JP5742667B2 - 熱伝導性シリコーン複合シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱伝導による電子部品の冷却のために、発熱性電子部品の熱境界面とヒートシンク又は回路基板などの熱放散部材との界面に介在させ得る熱伝導性シリコーン複合シートに関する。
パーソナルコンピューター、デジタルビデオディスク、携帯電話等の電子機器に使用されるCPU、ドライバIC、メモリー等のLSIチップは、高性能化・高速化・小型化・高集積化に伴い、それ自身が大量の熱を発生するようになり、その熱によるチップの温度上昇はチップの動作不良、破壊を引き起こす。そのため、動作中のチップの温度上昇を抑制するための多くの熱放散方法及びそれに使用する熱放散部材が提案されている。
従来、電子機器等においては、動作中のチップの温度上昇を抑えるために、アルミニウムや銅等の熱伝導率の高い金属板を用いたヒートシンクが使用されている。このヒートシンクは、そのチップが発生する熱を伝導し、その熱を外気との温度差によって表面から放出する。
チップから発生する熱をヒートシンクに効率良く伝えるために、ヒートシンクをチップに密着させる必要があるが、各チップの高さの違いや組み付け加工による公差があるため、グリース又は柔軟性を有するシートをチップとヒートシンクとの間に介装させ、このグリース又はシートを介してチップからヒートシンクへの熱伝導を実現している。
グリース状の放熱材料は薄膜化可能で優れた放熱材料ではあるが、管理が難しいという点が挙げられる。また塗布工程は、手作業でスクリーンプリント又はシリンジからの押し出しを行う場合と、ディスペンス装置を用いて自動で行なう場合とがあるが、非常に時間がかかり、取扱いが容易ではなく、製品の組み立て工程の律速となっている場合がある。
一方、熱伝導性シートは、特別な装置を必要とせずに貼り付けるだけで実装でき、グリースに比べて取扱い性が容易であるが、貼り付け作業はほとんど手作業でなされるため、非常に効率が悪く、製品の組み立て工程の律速となっている場合がある。そこで熱伝導性シートの実装工程を自動化できれば飛躍的な生産性の向上が見込める。
また一般的な半導体などの製造工程において、非常に小さく、かつ、強度的に弱い部品の実装は、バキュームノズルで吸引し、実装箇所まで移動し、圧を解除し実装するステップを有する自動実装により行われている。これまでに実装自動化の方法を熱伝導性シートに適用した例はない。
なお、これまで、金属箔を熱伝導性樹脂の間に介在させることに関する発明はいくつかある。例えば、特許文献1では熱伝導性樹脂のマトリックスとしてアクリル系共重合体を用いている。アクリル系共重合体を用いた放熱材料は耐熱性が120℃程度までしかなく、発熱量の多い部位には適用できないし、また長期信頼性の観点からして劣るものである。また特許文献2ではアルミニウム箔の両側にシリコーン樹脂を積層させているが、シートの実装自動化を目的としたものではない。
特開2007-1038号公報 特許第3182257号
本発明者は、半導体製造工程の実装自動化の方法を熱伝導性シートにも適用させることができれば、生産性の飛躍的な向上が望めるのではないかと考えた。しかし、これまでの熱伝導性シートは、強度が不足しており、バキュームノズルで吸引したときにたわみ、正しく実装できない。また、バキュームノズルの圧を解除した後にノズルとシートが容易に離れるように、シート表面の粘着性はできるだけない方がよい。
上記問題に鑑み、本発明は、優れた強度と高い熱伝導性を有し、実装自動化が可能な高性能の熱伝導性シリコーン複合シートを提供することを目的する。
本発明者は上記問題に鑑み鋭意検討した結果、補強層として金属箔を用いて熱伝導性シリコーン複合シートに強度を与え、所定量の熱伝導性充填材を含む熱伝導性シリコーン硬化物を用いることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
金属箔と該金属箔の両面に積層された熱伝導性シリコーン硬化物とを備え、
該熱伝導性シリコーン硬化物は、シリコーン成分100質量部と熱伝導性充填材300質量部以上とを含有する熱伝導性シリコーン組成物の硬化物である
熱伝導性シリコーン複合シートを提供する。
