部G1内に液体を浸入させやすくすることが可能となる。
また、溝部62は、投光素子47や受光素子48等の主要部品を内部に備えるために設計上の制約が多いケース14側ではなく基台12側に形成されるため、溝部62の設計自由度の向上に寄与できる。
(2)本実施形態では、基台12のケース側端面12dに形成された溝部62は、基台12の少なくとも液体導入部G1の裏側部分に形成され空気孔61と連続する浅底部63と、該浅底部63と密着面41の外縁部41aとを連通するように形成され浅底部63よりも溝深さが深い深底部64とを有する。即ち、溝部62において液体導入部G1の裏側部分に形成され空気孔61と繋がる部分を浅底部63とするとともに、その浅底部63から密着面41の外縁部41aまでの部分を深底部64とすることで、浅底部63によって液体導入部G1の深さを十分確保しつつも、浅底部63と繋がる深底部64によって液体導入部G1内の空気を密着面41の外側まで好適に逃がすことが可能となる。
(3)本実施形態では、基台12がセンサ本体部11に対して交換可能に構成されている。これにより、被検出対象の液体に応じて基台12を例えば溝部62の浅底部63及び深底部64の溝深さT1,T2や空気孔61の流路面積(断面面積であって平面視での空気孔61の面積)が異なるものに交換することが可能となる。このため、例えば液体の粘度が高く液体導入部G1に浸入させづらい場合に、その液体に適した基台12を選択的に用いることが可能となる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、平面視において空気孔61の断面形状が円形状に形成されたが、これ以外に例えば、前後方向X(即ち、液体導入部G1の形状)に沿って延びる長孔状(楕円状や矩形状)に形成してもよい。この構成によれば、空気孔61の断面形状が平面視で液体導入部G1に沿った長孔状をなすため、空気孔61の断面形状(流路面積)を大きくすることが可能となり、液体導入部G1内の空気を溝部62に逃がしやすくすることが可能となる。尚、空気孔61の前後方向Xの寸法は、液体導入部G1の前後方向Xの寸法の半分以上とするのが望ましい。
・上記実施形態では、溝部62の浅底部63は、空気孔61から密着面41の外縁まで延びる構成としたが、これ以外に例えば、浅底部63が空気孔61から基台側隆起部45の後端部(反第2検出部側端部)まで延びる構成としてもよい。
・上記実施形態では、溝部62は浅底部63と深底部64を備える構成としたが、これ以外に例えば、溝部62の溝深さを一定としてもよい。
・上記実施形態では、溝部62を基台12側に形成したが、これ以外に例えば、ケース14の底部22に形成してもよい。
・上記実施形態では、第1検出部S1及び第2検出部S2を備えたが、これ以外に例えば、第2検出部S2を省いた構成としてもよく、また、3つ以上の検出部を備えてもよい。
1…漏液検出センサ(漏液検出装置)、11…センサ本体部、12…基台、14…ケース、22…ケースの底部(検出側端面)、41…密着面、41a…外縁部、47,53…投光素子、48,54…受光素子、51c,61…空気孔、62…溝部、63…浅底部、64…深底部、P…設置面、G1,G2…液体導入部、T1…浅底部の溝深さ,T2…深底部の溝深さ。

Claims (5)

  1. 透光性を有するケース内に投光素子及び受光素子を備えたセンサ本体部と、
    前記ケースの検出側端面と設置面との間に介在された透光性を有する基台と
    を備え、
    前記基台は、前記ケースに対して交換可能に取り付けられ、
    前記基台には、前記ケースに取り付けられたときに前記ケースの前記検出側端面と密着する密着面と、該密着面の裏側部分に凹設された液体導入部とが設けられ、
    前記投光素子から前記ケースの前記検出側端面に向けて出射された光を前記液体導入部を介して前記受光素子で受光し、その受光量に基づき前記液体導入部内における液体の有無を検出する漏液検出装置であって、
    前記基台には、前記液体導入部から前記基台における前記ケース側の端面まで貫通するとともに前記密着面において開口する空気孔が形成され、
    前記基台における前記ケース側の端面及び前記ケースの前記検出側端面の少なくとも一方には、前記投光素子から出射された光の光路を避けて前記空気孔から前記密着面の外縁部まで延びる溝部が形成されていることを特徴とする漏液検出装置。
  2. 請求項1に記載の漏液検出装置において、
    前記溝部は、前記基台における前記ケース側の端面に形成されていることを特徴とする漏液検出装置。
  3. 請求項2に記載の漏液検出装置において、
    前記溝部は、前記基台の少なくとも前記液体導入部の裏側部分に形成され前記空気孔と連続する浅底部と、該浅底部と前記密着面の外縁部とを連通するように形成され前記浅底部よりも溝深さが深い深底部とを有することを特徴とする漏液検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の漏液検出装置において、
    前記液体導入部は、平面視で前記溝部に沿って延びる形状をなし、
    前記空気孔の断面形状は、平面視で前記液体導入部に沿った長孔状に形成されていることを特徴とする漏液検出装置。
  5. 透光性を有するケース内に投光素子及び受光素子を備えたセンサ本体部と、
    前記ケースの検出側端面と設置面との間に介在された透光性を有する基台と
    を備え、
    前記基台は、前記ケースに対して交換可能に取り付けられ、
    前記基台には、前記ケースに取り付けられたときに前記ケースの前記検出側端面と密着する密着面と、該密着面の裏側部分に凹設された液体導入部とが設けられ、
    前記投光素子から前記ケースの前記検出側端面に向けて出射された光を前記液体導入部を介して前記受光素子で受光し、その受光量に基づき前記液体導入部内における液体の有無を検出する漏液検出装置の前記基台において、
    前記液体導入部から前記ケース側の端面まで貫通するとともに前記密着面において開口する空気孔が形成され、
    前記ケース側の端面には、前記投光素子から出射された光の光路を避けて前記空気孔から前記密着面の外縁部まで延びる溝部が形成されていることを特徴とする漏液検出装置の基台。
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