JP5742695B2 - 極低炭素鋼の製造方法 - Google Patents

極低炭素鋼の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5742695B2
JP5742695B2 JP2011267239A JP2011267239A JP5742695B2 JP 5742695 B2 JP5742695 B2 JP 5742695B2 JP 2011267239 A JP2011267239 A JP 2011267239A JP 2011267239 A JP2011267239 A JP 2011267239A JP 5742695 B2 JP5742695 B2 JP 5742695B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
refractory
tundish
binder
coating agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011267239A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013119093A (ja
Inventor
威男 細井
威男 細井
望 吉廣
望 吉廣
吉一 久保
吉一 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2011267239A priority Critical patent/JP5742695B2/ja
Publication of JP2013119093A publication Critical patent/JP2013119093A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5742695B2 publication Critical patent/JP5742695B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Description

本発明は、乾式施工でコーティングしたタンディッシュを用いた極低炭素鋼の製造方法に関するものである。
極低炭素鋼は、優れた深絞り性を有することから、自動車用や家電用鋼板として広く使用されている。この極低炭素鋼の製造時に非金属介在物が混入した場合は、圧延時の線状欠陥(スリバー疵)や深絞り時の割れの原因となるため、その低減が必要とされる。
連続鋳造における介在物源の一つとして、昇熱時に崩落したタンディッシュコーティング材の混入がある。また、前記崩落したコーティング材が注入孔に落下した場合は、鋳造開始時に注入孔の洗浄を必要とすることがあり、このことによる溶鋼再酸化の発生も課題であった。
連続鋳造用鋳型に溶鋼を注入するタンディッシュは、定形あるいは不定形耐火物からなる内張り耐火物層の上に、耐火物の保護や鋳造後の地金除去を容易にすることを目的として、耐火物からなるコーティング層を形成することが一般的である。
タンディッシュにコーティング層を形成する方法は、一般的に粉状の耐火物、およびバインダーとなるガラス質からなるコーティング材を20質量%程度の水と混合し、内張り耐火物に吹付ける湿式吹き付け法が用いられている。
この湿式吹き付け法は、自動化が容易で、施工効率が高いという利点を有するが、施工時に水分を用いるため、鋳造前の昇熱時に水蒸気圧力を生じることから耐火物の剥離・崩落が生じ易いという問題がある。また、気孔率が高いため、鋳造中にコーティング層にスラグや溶鋼が浸潤するので、コーティング層が背面に焼き付き、解体が困難という課題もある。
湿式吹き付け法には、上記のような課題があるため、近年は水分を使用しない乾式コーティング法が開発されている。乾式コーティング法では、粉状耐火物とガラス質に加えて、低温(100℃〜400℃)で硬化するバインダーが含有されたコーティング剤を用いる。そして、施工は、一般的にタンディッシュ内に中子を設置し、中子と内張り耐火物の隙間にコーティング剤を投入した後、中子内を加熱してバインダーの強度を発現させ、保型する。
このような乾式コーティング法として、フェノール樹脂をバインダーとしたコーティング剤を用いた乾式コーティング法が特許文献1で開示されている。この特許文献1で採用されるフェノール樹脂は、比較的低濃度で強度が得られるため、成型性が高く、崩れ落ちを抑制することができる。また、コーティング剤の気孔率も低いため、背面耐火物の焼付き抑制効果がある。
しかしながら、フェノール樹脂をバインダーとしたコーティング剤は、炭素濃度が高く、かつ燃焼性が悪いため、鋳造前の昇熱後もフェノール樹脂中の炭素が残る(以下では残炭と表記する)。残炭が存在すると、本発明で対象とする極低炭素鋼では鋳造初期に炭素がピックアップされ、極低炭素鋼として必要な化学成分、物性が得られないという課題を有する。
これに対して、炭素のピックアップを生じないコーティング材の組成が特許文献2で提案されている。
