JP2016172280A - ドライコーティング材及びその施工方法 - Google Patents

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Kiyoyuki Komatsubara
清行 小松原
西田 茂史
Shigefumi Nishida
茂史 西田
夏海 東川
Natsumi Higashikawa
夏海 東川
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Abstract

【課題】水素ピックアップの発生を抑制できるとともに、加熱養生が必要なく短時間で硬化するドライコーティング材及びその施工方法を提供する。
【解決手段】ドライコーティング材の第1原料は、耐火骨材と、スルファミン酸とからなる。また、ドライコーティング材の第2原料は、液体フェノールレジンからなる。耐火骨材は、マグネシア、ドロマイト、オリビン、アルミナ、スピネルから選ばれる1種又は2種以上である。液体フェノールレジンの配合量は、耐火骨材100質量部に対して外掛けで6〜15質量%である。スルファミン酸の配合量は、液体フェノールレジン100質量部に対して外掛けで10〜40質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ドライコーティング材及びその施工方法に関し、特に、連続鋳造用タンディッシュに使用される耐火物への適用に好適なドライコーティング材及びその施工方法に関する。
鋼の連続鋳造に使用されるタンディッシュの内壁面には、通常、高アルミナ質の流し込み材や煉瓦などの耐火物(タンディッシュ母材耐火物)が施工される。そして、タンディッシュを使用する際に、その耐火物の露出面にマグネシアを主成分とするコーティング材を数mm〜数十mmの厚さで施工することが一般的に行われている。このコーティング材は、溶鋼との接触面を塩基性材料とすることで溶鋼の汚染を防ぐという機能を有している。また、コーティング材を耐火物から剥離することでタンディッシュ内に残留した地金の除去が可能になるため、コーティング材は、地金除去の作業効率を向上させるという機能も有している。
コーティング材は、連続鋳造を終えたタンディッシュが冷却され、タンディッシュの内壁面に付着した地金を除去する際に剥離される。そのため、連続鋳造の開始前にはその都度、タンディッシュの内壁面にコーティング材が施工される。一方、タンディッシュ基数は限られているため、使用後のタンディッシュについてはできるだけ短時間で整備を完了させ、使用可能な状態にすることが求められる。短時間で整備を完了するには、短時間でコーティング材を施工する必要がある。そのため、コーティング材の施工には、従来、吹き付け、鏝塗りなどの簡便な方法が採用されている。
吹き付け材、鏝塗り材には、一般的に、水分が含まれている。コーティング材を施工したタンディッシュは、溶鋼を受ける前に吹き付け材や鏝塗り材に含まれる水分を除去する目的で1250〜1400℃に加熱される。しかしながら、このような加熱を実施しても水分が完全に除去されることはなく、水分の一部はタンディッシュ母材耐火物中に残留する。残留した水分は鋳造中に蒸発して水蒸気となり、溶鋼と接触して水素[H]が溶鋼中に取り込まれるという現象(水素ピックアップ)が発生する。溶鋼中に取り込まれた水素は鋳片の品質に悪影響を及ぼすことから、水素ピックアップは極力抑制したいという要求がある。
このような要求に応じて、水を使用しない乾式のコーティング材施工方法も提案されている。当該施工方法では、タンディッシュ母材耐火物の施工対象面側に中子等の中枠により空間が設けられ、当該空間に水分を含まない乾式コーティング材が振動によって流し込まれる。その後、乾式コーティング材を硬化させるために、中子の内側から約150〜550℃の温度に一旦加熱される。硬化後、脱枠され、受鋼前にタンディッシュが1250〜1400℃に加熱される。
例えば、特許文献1は、フェノール樹脂からなる低温結合材を1.0〜5.0質量%、ナトリウム含有リン酸塩、アルカリ珪酸塩、金属粉末より選ばれた中間温度結合材を0.5〜10質量%と耐火物骨材材料とを含む乾式コーティング材を開示している。
