JP5739934B2 - 金属を被覆するためのケイ酸カリウムフリット - Google Patents

金属を被覆するためのケイ酸カリウムフリット Download PDF

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Description

本発明は、無機ガラス質コーティング、およびコークス堆積物の蓄積、腐蝕、および浸炭に対して、熱分解炉の構成部材のような、化学処理工業に一般に用いられている合金物体を保護する方法に関する。本発明は、特に、施される金属物体に接着できる耐久性保護ガラスを形成するように設計されたケイ酸カリウム組成物を含む。
工業界では長年に亘り、化学製造および処理環境における高温および高圧での炭素への露出から、金属物体、特に、鉄をベースとする合金の表面を保護することに関心が持たれてきた。特に、石油化学工業において、そのような炭素への露出から通常生じる2つの問題は、通常「コーキング」と称される金属表面への炭素の蓄積、および金属の浸炭である。両方の問題は、エチレン、プロピレン、またはブテンのようなオレフィンを生成するための、エタン、プロパン、ブタン、ナフサ、または軽油のような炭化水素の熱分解を行う炉やチュービングにおいて、特別な関心事である。分解炉は、多くの化学製造プロセスの核心を形成する。分解炉の性能が、全製造プロセスの主要な利益の可能性を決定することが多い。したがって、分解炉の性能を最大にすることが非常に望ましい。
熱分解プロセスの中心に熱分解炉がある。この炉は、チュービングの配列が中を通る火室を備えている。この配列は、マニホールドから出た一連の直線管であってもよいが、蛇行したチュービングの配列であることが多い。いずれの場合にも、配列は、合計すると数百メートルの長さとなるであろう、ある長さの管および継手から構成される。チュービングの配列は、火室により、注意深くモニタされるある温度まで加熱される。ガス状供給原料の流れが、加圧下でかつ高速で、加熱されたチュービングに通され、生成物は排出されるときに急冷される。
オレフィン生成に関して、供給原料は蒸気により希釈されることが多い。この混合物が、650℃よりも高い温度で運転されているチュービング配列を通過する。この通過中に、非常に耐久性があり、除去するのが難しい、炭素含有残留物が形成され、チュービングおよび継手の内壁に堆積する。この炭素残留物は、壁上で最初に繊維形態にあるようである。このタイプの繊維状コークスは長い糸に成長する。これは、管の合金中に含まれているニッケルおよび鉄との触媒反応のためであると考えられている。この繊維状炭素は、管の内壁でマットを形成するようである。第2のタイプのアモルファスコークスが気相中で形成され、ガス流からプレートアウトを形成する。前記繊維状炭素マットは、ガス中に形成される二次的熱分解コークス粒子を捕捉し、管の壁上に濃密なコークス堆積物が蓄積する。管内のコークスのこのような蓄積により、その有効寿命が劇的に減少する。コークスの堆積物は、たった数週間の使用後に、管を詰まらせる。その結果、化学処理プラントは、現在、腐蝕したチュービングを交換するか、または管に脱炭素処理を行わなければならず、その両方とも、結果的に化学処理を停止するであろうし、以下詳細に論じるように、プラントの運転を再始動するために、この工業に、貴重な時間とお金を負わせることがある。
一般に、コークス堆積物に言及すると、供給流と接触する分解管の金属表面およびガス状排出物と接触する熱交換器の金属表面が影響を受ける区域である。しかしながら、コークスは、接続導管および高温で炭化水素に露出される他の金属表面上でも形成されることを認識すべきである。したがって、「金属」という用語は、以後、炭化水素に露出され、コーキングにさらされる熱分解プロセスにおける全ての金属表面を称するために用いられる。
エチレンのような炭化水素の熱分解中に炉管の内面に形成される炭素堆積物の問題は、長く続いている問題である。コーキングは、反応材料のガス状流が流動するのを制限する。しかしながら、より重要なことには、コークスは、断熱材の役割も果たし得る。管の壁に蓄積する炭素の断熱効果は、ガス状流を加熱する炉のプロセス効率を制限してしまう。炉を通過する炭化水素流の処理量を維持するために、十分な熱がチュービングに入り、安定した温度を維持するように、火室の温度を連続的に上昇させることにより、そのような効率の制限を補うことを強いられる。管の外壁の温度は連続的に上昇する。最終的に、管の表皮の温度をこれ以上は上昇させることができず、火室および管が、運転を中止するか、機械装置を損傷させる危険を冒さなければならない温度に達するほどコークスの蓄積が深刻になる点に到達する。次いで、コークス堆積物がそれによって焼き払われる、脱炭素処理と称される工程において、炭素堆積物を除去するために、炉のコイルの運転停止が必要になる。脱炭素処理の操作は、10日から90日毎に一度必要であり、一般に、軽供給原料の炉については、24から96時間に亘り、重供給原料の運転については、著しく長く続く。
脱炭素処理操作中、市場性のある製造が行われない。このことは、重大な経済的損失を意味する。さらに、分解炉における金属チュービング上の炭素形成の別の影響により、安全性も影響を受ける。脱炭素処理プロセスは、加速した速度で管を劣化させ、有効寿命をより短くしてしまう。上述したような非効率に加え、コークスの形成により、管の内壁の他の形態の腐蝕や侵食および浸炭が加速されてしまう。
浸炭は、スチール合金中への炭素の拡散から生じ、ここで、炭素は合金中のクロムと反応して、脆い炭化物相を形成する。合金は元の耐酸化性を失い、それによって、化学的攻撃を受けやすくなる。時間が経過するにつれ、このプロセスのために体積が膨張し、金属が次第にますます脆くなり、その結果として、機械的強度が失われ、亀裂が生じる可能性も出てくる。そのような化学操作は典型的に、著しい圧力と引張荷重の元で行われるので、管が破裂する虞が増す。熱分解プロセス中の引張荷重と圧力の両方は、比較的一定な要因である傾向にあるが、金属管が弱まるにつれ、これらの要因はより重大になる。再度、運転を停止し、新たなチュービングを備えた炉を完全に作り直す必要が生じる。通常の運転温度では、あるスチール管の合金の壁厚の半分が、2年ほどの短い使用で浸炭され得る。より典型的な管の寿命は3から6年に及ぶ。
