JP2007209766A - 哺乳動物中の発光複合体の非侵襲的局在化 - Google Patents
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Abstract
、追跡するための非侵襲的方法を提供すること。
【解決手段】生きている非ヒト哺乳類対象中の異種遺伝子の発現を検出するた
めの非侵襲的方法であって、該方法が、以下:導入遺伝子を含む細胞を有する非
ヒト哺乳類対象を提供する工程であって、ここで、(i)該導入遺伝子が、生物
発光タンパク質または蛍光発生タンパク質をコードする異種遺伝子を含み、そし
て(ii)該対象は、不透明な組織を含む、工程;および不透明な組織を貫通す
る光子放射を光検出装置を用いて測定することによって、該異種遺伝子の発現を
検出する工程であって、ここで、該細胞による該異種遺伝子の発現が許容される
状況下に該対象が維持される、工程、を含む、方法。
【選択図】なし
Description
し、追跡するための非侵襲的な方法と組成物に関する。
患の進行をモニターする能力に限界がある。宿主における感染性因子の複製には
、しばしば一次、二次および三次複製部位が関与する。複製部位と、感染性因子
がそれらの部位を通過する過程は、接種経路、宿主がコードする因子、およびそ
の感染性因子の決定基に基づいて観測される。
感染部位と疾患の速度は、知られないか、あるいは大雑把にしか推定できないこ
との方が多いだろう。また感染性疾患の進行は、マウスの同系交配系でさえ、個
別的である場合が多く、実験的に感染させた宿主で疾患が平均してどのような経
過をたどるのかを決定するために、数多くの感染動物の連続的な生体外分析を行
なう必要がある。
跡を非侵襲的に行なうことができ、一匹の動物を必要な頻度で有害な影響を与え
ずに評価できれば、理想的である。本発明は、哺乳動物などの生体内の病原体と
その他の物体を検出し、位置決めし、追跡するための非侵襲的方法を提供するこ
とを目的とする。
の局在を検出する非侵襲的方法を提供する:(a)その対象に、その生物適合体
と発光成分の複合体を投与し、(b)その複合体がその対象内で局在を達成しう
る期間の後、その対象を光検出装置の検出フィールド内に固定し、(c)その対
象を固定状態に維持し、(d)維持中に、その対象中に局在した発光成分からの
光子放射を、光子放射の画像を構築することができるまで、その光検出装置で測
定し、(e)その画像を構築する。
た間隔で反復することをさらに含み得、その反復が対象中の生物適合体の局在を
経時的に追跡するのに有効であり得る。
を用いて行われ得る。
成分を含有する複合体の投与を含み得る、哺乳類対象中の腫瘍細胞の局在を検出
するための方法であり得る。
を含有する複合体の投与を含み得る、哺乳類対象中の炎症の局在を検出するため
の方法であり得る。
を含有する複合体の投与を含み得る、哺乳類対象中の病原体による感染の局在を
検出するための方法であり得る。
ィング成分を含有する複合体の投与を含み得る、哺乳類対象内の血栓性プラーク
の局在を検出するための方法であり得る。
ある複合体の投与を含み得る。
局在を検出するための方法であり得、生物適合体がその病原体であり得る。好ま
しい実施形態において、その病原体がサルモネラであり得る。
しい実施形態において、上記タンパク質がルシフェラーゼ、黄色蛍光タンパク質
およびフェレドキシンIVからなる群より選択され得る。別の好ましい実施形態
において、その投与が抗体断片と発光性タンパク質の融合タンパク質である複合
体の投与を含み得る。別の好ましい実施形態において、上記生物適合体が形質転
換細胞であり得、上記発光成分がその細胞から発現する異種遺伝子の産物であり
得る。さらに好ましい実施形態において、上記異種遺伝子の発現が活性化可能な
プロモーターの制御下にあり得る。
検出する非侵襲的方法であって、(a)その対象に、その生物適合体と発光成分
の複合体を投与し、(b)その対象を光検出装置の検出フィールド内に置き、(
c)その対象をその装置の検出フィールド中に維持し、(d)維持中に、その対
象中の発光成分からの光子放射を、その光検出装置で測定し、(e)(b)から
(d)までの工程を、選択した間隔で反復することからなり、その反復が、その
対象中の生物適合体のレベルの経時変化を検出するのに有効である方法を提供す
る。
遺伝子の組み込みを検出する非侵襲的方法を提供する:(a)その対象に、哺乳
類細胞中に有効に組み込まれ、かつ、導入遺伝子、発光性タンパク質をコードす
る遺伝子および活性化可能なプロモーターを含有するベクター構築物(ただし、
発光性タンパク質をコードする遺伝子はプロモーターの制御下にある)を投与し
、(b)その構築物が組み込みを達成しうる期間の後、プロモーターを活性化し
、(c)その対象を光検出装置の検出フィールド内に置き、(d)その対象をそ
の光検出装置の検出フィールド内に維持し、(e)維持中に、その対象中の、発
現した発光性タンパク質からの光子放射のレベルを、その光検出装置で測定し、
(f)その光子放射のレベルがバックグラウンドより有意に高ければ、その導入
遺伝子の組み込みを確認する。
ー誘導事象の局在を検出する非侵襲的方法を提供する:(a)その事象に反応す
る誘導性プロモーターとその制御下にある発光性タンパク質をコードする異種遺
伝子とを持つトランスジェニック動物中で、その事象を誘発し、(b)その動物
を光検出装置の検出フィールド内に置き、(c)その動物を固定状態に維持し、
(d)維持中に、その動物内に局在する発現した発光性タンパク質からの光子放
射を、光子放射の画像を構築することができるまで、その光検出装置で測定し、
(e)その画像を構築する。
伝子で形質転換されたサルモネラを提供する。
的方法を包含する。その生物適合体は分子であってもよいし、巨大分子、細胞、
微生物(病原体を含む)、あるいは粒子などであってもよい。
例、光を放射する分子または高分子(巨大分子)である。この成分は、放射吸収
の結果として発光したり(例えば蛍光性または燐光性分子)、あるいは化学反応
の結果として発光することができる(例えば生物発光タンパク質)。発光成分の
典型例は、ルシフェラーゼやエクオリンのような生物発光タンパク質および、黄
色蛍光タンパク質やフェレドキシンIVのような有色または蛍光タンパク質であ
る。
込み、抗体断片と発光性タンパク質の融合タンパク質など)、合成後の化学的カ
ップリング、非共有結合的会合(例えばリポソームによる封入)、物体内でのi
n situ合成(例えば形質転換細胞における異種生物発光タンパク質の発現
)、またはプロモーター誘導物質で剌激されたトランスジェニック動物の細胞に
おける生物発光タンパク質の活性化可能なプロモーター制御性のin situ
発現(例えばウイルスの感染によって刺激されたインターフェロン活性化プロモ
ーター)などといった様々な技術により、物体と複合させることができる。
光検出装置で)測定して画像を構築するのに有効な期間、光検出装置の検出フィ
ールド内に固定する。典型的な光検出装置は、画像処理装置に接続した増倍化電
荷結合素子(ICCD)カメラである。”固定されていない”対象が動く時間ス
ケールに比べて短い時間内に画像を構築できるのであれば、対象は撮像中本質的
に”固定されている”ことになり、特別な固定措置は必要ない。次に、光子放射
データから画像を構築する。
より、上述の方法で、対象内の物体の局在を経時的に追跡することができる。
物体上にターゲッティング成分を結合したり、複合させたり、あるいは組み込む
ことにより、数多くの特定の応用に、上述の方法を使用することができる。ター
ゲッティング成分はその物体(例えば抗体または抗体断片)固有の特性であって
もよいし、あるいはターゲッティング成分を物体に複合させたり、結合したりま
たは組み込んでもよい(例えば抗体を含有するリポソーム)。ターゲッティング
成分の例には、抗体、抗体断片、酵素阻害因子、レセプター結合分子、種々の毒
素などがある。ターゲッティング成分の標的としては、炎症部位、感染部位、血
栓性プラーク、腫瘍細胞などを挙げることができる。これらの標的を特徴づける
、ターゲッティング成分による認識に適したマーカーは、よく知られている。
れば、この方法で、動物モデル内の病原体による感染部位を検出し、局在化(定
位)することができる。
に検出する非侵襲的方法を包含する。この方法は上述の方法に似ているが、必ず
しも物体を画像の形で局在化するわけではなく、対象内での物体のレベルの変化
を経時的に検出するよう設計される。この方法は、物体(例えば発光性細菌)の
レベルに対する治療用物質(例えば抗生物質)の効果を経時的にモニターするの
に、とりわけ有用である。
検出する非侵襲的方法を包含する。この方法では、哺乳類細胞に導入遺伝子を組
み込むのに有効なべクター構築物を、対象に投与する。そのような構築物は当技
術分野ではよく知られている。この構築物は、効果的な組込みに必要な要素に加
えて、導入遺伝子(例えば治療用遺伝子)と、発光性タンパク質をコードする遺
伝子とを、選択した活性化可能なプロモーターの制御下に含有する。その構築物
が組み込みを達成しうる期間の後、そのプロモーターを活性化する。例えば、イ
ンターフェロンプロモーターを使用した場合は、ポリイノシン−ポリシトシン二
重鎖(ポリIC)を局所投与(例えば足蹠注射)することにより、インターフェ
ロン産生を刺激することができる。次に、対象を光検出装置(例えば光増倍性”
暗視”ゴーグルをつけた人)の検出フィールド内に置き、光子放射のレベルを測
定または評価する。そのレベルがバックグラウンドを超える場合(すなわち光が
”活性化した”領域に優先的に検出されうる場合)、その対象は当該導入遺伝子
を組込んでいると記録される。
性プロモーターの制御下に含む構築物でトランスジェニックまたはキメラにした
動物におけるプロモーター誘導事象の局在を検出する非侵襲的方法を包含する。
プロモーター誘導事象には、そのプロモーターを直接活性化する物質の投与、内
因性プロモーター活性化因子の産生を刺激する物質の投与(例えばRNAウイル
ス感染によるインターフェロン産生の剌激)、内因性プロモーター活性化因子の
産生をもたらす状態に置くこと(例えば熱ショックまたはストレス)などがある
。この事象を誘発し、上述のように動物を撮像する。
を発現させる遺伝子で形質転換された病原体(例えばサルモネラ)を包含する。
に有効な治療用化合物を同定する方法をも包含する。この方法では、病原体と発
光成分の複合体を対照動物と実験動物に投与し、その実験動物を治療用化合物候
補で処置し、上述の方法によって対照動物内と実験動物内の発光性病原体を局在
化し、その化合物が対照動物と比較して実験動物における病原体の蔓延または複
製を有意に抑制する効力をもつのであれば、その化合物を治療上有効であると認
める。複合体としては、蛍光標識された抗体、蛍光標識された粒子、蛍光標識さ
れた小分子などが挙げられる。
を持つ媒質を通して局在化する方法を包含する。この方法では、光検出装置を用
いて、その媒質を透過した光子を検出し、その光子を経時的に積分し、積分した
その信号に基づいて画像を作成する。
例えば溶存酸素またはカルシウム)の濃度を測定する方法を包含する。この方法
には、濃度センサー(すなわち発光する能力が選択した物質の濃度に依存する発
光性分子)を含有する物体(例えば細胞)が含まれる。その発光性分子を含有す
る物体を、動物内もしくは特定の組識または器官系(例えば脾臓)内に実質上均
一に分布するように投与する。その生物を撮像する。光放射の強度と局在は、選
択した物質の濃度と位置に相関する。別法として、当該物体は、第2の標識、例
えば濃度センサーとは異なる波長で発光することができる分子を含有する。この
第2標識を用いて宿主における物体の分布の非均一性を規格化すれば、選択した
物質の濃度をより正確に決定することができる。
制するのに有効な治療用化合物を同定する方法を包含する。この方法では、(i
)発光成分で標識した腫瘍細胞または発光成分を含有する腫瘍細胞を実験動物群
と対照動物群に投与し、(ii)その実験群を選択した化合物で処置し、(ii
i)腫瘍細胞に付随する発光性分子からの光子放射を光検出装置で撮像すること
によって、両群の動物中の腫瘍細胞を局在化し、(iv)その化合物が対照群と
比較して実験群における腫瘍の増殖および/または転移性伝播を有意に抑制でき