本発明の熱伝導性シリコーン複合シートは、優れた強度を有し、実装自動化が可能である。特に、少なくとも片面のタックエネルギーを70μJ以下にコントロールした場合には、シート表面の粘着性が適度に抑えられ、バキュームノズルからシートが容易に離れることで、更に効率よく実装自動化を行うことができる。熱伝導性シリコーン複合シートの自動実装化はこれまでの律速となっていた放熱シートの貼り付け作業の効率を大きく改善し、生産性向上に大きく貢献できるものである。本発明の熱伝導性シリコーン複合シートは、高い熱伝導性を有するので、例えば、電子機器内の発熱部品と放熱部品との間に設置することにより、効率よく発熱部品から放熱部品へ熱を放散させることができる。
以下、本発明について詳述する。
[金属箔]
熱伝導性シリコーン硬化物単独からなるシートでは、例えば厚みが600μm以下のような非常に薄い場合、熱伝導性シリコーン硬化物自体の強度を向上させても厚みが非常に薄いせいで、バキュームノズルで吸引したときに、該シートがたわんでしまう。そこで補強層を介在させれば、シートがたわまずに吸引できるのではないかと本発明者は考えた。
補強層の種類及び厚みは種々選択し得るが、放熱性能及び補強能力を考慮すると、金属箔が好ましい。というのは以下の理由による。例えば一般的な補強層としてガラスクロスが挙げられるが、ガラスクロス自体は、熱伝導性が非常に低く、また補強能力も低い。ガラスクロスの厚みを厚くすれば補強能力は向上するが、放熱性能は著しく低下することになる。またポリイミドフィルムも補強層としてしばしば用いられるが、やはりそれ自体の熱伝導率が低い。またシリコーン硬化物をポリイミドフィルムに積層すると界面が生じ、熱抵抗の上昇を引き起こしてしまい、本来の目的である放熱性能を成立させることができない。
一方、金属箔は一定の厚みがあれば十分な補強性能を有することに加え、熱伝導率が高い(例えばアルミニウム箔は237W/mK)ために放熱性能への影響が少ない。よって、本発明では補強層として金属箔を用いる。金属箔の厚みは20〜150μmが好ましい。該厚みがこの範囲内だと十分な補強性能及び加工性を有する金属箔を得やすく、かつ、十分な柔軟性及び圧縮性能を有する熱伝導性シートを得やすい。
金属箔としては、例えば、金箔、銀箔、銅箔、アルミニウム箔などが挙げられる。アルミニウム箔は、金箔、銀箔、銅箔等と比較して安価であり、さらに延性及び展性が適度であるため、熱伝導性シリコーン硬化物を積層させるときの加工性に特に優れている。また銅箔などと比べて錆びの問題が生じにくく、管理が容易である。そこで価格及び製品安定性を考慮すると金属箔としてはアルミニウム箔が好ましい。
[熱伝導性シリコーン硬化物]
本発明で用いる熱伝導性シリコーン硬化物は、シリコーン成分100質量部と熱伝導性充填材300質量部以上とを含有する熱伝導性シリコーン組成物の硬化物である。前記金属箔の両面に積層される該熱伝導性シリコーン硬化物は、同一であっても互いに異なっていてもよい。前記熱伝導性シリコーン組成物としては、例えば、下記のオルガノポリシロキサンと硬化剤と熱伝導性充填材とを含有する熱伝導性シリコーン組成物が挙げられる。
本発明で用いるシリコーン成分とは、分子中にシロキサン結合(Si-O-Si)を有する化合物をいう。例えば、前記熱伝導性シリコーン組成物が、オルガノポリシロキサンとヒドロシリル化反応硬化剤(下記のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒との組み合わせ)と熱伝導性充填材とを含有する場合、シリコーン成分はオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの組み合わせである。該熱伝導性シリコーン組成物が、更に、その他の成分として、片末端に1〜3個のトリオルガノオキシ基を有するジメチルポリシロキサンからなるウェッター及び分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンからなる可塑剤を含有する場合には、シリコーン成分はオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンと該ウェッターと該可塑剤の組み合わせである。
(熱伝導性充填材)
熱伝導性充填材としては、銅やアルミニウム等の非磁性の金属、アルミナ、シリカ、マグネシア、ベンガラ、ベリリア、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化硼素等の金属窒化物、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、人工ダイヤモンドあるいは炭化珪素等の、一般に熱伝導性充填材とされる物質を用いることができる。熱伝導性充填材は1種単独でも2種以上を併用してもよい。
