JP5742229B2 - 有害節足動物の防除方法、組成物、静電噴霧装置 - Google Patents

有害節足動物の防除方法、組成物、静電噴霧装置 Download PDF

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Description

本発明は、飛翔昆虫を含む有害節足動物の防除方法、組成物および静電噴霧装置に関するものである。
下記に示す式(1)で表されるエステル化合物は、いわゆる害虫の防除に有効であることが知られており、特許文献1に開示されている。以下、本明細書において防除対象である害虫、詳しくは昆虫類等の節足動物を「有害節足動物」と総称することがある。また、本明細書において、「有害節足動物の防除」とは、忌避、誘引、ノックダウンまたは殺滅による有害節足動物の挙動変更を意味する。「防除に有効」とは、対象となる有害節足動物の挙動を変更させることができる量の有効成分を供給することを意味する。
Figure 0005742229
一般に、有害節足動物の防除には、防除の効果を有する有効成分を、加熱(例えば、くん煙)、加圧(例えば、ガス圧もしくは機械圧)などの方法を用いて散布することにより、直接または間接的に、また、連続または断続的に有害節足動物に接触させることにより行う。
さらに、液体のTaylor coneを形成させて、その先端から液体粒子を散布することが可能な静電噴霧は、当技術分野で公知である(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。
特開平11−222463号公報 欧州特許出願公開第1399265号明細書
Proceedings of the Royal Society - 1964, p383-397
上式(1)で示されるエステル化合物を効率的に噴霧して有害節足動物の防除を行う方法や、効率的に噴霧することが可能な組成物が求められている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、散布のために加熱(例えば、くん煙)、加圧(例えば、ガス圧もしくは機械圧)を必要とせず、効果的に防除処理を行うことが可能な有害節足動物の防除方法を提供することを目的とする。また、広範な種類の有害節足動物を防除処理することが可能な組成物を提供することをあわせて目的とする。さらに、散布のために加熱、加圧を必要とせず、簡便に本発明の組成物を噴霧することができ、効果的に有害節足動物の防除処理を行うことを可能とする静電噴霧装置を提供することをあわせて目的とする。
前記課題を解決する手段として、本発明の有害節足動物の防除方法は、式(1)
Figure 0005742229
で示されるエステル化合物を含有する組成物を、有害節足動物又は前記有害節足動物の生息場所に、前記有害節足動物の防除に有効な量、静電噴霧することを特徴とする。
本発明においては、前記組成物の電気抵抗値が20℃で1×10Ωm以上1×10Ωm以下、且つ粘度が20℃で1mPa・s以上10mPa・s以下、且つ表面張力が20℃で20mN/m以上40mN/m以下であることが望ましい。
本発明においては、前記組成物が、次の(i)、(ii)を含有することが望ましい。
(i)前記エステル化合物0.1質量%以上10質量%以下、
(ii)1分子中に水酸基を1個以上有するポリオール、1分子中に水酸基を1個以上有するポリオールエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール酢酸エステル、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−アセトキシプロパン、およびオキシビス(メトキシ)プロパンからなる群から選ばれる少なくとも1の化合物と、物性調整成分と、を含む分散媒90質量%以上99質量%以下
(ただし、前記物性調整成分は、前記組成物の全体量に対し0.5質量%以上25質量%以下)
本発明においては、前記静電噴霧は、筒状のスプレー電極の内部に前記組成物を供給することと、前記スプレー電極および前記スプレー電極と対になる放電電極との間に、前記組成物が前記液体粒子となるような電圧を印加することと、前記組成物を前記スプレー電極から噴霧することと、を含むことが望ましい。
また、本発明の組成物は、式(1)
Figure 0005742229
で示されるエステル化合物を含有し、その電気抵抗値が20℃で1×10Ωm以上1×10Ωm以下、且つ粘度が20℃で1mPa・s以上10mPa・s以下、且つ表面張力が20℃で20mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする。
本発明においては、前記組成物が次の(i)、(ii)を含有することが望ましい。
(i)前記エステル化合物0.1質量%以上10質量%以下、
(ii)1分子中に水酸基を1個以上有するポリオール、1分子中に水酸基を1個以上有するポリオールエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール酢酸エステル、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−アセトキシプロパン、およびオキシビス(メトキシ)プロパンからなる群から選ばれる少なくとも1の化合物と、物性調整成分と、を含む分散媒90質量%以上99質量%以下
(ただし、前記物性調整成分は、前記組成物の全体量に対し0.5質量%以上25質量%以下)
また、本発明の静電噴霧装置は、上述の組成物が保持された貯液槽と、前記組成物が前記貯液槽から供給されるスプレー電極と、前記スプレー電極近傍に配置された放電電極と、を備え、前記スプレー電極と前記放電電極との間に電圧を印加することで、前記組成物を前記スプレー電極から静電噴霧することを特徴とする。
