JP5742126B2 - ビアリール化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビアリール化合物の製造方法等に関する。
ビアリール化合物、特に電子求引性基を有するビアリール化合物は生理活性物質、各種化学製品の重要な合成中間体として有用である。かかるビアリール化合物の製造方法としては種々の方法が知られているが、その中でも、原料として、アリールブロミド化合物またはアリールヨージド化合物を用い、金属銅存在下、当該化合物同士をカップリングするUllmann反応を用いたビアリール化合物の製造方法が、例えば、非特許文献1及び2に記載されている。
Chem.Rev.2002,102,1359 ORGANIC REACTIONS 2004,63,265
工業生産には、アリールブロミド化合物やアリールヨージド化合物よりも廉価な原料であるアリールクロライド化合物を用いて、ビアリール化合物を製造する方法が求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
<1> 金属銅及び銅塩の存在下、式(1)
Ar−Cl (1)
(式(1)中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を表す。)
で示されるアリールクロライド化合物をカップリングする工程を含む式(2)
Ar−Ar (2)
(式(2)中、Arはそれぞれ独立であり、前記式(1)と同義である。)
で示されるビアリール化合物の製造方法。
<2> 銅塩が、10.0以下の酸解離定数(pKa)を示すブレンステッド酸から水素イオンを取り去ったブレンステッド塩基と銅カチオンとからなる塩である<1>記載の製造方法。
<3> 10.0以下の酸解離定数(pKa)を示すブレンステッド酸が、ハロゲン化水素、硫酸、チオシアン酸、リン酸、炭酸、硝酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、アセチルアセトン、フェノール、ペンタフルオロフェノールおよびチオフェノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である<2>記載の製造方法。
<4> 銅塩が、ハロゲン化銅、硫酸銅、銅チオシアネート、リン酸銅、炭酸銅、硝酸銅、メタンスルホン酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−ベンゼン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−トルエン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、ベンゼンスルホン酸銅、酢酸銅、トリフルオロ酢酸銅、ペンタフルオロプロピオン酸銅、銅(II)アセチルアセトナート、銅フェノレート、銅ペンタフルオロフェノレートおよび銅チオフェノレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である<1>記載の製造方法。
<5> 銅塩が、ハロゲン化銅である<1>記載の製造方法。
<6> 銅塩の使用量が、前記式(1)で示されるアリールクロライド化合物の物質量に対して、0.01〜50モル%の範囲である<1>〜<5>のいずれか記載の製造方法。
<7> 銅塩の使用量が、式(1)で示される化合物1モルに対して、0.1〜50モル%である<1>〜<5>のいずれか記載の製造方法。
<8> Arが、電子求引性基を少なくとも一つ有する芳香族基である<1>〜<7>のいずれか記載の製造方法。
<9> 前記式(1)で示されるアリールクロライド化合物が、式(3)
Figure 0005742126
(式(3)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基又は下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を有するアミノ基を表し、
は、水素原子、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、下記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基又は下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を有するアミノ基を表す。なお、隣接する炭素原子にそれぞれ結合しているR及びRの組み合わせ、R及びRの組み合わせ、又はR及びRの組み合わせは、各々が結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。Eは電子求引性基を表す。)
で示されるアリールクロライド化合物であり、
前記式(2)で示されるビアリール化合物が、式(4)
Figure 0005742126
(式(4)中、R、R、R、R及びEはそれぞれ独立であり、前記式(3)と同義である。)
で示されるビアリール化合物である<1>〜<7>のいずれか記載の製造方法。
〔G群〕
フッ素原子;シアノ基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数6〜12のアリール基;炭素数6〜12のアリールオキシ基
<10> 電子求引性基が、式(5)
Figure 0005742126
(式(5)中、Yは、水素原子、アルカリ金属イオン、または、式(6)
Figure 0005742126
(式(6)中、Y、Y、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
で示されるアンモニウムイオンを表す。)
で示される基である<8>又は<9>記載の製造方法。
<11> 前記式(1)で示されるアリールクロライド化合物が、式(10)
Figure 0005742126
(式(10)中、Yは、水素イオン、アルカリ金属イオン、または、式(6)
Figure 0005742126
(式(6)中、Y、Y、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
で示されるアンモニウムイオンを表す。R10はそれぞれ独立に、フッ素原子、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。kは0〜3の整数を表わす。また、隣接する炭素原子にそれぞれ結合している2つのR10同士は結合し、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
〔G群〕
フッ素原子;シアノ基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数6〜12のアリール基;炭素数1〜12のアリールオキシ基

で示されるアリールクロライド化合物であり、式(2)で示されるビアリール化合物が式(11)
Figure 0005742126
(式中、R10、Y及びkは前記と同義である。)
で示されるビアリール化合物である<1>〜<8>のいずれか記載の製造方法。
<12> Yがアルカリ金属イオンである<10>又は<11>記載の製造方法。
<13> 前記式(3)及び前記式(4)におけるEが、ニトロ基(-NO)である<8>又は<9>記載の製造方法。