熱伝導性充填材の平均粒径は0.1〜60μmであることが好ましい。なお、本発明において、平均粒径は、例えば、レーザー回折法により体積基準の累積平均径として求めることができる。
アルミニウムはそれ自体の熱伝導率が高いため、アルミニウムが充填された熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率も高くなりやすい。また、アルミニウムはモース硬度が2.5であり非常に軟らかいため、アルミニウムを含む熱伝導性シリコーン硬化物をチップに実装したときにチップが傷つく可能性が低い。これらの点から熱伝導性充填材としてはアルミニウムが好ましい。またアルミニウムの比重は2.7であり比較的小さいため、アルミニウムは製品の軽量化にも貢献できる。
熱伝導性充填材の添加量は、シリコーン成分100質量部に対して、通常、300質量部以上である。該添加量が300質量部未満であると、得られる熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率が不十分となりやすく、得られる熱伝導性シリコーン複合シートの熱抵抗が上昇しやすい。前記添加量は、シリコーン成分100質量部に対して、300〜1200質量部が好ましい。該添加量がこの範囲内であると、硬化前の熱伝導性シリコーン組成物は流動性及び加工性に優れたものになりやすく、得られる熱伝導性シリコーン硬化物は脆いものになりにくい。
(オルガノポリシロキサン)
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、平均組成式:R1 aSiO(4-a)/2(式中、R1は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜10、好ましくは1から8の1価炭化水素基を表わし、aは1.90〜2.05の正数である)で表わされるオルガノポリシロキサンが挙げられる。オルガノポリシロキサンは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記R1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基等が挙げられる。
オルガノポリシロキサンとしては、一般的には、主鎖がジメチルシロキサン単位からなるもの、または、前記主鎖のメチル基の一部がビニル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等で置き換えられたものが好ましい。また、その分子鎖末端が、トリオルガノシリル基または水酸基で封鎖されたものとすればよく、前記トリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、トリビニルシリル基等が例示される。
オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は特に限定されないが、例えば、100mm2/s以上が挙げられ、好ましくは400〜50000mm2/sの範囲である。
下記の硬化剤が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび白金族金属系触媒を含む付加反応硬化型のものである場合、オルガノポリシロキサンは、ケイ素原子結合アルケニル基を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するオルガノポリシロキサンである。ケイ素原子結合アルケニル基の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られる組成物が十分には硬化しにくくなる。また、上記ケイ素原子結合アルケニル基としてはビニル基が好ましい。アルケニル基は、分子鎖末端および側鎖のいずれか一方または両方にあればよく、少なくとも1個のアルケニル基が分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
この場合の具体例としては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン等を挙げることができる。これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
