JP5741299B2 - 超音波溶接工具のローレット面再加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波溶接工具のローレット面再加工方法に関する。
超音波接合は、適度の加圧下において、被接合材をホーン及びアンビルからなる工具により保持しながら超音波による振動エネルギーを接合面に平行に与え、接合境界面に溶融を生じさせることなく接合する技術である。また、超音波接合は、大気中において比較的短時間で接合することができ、板厚の比較的厚みの薄い銅やアルミ材の接合に適している。
とこで、超音波溶接を繰り返し行っていると、ホーン及びアンビルの凹凸形状をなすローレット面がワークに凝着して次第に平坦面となり、該ワークに対する食い込み性能が低下し、最終的に超音波振動の印加性能が悪くなる。超音波振動の印加性能が悪くなると、超音波振動を利用した超音波接合に要する時間が長くなり、接合状態の品質が低下する。
そこで、ホーン及びアンビル等の超音波接合工具のローレット面が凝着した場合には、新しいホーン及びアンビルに交換している(例えば、特許文献1等に記載)。
特開2007−319870号公報
超音波接合工具のローレット面が凝着する毎にホーン及びアンビルを新品の物に交換していたのでは、工具コストが掛かってしまう。かといって、凹凸形状のローレット面全体を一旦平面に研削し、再び凹凸形状をなすローレット面を加工すると、加工時間が掛かり、再生コストが高くなってしまう。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、凝着した超音波接合工具のローレット面を短時間で再生することができ、再生コストの低減を実現できる超音波接合工具のローレット面再加工方法を提供することを目的とする。
本発明の超音波接合工具のローレット面再加工方法では、超音波接合を繰り返し行うことで凝着したローレット面を物理的除去によりローレット面から凝着物を取り除いた後、突起先端の平坦面を平面研削して突起部上面の摩擦係数を、突起部斜面及び溝部の摩擦係数より大きくする。
本発明に係る超音波接合工具のローレット面再加工方法によれば、アルカリ溶液等を使用した化学的手法ではローレット面の突起部斜面及び溝部に凝着した凝着物を取り除くことはできないが、物理的除去による手法を採用することで、強制的に凝着物を取り除くことが可能となる。そして、物理的除去後に、摩耗した突起先端の平坦面を平面研削して、突起部上面の摩擦係数を突起部斜面及び溝部の摩擦係数より大きくすれば、凝着し難い新品同様のローレット面を得ることができる。このように、本発明によれば、新品の超音波接合工具に交換する必要も無く、また、凝着したローレット面全体を一旦平らにしてから再度ローレット面を一から作り直す必要も無いため、短時間でローレット面を再生することができ、再生コストの低減を図ることができる。
図1は、超音波溶接装置の概略構成を示す図である。 図2は、図1の超音波溶接装置のホーン及びアンビルのローレット面を示し、(A)はその平面図、(B)はその拡大斜視図、(C)は更にその拡大斜視図である。 図3は、ホーンへの凝着のメカニズムを説明するための図である。 図4は、研削工程で突起上面の稜線の丸みが無くなるまで研削することを示す図である。 図5は、実施例のローレット面を示し、(A)は光学顕微鏡写真、(B)はレーザー顕微鏡による3D写真である。 図6は、比較例のローレット面を示し、(A)は光学顕微鏡写真、(B)はレーザー顕微鏡による3D写真である。 図7は、ホーンの突起部高さの割合とワークの引張試験時の剥離荷重との関係を示す特性図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1には超音波溶接装置の一例を示す。超音波溶接装置1は、超音波接合工具であるアンビル2とホーン3を有する。
アンビル2は、固定された基台4と一体化しており、被接合材であるワーク5(2枚の金属板5A、5B)を下方より支持する。ホーン3は、高周波電源6に接続された超音波振動子7からの振動を受けて水平方向に往復運動し、その振動エネルギーをワーク5の接合面に平行に与える。また、ホーン3は、図示を省略した空気圧シリンダや油圧シリンダにより、ワーク5をアンビル2に所定の加圧力で押し付けるようになっている。