本発明の防除方法によれば、散布のために熱、加圧(例えば、ガス圧もしくは機械圧)、または煙霧を必要とせず、効果的に防除処理を行うことができる。また、本発明の組成物によれば、広範な種類の有害節足動物を防除処理することができる。さらに、本発明の静電噴霧装置によれば、散布のために熱、加圧(例えば、ガス圧もしくは機械圧)、または煙霧を必要とせず、簡便に組成物を噴霧することができ、効果的に有害節足動物の防除処理を行うことが可能となる。
本実施形態の組成物の噴霧に用いられる静電噴霧装置を示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態を示しながら説明する。
本実施形態に係る組成物は、後述するように本実施形態の有害節足動物の防除方法に好適に用いられるものであり、(i)式(1)で示されるエステル化合物、(ii)分散媒を含んでいる。また、(ii)分散媒として選択可能な物質の中には、組成物の物性、特に、電気抵抗値、粘度および表面張力を調節するための物性調整機能を有する分散媒(以下、物性調整成分と記すことがある。)を含んでいても構わない。
(エステル化合物)
本実施形態の組成物は、式(1)のエステル化合物を含む。エステル化合物は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する化合物である。
Figure 0005742229
式(1)のエステル化合物(以下、本エステル化合物と記す。)は、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル)メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートである。本エステル化合物は、例えば特開平11−222463号公報に記載の方法により製造することができる。
本エステル化合物には、シクロプロパン環上に存在する2つの不斉炭素原子に由来する異性体(R体、S体)、シクロプロパン環で規定される立体構造に由来する異性体(シス体、トランス体)、及びシクロプロパン環に置換している置換基の二重結合に由来する異性体(E体、Z体)が存在するが、本発明では活性な異性体を任意の比率で含有するものを使用することができる。異性体の比率は、例えば本エステル化合物を製造する際に用いる反応の立体選択性によって定まる値である。また、各異性体を任意の比率で混合して使用することとしても良い。
本エステル化合物の形態としては、例えば、
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル)メチル=(1R)−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル)メチル=(1R)−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル)メチル=(1R)−シス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル)メチル=(1R)−トランス−2,2−ジメチル−3−((E)−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル)メチル=(1R)−トランス−2,2−ジメチル−3−((Z)−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート等が挙げられる。中でも、本エステル化合物の形態は、(1R)−トランス体であることが好ましい。
なお、式(1)のエステル化合物において、シクロプロパン環におけるカルボキシル基が結合する炭素が1位、炭素−炭素二重結合を有する置換基が結合する炭素が3位である。
このようなエステル化合物は、組成物中に約0.1質量%以上10質量%以下、好ましくは0.6質量%以上8質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上6質量%以下の割合で存在する。
(分散媒)
本実施形態の組成物は、式(1)のエステル化合物を溶解または分散させる分散媒を含む。分散媒は、溶媒または溶媒混合物、例えば、有機溶媒または有機溶媒混合物である。溶媒は、極性溶媒または非極性溶媒でもよいが、通常は極性溶媒が好適に用いられる。
本実施形態においては、組成物を効果的に散布するために、後述するように小液滴の安定なスプレーを静電噴霧装置で発生させる。そのため組成物は、次のような性質を具備していることが望まれる。組成物が具備すべき性質としては、第1に式(1)の化合物が組成物中に均一に分散または溶解していること、第2に組成物が、適当な電気抵抗値、粘度および表面張力を有することを特徴とすること、ならびに第3に分散媒の毒性が低いこと、が挙げられる。
組成物の分散媒は、適切には、1分子中に水酸基を1個以上有するポリオール(例えば、エチルアルコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、グリコールエーテル(例えば、グリコールメチルエーテル)等の1分子中に水酸基を1個以上有するポリオールエーテルを含むものが挙げられる。特に適切なポリオールエーテルは、ジプロピレングリコールメチルエーテルである。他の特に適切なポリオールエーテルには、プロピレングリコールメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールメチルエーテルが挙げられる。
更なる分散媒には、1−メトキシ−2−プロパノール酢酸エステル、1−ブトキシ−2−プロパノールおよび1−プロポキシ−2−アセトキシプロパン、ならびにオキシビス(メトキシ)プロパンが挙げられる。
このような分散媒は、組成物中に好ましくは65質量%以上99質量%以下、より好ましくは70質量%以上95質量%以下の割合で存在する。
本実施形態の組成物に用いる分散媒は、物性調整成分である場合がある。本実施形態の組成物では、物性調整成分を適宜用いることによって、本実施形態の組成物の物性を調整することができる。物性調整成分は、複数組み合わせて用いることとしても構わない。