特許文献2には、単糖類及び/又は二糖類よりなる糖を2〜10質量%、ガラス類を0.1〜2質量%それぞれ含み、残りは耐火性粉体を主体とした乾式コーティング材を使用している。そして、この乾式コーティング材をタンディッシュの内張り耐火物と中子の隙間に充填して100℃〜400℃に加熱した後、中子をタンディッシュ内から取り除くタンディッシュへのコーティング層形成方法が開示されている。
そして、この特許文献2には、その効果として、中子離型時の剥離抑制、残炭減少による溶鋼中へのカーボンピックアップ抑制、およびガラス類の添加量低下による内張り耐火物への過剰付着抑制が挙げられている。
しかしながら、特許文献2で開示されたコーティング剤に用いる単糖類や二糖類は引火点が低く、ガラス類の強度が発現する温度よりも低温で焼失するため、鋳込前の昇熱時に耐火物が崩れ落ち、溶鋼への介在物混入原因となりうるという課題を有している。加えて、2〜10質量%を含む単糖類及び/又は二糖類は焼失し、コーティング剤の気孔率が増大するため、鋳造が進むにつれて空隙へ溶鋼が浸潤し、内張り耐火物との過剰付着が生じ、解体が困難になるという課題もある。
同様に、特許文献3には、耐火性原料と結合剤としての珪酸塩の水和物を含むと共に、融点が50〜120℃の有機質硬化付与剤を、前記耐火物原料100質量部に対して0.05〜5質量部添加してなる乾式コーティング材とその施工方法が開示されている。
この特許文献3で開示された乾式コーティング材では、珪酸塩の水和物を保型用のバインダーとして用いるため、前記したガラス類との強度発現ギャップによる耐火物の崩落を抑制することが可能である。
しかしながら、フェノール樹脂等を加えずに珪酸塩の水和物のみを結合材とした場合、結合強度が不足し、施工時や昇熱時に崩落が発生する。崩落を抑制するため、珪酸塩の水和物とともにフェノール樹脂を使用した場合、発火点が高く昇熱後も残炭するため、極低炭素鋼鋳造時にはカーボンピックアップによる特性低下の問題も有する。加えて、有機質硬化付与剤の揮発に伴って生成する微細気孔に、鋳込時に溶鋼が浸潤し、背面の内張り耐火物との過剰付着が生じるという課題もある。
特許第2567770号公報 特開2010‐137279号公報 特許第4478061号公報
本発明が解決しようとする問題点は、従来の乾式コーティング材は、溶鋼への介在物混入原因となったり、カーボンピックアップによる特性低下の原因となったりするという点である。また、内張り耐火物との過剰付着が生じて解体が困難になるという点である。
本発明の極低炭素鋼の製造方法は、
極低炭素鋼の製造時における溶鋼中へのカーボンピックアップと昇熱中の耐火物崩落を効果的に抑制して介在物の少ない極低炭素鋼を鋳造可能とするために、
デンプン、もしくはデキストリン、もしくはパラフィンからなる有機系バインダーを含有し、かつ、前記有機系バインダーの炭素含有量が、炭素質量%換算で1.0%以上、かつ3.0%以下である乾式施工ドライコーティング剤を、内張り耐火物にコーティングしたタンディッシュを使用することを最も主要な特徴としている。
本発明では、デンプン、もしくはデキストリン、もしくはパラフィンからなる有機系バインダーを含有し、かつ、前記有機系バインダーの炭素含有量が、炭素質量%換算で1.0%以上、かつ3.0%以下である乾式施工ドライコーティング剤を内張り耐火物にコーティングするので、極低炭素鋼の製造時における溶鋼中へのカーボンピックアップと昇熱中の耐火物崩落を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、溶鋼中へのカーボンピックアップを伴わずにタンディッシュの乾式コーティング法を採用することができ、かつ、耐火物の崩落を抑制できるので注入孔を開孔するための洗浄作業に起因する介在物を抑制して極低炭素鋼を製造することができる。
鋼中の非金属介在物を由来別に分類した図である。 コーティング剤の成型に用いる結合材(バインダー)の発火点とカーボンピックアップの関係を示した図である。
本発明は、極低炭素鋼の製造時における溶鋼中へのカーボンピックアップと昇熱中の耐火物崩落を効果的に抑制するという目的を、デンプン、もしくはデキストリン、もしくはパラフィンからなる有機系バインダーを含有し、かつ、前記有機系バインダーの炭素含有量が、炭素質量%換算で1.0%以上、かつ3.0%以下である乾式施工ドライコーティング剤を、内張り耐火物にコーティングすることで実現した。
発明者らは、極低炭素鋼への乾式コーティング法適用の課題であった溶鋼中へのカーボンピックアップと昇熱中の耐火物崩落を抑制するためには、コーティング剤の成型に用いる結合材(バインダー)の発火点を適切な範囲に制御することが有効であると考えた。
鋼中の非金属介在物を由来別に分類した図を図1に示した。図1中の脱酸生成物であるAl 2 O 3 系介在物や外来性介在物のうちMgO系介在物は融点が高く硬質であり、熱間圧延時にも進展することなく、品質低下の原因となる。