<14> 前記工程が、非プロトン性極性溶媒の存在下で、式(1)で示されるアリールクロライド化合物をカップリングする工程である<1>〜<13>のいずれか記載の製造方法。
本発明によれば、出発原料として、より廉価なアリールクロライド化合物から対応するビアリール化合物が製造可能である。
本発明の式(2)で示されるビアリール化合物(以下、ビアリール化合物(2)と記すことがある)の製造方法は、金属銅及び銅化合物の存在下、式(1)で示されるアリールクロライド化合物(以下、アリールクロライド化合物(1)と記すことがある)をカップリングさせる工程を含むことを特徴とする。以下の説明において、かかる工程に係るカップリングを「本発明のカップリング反応」という。
以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
<ビアリール化合物(2)製造>
まず、本発明のカップリング反応に用いられる金属銅及び銅塩について説明する。
金属銅の使用量は、用いるアリールクロライド化合物(1)の物質量1モルに対して0.5〜20モルであり、好ましくは1〜5モルである。金属銅の使用量が0.5モル以上であると、得られるビアリール化合物(2)の収率が向上する傾向があることから好ましく、また、金属銅の使用量が20モル以下であると、ビアリール化合物(2)を反応系中から取り出すための後処理において、操作が簡便になる傾向があることから好ましい。金属銅の形状としては、例えば、粉体状、ワイヤ状、箔状、削り状又は粒子状等が挙げられ、当該金属銅の操作性の点からは、粉体状であること好ましい。このような金属銅は、市場から容易に入手可能である。かかる市販の金属銅は、その表面の一部が、環境中の酸素により酸化され酸化銅になっていることもある。このようにごく微量の酸化銅を含む金属銅はそのままカップリング反応に供することもできるし、かかるごく微量の酸化銅を除去してからカップリング反応に供することもできる。
銅塩は、銅カチオンとアニオンとからなる。1価の銅カチオンとアニオンとからなる銅塩でもよいし、2価の銅カチオンとアニオンとからなる銅塩でもよい。
アニオンとしては、10.0以下の酸解離定数(pKa)を示すブレンステッド酸から水素イオンを取り去ったブレンステッド塩基が好ましい。酸解離定数(pKa)は、25℃、水中における数値であり、化学便覧基礎編改訂5版II−331〜II−343(日本化学会編、丸善株式会社発行)に記載の方法によって算出することができる。ここで、炭酸、硫酸、硝酸などの多価塩基酸の場合、最初の水素イオンを取り去る際の酸解離定数(pKa)が10.0以下であることが好ましい。
アニオンとして、酸解離定数(pKa)が6.0未満であるブレンステッド酸から水素イオンを取り去ったブレンステッド塩基がより好ましく、3.0未満であるブレンステッド酸から水素イオンを取り去ったブレンステッド塩基が特に好ましい。また、アニオンとして、酸解離定数(pKa)が−10.0以上であるブレンステッド酸から水素イオンを取り去ったブレンステッド塩基が好ましい。
好ましいアニオンをブレンステッド酸として具体的に例示すると、ハロゲン化水素(pKa:−4.0〜2.7)、硫酸(pKa:2.0以下)、チオシアン酸(pKa:−0.9)、リン酸(pKa:1.8)、炭酸(pKa:6.1)、硝酸(pKa:−1.8)、メタンスルホン酸(pKa:−1.2)、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸(pKa:−2.5)、酢酸(pKa:4.7)、トリフルオロ酢酸(pKa:0.2)、ペンタフルオロプロピオン酸、アセチルアセトン(pKa:8.8)、フェノール(pKa:9.9)、ペンタフルオロフェノール、チオフェノール(pKa:6.4)等を挙げることができる。前記ブレンステッド塩基が有機塩基である場合、メチル基、エチル基などの置換基を有していてもよい。
銅塩としては、例えば、ハロゲン化銅、硫酸銅、銅チオシアネート、リン酸銅、炭酸銅、硝酸銅、メタンスルホン酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−ベンゼン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−トルエン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、ベンゼンスルホン酸銅、酢酸銅、トリフルオロ酢酸銅、ペンタフルオロプロピオン酸銅、銅(II)アセチルアセトナート、銅フェノレート、銅ペンタフルオロフェノレート、銅チオフェノレート等を挙げることができる。ハロゲン化銅としては、例えばフッ化銅、塩化銅、臭化銅及びヨウ化銅が挙げられ、これらから選ばれる2種以上を混合してもよい。かかる銅塩は水和物であってもよいが、無水物が好ましい。
銅塩は、市販されているものをそのまま使用してもよいし、1価又は2価の銅化合物と、酸とを混合することにより調製したものを使用してもよい。1価又は2価の銅化合物としては、通常、酸化銅、水酸化銅等が好ましく使用され、酸としては前記のブレンステッド酸が使用される。
好ましい銅塩としては、ハロゲン化銅、硫酸銅、銅チオシアネート、硝酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−ベンゼン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−トルエン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、銅(II)アセチルアセトナート、銅チオフェノレートを挙げることができ、より好ましくは、ハロゲン化銅、硫酸銅、硝酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−ベンゼン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、銅(II)アセチルアセトナートが挙げられる。
銅塩の使用量は、用いるアリールクロライド化合物(1)の物質量100モル%に対して0.01〜50モル%であり、好ましくは、0.1〜50モル%であり、目的とするビアリール化合物(2)の収率および反応終了後の銅塩の除去の操作性の点で0.1〜30モル%であり、好ましくは0.5〜10モル%であることが特に好ましい。
本発明のカップリング反応は、溶媒の存在下に行われることが好ましい。当該溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミドがより好ましい。溶媒の使用量は、用いるアリールクロライド化合物(1)1重量部に対して、例えば、0.5〜20重量部の範囲を挙げることができ、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。
本発明のカップリング反応は、窒素ガス又はアルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下に行われることが好ましい。