るならば、その化合物を治療上有効であると認める。
合わせて読むことにより、より完全に理解されるだろう。
出し、位置決めし、追跡するための非侵襲的方法が提供される。
特に明示しない限り、本明細書で使用する用語はすべて、本発明の技術分野で
使用される通常の意味を持つ。
も完全に不透明であるとは限らない。したがって不透明媒質とは、一般に透明で
なく半透明でもないとみなされる媒質をいい、これには木片や哺乳動物の肉およ
び皮膚などが含まれる。
ルシフェラーゼが含まれ、また、赤色領域の波長で発光するルシフェラーゼのよ
うな光学特性が変異または変化した変種も含まれる。
て有害でありうる病原体も含まれる。発光性タンパク質を発現させる導入遺伝子
を含有する細胞を持つ動物の場合、生物適合体とは、その哺乳動物を構成する導
入遺伝子含有細胞を指す。
mの間の波長を持つ電磁放射線をいう。
とコロニー形成を指す。ただしこの用語には、最初の感染部位における病原体の
大きさおよび/または数の増大も含まれうる。
的誘導をもたらす事象を指す。
子とは、形質移入または形質転換された細胞のゲノムDNAに元来由来しない遺
伝子を指す。
本発明は、哺乳類対象中の発光性複合体の非侵襲的撮像および/または検出に
関する方法と組成物を包含する。この複合体は、生物適合体と発光成分とを含有
する。生物適合体には、環状有機分子などの小分子;タンパク質などの高分子;
ウイルス、細菌、酵母、カビなどの微生物;あらゆるタイプの病原体および病原
性物質;ビーズやリポソームなどの粒子が含まれるが、これらに限らない。また
、生物適合体は、撮像される哺乳類対象を構成する細胞の全部または一部であっ
てもよい。
は、蛍光分子、蛍光タンパク質、光子を放出する酵素反応、生物発光タンパク質
などの発光物質がある。複合体化(共役)には、化学的カップリング、融合タン
パク質の遺伝子操作、あるいは生物発光タンパク質を発現させる細胞、微生物ま
たは動物の形質転換が含まれうる。例えば、その物体が撮像する哺乳類対象を構
成する細胞である場合、その発光成分はその細胞に「共役(複合)」させた生物
発光タンパク質または蛍光タンパク質であってよく、それはトランスジェニック
動物またはキメラ動物の作出によりその細胞内に導入されたべクター構築物から
のプロモーター制御的発現の局在性による。
れを撮像する。撮像または対象からの光子放射の測定は数十分間続くことがある
ので、常にそうであるとは限らないが、通常は撮像工程中、対象を固定しておく
。
の構築が可能になるまで光子放射を積分できる光検出器の使用を必要とする。そ
のような高感度光検出器の例には、単一光子事象を増幅した後、検出系に固有の
背景ノイズに対して単一光子を検出できる(例えば液体窒素で冷却された)カメ
ラまたはカメラ群で、その事象を検出する装置がある。
系を与えるため(すなわち対象に関して発光性複合体を局在化するため)に、そ
れをその対象の”通常の”反射光画像に重ね合わせる。次に、そのような”合成
”画像を分析することにより、対象内の標的の位置および/または量を決定する
。
(A.発光成分)
本発明の実施に有用な発光成分(light−generating moi
ety;LGM)、発光分子または発光構築物は、その応用に応じて様々な形態
のいずれをとってもよい。これらに共通する特徴は、それらが発光性であるとい
うこと、すなわちそれらが電子的励起状態から、より低いエネルギー状態(通常
、基底状態)への遷移の結果として、原子または分子から紫外(UV)、可視お
よび/または赤外(IR)領域の電磁放射線を放射するということである。
などの光冷光(フォトルミネセンス)分子がある。
である。これらについては、スペクトル特性に関する一般的議論の後、後述する
発光成分の特定のタイプに関連して議論する。
本発明の重要な側面は、非侵襲的に外部から検出できるように動物組識を貫通
しうる光を生成する発光成分の選択である。光が動物組識(ほとんど水からなる
)のような媒質を通過する能力は、主として、その光の強度と波長によって決ま
る。
生成する光の強度は、後述する個々のLGMのスペクトル特性と、単位体積中の
当該成分の濃度に依存する。したがって、通例、物体内または物体上に高濃度の
LGMを配置する共役法(例えばリポソームの高効率負荷や、細胞内での生物発
光タンパク質の高レベル発現など)により、例えば各物体にLGMを一つだけ共
役させる方法よりも深い組識層を通して検出することが容易な、より明るい発光
性複合体(light−emitting conjugate; LEC)を
作成する。
ほとんどの組織は主として水からなっているので、動物組識の吸収特性を近似す
るには水を使用することができる。水が長波長光(赤色領域の光)を短波長光よ
り容易に透過させることはよく知られている。
するLGMの方が、より短い波長で放射するLGMより好ましい。後述するLG
Mのいくつかはこの範囲で放射する。しかし、本発明の裏付けとして行なった後
述の実験によれば、486nm域で放射するLGMで本発明を実施すると、それ
が最適な放射波長でないという事実にもかかわらず、良好な結果を得ることがで
きる。これらの結果は、これらの実験で使用したLEC(形質転換サルモネラ細
胞)内に比較的高濃度のLGM(ルシフェラーゼ分子)が存在することと、高感
度な検出器を使用したことが、その一因だと考えられる。より最適な放射波長を
持つLGMを使用すれば、より低濃度のLGMを持つLGEで同様の検出結果が
得られることは、理解されるだろう。
蛍光は、放射線源の除去後極めて短い持続時間を持つ単一の電子励起状態から
生じる物質の発光である。励起光の一部はその蛍光分子によって熱に変換される
ので、放射される蛍光の波長は励起光の波長より長い(ストークスの法則)。
る蛍光分子の使用は、生物発光分子の使用よりも複雑になるだろう。通例、対象
から検出される蛍光光子シグナルを汚染しないように、励起光を遮蔽する予防措
置がとられる。自明の予防措置としては、蛍光顕微鏡で使用されるような励起フ
ィルターを放射線源に設置することが挙げられる。適切に選択された励起フィル
ターは、蛍光成分によって放射される光子の波長と類似する波長を持つ光子の大
半を遮断する。また、蛍光光子の波長以外の波長を持つ光子の大半をふるい落と
すために、障壁フィルターを検出器に使用する。上述のようなフィルターは、O
mega Optical社(バーモント州ブラトルバロ)を含む様々な商業的
供給源から入手できる。
るレーザーを使用して、蛍光成分を励起させることもできる。例えば共焦点顕微
鏡のようにレーザーが対象を走査できるように、x−y変換機構を使用してもよ
い。
に通過したものだけとなるように、放射線源を対象の背後に設置し、遮蔽するこ
ともできる。さらに、蛍光成分を励起するために使用する光の波長に対して低い
感度を持つ検出器を選択してもよい。
能である。
パク質(Chalfieら,1994,Science 263:802−80
5;MorinおよびHastings,1971,J.Cell.Physi
ol.77:313)やルマジンおよび黄色蛍光タンパク質(O’Kaneら,
1991,PNAS 88:1100−1104;Daubnerら,1987
,PNAS 84:8912−8916)のような蛍光タンパク質が挙げられる
。また、ある種の有色タンパク質、例えばフェレドキシンIV(Grabauら
,1991,J.Biol.Chem.266:3294−3299;その蛍光
性はまだ評価されていない)などにも蛍光性があって、本発明で使用できるかも
しれない。フェレドキシンIVは赤みがかった色を持ち、それは比較的長波長で
蛍光または反射して組識を貫通するのに有効な光を生じる可能性を示すので、特
に有望な候補である。さらに、この分子はタンパク質としては小さいので(95
アミノ酸)、物体に共役させた時に、それらの機能に与える影響を最小限に抑え
ることができる。
が、より大きな発光成分よりも少ないということである。また、本発明での使用
に適した種々の励起および放射スペクトルを持つ市販の蛍光分子を入手すること
もできる。例えばMolecular Probes社(オレゴン州ユージーン
)は、ルシファーイエロー(428nmで吸収し、535nmで放射)やナイル
レッド(551nmで吸収し、636nmで放射)を含む多数の発蛍光団を販売
している。さらに、種々の結合法で使用できる様々な基で誘導体化された分子も
(例えばMolecular Probes社から)入手することができる。
化学発光(化学反応の結果としての発光)と生物発光(生体からの可視発光)
は、多くの側面から詳細に研究されている(例えばCampbell,1988
,Chemiluminescence.Principles and Ap
plications in Biology and Medicine(英
国チチェスター;Ellis Horwood社およびVCH出版社))。以下
に顕著な特徴を簡単に要約する。
で、蛍光分子とは異なる。むしろ生物発光分子は、ATPなどの化学エネルギー
を利用して光を発生させる。蛍光成分に対する生物発光成分の利点は、そのシグ
ナルに事実上バックグラウンドがないということである。検出される光は、外来
の生物発光成分によって生成した光だけである。これに対して、蛍光分子を励起
するために使用される光は、しばしば意図する標的以外の物質の蛍光をもたらす
。これは”バックグラウンド”が生きている動物の内部環境のように複雑な場合
は、とくにそうである。
ゼファミリー(例えばWoodら,1989,Science 244:700
−702)や、エクオリンファミリー(例えばPrasherら,Bioche
m.26:1326−1332)がある。ルシフェラーゼファミリーの要素は、
種々の原核生物と真核生物で同定されている。原核発光(lux)系に関与する
ルシフェラーゼその他の酵素と、それに対応するlux遺伝子は、ビブリオ(V
ibrio)属とフォトバクテリウム(Photobacterium)属の海
生細菌およびキセノラブダス(Xenorhabdus)属の陸生細菌から単離
されている。
Photinus pyralisである。ホタルルシフェラーゼは詳細に研究
されており、ATPアッセイに広く使用されている。コメツキムシの一種 Py
rophorus plagiophthalamus由来のルシフェラーゼを
コードするcDNAが、クローン化され、発現されている(Woodら,198
9,Science 244:700−702)。この甲虫は、種の異なる要素
が異なる色の生物発光を放射する点で珍しい。互いに95〜99%の相同性を持
つ4種類のクローンが単離された。それらは546nm(緑色)、560nm(
黄緑色)、578nm(黄色)、および593nm(橙色)の光を放射する。最
後の種類(593nm)は、その放射光がそれより短い波長の光よりも容易に組
識を貫通する波長を持つので、本発明で発光成分として使用するには特に好都合
である。
ルギー源と、ルシフェリンまたはコエレントリジン(coelentrizin
e)と酸素などの基質を必要とする。
素に供給しなければならない。ルシフェラーゼ酵素がluxルシフェラーゼをコ
ードするcDNAを含有するベクターの発現産物として導入される場合、ルシフ
ェリンを供給する便利な方法は、ルシフェラーゼを発現させるだけでなく、ルシ
フェリンを合成するための生合成酵素をも発現させることである。そのような構
築物で形質転換された細胞では、生物発光に必要な外因性要素が酸素だけになる
。そのような方法(実施例1に詳述)を用いてlux形質転換サルモネラを作成
し、それを使って本発明を裏付ける後述の実験を行なう。
ロンをコードするプラスミド構築物(Frackmanら,1990,J.Ba
ct.172:5767−5773)は、ヘテロ二量体ルシフェラーゼの2つの
サブユニットと3つの補助タンパク質を発現させることにより、形質転換大腸菌
に光子放射能を付与する(Frackmanら,1990)。X.lumine
scensのlux遺伝子を発現させる大腸菌の最適な生物発光は37℃で観察
され(SzittnerおよびMeighen,1990,J.Biol.Ch
em.265:16581−16587;Xiら,1991,J.Bact.1
73:1399−1405)、これは真核発光生物や他の原核発光生物由来のル
シフェラーゼの低い最適温度と対照的である(Campbell,1988,C