タンディッシュの内張コーティング材の落下による溶鋼中への耐火物落下・混入、およびノズル内へのタンディッシュ内張コーティング材落下によってノズルが閉塞した場合、酸素によって閉塞したノズルを強制的に開孔している。
この開孔作業に伴う溶鋼の再酸化・介在物生成を抑制することを目的に、発明者らはタンディッシュの内張コーティングに着目し、タンディッシュの内張施工方法として、昇熱時に強度が得られ、コーティング材の落下および落下によるノズル閉塞の少ない乾式コーティング法に適用することを検討した。
極低炭素鋼の製造に際し、乾式コーティング法を適用し、鋼中への非金属介在物の混入を抑制するためには、下記の2点が必要である。
1) バインダー由来のカーボンピックアップが生じないこと。すなわち、鋳造前の予熱時において、バインダーが燃焼し、かつ残炭が生じないこと。
2) 予熱中の耐火物の保型強度を保ち、コーティング剤の崩落を生じないこと。
そして、発明者らは、上記の2点を満たすためのバインダー燃焼温度の指標として、発火点を用いることが適切であることを見出した。ここで、発火点とは、着火点、発火温度とも言い、空気中で物質を加熱するときに点火しなくても火を発して燃焼し始めるときの温度をいう。
本発明は、上記知見に基づく発明者らの実施結果に基づいてなされたものであり、以下、本発明を得た実施結果の一例を説明する。
発明者らは、バインダー燃焼温度の指標として発火点を用い、カーボンピックアップとの関係を調査するために、発火点を200℃〜600℃程度で振り分けた異なるバインダーに着目して調査を行った。なお、使用したバインダーは、乾式バインダーとしてグルコース・デンプン・デキストリン・パラフィン・フェノール樹脂、湿式バインダーとして珪酸ソーダである。
下記表1に本発明の範囲に属するバインダーと本発明の範囲を外れた比較例のバインダーの発火点と、これらバインダーを施工したタンディッシュを使用した極低炭素鋼の製造における評価の実施結果を示す。
下記表1における発明例は、デンプン(澱粉)、デキストリン(dextrin)、パラフィン(paraffin)をそれぞれ用いた乾式コーティング剤である。これら3材質は、乾式バインダーとして適当な強度を得られるバインダー材質であることから選定した。また、比較例として、発火点の低いグルコース(glucose)、発火点の高いフェノール樹脂をそれぞれ用いた乾式コーティング剤、および従来の湿式吹付け剤を使用した。
ここで、デンプン(澱粉)とは、分子式が(C6H10O5nの炭水化物(多糖類)で、多数のα‐グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子である。また、デキストリン(dextrin)は、数個のα‐グルコースがグリコシド結合によって重合した物質の総称で、糊精(こせい)とも呼ばれ、デンプンの加水分解により得られる。多糖に分類される。また、パラフィン(paraffin)とは、炭化水素化合物(有機化合物)の一種で、炭素原子の数が20以上のアルカン(一般式がCnH2n+2の鎖式飽和炭化水素)の総称である。和名では石蝋(せきろう)という。また、グルコース(glucose)、あるいはブドウ糖は、糖の一種であり、代表的な単糖の一つである。
Figure 0005742695
不定形耐火物を用いて内張り施工したタンディッシュ内に鉄製の中子を設置し、耐火物と中子の隙間が30mm〜50mmの範囲に収まるように調整し、隙間に前記表1の乾式コーティング剤を投入した。
その後、電気式熱風機を用いて中子内に熱風を送り、中子を介してコーティング剤を加熱した。コーティング剤と背面耐火物の界面温度が90℃〜150℃に到達するまで1.5時間〜4時間加熱し、コーティング剤の硬化・成型を確認した後、中子を抜き出した。
その後、タンディッシュに蓋を設置し、ガスバーナを用いてタンディッシュ内の雰囲気温度が最高1200℃〜1350℃に達する条件で、4時間〜6時間昇熱した後、下記表2に示した組成の極低炭素鋼の鋳造に供した。なお、鋳造時のタンディッシュ内溶鋼量は30トン〜40トンの範囲で調整した。
Figure 0005742695
コーティング剤の崩落評価として、鋳造開始時のタンディッシュ開孔率の比較を用いた。ここで、タンディッシュ開孔率とは、コーティング剤の崩落がなく、鋳型への溶鋼供給がスライディングゲートの開操作のみで問題なく開始できた鋳造シーケンスを、総試験鋳造シーケンスで除して百分率で表した数値で、総試験鋳造シーケンス数は20シーケンス行い評価した。なお、鋳造シーケンスとは、複数の取鍋溶鋼を継いで連続鋳造する連々続鋳造のことを意味する。
一方、溶鋼へのカーボンピックアップは、鋳造初期のクロップ部(スクラップ化部分)と鋳片の連々続鋳造の境界部に相当する鋳造開始から7.5トンの位置の鋳片のコーナー部から1個切り出した50mm×50mm×250mmのサンプルと基準サンプルの炭素濃度を比較することで評価した。なお、基準サンプルは、タンディッシュ内残炭によるカーボンピックアップの影響が生じない鋳造開始から十分時間が経過した120トンの位置でタンディッシュ内から同様に採取したサンプルである。
