JP5744170B2 - 生物学的マーカーのイメージング中に検出可能な光子の数を増加させるための方法 - Google Patents

生物学的マーカーのイメージング中に検出可能な光子の数を増加させるための方法 Download PDF

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Description

本発明は、生物学的マーカーからの光シグナルをレッドシフトさせるための新しい方法に関する。特に、本発明は、発光性生物学的マーカーとフルオロフォアの間の励起機構に関する。本特許出願は、本発明による方法を実行するためのキット、および生物学的マーカーによって生成される光子と比較してレッドシフトされた光子を生成するための非結合フルオロフォアの使用にも関する。
光シグナルを生成する生物学的マーカーの使用により、ライフサイエンスのいくつかの態様が激変し、特に、インビボ現象、例えば、エンドサイトーシス、胚発生、感染、腫瘍発達、およびカルシウムシグナル伝達などをリアルタイムで観察することが可能になった。これらの同じ技術はまた、標的細胞、単離された組織、または生物全体の中で、インサイツでますます多くの生物学的プロセスおよび薬学的プロセスを可視化するのにますます使用されている。
生物学的マーカーを使用して発光に基づく光シグナルを生成するための本質的に3つの機構が存在する:
1.生物発光、
2.化学発光、
3.蛍光。
生物発光は、生体、または酵素などのその断片による光の生成および放出である。生物発光は、天然に発生する形態の化学発光であり(以下を参照)、この場合、エネルギーは、発光の形態で化学反応によって放出される。アデノシン三リン酸(ATP)は、ほとんどの生物発光反応に関与し、したがって一般に、生物発光反応は、インビボで起こる。
化学発光は、化学反応の結果としての光の放出である。化学反応の成分は、必ずしもインビボで存在する必要はないので、化学発光は、生物発光と異なる。
蛍光は、吸収される放射線の波長が異なる物質による光の放出である。ほとんどの場合、ある特定の波長の光の吸収により、より長い波長を有する光の放出が誘導される。蛍光性分子は一般にフルオロフォアと呼ばれ、励起の後の光の放出に化学反応はまったく関与しない。
生物発光の例をとると、エクオリンまたは様々なルシフェラーゼなどの生物発光プローブをコードする遺伝子で遺伝的に改変された生物を使用することにより、生体内および小動物モデル内での多くの生物学的プロセスの非侵襲性の視覚化が可能になる(1〜3)。哺乳動物組織の固有の生物発光のレベルが非常に低いため、マウスなどのインタクトな生物内でシグナルを光学的に検出することができるので、生物発光イメージングは高感度である(4)。エクオリン(5、6)、または酵素ルシフェラーゼ(細菌、ホタル、ウミホタル(7)、もしくはウミシイタケ(8))などの生物発光プローブが、生物発光イメージングのために宿主細胞または病原体中に組み込まれてきた。これらのツールは、感染および腫瘍発達からカルシウムシグナル伝達に及ぶ研究に適用されている。しかし、これらの生物学的マーカーのほとんどは、色スペクトルの青色〜緑色〜黄色(400〜650nm)領域における光を放出し(9)、この光は、哺乳動物組織の主要な吸収スペクトル、特に、オキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン、およびメラニンの吸収スペクトルと重なり、したがって検出の効力を低下させている(1、10)。これらの吸収体が存在するために、インビボ光学イメージングにおける主な課題は、生きている哺乳動物組織においてわずかに吸収されるだけである赤色〜近赤外(NIR)スペクトル(650〜900nm)で光を放出する光学プローブを開発することによって、より高いレベルの感度を実現することである。
こうした欠点を伴っていても、この技術の使用は、麻酔されたもの、および麻酔されていない/自由に動くものの両方の小げっ歯類などのモデルを伴う実験にそれ自体容易に適用されている(21)。上記に示したように、小げっ歯類モデルにおいて(より一般に、哺乳動物において)、様々なヘモグロビン、および色スペクトルの青色〜黄色領域で容易に吸収する組織の存在は、フルオロフォアを励起および検出する能力、または発光シグナルがこの同じスペクトル内にある場合、改変された細胞および細菌によって生じる発光シグナルをモニターする能力を低減する。
生物発光源からの検出可能な光子の数を改善するための著しい努力により、大量の新しい、および/または改善された生物発光プローブならびに色スペクトルの赤色領域(>650nm)において放出される光子の数を増加させる技術が開発された。赤色〜近赤外(NIR)において励起され、この領域において発光するフルオロファアまたは蛍光タンパク質を設計するのが難しすぎるとは証明されていない(22)。
しかし、生物発光放出について同様のレッドシフトを実現することは、より難しいことが証明されている。所望のレッドシフトを確立するための一方法は、光スペクトルの赤色〜NIR部分のこの部分において発光することができるルシフェラーゼバリアントを開発することであった。しかし、これまで開発された変異体/変異のほとんどは、黄緑色領域で発光し(9)、成功した赤色生物発光生成の例はわずかであり(11)、そのような赤色〜NIRに操作されたタンパク質が一般に生成するシグナルは、操作されていない黄緑色バージョンより著しく小さい。
赤色〜NIR生物発光を生じさせることの困難を考慮して、したがって、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を使用して、放出される光子のレッドシフトを生じさせるのに適用可能な方法を作り出すことに著しい努力が注がれている(13)。いくつかのグループは、QDに結合したルシフェラーゼ(8)、または大きなストークスシフトを伴う他のフルオロフォア(7)を利用して、この技法に成功したことをすでに実証している。
これらの以前の方法において、研究者らは、ウミシイタケ(Renilla reniformis)の8変異バリアントを量子ドットにコンジュゲートすることによってBRETを調査し、ウミシイタケはエネルギードナーとして作用し、量子ドット(QD)はエネルギーアクセプターとして作用し、こうしてエネルギー移動の後にQDから655nmの発光ピークを実現した(8)。より最近では、ビオチン化されたウミホタルルシフェラーゼが遠赤色蛍光性インドシアニン誘導体にコンジュゲートされ、675nmでの発光をもたらした(7)。しかし、BRETにおいて、ドナーとアクセプターは、ごく接近していなければならない(10nm未満(12〜15))。その理由は、BRETが、発光性ドナーからアクセプターへの非放射エネルギー移動を伴うからである。
BRETの使用は非常にうまくいっているが、ドナーのルシフェラーゼをアクセプターのQDまたは他のフルオロフォアにコンジュゲートさせて所望の共鳴エネルギー移動を実現するために、様々な合成技法が利用されなければならないので、実行することが困難である場合がある。QDまたは他の「赤色」光子放出アクセプターに生物学的マーカーを結合させる必要があるので、「インビボ」で細胞、組織、または生物を視覚化する手段として、生物学的マーカーがあまり効率的でなくなる場合がある。このことは、生物学的マーカーがシグナルを生成し、かつ/または適切な場合、生物学的マーカーの標的に会合するように自由に動く機能または能力が妨害される結果である場合がある。
本特許出願では、本発明者らは、ドナー源とアクセプター源の分子がごく接近した状態にあることを必要とせず、それでも生物学的マーカーから放出される光子の所望のレッドシフトをもたらすことができる、共鳴エネルギー移動(RET)の代替案を提示する。この現象は、発光からの非結合励起による蛍光(Fluorescence by Unbound Excitation from Luminescence)(FUEL)と呼ばれ、RETと異なり、その理由は、ドナーおよびアクセプターは、分子が近接した状態にある必要はなく、FUELは、実質的により長い距離(ミクロン(数ミクロン)またはそれ以上)にわたって起こり得るからである。
本発明の第1の態様によれば、対象とする細胞、組織、または生物中の光子生成生物学的マーカーの存在を判定するための方法であって、
a)FPP−Lが少なくとも1つの第1の光子を生成するのに適した条件を提供するステップと、
b)前記細胞、組織、または生物に近接して配置されたFPP−Uを提供するステップであって、ステップa)の前記少なくとも1つの第1の光子が前記FPP−Uを励起し、前記FPP−Uが少なくとも1つの第2の光子を放出するステップと
を含み、
前記FPP−Lと前記FPP−Uが結合しておらず、かつ前記少なくとも1つの第2の光子(複数可)のそれぞれが、前記少なくとも1つの第1の光子(複数可)のそれぞれよりエネルギーが低いことを特徴とする方法が提供される。
FUELでは、FUELプローブ対(FPP)を使用し、これは、2つの成分、すなわち、FPP−ローワー(FPP−L)およびFPP−アッパー(FPP−U)からなり、そのいずれも生物学的マーカーとなり得る。