反応温度は、0〜300℃の範囲から用いるアリールクロライド化合物(1)の種類及びその量、金属銅及びハロゲン化銅の使用量等により適宜調節できるが、50〜250℃の範囲が好ましく、100〜200℃の範囲がより好ましく、140〜180℃の範囲が特に好ましい。反応温度が0℃以上であると、ビアリール化合物(2)が生成する速度が向上し反応時間が短縮される傾向があることから好ましく、反応温度が300℃以下であると生成したビアリール化合物(2)が分解するといった副反応の発生が抑制される傾向があることから好ましい。
反応時間は1〜48時間の範囲から適宜調節できる。また、反応系中の反応混合物を所定時間おきにサンプリングし、サンプリングした反応溶液をたとえば、液体クロマトグラフィー分析やガスクロマトグラフィー分析等の分析手段により、アリールクロライド化合物(1)の消失の度合い、又はビアリール化合物(2)の生成の度合いを求めて、反応時間を調節することもできる。
<アリールクロライド化合物(1)>
アリールクロライド化合物(1)は前記式(1)で示されるものである。本発明のビアリール化合物(2)の製造方法によれば、出発原料として反応性の低いアリールクロライド化合物(1)を用いたとしても、対応するビアリール化合物(2)を製造することが可能である。
前記式(1)のArは置換基を有していてもよい芳香族基である。「置換基を有していてもよい芳香族基」とは、置換基を有していてもよい芳香族化合物の芳香環に結合している水素原子を1個取り去って得られる基を意味する。また、前記の芳香環とは、芳香族性を有する環状炭化水素基又は芳香族性を有する環状複素環基を意味する。
置換基を有しない芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ビフェニル、フルオレン、9、9’−ビフルオレン、フェナントレン、ペリレン、クリセン、ナフタセン、ペンタセン、トリプチセン、ピリジン、フラン、チオフェン、ベンゾチアジアゾール、ピロール、キノリン、キノキサリン、ピリミジン、ピラジン及びフェロセン等を挙げることができる。
置換基としては、例えば、電子求引性基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基又は下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を有するアミノ基等を挙げることができる。
〔G群〕
フッ素原子;シアノ基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数6〜12のアリール基;炭素数6〜12のアリールオキシ基
前記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基における「炭素数1〜20のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基及びn−イコシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状のアルキル基が挙げられる。前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよいアルキル基とは、ここに例示するアルキル基にある水素原子の一部又は全部が、前記G群より選ばれる基に置き換わった基を意味し、置換基を有する場合、当該置換基にある炭素原子の数も合わせて、その炭素数の合計が1〜20の範囲である。これらの中でも、置換基を有さないアルキル基が好ましく、炭素数1〜10の範囲のアルキル基がさらに好ましい。
前記G群より選ばれる基を有していてもよいアルコキシ基の「炭素数1〜20のアルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよいアルコキシ基とは、ここに例示するアルコキシ基にある水素原子の一部又は全部が、前記G群より選ばれる基に置き換わった基を意味し、置換基を有する場合、当該置換基にある炭素原子の数も合わせて、その炭素数の合計が1〜20の範囲である。これらの中でも、置換基を有さないアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10の範囲のアルコキシ基がさらに好ましい。
前記G群より選ばれる基を有していてもよいアリール基の「炭素数6〜20のアリール基」としては、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基及びアントラセニル基等が挙げられる。前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよいアリール基とは、ここに例示するアリール基にある水素原子の一部又は全部が、前記G群より選ばれる基に置き換わった基を意味し、置換基を有する場合、当該置換基にある炭素原子の数も合わせて、その炭素数の合計が6〜20の範囲である。これらの中でも、置換基を有さないアリール基が好ましく、炭素数6〜10の範囲のアリール基がさらに好ましく、フェニル基が特に好ましい。
前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、n−ブチルフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基及び2−アントリルオキシ基等の前記に例示したアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
前記G群より選ばれる基を有していてもよい「炭素数7〜20のアラルキル基」としては、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基及びアントラセニルメチル基等が挙げられる。前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよいアラルキル基とは、ここに例示するアラルキル基にある水素原子の一部又は全部が、前記G群より選ばれる基に置き換わった基を意味し、置換基を有する場合、当該置換基にある炭素原子の数も合わせて、その炭素数の合計が7〜20の範囲である。これらの中でも、置換基を有さないアラルキル基が好ましく、炭素数7〜10の範囲のアリール基がさらに好ましく、ベンジル基が特に好ましい。
前記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基の「炭素数7〜20のアラルキルオキシ基」としては、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基及びアントラセニルメトキシ基等の前記に例示したアラルキル基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
前記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基及びジフェニルアミノ基等が挙げられ、これらの中でも、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基が好ましい。
また、本発明者らは、本発明のカップリング反応に用いるアリールクロライド化合物(1)に含まれるArに電子求引性基が置換されている場合、当該電子求引性基が、塩素原子が結合する炭素原子に隣接する炭素原子(すなわち、塩素原子のオルト位)にあると、当該塩素原子のカップリング反応における反応性が著しく高くなることを見出した。