物性調整成分としては、エステル系溶剤、石油系(パラフィン系、芳香族系、ナフテン系)溶剤、(たとえばIsopar L(登録商標))、シリコーン油(例えば、デカメチルテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンおよびそれらの混合物)、ポリエチレングリコール、水(例えば、HPLC(High performance liquid chromatography)用の水)、ならびに電解質の希釈水溶液(例えば、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、アスコルビン酸、クエン酸または酢酸の希釈溶液)が挙げられる。
例えば、Isopar Lなどのイソパラフィンを添加することにより、組成物の表面張力を下げることができる場合がある。なお、該組成物には、例えば、イソパラフィンを0質量%以上9.99質量%以下含み得る。
また、質量平均分子量400Da超、例えば500Da以上700Da以下のポリエチレングリコールなどの比較的高い平均分子量のポリエチレングリコールの添加により、組成物の粘度を調節することができる場合がある。
さらに、電解質を添加することにより、組成物の電気抵抗値を調節することが可能である。適切な電解質は当技術分野で公知であり、たとえば、酢酸ナトリウムの希釈溶液(例えば、0.4質量%酢酸ナトリウム溶液)を含む、アルカン酸塩の希釈水溶液が挙げられる。
さらに、電気抵抗値に影響し得る分散媒としては、界面活性剤(非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤)があげられる。
本発明の組成物に含有されうる界面活性剤は、非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステルとしてステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン等が挙げられ、グリセリン脂肪酸エステルとしてステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル等が挙げられ、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしてヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられ、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとしてはテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等が挙げられ、その他としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルフェノールポリグリコールエーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタインとしてラウリルベタイン、ステアリルベタイン等が挙げられ、イミダゾリン誘導体としてはジ-ナトリウムN-ラウリル−p−イミノジプロピオネート等が挙げられ、その他としてレシチン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩としてラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられ、アルキルベンゼンスルホン酸塩としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩としてはジポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ジポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩としてセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
さらに、本実施形態の組成物には、電気抵抗値に影響し得る分散媒として、上述したものとは異なる他の四級アミンの塩、防腐剤、クロルヘキシジンジグルコネートを含むクロルヘキシジンの塩、および本明細書に開示したものを含む他の空気清浄化薬剤等も混合することができる。
組成物の物性測定の方法は以下に示す方法および装置を用いる。
まず、組成物の電気抵抗値は、液体抵抗セルを用いて比抵抗計(堀場製作所社製、型番pH/ION/COND METER F−55)で測定することができる。測定値は、MΩ・m単位の値として得られる。
また、組成物の表面張力は、ペンダントドロップ法を測定原理とする接触角・表面張力計(協和界面科学社製、型番DM−501)を用いて測定することができる。測定値は、mN/m単位の値として得られる。
さらに、組成物の粘度は、回転粘度計(東機産業社製、型番RB85L)を用いて測定することができる。測定値は、mPa・s単位の値として得られる。測定方法は、「JIS Z8803液体の粘度-測定方法」に準拠した方法を用いることができる。
そして、スプレー後における組成物の液滴の直径は、空間粒度分布測定装置Aero Particle Sizer Model 3321(TSI Instruments社製)、又はScanning Mobility Particle Sizer Model 3936(TSI Instruments社製)を用いて「平均粒子径」として測定することができる。測定値は、nmまたはμm単位の値として得られる。なお、平均粒子径は、100nm以上500nm(即ち、0.5μm)以下の範囲については、Model 3936を用いて測定される値、0.5μmより大きく10μm以下の範囲については、Model 3321を用いて測定される値を採用した。
組成物の電気抵抗値は、適切には20℃で1×10Ωm以上1×10Ωm以下の範囲にあるように調製することができる。また、組成物の粘度は、適切には20℃で1mPa・s以上10mPa・s以下の範囲にあるように調製することができる。さらに、組成物の表面張力は、適切には20℃で20mN/m以上40mN/m以下の範囲にあるように調製することができる。各物性の値を上述の範囲に設定することで、後述する静電噴霧装置を用いて組成物を良好に噴霧することができる。