例えば、RFPをタグ付けした寄生虫を、GFPをタグ付けした感受性の細胞に導入し、細胞の感染を試験することができる。この場合、QDなどのFPP−Lも試験される系内に存在し、これは、RFPを励起する光子を放出して、検出することができる、RFPからのさらなる光子の放出をもたらす。したがって、生物学的マーカーはタグ付けされた寄生虫であるが、これはFPP−Uでもある。
あるいはGFPをタグ付けした細胞を、励起物(excitant)の光の内部源または外部源などの、この細胞に光子を放出させる条件とともに提供されるFPP−Lとすることができ、次いでこれらのGFP光子は、この細胞に近接して配置されたFPP−Uを励起し、次いでFPP−Uからの光子が検出される。
両方の場合において、生物学的マーカーの存在は、FUELを使用して検出される。
FPP−Lは、発光性生物学的マーカーであってもよく、この生物学的マーカーは、それだけに限らないが、生物発光体、化学発光体、または蛍光タンパク質を含めたフルオロフォア/蛍光プローブとすることができる。FPP−Uも発光性分子であり、これは、それだけに限らないが、量子ドット、蛍光タンパク質、カーボンナノチューブ、ナノダイヤモンド、または金属ポルフィリンを含めたフルオロファア/蛍光プローブであってもよい。
レッドシフトされた光子が適切に生成されることを確実にするために、FPP−Lの発光スペクトルは、FPP−Uの励起スペクトルと重なることが必要である。
本発明のさらなる態様によれば、生物学的マーカーと観察される光子を生成する最終的なFPP−Uとの間で、光子励起および光子放出のカスケード内に複数の中間のFFPを介在させることができる。したがって特に、本発明は、それぞれが、カスケード内の以前のメンバーの発光スペクトルと重なる励起スペクトルを有し、ひいてはカスケード内の次のメンバーの励起スペクトルの範囲内にある光子を生成する一連のFPPに関する。
本発明のこの態様によれば、対象とする細胞、組織、または生物中の光子生成発光性生物学的マーカーの存在を判定する「カスケード」法であって、
a)第1のFPPが少なくとも1つの第1の光子を生成するのに適した条件を提供するステップと、
b)前記細胞、組織、または生物に近接して配置された第2のFPPを提供するステップであって、ステップa)の前記少なくとも1つの第1の光子が前記第2のFPPを励起し、前記第2のFPPが少なくとも1つの第2の光子を放出するステップと、
を含み、
ステップb)が少なくともさらに1回繰り返され、各追加のステップについて、前記第1のFPPまたは第2のFPP以外のさらなるFPPが前記細胞、組織、または生物に近接して配置され、前記さらなるFPPは、以前のステップにおいて放出された少なくとも1つの光子によって特異的に励起され、次に少なくともさらなる光子を放出し、
最終ステップにおいて、前記さらなる光子が検出され、
前記複数のFPPは結合しておらず、かつ前記少なくとも1つの光子(複数可)のそれぞれは、以前のステップからの前記少なくとも1つの光子(複数可)のそれぞれより波長が長いことを特徴とするカスケード法が提供される。
この方法の好適な実施形態では、前記生物学的マーカーは、前記第1のFPPまたは前記第2のFPPである。
FPP−LまたはFPP−Uの特性に関して本明細書で詳述される具体的な特徴のいずれも、この「カスケード」法において使用される複数のFPPに適用可能である。
この方法は、インビボで生物学的マーカーの非侵襲性検出を増強する手段としての、生物発光細菌などの生物学的マーカーにより放出される光子によって十分に励起されるFPP−Uの使用に関する。量子ドットは、半導体コア物質(例えば、CdSe)、および官能性ポリエチレングリコール(PEG)で共有結合的に修飾された両親媒性ポリマーコーティング、または他の外側コーティングからなるナノ結晶(サイズが10〜40nm)である(16)。QDは、特徴的に広い光吸収スペクトルを有するが、ほとんどすべての適用可能な励起波長に対して狭い発光プロファイルを有し(17)、60〜85%の範囲の量子効率を有する(18、19)。
カーボンナノチューブは、円柱状構造を有する炭素の同素体であり、フラーレン構造ファミリーのメンバーである。単一壁ナノチューブは、約1nmの直径を有する場合がある。カーボンナノチューブは、大きいストークスシフトを有し、約600nmから始まって励起される一方で、900nmを超えて発光することができる(28)。
蛍光タンパク質は、非常に一般的に使用されている。緑色蛍光タンパク質は、オワンクラゲ(Aequorea victoria)から最初に精製され、現在では一般に、多くの細胞および動物中にクローン化されている。ほとんどあらゆる励起波長および発光波長のために、多数の誘導体が開発されている。これらのタンパク質は、大きい量子効率を有する場合があるが、一般に、大きいストークスシフトを有さない。
ダイヤモンドナノ結晶、またはナノダイヤモンドは、高い窒素含量を有するダイヤモンド物質から作製される。これらの窒素に富むダイヤモンドは、高エネルギー電子で照射され、それによって負に帯電した窒素空孔センターが作り出される。次いで照射されたダイヤモンドは、センターを強固にするために高温でアニールされる。これらの物質は、100nmの名目上のサイズを有することができ、560nmを中心とする吸収を有し、700nmで効率的に発光する。これらは、1に近い量子効率を有し、化学的および生物学的に不活性であることが報告されており、表面化学反応をこれらに実施することができる(29、30)。
金属ポルフィリン、特に、白金ポルフィリン、パラジウムポルフィリン、およびルテニウムポルフィリンは、いくつかの興味深い特性を有する。これらは一般に、400nm以下で励起可能である一方で、650nmを超える波長で発光する。多くの金属ポルフィリンは、500〜550nmの間の二次励起範囲を有する。上記に列挙した金属ポルフィリンは、その発光強度および寿命減衰率が局所的な酸素濃度の関数であるような酸素感受性でもある(31〜33)。
本特許出願において、用語「光子のエネルギー」および「光シグナルの波長」は、FPP−LおよびFPP−Uによって放出される光子/シグナルの様々な様相を記述するのに使用される。電磁放射線は、粒子(光子)および電磁波の両方であるとみなされており、したがって、同じ光子/波は、エネルギー値ならびに波長を有する。これらの異なる値の間の関係は直接的であり、一般的に言えば、光子のエネルギーが低いほど波長がより長い。したがって、FPP−Uによって生成される第2の光子が、FPP−Lによって生成される第1の光子よりエネルギーが低いと明言されるとき、第2の光子の波長は、第1の光子の波長より長いことも真実である/あるいはそうであると明言することができよう。
本特許出願によれば、生物学的マーカーは、FUELを使用して光シグナルをレッドシフトさせるのに使用されるFPPのFPP−Lとすることができる。あるいは生物学的マーカーは、一連の中間励起を介して、光シグナルを最終的にレッドシフトさせる一連のFPPの第1のものとすることができる。
したがって、生物学的マーカーに言及すると、FPP−L、または一連のFPPの第1のものへの言及となる場合がある。あるいは生物学的マーカーは、試験されている系内に存在するFPP−Lによって励起されるFPP−Uである場合があり、または代わりにこれは、FPPのカスケード中の1つのFPPである場合がある。
本発明によれば、用語「インビトロ」は、既定の条件下で化学物質、試薬と組み合わせた、生きている生物または死んだ生物に由来する細胞、組織、生物、または他の物質の任意の混合物または溶液を指す。
本発明によれば、用語「インビボ」は、インタクトな動物に対して実施される場合の、既定の条件下で化学物質、試薬と組み合わせた、生きている生物または死んだ生物に由来する細胞、組織、生物、または他の物質の任意の混合物または溶液を使用して実施される任意の操作を指す。
本発明によれば、生物学的マーカーに少なくとも1つの光子を生成させるのに適した条件は、選択される生物学的マーカーに応じて変化することになる。例えば、ルシフェラーゼなどの生物発光生物学的マーカーの場合では、この酵素の発現を誘導し/可能にし、次いで必要であれば、ルシフェラーゼが使用する必要がある場合のあるすべての成分試薬を供給して、インビボ、インビトロ、またはインサイチュでこの酵素が光シグナルを生成することができるような条件を提供することが必要である。同様に、化学発光生物学的マーカーについては、反応に必要なすべての成分試薬が存在することが必要であり、蛍光性生物学的マーカーの場合では、適当な励起光源が存在することが必要である。
本発明によれば、生物学的マーカーは、標的細胞、標的組織、または標的生物の内部にあってもよく、またはこれらの表面の一部もしくはすべての上に配置することができ、またはこれらの標的の中および表面上の両方に配置することができる。
本発明によれば、FPP−Uは、RETが起こらない条件下で、標的細胞、標的組織、または標的生物に近接しており、特にこれらの構造内および/もしくはこれらの表面上に位置することができ、かつ/またはこれらの構造を囲繞する媒質内にある。特に、FPP−Uは、生物学的マーカーによって生成される光子がFPP−Uを励起することができ、FPP−Uが次に少なくとも1つの第2の光子を生成することができるように、生物学的マーカーに十分近くなければならない。