過去には、コーキングの問題に対する解決策が数多く提案されてきた。そのような解決策の1つは、特別な組成を持つ合金を製造する工程を含む。別の提案された解決策では、シリカ、炭化ケイ素、または窒化ケイ素のようなケイ素含有コーティングによりチュービングの内壁を被覆する工程を必然的に伴うものである。この二番目の手法を例証する方法が、特許文献1(ブラウン(Brown)等)または特許文献2(クーケス(Kukes)等)のような特許の明細書に開示されている。
さらに別の提案において、チュービングの内壁が、クロムおよび/またはアルミニウム化合物により処理される。そのような方法の1つが、ウェスタイム・テクノロジーズ社(Westaim Technologies, Inc.)により開発された。この方法は特許文献3に開示されている。ウェスタイムの方法では、金属表面上に、少なくともアルミニウムおよびクロムの内の一方と共に、元素のケイ素およびチタンを堆積させ、次いで、熱処理して、保護コーティングを形成することにより、表面合金を生成している。商業的に実施できないというよりもむしろ、1フィート(約30cm)のチュービングを処理するのに数十ドルも要する、より費用のかかるこの手法と対照的に、我々の目的の内の1つは、実質的に1つのガラス質層により、熱分解炉の有効寿命を延長するためのより対費用効果的なコーティングを製造することにある。
管の金属表面を被膜で保護する試みにおいて、供給原料流中に、有機硫黄およびリン化合物のような添加剤を含ませることが、商業プロセスに用いられてきた。金属にガラスセラミックコーティングを施して、金属表面が浸炭を受け、脆くなるのを防ぐと共に、熱分解プロセス中のコーキングを少なくする、別の解決策が提案されている。表1は、前駆体ガラスバッチから計算された、酸化物基準の重量パーセントで表した、いくつかの異なるガラスセラミックの組成が列記されている。それらの組成は、保護コーティングとして提案されている。具体例1−6は、アルカリ土類金属アルミノホウ酸塩またはホウケイ酸塩を示している。具体例7−14は、少量のアルミナまたはジルコニアを含有してもよいアルカリ土類ケイ酸塩を示している。
Figure 0005739934
保護目的のためのガラスセラミックコーティングの効果は、我々の目的に望まれているよりも低いようである。コーティングのある部分が金属基体から分離する傾向にあった。この望ましくない特徴は、金属とガラスセラミックコーティングとの間の膨張の不一致により生じたものであると考えられる。ガラスセラミックは、一般に、0−100×10-7/℃の範囲にある熱膨張係数(CTE)を持ち、これは、120−180×10-7/℃の範囲にある精錬装置に用いられる金属の典型的なCTEよりもずっと低い。標準的なほうろう細工を取り扱う場合には通常は望ましいと考えられているが、炉は脱炭素処理サイクル中に急激な熱変化を経験するので、金属と比較してずっと低いCTEの典型的なガラスセラミックの間のこの不一致により、コーティング中に高い圧縮応力が生じ、これにより、運転中の熱分解炉の内側のむしろ過酷な条件下で、破砕の傾向が増加する。
この徹底的な努力によってさえも、この産業では、高温の金属表面上の炭素堆積物により生じる問題に引き続き直面している。現在、化学処理工業において用いられている金属管は、それらの内部表面上の様々なコーティングを用いて保護されている。しかしながら、化学製造プロセスに含まれる非常に腐蝕性の雰囲気および高温(500−1150℃)において、我々の所望の目的にとっては、満足なコーティングは、現在、商業的に利用できるものはない。それゆえ、必要とされる接着特性および耐久特性を持つ新たな材料が、熱分解炉の高温および応力にさらされる金属表面を保護するために必要とされている。
米国特許第4,099,990号 米国特許第4,410,418号 国際公開第97/41275号パンフレット
本発明の目的は、白榴石(leucite)(K2O・Al23・4SiO2)主結晶相を持ち、金属表面上にその場で形成されるガラス質コーティングにより抗コーキング技術を改善することにある。歯科用磁器製品の以前の研究は、所望の保護品質のいくつかを組み合わせられる可能性のある材料として白榴石に焦点を当てていたが、それにも拘わらず、歯科用磁器製品は、化学処理管内で要求されるガス流条件の音速および高温に耐えられるようには、それほどうまく適応されていない。歯科用磁器製品は、一般に、白榴石結晶含有量に対して、高い百分率でガラス質相を含有する。それらが施されるであろう金属チュービングを保護するというよりもむしろ、歯科用磁器組成物の重要なガラス質特性のために、それから製造されたどのようなコーティングも、高速の化学ガス流の精錬条件下で洗い流されるように弱くなる傾向にあるであろう。さらに、歯科用磁器製品は、結晶化または相変化を経る傾向になく、むしろ、それら磁器製品は、加熱および焼結の後でさえもガラス粉末の混合物として必須組成を維持する。したがって、それらの最初の高ガラス質相含有量は、焼成後も維持される。
本発明は、特に、熱分解炉に関して用いられる金属について、炭素堆積物がある合金表面上に形成されるのを、防がないにしろ、最小にし、金属表面を、一般に炭素堆積物から生じる浸炭の有害な影響から保護することに向けられている。本発明のある実施の形態では、各々が少なくとも80×10-7/℃の熱膨張係数(CTE)を持つ、純粋なガラスおよび添加ガラス形態の両方において、ケイ酸カリウムガラス組成物をコーティングとして用いている。本発明の別のより好ましい実施の形態では、プロセスガスが合金と反応するのを防ぐように、金属製品、特に、化学処理産業に用いられる金属製品に対して良好な接着力を示す高熱膨張のガラス組成物およびガラスセラミック組成物を利用する。本発明の目的は、少なくとも80×10-7/℃(好ましくは、120−220×10-7/℃)のCTEを持つガラス質コーティングをその場で形成する新規の方法を提供することにある。「反応セラミック化」プロセスとして知られている操作により製造される、ガラス質コーティングは、主結晶相として白榴石を有する。