本発明において使用される組成物には、さらに、その他の含有成分として香料又は空気清浄化薬剤を加えることができる。
前記香料としては、エッセンシャルオイル及びその他のフレグランスオイルが例示できる。そして、前記香料としては、これらオイルに含まれる全ての画分(成分油)のうちの一部のみを使用しても良い。
前記香料の好ましいものとして、より具体的には、コバノブラッシノキ(Melaleuca)のオイル、テルピネン−4−オール型等のティーツリーオイル;ネペタカテリア(Nepeta cateria)、ネペタカテリアの精製油等のイヌハッカオイル;ネペタラクトンを含む画分等のイヌハッカオイルの画分;タチジャコウソウ(Thymus vulgaris)のオイル等のタイムオイル;チモールを含む画分等のタイムオイルの画分等を含むものが例示できる。
また、フレグランスオイル等の香料は、例えば、骨格の鎖長が異なる複数種の化合物を含む混合物や、複数種の立体異性体を含む混合物であることが多いが、このような混合物を使用してもよい。
上記の中でも、前記香料としては、ティーツリーオイル、イヌハッカオイル及びタイムオイルからなる群から選択される1種以上のオイルの成分油が好ましい。
本発明の組成物がフレグランスオイルを含有する場合、該組成物におけるフレグランスオイルの含有量は、5質量%以上35質量%以下であることが好ましい。
また、フレグランスオイルとしては、20℃で270Pa以下の蒸気圧を有するものが好適である。
空気清浄化薬剤として、詳しくは、活性空気クリーナー成分、活性抗菌成分、活性抗真菌成分、活性抗アレルギー成分が例示できる。
ここで、「活性空気クリーナー成分」とは、消臭活性を有する物質である。
「活性抗菌成分」とは、細菌の増殖を阻害する活性を有する物質である。
「活性抗真菌成分」とは、真菌の増殖を阻害する活性を有する物質である。
「活性抗アレルギー成分」とは、アレルゲン物質の増殖を阻害する活性を有する物質である。
このような空気清浄化薬剤としては、活性空気クリーナー成分、活性抗菌成分、活性抗真菌成分、活性抗アレルギー成分として例示した機能のうち、単一の機能を発現する物質を用いることとしてもよく、複数の機能を発現することが期待される物質を用いることとしてもよい。このような、複数の機能を発現することが期待される物質として、空気清浄化薬剤として好ましい化合物は、より具体的には、ポリヘキサメチレンビガウアニドポリマー、ポリヘキサメチルグアニドポリマー、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、オクチルデシルジメチルアンモニウム塩化物、クロルヘキシジン、ジグルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、次亜塩素酸ナトリウム、2−フェニルフェノール、ポリエチレングリコール300、2−ベンジル−4−クロロフェノール、2−フェノキシエタノール、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロロキシレノール、トリクロロフェノール、フェノール、銀塩(特に、水溶性銀塩)、ヘキサクロロフェン、過酢酸、乳酸、過ギ酸、過マンガン酸カリウム、ペルオキシモノ硫酸カリウムが例示できる。
本発明の組成物が空気清浄化薬剤を含有する場合、該組成物における空気清浄化薬剤の含有量は、0.05質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上17質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上15質量%以下であることが特に好ましい。
前記活性抗菌成分としては、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、イソプロピルメチルフェノール、N−(ジクロロフルオロメチルチオ)−フタルアミド、N’−(ジクロロフルオロメチルチオ)N,N’−ジメチル−N’−フェニル−スルファミド、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、チアベンタゾール、二酸化塩素、2−ブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1 ,3− ジオール、2 ブロモ−2−ニトロプロパノール、1−ブロモ−1−ニトロプロパノール、1,4−ジブロモ−1,4−ジニトロブタンジオール−2,3−セチルピリジニウム、1−ブロモ−1−ニトロ−2−メチルプロパノール−2−セチルピリジニウムおよび塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、アクリノール、ポビドンヨード、マーキュロクロム、クロラムフェニコール、硫酸フラジオマイシン、硫酸ゲンタマイシン、塩酸オキシテトラサイクリン、硫酸ポリミキシンB、トリコマイシン、グリセオフルビンをさらに挙げることができる。
前記活性抗真菌成分としては、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、パラオキシ安息香酸エステル類、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸、ポリリジン、チアペンダゾール;リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、α−ターピネオール、ターピネン−4−オール、イソプレゴール等のテルペン系アルコール;2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロヘキサンメタノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)−エタノール、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−プロパノール等の炭素数7〜15の脂環式アルコール;ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、カルバクロール、オイゲノール等の炭素数7〜15のアリールアルキルアルコール又はアルキルアリールアルコールをさらに挙げることができる。