本発明によれば、生物学的マーカーとFPP−Uは、共有結合的に、またはいずれの他の手段によっても互いに結合しておらず、これらが、RETが起こり得る様式で、標的細胞、標的組織、または標的生物内で互いに会合していないことを意味する。
本特許出願によれば、生物学的マーカーは、定義された性質の光子を生成する、任意の生物発光性、蛍光性、化学発光性の分子、化合物、酵素、または他の構造とすることができる。例えば、480nmを中心として発光する生物発光生成物をコードする遺伝子を含むluxCDABEオペロンを発現するプラスミドを担持する生物発光大腸菌(Escherichia coli)(RT57と表す)(20)を、インビトロ条件およびインビボ条件の両方において量子ドットを励起するのに、本明細書に詳述される例のいくつかにおいて使用した。
上記に示したように、本発明者らは、BRETは、生物学的マーカーの出力をレッドシフトさせるのに必要なステップではないことを先ほど示した。例えば、Cy5.5フィルターを使用する本明細書の表1において、生物発光細菌のRT57およびQD705を一緒に安定させたとき、FPP−UであるQD705からの著しい発光が観察された一方で、2つの成分を、寒天の10mmを含む、合計距離で3cm近く離したときでも、実質的な増大が依然として見出され(6.10±1.79対2.21±1.00)、FUELをもたらした。図4は、共鳴エネルギー移動が起こり得る距離をはるかに超える距離でのFUEL現象を示す。
この比較は、(1)生物発光細菌は、相当な距離からQDを励起することができ、(2)FPP−Uの効率的な励起を実現するのに、意図的なBRET条件は必要でないことを示す。発光源と蛍光プローブが一緒に結合してないときに起こるBRETの確率は、光子エミッターおよびフルオロフォアの相対的なサイズを、これらが含まれている全体的な体積と比較して考慮すると、あっても最小である。したがって、発光細菌とQD705がごく接近しているときにより多くの赤色光子が存在するという事実は、FPP−Uを励起するのに利用可能な光子数の増加による可能性が最も高い。言い換えれば、観察される光子束が大きいほど、FPP−Uは生物学的マーカーにより近く、生物学的マーカーによって放出される光子によるFPP−U励起の確率が増大する。
反対に、FPP−LとFPP−Uの距離が大きいほど、励起の確率がより低く、赤色光子の減少が説明される。励起の相当な距離を考慮すると(mm〜cm、図3〜6)、FPP−Uの励起は、放射過程であり、RETに必要な双極子間相互作用を伴わない。
本明細書に記載される方法は、生物発光を特に参照して説明されているが、蛍光または化学発光などの他の放射性エネルギー移動系に拡張することができる。
生物学的マーカーと検出されるシグナルを生成しているFPP−Uとの間で直接接触していないことは、最初の検討では、FUEL法において特異性が欠如していることを示すと議論され得るが、図3〜6および表1に示すように、吸収体(この場合、コンゴレッド)の存在により、生物学的マーカーとFPP−Uの間の距離依存性が実証されている。したがって、FUELにより、具体的な位置での生物発光細菌の存在、または潜在的に、細菌と「標識された」細胞との間の相互作用を同定することができる。また、図3、4、7から、これらの細菌の検出は、FPP−Uの光子のレッドシフトのためにより低い力価で行うことができ、生物発光画像の全体的な感度を増大させることを推測することができる。
本特許出願では、本発明者らは、一般的な実験条件下でのFUELの実現可能性を判断するために実施された一連のインビボ実験も提示する。図9および図10、ならびに表3および表4から分かるように、FUELの現象を容易に利用することができると明言する強い証拠が存在する。しかし、生物発光イメージングについてのFUELの有効性および有用性は、大部分はFPP−Uに依存する。
本発明者らは、QDが本明細書に記載されるFUEL技術によるFPP−Uとして短期間使用するのに適しており、広い吸収スペクトル、狭い発光スペクトル、大きなストークスシフト、および1に近い量子効率を含めて、生物発光イメージングのためにQDを利用することの多くの理由が存在すると考えている。QDは、測定(複数可)の時点でホスト内に、または標的において存在しなければならない。図9の場合では、マウスを、注射直後に画像化した(対照により、細菌、量子ドット、またはこれらのFUEL相互作用の定量化を変化させ得る大きな拡散は数時間にわたってまったくなかったことが示された)。
したがって本発明者らは、生物発光光子を、より光学的に望ましい深赤またはNIRへとレッドシフトさせるために、BRETを使用する必要はないことを実証した。発光からの非結合励起が、生物発光細菌などの生物学的マーカーと、FPP−U、すなわちQDとの間で起こり得、実際に起こり、生物発光吸収体がまったく存在しない場合、この移動は相当な距離で起こる。
本発明者らは、FUELを使用することにより、インビトロ用途およびインビボ用途の両方において、赤色光子数を相当に増加させ、したがって、生物発光イメージングの感度を増大させることができることを示した。
したがって、本発明のさらなる態様によれば、生物学的マーカーは生物発光性である。
多数の生物発光分子が、細胞、ウイルス、および関連物質の様々な成分を標識、単離、およびモニターするのに現在では日常的に使用されている。例には、エクオリン、または様々な生物に由来するルシフェラーゼなどの酵素が含まれ、これらは、これらが触媒する反応の生成物として光子を生成する。すべてのそのような生物発光マーカーおよびバリアントを、本特許出願によるFPP−Lとして使用することができる。
あるいは生物学的マーカーは化学発光性である。
あるいは生物学的マーカーは蛍光性である。
特に、生物学的マーカーは、650nm未満の波長を有する光子を放出する。
最も特に、生物学的マーカーは、400〜650nmの波長を有する光子を放出する。
特に、FPP−Uは、FPP−Lによって放出される光子の波長より長い波長を有する光子を放出する。
特に、FPP−Uは、650〜900nmの波長を有する光子を放出する。
具体的な発光範囲がFPP−LおよびFPP−Uについて示されているが、これらの成分は、必ずしも波長範囲によって限定されるわけではなく、重要な技術的特徴は、各FPP−Lが、そのFPP−Uより短い波長を有すること、FPP−Lの発光スペクトルが、FPP−Uの励起/吸収スペクトルと重なること、および総じて、生物学的マーカー(FPP−LであってもFPP−Uであっても)によって放出される光子が、より容易に検出されることである。
本発明のさらなる態様によれば、生物学的マーカーおよび/またはFPP−Uは、取り組まれている細胞、組織、または生物内に単一のコピーまたは多数のコピーとして存在することができる。
本発明のさらなる態様によれば、この方法は、細胞、組織、または生物内の少なくとも2つの光子生成生物学的マーカーの存在を判定するステップを含み、この少なくとも2つの生物学的マーカーそれぞれは、重ならない範囲の波長内の光子を放出し、この光子は、少なくとも1つの光子を放出する前記FPP−Uの2つのサブセットのうちの少なくとも1つを励起し、各サブセットのFPP−Uによって放出される少なくとも1つの光子は、重ならない範囲の波長内にある。
FUELを使用して1つのタイプの生物学的マーカーからのシグナルを変換することと同様に、FPP−Uの異なるサブセットを提供することによって、いくつかの生物学的マーカーからの、いくつかの重ならないシグナルを変換することも可能であるはずである。さらに、FPP−Uのこれらのサブタイプのそれぞれは重ならないシグナルを放出し、したがって異なる生物学的なシグナルが可視化されることを可能にする。
本発明のこの特定の態様によれば、FPP−Uの異なるサブセットは、同じタイプの分子であってもよく、または代わりにこれらは、異なるタイプの分子であってもよい。好適な実施形態では、FPP−Uの一方のサブセットはQDであり、他方のサブセットはカーボンナノチューブである。
特に、FPP−Uは、前記細胞、組織、または生物の特定の部分にこれを向ける手段を含む。
核局在化シグナル、細胞透過性ペプチド、抗体、およびアプタマーを含めた、特定の分子または化合物を細胞内または細胞外の位置に向けるための様々な手段が利用可能である。したがって、そのような成分とFPP−Uの組合せにより、FPP−Uが、生物学的マーカーからの光子を受け取り(存在する場合)、この光子を検出可能なシグナルに変換するように、最適な位置に配置されることが可能になる。
特に、生物学的マーカーは、遊離していても、標的細胞、標的組織、または標的生物の成分と会合していてもよい。例えば、生物学的マーカーは、融合タンパク質の一部であってもよい。
特に、FPP−Uは、細胞、組織、または生物の内部に配置される。
あるいはFPP−Uは、細胞、組織、または生物の外部に配置される。
あるいはFPP−Uは、細胞、組織、または生物の内部および外部に配置される。
対象とする細胞、組織、もしくは生物の内部もしくは外部にFPP−Uを配置するために上記に列挙した特定の機構を使用して、または単純に、FPP−Uを標的まで完全に拡散させるように視覚化ステップのタイミングを合わせることによって、本方法は、必要に応じて、生物学的マーカーによって生成されるシグナルを最良に解明するように、FPP−Uの位置決めを可能にする。