前記ホーン3又はアンビル2の何れか一方又はその両方には、図2に示すように、四角錐形状の突起先端を平坦面とした複数個の突起部8が縦横に配置されたローレット面9が形成されている。ローレット面9は、複数個の突起部8と、これら突起部8間の溝部10とから形成され、これらにより凹凸面とされている。ローレット面9は、ホーン3とアンビル2の両方に形成されていることが最も望ましい。
突起部8は、四角錐形状の突起先端を研削することで平坦面とした突起部上面8aと、この突起部上面8aの各辺から底部へ裾拡がりに傾斜する突起部斜面8bとで構成されている。溝部10は、縦横に所定間隔で配置された突起部8間の空間部となっている。
本実施の形態では、突起部上面8aの摩擦係数を、突起部斜面8b及び突起部間の溝部10の摩擦係数より大としている。突起部斜面8b及び溝部10には、ダイヤモンドライクカーボン膜11が形成されている。但し、突起部上面8aには、ダイヤモンドライクカーボン膜11は形成されていない。
ダイヤモンドライクカーボン膜11は、摩擦係数が低く且つ硬度が高いという特性を有している。ダイヤモンドライクカーボン膜11は、例えばPVD装置を用いたスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、アークイオンプレーティング法、フィルタードバキュームアークイオンプレーティング法、イオン化蒸着法などの各PVD法、またはPCVD法、CVD法の何れかの方法で成膜される。
アンビル2及びホーン3には、高耐摩耗性及び高耐熱性に優れた粉末高速度工具鋼(硬さHRC60以上)の材料が使用される。これらアンビル2及びホーン3のローレット面9に形成された突起部8の突起部上面8aは、四角錐形状とされた突起部の先端を砥石による平面研削加工で削り落とされることで形成される。この突起部上面8aの摩擦係数を突起部斜面8b及び溝部10の摩擦係数よりも大とするには、平面研削時の砥石の粗さを示す番手を選ぶことで面粗度を落として加工する。こうすることで、突起部上面8aの摩擦係数を、突起部斜面8b及び溝部10の摩擦係数よりも大とすることができる。
超音波溶接装置1による溶接方法は、次の通りです。先ず、アンビル2にワーク5を載せる。ワーク5は、溶接すべき2枚の金属板5A、5Bであり、例えばアルミニウムや銅などの薄板とされる。アンビル2に2枚の金属板5A、5Bを重ねた状態で、上からワーク5に当接するようにホーン3を下げて、これらアンビル2とホーン3でワーク5に所定の加圧を加える。加圧力は、ワーク5を超音波接合するために必要な圧力であればよい。
そして、超音波振動子7に高周波電源6から高周波を加えてホーン3を、ワーク5の2枚の金属板5A、5Bの接合面と平行(図1矢印X方向)に往復運動させる。このホーン3からの往復運動による振動を受けた2枚の金属板5A、5Bは、局所的に擦れ合って原子拡散により接合される。
超音波溶接を繰り返し行うと、特に往復運動してワーク5と擦れるホーン3がワーク5(金属板5B)に凝着を起こす。凝着のメカニズムは、本願出願人が解析したところ、図3(A)の第1ステージ、図3(B)の第2ステージ、図3(C)の第3ステージと進行することで発生するものと考えられる。図3は、突起部及び溝部を含めたローレット面全体にダイヤモンドライクカーボン膜が形成されていないものである。
第1ステージでは、図3(A)に示すように、例えば金属板5Bを構成するアルミからなる凝着物12が突起部斜面8bに凝着し始める。第1ステージは、超音波溶接開始から1万打点の初期状態である。第2ステージでは、図3(B)に示すように、突起部斜面8bから取れた凝着物12が次第に溝部10に堆積し始める。第2ステージは、1万打点から6万打点の中期状態である。第3ステージでは、図3(C)に示すように、突起部上面8aが摩耗し、凝着物12が溝部10に一気になだれ込み、当該溝部10を埋め尽くす。第3ステージは、6万打点以降の末期状態である。