また、特許文献2は、フェノール樹脂からなる低温結合材と、融点が50〜120℃の有機質硬化付与材と、珪酸塩の水和物からなる中間温度結合材1〜10質量%と耐火性原料とを含む乾式コーティング材を開示している。この乾式コーティング材では、有機質硬化付与材が予熱の際に速やかに揮発して施工体内に均一な微細気孔が形成されることで、フェノール樹脂の分解と珪酸塩水和物の分解が容易になるとされている。
さらに、特許文献3は、フェノールレジンと酸化硼素、硼酸及びアルカリ金属硼酸塩の中から選択された1種又は2種以上を0.5〜5質量%配合した乾式コーティング材を開示している。
また、フェノールレジンを使用しない乾式コーティング材として、特許文献4は、メタ珪酸塩の水和物を結合材として配合した構成を開示している。
一方、特許文献5は、フェノールレジンを常温硬化させる手法として、硬化剤を添加する構成を開示している。硬化剤には、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、スルファミン酸、オキシカルボン酸、アミノ酸等の酸性物質や各種エステル類が使用可能である。
特表平05−505589号公報 特開2006−007317号公報 特開2013−039597号公報 特開2000−176612号公報 特開平06−287072号公報
上述の特許文献1〜3が開示する構成では、いずれも結合材としてフェノールレジンが使用されており、水分を含まないことから水素ピックアップを抑制することができる。しかしながら、これらの乾式コーティング材では、硬化のための加熱が必要である。また、特許文献4が開示するように、フェノールレジンではなくメタ珪酸塩の水和物を結合材として使用した乾式コーティング材でも同様に、硬化のために加熱をする必要がある。
上述のように乾式コーティング材は、中子等の中枠を用いて構成された空間に流し込まれる。そのため、中子等の中枠を含めた状態で、硬化のための加熱が実施される。このような構成では、短時間で中枠を脱枠することは困難であり、施工から脱枠完了までの時間を短縮することは困難である。また、中子等の中枠を含めた状態で硬化のための加熱をすることは、燃料コストの増大や加熱冷却に起因する中枠の劣化等の問題もある。
一方、特許文献5が開示するフェノールレジンを常温硬化させる手法では、特許文献5の実施例に記載のいずれの方法においても、フェノールレジンが硬化するのに要する時間は半日〜一日であり、タンディッシュ用コーティング材として適用するには硬化時間が長すぎるという問題がある。
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであって、水素ピックアップの発生を抑制できるとともに、加熱養生が必要なく短時間で硬化するドライコーティング材及びその施工方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用している。まず、本発明は、施工時に混合する第1原料と第2原料とからなるドライコーティング材を前提としている。そして、本発明に係るドライコーティング材の第1原料は、耐火骨材と、スルファミン酸とからなる。また、本発明に係るドライコーティング材の第2原料は、液体フェノールレジンからなる。ここで、耐火骨材は、マグネシア、ドロマイト、オリビン、アルミナ、スピネルから選ばれる1種又は2種以上である。液体フェノールレジンの配合量は、耐火骨材100質量部に対して外掛けで6〜15質量%である。スルファミン酸の配合量は、液体フェノールレジン100質量部に対して外掛けで10〜40質量%である。
一方、他の観点では、本発明は、上述の第1原料と第2原料とを混合するステップと、当該混合物により、タンディッシュの内壁面を被覆するステップとを含む、ドライコーティング材の施工方法を提供することもできる。
本発明によれば、コーティング材が水分を含有しないため、水素ピックアップによる溶鋼汚染を抑制することができる。また、加熱養生が必要なく短時間で常温硬化するため、タンディッシュの整備を短時間で完了することができ、使用後のタンディッシュを短時間で使用可能な状態にすることができる。