hemiluminescence.Principles and Appl
ications in Biology and Medicine(英国チ
チェスター:Ellis Horwood社およびVCH出版社))。したがっ
てX.luminescens由来のルシフェラーゼは、動物中での研究にマー
カーとして使用するのに適している。
の細菌と多くの真核細胞(luc構築物)を含む様々な宿主細胞の形質転換に使
用できる。また、ヘルペスウイルスやワクシニアウイルスのようなある種のウイ
ルスは、ルシフェラーゼを発現させるように遺伝子操作することができる。例え
ば、Kovacs Sz.およびMettenlieter,1991,J.G
en.Virol.,72:2999−3008には、ヘルペスウイルス内のホ
タルルシフェラーゼをコードする遺伝子の安定な発現が記述されている。Bra
sierおよびRon,1992,Meth.in Enzymol.216:
386−396には、哺乳類細胞内でのルシフェラーゼ遺伝子構築物の使用が記
述されている。培養哺乳類細胞からのルシフェラーゼ発現は、CCD撮像法で巨
視的(IsraelおよびHonigman,1991,Gene 104:1
39−145)にも微視的(Hooperら,1990,J.Biolum.a
nd Chemilum.5:123−130)にも研究されている。
本発明は、上述のような発光成分、発光性構築物または発光分子を含むように
修飾したまたは共役させた物体を包含する。そのような共役体または修飾体を、
発光体、発光性複合体(LEC)または単に複合体という。これらの物体自体は
、例えば分子、高分子、粒子、微生物または細胞などの形態をとることができる
。発光成分を物体に共役させる方法は、その成分と物体の性質に依存する。代表
的な共役法については、後述の物体に関連して議論する。
本発明の実施に有用であろう小分子物体としては、病原体もしくは内因性リガ
ンドまたはレセプターと特異的に相互作用する化合物が挙げられる。そのような
分子の例には、薬物や治療用化合物;ある種のクモ、ヘビ、サソリ、渦鞭毛藻類
、海性巻貝、細菌を含む有毒生物の毒液中に存在するような毒素;NGF、PD
GF、TGF、TNFなどの増殖因子;サイトカイン;生理活性ペプチドなどが
あるが、これらに限るわけではない。
小限であるような発光成分(例えば小さい蛍光分子(上述))と共役(結合)さ
せることが好ましい。結合の性質は通例化学的であり、当業者の知る様々な方法
のいずれで行なってもよい。
合成することができる。また、発光成分と反応できる反応性基を持つ小分子物体
を合成したり、その逆を行なうこともできる。
使用してもよいし、処置すべきヒト対象で直接使用してもよい。例えば、腫瘍細
胞上に発現するレセプターに高い親和力で結合する小分子を動物モデルで使用す
ることにより、腫瘍を局在化し、その大きさの推定値を得たり、治療薬候補によ
る処置後の腫瘍の増殖または転移の変化をモニターすることができる。また、そ
のような分子を用いて、癌患者中の上述のような腫瘍の特徴をモニターすること
もできる。
ポリマーや生体ポリマーのような高分子は、本発明の実施に有用な物体のもう
1つの例である。代表的な高分子には、抗体、抗体断片、融合タンパク質、ある
種のベクター構築物がある。
1988,Antibodies:A Laboratory Manual,
第10章,402頁,Cold Spring Harbor Press)に
よって作成した抗体または抗体断片を用いて、それら抗体を発光成分と結合し、
その複合体を対象に例えば注射などによって投与し、その複合体を抗原の部位に
局在させ、その複合体を撮像することにより、哺乳類対象内の抗原を局在化する
ことができる。
つ。これらはその性質上、それら自体がターゲッティング成分を構成する。さら
にその大きさゆえに、小さい蛍光分子、蛍光タンパク質および生物発光タンパク
質を含む数タイプの発光成分との結合に馴染みやすく、また、例えば細胞やリポ
ソームなどと比較して、迅速に拡散できる。
二次抗体などを用いて間接的に結合させることもできる。直接的結合は、抗体ま
たは抗体断片に対する例えば発蛍光団の一般的な化学的結合によって、あるいは
遺伝子操作によって行なうことができる。蛍光タンパク質または生物発光タンパ
ク質に結合した抗体または抗体断片を含有するキメラまたは融合タンパク質を構
築することができる。例えばCasadeiら,1990,PANS 87:2
047−2051には、エクオリンと抗体の融合タンパク質遺伝子を哺乳類細胞
内で発現させることができるベクター構築物の作成法が記述されている。
に発現するE−セレクチンに対する標識抗体を使用して、その炎症を局在化し、
抗炎症薬候補の効果をモニターすることができる。
、発光性分子をコードする遺伝子と治療用遺伝子とを、選択したプロモーター(
すなわち当該治療用遺伝子が標的とする細胞内で発現するプロモーター)の制御
下に含有する真核発現ベクターを構築することができる。本発明の方法を用いて
アッセイされるその発光性分子の発現は、その治療用遺伝子の発現位置と発現レ
ベルを決定するために使用できる。その治療用遺伝子の発現が、処置される人ま
たは動物モデル内で直接的な表現型を持たない場合に、この方法はとりわけ有用
だろう。
本発明のある種の側面で有用なもう1つの物体はウイルスである。多くのウイ
ルスは哺乳類宿主に感染する病原体であるから、それらのウイルスを発光成分と
共役させ、初期感染部位と感染の蔓延を研究するために使用することができる。
また、発光成分で標識したウイルスは、感染もしくは感染の蔓延を抑制する薬物
のスクリーニングに使用することもできる。
例えばウイルス粒子を(Dhawanら,1991,J.Immunol.14
7(1):102の方法などで)ビオチニル化した後、それらを検出可能成分(
例えば蛍光分子)と結合したストレプトアビジンにさらすことにより、間接的に
標識することができる。
,1992,J.Clin.Micro.30(4):905の方法を用いて直
接標識してもよい。また、発光性タンパク質を発現させるようにウイルスを遺伝
子操作することもできる。ヘルペスやワクシニアのようなある種のウイルスのゲ
ノムは、本発明の裏付けとして行なった実験で使用したlux遺伝子やluc遺
伝子のような大きさの遺伝子を十分に順応させうるほどに大きい。
の進行をモニターすることができ、また感染の蔓延を抑制するのに有効な薬物を
スクリーニングすることもできる。例えば、ヘルペスウイルス感染症は皮膚病変
として現われるが、このウイルスはヘルペス脳炎をも引き起こしうる。上述の方
法のいずれかで標識したウイルスを用いることにより、このような感染症を局在
化し、モニターすることができると共に、様々な抗ウイルス剤を中枢神経系(C
NS)感染症におけるその効力について調べることができる。
ビーズ、リポソームなどを含む粒子は、本発明の実施に有用なもう1つの物体
を構成する。これらはサイズが大きいので、粒子には、例えば小分子などの場合
よりも多数の発光成分を共役させることができる。これは、より短い露光時間で
、またはより厚い組識層を通して検出することができる、より高濃度の光放射を
もたらす。また、本質的に純粋なターゲッティング成分またはリガンド(例えば
抗原や抗体)をその表面に含むように、リポソームを構築することもできる。さ
らに、例えば生物発光タンパク質分子などを比較的高濃度に、リポソームに負荷
することもできる(Campbell,1988,Chemiluminesc
ence.Principles and Applications in
Biology and Medicine(英国チチェスター:Ellis
Horwood社およびVCH出版社))。
ように、同じ細胞タイプに向かわせることもできる。例えば一方のリポソームに
ルシフェラーゼを担持させ、他方にルシフェリンを担持させることができる。こ
れらのリポソームはターゲッティング成分を保持してもよく、2つのリポソーム
上のターゲッティング成分は同じであってもよいし、異なってもよい。感染細胞
上のウイルスタンパク質は、感染した組識または器官の同定に使用できる。免疫
系の細胞は、単一のまたは複数の細胞表面マーカーを用いて局在化することがで
きる。
ームの表面を、例えばリン脂質−ポリエチレングリコール複合体の組み込みなど
によってコーティングすることが好ましい。このタイプのリポソームはよく知ら
れている。
細胞は、原核、真核共に、本発明の実施に有用なもう1つの物体を構成する。
細胞にも粒子と同様に比較的高濃度の発光成分を負荷できるが、細胞には、例え
ば異種遺伝子構築物で細胞をトランスフェクションすることによって、発光成分
を供給しうるという利点がある。また、”ターゲッティング成分”もしくは細胞
を対象内の所望の位置に導くのに有効な分子を発現させる細胞を選択することも
できる。別法として、適当なターゲッティング成分を発現させるベクター構築物
で細胞をトランスフェクションすることもできる。
ルモネラなどの細菌細胞を使用することにより、高レベルな時間的空間的解像度
でその感染過程を研究し、その感染過程に対する薬物または治療剤の効果を評価
することができる。
ることにより、高レベルの発光成分や高レベルのターゲッティングタンパク質を
容易に発現させることができる。また、表面結合型抗体を発現させる細菌を含む
大腸菌ライブラリーを得て、それをスクリーニングすることにより、選択した抗
原に対する抗体を発現させるコロニーを同定することも可能である(Strat
agene社,カリフォルニア州ラホーヤ)。次に、このコロニーから得た細菌
を、発光性タンパク質の遺伝子を含有する第2のプラスミドで形質転換し、形質
転換体を本発明の方法で上述のように使用することにより、哺乳類宿主内の当該
抗原を局在化できる。
、その感染過程を生体内で追跡したり、新しい抗生物質などの潜在的抗感染薬を
、その感染の抑制に関するそれらの効力について評価することができる。本発明
の裏付けとして行なった後述の実験によって、この応用の一例を説明する。
する適当な発現ベクターが市販されている。それらのベクターを用いて、初代培
養細胞、体細胞、リンパ細胞などを含む種々の真核細胞中で所望の発光性タンパ
ク質を発現させうる構築物を作成することができる。これらの細胞は、一過性発
現試験にも使用できるし、細胞系の場合は安定な形質転換体として選択すること
もできる。
ターのいずれかを用いて調節することができる。例えばその細胞を、発現したリ
ガンドまたはレセプターによって対象内のある部位に向かわせる発光体として使
用したい場合は、CMVプロモーターやSV40プロモーターなどの恒常的に活
性なプロモーターを使用すればよい。そのような構築物で形質転換した細胞は、
例えばその細胞を殺すことなどによって光の発生を阻害する化合物のアッセイに
も使用できる。
インによる剌激を受けたときなど、一定の条件下でのみ発光性タンパク質が発現
するように、形質転換細胞を投与してもよい。これらの剌激やその他の剌激に関
係する因子に反応するプロモーターは、当技術分野で知られている。関連する側
面として、Tet系(GossenおよびBujard,1992,PANS
89:5547−5551)のような誘導性プロモーターを使用して、発光性タ
ンパク質の発現を一時的に活性化することもできる。
胞を形質転換し、それをHIV感染のアッセイとして使用することができる(I
sraelおよびHonigman,1991,Gene 104:139−1
45)。そのような構築物で形質転換した細胞をSCID−huマウス(McC
uneら,1988,Science 241:1632−1639)に導入し
、それをヒトHIV感染症とAIDSのモデルとして使用することができる。
胞系は、腫瘍の増殖と転移をモニターするために使用できる。形質転換した腫瘍
細胞を動物モデルに注射し、腫瘍塊を形成させ、増殖阻害剤候補または転移阻害
剤候補で処置しながら、腫瘍の大きさと転移をモニターすることができる。
可能なプロモーターを含有する構築物で形質転換された細胞から作成することも
できる。
原核細胞と真核細胞の形質転換法は共に当技術分野でよく知られている(Sa
mbrookら,1989,Molecular Cloning:A Lab
oratory Manual,Cold Spring Harbor La