凝着を防止するには、突起部斜面8bの摩擦係数を下げることが効果的である。摩擦係数を下げるには、突起部斜面8bに凝着を防止する効果のあるダイヤモンドライクカーボン膜11を形成するようにする。ダイヤモンドライクカーボン膜11は、硬さ30GPa以上、膜厚0.2μm以上であることが望ましい。硬さ30GPa以上と硬質化することで摩擦係数が低下し、被加工物(ワーク)の耐凝着性が低下する。また、膜厚0.2μm以上に膜厚化することで、耐摩耗性が向上する。
この一方、ホーン3の振動をワーク5に滑りを起こすことなく伝達する必要がある。そのためには、突起部上面8aにダイヤモンドライクカーボン膜を形成したのでは、摩擦係数が低くなりホーン3がワーク5に対して滑り易くなる。接合工程では、ワーク5の表面にホーン3のローレット面9が食い込む程度の摩擦係数であることが望ましく、摩擦係数が大きければ振動に対して摩擦力が大きくなり、ホーン3の振動をワーク5に滑りを起こすことなく伝えることができ、接合強度を上げることが可能となる。したがって、突起部上面8aにはダイヤモンドライクカーボン膜を形成せず、その突起部上面8aの摩擦係数を突起部斜面8b及び溝部10の摩擦係数より大きくすることが望ましい。
このように構成されたホーン3及びアンビル2は、前記した超音波溶接装置に装着されて超音波接合を繰り返し行うと、凝着が生じてローレット面9の溝部10に凝着物12が堆積してワーク5に対する食い付きが悪くなり、ワーク5の接合強度不良を引き起こす。そこで、蒸着物12が堆積したホーン3及びアンビル2のローレット面9を元の新品状態に戻す再加工を行う。以下に、ローレット面再加工方法の手順を説明する。
先ず、ローレット面9を物理的除去により、該ローレット面9から凝着物12を取り除く凝着物除去工程を行う。凝着物除去工程では、物理的除去としてブラシラップ、エアロラップ、ショットブラストを採用する。例えば、NaOHやKOH等のアルカリ溶液に凝着したホーン3及びアンビル2を浸漬した化学的除去では、ワーク5として銅とアルミニウムを交合に超音波溶接した場合、凝着物12は銅、アルミニウムが複合された酸化物となっているため、アルカリ溶液では溶解することができない。
これに対して、ブラシラップ、エアロラップ、ショットブラスト等の物理的除去であれば、突起斜面8b及び溝部10に堆積した凝着物12を取り除くことができる。ブラシラップは、ローレット面9をブラシでラップすることで凝着物12を掻き取るようにして取り除くことができる。エアロラップは、ローレット面9に湿度と弾力を持ったメディアが滑走する摩擦力で凝着物12を取り除くことができる。ショットブラストは、ローレット面9に粒体を衝突させて凝着物12を取り除くことができる。
次に、突起先端の平坦面を平面研削して、ローレット面9を構成する突起部上面8a、突起部斜面8b、突起部間の溝部10のうち、前記突起部上面8aの摩擦係数を、突起部斜面8b及び突起間の溝部10の摩擦係数より大とする研削工程を行う。超音波接合を何万回と繰り返すと、ワーク5との摩擦等により突起部上面8aと突起部斜面8bの稜線部分に丸みが生じ、ワーク5に対してホーン3及びアンビル2が滑り易くなる。また、前記工程で物理的除去をすると、やはり前記稜線部分が丸くなってしまう。
そこで、図4に示すように、平面研削盤を使用して砥石にて突起先端の平坦面を平面研削する。研削加工は、突起部上面8aと突起部斜面8bの稜線部分に生じた丸みが無くなるまで加工する。例えば、前記突起部上面8aから前記丸みが無くなるH1の位置まで研削する。突起部上面8aの加工量は、突起部8の初期高さHから7割までの範囲とすることが好ましい。初期高さHから7割までの高さまで研削を繰り返すことで、工具コストを下げることができる。なお、研削を繰り返して突起部8の高さが初期高さHから7割に達した場合は、ローレット面9を一旦完全に削り取って平面とした後、再度ローレット面を形成する。
突起先端の平坦面を平面研削すると、摩耗した面が砥石によって削り取られ、ホーン3及びアンビル2の素材が露出して新たな突起部上面8aが再生される。突起部斜面8b及び溝部10には、ダイヤモンドライクカーボン膜11がそのまま残る。そのため、研削加工によって削り取られた新たな突起部上面8aの摩擦係数は、自ずと突起部斜面8b及び溝部10の摩擦係数より大となる。