本発明に係るドライコーティング材は、施工時に混合する第1原料と第2原料とからなる。第1原料は、耐火骨材とスルファミン酸とからなる。また、第2原料は、液体フェノールレジンからなる。
第1原料に用いる耐火骨材は、マグネシア、ドロマイト、オリビン、アルミナ、スピネルから選ばれる1種又は2種以上からなる。これらの耐火骨材は、溶鋼との反応によって介在物を生成し難い。また、これらの耐火骨材は、高アルミナ質耐火物等からなるタンディッシュ母材耐火物と比較して熱膨張率が大きいため、地金取りの際、母材耐火物から容易に剥離する。そのため地金の除去が容易になるという利点もある。耐火骨材としては、特に、マグネシアを用いることが好ましい。
耐火骨材の粒度は、通常用いられている耐火骨材の粒度範囲にあれば特に限定されるものではない。例えば、主骨材が3mm以下の最大粒度を有し、0.3mm以上の粒子が50〜90質量%(50質量%以上かつ90質量%以下)、0.3mm未満の粒子が10〜50質量%(10質量%以上かつ50質量%以下)であることが、使用上又は取り扱い上好ましい。
また、第1原料に用いるスルファミン酸は、常温における液体フェノールレジンの硬化剤として機能する。液体フェノールレジンの硬化剤として、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、スルファミン酸、オキシカルボン酸、アミノ酸等の酸性物質や各種エステル類が知られている。その中でも、スルファミン酸が硬化剤としての効果が大きく、少量の添加でも硬化促進効果が著しい。そのため、本発明では、スルファミン酸を硬化剤として採用している。
スルファミン酸は固体であるが、液体フェノールレジンに溶解し、硬化反応を引き起こす。スルファミン酸の粒度は特には規定されない。例えば、スルファミン酸の最大粒度は2mm以下とすることが好ましい。なお、このようなスルファミン酸として、市販の工業用用途のスルファミン酸粉末を用いることができる。
スルファミン酸の添加量は、第2原料である液体フェノールレジン100質量部に対して外掛けで10〜40質量%(10質量%以上かつ40質量%以下)であることが好ましい。より好ましいスルファミン酸の添加量は、液体フェノールレジン100質量部に対して外掛けで15〜35質量%(15質量%以上かつ35質量%以下)である。
コーティング材の硬化時間は、コーティング材の施工に要する時間よりも長い必要がある。この観点では、コーティング材の硬化時間は0.5〜5時間(0.5時間以上かつ5時間以下)であることが好ましい。より好ましいコーティング材の硬化時間は、1〜3時間(1時間以上かつ3時間以下)である。液体フェノールレジン100質量部に対するスルファミン酸添加量が外掛けで10質量%未満であると、5時間以内での硬化が難しく、十分な強度を得ることができないため好ましくない。また、液体フェノールレジン100質量部に対するスルファミン酸添加量が外掛けで40質量%を超えると、硬化時間が0.5時間未満となり施工時間が確保できなくなるため好ましくない。すなわち、スルファミン酸の添加量を上述の範囲とすることで適切な硬化時間を実現することができる。
なお、以上の耐火骨材とスルファミン酸は、予め混合されて第1原料となる。耐火骨材とスルファミン酸との混合方法は特には限定されない。不定形耐火物一般に常用される方法を使用することができる。
一方、第2原料として用いる液体フェノールレジンは、耐火骨材の結合材として機能する。液体フェノールレジンとして、レゾールタイプとノボラックタイプとのいずれのタイプも使用することができる。ただし、ノボラックタイプは、MgOと反応して早く硬化する傾向がある。そのため、耐火骨材との混練後は、施工までの間に硬化が進行することになり、上述の硬化時間がより短くなる可能性がある。そのため、液体フェノールレジンには、レゾールタイプを用いることがより好ましい。