下記の硬化剤が有機過酸化物である場合、オルガノポリシロキサンは、特に限定されないが、1分子中に少なくとも2個の上記ケイ素原子結合アルケニル基を有するものが好ましい。
この場合の具体例としては、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端メチルフェニルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(硬化剤)
硬化剤としては、例えば、ヒドロシリル化反応硬化剤、有機過酸化物が挙げられる。
ヒドロシリル化反応硬化剤は、1分子中にケイ素原子結合水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒からなるものである。前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、前記オルガノポリシロキサンのうちアルケニル基を有するものに付加反応する架橋剤として機能する。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとともに用いられる白金族金属系触媒は熱伝導性シリコーン組成物の硬化を促進するための触媒であり、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート等が挙げられる。有機過酸化物は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
硬化剤の添加量は、後述のとおり、得られる熱伝導性シリコーン硬化物のアスカーC硬度が所望の値となるように、適宜調整される。
(その他の成分)
本発明で用いる熱伝導性シリコーン組成物には、上記成分以外のその他の成分として、アセチレン化合物、有機窒素化合物、有機リン化合物等の付加反応制御剤;アルコキシシラン、片末端に1〜3個のトリオルガノオキシ基を有するジメチルポリシロキサン等のウェッター;分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサン等の可塑剤等が含まれていてもよい。
(調製法)
本発明で用いる熱伝導性シリコーン組成物は上記の成分を公知の方法で均一に混合することにより得ることができる。このようにして得られた熱伝導性シリコーン組成物を金属箔の両面に公知の方法で塗布し、付加反応硬化型の場合は、80〜200℃、好ましくは100〜150℃程度に、また、過酸化物硬化型の場合は、100〜200℃、好ましくは110〜180℃程度に、加熱して架橋・硬化させることにより、本発明の熱伝導性シリコーン複合シートを得ることができる。
[タックエネルギー]
一実施形態において、本発明の熱伝導性複合シートは、少なくとも片面のタックエネルギーが70μJ以下であることが望ましく、40μJ以下であることがより望ましい。というのも、該タックエネルギーが70μJ以下であると、自動実装工程において、バキュームノズルを用いて熱伝導性複合シートを実装した後にバキュームノズルによる陰圧を解除したときに、バキュームノズルからシートが容易に離れ、最終的に実装が上手くいきやすいからである。
別の実施形態において、本発明の熱伝導性複合シートは、一方の面のタックエネルギーが70μJ以下であり、他方の面のタックエネルギーが80μJ以上であることが望ましい。自動実装工程において、上記一方の面はバキュームノズルに吸引される側のシート表面として用いることができ、上記他方の面はチップに接触する側のシート表面として用いることができる。該一方の面のタックエネルギーが70μJ以下であることが望ましい理由は上記のとおりであり、該タックエネルギーは40μJ以下であることがより望ましい。該他方の面のタックエネルギーは80μJ以上200μJ以下であることがより望ましい。該他方の面のタックエネルギーが80μJ以上であることが望ましい理由は下記のとおりである。自動実装工程において、バキュームノズルを用いて熱伝導性複合シートをチップに実装したときに、シートがチップにある程度貼り付いた方が、バキュームノズルからシートを容易に引き離せるし、実装工程の次の工程へ移るときにシートがチップからずれないという利点がある。よって、チップに接触する側のシート表面はある程度の粘着性を有している方がよい。
本明細書において、タックエネルギーは、マルコム社製タッキネステスターTK-1を用い、IPC規格(IPC-SP-819)に準拠して測定した値である。
[熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率]