本発明のガラスコーティングおよびガラスセラミックコーティングは、露出された金属管表面と内側の腐蝕性雰囲気との間に保護層を形成する。いくつかの実験試行において、このガラス質コーティングにより処理した管内では、あったとしてもわずかしかコークスが蓄積しない。蓄積する任意の量のコークスは、繊維状炭素とは異なり、より遅い速度で蓄積し、ガラス被覆した内部にゆるくしか結合せず、コークス堆積物を、以前よりも、軟らかくし、除去するのを容易にする。
具体例13−2のガラス組成物の熱膨張曲線 反応セラミック化プロセスにより製造される、白榴石主結晶相を持つ好ましいガラスセラミック組成物のX線回折パターン 反応セラミック化プロセスにより製造される、白榴石主結晶相を持つ好ましいガラスセラミック組成物の熱膨張曲線 白榴石(L)を生成するK2O−4SiO2フリット(F)とα−Al23との間の反応対(…)を示すK2O−Al23−SiO2三相図 白榴石(L)を生成するK2O−4SiO2フリット(F)とα−Al23との間の反応対(…)を示すK2O−Al23−SiO2三相図
本発明では、一般に浸炭に至る、高温および炭素堆積条件にさらされる合金表面のための隔離層として働く薄い保護ガラス質コーティングを用いる。この隔離層は、浸炭をおおいに最小にし、したがって、金属を延性に維持し、例えば、炉管としての有効寿命を延長させる。より具体的には、本発明は、調製された金属表面上に、コーティングとして、主相として白榴石結晶を持つ添加ケイ酸カリウムガラスまたはガラスセラミックを施す工程を含み、ここで、そのコーティングは、良好な接着力および金属の熱膨張係数に対して比較的適合する高い熱膨張係数を示す。
金属は、一般に、多くのガラス材料およびガラスセラミック材料の熱膨張係数を超える高い熱膨張係数(100×10-7/℃を超えることも多い)を持つ。このような高い熱膨張係数のために、高温用途に適したコーティングを見つけることが難しくなっている。通常は、ほとんどのガラスは、金属とは、それぞれの熱膨張係数の不一致が大きいために、容易には結合しない。過去において、ガラスセラミック材料は、伝統的に、高温用途のために金属表面を被覆するのに用いられてきた。しかし、ガラスセラミックには、所望の接着品質が欠けている。金属表面に施されてきたガラスセラミック配合物またはセラミック配合物でさえ、比較的匹敵する高い熱膨張係数を持つけれども、これらのケイ酸カリウムガラスが有すると思われるような良好な機械的接着力の利点は持たない。したがって、分解炉の高温および高圧の条件下では、他のガラスセラミックが、許容できないレベルの破砕を有することが観察されている。
ケイ酸カリウムガラス自体は通常、85−90×10-7/℃の範囲にある単に適度な熱膨張係数を示すけれども、本発明のケイ酸カリウムガラスは、予期せぬ強力な、金属への接着力を示した。本発明のガラスは、120−180×10-7/℃の範囲にある、ずっと高い熱膨張係数を持つ金属表面に対して強力な接着力を示した。この特性のために、これらのガラスは、コーキングおよび浸炭の有害な影響から金属を保護するためのコーティングとして使用する材料の良好な候補であるようである。ケイ酸カリウムガラスのこの特性は、それらが従来技術よりも進歩していることを示した。
このコーティングプロジェクトにおいて、石油化学プロセス工業への使用を意図した金属が経験する過酷な条件に耐えられる耐久性のあるガラス質コーティングを完成することを目的とした。本発明の保護コーティングは、3つの基本形態をとることができる。第1の形態は純粋なガラスとしてであり、第2は添加ガラス(すなわち、不活性相の添加粒子を含有するガラス)としてであり、第3のものは、反応セラミック化プロセスにより白榴石結晶を形成するための前駆体フリットとしてである。3つの形態全てが本発明のコーティングを形成することができる。これらの形態の各々は、ケイ酸カリウムガラス組成物を使用し、各々のコーティング形態は、少なくとも80×10-7/℃の高いCTEおよび金属への良好な接着力を示す。各々の形態は、以後、別々に記載される。
本発明のある実施の形態として、本出願人は、合金基体に対して良好な適合性のある膨張を示すガラス質コーティングを形成するために、本発明のケイ酸カリウムガラスの明白に良好な接着特性を利用する。本出願人は、好ましいケイ酸カリウム組成物に、不活性充填剤としてジルコニアおよび/または白榴石−霞石ガラスセラミックを加えた。これにより、前記ガラスの熱膨張係数が著しく上昇する。高いCTE、高温に耐える能力、および良好な化学的耐久性の組合せは、単独のガラスまたはガラスセラミック材料では容易には得られない。
本発明のガラス質コーティングは、現在入手できる他の保護コーティング化合物よりも優れたいくつかの利点を示す。第一に、このガラス質コーティングは、金属の熱膨張係数と一致したかまたはそれに近い適合できる熱膨張係数を有し、石油化学プロセスのチュービングに用いられる種類の金属に特に適している。第二に、本発明の3つの実施の形態は、ガラスセラミックではないけれども、ガラスセラミックコーティングに見られるもののような高温安定性を示す。温度安定性は、金属チュービングを、腐蝕性化学雰囲気から保護するのに用いられるコーティングにおいて必要な性質である。特に、本発明の前駆体フリット組成物を反応セラミック化することにより生成される白榴石主結晶相は、高温で、特に良好な熱安定性を示す。第三に、より重要なことに、ガラス質コーティングはその場で形成できる。このことにより、実質的に欠点のないコーティングを生成することができ、これは、最後に、上述したウェスタイン法により生成されるもののような、現在用いられている保護材に関連する費用と比較して、より対費用効果的である。それゆえ、前記ガラス質コーティングは、金属チュービングの処理において潜在的な費用の節約を提供する。
純粋なガラスフリット、添加フリット、および白榴石前駆体フリットの本発明の3つの実施の形態に関する比較試験の全ては、金属基体の切り取り試験片について行ったものである。本出願人は、化学プロセス工業において用いられる2つの主要な金属の種類である、オーステナイト系合金およびフェライト系合金について実験した。HP−45のようなオーステナイト系合金は、蒸気−炭化水素雰囲気中において1000−1200℃の温度で運転する、エチレン分解のようなプロセスにおいて用いられている。このHP−45合金は、重量パーセント基準で、30%の鉄、26%のクロム、および35%のニッケルのおおよその組成を持ち、160−190×10-7/℃の範囲にある熱膨張係数を有する。A−335のようなフェライト系合金は、蒸気−炭化水素雰囲気中において400−600℃の比較的低い温度で運転する、触媒再生プロセスのために設計された炉に見られる。A−335合金は、重量パーセント基準で、90%の鉄、10%のクロム、および1%のモリブデンのおおよその組成を持ち、130−150×10-7/℃の範囲にある熱膨張係数を有する。