凝着の起点となる突起部斜面8bのダイヤモンドライクカーボン膜11が摩耗して基材が露出した場合は、物理的除去による凝着物除去工程後、ローレット面9全体にダイヤモンドライクカーボン膜11を形成し、その後、突起先端の平坦面を平面研削する。
以上の工程を順次行うことで、ホーン3及びアンビル2のローレット面9が再生される。前記再加工方法は、突起部斜面8bのダイヤモンドライクカーボン膜11が摩耗していない場合に適用される。超音波溶接の繰り返しにより突起部斜面8bのダイヤモンドライクカーボン膜11が剥がれて基材が露出した場合には、物理的除去によりローレット面9から凝着物12を取り除く凝着物除去工程後、ローレット面9全体にダイヤモンドライクカーボン膜11を形成する工程を追加し、その後、前記研削工程を行うようにする。この場合、研削工程では、平坦面のダイヤモンドライクカーボン膜11を含めて基材が露出するまで研削してダイヤモンドライクカーボン膜11を取り除いた突起部上面8aとする。
以下に、次のような実験をした。連続打点試験を行い、3万打点接合後にローレット面の溝部への凝着量が増加して接合強度NGとなった超音波接合工具に対して、ブラシラップにより凝着物を除去し、その後、突起部上面のみ約10μm平面研削した。突起部斜面及び溝部には、アークイオンプレーティング法によってダイヤモンドライクカーボン膜があり、突起部上面は平面研削されてダイヤモンドライクカーボン膜はない。
比較例には、同じく3万打点接合後にローレット面の溝部への凝着量が増加して接合強度NGとなった超音波接合工具に対して、ブラシアップにより凝着物を除去しただけとする。ブラシラップすると、突起部上面と突起部斜面の稜線部に丸みが生じ、突起先端がだれた状態になる。
図5には、実施例のローレット面を示し、(A)は光学顕微鏡写真、(B)はレーザー顕微鏡による3D写真を示す。図6には、比較例のローレット面を示し、(A)は光学顕微鏡写真、(B)はレーザー顕微鏡による3D写真を示す。
そして、実施例の超音波接合工具と比較例の超音波接合工具を超音波溶接装置に取り付けてワークを超音波溶接した。ワークには、厚み0.4mmと厚み1.0mmの銅板2枚を使用した。次に、超音波溶接後、溶接したワークに対して引張試験を行い、剥離荷重(剥離強度)を測定した。テストピースは、実施例及び比較例共に5つとした。評価は、剥離荷重(剥離強度)の平均値と標準偏差で評価した。その結果を表1に示す。
表1の結果から判るように、実施例では、比較例に比べて剥離荷重(剥離強度)の平均値が高く、また、ばらつきを示す標準偏差も低いことがわかる。比較例では、突起部上面と突起部斜面の稜線部が丸まっているため、ワークに対する摩擦力が低く、ワークに滑りを起こし、接合強度が実施例に比べて低く、またそのバラツキも大きくなると推定される。
なお、ワークにアルミニウムを使用した場合には、実施例及び比較例において共に接合強度に対する影響は出なかった。これは、アルミニウムは銅に比べて強度(降伏応力、引張応力)が低いため、ワークの表面にホーンの突起部上面がより食い込み易く滑りを起こし難くなることで、接合強度に対する影響が出ないと推定される。
実施例2では、ホーンの突起部高さの割合とワークの引張試験時の引張荷重(剥離荷重)との関係を調べた。その結果を図7に示す。ホーンの突起部高さの割合が1のとき、新品の状態を示している。
図7の結果から判るように、突起部の高さの割合が小さくなると、接合強度が低くなることがわかった。この結果から判断すると、突起部の初期高さから7割までの範囲であれば、基準となる接合強度を確保することができる。実施例の超音波接合工具のローレット面を再加工しながら超音波接合可能な回数は、6万回以上であった。これ対して、比較例の超音波接合工具のローレット面を再加工しながら超音波接合可能な回数は、3万回以下と実施例の半分以下の結果となった。
本実施の形態の超音波接合工具のローレット面再加工方法によれば、アルカリ溶液等を使用した化学的手法ではローレット面9の突起部斜面8b及び溝部10に凝着した凝着物12を取り除くことはできないが、物理的除去による手法を採用することで、強制的に凝着物12を取り除くことが可能となる。そして、物理的除去後に、摩耗した突起先端の平坦面を平面研削して、突起部上面8aの摩擦係数を突起部斜面8b及び溝部10の摩擦係数より大きくすれば、凝着し難い新品同様のローレット面9を得ることができる。