金属箔の両側に積層された熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率は4.0W/mK以上であることが好ましい。該熱伝導率が4.0W/mK以上であると、得られる熱伝導性シリコーン複合シートを発熱量の大きい発熱部へ適用したときに、効果的に放熱を行うことができる。
本明細書において、熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率は、60mm×60mm×6mmのサイズに成型した該硬化物を2枚準備し、これら2枚の硬化物でプローブを挟み、ISO 22007-2:2008に準拠してホットディスク法を用いることで測定した値である。
[熱伝導性複合シートの厚み]
本発明の熱伝導性シリコーン複合シートの厚みは60μm以上600μm以下であることが好ましく、より好ましくは200μm以上400μm以下である。該厚みがこの範囲内であると、得られる熱伝導性シリコーン複合シートは、熱抵抗が上昇しにくく、柔軟性及び圧縮性能が良好となりやすい。
[熱伝導性シリコーン硬化物の硬度]
本発明で用いられる熱伝導性シリコーン硬化物のアスカーC硬度は、バキュームノズルで吸引される側(上記の一方の面)で30以上であることが好ましい。該アスカーC硬度が30以上であると、該一方の面の粘着性を効果的に抑えることができ、該面のタックエネルギーを70μJ以下に調整することが容易である。
また、本発明で用いられる熱伝導性シリコーン硬化物のアスカーC硬度は、チップに接触する側(上記の他方の面)で3以上20以下であることが望ましい。該アスカーC硬度がこの範囲内であると、該他方の面の粘着性は適度なものとなりやすく、該面のタックエネルギーを80μJ以上に調整することが容易である。これにより、前述したようにシートがチップと張り付きやすくなり、生産工程上都合が良い。
熱伝導性シリコーン硬化物の硬度は、例えば、上記硬化剤の種類及び添加量を調整することにより、所望の値に容易に設定することができる。
本明細書において、アスカーC硬度は、アスカーC硬度計を用い、JIS規格(JIS K 7312)に準拠して測定した値である。
[熱伝導性シリコーン複合シートの熱抵抗]
本発明の熱伝導性シリコーン複合シートの熱抵抗は、2.0Kcm2/W以下であることが好ましい。該熱抵抗がこの範囲内であると、得られる熱伝導性シリコーン複合シートを発熱量の大きい発熱部へ適用したときに、効果的に放熱を行うことができる。
本発明において、熱伝導性シリコーン複合シートの熱抵抗は、ASTM D-5470試験法を用い、30psi/100℃/30分の条件で測定した値である。
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
熱伝導性シリコーン組成物を以下のとおりに調製した。下記の(A)、(C)、(F)、及び(G)成分を表1に示す量(単位は質量部)でプラネタリーミキサーに仕込み、60分間混練した。そこに下記の(D)及び(E)成分を表1に示す量(単位は質量部)で加え、さらにセパレータとの離型を促す内添離型剤を有効量加え、さらに30分間混練した。そこにさらに(B)成分を表1に示す量(単位は質量部)で加え、30分間混練し、組成物A-1〜A-5及びB-1〜B-5を得た。
(A)成分:下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン(25℃における粘度:600mm2/s)
Figure 0005742667

(式中、Xはビニル基であり、nは上記粘度を与える数である)
(B)成分:下記式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 0005742667

(式中、o及びp(各シロキサン単位の平均重合度を表す)はそれぞれ28及び2である)
(C)成分:下記の熱伝導性充填材
(C-1)平均粒径1μmのアルミニウム粉
(C-2)平均粒径10μmのアルミニウム粉
(C-3)平均粒径1μmのアルミナ
(C-4)平均粒径10μmのアルミナ
(D)成分:白金触媒として塩化白金酸の5質量%2-エチルヘキサノール溶液
(E)成分:付加反応制御剤としてエチニルメチリデンカルビノール
(F)成分:ウェッターとして下記式(3)で表される片末端トリメトキシシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合度30)