各々、0.45%の炭素を含有する約2.5−5.0cm(1−2インチ)の正方形のFe−Cr−Ni合金(例えば、HP−45合金)の金属試験片を、熱分解炉の用途のために鋳造したある長さの金属チュービングから切断し、前駆体ガラスフリットで被覆した。金属試験片は、最初にサンドブラストして、金属表面を粗くすることにより調製した。1.2%のニトロセルロースを含む酢酸アミルを用いたスラリーをガラスフリットから調製し、このスラリーを噴霧するか、またはスラリー中に試験片を繰り返し浸漬することにより、金属試験片に施した。より好ましくは、金属基体上にケイ酸カリウムガラス組成物の層を、隙間ゲージにより測定して、約0.0125mm(0.5ミル)から約0.3mm(12ミル)の厚さまで噴霧堆積させた。各々のコーティングを乾燥させ、1000−1150℃で焼成して、ガラスを焼結し、良好に接着したガラス質コーティングを生成した。
空気中で焼成した場合、金属酸化物層が、ガラス質コーティングと合金の表面との間の界面に形成する。これと対照的に、金属を窒素雰囲気中で焼成したときには、金属酸化物は形成されず、焼成プロセス中にガラス質コーティングの破砕する傾向が増加した。HP−45合金に施され、窒素雰囲気中で焼成されたコーティングは、自発的に剥落する傾向にあった。他方で、A−335合金は、ずっと良好であり、破砕があったとしてもわずかであった。したがって、この金属酸化物層は、比較的薄く保てば、ガラス質保護コーティングへの金属の接着力を増加させるのを助けると考えられる。この観察したことは、金属表面を被覆する場合、必ずしも全ての酸化物に普遍的に当てはまるものではないが、本発明のコーティングの場合には、生成される酸化物層は良好に接着する。この酸化物層は、金属表面とガラス質コーティングの間の中間のCTE値を有するようである。この特徴は、熱膨張の不一致により生じる応力を緩和する。それでも、金属酸化物層の厚さが焼成中に制御された状態に維持されなければ、破砕がまだ生じるかもしれない。
コーティングの耐用年数を試験した。いくつかの試料を等温加熱に露出し、一方で、他のものは、使用する雰囲気条件下の熱サイクルにより試験した。この試験において、被覆した試料は、飽和レベル(例えば、20%)で蒸気として導入されたH2O蒸気を含む形成ガス雰囲気(4%の水素および96%の窒素)中において96時間に亘り約1100℃で保持し、その後、室温(25℃)まで冷却した。コーティングの接着力を、ダイヤモンドが結合されている水冷式回転鋸歯を用いて、ガラス質コーティングにおいてノコギリ切断を行うことにより試験した。この試験は、不十分に接着したコーティングは、ノコギリと触れたときに直ぐに破砕するという発見に基づく。試験したコーティングは、比較的良好な接着力を示した。また、現在の状況と比較した場合、形成したどのようなコークス堆積物も、本発明のガラス質コーティングにより処理された金属チュービングからは容易に除去される。これは、コークスは、ガラス質コーティングの表面にゆるくしか接着しないからである。
セクションI−ケイ酸カリウムガラスフリット
上述したように、ケイ酸カリウムガラス自体は、85−90×10-7/℃の範囲の単に中程度の膨張を有するが、それらのガラスは、120−180×10-7/℃の範囲にあるより高い熱膨張係数を有する金属に対して強力な接着特性を示す。このコーティングプロジェクトについて、表2に要約されているように、あるケイ酸カリウムガラス組成物を評価した。それらのガラスは四ケイ酸塩である傾向にあったことに留意されたい。すなわち、K2O:SiO2のモル比は1:4である。しかしながら、セクションIIIに論じされる「反応セラミック化」と称されるプロセスにおいて白榴石(K2O−Al23−4SiO2)を形成するための前駆体として元々は意図されているので、これらのケイ酸カリウムガラスは、充填剤を含まない純粋なガラスとして、および不活性充填剤が添加されたガラスの両方でのコーティングとして、その中とそれ自体に有用であることが判明した。
Figure 0005739934
表2において、全てのコーティングの組成物は、水分安定性を改善するために少量のAl23を有する四ケイ酸塩フリットである、ガラス組成の具体例13−1から始めた。具体例13−2から13−5は、具体例13−1の繰返しである。反応セラミック化プロセス中の流動性および反応性を改善するように、具体例13−4および13−5において、K2OおよびSiO2を一部ZnOで置換した。ZnOが存在すると、高炭化水素雰囲気において、ガラス組成物がより還元されやすくなった。具体例13−2および13−3において、ガラス質コーティングを施すための流動性を改善するように、K2Oを一部MgOで置換した。MgOの存在は、ガラス質コーティングの金属基体の表面への接着を促進するように働いた。具体例13−2におけるK2Oの、CaOやBaOのような、MgO以外のアルカリ土類酸化物による、もしくはNa2Oのような他のアルカリ酸化物による部分的な置換を評価した。しかしならがら、これらの追加のガラス組成物は、具体例13−2よりも優れた利点を全く示さなかったり、焼成中に具体例13−2により生成されたコーティングほど良好には流動しない傾向にあった。具体例13−2は、約900℃で軟化する。金属への結合について、鍵となる「接着促進剤」としてほうろうの文献に認められているCo34を、具体例13−2中に含ませて、具体例13−3のガラス組成物を作製したが、性能で明白な改善は観察されなかった。
最初に、表2のガラス組成物を坩堝内で溶融した。次いで、そのガラス溶融物を薄いパティとして注ぎ、15−30μmの平均直径を持つフリットにそのパティをボールミル粉砕した。その後、これらのフリットを、有機媒質としての酢酸アミル中のニトロセルロースの懸濁液を用いて、噴霧装置により様々な金属試験片上に噴霧した。合金表面に施したとき、ガラス質コーティングは、粒状形態にあるガラスから実質的に構成される材料であり、このガラスは、その後、平らなコーティングに焼結される。乾燥させた後、噴霧された試験片を、A335合金については、900−1000℃で、HP−45合金については、1000−1200℃で焼成した。