液体フェノールレジンの粘度は特には規定されないが、耐火骨材との混練性向上の観点では、低粘度の液体フェノールレジンを使用することが好ましい。例えば、液体フェノールレジンの25℃の粘度は80mPa・s以下であることが好ましく、60mPa・s以下であることがより好ましい。
液体フェノールレジンの添加量は、第1原料を構成する耐火骨材100質量部に対して外掛けで6〜15質量%(6質量%以上かつ15質量%以下)であることが好ましい。より好ましい液体フェノールレジンの添加量は、耐火骨材100質量部に対して外掛けで8〜12質量%(8質量%以上かつ12質量%以下)である。耐火骨材100質量部に対する液体フェノールレジンの添加量が外掛けで6質量%未満であると、硬化が不十分となり、材料強度が得られないため好ましくない。また、耐火骨材100質量部に対する液体フェノールレジンの添加量が外掛けで15質量%を超えると、粉末流動性が低下し、中枠内で充填不良が発生するため好ましくない。
以上で説明した第1原料及び第2原料は、施工の際に混合される。第1原料と第2原料の混合方法は特には限定されない。不定形耐火物一般に常用される方法を使用することができる。
第1原料と第2原料との混合物は、混合後直ちに、タンディッシュ母材耐火物と、その内側にセットされた中子等の中枠との間に設けられた空間に流し込まれる。当該流し込みの際には、中枠に振動を付与することが好ましい。これにより、混合物の流動性を向上させることができるとともに充填性を向上させることができる。コーティング材の厚さは特には限定されない。コーティング材の厚さは、例えば、10〜100mm(10mm以上かつ100mm以下)とすることができる。より好ましいコーティング材の厚さは30〜50mm(30mm以上かつ50mm以下)である。
第1原料と第2原料との混合物は、常温において上述の硬化時間が経過すると硬化する。硬化後に脱枠をすることでコーティング材の施工が完了する。
本発明に係るコーティング材は、従来のコーティング材と同様の方法で使用できる。すなわち、施工は、耐火物が新規に内張りされたタンディッシュや使用後のタンディッシュに対して実施することができる。使用後のタンディッシュに対する施工は、タンディッシュの施工対象面に残留したコーティング材を除去した後に実施することができる。
なお、以上で説明した配合に、熱膨張力の緩和や発塵防止等の目的で、有機短繊維、有機湿潤剤等のその他の成分を添加することも可能である。これらの添加物は、例えば、第1原料の混合時に添加し、第1の原料に含めることができる。
例えば、有機短繊維を耐火骨材100質量部に対して外掛けで0.5質量%以下を添加することでコーティング材の熱膨張応力を緩和させることができる。有機短繊維として、例えば、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース、綿屑等を使用することができる。また、有機湿潤剤を耐火骨材100質量部に対して外掛けで0.05〜0.5質量%(0.05質量%以上かつ0.5質量%以下)を添加することで、施工時等における発塵を防止することができる。有機湿潤剤として、例えば、石炭・石油系オイル、植物オイル、動物オイル等を使用することができる。
以上説明したコーティング材によれば、水分を含有しないため、水素ピックアップによる溶鋼汚染を抑制することができる。また、加熱養生が必要なく短時間で常温硬化するため、タンディッシュの整備を短時間で完了することができる。そのため、例えば、使用後のタンディッシュを短時間で使用可能な状態に整備することができる。
以下に実施例及び比較例を提示して、本発明のコーティング材をより具体的に説明する。なお、以下の実施例は本発明の一例であって本発明は以下の例示に限定されない。
表1及び表2では、表中に示す配合割合とした、第1原料及び第2原料を混合してコーティング材を作成し、その特性を評価している。各配合において使用した耐火骨材は、天然マグネシア原料である。耐火骨材の粒度は、1mmを超え3mm以下(表中では、3−1mmと表記している。)、0.3mm以上1mm以下(表中では、1−0.3mmと表記している。)、0.3mm未満(表中では、0.3mm−と表記している。)のものを、表中の配合にしたがって使用した。また、スルファミン酸は、粒径2mm以下の市販の工業用のものである。天然マグネシア原料とスルファミン酸は予め混合して第1原料とした。液体フェノールレジンは、25℃の粘度が45mPa・sのレゾールである。