本発明のさらなる態様によれば、生物学的マーカー(FPP−L)とその対(FPP−U)は、より大きい分子の成分など、互いに会合している場合があるが、FPP−LとFPP−Uは、RETを起こさせるようには互いに会合していない。
本発明の第2の態様によれば、本発明による方法を実施するためのキットであって、
本発明による少なくとも1つのFPP−Uと、
本発明による方法の実行に関する指示書と
を少なくとも含み、
少なくとも1つのFPP−Uは、生物学的マーカーの発光スペクトルと重なる励起スペクトルを有し、したがって試験されている系内で生物学的マーカーに近接して配置されているとき、FUEL機構を介して、検出することができる光子を放出するキットが提供される。
特に、本発明のこの態様によれば、このキットは、少なくとも1つの本発明による生物学的マーカーを含むことができる。
特に、このキットは、前記生物学的マーカーによって生成される光子を吸収する化合物をさらに含む。
生物学的マーカーによって生成される光子の吸収体を供給することによって、この吸収体の存在により、その濃度の関数としてFPP−Uが励起されることを可能にする生物学的マーカーとFPP−Uとの間の距離が縮まることを考慮すると、キットのユーザーは、この方法を実施する間にこの距離を制御することができる。生物学的マーカーのあらゆる考えられる発光波長について多数の可能な吸収体が知られており、すべてのそのような吸収体は、本特許出願によって包含されている。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による方法を実施するためのキットであって、
少なくとも1つの本発明によるFPP−Lと
本発明による方法の実行に関する指示書と
を含み、
少なくとも1つのFPP−Lは、生物学的マーカーの励起スペクトルと重なる発光スペクトルを有し、したがって試験されている系内で生物学的マーカーに近接して配置されているとき、生物学的マーカーにFUEL機構を介して、検出することができる光子を放出させるキットが提供される。
本発明のさらなる態様によれば、本明細書に記載されるようなカスケードFPP系において使用することができる、順次重なる発光スペクトルおよび励起スペクトルを有する複数のFPPを含むキットが提供される。
本発明の第3の態様によれば、対象とする細胞、組織、または生物における光子生成生物学的マーカーの存在を判定するためのFPP−U、例えば、非結合のQDの使用であって、生物学的マーカーと非結合のQDとの間でFUELが起こり、生物学的マーカーによって放出されるシグナルをレッドシフトさせる使用が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、対象とする細胞、組織、または生物において光子を生成し、生物学的マーカーの存在を判定するためのFPP−Lの使用であって、FPP−Lと生物学的マーカーとの間でFUELが起こり、シグナルをレッドシフトさせる使用が提供される。
本発明をより良好に理解し、本発明をどのように実行に移すかを示すために、次に、添付の図面を参照して、本発明による特定の実施形態、方法、およびプロセスを例としてのみ示す。
実験の異なる要素の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す図である。
A.RT57の発光スペクトル、QD705の励起スペクトルおよび発光スペクトル、ならびにコンゴレッドの吸収スペクトル。細かく線を引いた(///)領域は、RT57の発光とQD705の励起との間のスペクトルの重なりを示す。
B.マウスの肺、血液、および肝臓の吸収スペクトル。
生物発光大腸菌を使用したQD705の非結合励起を示す図である。生理水(列1)、RT57(列2)、QD705(列3)、およびRT57とQD705の混合物(列4)を、別個の1.5mlのエッペンドルフチューブ中にアリコートし、得られた発光を、露光時間を5秒に設定して、オープン(Open)フィルターセットおよびCy5.5フィルターセット(それぞれ行1および行2)の下で観察した。オープンフィルターセットの下で、RT57、およびRT57+QD705の両方について同様のレベルの発光が観察された一方で、2つの対照について発光はまったく観察されなかった。Cy5.5フィルターセットの下で観察した場合、RT57単独と比較して、RT57+QD705混合物について光子数の相当な増加が観察された。QD705の存在は、0.25秒の露光時間を使用して、蛍光励起によって確認された(行3)。 FUELの距離依存性判定のための実験セットアップを示す図である。
A.プレートの位置決め、ならびにRT57およびQD705の配置を示す模式図。細菌とQD705の間の距離が示されている。
B.条件1(4枚の寒天プレート)ならびに条件2(2枚の寒天プレートおよび2枚のCRAgarプレート)のプレートセットアップの写真。
条件2についての一晩増殖実験を示す図である。
A.条件2の下での生物発光細菌の一晩増殖曲線。
B.条件2についての最後の時点での画像の例。
C.列2、列3、および列4と列1との比較であり、検出可能な光子の増強を示す。
FUEL効果の距離依存性を示す図である。漸増する距離で、QD705(左)または水(右)で満たした2つのキュベットの間に、生物発光大腸菌のアリコート(目に見えない:1枚の黒い紙で覆った)を置き、得られた発光を検出した。距離の関数としてのFUEL効果からの正規化された発光強度。FUEL効果の距離依存性は、3つの異なる細菌培養物を使用して3通りで繰り返した。 RT57を使用したQD705の遠距離励起を示す図である。ストックRT57のアリコートを、ペトリ皿の中心に置いた。RT57から、最大2cmの総実用距離まで0.5cmずつ間隔を増やして(中心間)、QD705のアリコートを置いた。(A)Cy5.5フィルターセットの下での得られた発光。(B)蛍光励起を使用したQD705アリコートの位置の確認。(C)RT57からの距離の関数としてのQD705の発光の減少。 QD705の添加による赤色光子生成の増大が、1枚の黒い紙で離された直列の2つの石英キュベットを使用して確立された、いくつかの実験条件を使用して確認されたことを示す図である。生物発光光子を通過させるために、小さいウインドウを紙に切り込んだ。 エクスビボ試料を通じた発光検出の改善を示す図である。3つの異なるRT57+QD705混合物の発光を、MWB、ホモジナイズされた肝臓、またはホモジナイズされた肺を通じて観察し、同じ条件下でRT57単独から観察された発光によって正規化した。観察される光子数の増加が、オープンフィルターセット(左)の下で、混合物について見出された一方で、赤色光子数の幾分大きな増加が、Cy5.5フィルターセット(右)の下で観察された。 QD705の存在下での検出可能な光子増強のインビボの例を示す図である。細菌および細菌+QD705を大腿筋肉内に注射した後、オープンフィルターセット、610LPフィルターセット、およびCy5.5フィルターセットで画像を取得した。 FUELのインビボでの実証を示す図である。2つの異なる寒天パール(pearl)を、メスのマウスの左大腿および右大腿の皮下に挿入した。各パールは、アガロース+RT57コアからなっていた。アガロース、またはアガロース中のQD705の混合物のいずれかの第2の層をパールコアに加え、それぞれ対照パールおよびFUELパールを作り出した。次いでマウスをイメージングシステム内に置き、オープンフィルターセットおよびQD705フィルターセットの両方を通じて、腹側および背側から眺めた。図から分かるように、オープンフィルターセット下でマウスを腹側から眺めたとき、観察される赤色光子増強は限られている。皮膚の薄層のみが存在するために、限られたFUEL効果しか予期されなかった。しかし、FUEL効果は、QD705フィルター下で容易に観察される。次いで、いずれのパール発光も、検出器に到達する前にマウスの大腿全体を通過しなければならないようにマウスを転がした。この場合、オープンフィルターセットおよびQD705フィルターセットの両方において、FUELのパワーは、観察される光子の総数が大きく増加して観察された。 インビボでのFUELモデルの略図である。生物発光大腸菌は、すべての方向に光を放射する。QD705の非存在下では、放出される光子の一部は、インビボで存在する任意のクエンチャー(例えば、ヘモグロビン)によって吸収される。QD705がRT57に近接しているとき、放出される光子の一部はQD705に入射し、同じクエンチャーによって吸収されにくいレッドシフトされた光子を生成する蛍光事象を誘導する。赤色光子の生成が増大することにより、赤色発光シグナルが増加し、動物全体のイメージングの特殊性が増大する。
次に、本発明者らが実行した特定の様式を例として説明する。以下の説明において、理解を完全にするために、多数の具体的な詳細を示す。しかし、本発明は、これらの具体的な詳細に限定されることなく実践することができることが、当業者に明らかとなるであろう。他の場合において、説明を不必要に不明瞭にしないように、周知の方法および構造は記載していない。
物質および方法
一般的な試薬