そのため、前記アリールクロライド化合物(1)として、前記式(3)で示されるアリールクロライド化合物(以下、アリールクロライド化合物(3)と記すことがある)のように、塩素原子のオルト位に電子求引性基を有しているものが好ましい。このように、オルト位に電子求引性基を有しているアリールクロライド化合物(3)は、より温和な製造条件、具体的にはより低温の反応温度により、本発明のカップリング反応が進行し、対応するビアリール化合物である前記式(4)で示される化合物(以下、ビアリール化合物(4)と記すことがある。)が生成する傾向にある。
本明細書において、”電子求引性基”とは、化学便覧基礎編改訂5版II−379〜II−380(日本化学会編、丸善株式会社発行)において定義される置換基定数σ 値が正である基である。電子求引性基としては、置換基定数σ 値が0.3〜1の範囲である基が好ましく、0.5〜1の範囲である基がより好ましく、0.7〜1の範囲である基が特に好ましい。
具体的には、ニトロ基(−NO)、ホルミル基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SOH)、−SO−Mで示される基(式中、Mは、アルカリ金属イオン、または、式(6)
Figure 0005742126
(式(6)中、Y、Y、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
で示されるアンモニウムイオンを表わす。)、−CO−Mで示される基(式中、Mは前記と同一の意味を表わす。)およびトリフルオロメチル基が挙げられ、好ましくはスルホ基、−SO−Mで示される基およびニトロ基である。
ここで、アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)およびセシウムイオン(Cs)が挙げられ、ナトリウムイオンが好ましい。
式(6)において、炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等の炭素数1〜10のアルキル基およびフェニル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。式(6)で示されるアンモニウムイオンとしては、例えば、アンモニウムイオン(NH )、メチルアンモニウムイオン(N(CH)H )、ジエチルアンモニウムイオン(N(C) )、トリプロピルアンモニウムイオン(N(C) )、テトラブチルアンモニウムイオン(N(C) )、ジイソプロピルジエチルアンモニウムイオン(N(C)(C) )、テトラオクチルアンモニウムイオン(N(C17) )、テトラデシルアンモニウムイオン(N(C1021) )およびトリフェニルアンモニウムイオン(N(C))等が挙げられる。
ここでアリールクロライド化合物(1)について例示しておく。
かかるアリールクロライド化合物(1)としては、例えば、2−クロロ−1−ニトロベンゼン、2−クロロベンゼン−1−スルホン酸、2−クロロベンゼン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロベンゼン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロベンゼン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロベンゼン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルベンゼン、2−クロロ−1−アセチルベンゼン、2−クロロ−1−ベンゾイルベンゼン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルベンゼン、
2−クロロ−1−ニトロナフタレン、2−クロロナフタレン−1−スルホン酸、2−クロロナフタレン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロナフタレン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロナフタレン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロナフタレン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルナフタレン、2−クロロ−1−アセチルナフタレン、2−クロロ−1−ベンゾイルナフタレン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルナフタレン、
2−クロロ−1−ニトロアントラセン、2−クロロアントラセン−1−スルホン酸、2−クロロアントラセン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロアントラセン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロアントラセン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロアントラセン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルアントラセン、2−クロロ−1−アセチルアントラセン、2−クロロ−1−ベンゾイルアントラセン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルアントラセン、
2−クロロ−1−ニトロピレン、2−クロロピレン−1−スルホン酸、2−クロロピレン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロピレン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロピレン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロピレン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルピレン、2−クロロ−1−アセチルピレン、2−クロロ−1−ベンゾイルピレン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルピレン、
2−クロロ−1−ニトロフルオレン、2−クロロフルオレン−1−スルホン酸、2−クロロフルオレン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロフルオレン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロフルオレン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロフルオレン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルフルオレン、2−クロロ−1−アセチルフルオレン、2−クロロ−1−ベンゾイルフルオレン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルフルオレン、