boratory Press,第2巻)。適当な調節因子と多重クローニング
部位を持つベクターは広く市販されている(例えばカリフォルニア州ラホーヤの
Stratagene社、カリフォルニア州パロアルトのClontech社)
(IV.発光性タンパク質をコードする遺伝子を含有するトランスジェニック
動物)
もう1つの側面として、本発明は、発光性タンパク質または発光性のタンパク
質複合体をコードする異種遺伝子構築物を含有するトランスジェニック動物を包
含する。この構築物は選択したプロモーターによって駆動され、例えば発光性タ
ンパク質の機能的発現に必要な種々の補助タンパク質や、選択マーカー、エンハ
ンサー要素などを含みうる。
発現量を増大させる。プロモーターの活性化は、選択した生物適合体またはその
一部とプロモーター要素の相互作用によって達成される。活性化がその動物の一
部でのみ起こる場合は、その部分の細胞のみが発光性タンパク質を発現させるだ
ろう。
ロモーターなど)を用いることにより、多数の異なるRNAウイルスによるトラ
ンスジェニック細胞の感染を検出できる。
ランスジェニック動物内の患部を標識し、発光成分の発現を用いて、その疾患状
態に対する処置の効果をモニターすることができる。例えば、E−セレクチンは
生体内の炎症部位に発現する(PoberおよびCotran,1991,La
b.Invest.64:301−305)。したがってE−セレクチンプロモ
ーターを単離し、それを用いてルシフェラーゼ遺伝子の発現を推進することがで
きる。
れは、例えば体内の特定の器官または組識の変性を引き起こす発病プロセスを阻
害するのに有効な化合物のスクリーニングを可能にし、また発育中の動物などに
おける細胞(例えばニューロン)の追跡を可能にする。
た、プロモーター含有ゲノムDNAを単離するために、その遺伝子のcDNAか
ら得られる情報を用いて、クローン化された遺伝子のプロモーターを単離する方
法も知られている。
対象内の意図する部位に局在した発光性複合体は、いくつかの方法で撮像でき
る。そのような撮像の指針と具体例を以下に記述する。
”標的型(targeted)”物体、すなわちターゲッティング成分(物体
を対象または動物内の特定の一部位または複数部位に局在させるように設計され
た分子または特徴)を含有する物体の場合、局在とは、対象内で束縛された”局
在型”物体と束縛されていない”遊離型”物体の間の平衡が本質的に成立した状
態を指す。そのような平衡に到達する速度は投与経路に依存する。例えば血栓を
局在化するために静脈内注射によって投与された複合体は、注射後数分以内にそ
の血栓で局在または蓄積を達成するだろう。一方、腸内の感染を局在化するため
に経口投与された複合体は、局在を達成するのに数時間を要するだろう。
物体の対象または動物内での位置をさす場合もある。例えば、本明細書に詳述す
る実験では、サルモネラを(例えば経口的に)投与し、その蔓延を時間の関数と
して追跡する。この場合、その物体は、それが投与した細菌の最初の位置を標識
し、その後の蔓延または後退を撮像によって追跡できる限りは、経口投与後直ち
に”局在型”となりうる。
在は、その動物内のある部位にそれらの細胞が定着し、腫瘍塊を形成することか
らなるだろう。
れる。例えば、対象または動物じゅうの様々な器官における酸素濃度を測定する
ために投与された複合体の場合、その複合体は、それがその対象または動物内で
本質的に定常的分布状態に到達した時に、”局在型”あるいは有益となる。
もることができる。また、時間の関数としての局在の状態は、発光性複合体を本
発明の方法に従って撮像することにより、追跡することができる。
本発明の重要な側面は、哺乳動物内からの微弱な光を妥当な時間で(好ましく
は約30分以内に)撮像することができ、その装置からの信号を使って画像を構
築できるほど充分に感度の高い光検出装置の選択である。
物の表面近くに局在した発光性複合体を検出することが可能な場合は、”暗視”
ゴーグルや、シリコン増倍管(SIT)カメラ(例えば浜松ホトニクスシステム
ズ(Hamamatsu Photonic Systems)社,ニュージャ
ージー州ブリッジウォーター)などの一般的高感度ビデオカメラを使用できる。
しかし、より一般的には、もっと高感度な光検出法が必要である。
りの光子束があまりに低くなるので、撮影対象がもはや連続的でないように見え
る。その代わりに、それは時間的にも空間的にも互いに独立した個々の光子によ
って表される。モニターで見ると、そのような画像は、それぞれが検出された単
一光子を表わす瞬く光の点のように見える。
り、画像を獲得し、構築することができる。各画像点での信号に強度値を割り当
てる従来のカメラとは対照的に、光子カウント撮像法では、信号の強度は意味を
持たない。その目的は、単に信号(光子)の存在を検出し、その位置に関して信
号の発生数を経時的に計数することである。
理装置で分析できる信号を作成することができる。
第1の種類は、光子信号の増幅とは対照的に、光子検出器内のバックグラウン
ドノイズを減少させることによって感度を得る装置である。ノイズは主として検
出器アレイを冷却することによって低減される。この装置には、”バック薄型”
冷却CCDカメラと呼ばれる電荷結合素子(CCD)カメラが含まれる。より高
感度な装置では、例えばCCDアレイの温度を約−120℃まで下げる液体窒素
を用いて、冷却が行われる。”バック薄型”とは、光子が検出されるためにたど
る光路長を短くすることによって、量子効率を増大させる超薄型バックプレート
を指す。とりわけ高感度なバック薄型低温CCDカメラは、Photometr
ics社(アリゾナ州トゥーソン)から入手できるシリーズ200カメラ”TE
CH 512”である。
第2の種類の高感度光検出器には、光子が検出スクリーンに命中する前に光子
を増幅する装置が含まれる。この種類には、マイクロチャネル増倍装置のような
増倍装置を持つCCDカメラが含まれる。マイクロチャネル増倍装置は通例、カ
メラの検出スクリーンに対して垂直かつ同延的なチャネルの金属アレイを含有す
る。マイクロチャネルアレイは撮像しようとする試料、対象または動物とカメラ
の間に設置される。このアレイのチャネルに侵入する光子の大半は、チャネルを
抜け出す前にチャネルの側面と接触する。アレイを横切ってかけられた電圧は、
各光子衝突から多くの電子を放出させる。このような衝突から生じた電子は、そ
れらが発生したチャネルから”散弾銃”式に抜け出して、カメラによって検出さ
れる。
すように、増倍マイクロチャネルアレイを直列に設置すれば、さらに高感度を得
ることができる。しかし感度を増大させると、空間的解像度が犠牲になり、その
空間的解像度は増幅段階を追加するごとに低下する。
su社から入手できるC2400シリーズである。
光子を計数する光検出装置によって生成した信号は、例えばモニターに表示し
たり、ビデオプリンターでプリントできる画像を構築するために、画像処理装置
で処理する必要がある。そのような画像処理装置は、通例、上述の高感度光子計
数カメラを含むシステムの一部として販売されており、したがって同じ供給者(
例えばPhotometrics社やHamamatsu社)から入手できる。
他の業者から入手した画像処理装置も使用できるが、一般的には、機能的なシス
テムを構築するのに、より多くの努力が必要になる。
e Computer社,カリフォルニア州キューパーティーノ)のようなパー
ソナルコンピューターに接続する。このパーソナルコンピューターは購入した撮
像システムの一部として含まれている場合もあるし、含まれていない場合もある
。画像がデジタルファイルの形になったら、それを様々な画像処理プログラム(
例えばAdobe Systems社(カリフォルニア州マウンテンビュー)の
”ADOBE PHOTOSHOP”など)で操作し、印刷することができる。
(1.装置の検出フィールド)
装置の検出フィールドとは、光子放射の一貫した測定値が得られる領域をいう
。光学レンズを使用するカメラの場合、検出フィールドとは、単に、そのレンズ
がそのカメラに与える視野である。また、光検出装置が”暗視”ゴーグルである
場合、検出フィールドとはそのゴーグルの視野である。
ーブルの末端が規定する表面であってもよい。そのアレイは、ケーブルの末端が
カバーする領域(ケーブル間の空隙と相反する)が最大になるように構築され、
対象に極めて近接して設置される。例えば、プレクシグラスなどの透明素材を対
象に隣接して設置し、その透明素材に隣接して、対象とは反対側から、アレイを
固定することができる。
装置の入力末端などの検出装置または増倍装置に直接接続することができ、そう
すればレンズの必要がなくなる。
つ/または、レンズを排除することにより、光子の散乱および/または損失が減
少することにある。本発明の裏付けとして行なった実験で使用した60mm A
Fニッコールマクロレンズのような高透過性レンズでさえ、フロントレンズ要素
に到達する光の一部しか透過させない。
きる。光ダイオードアレイを比較的柔軟なシートに組み込めば、実施者は、その
アレイを対象のまわりに部分的に”巻き付ける”ことができる。この方法も光子
の損失を最小限にし、さらに生物発光の三次元画像を得る手段にもなる。
などを含む他の方法を使用して、三次元画像を作成してもよい。
うことは理解されるだろう。例えば対象の特定の領域に局在することがわかって
いる発光性複合体を測定する場合、所望の情報を得るには、その領域とその周囲
の十分な”暗”帯域からの光だけを測定すれば足りる。
対象の2次元または3次元画像を作成したい場合、光子放射を測定している間
は、対象を光検出装置の検出フィールド内に固定しておく場合がある。約20ミ
リ秒未満で測定した光子放射から画像を構築できるほどに信号が明るく、対象が
特に動揺していない場合は、測定期間の開始時に対象が検出装置のフィールド内
にあることを保証する以外に、特別な固定措置は必要ないだろう。
る場合は、構築された画像に空間情報が保存されるように、その対象の動揺の程
度に合わせて、光子放射測定中、対象の不動を保証するための予防措置を考慮す
る必要がある。例えば対象が人で、光子放射測定時間が数秒程度の場合は、その
対象に光子放射測定(撮像)の間できるだけじっとしておいてくれるように頼む
だけでよいだろう。これに対し、対象がマウスのような動物である場合は、その
対象を例えば麻酔や機械的拘束具を用いて固定できる。
材クッション上に固定して、マウスを数十秒ないし数分間固定するのに有効な拘
束具を作ることができる。そのクッションは、一端に、動物の頭部用のくぼみを
持つ。動物は、その頭部がくぼみの上になり、息は自由にできるが、その体の動
きは発泡材クッションによって束縛されるように、プレクシグラスの下に置かれ
る。
期間が長くても、その対象を固定する必要はない。必要なことは、撮像の間、対
象を光検出器の検出フィールドに閉じ込めておくことだけである。しかし、その
ような測定中、対象を固定しておけば、検出される光子が通過する組識の厚さが
動物間でより均一になるから、得られる結果の整合性が向上するであろうことは
理解されるだろう。
(1.蛍光発生成分)
蛍光発生成分の可視化には、光検出器と共に、励起光源が必要である。またそ
の励起光源が、発光成分からの光子放射を測定している間、点灯されることも理
解されるだろう。
て情報に富む画像の構築を容易にするが、これらについては蛍光発生成分に関す
る項で上述した通りである。
組識による光散乱は、総光子放射の測定によるLGMの撮像で得ることができ
る解像度を制限する。本発明が、対象内の選択した点に集中させることができ、
しかも組織内で有意に散乱しない外部源に、LGMの発光を同期させることによ
って、解像度のより高い画像を構築できる態様をも包含することは、理解される
だろう。例えば、集束させた超音波信号を使って、撮像する対象を三次元的に走
査することができる。超音波の焦点内にある領域からの発光は、その超音波によ
って光に与えられた特徴的な振動により、他の光子放射から分離することができ
る(例えばHoustonおよびMoerner,米国特許第4,614,11
6号,1986年9月30日発行)
(E.光子放射画像の構築)
発光成分が例外的に明るいため、かつ/または、発光性複合体が対象の表面近
くに局在するために、”暗視”ゴーグルまたは高感度ビデオカメラを使って画像