luxオペロンを発現するプラスミドを担持する生物発光大腸菌(RT57と呼ばれるpUC18−mini−Tn7T−Gm−lux)は、Choiら(20)に記載されており、全体を通してRT57と記されている。Qtracker705非標的化量子ドットは、Invitrogenから入手し、使用するまで暗所で、4℃で保持した(QD705と記す)。寒天プレートを調製するために、加温滅菌した寒天25mLを、滅菌条件下で10cmのペトリ皿に添加し、冷却させた。コンゴレッド(Sigma)は、滅菌したHO中1%w/vとして調製した。パール構築のために、低融点アガロース(Lonza、France)を使用した。通常の生理食塩水(0.9%のNaCl、PSと呼ぶ)を社内(in house)で調製し、すべての希釈のために使用した。コンゴレッド+寒天プレート(CRAgar)については、滅菌したHO中の1%w/vコンゴレッド(Sigma)4mLを、加温滅菌した寒天400mLに添加し、寒天中0.01%の最終的な色素濃度にした。この溶液を十分混合し、次いで25mLを10cmのペトリ皿に添加し、冷却させた。得られる皿は、5mmの厚さの層の寒天またはCRAgarを含有する。寒天およびCRAgarが固化した後、調製したプレートの上下を逆にし、使用するまで4℃で貯蔵した。すべての動物実験について、メスの生後6週間のBalb/cマウス(Janvier、France)を使用した。
細菌の準備
イメージングの日前に、RT57の一晩培養を確立した。翌朝、OD600を取得し、必要な場合、1000細菌/5μLの最終濃度の食塩水を実現するのに実施した適切な希釈に応じて蒔いた。次いで、所望の配向(一般に5μLのアリコートの3×4マトリックス)に応じて細菌を蒔いた。
QD705の長距離励起
小容積の使い捨てキュベット(Ratiolab、ドイツ)上に2mm×3mmの2つの光学ウインドウを作るのに黒いテープを使用し、2つのウインドウをキュベットの向かい合った面に据え、底部の近くだが離して配置した。この改変されたキュベットを、一晩培養からのRT57ストック1mLで満たし、1枚の黒い紙で覆い、Ivisイメージングシステム内に置いた。黒い紙により、RT57の生物発光の観察を阻害した。2つの改変されていない小容積のキュベットを、PS 1mL、または以前に述べたQD705溶液1mLで満たし、次いで、RT57を含有する改変されたキュベットのいずれかの側に、3つのキュベットが軸方向に整列し、中心のキュベットと外側のキュベットの間の距離が10mm(面間)になるように配置した。得られた発光を、オープンフィルターセット、およびQD705フィルターセットについて観測した。取得後、改変されていない2つのキュベットと、中心のキュベットの間の距離を5mm伸ばし、発光を観察した。3つの異なる細菌培養物について、合計で最大30mm離れるまで、それを繰り返した。
代替の実験では、ストックRT57のアリコート5μlを、空のペトリ皿の中心に置いた。細菌から5mmの距離(中心間)から開始して、QD705のアリコート2μlを、放射状に外向きに、合計で最大2cmの距離まで5mm間隔で伸ばして配置した。QD705特異的フィルターセットを使用して、プレートを300秒間画像化した。QD705の位置を確認するために、蛍光画像を取得した。
QD705の添加による赤色光子生成の増大
1枚の黒い紙で離された直列の2つの石英キュベットを使用して、複数の実験条件を確立した(図7の挿入表、PS:生理食塩水;QD705:QD705溶液;RT57:生物発光大腸菌;CR:コンゴレッド)。生物発光光子を通過させるために、小さいウインドウを紙に切り込んだ。この紙は、2つのキュベットの間の物理的な分離ももたらし、QD705とRT57の間で物理的な接触がまったく起こり得ないことを確実にした。各条件について、発光強度を、RT57特異的フィルターセットおよびQD705特異的フィルターセットの両方の下で観察し(それぞれ480およびQD705と記す)、各条件を3通り実施した。
スペクトルの取得
1nmのスリット幅を有し、480nm/分のスキャン速度に設定したPerkin−Elmer UV/可視デュアルパス分光計を使用することによって、コンゴレッド、マウスの全血、肝臓、および肺についての吸収スペクトルを取得した(図1)。参照として滅菌水を使用した。各取得について、各分析物1mLを、1cmの経路長を有する1mLのプラスチックキュベットに加えた。RT57生物発光の発光スペクトルは、25℃で、サーモスタットを備えた1cmの経路長の石英キュベットを使用して、PTI Quanta−Master QM4CW蛍光分光計(PTI、Lawrenceville、NJ)を用いて記録した。発光は、5nmのスリット幅で、400〜750nmで記録した。QD705の励起スペクトルおよび発光スペクトルは、5nmのスリット幅で取得した。
インビトロでの生物発光イメージング
冷却されたCCDおよびフィルターホイールを備えたIVIS 100動物全身イメージングシステム(Xenogen Corporation、Caliper Life Sciences、Alameda、CA)を、すべての生物発光画像を取得するのに使用した。使用したフィルターは、610ロングパス(610LP)およびCy5.5バンドパス(695nm〜770nm、QD705フィルターとも呼ばれる)であった。フィルターホイール内の1つの位置を、総光検出のために空に保ち、オープンフィルターセットと呼んだ。各実験について、CCDを−105℃に冷却し、暗箱を37℃に加温した。別段の記載のない限り、Living Image(Xenogen)ソフトウェアバージョン3.1の取得設定を、以下のように設定した:3つすべてのフィルターセットについて5分の取得時間、8×bin、視野C(20cm)、およびf−ストップ1。時間経過実験の場合では、オープン、610LP、およびCy5.5の画像を順次取得し、次いで45分の遅延が続き、1時間の画像サイクルを作り出すように画像シーケンスを確立した。このサイクルを目標まで繰り返した。
非結合の生物発光細菌を使用した量子ドットの遠距離励起
RT57−QD705光子生成に対する距離の効果を測定するのに2つの異なる条件を確立し、条件1は、4枚の寒天プレートを伴い、条件2は、2枚の寒天プレートおよび2枚のCRAgarプレートを使用した(図3)。細菌およびQD705を配置する前に、必要とするプレートを4℃の保管場所から取り出し、室温に加温させ、汚染物質を点検した。条件1については、細菌溶液の12の5μLのアリコートを、50μg/mLの最終濃度のゲンタマイシンとともに、寒天プレート上に3行×4列(3×4)マトリックスで、ピペットで移した。それぞれ1000細胞を含む細菌の液滴を寒天(プレート1)中に定着させた。第2の寒天プレートは、プレートのスタックが最終的な構造になるまで脇に置いておいた(プレート2)。次いでQD705の2μLの3つのアリコートを、細菌を含むプレート(プレート1)の上に積み重ねられるとき、QD705の各アリコートが、列3の細菌の各アリコートと垂直に整列するように、第3の寒天プレート(プレート3)上にピペットで移した。第2のセットのQD705のアリコートを、各アリコートをプレート1上の列4の対応する細菌と整列させて、第4の寒天プレート(プレート4)上に配置した。最後に、細菌が寒天中に定着したことを確認した後、QD705の2μLのアリコートを、プレート1上の列2に位置した各細菌アリコート上に直接添加した。プレートを逆さにし、底部にプレート1、次いで空のプレート2、その後プレート3およびプレート4の順序で積み重ねた。次いでこのスタックをIvis 100内に置き、画像シーケンスを開始した。条件2については、プレート2およびプレート3が寒天の代わりにCRAgarからなっていたことを除いて、同じ手順を続けた。プレート高さの合計は14mmと測定され、寒天またはCRAgarの深さは5mmであった(図3)。RT57と対応するQD705のアリコートとの間の総距離は以下の通りであった:列2について0mm、列3について28mm、および列4について42mm。
QD705の非結合励起
生物発光RT57が、物理的な結合を必要とすることなくQD705を励起することができるかどうかを判定するために、一連の1.5mLのエッペンドルフチューブを準備した。第1のチューブに、細菌ストック10μLを含め、生理食塩水(PS)を使用して100μLまで希釈した。第2のチューブは、細菌ストック10μL、QD705 4μL、およびPS 86μLを使用して準備した。100μLまで希釈したQD705 4μlを含む第1の対照、およびPS 100μLのみからなる第2の対照を用いて、2つの発光対照を確立した。4つすべてのチューブをピペットで穏やかに混合し、均質な溶液にし、イメージングシステム内に置き、シグナルのクロスオーバーを最小限にするために、黒いプラスチックセパレーターを各チューブの間に置いた。得られる生物発光を、両フィルターセットの下で5秒間観察した。QD705の存在を、蛍光イメージングを使用して確認した。
エクスビボでの生物発光イメージング