鋳造開始から7.5トンの位置をカーボンピックアップの評価の代表として選定した理由は、クロップと良鋳片の境界部に相当する位置であるからである。すなわち、その位置より後では良鋳片先端部のカーボンピックアップ量を評価できない一方、その位置より前ではトップクロップに含まれるため、評価として妥当ではないためである。
なお、サンプルは、各バインダーに対して1シーケンスにつき1組、サンプルを採取し、5シーケンス以上のサンプルを採取してその算術平均を取った。
表1において、タンディッシュ開孔率、解体性の評価レベルの判断方法は以下のように定義した。
タンディッシュ開孔率中の×印は昇熱中の崩落によってそもそも開孔しなかったことを意味し、80〜90%開口した場合を△印、90%以上開口した場合を◎印で示した。
また、解体性は、具体的にコーティング剤の固着表面積率で区分し、解体時にコーティング剤が固着し、残存した面積を元のコーティング剤の表面積全体で割った以下の比率区分でランク分けを行った。
×:コーティング剤固着表面積率が50%以上。
△:コーティング剤固着表面積率が20%〜50%。
◎:コーティング剤固着表面積率が20%以下。
発明例1〜発明例3では、コーティング剤の崩落がなく、タンディッシュ開孔率は良好であった。また、残炭もなく、コーティング剤に起因するカーボンピックアップは見られなかった。加えて、コーティング剤の解体性は良好で、ウェア耐火物との固着は見られなかった。なお、固着した場合、重機で除去する必要があり、ウェア耐火物の損傷要因となる。
一方、発火点が287℃と低い比較例1のグルコースをバインダーに用いたものは、予熱中のコーティング剤の崩落が大きく、タンディッシュは開孔しなかったので、カーボンピックアップ量および解体性の評価には至らなかった。
また、比較例2のフェノール樹脂をバインダーに用いたものは、タンディッシュの開孔率は良好で、かつ解体性も優れていたものの、カーボンピックアップは大きく、極低炭素鋼の鋳造には不適であった。
また、比較例3の従来の湿式吹き付けでは、予熱中にコーティング剤が崩れ落ちたためにタンディッシュの開孔率は80%と低く、開孔のために洗浄作業が発生した。また、ウェア耐火物とコーティング剤の固着が生じた。但し、カーボンピックアップは生じなかった。
以上説明したように、適切な範囲に制御した発火点を有するコーティング剤は、残炭によるカーボンピックアップや耐火物の崩落が無いか抑制され、良好な鋳造性が得られた。
発火点の下限値としては、前述の比較例1のグルコースの発火点287℃の結果と、発明例1のデンプンの発火点358℃の結果と、耐火物強度と発火点は線形関係として、グルコースとデンプンとの中間値の耐火物強度という意味合いで、本発明では発火点の下限値を320℃とした。
すなわち、発火点が320℃を下回ると昇熱中にガラス質が強度を発現する前に、バインダーが焼失するため、一時的に強度を失い、耐火物が崩落し、介在物の混入源となるため望ましくないからである。
一方、発火点が上昇すると昇熱中にバインダー中の炭素の燃焼が不十分となって残炭し、鋳造においてカーボンピックアップが発生する。発明者らが発火点とカーボンピックアップ量の関係を調査した結果を図2に示す。
発明者らは、分析精度という観点から、カーボンピックアップ量1ppm以下を許容範囲内とみなした。図2より、カーボンピックアップ量の上限を1ppmとすると、発火点は500℃以下とすることが望ましいことになる。そこで、本発明では、発火点の上限温度を500℃とした。
本発明は、上記発明者らの知見に基づく調査結果より成されたもので、
デンプン、もしくはデキストリン、もしくはパラフィンからなる有機系バインダーを含有し、かつ、前記有機系バインダーの炭素含有量が、炭素質量%換算で1.0%以上、かつ3.0%以下である乾式施工ドライコーティング剤を、内張り耐火物にコーティングしたタンディッシュを使用することを特徴とする極低炭素鋼の製造方法である。
記コーティング剤を用いて、タンディッシュを乾式施工することで、カーボンピックアップなく、かつ耐火物の崩落を抑制することができた。
有機系バインダーの含有量の上限値を炭素質量%換算で3.0%としているのは、これより大きい値では、予熱中の燃焼によって生じた空隙に溶鋼が浸潤し、焼き付けが生ずるからである。加えて、極めて予熱中の燃焼が不十分となり、溶鋼へのカーボンピックアップを生ずるためである。一方、下限値を炭素質量%換算で1.0%としているのは、これより小さな値では強度が不足し、崩れ落ちるためである。
本発明は上記の例に限らず、請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
例えば、本発明の極低炭素鋼の製造方法が対象とする極低炭素鋼は、表2に示した化学組成に限らない。
また、本発明の極低炭素鋼の製造方法に使用する有機系バインダーは、発火点が320℃以上、かつ500℃以下であれば表1の発明例1〜3で例示したものに限らない。