前記活性抗アレルギー成分としては、ハイドロキシアパタイト、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、没食子酸および没食子酸と炭素数1から4までのアルコールとのエステル化合物をさらに挙げることができる。
消臭等のための活性空気クリーナー成分としては、タンニン、フラボノイド(カルコン、フラバノン、フラバノール、フラボン、フラボノール、イソフラボン)等のポリフェノール、シクロデキストリン、メタクリル酸ラウリル、ゲラニルクロリネート、4−ヒドロキシ−6−メチル−3−(4−メチルペンタノイル)−2−ピロン、ホルマリン、グリオキサール、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ジヒドロキシ−アセトン、3,5,5−トリメチルヘキサノール、β−エトキシプロピオンアルデヒド、グルタロアルデヒド、メタアクリル酸エステル、マレイン酸エステル、マレイン酸モノアミド、マレイン酸イミド、フマル酸エステル、β−アシルアクリル酸およびその塩、セネシオン酸シトロネリル、1,3−ペンタジエン−1−カルボン酸アルキルエステル、ピナンハイドロパーオキサイド、p−サイメンパーオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、グリシジルエーテル、オクタアセチルサッカロース、Fe(III)−オクタカルボキシフタロシアニン、Fe(III)−テトラカルボキシフタロシアニン、5−メチル−2−イソプロピル−2−ヘキセナール、p−ブトキシフェノール、カテコール、ハイドロキノン、4−メチルカテコール、1,2,4−トリハイドロキシベンゼン、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、カルノソール、ロズマノール、ブラジリン、ヘマトキシリン、シコニン、ミリセチン、バイカレイン、バイカリン、シトラール、バニリン、クマリンをさらに挙げることができる。
本実施形態に係る組成物としては、以下のような組成物を例示できる。
Figure 0005742229
また、本実施形態の組成物が、上述したその他の含有成分を含む場合は、次のような組成比で構成される。
まず、その他の含有成分として香料成分である香油を含む場合、本実施形態に係る組成物は、下表2に示す組成比で構成される。
Figure 0005742229
また、その他の含有成分として消毒用化合物を含む場合、本実施形態に係る組成物は、下表3に示す組成比で構成される。
Figure 0005742229
(有害節足動物)
本実施形態の組成物を用いて防除される対象としては、昆虫およびダニ類等の節足動物が挙げられ、特に有害な昆虫および有害なダニ類等の有害な節足動物が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。
鱗翅目:ニカメイガ、コブノメイガ、ノシメマダラメイガ、スジコナマダラメイガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属(Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)ヘリオティス属(Heliothis spp.)、コナガ、イチモンジセセリ、イガ、コイガ等
双翅目:アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ハモグリバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等
網翅目:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
膜翅目:クロオオアリ、トビイロシワアリ、トビイロケアリ、オオハリアリ、ヒメアリ、クロクサアリ、イエヒメアリ、クロヤマアリ、ルリアリ、アミメアリ、オオズアリ、アルゼンチンアリ等のアリ類、フタモンアシナガバチ、トガリフタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、キボシアシナガバチ、コアシナガバチ、ヤマトアシナガバチ等のアシナガバチ類、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、クロスズメバチ、シダクロスズメバチ、キオビホオナガスズメバチ等のスズメバチ類、アリガタバチ類、ニホンカブラバチ等のハバチ類等
隠翅目:イヌノミ、ネコノミ、ヒトノミ等
シラミ目:ヒトジラミ、ケジラミ、アタマジラミ、コロモジラミ等
チャタテムシ目:チャタテムシ類
等翅目:ヤマトシロアリ、イエシロアリ、イースタンサブテラニアンターマイト、ウエスタンサブテラニアンターマイト、ダークサザンサブテラニアンターマイト、アリッドランドサブテラニアンターマイト、デザートサブテラニアンターマイト(等のサブテラニアンターマイト類、アメリカカンザイシロアリ等のドライウッドターマイト類、ネバダダンプウッドターマイト等のダンプウッドターマイト類等