2−クロロ−1−ニトロ−9,9’−ビフルオレン、2−クロロ−1−スルホ−9,9’−ビフルオレン、2−クロロ−9,9’−ビフルオレン−スルホン酸リチウム、2−クロロ−9,9’−ビフルオレン−スルホン酸ナトリウム、2−クロロ−9,9’−ビフルオレン−スルホン酸カリウム、2−クロロ−1−カルボキシ−9,9’−ビフルオレン、2−クロロ−1−ホルミル−9,9’−ビフルオレン、2−クロロ−1−アセチル−9,9’−ビフルオレン、2−クロロ−1−ベンゾイル−9,9’−ビフルオレン、2−クロロ−1−トリフルオロメチル−9,9’−ビフルオレン、
2−クロロ−1−ニトロフェナントレン、2−クロロフェナントレン−1−スルホン酸、2−クロロフェナントレン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロフェナントレン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロフェナントレン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロフェナントレン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルフェナントレン、2−クロロ−1−アセチルフェナントレン、2−クロロ−1−ベンゾイルフェナントレン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルフェナントレン、
2−クロロ−1−ニトロペリレン、2−クロロペリレン−1−スルホン酸、2−クロロペリレン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロペリレン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロペリレン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロペリレン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルペリレン、2−クロロ−1−アセチルペリレン、2−クロロ−1−ベンゾイルペリレン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルペリレン、
2−クロロ−1−ニトロクリセン、2−クロロクリセン−1−スルホン酸、2−クロロクリセン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロクリセン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロクリセン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロクリセン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルクリセン、2−クロロ−1−アセチルクリセン、2−クロロ−1−ベンゾイルクリセン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルクリセン、
2−クロロ−1−ニトロナフタセン、2−クロロナフタセン−1−スルホン酸、2−クロロナフタセン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロナフタセン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロナフタセン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロナフタセン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルナフタセン、2−クロロ−1−アセチルナフタセン、2−クロロ−1−ベンゾイルナフタセン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルナフタセン、
2−クロロ−1−ニトロペンタセン、2−クロロペンタセン−1−スルホン酸、2−クロロペンタセン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロペンタセン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロペンタセン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロペンタセン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルペンタセン、2−クロロ−1−アセチルペンタセン、2−クロロ−1−ベンゾイルペンタセン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルペンタセン、
2−クロロ−1−ニトロトリプチセン、2−クロロトリプチセン−1−スルホン酸、2−クロロトリプチセン−1−スルホン酸リチウム、2−クロロトリプチセン−1−スルホン酸ナトリウム、2−クロロトリプチセン−1−スルホン酸カリウム、2−クロロトリプチセン−1−カルボン酸、2−クロロ−1−ホルミルトリプチセン、2−クロロ−1−アセチルトリプチセン、2−クロロ−1−ベンゾイルトリプチセン、2−クロロ−1−トリフルオロメチルトリプチセン、
2−クロロ−3−ニトロピリジン、2−クロロピリジン−3−スルホン酸、2−クロロピリジン−3−スルホン酸リチウム、2−クロロピリジン−3−スルホン酸ナトリウム、2−クロロピリジン−3−スルホン酸カリウム、2−クロロピリジン−3−カルボン酸、2−クロロ−3−ホルミルピリジン、2−クロロ−3−アセチルピリジン、2−クロロ−3−ベンゾイルピリジン、2−クロロ−3−トリフルオロメチルピリジン、
2−クロロ−3−ニトロフラン、2−クロロフラン−3−スルホン酸、2−クロロフラン−3−スルホン酸リチウム、2−クロロフラン−3−スルホン酸ナトリウム、2−クロロフラン−3−スルホン酸カリウム、2−クロロフラン−3−カルボン酸、2−クロロ−3−ホルミルフラン、2−クロロ−3−アセチルフラン、2−クロロ−3−ベンゾイルフラン、2−クロロ−3−トリフルオロメチルフラン、
2−クロロ−3−ニトロチオフェン、2−クロロチオフェン−3−スルホン酸、2−クロロチオフェン−3−スルホン酸リチウム、2−クロロチオフェン−3−スルホン酸ナトリウム、2−クロロチオフェン−3−スルホン酸カリウム、2−クロロチオフェン−3−カルボン酸、2−クロロ−3−ホルミルチオフェン、2−クロロ−3−アセチルチオフェン、2−クロロ−3−ベンゾイルチオフェン、2−クロロ−3−トリフルオロメチルチオフェン、
7−クロロ−6−ニトロベンゾチアジアゾール、7−クロロベンゾチアジアゾール−6−スルホン酸、7−クロロベンゾチアジアゾール−6−スルホン酸リチウム、7−クロロベンゾチアジアゾール−6−スルホン酸ナトリウム、7−クロロベンゾチアジアゾール−6−スルホン酸カリウム、7−クロロベンゾチアジアゾール−6−カルボン酸、7−クロロ−6−ホルミルベンゾチアジアゾール、7−クロロ−6−アセチルベンゾチアジアゾール、7−クロロ−6−ベンゾイルベンゾチアジアゾール、7−クロロ−6−トリフルオロメチルベンゾチアジアゾール、