HP−45合金およびA335合金の両方へのガラス質コーティングのためにの最良の組成物は、具体例13−2であった。図1は、具体例13−2に関する、CTE対温度のプロットを示している。熱膨張係数は、86−90×10-7/℃の範囲にあることに留意されたい。この比較的低いCTEにもかかわらず、このガラス組成物は、噴霧した場合、900−1000℃で焼成したA335、および1000−1100℃で焼成したHP−45合金の両方に良好に付着した。このコーティングの耐用年数を熱サイクルにより試験した。この試験において、被覆した試料を、4サイクルに亘り、800℃/時間の速度で、200−1000℃に亘り加熱冷却した。被覆した金属試験片に熱サイクルを施し、ダイヤモンドノコギリで分断した後でさえも、試験した試料のいずれにもコーティングの破砕は全くまたはわずかしか観察されなかった。
したがって、前記コーティングのための純粋なガラスは、酸化物基準のモルパーセントで表して、62.0−85.0%のSiO2、12.0−22.0%のK2O、0.0−5.0%のAl23、0.0−10.0%のMgO、0.0−20.0%のZnO、0.0−5.0%のCo34、0.0−10.0%のNa2O、および0.0−5.0%のZrO2から実質的になる組成を有し、25−600℃の温度範囲に亘り85−90×10-7/℃の範囲にある熱膨張係数を有する。
セクションII−添加ガラスフリット
具体例13−2のガラス組成物は、ずっと高い熱膨張係数を有する金属基体に良好に結合するようであるが、石油化学精製に見られる高圧運転温度(high potential operating temperature)での比較的低い熱膨張係数および低粘度の両方に関するもっともな問題に対処する必要がある。前述したように、コーティングと基体との間にどのように良好な接着がなされていたとしても、熱膨張係数の差により、ガラスまたはガラスセラミックのコーティングに亀裂が生じたり、金属基体から剥落することが多い。ここでも、低粘度のために、潜在的に、ガラス質コーティングが金属基体から流れ落ちるかもしれず、したがって、最初にコーティングを施すことにより金属に与えることを望んでいるどのような保護もうち消されてしまう。エチレン精製機中に見られるガス流は音速に近い。そのような速度では、ガラス質コーティングが軟らかすぎる場合、流れがコーティング層を運び去るかもしれず、これは、任意のチュービング基体の内部の金属表面から、流し去られ、容易に除去されるであろう。したがって、別の検討事項は、ガラスとガラスが被覆する金属表面との間の熱膨張係数における適度な一致にある。このことは、オーステナイト系合金が用いられる場合、これらの合金は、130−180×10-7/℃の範囲の高いCTEを有する傾向にあるので、特に重要になる。
ケイ酸カリウムガラスの熱膨張係数を金属のものとより適合するように上昇させるために、100×10-7/℃に近い膨張を達成するように、このガラスを、ZrO2および白榴石のような高いCTEを持つ不活性充填剤と混合しても差し支えない。より好ましい実施の形態において、具体例13−2の組成を持つケイ酸カリウムフリットに、白榴石−霞石ガラスセラミックを添加する。このガラスセラミックを、参照を容易にするために、ここでは88LNと称する。白榴石−霞石ガラスセラミック組成物(88LN)は、好ましくは、62.1%のSiO2、18.9%のAl23、13.8%のK2O、5.13%のNa2O、および5.0%のTiO2から実質的になる。88LN前駆体ガラスは、約1300℃で溶融する。添加ガラスのコーティングブレンドの試料を調製する上で、88LNを1200℃でセラミック化し、10−20マイクロメートルの平均粒径にボールミル粉砕した。セラミック化されたときに、200×10-7/℃の高いCTEを持つ88LNを加えることにより、ケイ酸カリウムガラス組成物のより低いCTEを増加させる。
表3には、具体例13−2のガラス組成に基づく2つのブレンドに関する組成が列記されている。ブレンド45は、20重量%のZrO2を含有する。これは、80%のボールミル粉砕した13−2のガラスフリットに加えられたものである。ブレンド46は、5重量%のZrO2、15重量%の88LN、および80重量%のボールミル粉砕した13−2のガラスフリットを含有する。両方のブレンドにおいて、ZrO2は、5−10マイクロメートルの範囲にある平均粒径を有し、13−2のガラスフリットは、15−10マイクロメートルの平均粒径を有した。混合後、各々のブレンドをバーまたはディスクにプレスし、1000−1100℃まで焼成し、次いで、物理的特性について試料を評価した。ジルコニアの添加により、表面湿潤性が増加した。
Figure 0005739934
具体例13−2のガラス組成物中に不活性充填剤を含むことにより、ブレンドの熱膨張係数および軟化点の両方を増加させることができたことに留意されたい。特徴付けの結果は、表3に列記されているように、セラミック化された88LNを含有するブレンド46が、1000−1100℃の温度範囲に亘り90−100×10-7/℃の範囲にある熱膨張係数、および約907−910℃の軟化点を有したことを示している。比較のために、無添加のケイ酸カリウムフリットである、具体例13−2は、1000−1100℃に焼成された後の86−89×10-7/℃の熱膨張係数、および846℃の軟化点を有する対応データを示した。
表3の両方のブレンドを、HP−45合金に噴霧し、1000−1150℃で焼成して、良好に付着したガラス質コーティングを製造した。このコーティングは、高温および高圧下で、炭化水素流に露出したときに、良好な耐コーキング性を示した。
したがって、ガラス自体よりも高いCTEを有する不活性充填剤が添加されたガラスは、重量パーセントで表して:
a) 酸化物基準のモルパーセントで表して、72.0−85.0%のSiO2、12.0−17.0%のK2O、0.0−5.0%のAl23、および0.0−10.0%のMgOから実質的になる組成を有するガラスを80%;