メスの生後6週間のBalb/cマウス3匹をケタミン/キシラジンで麻酔した。各マウスについて、心穿刺を実施して血液1mLを得た。肝臓を取り出し、冷やしたPBS 2mL中に入れた。最後に、肺も取り出し、冷やしたPBS 1mL中に入れた。次いで臓器を、機械的ホモジナイザーを使用してホモジナイズし、血液とともに、さらに使用するまで氷上で保持した。各マウスを頚部脱臼によって屠殺した。次いで臓器を、機械的ホモジナイザーを使用してホモジナイズし、血液とともに、さらに使用するまで氷上で保持した。すべての動物実験は、フランス国家倫理規定(French National Ethics regulations)に従って行った。
マウスを準備する前に、プレートの底部が10cmのペトリ皿上に均等に静止することができるように、ガラス底の黒色96ウェルプレートを変更した。3×4配向で直径1.5mmの穴が12個開いた1枚の黒い紙を、ピンホールが96ウェルプレートのウェルと適切に整列するように、96ウェルプレートと寒天プレートの間に置いた。細菌ストックのアリコート5μLを、ピンホールおよびウェルと直接整列させた寒天上にピペットで移した。定着時間を設けた後、QD705のアリコート2μLを、細菌の第2列および第4列上に置いた。次いでこのセットアップを37℃のIvis 100内に置き、生物発光を確認した。次に、各マウスからの血液のアリコート50μL、ホモジナイズされた肝臓、またはホモジナイズされた肺を適切に割り当て、以前に記載した画像シーケンスを取得した。
インビボでの生物発光イメージング
メスのBalb/cマウスをイソフルラン(2.5%)で麻酔した。麻酔下で、マウスの左大腿の深さ3mmに、QDを含む、または含まない25〜50μLの細菌懸濁液を筋肉内注射し、IVIS 100を使用して画像化した。明視野像を最初に撮り、続いてオープンフィルター、610LPフィルター、およびCy5.5フィルターを用いて、生物発光像を撮った。Living Image(v3.1、Xenogen corp.)ソフトウェアを使用して画像を分析した。
「パール」を使用したインビボでのFUELイメージング
インビボでのFUELを実証するために、アガロース、またはアガロースとQD705の混合物によって層を重ねたRT57ベースのコアからなる2%のアガロースパールを構築した。簡単に言えば、個々の「パール」を作り出すために、RT57ストック12.5μLを、加温した4%のアガロース12.5μLと混合し、パラフィルム上にピペットで移した。25μLのパールコアを冷却させた後、PS 5μLまたはQD705ストック5μLと、5%のアガロース7.5μLとの混合物をパールコア上にピペットで移し、それぞれ、対照パールおよびFUELパールを形成した。パールを構築した後、メスの生後6週間のBalb/cマウス3匹を、ケタミン/キシラジンを使用して化学的に麻酔した。次いで、電気カミソリを使用して3匹すべてのマウスの後肢の背側および腹側の両方の毛を剃った。両後肢の内側に小さな切開部を作り、対照(RT57)パールまたはFUEL(RT57およびQD705)パールを皮下に配置することを可能にした。次いでマウスをIvis 100内に置き、オープンフィルターセットおよびQD705フィルターセットの両方について、発光を腹側から観察した。次いでマウスを転がし、両フィルターセットについて発光を背側から観察した。
結果
スペクトルの比較
RT57の生物発光の発光スペクトル、およびQD705の励起/発光スペクトルを重ね合わせた、コンゴレッド(CR)の正規化されたUV/可視光吸収プロットを、図1Aで見ることができる。示したように、QD705の励起スペクトルは、生物発光の発光と大いに重なる一方で、QD705の蛍光発光は、703nmを中心とすることが見出された。有用な光吸収スペクトルを取得するために、血液を、滅菌したHOで300倍に希釈し、一方肝臓および肺を、やはり滅菌したHOでそれぞれ200倍に希釈した(図1B)。
図1Aおよび図1Bから分かるように、QD705の発光は、最小の吸収領域内に位置し、血液、肝臓、および肺によって散乱する一方で、RT57の生物発光の発光は、散乱因子/吸収因子によって大いに乱される。これらの発光の最大値の位置は、放出される光子をレッドシフトさせることの利点を大いに例示する。
懸濁液中の生物発光細菌によるQD705の非結合励起
生物発光大腸菌が、いずれのカップリング化学反応または結合を必要とすることなく、QD705を励起することができるかどうかを判定するために、RT57およびQD705の溶液を別個のチューブ内に単独で分配し、または混合し、得られた発光生成を、2つの異なる発光フィルターセット(オープンおよびCy5.5)の下で、3つの対照(RT57単独、QD705単独、およびPS)と比較した。
図2から分かるように、RT57およびRT57+QD705はともに、オープンフィルターの存在下で光子を放出する。予期されたように、生物発光対照(QD705単独またはPS単独;列1および列3、行1および行2)から、発光はまったく観察されなかった。RT57の存在下で、本発明者らは、発光フィルターの非存在下(列2及び列4、行1)、細菌単独(列2、行1)、およびRT57+QD705(列4、行1)で、同等の強い生物発光シグナルを観察した。
しかし、Cy5.5発光フィルターを通じて観察した場合のはっきりした対比によって、本発明者らは、発光細菌単独(列2、行2)と比較して、RT57+QD705(列4、行2)から数十倍多くのシグナルを観察した。これは、QD705の存在により、放射光の波長のシフトが引き起こされ、その結果、次いで放射光の一部が深赤発光フィルターを通過したことを示す。対照から発光はまったく観察されなかった。これは、生物発光細菌単独でQD705を励起することができることを強く示す。RT57の正規化された生物発光スペクトル、およびQD705の励起/発光スペクトルを示す(図1)。QD705の励起スペクトルは、RT57生物発光のピーク発光と重なり、一方、QD705の蛍光発光は、予期されたように705nmを中心に位置した。スペクトルの重なり、およびここで提示した結果を考慮すると、RT57生物発光単独は、QD705を励起するのに十分である。
細菌ルシフェラーゼ−QD705 FUELプローブ対の距離依存性
普通の励起を介した生物発光光子をレッドシフトさせることの重要性を実証するために、マウスの血液、肝臓、および肺の光吸収を模倣する単純なモデルを開発した。一般的な色素のコンゴレッド(CR)は、マウスの血液、肝臓、および肺と同様に、RT57と重なった吸収スペクトルを有することが見出された。CRは、705nmで光吸収をほとんど示さなかった。検出可能な光子に対する吸収体のCRAgarの効果を、2つの異なる条件下で、RT57およびRT57+QD705のアリコートの上に寒天およびCRAgarのプレートを積み重ねることによって観察した(図3)。先に述べたように、2つの異なる条件について異なるフィルターセットを使用して、3つの連続した5分の取得を得た。条件1は、4枚の標準寒天プレートの使用を含んでいた一方で、条件2では、中心の2枚の寒天プレートをCRAgarプレートと置き換えた(図3Aおよび3B)。増殖実験を、各条件について3通りで繰り返し、Ivis 100を使用して観察した。図4Aは、条件2についての全光子束の経時的な増加を示し、一方、図4Bは、条件2についての増殖実験の最後に取得した一般的な生物発光の画像を示す。図から分かるように、列2(RT57+QD705)は、他の列より著しく明るい。この差異は、図4Cでより明らかに観察することができる。ここでは、列2、3、および4についての全光子束を、列1(RT57のみ)に対して正規化した。列2について全光子束の大きな増加が観察され、列3について小さな増加が観察され、列4において、増加は本質的にまったく観察されない。
表1で分かるように、オープンフィルターセットの下で、両条件において、列2について光子束の増加がある。条件1において、列3についても同様の増加が観察され、一方、条件2について小さな増加が観察される。これは、条件2の中のCRAgarプレートの存在により説明することができる。プレート1とプレート3の間に位置するCRAgarプレートにより、プレート3上にあるQD705を励起するのに利用可能なRT57光子の数が減少する。この効果は、光子のシフトを起こさせるのに、QD705が、RT57に光学的に利用可能でなければならないことを示唆するので、これは重要である。このことのさらなる証拠は、条件2について列4を列1と比較して場合にも見られる。ここでは、列同士間の比は1に集中しており、CRAgarの2枚のプレートが存在する場合、増強はまったくないことを示す。それでも、条件1について、RT57とQD705の間に寒天の2枚のプレートを伴っていても、わずかな増強が観察される(列4)。したがって、吸収体がない場合、QD705の励起に対して特異性はまったくない。細菌は、相当に遠く離れている場合がある。それは、動物内の細菌の進化を観察する場合、望ましくない。各条件および各フィルターセットの下で、列2(RT57+QD705)について、最大の増強が観察される。610LPフィルターセットおよびCy5.5フィルターセットの両方について観察される増強の増大は、QD705の存在による生物発光光子のレッドシフトを確証する。
Figure 0005744170