2−クロロ−3−ニトロピロール、2−クロロピロール−3−スルホン酸、2−クロロピロール−3−スルホン酸リチウム、2−クロロピロール−3−スルホン酸ナトリウム、2−クロロピロール−3−スルホン酸カリウム、2−クロロピロール−3−カルボン酸、2−クロロ−3−ホルミルピロール、2−クロロ−3−アセチルピロール、2−クロロ−3−ベンゾイルピロール、2−クロロ−3−トリフルオロメチルピロール、
2−クロロ−3−ニトロキノリン、2−クロロキノリン−3−スルホン酸、2−クロロキノリン−3−スルホン酸リチウム、2−クロロキノリン−3−スルホン酸ナトリウム、2−クロロキノリン−3−スルホン酸カリウム、2−クロロキノリン−3−カルボン酸、2−クロロ−3−ホルミルキノリン、2−クロロ−3−アセチルキノリン、2−クロロ−3−ベンゾイルキノリン、2−クロロ−3−トリフルオロメチルキノリン、
2−クロロ−3−ニトロキノキサリン、2−クロロキノキサリン−3−スルホン酸、2−クロロキノキサリン−3−スルホン酸リチウム、2−クロロキノキサリン−3−スルホン酸ナトリウム、2−クロロキノキサリン−3−スルホン酸カリウム、2−クロロキノキサリン−3−カルボン酸、2−クロロ−3−ホルミルキノキサリン、2−クロロ−3−アセチルキノキサリン、2−クロロ−3−ベンゾイルキノキサリン、2−クロロ−3−トリフルオロメチルキノキサリン、
4−クロロ−5−ニトロピリミジン、4−クロロピリミジン−5−スルホン酸、4−クロロピリミジン−5−スルホン酸リチウム、4−クロロピリミジン−5−スルホン酸ナトリウム、4−クロロピリミジン−5−スルホン酸カリウム、4−クロロピリミジン−5−カルボン酸、4−クロロ−5−ホルミルピリミジン、4−クロロ−5−アセチルピリミジン、4−クロロ−5−ベンゾイルピリミジン、4−クロロ−5−トリフルオロメチルピリミジン、
2−クロロ−3−ニトロピラジン、2−クロロピラジン−3−スルホン酸、2−クロロピラジン−3−スルホン酸リチウム、2−クロロピラジン−3−スルホン酸ナトリウム、2−クロロピラジン−3−スルホン酸カリウム、2−クロロピラジン−3−カルボン酸、2−クロロ−3−ホルミルピラジン、2−クロロ−3−アセチルピラジン、2−クロロ−3−ベンゾイルピラジン、2−クロロ−3−トリフルオロメチルピラジンが挙げられる。
また、ここに例示したアリールクロライド化合物(1)の中でも、前記化合物(3)に該当する、ものが好ましく、ニトロ基(−NO)、スルホ基(−SOH)、−SO−Mで示される基を有するものがより一層好ましい。具体的には、2−クロロ−1−ニトロベンゼン、2−クロロ−1−ベンゼンスルホン酸、2−クロロ−1−ベンゼンカルボン酸またはこれらの金属塩が好適なアリールクロライド化合物(1)といえる。
本発明のカップリング反応は、すでに述べたように電子求引性基のオルト位に塩素原子があるアリールクロライド化合物(1)を用いると、この塩素原子は比較的低温でも、カップリング反応するという特徴がある。かかる特徴を活用すると、位置選択的にビアリール化合物(2)を製造できるという効果が享受される。繰り返しになるが、かかる効果を享受するうえで好適なアリールクロライド化合物(1)である式(10)で示されるアリールクロライド化合物(以下、アリールクロライド化合物(10)と記すことがある)を以下に示す。
Figure 0005742126
(式(10)中、Yは、水素イオン、アルカリ金属イオン、または、式(6)
Figure 0005742126
(式(6)中、Y、Y、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
で示されるアンモニウムイオン、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。R10はそれぞれ独立に、フッ素原子、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。kは0〜3の整数を表わす。また、隣接する炭素原子にそれぞれ結合している2つのR10同士は結合し、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
〔G群〕
フッ素原子;シアノ基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数6〜12のアリール基;炭素数1〜12のアリールオキシ基
前記アリールクロライド化合物(10)は電子求引性基である「−SO−Y」に対してオルト位にある塩素原子は、「−SO−Y」に対してメタ位にある塩素原子に対して、本発明のカップリング反応においてより高い反応性を有している。この反応性の違いに伴い、アリールクロライド化合物(10)を本発明のカップリング反応を行うと、以下の式(11)に示されるビアリール化合物(以下、ビアリール化合物(11)と記すことがある)を得ることができる。
Figure 0005742126
(式中、R10及びkは前記と同義を表す。)
前記アリールクロライド化合物(10)の好適例と、これら好ましいアリールクロライド化合物(10)から得られるビアリール化合物(11)を、以下の表1に示す。
Figure 0005742126
また、式(12)
Figure 0005742126
(式中、R10及びkは前記と同義を表す。)
で示されるアリールクロライド化合物を本発明のカップリング反応を行うと、式(13)
Figure 0005742126
(式中、R10及びkは前記と同義を表す。)
に示されるビアリール化合物も製造することができる。
<ビアリール化合物(2)の精製方法>
本発明のビアリール化合物(2)の精製方法は、前記本発明のカップリング反応を行った後、生成したビアリール化合物(2)を、金属銅、銅塩及びアリールクロライド化合物(1)の未反応物、並びに溶媒から分離精製することで得ることができる。かかる分離精製には、ろ過、抽出、濃縮、再結晶、再沈殿及びクロマトグラフィー分離といった公知の精製操作、あるいはこれらを組み合わせた精製操作から、前記未反応物の種類や、分離精製の対象となるビアリール化合物(2)の種類により適宜最適な操作を選択すればよい。
本発明は、ビアリール化合物を製造するうえで有用である。当該ビアリール化合物は生理活性物質、各種化学製品の重要な合成中間体として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、カップリング反応後に生成したビアリール化合物(2)を高速液体クロマトグラフィー(LC)又はガスクロマトグラフィー(GC)により分析し、得られたクロマトグラムの面積値より反応収率を計算した。
LC分析の分析条件は、以下の通りである。
<分析条件>
LC測定装置:LC−10AT(株式会社島津製作所製)
カラム:L−Column ODS(5μm,4.6mmφ×15cm)
カラム温度:40℃
移動相:A:0.1%n−テトラブチルアンモニウムブロミド水溶液
B:0.1%n−テトラブチルアンモニウムブロミドアセトニトリル溶液
グラジエント:0min B=30%
20min B=90%
35min B=90%
35.1min B=30%
45min STOP TOTAL分析時間 45分
流量:1.0mL/分
検出:紫外吸収(波長:254nm)
GC分析の分析条件は、以下の通りである。
<分析条件>