b) 酸化物基準のモルパーセントで表して、60.0−65.0%のSiO2、12.8−14.8%のK2O、16.3−22.0%のAl23、4.5−7.5%のNa2O、および5.0%のTiO2から実質的になる組成を有し、190−210×10-7/℃のCTEを有する白榴石−霞石充填剤を13.0−18.0%;および/または
c) ジルコニアを4.0−22.0%;
実質的に有してなる組成を持つ。
セクションIII−「反応セラミック化」による高CTEコーティング
様々な金属基体の表面を隔離し、保護するためのコーティングを製造するより効果的な手法として、本発明の一部として、ガラス質コーティングまたはガラスセラミック中に主結晶相として白榴石を形成するより効率的な方法を実験し、開発した。白榴石は、200×10-7/℃よりも大きい、非常に高い熱膨張係数を持つ高融点材料(T溶融=1693℃)である。過去において、白榴石は、バルク核形成により緩慢にしか結晶化しないので、従来のガラスセラミック経路によりガラスセラミック中に単相として得ることは難しかった。本出願人による代わりの方法は、米国特許第5094677号(モレナ(Morena))明細書に記載されたように、「反応セラミック化」と称されるプロセスに基づいている。
反応セラミック化プロセスは、化学反応および失透の作用を組み合わせているためにそう呼ばれている。反応セラミック方法の基本は、ガラスフリットと反応体粉末との間のその場での反応を意図している。すなわち、この方法は、以下の反応式:
ガラス+反応体→白榴石
により説明することができる。反応セラミック化プロセスは前駆体ガラスを必要とするが、このプロセスは、前駆体ガラスへの組成的制限に関して、ガラス→結晶相と記載できる、従来のガラスセラミックプロセスによる結晶化物体の製造とは異なっている。従来のガラスセラミックプロセスにおいて、ガラス体中で発生する結晶の生成を最小にすることに注目が注がれているので、したがって、出発ガラスは、所望の最終結晶性製品に近い組成対応を持たなければならない。
反対に、反応セラミック化においては、前駆体ガラスフリットは、所望の結晶相を得るのに必要とされる反応体の1つとしてのみ存在する。それゆえ、ガラス形成の検討事項またはガラス溶融の要件のような要因により、出発ガラスの選択がそれほど拘束されることない。反応セラミック化における出発ガラスは、そのガラスは、反応方式における多数の原料の内の1つというだけであるので、所望の最終製品とは、組成において大きく異なっていても差し支えない。再度、反応セラミック化における目的が、結晶濃度を最大にすることであっても、そのプロセスが享受する組成の融通性の程度が大きくなることにより、ガラス溶融の要件およびガラス形成能力のような検討事項が果たす役割が、前駆体ガラスの組成を選択する上で小さくなる。したがって、最終ガラスセラミック材料のものと類似の組成の前駆体ガラスに制限されずに、ガラスセラミックコーティングを製造することができる。
反応セラミック化プロセスが白榴石およびポルサイトについて同様であっても、各々のセラミック化合物において用いられる一連の酸化物は、互いに実質的に異なる。反応セラミック化プロセスにより白榴石を形成するのに用いられる構成成分の酸化物は必ずしも、米国特許第5094677号の特許においてポルサイト(Cs2O−Al23−4SiO2)を形成するのに用いられる酸化物と同じようには反応しない。白榴石の好ましい反応セラミック化対は、フリット+アルミナである。これとは対照的に、ケイ酸セシウムガラスでは溶融温度が低いので、ポルサイトには、フリット+アルミナ、および/またはフリット+クレイ(異なるフリット)の2つの異なる反応セラミック化対が可能である。より詳しく述べると、すなわち、Cs2O・2SiO2フリット+Al23・2SiO2(脱ヒドロキシル化カオリン)→ポルサイト(Cs2O−Al23−4SiO2);一方で、本発明における反応セラミック化は、K2O・4SiO2フリット+Al23→白榴石(K2O−Al23−4SiO2)を含む。三相図の図4に示したように、白榴石の相分野は、領域Lにより規定される。K2O・2SiO2フリット+Al23・2SiO2(脱ヒドロキシル化クレイ)の組成物は、おそらく、白榴石を生成できるであろうが、この反応対は、二ケイ酸塩の液相線温度が四ケイ酸塩のものよりも高いので、1100−1200℃よりも高い温度条件下でのみ働くであろう。
白榴石とポルサイトとの間の追加の違いは、それぞれの意図した用途に関する。ポルサイトは、高温用途に適したものにする1900℃よりも高い融点を示すが、その熱膨張係数(40×10-7/℃)は、CTE差が大きすぎるので、金属を被覆するには満足なものではないであろう。同様に、白榴石のCTE(180×10-7/℃)は、ポルサイトタイプの材料にとっての現在の潜在的な用途である、ディーゼルフィルタ用途にとっては高すぎるであろう。
可能性のある出発ガラスとして、表2に列記されたケイ酸カリウムガラス組成物は、SiO2/K2Oモル比が白榴石のものと等しいので、反応セラミック化プロセスに使用するための有望な候補のように思えた。これらのガラスは、後の焼成中に、その場で、結晶化し、白榴石(K2O−Al23−4SiO2)を形成するように、酸化アルミニウムおよび他の化合物と混合しても差し支えない。反応セラミック化への最初の研究のほとんどについて、前駆体フリットとして具体例13−1のガラス組成物を用いた。白榴石は実際に、1100−1200℃への焼成後に形成されたが、金属試験片試料上の焼成コーティングは、非常に多孔質である傾向にあり、これは、浸炭に対して保護するように設計されたコーティングにおいて許容されない。あるいは、具体例13−2を前駆体ガラスフリットとして用いた場合、ある程度白榴石が形成されたが、MgOガラス質層も伴っていた。白榴石以外に、コーティング中にガラス質層が形成されるのを避けるために、ブレンド組成物中に存在する他の酸化物の量は、5重量%未満に維持した。前駆体フリットとして用いたより好ましいブレンドは、K2OおよびSiO2の一部がZnOにより置換されている、具体例13−1の繰返しである具体例13−4のガラス組成である。所望の白榴石結晶相の実質的に相が純粋である量は、1100℃ほど低い温度で得た。CTEおよび融点は、純粋な化合物について報告された文献データに匹敵した。