を得た場合は、単に画像を見るか、ビデオモニターに表示するだけである。所望
であれば、分析または印刷用に個々のビデオフレームをメモリーに保存でき、か
つ/または、コンピューターで分析と印刷用に画像をデジタル化できる画像処理
装置に、ビデオカメラからの信号を迂回させることができる。
で検出した光子の数を表わす数字の配列が、画像処理装置内に生成する。これら
の数字を用いて、通常は光子数を(一定の予め選択した値、またはいずれかのピ
クセルで検出された最大数に対して)規格化し、その規格化した数値を明るさ(
グレースケール) または色(擬似色)に変換して、それをモニターに表示する
ことにより、画像を作成する。擬似色表示の場合、典型的な色の割り当ては次の
通りである。ゼロ光子カウントのピクセルには黒色を、低いカウントには青色を
、カウントが増加するほど波長の長い色を割り当て、最高光子カウントには赤色
を割り当てる。モニター上の色の位置は光子放射の分布を表わし、したがって発
光性複合体の位置を表わす。
だ固定されている)対象のグレースケール画像を構築する。このような画像は、
例えばかすかなルームライトのなかで撮像室または撮像箱に向かって扉をあけ、
反射した光子を(通例、光子放射を測定するのに要する時間のごく一部に相当す
る時間)測定することによって構築できる。このグレースケール像は、光子放射
を測定する前に構築してもよいし、光子放射を測定した後に構築してもよい。
する光子放射の合成画像を作成する。
果を記録するために、発光性複合体の局在および/または発光性複合体からの信
号を経時的に追跡したい場合は、光子放射の測定または撮像を選択した時間間隔
で反復することにより、一連の画像を構築することができる。間隔は数分程度の
短いものであってもよいし、数日または数週間程度に長いものであってもよい。
本発明の方法および/または本発明の組成物を使用して作成した画像は、様々
な方法で分析できる。それは、単純な視覚的検査、頭脳評価および/またはハー
ドコピーの印刷から、複雑なデジタル画像分析まで様々である。分析によって得
られる情報の解釈は、観察する現象と使用した物体に依存する。
跡)であり、本発明の方法で得られる画像を、どのように分析できるかを例示す
るものである。
本発明の裏付けとして行なった実験では、マウスにおけるネズミチフス菌(S
almonella typhimurium)感染(ヒトチフスの動物モデル
)の分布を特徴づける。マウス病原性ネズミチフス菌SL1344(Hoise
thおよびStocker,1981,Nature 291:238−239
)、SL1344の非侵入性突然変異体BJ66、およびサルモネラの低病原性
LT−2株LB5000を、それぞれluxオペロンを含有するプラスミドで標
識し、マウスにおけるサルモネラ感染を局在化する実験に使用した。
(1.サルモネラ株)
マウスに対する経口および腹腔内接種によって明らかになる病原性表現型が異
なる3株のネズミチフス菌を、形質転換のために選択した。
と子牛の致死的感染症から得られたマウス株である(HoisethおよびSt
ocker,1981,Nature 291:238−239)。この株をマ
ウスに経口接種すると、細菌はリンパ系を通って全身に転移し、肝臓、脾臓およ
び骨髄のコロニー形成をもたらす(CarterおよびCollins,197
4,J.Exper.Med.139:1189−1203;Finlayおよ
びFalkow,1989,Mol.Microbiol.3:1833−18
41とHsu,1989,Microbiol.Rev.53:390−409
の総説をも参照のこと)。
は通常、マウスにおける全身性感染を引き起こさないが、この株を腹腔内接種す
ると、全身性感染が起こる。
スに対する病原性が減少しているまたは変動することが知られている研究室株で
ある。LB5000は複数の栄養要求性突然変異を含有し、ストレプトマイシン
耐性であり、経口または腹腔内接種後、マウスから浄化される。
上記3株のそれぞれを、luxオペロンをコードするプラスミドで、実施例1
に詳述するように形質転換する。土壌菌Xenorhabdus lumine
scens(Frackmanら,1990)から得られたこのプラスミドは、
ヘテロ二量体ルシフェラーゼの2つのサブユニットと、3つの補助タンパク質l
uxC、luxDおよびluxEの発現によって、大腸菌に光子を放射する能力
を与える。
細胞には、脂肪族アルデヒド基質ルシフェリンを与える必要がない。本明細書に
記述するような生体系内の真核ルシフェラーゼに基質を供給することは困難だろ
うから、X.luminescensの全luxオペロンを使用する。このオペ
ロンは、当該脂肪族アルデヒド基質を生合成するための酵素をもコードする。
ルシフェラーゼは、還元型フラビンと長鎖アルデヒドの酸化型フラビンと対応す
る長鎖脂肪酸への酸化を触媒する。アルデヒドの脂肪酸からの生成と再生には、
脂肪酸レダクターゼ複合体が必要であり、NAD(P)H: フラビンオキシド
レダクターゼが還元型フラビンを供給する。
な生物発光条件は37℃である(SzittnerおよびMeighen,19
90,J.Biol.Chem.265:16581−16587,Xiら,1
991,J.Bact.173:1399−1405)。これに対し、真核発光
生物と他の原核発光生物に由来するルシフェラーゼ類は通例、より低い最適温度
条件を持つ(Campbell,1988,Chemiluminescenc
e.Principles and Applications in Bio
logy and Medicine(英国チチェスター:Ellis Hor
wood社およびVCH出版社))。したがってX.luminescens由
来のルシフェラーゼは、動物内での研究にマーカーとして使用するのに適してい
る。
にアンピシリン耐性とカルベニシリン耐性を付与するプラスミドpGSL1(F
rackmanら,1990)を用いて、上記3株をエレクトロポレーションに
よって形質転換する。このX.luminescens luxオペロンは、l
uxA、luxB、luxC、luxDおよびluxE遺伝子を含有する(Fr
ackmanら,1990)。luxAとluxBはヘテロ二量体ルシフェラー
ゼの2つのサブユニットをコードし、luxCとluxDはルシフェラーゼ基質
の生合成酵素をコードし、luxEは調節遺伝子である。培養中の細胞に外から
ルシフェリンを供給したり、動物を基質で処置するのとは対照的に、基質生合成
用遺伝子の包含は、ルシフェラーゼに基質を提供する便利な手段である。
(1.付着性と侵入性)
上記luxプラスミドを含有する3つのサルモネラ株の付着性と侵入性を、F
inlayおよびFalkow,1989,Mol.Microbiol.3:
1833−1841に記述されているような一般的な侵入アッセイ(実施例2に
詳述)により、培養中で互いに比較、またそれらの非発光性親株と比較する。
付着細菌と細胞内細菌を定量する。付着細菌と細胞内細菌は、生きている細胞か
らの光子の放出と、溶解してその細胞溶解液をカルベニシリン含有プレートで培
養した後のコロニー形成単位との両者によって、検出、定量する。
x発現プラスミドで形質転換した上記3株の表現型は、親サルモネラ株と比較し
て有意に変化しない。また、HEp−2細胞とマクロファージからの生物発光の
強度とCFUの間には良好な相関が認められる。これらの結果は、細胞内細菌の
指標としての発光が、培養内の細菌の侵入性をアッセイする迅速な方法であるこ
とを示している。
マウス腹腔マクロファージの初代培養におけるこれら2株の付着性は同等だった
。
系の酸素要求性を調べるため、実施例3に詳述するように、細菌の10倍連続
希釈液をガラス製毛細管内に入れ、撮像する。
中に少数の細菌を含む管でさえ、空気−液体界面でのみ検出される(51中に0
.1mlの空気飽和緩衝液で最終O2濃度は5nMになる)。
かである。
光が動物組識を貫通する程度を決定するために、発光性サルモネラから放射さ
れ組識を透過した光を、単一光子を検出するために高速同時検出器を切ったシン
チレーション計数器を用いて定量する。このタイプの光電子増倍管の暗電流によ
るバックグラウンドは有意であるので、このアッセイは、比較的強い光子放射を
伴う試料に限定される。
ツジの腎臓、および子ヒツジの腎臓から得た腎臓髄質、をこの方法で比較する。
組識を貫通して検出できる光子の数は、組識を通さない対照より約10倍少ない
。
(a.経口投与)
経口接種はマウスやヒトにとって自然なサルモネラ感染経路であり、より遅延
性の疾患進行をもたらす。この接種経路によるサルモネラ感染の進行を研究する
ために、2系統のマウスを3株のサルモネラに感染させる。耐性動物を用いて得
た結果については、下記”耐性マウスの感染”という見出しの項で議論する。
、非侵入性BL66luxおよび低病原性LB5000luxサルモネラに経口
的に感染させる。その感染の進行を外部撮像法(”材料と方法”の項)によって
8日間にわたって追跡する。
物発光シグナルはすべての感染動物内で単一の病巣に局在する(図5A、5Cお
よび5E)。接種後7日までには、低病原性LB5000luxに感染したすべ
ての動物で、生物発光が消える(図5B)。これに対し、病原性SL1344l
uxに感染した動物の場合、蔓延が始まる時点は動物ごとにかなり変動するもの
の、しばしば腹腔の大半に蔓延する激しい感染を示す(図5F)。BJ66lu
xによる感染は通例、持続し、単一の部位に局在したままとなる(図5D)。
サルモネラの複製部位にルシフェリンの酸化とそれに続く発光(Campbe
ll,1988,Chemiluminescence.Principles
and Applications in Biology and Med
icine(英国チチェスター:Ellis Horwood社およびVCH出
版社))に足るO2が存在するかどうかを評価するために、呼吸している動物の
組識からの光放射を測定する。発光性のSL1344luxとLB5000lu
xを2群のBalb/cマウスの腹腔内に接種する。接種後(p.i.)32時
間の時点で、透過した光子を撮像する(図6)。
な表面上に確認され、様々な強度の焦点が見える。これらの画像は播種性感染を
示し、内臓(おそらくは肝臓と腸間膜リンパ節を含む)の広範なコロニー形成と
合致する。これに対し、LB5000luxに感染した動物からの透過光子の分
布は極めて制限されており、限定的感染を示す。
SL1344lux感染マウスは接種後4日でほぼ瀕死状態になり、安楽死させ
た。
luxルシフェラーゼの生物発光にとって十分であることを示している。また、
これらの実験は、病原性が減少した研究室株LB5000と比較して病原性株S
L1344の侵入性が強いこととも合致している。
Ity遺伝子座がヘテロ接合性を示すマウス(Ity r/s)は、ネズミチ
フス菌による全身性感染症に対して耐性である(PlantおよびGlynn,
1976,J.Infect.Dis.133:72−78)。Bcg(Gro
sら,1981,J.Immunol.127:2417−2421)またはL
sh(Bradley,1977,Clin.and Exper.Immun
ol.30:130−140)とも呼ばれるこの遺伝子座は、鼡らい菌(Myc
obacterium lepraemurium;Forgetら,1981
,Infect.Immunol.32:42−47)、ウシ結核菌(M.bo
vis;Skameneら,1984,Immunogenet.19:117
−120,SkameneおよびPietrangeli,1991,Natu
re 297:506−509)およびバテー杆菌(M.intracellu
are;Gotoら,1989,Immunogenetics 30:218
−221)のようなある種の細胞内病原体の発病プロセスを調節する。細胞内病
原体に対する耐性と感受性の同様な遺伝子制御はヒトにも存在するようである(
ヒト結核菌(M.tuberuculosis;Stead,1992,Ann
als of Intern.Med.116:937−941,Steadら
,1990,New Eng.J.Med.322:422−427)とらい菌
(M.leprae))。
、優性)とItys(感受性、劣性)で存在する。Ity遺伝子座にコードされ