表1及び表2に示す配合割合とした、第1原料及び第2原料を混合した後、混合物を40mm×40mm×160mmの金型に投入して突き固め、常温で静置することで試料片とした。各実施例1〜16、各比較例1〜5について、硬化時間、曲げ強さのそれぞれを評価し、各項目の評価結果について表1、表2中に示している。
硬化時間は、上述の試料片の作成過程において、株式会社ナカヤマ製生型硬度計NK−021を用いて、試料片の表面の硬度を30分ごとに測定した。生型硬度計の目盛は0〜100まであり、目盛70以上(荷重1.936N(=197.4gf)相当)となった時間を硬化時間とした。硬化時間が1時間以上3時間以下である場合、「○」と判定した。硬化時間が0.5時間以上1時間未満、又は3時間より大きく5時間以下である場合、「△」と判定した。硬化時間が0.5時間未満、又は5時間より大きい場合、「×」と判定した。
曲げ強さは、スパン100mmの3点曲げ試験により得られた破壊時の荷重により評価した。曲げ強さの評価では、全ての試料片について硬化時間を3時間に固定している。従来の実績から、コーティング材の曲げ強さは、0.5MPa以上であれば使用可能であり、曲げ強さが1.0MPa以上であることがより好ましい品質である。そのため、曲げ強さが1.0MPa以上である場合、「○」と判定した。曲げ強さが0.5MPa以上1.0MPa未満である場合、「△」と判定した。曲げ強さが0.5MPa未満である場合、「×」と判定した。
充填性は、表1及び表2に示す配合割合とした、第1原料及び第2原料を混合した後、混合物を幅200mm×高さ200mm×奥行20mmの鉄枠に上方から自然充填し、硬化後に脱枠した際の充填度合により評価した。「○」は空洞がないことを示している。「△」は、実用上許容できる程度(枠に振動を与えることで解消可能な程度)の空洞が発生していることを示している。「×」は、実用上許容できない程度(枠に振動を与えることで解消不能な程度)の空洞が発生していることを示している。
総合的な判定は、硬化時間、曲げ強さ、充填性のそれぞれにおける最悪の判定により評価した。すなわち、少なくとも1項目に判定「×」が含まれる場合、総合判定は「×」であり、全項目に判定「×」がなく、少なくとも1項目に判定「△」が含まれる場合、総合判定は「△」である。総合判定が「○」又は「△」である場合、使用可能としている。
Figure 2016172280
Figure 2016172280
表1に示す各実施例は、液体フェノールレジンの配合量が、耐火骨材100質量部に対して外掛けで6質量%〜15質量%であり、スルファミン酸の配合量が、液体フェノールレジン100質量部に対して外掛けで10質量%〜40質量%である配合である。
実施例1〜5は、耐火骨材の粒度組成は同一であるが、液体フェノールレジンの配合割合を、外掛けで、6質量%、8質量%、10質量%、12質量%、15質量%のそれぞれに変更している。また、液体フェノールレジン100質量部に対するスルファミン酸の配合割合を同一(外掛け20質量%)にするため、スルファミン酸の配合割合を、外掛けで、1.2質量%、1.6質量%、2.0質量%、2.4質量%、3.0質量%のそれぞれに変更している。実施例6〜10は、実施例3の配合において、スルファミン酸の配合割合を、外掛けで、1.0質量%、1.5質量%、2.5質量%、3.5質量%、4.0質量%のそれぞれに変更することで、液体フェノールレジン100質量部に対するスルファミン酸の配合割合を変更している。実施例11〜16は、実施例3の配合において、耐火骨材の粒度組成を変更している。
表1に示すように、いずれの実施例も、硬化時間、曲げ強さ、充填性の各評価項目において、良好な結果が得られている。すなわち、常温の短時間養生で十分な強度が得られている。また、充填性にも実用上の問題がなく、中子等の内枠により、コーティング材によりタンディッシュ内壁面を良好に被覆できることが理解できる。