表4は、白榴石を得るための反応セラミック化プロセスに用いた様々なブレンドを列記したものである。表3の添加ガラス組成物の調製におけるように、最初に、反応体前駆体フリットを溶融し、次いで、約80:20の重量基準でAl23含有反応体と混合する前に、そのガラスを10−20μmの平均粒径までボールミル粉砕して、白榴石化学量論を得た。他の満足のいく動作ブレンドは、重量パーセントベースで、68−85%の斬新的範囲内で、特に、具体例13−4の組成物を、フリット量で含有する。同様に、前駆体ガラスフリットおよびアルミナ反応体の含有量のそれぞれに関する範囲は、重量パーセント基準で、70−90%のフリット、30−10%のアルミナから広げることもできる。
Figure 0005739934
現在、反応セラミック化のもっとも好ましい方法では、粉末Al23含有材料の使用を検討している。もっとも好ましいプロセスは、ケイ酸カリウムフリットのアルミナとの反応を含むものであった。フリットとアルミナとの反応は、材料の粒径が反応速度に役割を果たす、表面媒介であるので、フリットの粒径は約30マイクロメートルを超えるべきではなく、好ましくは、8−22マイクロメートルに及ぶ。アルミナの平均粒径は、好ましくは、さらにより小さい、すなわち、12マイクロメートル未満である。2つの異なるタイプのAl23を、本出願人の研究所での実験ブレンドにおいて別々に導入した。アルコア(Alcoa)社からA−14−200Mとして市販されている、5−10マイクロメートルの平均粒径を持つか焼アルミナ、およびアルコア社からA−1000SGとして市販されている、0.2−0.5マイクロメートルの平均粒径を持つ反応性アルミナを用いた。ブレンド4433をブレンド4456と対比すると、白榴石の収率は、Al23の粒径が小さく、微細なほど、増加する。
白榴石の結晶化の収率を最大にするためには、アルミナの平均粒径は、0.1−0.6マイクロメートルの範囲に及び、約10マイクロメートルを超えない。研究所での調査により次のことが示された。アルミナの粒径が小さいほど、反応セラミック化の駆動力が大きくなる。これは、利用できる表面積がより大きいためであり、これにより、白榴石を結晶化させる反応速度が増加する。アルミナの粒径の任意の増加は、白榴石結晶の収率の減少に繋がり、これに対応して、残留ガラスのような、存在する組み合わされなかった反応体の量が増加する。
前駆体フリットおよびアルミナ反応体に加え、焼結助剤として働く、10重量%未満の低レベルでいくつかの材料を加えた。これらの焼結助剤は、重量パーセント基準で、44%のMgOおよび56%のB23からなる、890FSUと称する低融点ホウ酸マグネシウムガラスフリット、並びにSupersil Sand CS200として商業的に知られている微細シリカを含んだ。ブレンド4458をブレンド4438と比較すると、意外なことに、一般に、焼結助剤の存在が、おそらく増加した物質移動速度の結果として、白榴石の収率を上昇させる傾向にあった。
様々な反応セラミック化ブレンドを金属試験片に施し、1時間に亘り1150℃に焼成した後、流動、多孔度、および白榴石の収率の基準について、表4の様々なブレンドを評価した。
良好な流動は強力な接着と低い多孔度を示すので、良好な流動は、任意のガラス質コーティングにとって望ましい。流動を測定するために、フリットガラス混合物を調製した。最初に、フリット粉末を金型内に配置して、5グラムのフローボタンを形成し、圧縮して、ディスクを製造した。ある温度で焼成した後、圧縮されたフローボタンを、流動について格付けした。一方で、ブレンドは、ボタンの角がある程度の丸まりが観察された場合に、良好な流動を示した。他方で、ボタンに直角の縁が観察された場合、ブレンドは不十分な流動を示した。
炭素の合金中への拡散により浸炭が生じることを考えれば、多孔度の低いコーティングが望ましい。HP−45金属試験片上の、噴霧され、焼成されたコーティングは、コーティングが濃密、わずかに多孔性もしくは高度に多孔性であるかに応じて、多孔度について格付けした。
最後に、各々のブレンドにより白榴石が高収率で生じた否かを測定した。X線回折を用いて、焼成したフローボタンを分析して、白榴石の量を決定した。白榴石結晶がわずかな相として存在した場合、低収率とした。結晶がガラスまたは他の化合物と同程度の相として存在した場合、中程度の収率とした。白榴石が主相であった場合、特定のブレンドが高収率を生じた。
表4に列記したように、ブレンド4458は、良好な流動、低多孔度、および高い白榴石収率の所望の特性の全てを組み合わせて持つものである。図2は、焼成後の4458フローボタンのX線回折パターンを示している。このパターンに存在する多量の白榴石に留意されたい。少量の未反応α−Al23を除いて、白榴石は材料中の主結晶相を構成する。ブレンド4458は、具体例13−1のZnが置換された繰返しである、具体例13−4のガラス組成に基づくものであった。存在する量のZnOは、結晶化せず、ガラス質相中に留まった。どちらかと言えば、ZnOの存在は、実際に、反応セラミック化ブレンド中の白榴石の収率を増加させたと考えられる。
図3は、1時間に亘り1150℃まで焼成した4458ブレンドのバーについてのCTE対温度のプロットを示している。特徴的な白榴石タイプの膨張曲線に留意されたい。この曲線は、600℃で、約200×10-7/℃の非常に高い熱膨張係数に到達し、その後、CTE値は、温度の上昇と共に、わずかに減少する(1000℃で160×10-7/℃)。図3に示したものと同じくらい高い熱膨張係数を持つ耐火性フリットは、同様に、化学プロセス工業において用いられる合金のための高温コーティングとして優れた可能性を有することもあり得る。
したがって、白榴石の主結晶相を持つガラスセラミックは、重量パーセントで表して、
a) 酸化物基準のモルパーセントで表して、62.0−82.0%のSiO2、12.0−22.0%のK2O、0.0−5.0%のAl23、0.0−5.0%のMgO、および0.0−20.0%のZnOから実質的になる組成を有する前駆体ガラスフリットを70.0−85.0%;
b) アルミナ反応体を15.0−25.0%;
c) 低融点マグネシウムフリットを0.0−4.0%;および
d) 焼結助剤として機能する微細シリカを0.0−9.0%;
を実質的に有してなる組成を持ち、
アルミナ反応体は、前駆体ガラスフリットと適切な比率で反応して、白榴石のものに類似した化学量論を持つ生成物を生成する。
