JP5737943B2 - 脂肪酸アルキルエステルを合成するための強固な多酵素製剤 - Google Patents

脂肪酸アルキルエステルを合成するための強固な多酵素製剤 Download PDF

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Description

本発明は、油及び脂肪トリグリセリド又は脂肪酸を短鎖アルコールによりエステル交換又はエステル化して、好ましくはバイオディーゼルとして使用される脂肪酸短鎖アルキルエステルを得るための、固定化多酵素系の調製に関する。本発明は、そのような固定化多酵素系を調製するための方法と、1段階又は多段階プロセスでのその様々な工業的使用、特に、典型的にはバイオディーゼルとして使用されるメチルエステルを生成するための、ほぼ完全な変換率での工業的使用にも関する。
リパーゼ(トリアシルグリセロールヒドロラーゼ E.C. 3.1.1.3)は、水性系内でトリアシルグリセロールのエステル結合に作用して、遊離脂肪酸、特にグリセリド及びグリセロールをもたらす加水分解性酵素と定義される。低水分活性下にあるこの群の酵素は、その逆加水分解反応を触媒することが可能である。リパーゼの逆触媒活性は、エステル及びアミド結合を含有する価値ある化合物、又は、ヒドロキシル、カルボキシル、及びアミノ基などの官能基を含有するその他の関連ある化学物質を合成するのに広く利用されてきた。特にリパーゼは、脂肪、油、蝋、リン脂質、及びスフィンゴ脂質を改質することによって、新しい所望の機能特性が得られるように及び光学的に活性な化合物をそのラセミ混合物から分離するために、利用されてきた。特に興味深いのは、ポリマー担体に固定化された種々のリパーゼを含む多酵素系の使用が、脂肪酸短鎖アルキルエステル(バイオディーゼル)の合成のために開示されることである。
現在、40種を超えるリパーゼ及びホスホリパーゼが市販されているが、それらのうちごくわずかなものしか、商業的な量で調製されない。工業的に最も将来性のある界面酵素のいくつかは、カンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、リゾムコア・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、リゾープス・ニベウス(Rhizopus niveus)、ムコア・ジャバニカス(Mucor java nicus)、リゾープス・オリザエ(Rhizopus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ペニシリウム・カメムベルティー(Penicillium camembertii)、アルカリゲネス種(Alcaligenes sp.)、ブルクホルデリア種(Burkholderia sp.)、サーモマイセス・ラヌギノサ(Thermomyces lanuginosa)、クロモバクテリウム・ビスコスム(Chromobacterium viscosum)、パパイヤ種子、及びパンクレアチンに由来する。
最も馴染みのある酵素固定化技法は、一般に、下記に従い分類される:
1.シリカ及び不溶性ポリマーなどの固体担体への酵素の物理的吸着。
2.イオン交換樹脂への吸着。
3.酵素と、エポキシ化無機又はポリマー担体などの固体担体材料との共有結合。
4.グローイングポリマー内での酵素の捕捉。
5.膜反応器内又は半透膜ゲル内での酵素の拘束。
6.架橋結合酵素結晶(CLEC)又は凝集物(CLEA)。
高多孔度のポリマー担体の使用又はイオン交換樹脂の使用に基づくリパーゼの物理的吸着は、最も実用化されたリパーゼの固定化法である。この方法は、その単純さを特徴とし、信頼性ある合成活性をもたらす。
トリグリセリド及び短鎖アルコールをエステル交換して脂肪酸アルキルエステルを形成するための遊離又は固定化リパーゼの使用は、酵素の活性及び安定性に関して満足のいかない結果をもたらした。また、工業的な量で脂肪酸アルキルエステルの酵素的生産を実施するための固定化酵素の費用対効果は、依然として妨げられたままである。さらに、それらの遊離又は固定化形態にある現在利用可能な全てのリパーゼは、妥当な反応時間、好ましくは8時間よりも短い時間で、油トリグリセリドから脂肪酸アルキルエステルへのほぼ完全な変換率、好ましくは99%超に達することができないことが報告されている。