ている遺伝子は、マクロファージが内部移行した病原体を破壊する能力に影響を
与え(Blackwellら,1991,Immunol.Lett.30:2
41−248(1991)による総説がある;Skameneら,1984,I
mmunogenet.19:117−120とSkameneおよびPiet
rangeli,1991,Nature 297:506−509をも参照の
こと)、それがマクロファージ媒介性とされる感染宿主内の他の部位への病原体
の輸送という下流の機能に影響を及ぼすようである。Balb/cマウスはIt
ys/sであり、129マウスはItyr/rである。ここに詳述する実験では
、ヘテロ接合性Balb/cX129マウス(Ityr/s)を使用する。
マウスを、1X107個のSL1344luxサルモネラの胃内接種によって感
染させる。そのマウスを注射後8日間(8 d.p.i)にわたって毎日撮像す
る。
される発光は接種後24時間の時点で明白であり、全ての動物で単一の部位に局
在しているようであった。その発光シグナルは試験期間(接種後8日まで)中常
に存在する。発光の強度と発光源の位置は、一匹のマウス内で経時的にいくらか
変動し、またマウスごとにも変動しうる。いずれの感染動物でも発光組識は盲腸
であり(下記参照)、所在の変動性は(おそらくは強度の変動性も)齧歯類の内
部器官が正しい位置に強く固定されていないという事実によるのだろう。
ァージ輸送を遮断するという解釈を裏付けている。しかし10日間というこの感
染の持続性は、腸粘膜に対する付着があることと、発光性の糞粒によって立証さ
れるように、これらの動物の糞内に細菌の脱離が長期間続くことを示唆している
。これらの結果は、生体内におけるこのサルモネラの発光性表現型が、Ity制
限動物中で8日間にわたって保たれることと、経口接種後の局在が可能であるこ
とを示している。
腹腔内の発光シグナルをさらに局在化するため、感染マウスを腹壁切開後に撮
像する(図8)。経口経路で感染させた動物のいずれにおいても、主な疾患症状
は盲腸の拡張である(図8A〜C)。”外部”画像(図8A)は限局的な発光を
示し、それは腹壁切開後の画像(図8B)で盲腸にあたることがわかる。
。結腸と直腸内の細菌はルシフェラーゼを発現させているらしいが、それらの部
位からの発光は、低い酸素濃度によって制限されているらしい。
LB5000luxに感染したマウスを除いて、ほとんど完全に各動物の盲腸に
局在することを示している(Popeskoら,1990,A Colour
Altas of Anatomy of Small Laboratory
Animals Vol.Two:Rat Mouse Hamster(英
国ロンドン:Wolfe))。発光は数匹の結腸にも見える。接種後7日までに
、LB5000lux感染動物内に発光は認められなくなる。これらのマウスの
器官中に存在するCFUを接種後2日と5日に測定する。
期に現われ、その後、全身性の感染が起こる。これに対し、非侵入性BJ66l
ux株による感染は盲腸からの持続的な発光をもたらし、それが全試験期間(8
日間)にわたって維持される動物もある。接種後8日までに、腹部表面の大半に
発光が検出され、それはSL1344lux感染マウスにおける腹腔内接種後の
光子の分布に似ている。
、そこから放射される光子を累進的に増やしながら、全身性となるようである。
いずれの株による感染でも、発光は腹部上に局在し、この領域の外側からの発光
はほとんど検出されないようである。大量の透過光子が腹部上に単一の焦点とし
て局在し、このことは、たとえ感染が全身性であっても、複製の大半が腸を取り
巻く領域にあることを示唆している。
示すだけでなく、発光するに足る酸素が得られるように、サルモネラがその粘膜
の細胞に結合することをも示唆している。ルシフェラーゼからの光子の放射は酸
素依存性であり、盲腸または小腸の管腔内の予想酸素レベルは、発光に必要なレ
ベルより低い。ルシフェラーゼ反応は、細菌が腸上皮の細胞から酸素を得られな
い限り、腸内では機能しないと予想される。
とは関係しないと思われる。これらの実験は、盲腸がこの発病プロセスの保菌状
態で、あるいは播種部位として、何らかの役割を持つことを含意している。
段階についての理解を著しく深めることができ、選択した段階でその病原体を抑
制するのに有効な化合物のスクリーニングが可能になるだろう。
SL1344luxを腹腔内に感染させたマウスを腹壁切開の前後に撮像する
(実施例9)。その結果を図9に示す。その画像は、腹部の大部分に、複数の透
過光子焦点を伴う発光を示す。盲腸は発光性サルモネラを含有しないようである
。これらの実験から得られた結果は、すべてのサルモネラ株が、感染の初期相で
発光するに足るO2を持つことを示している。しかし、その後の時点での全身性
感染はSL1344lux感染マウスにのみ認められるので、サルモネラの粘膜
の細胞への侵入と、その後の全身性感染は、侵入性表現型を持つ株に限られるよ
うである。
非侵襲的撮像法が薬物に対する感染症の反応を追跡するのに有用であることを
示すために、実施例10に詳述する実験を行なう。マウスにSL1344lux
を経口接種し、サルモネラ感染症に有効な抗生物質シプロフロキサシン100m
gで処置する。処置後の選択した時期に、それらのマウスを撮像し、光子放射を
測定することによって感染の程度を定量する。処置マウス内の光子放射を、処置
開始前の値および感染したが処置していない対照マウスからの値と比較する。こ
のような実験の一つで得た結果を図10A〜Eに示し、実施例10で考察する。
抗生物質で処置したマウスにおける感染症は、処置マウスにおける0時間での病
原体レベルおよび対照マウス内の病原体レベルと比較して、処置期間中常に低い
。
Ducluzeauら,1970,Zeut.Bakt.5313:533−
548は、抗生物質による動物の処置がサルモネラによる盲腸のコロニー形成を
促進することを示した。本実験におけるマウスは、ルシフェラーゼクローンを含
有するAmprサルモネラを選択するために、カルベニシリンの筋肉内注射とい
う抗生物質措置をして維持される。この処置は、胃腸感染症の経過を変化させる
かもしれないが、サルモネラが盲腸を裏打ちする細胞と結合できるという観察結
果は、酸素を発光に利用できるということを示している。盲腸の管腔は一般に嫌
気環境であると考えられているから、この観察結果は注目に値する。
生物発光技術は様々な宿主−病原体系に広く適用できると共に、例えば生きて
いる哺乳動物内での腫瘍の進行や遺伝子発現などに関する他の生物学的事象の時
間的空間的評価をも可能にするだろう。またこれは、医薬の開発とスクリーニン
グにも応用できる。病原体の生体内撮像を広範に使用すれば、病原および/また
はリアルタイム試験抗菌剤に関する実験に必要な動物数と時間を減らすことがで
きるだろう。また、発光性細菌は環境分析に使用されているが、生物発光性生物
は生きている動物内のバイオセンサーとして有用だろう。例えばKorpela
らは、胃腸路の管腔内では酸素供給が制限されているため、酸素が(おそらくは
上皮細胞または他の細胞タイプから)直接的にサルモネラに接近できる部位に、
生物発光が限定されたことを示している。Korpelaら,1989,J.B
iolum.Chemilum.4:551−554。この酸素要求性は、親密
な細胞−細胞相互作用の指標として、あるいは生きている動物中の様々な部位に
おける酸素濃度を調べるためのバイオセンサーとして利用できるだろう。以下、
この技術の典型的応用例を例示のためにいくつか記述するが、これらは決して本
発明の限定を意図するものではない。
上に要約した実験で明示されたようにルシフェラーゼの発光に酸素が必要であ
るということは、本発明を、対象内の酸素濃度の空間的勾配の測定法として利用
できるということを示している。10〜1mMの範囲の酸素レベルを測定するた
めに、発光性細菌が使用されている。これらの研究によれば、0.1nMが検出
下限だと予想される(Campbell,1988,Chemilumines
cence.Pringiples and Applications in
Biology and Medicine(英国チチェスター:Ellis
Horwood社およびVCH出版社))。本明細書に記述する撮像法は、生
きている動物内の様々な部位における酸素レベルを調べるのに利用できる。例え
ばO2中で、またはCa2+依存的に光を放射するように操作された微生物を、
ちょうど発光性細菌が環境分析に使用されるように(Guzzoら,1992,
Tox.Lett.64/65:687−693;Korpelaら,1989
,J.Biolum.Chemilum.4:551−554;Jassimら
,1990,J.Biolum.Chemilum.5:115−122)、対
象内のバイオセンサーとして使用することができるだろう。O2濃度に関する発
光のダイナミックレンジは、O2プローブよりはるかに広く、より低いO2濃度
に達する(Campbell,1988,Chemiluminescence
.Principles and Applications in Biol
ogy and Medicine(英国チチェスター:Ellis Horw
ood社およびVCH出版社))。さらに、O2濃度に比例する発光は、30n
Mから8mMまでの範囲にわたって直線的であり、1/2最大発光には9mM
O2が必要である。
対象内の腫瘍の増殖と転移的蔓延は、本発明の方法と組成物を用いてモニター
できる。特にその個体が原発腫瘍を持つと診断される場合は、その腫瘍の細胞に
対するLECを用いて、腫瘍の境界を明確にし、かつ、その原発腫瘍塊から細胞
が離れた部位に移動し、定着したかどうかを決定することができる。
ムなどのLECを、対象に投与し、対象内の腫瘍細胞に結合させ、撮像し、その
光子放出の領域を腫瘍細胞の領域と相関させることができる。
した時間間隔で作成することにより、ある対象内で腫瘍の増殖、進行および転移
を経時的にモニターすることができる。このようなモニタリングは、抗腫瘍療法
の結果の記録に、あるいは腫瘍の増殖または転移を抑制するのに有用だと推定さ
れる治療用化合物のスクリーニングの一部として有用だろう。
構築物で形質転換し、それを使って、上述のように、動物モデル中に発光性腫瘍
を誘導することもできる。そのような動物モデルは、抗腫瘍化合物候補の効果を
評価するのに使用できる。
上述と同様の方法で、本発明の組成物と方法を使用することにより、炎症部位
を特定し、炎症を経時的にモニターし、かつ/または、抗炎症性化合物候補のス
クリーニングを行なうことができる。炎症部位に向かわせるのに有用な分子には
、セレクチンに結合するELANタンパク質ファミリーがある。ELAN分子を
本発明の物体上にターゲッティング成分として組み込み、それを使って、炎症部
位を標的にすることができる。
子組換えした動物を作出することにより、抗炎症性物質候補を研究するための動
物モデルを作出することができる。E−セレクチンは炎症部位に発現するので、
炎症部位にあるトランスジェニック細胞はルシフェラーゼを発現させるだろう。
物と実験動物に投与し、処置動物内で誘導される発光に対する抗炎症性化合物候
補の影響を対照動物と比較することにより、それら抗炎症性化合物候補の効果を
評価することができる。
本発明を裏付けるために行なった上述の実験で例証されるように、LGCは、
病原体による対象の感染の経過を追跡するのに有効に利用できる。本明細書に詳
述する実験では、LGCは、ルシフェラーゼを発現させるように形質転換された
病原性細胞(サルモネラ)である。このような系は、感染とその後の感染の蔓延
をヒト疾患の動物モデルで研究するのに理想的である。このような系によれば、
病因の研究に熱や腫脹などの伝統的な全身症状ではなく感染部位と疾患の進行部
位を用いて、感染性疾患の進行をモニターすることができる。
々の動物中で時間的空間的評価を行なうことができ、それによって病原および/
または試験抗感染薬に関する実験に必要な動物の数を減らすことができる。
するものではない。
(A.細胞)
サルモネラ株SL1344とLB5000は B.A.D.Stocker(
スタンフォード大学;HoisethおよびStocker,1981,Nat
ure 291:238−239)から入手した。サルモネラ株BJ66はB.