半翅目:ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、アブラムシ類、アオクサカメムシ、ホソヘリカメムシ、オオトゲシラホシカメムシ、トゲシラホシカメムシ、チャバネアオカメムシ、クサギカメムシ、アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ等のカメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、トコジラミ等のトコジラミ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鞘翅目:ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウムシ、ワタミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属(Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、ヒョウホンムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ等
総翅目:ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
直翅目:ケラ類、バッタ類、コオロギ類等
ダニ類:コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サナアシニクダニ等のニクダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ、ミナミツメダニ等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類、タカラダニ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類、トリサシダニ、ワクモ等のワクモ類等
ゲジ類、トビズムカデ等のムカデ類;ヤケヤスデ、アカヤスデ等のヤスデ類;オカダンゴムシ等のダンゴムシ類、ワラジムシ類;チャコウラナメクジ、キイロコウラナメクジ等の腹足綱類;ジョロウグモ、カバキコマチグモ、セアカゴケグモ等のクモ類等
(防除方法)
上述の組成物を用いた有害節足動物の防除処理方法は、上述の組成物を、処理対象である有害節足動物または有害節足動物の生息場所に静電噴霧することによって行う。静電噴霧は静電噴霧装置を用いて行われる。
静電噴霧装置は、管状のスプレー電極の内部に液体を流動させ、当該スプレー電極とスプレー電極の近傍に設けられた参照電極(放電電極)との間に電圧を印加することにより、スプレー電極内部を流動する液体に静電気力を働かせる。すると、スプレー電極内の液体には、静電反発力が生じるため液体が微細化される。液体は、噴霧時に、スプレー電極の先端において、例えばコーンジェットモードを呈する。この種のスプレー法は、Geoffrey Taylor卿によりProceedings of the Royal Society, 1964, p383-397にて公開されているように、当技術分野で周知である。また、スプレー電極と放電電極との間に印加する電圧としては、1kV以上30kV以下であることが好ましい。
適切な静電噴霧装置の一例は、欧州特許公開第1399265号に記載されており、図1を参照することにより例示される。
図に示す静電噴霧装置では、筒状のスプレー電極1は、静電噴霧装置の本体側面(スプレー排出表面5)に設けられたスプレー窪み2の内部に収容されており、スプレー電極1と対を成す放電極電3は、同様に静電噴霧装置の本体側面(スプレー排出表面5)に設けられた放電窪み4の内部に収容されている。スプレー電極1からは、帯電した組成物が噴霧され、組成物の霧状粒子を形成する。放電電極3では、帯電した組成物の霧状粒子とは逆の電圧が印加され、噴霧された霧状粒子を引き寄せることで、霧状粒子の流動方向を偏向する。例えば、スプレー電極1は、27ゲージ金属または導電性プラスチックキャピラリーを備え、放電電極3は、直径0.6mmのステンレス鋼先鋭ピンを備える。
スプレー電極1および放電電極3は、シーズ金属管6,7を介して駆動回路10と電気的に接続されており、一方の電極を正極、他方を負極(例えばスプレー電極1を正極、放電電極3を負極)に印加することができる。
スプレー排出表面5は、誘電体材料を用いて形成されている。本実施形態の静電噴霧装置では、スプレー排出表面5を、例えば、ポリプロピレンを用いて形成することができる。
また、スプレー排出表面5には、スプレー電極1を収容するスプレー窪み2、および放電電極3を収容する放電窪み4が、鉛直方向(重力方向)に配列して設けられている。本実施形態の静電噴霧装置では、スプレー排出表面5は、これらのスプレー窪み2および放電窪み4が設けられている箇所以外の箇所では平坦面となっている。
しかしこれに限らず、スプレー排出表面5は、スプレー電極1から噴出された霧状の組成物に十分な電荷保持が行なわれ、帯電した霧状の組成物が放電電極3により引き寄せられて偏向させる限り、他の誘電体材料を用いることもでき、また湾曲面とすることもできる。
静電噴霧装置を用いて噴霧する組成物は、貯液槽8中に保持されており、不図示のポンプおよび配管を介してスプレー電極1に供給される。また貯液槽8は、組成物の供給にともなって内部が負圧にならないように、空気導入小孔9を介して外部と接続されている。
また、静電噴霧装置を用いて組成物の噴霧を繰り返すと、貯液槽8内の組成物を消費することとなるが、この場合、引き続き同じ静電噴霧装置を用いるために、次の態様のいずれかを採用することができる。
まず第1の態様として、静電噴霧装置は、同一の貯液槽8に組成物を追加可能に構成されていることとしてもよい。この場合、貯液槽8が、静電噴霧装置から着脱可能に設けられており、取り外した貯液槽8に組成物を追加した後に、静電噴霧装置に再度取り付ける構成であることとしてもよく、また、貯液槽8が静電噴霧装置に固定されており、別途貯液槽8内に組成物を追加可能とする追加口が設けられていることとしてもよい。
また、第2の態様として、静電噴霧装置は、貯液槽8が交換可能に設けられており、組成物が保持された別体の貯液槽と交換することで、組成物を追加可能に構成されていることとしてもよい。例えば、静電噴霧装置では、組成物が保持された貯液槽をカートリッジ式の交換部材として構成しておき、適宜取り替え可能であることとしてもよい。その場合、カートリッジの具体的な構成としては、特表2008−508150号公報で示されているものが例として挙げられる。