リパーゼの別の主な欠点は、親水性基質、特に、エステル交換反応媒体中に典型的には存在する短鎖アルコール、短鎖脂肪酸(共にC4より少ない)、水、及びグリセロールに対するその低耐性から生じる。メタノール及び酢酸などの短鎖アルコール及び短鎖脂肪酸はそれぞれ、本質的な水分子をこれら酵素の第4級構造から切り離す原因となり、それらの変性及び結果的に生ずるそれらの触媒活性の損失をもたらすことが、多くの調査研究で観察された。また、反応媒体中でのそのような親水性分子の存在によって、酵素分子が担体から切り離され、その結果、酵素の作用寿命が短くなる。したがって、油トリグリセリド及びメタノールを基質として使用して、脂肪酸メチルエステル「バイオディーゼル」を商業的な量で生産するためのリパーゼの適用が実現不可能であることは、驚くことではない。
リパーゼの混合物の使用が提案されている[Lee,D.H.ら、Biotechnology and Bioprocess Engineering 2006、11:522〜525]。この文献は、化学的に結合された固定化リゾープス・オリザエ及びカンジダ・ルゴサ・リパーゼの混合物を使用した、バイオディーゼルの生産について述べている。理解されるように、反応時間は比較的長く、典型的にはバイオディーゼルへの変換率96%超に達するまで、24時間よりも長い。また、この文献に示される結果は、使用される酵素の混合物が、10サイクル程度の使用後に、その初期活性の20%超を失ったことを示している。これは、反応系内での部分グリセリド中間体の蓄積に起因する可能性があり、そのことが、エステル交換反応を減少させ、したがって反応時間を長くする可能性がある。この文献に記述される系内での生体触媒の不活性化は、重要な欠点であり、その工業的用途を妨げている。
したがって本発明の目的は、特に、脂肪酸アルキルエステルを合成するために、特に「バイオディーゼル」として使用される脂肪酸メチルエステルを合成するために、非常に活性で安定な固定化リパーゼを得るための新しい方法を提供することである。
本発明の別の目的は、短鎖アルコール及び短鎖脂肪酸、特に、それぞれメタノール、エタノール、及び酢酸に対して、及びグリセロールなどのその他のポリオールに対して、並びに特に非食用級の、典型的には油及び脂肪中に存在するその他の阻害因子に対して高耐性を保持する、非常に活性で安定な固定化多酵素製剤を提供することである。
本発明の別の目的は、所望の生成物、即ち脂肪酸アルキルエステルを、妥当な反応時間中、典型的には5時間よりも短い時間中に、ほぼ完全な変換率で得るための、1段階又は多段階酵素反応器構成を提供することである。
本発明のこれら及びその他の目的は、説明が進むにつれて明らかにされよう。
第1の態様では、本発明は、無溶媒微水系内で、脂肪酸のアルキルエステル、好ましくは脂肪酸メチルエステル(バイオディーゼル)などの脂肪酸の短鎖アルキルエステルを調製するための方法であって、脂肪酸源を提供するステップと、遊離アルコール、好ましくは短鎖遊離アルコール、特にメタノール、又は任意のその他のアルコール供与体を、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸源トリグリセリドが脂肪酸アルキルエステルに、好ましくは脂肪酸メチルエステル(FAME)に変換されるまで、適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤が、少なくとも2種のリパーゼ、好ましくは3種のリパーゼを含むものであり、前記リパーゼが、適切な担体に別々に又は一緒に固定化されており、前記リパーゼの少なくとも1種は、部分グリセリドに対して高い親和性を有しており、前記リパーゼの少なくとも1種はsn−1,3位特異的であり、任意選択で第3のリパーゼは、グリセロール主鎖のsn−2位に対して高い選択性を有している、上述の方法に関する。
sn−1,3位特異的リパーゼは、サーモマイセス・ラヌギノーゼ(Thermomyces lanuginose)、リゾムコア・ミーヘイ、ムコア・ミーヘイ(Mucor miehei)、シュードモナス種、リゾープス種(Rhizopus sp.)、ムコア・ジャバニカス、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、アスペルギルス・ニガー、アクロモバクター種(Acromobacter sp.)、及びブルクホルデリア種からなるがこれらに限定されない群から選択してもよい。部分グリセリドに対して高い親和性を有する前記リパーゼは、カンジダ・アンタークティカB(Candida antarctica B)、カンジダ・アンタークティカA(Candida antarctica A)、カンジダ・ルゴサ、アルカリゲネス種、及びペニシリウム・カメムベルティーからなるがこれらに限定されない群から選択してもよい。第3のリパーゼは、特に、カンジダ・アンタークティカA又はシュードザイマ種に由来するsn−2位に対して高選択性を有するリパーゼであってもよい。