Claims (2)

  1. デンプン、もしくはデキストリン、もしくはパラフィンからなる有機系バインダーを含有し、かつ、前記有機系バインダーの炭素含有量が、炭素質量%換算で1.0%以上、かつ3.0%以下である乾式施工ドライコーティング剤を、内張り耐火物にコーティングしたタンディッシュを使用することを特徴とする極低炭素鋼の製造方法。
  2. タンディッシュの内張り耐火物にコーティングする前記乾式施工ドライコーティング剤の施工厚さは30〜50mmであることを特徴とする請求項1に記載の極低炭素鋼の製造方法。
JP2011267239A 2011-12-06 2011-12-06 極低炭素鋼の製造方法 Active JP5742695B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011267239A JP5742695B2 (ja) 2011-12-06 2011-12-06 極低炭素鋼の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011267239A JP5742695B2 (ja) 2011-12-06 2011-12-06 極低炭素鋼の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013119093A JP2013119093A (ja) 2013-06-17
JP5742695B2 true JP5742695B2 (ja) 2015-07-01

Family

ID=48772013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011267239A Active JP5742695B2 (ja) 2011-12-06 2011-12-06 極低炭素鋼の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5742695B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3015440A1 (de) * 2014-10-30 2016-05-04 Magnesita Refractories GmbH Bindemittel für ein Korngemisch

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01157749A (ja) * 1987-12-15 1989-06-21 Nippon Steel Corp タンディシュ吹付けコーティング材
JP4478061B2 (ja) * 2004-05-25 2010-06-09 黒崎播磨株式会社 乾式タンディッシュコーティング材とその施工方法
JP5302651B2 (ja) * 2008-12-15 2013-10-02 黒崎播磨株式会社 タンディッシュへのコーティング層の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013119093A (ja) 2013-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6007435B2 (ja) 鋳造用塗型剤
CN106914587A (zh) 一种熔模精密铸造壳体的加工工艺
CN110860646B (zh) 一种铸造砂组合物及铸造方法
CN104493150A (zh) 一种铝硅质引流剂及其制备方法
JP5742695B2 (ja) 極低炭素鋼の製造方法
JP4478061B2 (ja) 乾式タンディッシュコーティング材とその施工方法
RU2512517C2 (ru) Композиции, содержащие определенные металлоцены, и их применение
CN104193370A (zh) 一种钢包无碳预制块的制备方法
JPS5844945A (ja) 有機自硬性鋳型に用いる浸炭及び浸硫防止用塗型剤
KR20170060915A (ko) 내화 조성물 및 이로 제작된 강 주조용 웰블럭
JP6242212B2 (ja) 鋳型用組成物の製造方法、及び鋳型の製造方法
Kidalov et al. Effect of a Carbonaceous Additive on the Structure of an Aqueous Sodium Silicate Film on the Surface of a Refractory Chromite Filler
CN101880171B (zh) 钢液分散离心盘制备方法
JP2016172280A (ja) ドライコーティング材及びその施工方法
RU2763056C1 (ru) Состав для приготовления противопригарного покрытия для литейных форм и стержней и противопригарное покрытие на его основе
JP6204825B2 (ja) 浸漬ノズル
JPS5919063B2 (ja) 高炉内壁の熱間圧入補修材
JPS6343188B2 (ja)
JP2017087230A (ja) タンディッシュの施工方法、加熱前のタンディッシュおよび鋼の製造方法
JPS6117792B2 (ja)
Babkina et al. Guniting mixture from quartzites of Ovruchskoe deposit
JP4484173B2 (ja) 不定形耐火物
JP5352319B2 (ja) 鋳造用塗型剤
JP5196402B2 (ja) 減圧吸引鋳造方法
CN113651625A (zh) 一种不开裂抗侵蚀高铝浇注料及其应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150420

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5742695

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350