D.Jones(スタンフォード大学)から入手した。
ction(ATCC;メリーランド州ロックビル・パークローンドライブ12
301;受託番号CCL−23)から入手した。
lの生育培地で洗浄することによって得た(MaximowおよびBloom,
1931,Textbook of Histology,Saunders,
フィラデルフィア)。
100mg/mlのカルベニシリンを含むLBブロス3mlに、定常期培養か
ら得た細菌懸濁液6μlを接種し、その細菌を7mlの静置培養管中37℃で終
夜生育することにより、低酸素(静置)培養を調製した。
Balb/c(Itys/s)マウスは、スタンフォード大学の腫瘍学科(t
he Department of Oncology)から入手した。129
XBalb/c(Ityr/s)マウスはスタンフォードトランスジェニック動
物施設(the Stanford Transgenic Animal F
acility;カリフォルニア州スタンフォード)から入手した。動物はすべ
て、光周期、給餌法および温度条件を同一にして、スタンフォード大学研究動物
施設(the Stanford University Research
Animal Facility;カリフォルニア州スタンフォード)で飼育し
た。
よって行った。
、CO2による窒息または頚椎脱臼によって行った。頚椎脱臼は、窒息による生
理学的変化が実験結果に影響を与えるかもしれない場合に使用した。
Amprプラスミドが保持されるような選択圧を発光性サルモネラに与え続ける
ために、カルベニシリンの筋肉内(i.m.)注射(体重1kgあたり125m
g)を毎日施した。
撮像すべき動物または対象を、2段階マイクロチャネル増感ヘッドを持つ電荷
結合素子(CCD)カメラ(モデルC2400−40,Hamamatsu社)
と扉とを持つ光を通さない箱の中に固定した。そのカメラを、箱の外へ通じるケ
ーブルを介して”ARGUS50”画像処理装置(Hamamatsu社)に接
続した。
一光子を検出できる。このシステムの信号対雑音比は、信号強度に依存して2:
1から1X104:1までに及んだ。
け、8〜64フレーム間積分することによって得た。グレースケール画像のゲイ
ンは、その画像が最適となるように設定した(通例、0〜10,000ボルトの
スケールで3000ボルト)。
レベルはカメラ/画像処理装置によって自動的に設定、ゲインは増倍装置コント
ローラーで自動的に設定、Fストップは2.8に設定した。60mm”AFニッ
コール”マクロレンズを使用した(ニコン(Nikon)社,ニューヨーク州メ
ルヴィル)。
成した。データは、いずれの動物についても、1ピクセルあたり0〜3ビットの
最低ビットレンジ設定で表わす。生物発光シグナルの分解能を0〜3のビットレ
ンジにできなかった他の物体(すなわち24ウェルプレート)の画像については
、レンジを生物発光シグナルの局在化が可能な設定(通例1〜7)に増やした。
5分間の撮像で付加的な情報が得られなかった場合は、物体をより短い時間で撮
像した。
(通例、腹壁切開)後の撮像を指す。内部撮像は、外部撮像で局在化した光子放
射の光源を確認するために、選択した動物で行なう。
表わす。通例、青色(低強度)から赤色(高強度)までの6つの強度レベルを使
用する。
像処理装置を使って重ね合せることにより、空間的準拠座標系を与える合成画像
を作成した。
のモニターを撮影してハードコピーを作った。また画像処理装置画像をデジタル
ファイルとして保存し、そのファイルをコンピューターに移し、それをそのコン
ピューターに接続したカラープリンターで印刷することによっても、ハードコピ
ーを作成した。別法として、ビデオプリンターを使用してビデオ信号を直接印刷
することにより、ハードコピーを作成してもよい。
(pCGLS1luxプラスミドによるサルモネラの形質転換)
サルモネラ株SL1344、BJ66およびLB5000を、Xenorha
bdus luminescens由来のluxオペロン(Frackmanら
,1990)をコードするpUC18系ベクターpCGLS1で形質転換した。
pCGLS1プラスミドの概略を図1A、1Bおよび1Cに示す。このプラス
ミドは、土壌菌Xenorhabdus luminescens由来のlux
遺伝子をコードする〜11kb領域(図1A;Frackmanら,1990)
を、pUC18(図1C;Clontech社,カリフォルニア州パロアルト)
のBam HI部位(図1B)にクローニングすることによって構築した。この
べクターの構築はFrackmanらの報文(1990)に記述されている。
I;C,Cla I;E,Eco RI;H,Hind III;M,Mlu
I;S,Sca I;X,Xba I;B/Sa,Bam HIおよびSau
3A接合点。多重クローニング部位(MCS)を含む配列を図1Bに記載し、そ
のBam HI部位を太字で示す。
には、アンピシリン耐性遺伝子(Ap)、lac Z遺伝子(lac Z)およ
び大腸菌の複製起点(Ori)が含まれる。非修飾pUC18ベクターのサイズ
は約2.7kbである。
サルモネラ株Sl1344、BJ66およびLB5000のエレクトロコンピ
テント細胞を一般的な方法(Sambrookら,1989,Molecula
r Cloning:A Laboratory Manual,Cold S
pring Harbor Laboratory Press,第2巻)で作
成し、使用直前まで−80℃で保存した。エレクトロポレーションは次のように
行なった。1μlのプラスミド(0.2μg/ml)を、10%グリセロールに
懸濁した40μlの氷冷エレクトロコンピテント細胞に加えた。その懸濁液を1
分間穏やかに混合し、間隙1mmのエレクトロポレーションキュベットに入れ、
Bio−Rad Gene−Pluser(Bio−Rad Laborato
ries社,カリフォルニア州ハーキュリーズ)を使って電気穿孔した。設定は
、2.5キロボルト、400オームおよび25マイクロファラドとした。
μg/mlカルベニシリンを含む(LB)寒天上に細胞をまき、終夜生育した。
ー数プラスミド上に維持し、単一コピー遺伝子として組み込まれないようにした
。しかしプラスミドは、この研究で使用したSL1344やBJ66のようなr
ecA株では特に、細菌細胞による修飾を受ける。recA遺伝子座は、lux
オペロンとβ−ラクタマーゼを含有するプラスミドの領域を欠失させうるリコン
ビナーゼをコードする。したがって培養細胞から回収したサルモネラをカルベニ
シリンの存在下と不在下の両方で平板培養し、生物発光が失われる頻度を決定す
るために撮像した。ゲンタマイシン処理し溶解したHEp−2細胞とマクロファ
ージから回収されるコロニーはすべて、アンピシリン耐性(Ampr)かつ生物
発光性だった。したがって、lux遺伝子は哺乳類細胞との同時培養中に失われ
ないようだった。
高レベルの発光を持つと同定された。これらのうち3つ(SL1344、BJ6
6およびLB5000株からそれぞれ1つ)を、以降の実験のために選択した。
それらをそれぞれSL1344lux、BJ66luxおよびLB5000lu
xと名づけた。
(通常のサルモネラおよび形質転換したサルモネラの侵入能力)
6株のサルモネラ(SL1344lux、LB5000lux、BJ66lu
x、SL1344、LB5000およびBJ66)の侵入能力を、2種類の細菌
付着および侵入アッセイで測定した。コロニー形成単位(CFU)アッセイは、
基本的に既に記述されている方法(FinlayおよびFalkow,1989
,Mol.Microbiol.3:1833−1841)に変更(Leeら,
1990,PNAS 87:4304−4308)を加えて行なった。生物発光
アッセイは、細胞の数をCFUではなく生物発光を用いて定量する点以外は、基
本的にCFUアッセイと同様に行なった。
組識培養皿に、20mMグルタミン(Gibco/BRL社)および5%ウシ胎
児血清(Hyclone社,ユタ州ローガン)を添加したRPMI(Gibco
/BRL社,ニューヨーク州グランドアイランド)中、1X105細胞/ウェル
の濃度で接種した。細胞を接種した24時間後(HEp−2)または数日間後(
マクロファージ)に、静置培養からの細菌(上記”材料と方法”の項参照)を、
1ウェルあたり1X106個(感染多重度(m.o.i)10)または1X10
7個(m.o.i=100,図2B〜Eの右側の柱)の密度で接種し、Beck
man臨床用遠心器(Beckman Instruments社,メリーラン
ド州コロンビア)を用いて、1000rpm(185Xg)で5分間、細胞単層
上に遠心した。培地を、ゲンタマイシン(100mg/ml)を含む(侵入アッ
セイ)または含まない(付着アッセイ)RPMI培地(Gibco/BRL社)
で置換した。その共存培養を5%CO2中35℃で合計3.5時間培養した。
細菌を、HEp−2細胞の表面に付着しているものを含めて殺す。したがって、
付着アッセイ(ゲンタマイシンを含まない)でのシグナルが、付着細菌と内部移
行細菌の両方を表わすのに対し、侵入アッセイ(ゲンタマイシンを含む)でのシ
グナルは内部移行された細菌のみを表わす。
後)で発光性細菌細胞を撮像することによりアッセイした。第1時点での撮像に
先立って、付着していない細菌を除去するために細胞単層をリン酸緩衝食塩水(
PBS)で3回洗浄し、新しいRPMIを加えた。発光は30秒間の露光時間で
記録した。第2および第3時点での画像も同じ露光時間を用いて得たが、最初に
細胞を洗うことはしなかった。
ル画像に重ね合せた擬似色発光画像として表示したものである。細胞タイプ、サ
ルモネラ株およびゲンタマイシンの用法を図中に示す。このデータを光子カウン
トの相対強度として図2Bと2Dのグラフにも要約する。
0.2%”トリトン X−100”で溶解した。溶解によって放出された付着細
菌および/または細胞内細菌をLB寒天プレートまたはLB−カルベニシリン寒
天プレートにまき、35℃で18時間培養した。各ウェルから放出された細菌の
数を、コロニー形成単位(CFU,FinlayおよびFalkow,1989
,Mol.Microbiol.3:1833−1841;Leeら,1990
,PNAS 87:4304−4309)の数を数えることによって決定した。
これらのデータを、ゲンタマイシンと共にまたはゲンタマイシンなしで3.5時
間培養した後の共存培養から回収された1mlあたりの総細菌コロニーとして表
わし、図2Cおよび2Eのグラフに要約する。
x遺伝子で形質転換されたサルモネラが親系と類似する感染力を持つことと、(
ii)発光検出とCFU決定がHEp−2細胞とマクロファージにおける2つの
サルモネラ株の侵入力について同等な推定値を与えることを示している。CFU
に対する生物発光の比率はマクロファージ培養の方が低く、これはおそらくサル
モネラがマクロファージの細胞下区画に侵入するためだろう。
(形質転換したサルモネラの試験管内発光)
LB5000luxサルモネラの4つの10倍連続希釈液10μl(1mlあ
たり106細胞から103細胞まで)を4本の100μlガラス製毛細管(Be
cton Dickinson社のCaly−Adams事業部,ニュージャー
ジー州パーシッパニー)に入れた。その細菌懸濁液は、毛細管中で両端に空気の
ポケットを持つ液体の柱を形成した。各毛細管の一端をクリトシール(crit
oseal;Clay−Adams社)で密封した。希釈液の作成に使用した培
地は、空気に曝すことによりO2で飽和させた。
像することにより、発光を測定した。典型的な画像を図3Aに示す。4本の毛細
管を示す。これらは(上から下へ)106、105、104および103サルモ
ネラ細胞/ml(104、103、102および10細胞/管)を含む。発光は
、104細胞/ml(100細胞)しか含まない懸濁液でも検出できた。しかし
その発光は空気/液体界面に限定され、この発光反応が比較的高レベルの酸素を
必要とすることが示唆される。細胞の多くはおそらく液体柱の中にあり、空気/
液体界面にはないだろうから、このデータは、図3Aに示す毛細管中の発光が、
各管中の総細胞数よりかなり少ない細胞から生じることを示唆している。
(動物組識を貫通する発光の試験管内検出)
LB5000luxサルモネラの連続希釈液を含む内径3.5mmのガラス製