続いて、比較例について説明する。比較例1及び比較例2は、実施例1〜5の配合に対応して、液体フェノールレジンの配合割合を、外掛けで、5質量%、17質量%のそれぞれに変更している。また、液体フェノールレジン100質量部に対するスルファミン酸の配合割合を同一(外掛け20質量%)にするため、スルファミン酸の配合割合を、外掛けで、1.0質量%、3.4質量%のそれぞれに変更している。
比較例1では、液体フェノールレジンの配合量が少ないため、十分に硬化できないことが理解できる(表中の「>5.0」は、生型硬度計の目盛70に達しなかったことを示している。)。また、十分に硬化できないため、硬化時間3時間における曲げ強さも極めて弱いことが理解できる。
一方、比較例2では、液体フェノールレジンの配合量が多いため、流動性が低下した結果、充填不良が発生していることが理解できる。
比較例3〜5は、実施例6〜10の配合に対応して、スルファミン酸の配合割合を、外掛けで、0.5質量%、0.7質量%、5.0質量%のそれぞれに変更することで、液体フェノールレジン100質量部に対するスルファミン酸の配合割合を変更している。
比較例3は、スルファミン酸の配合量が液体フェノールレジン100質量部に対して外掛けで5質量%と少ない場合であり、特許文献5の実施例に類似する比較例である。スルファミン酸の配合量が少ないため、硬化時間が6時間と長くなり、目標の5時間を超えていることが理解できる。また、硬化に時間を要するため、硬化時間3時間における曲げ強さも極めて弱いことが理解できる。
比較例4は、スルファミン酸の配合量が液体フェノールレジン100質量部に対して外掛けで7質量%と少ないため、硬化時間が目標の5時間以内に達したものの、硬化時間3時間における曲げ強さは小さい結果となっていることが理解できる。
実施例5は、スルファミン酸の配合量が液体フェノールレジン100質量部に対して外掛け50質量%と多いため、硬化時間が30分未満と極めて短くなっていることが理解できる。すなわち、硬化時間が短すぎて十分な施工時間を確保できないことが理解できる。
以上の結果により、本発明のコーティング材を採用することにより、加熱養生が不要で、短時間での常温硬化が可能となり、タンディッシュの整備を短時間で完了することができる。また、本発明のコーティング材は、水分を含有しないため、水素ピックアップによる溶鋼汚染を抑制することができる。
本発明によれば、水素ピックアップの発生を抑制できるとともに、加熱養生が要することなく短時間での硬化を実現でき、ドライコーティング材及びその施工方法として有用である。

Claims (2)

  1. 施工時に混合する第1原料と第2原料とからなるドライコーティング材であって、
    マグネシア、ドロマイト、オリビン、アルミナ、スピネルから選ばれる1種又は2種以上の耐火骨材と、スルファミン酸とからなる前記第1原料と、
    液体フェノールレジンからなる前記第2原料と、
    を含み、
    前記液体フェノールレジンの配合量が前記耐火骨材100質量部に対して外掛けで6〜15質量%であり、前記スルファミン酸の配合量が前記液体フェノールレジン100質量部に対して外掛けで10〜40質量%であるドライコーティング材。
  2. マグネシア、ドロマイト、オリビン、アルミナ、スピネルから選ばれる1種又は2種以上の耐火骨材と、スルファミン酸とからなる第1原料と、
    液体フェノールレジンからなる第2原料と、
    を混合するステップと、
    前記混合物により、タンディッシュの内壁面を被覆するステップと、
    を含み、
    前記液体フェノールレジンの配合量が前記耐火骨材100質量部に対して外掛けで6〜15質量%であり、前記スルファミン酸の配合量が前記液体フェノールレジン100質量部に対して外掛けで10〜40質量%である、ドライコーティング材の施工方法。
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