しかし、表1から改善の比を見る場合、バンドパスのためにはるかに少ない光子が実際に検出されるので、Cy5.5フィルターセットが理想的であると仮定してはならない。このフィルターは、QD705の発光にはるかに特異的である。610LPは、Cy5.5よりはるかに多くの光子をCCDに到達させる一方で、それでもこれは、オープンより少ない。したがって、改善の比は小さいが、検出される光子の数ははるかに多い。オープンフィルターセットを用いて、感度の増大を実現し、QD705、およびあらゆる吸収されず、散乱されないRT57から放出される光子を取得する一方で、610LPまたはCy5.5を使用することにより、QD705への特異性の増大が可能になる。
さらなるセットの実験において、生物発光大腸菌のアリコート(目に見えない:1枚の黒い紙で覆った)を、距離を漸増させて、QD705(左)または水(右)で満たした2つのキュベットの間に置き、得られる発光を、オープンフィルターセットまたはQD705特異的フィルターセットの下で観察した。両フィルターセットの下で観察されるように、QD705の発光は、距離の関数として減少する一方で、水単独から発光はまったく観察されない。結果を図5Aに示す。これらの結果は、(1)いずれのクエンチャーも存在しない中で、FUEL効果が相当な距離にわたって起こり得、(2)そのFUEL効果は、生物発光源と蛍光レポーターの間に物理的接触はまったくないので、光放射プロセスによって起こることを例示する。
正規化された発光強度を、距離の関数として計算した。FUEL効果の距離依存性を、3つの異なる細菌培養物を使用して3通りに繰り返した。QD705フィルターセットについて得られた発光を、1cmの距離で起こった(一番上)最も強い値に対して正規化した。図5Bにおいて分かるように、正規化された強度の分散は、それほど有意でなかった。多項式曲線を発光強度に対してフィッティングし、かなり一致した。
QD705の添加に由来する赤色光子生成の増大
1枚の黒い紙で離された直列の2つの石英キュベットを使用して、複数の実験条件を確立した。これらの条件を図7に概略的に示す。ここでPS:生理食塩水;QD705:QD705溶液;RT57:生物発光大腸菌;CR:コンゴレッドである。
生物発光光子を通過させるために、小さいウインドウを紙に切り込んだ。この紙は、2つのキュベットの間の物理的な分離ももたらし、QD705とRT57の間で物理的な接触がまったく起こり得ないことを確実にした。各条件について、発光強度を、RT57特異的フィルターセットおよびQD705特異的フィルターセットの両方の下で観察し(それぞれ480およびQD705と記す)、各条件を3通り実施した。
図から分かるように、QD705の非存在下(対照条件)では、赤色光子はほとんど観察されなかった。しかし、光路にQD705を単に加えることによって赤色光子のほぼ8倍の増加が観察された(条件1)。吸収体のCRの存在下で(条件2)、この増加は同じままであり、吸収体の存在下でのFUEL効果による強力なコントラスト増強を例示している。さらに、吸収体が生物発光源とQD705の間に置かれると(条件3)、全光子生成は劇的に低減され、赤色光子生成は対照と同様であり、FUEL効果がもはや起こっていないことを示す。このことはまた、FPP−LとFPP−Uは、吸収体の存在下でごく接近していなければならないが、必ずしも分子が近接している必要はないので、FUELの特異性を強調する。陽性対照によって、同様の値がQD705の非存在下およびCRの存在下(条件4)で観察され、条件3におけるFUEL効果の喪失は、細菌とQDの間のCRの青色光吸収によるものであったことを確証した。
エクスビボの試料を通じた光子透過率
3匹の異なるマウスから3通りでQDおよび細菌をマウスに注射する前に、インビボ条件をシミュレートするために、MWB(マウス全血)、ホモジナイズされた肝臓、およびホモジナイズされた肺を使用した。ここでは、RT57およびRT57+QD705を含む寒天プレートを、先に記載したように調製した。ピンホールを有する1枚の黒い紙を、ピンホールがRT57およびRT57+QD705のアリコートと適切に整列するように、寒天プレートの上に置いた。最後に、黒色96ウェルプレートを黒い紙と寒天プレートの上に置いた。
図8および表2の中で分かるように、オープンフィルターの下で、MWBの存在下で、RT57+QD705では、細菌単独と比較して、全光子束がほぼ4倍増加した。しかし、肝臓および肺については、観察された全光子束の増加は最小であった。対照的に、Cy5.5フィルターを使用する場合、比が劇的に増大し、QD705励起が赤色光子生成の相当な増大をもたらしていることを確証した。このインビトロ実験の結果は、QD705の存在により、RT57光子がMWBの吸収極大から離れてレッドシフトしており、したがって検出可能な光子の全数を増加させていることを強く示す。
Figure 0005744170
生物発光細菌を使用したインビボQD励起の証拠
この技法の能力を実証するために、原理実験のインビボでの証明を実施した。QD705および細菌懸濁液を、麻酔下でマウスの大腿に順次注射した。2匹目のマウスに細菌単独を注射し、標準的な生物発光生成についての対照として使用した。各マウスの生物発光生成率を、3つの異なるフィルターセットの下で同時に収集した(図9)。図から分かるように、各フィルターセットの下で、QD705を注射したマウスについて、測定される生物発光の増大が観察された。表3は、QD705が存在する場合に検出される光子の著しいシフトを示す。
Figure 0005744170
表3から分かるように、生物発光細菌単独については、検出される生物発光光子の25%のみが610nmより長い。生物発光光子の10%未満がCy5.5フィルターセット内で見出されていることは、さらにより注目すべきである。QD705をRT57と順次注射した場合、劇的な差異がある。ここでは、検出される光子のほぼ70%が610nmより長く、60%がCy5.5フィルターセット(695〜770nm)内に存在している。また、検出可能な光子の改善が計算される場合、QD705が存在するときのインビボ(表3)およびインビトロ(表1)のデータセットに関して、3つすべてのフィルターセットについて、検出される光子の数の同様の増加が観察される。
Figure 0005744170
RT57からのQD705の長い非従来的な励起
共有結合性化学反応がまったく施されなかった溶液中の条件下で、RT57発光がQD705発光を引き起こしたので、これは、検出された現象の機構は、密接な分子近接という基準によって束縛されるBRET(特徴的に放射性の)機構によって説明されないことを示した。
それどころか、これは、放射励起−発光が役割を担っている可能性を提起した。この考え方を試験するために、本発明者らは次に、RT57発光が、巨視的な距離でQD705のアリコートを励起する能力を検査した。一連の実験において、本発明者らは、RT57のストック5μlを、ペトリ皿の中心に置いた。次いでQD705のアリコート(2μl)を、2cmの全距離まで5mmの増分で増加させて、中心から外向きに径方向の距離を増加させて(すなわち、RT57とQD705の間の距離、中心間;図6A)、ペトリ皿上に置いた。次いで得られた発光を、QD705発光に対する特異性のみに起因してCy5.5フィルターセット下で300秒間観察し、QD705の位置を蛍光イメージングを使用して確証した(図6B)。図から分かるように、後続のQD705発光の強度は、生物発光RT57からの距離の関数として減少した。しかし、QD705の発光は、最大2cmの距離まで容易に検出された(図6C)。
インビボでシグナル検出を増強するためのFUELの使用
固化した2%のアガロースの50μLのビーズ中に懸濁させた生物発光大腸菌を、BALB/cマウスの左大腿内側に皮下移植した。アガロース中の細菌の別の50μLのビーズを調製し、705nmの赤色に発光波長を有する10μLの量子ドットの層でコーティングした。この第2のビーズを、同じマウスの右大腿内側に皮下移植した。
細菌が存在している場合、量子ドットが励起され、480nmの波長から705nmに生物発光の光をシフトさせる。細菌の480nmの発光は、フィルターが適所にない状態で両脚から目に見え(図10)、両脚からの強度はほぼ等価である。Cy5.5フィルターが適用されると(695〜770nm)、細菌からの光は視界から遮断され、励起された量子ドットからの蛍光のみが右大腿から見ることができる(図10)。
マウスの皮膚は極めて薄く、光が容易に通過できる。しかし、マウスがひっくり返されると、細菌および量子ドットからの発光は、検出器に到達する前に、非常に光を吸収し、散乱させる脚の筋系を横断しなければならない。細菌からの青色光と異なり、赤色光は、ヘモグロビン、オキシヘモグロビン、メラニン、脂質、および水のような組織発色団による吸収に感受性でない。フィルターが適所にまったくない場合、右大腿中の量子ドット含有ビーズからのシフトされた光は、左大腿中の細菌のみを含むビーズに由来する光よりほぼ4倍強い(図10)。Cy5.5フィルターが適用される場合、右脚からの発光は、左脚からの発光の22倍超大きい(図10)。
FUEL機構
したがって本発明者らは、懸濁液中に混合されると、生物発光細菌は、生物発光の発光ピークと、QD705の広い吸収スペクトルとの著しいスペクトルの重なりのためにQDを励起することができ、それによってこの現象が、レッドシフトがなければ特徴的に青色の細菌生物発光の逆説的なレッドシフトによって立証されることを示した。