もちろん、貯液槽8に保持された組成物を使い切った場合に使用不能となる(すなわち、静電噴霧装置が使い捨ての構成である)こととしても構わない。
このような静電噴霧装置によれば、まず貯留槽8から筒状のスプレー電極1内に組成物が供給され、スプレー電極1において組成物に高電圧が印加される。上述のように組成物は、所定範囲の電気抵抗を有しているために帯電し、静電気力でスプレー電極1の先端から噴射される。噴射された組成物は、スプレー電極1に印加された電荷に帯電しているため、クーロン力により反発し、微細化しながら空間に噴霧される。このとき、上述のように組成物は、所定範囲の粘度と所定範囲の表面張力とを有しているため、良好に噴射され微細化する。
例えば、電池の挿入または内蔵電子タイマーの作用によって、駆動回路10によりこの装置に通電すると、貯液槽8の液体は、その蒸気圧および装置近傍の周囲条件に従って素早く蒸発するように、非常に微細な形態でスプレー電極1から吐出される。吐出量は、対象とする有害節足動物に対するエステル化合物の有効量によって定めることができる。
静電噴霧装置は、本発明による組成物を時折(例えば、一定の負荷サイクルにて)または連続的に供給するように適合させ得る。供与速度は、例えば、1日当たり組成物最大5g、或いは最大3gでもよいが、このようなレベルに制限されない。
このような静電噴霧装置では、揮発性の低い組成物成分がスプレー電極の上またはその回りに堆積してくることがあるが、これは静電噴霧装置の一般的な制約である。成分の堆積が起こると、スプレー電極は、部分的に目詰まりまたは閉塞され、組成物の静電噴霧が非効率になる、または静電噴霧ができなくなるということが生じ得る。これは、スプレー電極が細管である場合に特に生じ得る。
しかし、静電噴霧装置で噴霧させる液体として本実施形態の組成物を用いると、2分間に25秒噴霧する負荷サイクルで14日間、エステル化合物の比較的高濃度(例えば、エステル化合物を1.2質量%)でスプレーした際に、スプレー電極の上またはその回りに殆どまたは全く堆積を起こさず、安定な噴霧が可能であった。
静電噴霧によってスプレーされた組成物は霧状に観察されるため、スプレー電極(具体的には、図1のスプレー電極1)の近傍を目視検査することによって実際の噴霧の有無を定性的に判断することができる。
静電噴霧によってスプレーされた組成物の定量は、静電噴霧装置の近傍で霧状粒子を採取し、使用したエステル化合物の種類に適した方法(例えば、HPLCまたは分光光度法)で当該エステル化合物を定量することによりなし得る。
また、静電噴霧装置全体または貯液槽(具体的には、図1の貯液槽8)などの質量変化をモニターすることによってもなし得る。
このような静電噴霧装置を用いた防除処理の効果は、当業者に公知の一連の手段を介して可能になる。例えば、害虫母集団の50%が、寸法既知の試験チャンバー(例えばPeet-Gradyチャンバー)中でノックダウン(KD50)または死滅(KT50)するまでの時間として定量的に分析することができる。
このようにすることで、常温では固体である組成物を良好に有害節足動物または有害節足動物の生息場所に静電噴霧することができる。したがって、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態の防除方法によれば、式(1)で表されるエステル化合物を含む組成物を静電噴霧によって噴霧することにより、組成物の散布のために加熱(例えば、くん煙)、加圧(例えば、ガス圧もしくは機械圧)を必要とせず、エステル化合物の噴霧開始および停止を即時に行うことができる。そのため、エステル化合物の噴霧量の制御が容易となり、エステル化合物の浪費を抑制することができる。したがって、本実施形態の防除方法によれば、効果的に有害節足動物の防除処理を行うことができる。
また、本実施形態の防除方法では、式(1)で表されるエステル化合物を含む組成物の電気抵抗値、粘度、表面張力が所定の範囲の値となっているために、静電噴霧に適した物性となっている。そのため、組成物を確実に噴霧することができ有害節足動物を処理することができる。
また、本実施形態の防除方法では、静電噴霧に適した装置を用いることで、組成物を確実に噴霧することができる。
また、本実施形態の組成物によれば、標準気圧下で固体である式(1)で表されるエステル化合物を含む組成物が、電気抵抗値、粘度、表面張力が所定の範囲の値を有しているために、広範な有害節足動物の防除を可能とし、静電噴霧に適した組成物とすることができる。
また、本実施形態の静電噴霧装置では、散布のために加熱(例えば、くん煙)、加圧(例えば、ガス圧もしくは機械圧)を必要とせず、簡便に組成物を噴霧することができる。そのため、この装置は、噴霧量の制御が容易であることから活性成分であるエステル化合物の浪費を抑制することができ、効果的に有害節足動物の防除処理を行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、試験チャンバー(1.8m×1.8m×1.8m)における飛翔昆虫(アカイエカ、Culex pipiens pallens)のノックダウン率について比較を行った。本実施例では、アカイエカ雌成虫50匹を各方法にて防除処理を行った試験チャンバー内に放ち、10分後にノックダウンした虫数を調査し、ノックダウン率を測定した。
(実施例1)
実施例1の組成物は、次の処方に従って調製した。
Figure 0005742229
Figure 0005742229
本実施例では、式(1)のエステル化合物として、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル)メチル=(1R)−トランス−2,2−ジメチル−3−((Z)-1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートを用いた。