上述した説明において、前駆体ガラスは、微量のAl23と共に、K2O−SiO2から実質的になるが、当業者には、アルカリ土類金属酸化物のような補助剤や希釈剤、焼成剤、ZnO、SnO2、ZrO2をガラス組成物中に少量で、すなわち、低融点ガラス質相を形成せず、低温結晶相を形成せず、白榴石の主結晶相を持つ最終生成物が示す全体的な特性に別の様式でも悪影響を及ぼさない量で、含ませても差し支えないことが理解されよう。
本発明を実施例により詳細に説明してきたが、様々な改変や変更が当業者には明白であることに留意されたい。したがって、そのような改変や変更が本発明の範囲から逸脱されない限り、それらは本発明に含まれるものと考えるべきである。

Claims (8)

  1. 化学製造プロセスにおいて炭素粒子を引き付ける金属表面を隔離する方法であって、少なくとも80×10-7/℃の熱膨張係数(CTE)を有する、K2O、SiO2およびAl23から実質的になるコーティングを前記金属表面に施す工程を有してなり、該コーティングが、白榴石の主結晶相を持ち、ガラスを含む反応により前記金属表面上にその場で形成されるセラミックからなり、
    白榴石の主結晶相を持つ前記セラミックが、重量パーセントで表して、
    a) 酸化物基準のモルパーセントで表して、62.0−82.0%のSiO 2 、12.0−22.0%のK 2 O、0.0−5.0%のAl 2 3 、0.0−5.0%のMgO、および0.0−20.0%のZnOから実質的になる組成を有する前駆体ガラスフリットを75.0−85.0%;
    b) アルミナ反応体を15.0−25.0%;
    c) 低融点マグネシウムフリットを0.0−4.0%;および
    d) 焼結助剤として機能する微細シリカを0.0−9.0%;
    を有してなる組成を持ち、
    前記アルミナ反応体は、前記前駆体ガラスフリットと適切な比率で反応して、白榴石の化学量論を持つ生成物を生成する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 化学製造プロセスにおいて炭素の有害な影響から金属表面を保護する、少なくとも80×10 -7 /℃の熱膨張係数(CTE)を有する保護用ガラス質コーティングを形成する方法であって、
    主結晶相として白榴石を有するセラミックを反応生成するような比率で、ケイ酸カリウムガラスおよびAl23含有材料を含む混合物を施す工程を有してなり、
    前記ケイ酸カリウムガラスが、酸化物基準のモルパーセントで表して、62.0−75.0%のSiO 2 、15.0−22.0%のK 2 O、0.0−5.0%のAl 2 3 、0.0−18.0%のRO、および0.0−10.0%のR 2 Oから実質的になり、ここで、ROが、ZnO、MgO、CaOおよびBaOからなる群より選択される金属酸化物であり、R 2 Oが、Na 2 OおよびLi 2 Oからなる群より選択される金属酸化物である、
    ことを特徴とする方法。
  3. 化学製造プロセスにおいて炭素の有害な影響から金属表面を保護する、少なくとも80×10 -7 /℃の熱膨張係数(CTE)を有する保護用ガラス質コーティングを形成する方法であって、
    主結晶相として白榴石を有するセラミックを反応生成するような比率で、ケイ酸カリウムガラスおよびAl 2 3 含有材料を含む混合物を施す工程を有してなり、
    前記ケイ酸カリウムガラスが、酸化物基準のモルパーセントで表して、62.0−68.0%のSiO2、17.0−20.0%のK2O、0.0−3.0%のAl23、0.0−16.0%のRO、および0.0−10.0%のR2Oから実質的になり、ここで、ROが、ZnO、MgO、CaOおよびBaOからなる群より選択される金属酸化物であり、R2Oが、Na2OおよびLi2Oからなる群より選択される金属酸化物である
    ことを特徴とする方法。
  4. 前記セラミックが、
    a) 2O−2SiO2)の化学量論から、(K2O−4SiO2)や、白榴石(K2O−Al23−4SiO2)の化学量論まで異なる組成を持つケイ酸カリウムガラスバッチを溶融し、
    b) このバッチ溶融物をガラス体に冷却し、
    c) 該ガラス体をフリットに粉砕し、
    d) 該ガラスフリットを、白榴石の化学量論を持つ生成物を生成するような適切な比率でAl23含有材料と混合し、
    e) この混合物を、前記ガラスフリットが前記Al23含有材料と反応して、主結晶相として白榴石を含有する高結晶質製品を生成するのに十分な時間に亘り、1100−1200℃の範囲の温度で焼成する、
    各工程を有してなる、反応セラミック化として知られるプロセスにより生成されることを特徴とする請求項2または3記載の方法。
  5. 前記Al23含有材料がアルミナであることを特徴とする請求項2または3記載の方法。
  6. 前記Al23含有材料が、12μmを超えない平均粒径を有する粒子形態にあることを特徴とする請求項2または3記載の方法。
  7. 前記Al23含有材料が、0.2−0.5μmの範囲にある平均粒径を有する粒子形態にあることを特徴とする請求項2または3記載の方法。
  8. 金属上にその場で、化学製造プロセスにおいて炭素の有害な影響から金属表面を保護するガラス質コーティングを合成する方法であって、
    a) モルパーセント基準で、69.0−74.0%のSiO2、13.0−20.5%のK2O、0.0−5.0%のAl23、0.0−1.0%のMgO、および0.0−17.0%のZnOから実質的になる組成を有する前駆体ガラスフリットと、被覆すべき金属の基体を用意し、
    b) 該前駆体ガラスフリットを、白榴石の化学量論を持つ生成物を生成するのに適切な比率でAl23含有材料と混合し、
    c) この混合物を前記金属の基体上に堆積させ、
    d) 前記ガラスフリットと前記Al23含有材料を反応させるのに十分な時間に亘り、少なくとも1100−1200℃の温度で前記混合物を焼成して、主結晶相として白榴石を含有する高結晶質コーティングを形成する、
    各工程を有してなることを特徴とする方法。
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