毛細管で構成された微量試験管を、基本的に上記実施例3に記述したように調製
した。ただし、本実施例では細菌懸濁液を毛細管の密封した末端に接触させ、上
端のみを空気にさらした。その管を半透明のプラスチック製シンチレーションバ
イアルに入れ、次に挙げる動物組識の一つでそのまわりを囲んだ:ヒヨコ胸筋、
ヒヨコ皮膚、子ヒツジ腎臓または子ヒツジ腎臓髄質。いずれの組識も地元のスー
パーマーケット(Safeway社,カリフォルニア州マウンテンヴュー)の食
肉部門から入手した。
1.4cmで、蓋2を含む。そのバイアルをその上部分3に沿って、不透明な素
材(すなわち黒テープ)で覆う。動物組識4を、バイアルの底から不透明被覆3
の下端のすぐ上までになるよう、バイアルに入れる。微量試験管5の底を栓7(
すなわちクリトシール(crytoseal)栓)で密封し、それをバイアルの
中心に、栓をした末端がバイアルの底に接触するか、きわめて接近するように置
く。細菌懸濁液6は毛細管の底から上方約1cmに達する。
菌を含まないバイアルから放射された光子を、高速同時弁別器を無効にした液体
シンチレーションカウンター(モデル1219 Rackbeta,LKB/W
allac社,メリーランド州ゲーサーズバーグ)でカウントした。
アッセイした。いずれの実験も3回ずつ行なった。
3回カウントすることにより、考えうる組識の厚さの不一致の影響について検証
した。有意差は検出されなかった。
チレーションカウンター中の光電子増倍管(PMT)でバックグランドレベルか
、それに近かった。このタイプの検出におけるバックグラウンドはPMTの暗電
流によるものであり、この試験はかなり強いシグナルの分析に限定される。
肉、皮膚、ヒツジ腎臓髄質およびヒツジ腎臓を通して検出できた。これらの結果
は、標識したサルモネラからの生物発光が様々な不透明度の動物組識を通して検
出できることを示している。(図3Aで示したように)毛細管内では酸素が制限
されていたと思われるので、このアッセイで表示している数よりも少ない数の生
物発光性サルモネラが、組識を通して検出できると考えられる。
(生物発光性サルモネラの生体内検出)
感染中のサルモネラに対する酸素の利用性を評価するために、野生型SL13
44 luxをBALB/cマウスの腹腔内(i.p.)に接種した。接種の2
4時間後、麻酔したラットで、細菌によって内部に放出され腹壁を透過した光子
を、増倍化CCDカメラで外部から検出し、局在化した(図3B)。全身性サル
モネラ感染には、リンパ節、脾臓、肝臓のコロニー形成が関与すると思われる。
野生型SL1344 luxの腹腔内接種によって感染させたマウスの腹部画像
は、腹部表面のほとんどに透過光子が様々な強度の焦点を作っていることを示し
た(図3B)。これらの結果は、おそらくは肝臓と腸間膜リンパ節を含む内臓の
広範なコロニー形成と合致し、利用可能な酸素のレベルはいくつかの組識で標識
病原体からの発光を外部から検出するのに十分でありうることを示している。
(Balb/cマウスに経口投与したluxサルモネラの検出)
病原性SL1344lux、非侵入性BJ66luxおよび低病原性LB50
00luxサルモネラ1X107個の懸濁液50μlを経口的に与えることによ
って、Balb/cマウスを感染させた。感染時に4〜6週齢だったそれらのマ
ウスを、5分間の積分時間で毎日撮像した(光子放射を5分間測定した)。撮像
に先立って、マウスを33μg/kg−体重のネンブタールで麻酔した。
物発光シグナルはいずれの感染動物でも単一の焦点に局在した(図5A、5Cお
よび5E)。生物発光は、低病原性LB5000luxに感染したすべての動物
で、接種後7日までに消失した(図5B)。野生型SL1344 luxに感染
したBALB/cマウスでは、生物発光が試験期間中常に検出され、第8日では
透過光子の焦点が複数認められた。これらの動物では、感染がしばしば腹腔のほ
とんどに広がった(図5F)。これらの動物の3分の1では、第8日に透過光子
が腹部領域の大半で認められ、それは腹腔内接種後の光子の分布と似ていた(図
3Bと5Fを参照のこと)。BJ66 luxによる感染の蔓延はかなり変動的
だったが、通例、その感染は持続し、最初の部位に局在したままだった(図5D
)。
ところ、10匹のマウス群で、その生物発光シグナルはその試験期間中常に局在
し、持続性を保っていた。この結果は、SL1344 luxに感染した感受性
マウス(lytr/s)に観察された播種性生物発光とは対照的であった(実施
例8と図7Aおよび7Bを参照のこと)が、侵入性の低いBJ66 luxによ
る感受性BALB/cマウスの持続性感染とは似ていた。対照として、持続的に
感染した耐性BALB/cX129マウスから得たサルモネラを培養したところ
、8日後に回収したコロニーの80〜90%はAmprだった。これらのうち9
0%以上は生物発光性であり、観察された相違がluxプラスミドの有意な減少
によるのではなく、むしろ細菌株の病原性が真に相違するためであることが示唆
された。
(サルモネラの病原性株および低病原性株の腹腔内接種後の感染の検出)
100μl懸濁液中の1X107細菌細胞を同時に空気を注入することなく腹
腔内(i.p.)接種することによって、Balb/cマウスを病原性(SL1
344lux)または低病原性(LB5000lux)サルモネラに感染させた
。
た。その結果を図6に示す。この図の左側の2匹のマウス(病原性SL1344
luxに感染)では広範な感染が明らかである。これに対して、低病原性LB5
000lux株を注射した右側のマウスでは、発光はあったとしてもほとんど検
出されない。
(サルモネラ経口接種後の耐性マウスにおける全身性感染の検出)
耐性129XBalb/c(Ityr/s)生存マウスを、1X107個のS
L1344luxサルモネラの胃内接種によって感染させた。細菌は麻酔下に胃
内給餌チューブを通して与えた。注入後8日間(8 d.p.i)、動物を毎日
撮像した。
た。第1日の典型的画像(図7A)と第8日の典型的画像(図7B)を示す。こ
れらのデータは、全身性サルモネラ感染症に対して耐性なマウスは盲腸に局在し
た慢性感染症を持つが、その感染は腹腔内に蔓延しないことを示している。
(サルモネラ経口接種後の腹壁切開後撮像)
腹腔内の発光シグナルの位置を正確に特定し、その位置を非侵襲的撮像法で得
たものと比較するために、サルモネラの経口接種後に腹壁切開を行なった。実施
例8に記述したように、動物に接種した。選択した期間(通例7日)の後、上述
のようにマウスを麻酔し、外部から撮像した。典型的画像を図8Aに示す。外部
撮像の後、腹腔を開き、図8Bに例示するように動物を再び撮像した。場合によ
り、盲腸(C)の前後の腸管腔に空気を注入してから、3回目の撮像を行なった
(図8C)。最後の撮像後、直ちにマウスを安楽死させた。
はいずれも、光子はほとんどもっぱら盲腸から生じており、限局的生物発光の正
確な局在と強度の変動は、盲腸の位置が変動しやすいためであった。感染耐性B
ALB/cX129マウスに観察された限局的な生物発光も、同様に盲腸に局在
した。これに対して、SL1344 luxに腹腔内感染させた動物では、その
ような局在が観察されなかった(図3B)。野生型SL1344 luxを経口
接種した感染感受性マウスの後期では、生物発光が多極性であったが、追加され
た発光の焦点は腹壁切開後に明白にならなかった。病原性の低いLB5000
luxに感染したマウスでは、第7日の時点で、生物発光が、いずれの組識また
は器官にも、皮膚および腹壁の除去後、限局的にさえ、検出できなかった。
肝臓からの生物発光は疾患後期にのみ認められた。また、胃腸路からの生物発光
は疾患の初期には盲腸に限られた。このパターンは、異なる組識におけるサルモ
ネラの数の相違もしくは利用できる酸素の欠如によるのだろう。経口感染したマ
ウスの破砕した器官中に存在するAmpr cfuを定量することにより、標識
サルモネラSL1344 luxの分布を調べた。第7日にSL1344 lu
x感染BALB/cマウスの肝臓、脾臓および肺から得たampr細菌コロニー
は、いずれも、その90%以上が1.9X103〜>1.0X105の範囲の総
cfuを示し、生体内では検出可能な光子放射を伴わなかった(表2)。これに
対して、盲腸からの生物発光は検出可能であり、この組識は>1.0X108の
総cfuを含有した。LB5000 lux感染マウスでは、どの組識にもcf
uが検出されなかった。これらの結果は、現在の実験系を使用した場合、組識中
1X106生物がほぼこの放射波長での検出限界であることを示唆している。
に存在するサルモネラだけが生物発光するはずである。したがって、胃腸路の管
腔の嫌気環境にサルモネラからの生物発光がないことは予想できることであり、
腸管腔を空気にさらせば、それまでは酸素がないために検出できなかった細菌の
存在が明らかになるはずである。この見解の裏付けとして、盲腸だけに検出可能
な生物発光を持つ一匹の動物が、空気にさらされたときに迅速に生物発光性にな
る糞粒を排泄した。腸管腔内に非発光性のルシフェラーゼ発現細菌が存在するこ
とを示すこの事実と、この組織内の好気地帯と嫌気地帯の明確な描写から、腸管
腔に空気を注入すれば、さらなる細菌の存在が明らかになるであろうことが示唆
された。同様の生物発光パターンを示す別の動物の回腸と結腸の管腔に空気を注
入したところ、注射部位近くで光子が検出可能になった(図8)。最後に、盲腸
生物発光をA示す第3のマウスを殺すと、生物発光は迅速に消滅した。明確な好
気環境地帯と嫌気環境地帯を欠くため、他の組識部位に空気を注射した。
(サルモネラ腹腔内接種後の腹壁切開後撮像)
実施例7に記述したように、1X107個のサルモネラ(SL1344lux
)を腹腔内接種することにより、Balb/cマウスを感染させた。そのような
一匹の典型的画像を図9A、9Bおよび9Cに示す。
)。腹腔を開き、そのマウスを再び5分間撮像した(図9B)。盲腸を左側に引
き寄せ、その動物を再び5分間撮像した(図9A)。
らかになった部位とよく相関することがわかる。
(SL1344luxサルモネラからの生物発光に対するシプロフロキサシン
の影響)
生体内撮像法の有用性を立証するために、感染した動物を、全身性サルモネラ
感染症に有効であることが知られている抗生物質シプロフロキサシンで処置した
。Magalianesら,1993,Antimicrobial Agen
ts Chemo.37:2293。
種の8日後に、実験群のマウスに100mgのシプロフロキサシン塩酸塩(3m
g/kg−体重;Sigma Chemical社,ミズーリ州セントルイス)
を腹腔内注射した。実験群の処置後、両群の動物を、処置後5.5時間にわたっ
て数回(上述のように)撮像した。
置を開始する直前の対照群と処置群を代表する動物の合成画像である。図10C
と10Eは、処置の開始後5.5時間の同じ動物の合成画像である。対照の生物
発光が7.5倍まで増大したのに対して、シプロフロキサシン処置動物の腹部上
の生物発光はこの期間中に検出不能なレベルにまで減少した。腹部領域上に検出
される光子の総数を決定し、t=0での値に対して規格化し、処置後の時間に関
して図10Aにプロットした。
果の評価に使用できることを示している。
様々な変更や改変を施しうることは理解されるだろう。
Claims (1)
- 次の工程からなる哺乳類対象中の生物適合体の局在を検出する非侵襲的方法:
(a)その対象に、その生物適合体と発光成分の複合体を投与し、
(b)その複合体がその対象内で局在を達成しうる期間の後、その対象を光検出装置の検
出フィールド内に固定し、
(c)その対象を固定状態に維持し、
(d)当該維持中に、その対象中に局在した発光成分からの光子放射を、光子放射の画像
を構築することができるまで、その光検出装置で測定し、
(e)その画像を構築する。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007046321A JP2007209766A (ja) | 2007-02-26 | 2007-02-26 | 哺乳動物中の発光複合体の非侵襲的局在化 |
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