Figure 0005742667

(G)成分:可塑剤として下記式(4)で表されるジメチルポリシロキサン
Figure 0005742667

(式中、r=80)
[実施例1〜6及び比較例3]
得られた組成物の20質量%トルエン溶液を調製した。
組成物A-1〜A-5のいずれかを含むトルエン溶液をアルミニウム箔の一方の面上に流し込み、スペーサーとコーティングバーを用いて塗工し、80℃で10分間乾燥させ、さらに120℃で10分間硬化させて、バキュームノズルで吸引される側(A側)の硬化物をアルミニウム箔の一方の面に積層させた。
該アルミニウム箔の他方の面上に、組成物B-1〜B-5のいずれかを含むトルエン溶液を流し込み、上記と同様に塗工、乾燥、硬化を行い、チップに直接接する側(B側)の硬化物をアルミニウム箔の他方の面に積層させた。
上記のとおりにして目的の熱伝導性シリコーン複合シートを得た。組成物A-1〜A-5と組成物B-1〜B-5との組み合わせは表2のとおりである。
[比較例1]
組成物A-1の20質量%トルエン溶液をPETフィルム上に流し込み、上記と同様に塗工、乾燥、硬化を行って硬化物を得た。さらに、該硬化物上に組成物B-1の20質量%トルエン溶液を流し込み、上記と同様に塗工、乾燥、硬化を行って硬化物を得ることにより、目的の熱伝導性シリコーン複合シートを得た。特性評価はPETフィルムを剥がした上で行った。
[比較例2]
組成物A-1の20質量%トルエン溶液をPETフィルム上に流し込み、上記と同様に塗工、乾燥、硬化を行って硬化物を得た。さらに、該硬化物上にガラスクロスを重ねて、その上に組成物B-1の20質量%トルエン溶液を流し込み、プレス硬化させることにより、目的の熱伝導性シリコーン複合シートを得た。特性評価はPETフィルムを剥がした上で行った。
[特性評価]
得られた組成物の硬化物について、アスカーC硬度及び熱伝導率(W/mK)を測定した。結果を表1に示す。
また、得られた熱伝導性シリコーン複合シートについて、タックエネルギー(μJ)及び熱抵抗(Kcm2/W)を測定した。さらに、10×10mmサイズに切り出した該シートを自動実装することができるか否かについて、バキュームノズルを備えた自動実装装置を用いて確認した。結果を表2に示す。
Figure 0005742667
Figure 0005742667

注)ガラスクロス
実施例に示す通り、シリコーン成分100質量部に対して熱伝導性充填材を300質量部以上充填させた熱伝導性シリコーン硬化物を金属箔であるアルミニウム箔の両側に積層させた複合シートは、非常に熱抵抗が低い。また、該複合シートは、補強層の役割を果たすアルミニウム箔を有することと、さらに片面のタックエネルギーが70μJ以下に抑えられていることとで、実装自動化へ適用が可能であった。
一方、比較例1のように補強層を用いなかった場合、熱抵抗は実施例に比べて上昇し、さらに実装自動化への適用が不可であった。やはり補強層がないとシートがたわんでしまい正しく実装できない。比較例2のように補強層としてガラスクロスを用いると、熱抵抗の上昇が見られ、また補強層の補強力不足からシートがたわんでしまい実装自動化への適用はできなかった。比較例3のようにシリコーン成分100質量部に対して熱伝導性充填材の量を300質量部未満にすると、得られるシリコーン硬化物の熱伝導率が低くなり、該シリコーン硬化物を備える複合シートの熱抵抗が上昇してしまう。

Claims (4)

  1. 金属箔と該金属箔の両面に積層された熱伝導性シリコーン硬化物とを備え、
    該熱伝導性シリコーン硬化物は、シリコーン成分100質量部と熱伝導性充填材300質量部以上とを含有する熱伝導性シリコーン組成物の硬化物である熱伝導性シリコーン複合シートであって、一方の面のタックエネルギーが70μJ以下であり、他方の面のタックエネルギーが80μJ以上である熱伝導性シリコーン複合シート。
  2. 前記熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率が4.0W/mK以上である請求項1に係る熱伝導性シリコーン複合シート。
  3. 厚みが60μm以上600μm以下である請求項1又は2に係る熱伝導性シリコーン複合シート。
  4. バキュームノズルによる自動実装が可能な請求項1〜のいずれか1項に係る熱伝導性シリコーン複合シート。
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