このように、本発明によれば、ローレット面9が摩耗しても新品の超音波接合工具に交換する必要も無く、また、凝着したローレット面全体を一旦平らにしてから再度ローレット面9を一から作り直す必要も無いため、短時間でローレット面9を再生することができ、再生コストの低減を図ることができる。それにより、本実施の形態で再生した超音波接合工具を使用することで、ワーク5の接合部の位置ずれが防止され、該ワーク5の接合強度を高めることができる。
また、本実施の形態の超音波接合工具のローレット面再加工方法によれば、研削工程において、突起部上面8aと突起部斜面8bの稜線部分に生じた丸みが無くなるまで研削することで、ワーク5に対する超音波接合工具の食い込み性能が向上し、超音波振動のワーク5への印加性能を高めることができる。
また、本実施の形態の超音波接合工具のローレット面再加工方法によれば、摩耗により突起部斜面8bのダイヤモンドライクカーボン膜11が剥がれて基材が露出している場合、凝着物除去工程後に、ローレット面9全体にダイヤモンドライクカーボン膜11を形成し、その後、研削工程で平坦面のダイヤモンドライクカーボン膜11を含めて研削してダイヤモンドライクカーボン膜11を取り除くことで、新品のローレット面9を蘇らせることができる。
また、本実施の形態の超音波接合工具のローレット面再加工方法によれば、凝着物除去工程では、物理的除去としてブラシラップ、エアロラップ、ショットブラストを採用することで、科学的手法では取り除くことのできない突起部斜面8b及び溝部10に堆積した凝着物12を取り除くことができる。
尚、本実施の形態の突起部の先端は、四角錐形状としているが、本発明はこれに限定することなく、多角錐形状であれば全て含むものとする。
本発明は、超音波溶接装置に取り付けられる超音波接合工具のローレット面を再加工する方法に用いることができる。
1…超音波溶接装置
2…アンビル(超音波接合工具)
3…ホーン(超音波接合工具)
5…ワーク(被接合材)
8…突起部
8a…突起部上面
8b…突起部斜面
9…ローレット面
10…溝部
11…ダイヤモンドライクカーボン膜

Claims (4)

  1. 突起先端を平坦面とした複数個の突起部を縦横に配置したローレット面を有する超音波接合工具において、
    超音波溶接装置に装着されて超音波接合を繰り返し行うことで凝着した前記ローレット面を物理的除去により、ローレット面から凝着物を取り除く凝着物除去工程と、
    前記突起先端の平坦面を平面研削して、前記ローレット面を構成する突起部上面、突起部斜面、突起部間の溝部のうち、前記突起部上面の摩擦係数を、前記突起部斜面及び前記突起部間の溝部の摩擦係数より大とする研削工程とを備えた
    ことを特徴とする超音波接合工具のローレット面再加工方法。
  2. 請求項1記載の超音波接合工具のローレット面再加工方法であって、
    前記研削工程では、前記突起部上面と前記突起部斜面の稜線部分に生じた丸みが無くなるまで研削する
    ことを特徴とする超音波接合工具のローレット面再加工方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の超音波接合工具のローレット面再加工方法であって、
    前記凝着物除去工程後に、前記ローレット面全体にダイヤモンドライクカーボン膜を形成し、その後、前記研削工程で前記平坦面のダイヤモンドライクカーボン膜を含めて研削してダイヤモンドライクカーボン膜を取り除く
    ことを特徴とする超音波接合工具のローレット面再加工方法。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の超音波接合工具のローレット面再加工方法であって、
    前記凝着物除去工程では、物理的除去としてブラシラップ、エアロラップ、ショットブラストを採用する
    ことを特徴とする超音波接合工具のローレット面再加工方法。
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