この系がBRETを起こさせるように操作された場合、同じ効果が定性的に予期されるが、以下の理由で、それは間違いなく、本発明者らが本明細書で記載した条件下で当てはまらない。第1に、この現象は、共有結合性化学反応の非存在下で、懸濁液中で起こり、フォトニック部分が、BRETを実現するのに十分に分子に近接する見込みを無くしている。第2に、この現象は、これらの部分が巨視的な距離によって物理的に分離されている条件下で効率的に再現され、放射励起−発光のより特徴的なものである。
本発明者らは、FUEL効果は、任意の分子間エネルギー移動プロセスによって実現され得るより並外れて遠いミリメートルの距離にわたって起こり得ることを実証した。したがって、光子発光の得られるレッドシフトが、インビトロで準備された組織を通って強く伝播されることは興味深い。この場合、細菌単独からの光の伝播が弱いのは、青色光に特徴的なバイオフォトニック挙動、すなわち、組織中の高い散乱および吸収のためである。対照的に、本発明者らは、QDに基づくFUELは、Cy5.5フィルターを通る赤色発光光子を生じることを示し、レッドシフトされた発光は、青色−緑色光と比較して最小の散乱および吸収を経験するので、インビトロでの組織の存在下での光検出の一桁の増強を生じるのは、この特性であることを示した。FUELの略図を図11に示す。
したがって、FUELの特性は、各種用途、ならびに細菌播種(bacterial dissemination)またはホスト−病原体相互作用および応答などのインビボで実施される実験および技法に特に有利となる潜在性を有する。おそらく意外にも、生物発光細菌は、QDの近くになければならないが、BRETと一致する分子距離内である必要はないので、血液または組織などの光吸収体の存在は、FUELの特異性を実際に増大させることが明らかである。FUELによりレッドシフトされた光子は、血液および組織を通過することがより可能であり、MWBにおいて最も著しい増強を伴う。
本明細書で報告した現象および特性に基づくと、FUELは、インビボで実施される実験および技法のための特定の用途の価値を有する。
本発明者らは、生物発光大腸菌が相当な距離でQDを励起し、本発明者らがFUELと名付けたプロセスを通じて、検出される光子のレッドシフトを生み出す能力を実証した。光子は、ヘモグロビン(その様々な形態における)および組織の非常に吸収性の領域から、700〜900nmの光学的に透明な領域にシフトされる。QD705がエクスビボ条件下で存在するとき、検出可能な光子の数の著しい増加が観察される。
さらに、本発明者らは、ここで示した作動距離は、許容されるBRET条件(<10nm)よりはるかに長い(μm〜cm)ので、FUELがBRETと異なることを示した。最後に、本発明者らは、いずれのカップリング化学反応も使用することなく、放出された光子のシフトを実現した。
FUELは、BRETを補足する技法として使用することができる。BRETを使用して、動物全体の生物発光イメージングに直ちに必要でない分解能のレベルである特定のタンパク質相互作用を観察することができる。しかし、FUELは、動物全体のBLIにより妥当な、個々の臓器の規模を超える空間的分解能を有する。したがって、この2つの技法は、同様の原理を共有するが、大いに異なる用途および操作のスケールを有する。さらに、本発明者らは、FUEL効果をインビボの設定に適用することができることを提唱する。
参考文献
Figure 0005744170
Figure 0005744170
Figure 0005744170
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Claims (16)

  1. 対象とする細胞、組織、または生物中の光子生成発光性生物学的マーカーの存在を判定するための方法であって、
    a)FPP−Lが少なくとも1つの第1の光子を生成するのに適した条件を提供するステップと、
    b)前記細胞、組織、または生物に近接して配置されたFPP−Uを提供するステップであって、ステップa)の前記少なくとも1つの第1の光子が前記FPP−Uを励起し、前記FPP−Uが少なくとも1つの第2の光子を放出するステップと
    を含み、
    前記FPP−Lと前記FPP−Uが結合しておらず、かつ前記少なくとも1つの第2の光子(複数可)のそれぞれが、前記少なくとも1つの第1の光子(複数可)のそれぞれより波長が長いことを特徴とする方法。
  2. 前記FPP−Lが生物学的マーカーである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生物学的マーカーが生物発光性である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記生物学的マーカーが化学発光性である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記生物学的マーカーが蛍光性である、請求項2に記載の方法。
  6. 前記生物学的マーカーが、650nm未満の波長を有する光子を放出する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記FPP−Uが、前記生物学的マーカーより長い波長を有する光子を放出する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記FPP−Uが、650〜900nmの波長を有する光子を放出する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 細胞、組織、または生物内の少なくとも2つの光子生成生物学的マーカーの存在を判定するステップを含み、前記少なくとも2つの生物学的マーカーのそれぞれは、重ならない範囲の波長内の光子を放出し、前記光子は、それぞれが少なくとも1つの光子を放出する前記FPP−Uの少なくとも2つのサブセットのうちの少なくとも1つを励起し、前記FPP−Uの各前記サブセットによって放出される前記少なくとも1つの光子は、重ならない範囲の波長内にある、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記FPP−Uが、前記細胞、組織、または生物の特定の部分に前記FPP−Uを向ける手段を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記FPP−Uが、前記細胞、組織、または生物の内部に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記FPP−Uが、前記細胞、組織、または生物の外部に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記FPP−Uが、前記細胞、組織、または生物の内部および外部に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記FPP−Uが、量子ドット、カーボンナノチューブ、蛍光タンパク質、ダイヤモンドナノ結晶、金属ポルフィリンの群から選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 対象とする細胞、組織、または生物中の光子生成発光性生物学的マーカーの存在を判定するための方法であって、
    a)第1のFPPが少なくとも1つの第1の光子を生成するのに適した条件を提供するステップと、
    b)前記細胞、組織、または生物に近接して配置された第2のFPPを提供するステップであって、ステップa)の前記少なくとも1つの第1の光子が前記第2のFPPを励起し、前記第2のFPPが少なくとも1つの第2の光子を放出するステップと
    を含み、
    ステップb)が少なくともさらに1回繰り返され、各追加のステップについて、前記第1のFPPまたは第2のFPP以外のさらなるFPPが前記細胞、組織、または生物に近接して配置され、前記さらなるFPPは、以前のステップにおいて放出された少なくとも1つの光子によって特異的に励起され、次に少なくとも1つのさらなる光子を放出し、 最終ステップにおいて、前記少なくとも1つのさらなる光子が検出され、
    前記生物学的マーカーは、前記第1のFPPまたは前記第2のFPPであり、
    前記複数のFPPは結合しておらず、かつ前記少なくとも1つの光子(複数可)のそれぞれは、以前のステップからの前記少なくとも1つの光子(複数可)のそれぞれより波長が長いことを特徴とする方法。
  16. 請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実施するためのキットであって、
    請求項1から13のいずれか一項に記載のFPP−U分子と、
    請求項1〜6及び9のいずれか一項に記載の生物学的マーカーによって生成される光子を吸収する化合物と、
    請求項1から13のいずれか一項に記載の方法の実行に関する指示書と
    を含むキット。
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