GC測定装置:GC−2010A(株式会社島津製作所製)
カラム:J&W DB-1701 (0.32mmφ×30m , 1.0μm)
カラム温度:50℃(0分)→(10℃/分)→150℃(0分)→(20℃/分)→280℃(8分)
TOTAL 分析時間 24.5分
注入口温度:250℃、検出器温度:250℃(FID , レンジ10
キャリアーガス:He (流速 約2.3mL/分)
注入口圧力:75.2 kPa(制御モード 圧力)
スプリット比:全流量 55.9mL/分 (スプリット比 約1/22)
注入量:1μL
[実施例1]
Figure 0005742126
(カップリング反応)
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム12.0g、粉末状金属銅3.23g、ヨウ化銅(I)0.092g及びN,N−ジメチルホルムアミド36.0gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌し、冷却して反応混合物を得た。前記反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:97%。
(精製)
前記反応混合物に水を加えた後、炭酸ナトリウム水溶液を加えてpH10に調整し、不溶物を濾別した。濾液に少量の塩酸を加えてpH5に調整し、N,N−ジメチルホルムアミドを濾液と略同容量を加えてから、析出物が出ないように濃縮した。得られた濃縮液を、該濃縮液の約2倍容量のトルエン及び2−プロパノールの混合溶液(重量比1:1)に滴下し、20℃で5時間攪拌し、析出物を得た。
析出物を濾過、乾燥して、4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウム15.5gを得た。2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム基準の収率は86%であった。
[比較例1]
Figure 0005742126
実施例1でヨウ化銅を用いなかったこと以外は、実施例1と同じ実験を行った。得られた反応混合物についてLC分析を行ったが、4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムは前記LC分析の検出限界以下であり、出発原料である2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウムがほとんど反応していないことが判明した。収率:約0%。
[実施例2]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2−クロロニトロベンゼン0.63g、粉末状金属銅0.51g、ヨウ化銅(I)0.038g及びN−メチル−2−ピロリドン5.0gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記GC分析を行い、生成ビアリール化合物である2,2’−ジニトロビフェニルの収率を算出した。収率:85%。
[実施例3]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、塩化銅(I)0.009g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:96%。
[実施例4]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、臭化銅(I)0.014g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:95%。
[実施例5]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、臭化銅(II)0.022g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:96%。
[実施例6]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、銅(I)チオフェノレート0.017g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:75%。
[実施例7]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−ベンゼン錯体0.05g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:97%。
[実施例8]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、チオシアン酸銅(I)0.05g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:97%。
[実施例9]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、硫酸銅(II)0.05g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:96%。
[実施例10]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、硝酸銅(II)・3水和物0.024g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:91%。
[実施例11]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、フッ化銅(II)0.01g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:36%。
[実施例12]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.25g、銅(II)アセチルアセトナート0.026g及びN−メチル−2−ピロリドン2.5gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、150℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:97%。
[実施例13]
Figure 0005742126
窒素置換された反応容器内で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム0.50g、粉末状金属銅0.14g、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)0.14g及びN−メチル−2−ピロリドン5.0gを混合し、得られた混合物を、窒素雰囲気を保持しつつ、150℃まで昇温した。窒素雰囲気を保持したまま、100℃で4時間、該混合物を撹拌した。冷却後、反応混合物をサンプリングして、前記LC分析を行い、生成ビアリール化合物である4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの収率を算出した。収率:96%。
本発明によれば、出発原料として、より廉価なアリールクロライド化合物から対応するビアリール化合物が製造可能である。

Claims (11)