上記表4で示される組成物を、欧州特許公開第1399265号に開示されている静電噴霧装置(Cleanaerモデル、Atrium Innovation Ltd.)の貯液槽中に供給した。静電噴霧装置を試験チャンバー内に設置し、スイッチを入れた直後の最初3分間は連続噴霧した後、1分間中断した。その後、2分毎に25秒噴霧するサイクルで装置を作動してチャンバー中に組成物25mgを噴霧し、その後で装置を停止させることにより、試験チャンバー内を防除処理した。
その後、アカイエカの雌成虫50匹を試験チャンバー中に放出した。アカイエカを放出してから10分後にノックダウンした虫数を調査し、ノックダウン率を決定した。
(比較例1)
虫取り線香の基材(Union Insecticide Co., Inc.)0.5gに、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル)メチル=(1R)−トランス−2,2−ジメチル−3−((Z)-1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートのアセトン溶液0.3mlを含浸させた。ここで、基材には、エステル化合物が0.05質量%含有するように、均一に含浸した。
生成した基材を風乾することにより、虫取り線香を得た。虫取り線香を、試験チャンバーの底部中心に配置したホルダー上にセットし、虫取り線香の一端に着火して、線香の燃焼を完了させることにより、試験チャンバー内を防除処理した。
その後、アカイエカの雌成虫50匹を試験チャンバー内に放出した。アカイエカを放出してから10分後にノックダウンした虫数を調査し、ノックダウン率を求めた。
実施例1および比較例1の結果を表5に示す。
Figure 0005742229
測定の結果、実施例1では比較例1と比べ高いノックダウン率を示し、高効率で防除できることが分かった。これにより、本発明の有用性が確かめられた。
1 スプレー電極
2 スプレー窪み
3 放電極
4 放電窪み
5 スプレー排出表面
6 シーズ金属管
7 シーズ金属管
8 貯液槽
9 空気導入小孔
10 駆動回路

Claims (7)

  1. 式(1)
    Figure 0005742229
    で示されるエステル化合物と、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールメチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1の化合物とを含有する組成物を、有害節足動物又は前記有害節足動物の生息場所に、前記有害節足動物の防除に有効な量、静電噴霧する工程を含み、
    前記組成物は、表面張力が20℃で20mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする有害節足動物の防除方法。
  2. 前記組成物の電気抵抗値が20℃で1×10Ωm以上1×10Ωm以下、且つ粘度が20℃で1mPa・s以上10mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の有害節足動物の防除方法。
  3. 前記組成物が、次の(i)、(ii)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の有害節足動物の防除方法。
    (i)前記エステル化合物0.1質量%以上10質量%以下、
    (ii)ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルおよびトリプロピレングリコールメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1の化合物と、電解質の希釈水溶液と、イソパラフィンと、を含む分散媒90質量%以上99質量%以下
    (ただし、電解質の希釈水溶液と、イソパラフィンは、前記組成物の全体量に対し0.5質量%以上25質量%以下)
  4. 前記静電噴霧は、筒状のスプレー電極の内部に前記組成物を供給することと、
    前記スプレー電極および前記スプレー電極と対になる放電電極との間に、前記組成物が前記液体粒子となるような電圧を印加することと、
    前記組成物を前記スプレー電極から噴霧することと、を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の有害節足動物の防除方法。
  5. 式(1)
    Figure 0005742229
    で示されるエステル化合物と、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールメチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1の化合物とを含有し、その電気抵抗値が20℃で1×10Ωm以上1×10Ωm以下、且つ粘度が20℃で1mPa・s以上10mPa・s以下、且つ表面張力が20℃で20mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする組成物。
  6. 次の(i)、(ii)を含有することを特徴とする請求項5に記載の組成物。
    (i)前記エステル化合物0.1質量%以上10質量%以下、
    (ii)ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1の化合物と、電解質の希釈水溶液と、イソパラフィンと、を含む分散媒90質量%以上99質量%以下
    (ただし、電解質の希釈水溶液と、イソパラフィンは、前記組成物の全体量に対し0.5質量%以上25質量%以下)
  7. 請求項5または6に記載の組成物が保持された貯液槽と、前記組成物が前記貯液槽から供給されるスプレー電極と、前記スプレー電極近傍に配置された放電電極と、を備え、前記スプレー電極と前記放電電極との間に電圧を印加することで、前記組成物を前記スプレー電極から静電噴霧することを特徴とする静電噴霧装置。
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