  1. 金属銅及び銅塩の存在下、
    (該銅塩は、10.0以下の酸解離定数(pKa)を示すブレンステッド酸(該ブレンステッド酸は、ハロゲン化水素、硫酸、チオシアン酸、リン酸、炭酸、硝酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、アセチルアセトン、フェノール、ペンタフルオロフェノールおよびチオフェノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)から水素イオンを取り去ったブレンステッド塩基と、銅カチオンとからなる塩である。該ブレンステッド塩基が有機塩基である場合、該有機塩基は置換基を有していてもよい。)
    式(1)
    Ar−Cl (1)
    (式(1)中、Arは、塩素原子のオルト位に少なくとも一つの電子求引性基(該電子求引性基の置換基定数σ 値は、0.5〜1の範囲内である。)を有する芳香族基を表す。該芳香族基は、電子求引性基以外の置換基を有していてもよい。
    で示されるアリールクロライド化合物をカップリングする工程を含む
    式(2)
    Ar−Ar (2)
    (式(2)中、Arはそれぞれ独立であり、前記式(1)と同義である。)
    で示されるビアリール化合物の製造方法。
  2. 銅塩が、ハロゲン化銅、硫酸銅、銅チオシアネート、リン酸銅、炭酸銅、硝酸銅、メタンスルホン酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−ベンゼン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−トルエン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、ベンゼンスルホン酸銅、酢酸銅、トリフルオロ酢酸銅、ペンタフルオロプロピオン酸銅、銅(II)アセチルアセトナート、銅フェノレート、銅ペンタフルオロフェノレートおよび銅チオフェノレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の製造方法。
  3. 銅塩が、ハロゲン化銅である請求項記載の製造方法。
  4. 銅塩の使用量が、前記式(1)で示されるアリールクロライド化合物の物質量100モル%に対して、0.01〜50モル%の範囲である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. 銅塩の使用量が、前記式(1)で示されるアリールクロライド化合物の物質量100モル%に対して、0.1〜50モル%である請求項記載の製造方法。
  6. 前記式(1)で示されるアリールクロライド化合物が、式(3)
    Figure 0005742126
    (式(3)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基又は下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を有するアミノ基を表し、Rは、水素原子、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、下記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基又は下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を有するアミノ基を表す。なお、隣接する炭素原子にそれぞれ結合している、R及びRの組み合わせ、R及びRの組み合わせ、又はR及びRの組み合わせは、各々が結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。Eは電子求引性基(該電子求引性基の置換基定数σ 値は、0.5〜1の範囲内である。)を表す。)
    で示されるアリールクロライド化合物であり、
    前記式(2)で示されるビアリール化合物が、式(4)
    Figure 0005742126
    (式(4)中、R、R、R、R及びEはそれぞれ独立であり、前記式(3)と同義である。)
    で示されるビアリール化合物である請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
    〔G群〕
    フッ素原子;シアノ基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数6〜12のアリール基;炭素数6〜12のアリールオキシ基
  7. 電子求引性基が、式(5)
    Figure 0005742126
    (式(5)中、Yは、水素原子、アルカリ金属イオン、または、式(6)
    Figure 0005742126
    (式(6)中、Y、Y、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
    で示されるアンモニウムイオンを表す。)
    で示される基である請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
  8. 前記式(1)で示されるアリールクロライド化合物が、式(10)
    Figure 0005742126
    (式(10)中、Yは、水素イオン、アルカリ金属イオン、または、式(6)
    Figure 0005742126
    (式(6)中、Y、Y、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
    で示されるアンモニウムイオンを表す。R10はそれぞれ独立に、フッ素原子、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。kは0〜3の整数を表わす。また、隣接する炭素原子にそれぞれ結合している2つのR10同士は結合し、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
    〔G群〕
    フッ素原子;シアノ基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数6〜12のアリール基;炭素数1〜12のアリールオキシ基)
    で示されるアリールクロライド化合物であり、
    式(2)で示されるビアリール化合物が式(11)
    Figure 0005742126
    (式中、R10、Y及びkは前記と同義である。)
    で示されるビアリール化合物である請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
  9. Yがアルカリ金属イオンである請求項7又は8記載の製造方法。
  10. 電子求引性基が、ニトロ基(-NO)である請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
  11. 前記工程が、非プロトン性極性溶媒の存在下で、前記式(1)で示されるアリールクロライド化合物をカップリングする工程である請求項1〜10のいずれか記載の製造方法。
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