本発明の方法で使用される脂肪酸源は、大豆油、キャノーラ油、菜種油、オリーブ油、ヒマシ油、パーム油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、ジャトロファ油、動物由来脂肪、廃食用油、非食用植物源由来の油トリグリセリドの少なくとも1種、又はこれらの少なくとも2種の任意の混合物を含んでもよい。
複数のリパーゼは、適切な担体、好ましくは疎水性の脂肪族ポリマーベースの担体又は疎水性の芳香族ポリマー担体に、一緒に固定化されてもよい。前記リパーゼのそれぞれは、適切な担体に固定化されてもよく、前記リパーゼが固定化されるこの担体は、同一であり又は異なっている。
担体は、好ましくは、有機でも無機でもよい多孔質担体である。担体の例は、シリカ及び/又はアルミナをベースにした担体などであるがこれらに限定されない多孔質無機担体と、ポリマー又はポリマーベースの担体などであるがこれらに限定されない有機担体であり、これらの担体は、エポキシ及び/又はアルデヒド基から選択された活性官能基、又はイオン性基を任意選択で含有してもよい。
本発明のこの態様の方法では、前記脂肪酸源に含まれる脂肪酸アシル基又は遊離脂肪酸から脂肪酸メチルエステルへの変換を、反応中の様々な時点でモニタしてもよく、反応媒体は、反応中の任意の所望の時点で適切な手段により除去してもよく、それによって反応が停止され、形成された脂肪酸メチルエステル及び任意選択で形成されたグリセロールが反応媒体から単離される。反応は、特に、前記脂肪酸源に含まれる脂肪酸アシル基又は遊離脂肪酸から脂肪酸メチルエステルへの変換率が少なくとも70%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも95%に達したときに止めてもよい。
別の態様では、本発明は、脂肪酸の短鎖アルキルエステル、好ましくは脂肪酸メチルエステル(バイオディーゼル)を無溶媒微水系内で調製するための方法であって、脂肪酸源を提供するステップと、短鎖遊離アルコール、好ましくはメタノール、又は任意のその他のアルコール供与体を、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸源に含まれる脂肪酸アシル基又は遊離脂肪酸から脂肪酸メチルエステルへの変換率が少なくとも70%に達するまで、適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤が、適切な担体に固定化された単一のリパーゼ、又は適切な担体に一緒に若しくは別々に固定化された少なくとも2種のリパーゼの混合物を含んでおり、同時に、形成されたグリセロール及び過剰な水全てが反応混合物から連続的に除去される、上述の方法に関する。
また、この態様の方法では、前記リパーゼ製剤が、少なくとも2種のリパーゼ、好ましくは3種のリパーゼを含んでいてもよく、前記リパーゼは、適切な担体に別々に又は一緒に固定化されている。前記リパーゼの少なくとも1種は、部分グリセリドに対して高い親和性を有し、前記リパーゼの少なくとも1種は、sn−1,3−位特異的である。任意選択の第3のリパーゼは、好ましくは、ランダムリパーゼよりもsn−2位に対して高い選択性を有する。
sn−1,3位特異的リパーゼは、サーモマイセス・ラヌギノーゼ、リゾムコア・ミーヘイ、ムコア・ミーヘイ、シュードモナス種、リゾープス種、ムコア・ジャバニカス、ペニシリウム・ロックフォルティ、アスペルギルス・ニガー、アクロモバクター種、及びブルクホルデリア種のいずれか1種であってもよいが、これらに限定するものではない。部分グリセリドに対して高い親和性を有する前記リパーゼは、カンジダ・アンタークティカB、カンジダ・ルゴサ、アルカリゲネス種、及びペニシリウム・カメムベルティーのいずれか1種であってもよいが、これらに限定するものではなく、ランダムリパーゼよりもsn−2位に対して高い選択性を有する前記任意選択の第3のリパーゼは、カンジダ・アンタークティカA及びシュードザイマ種(Pseudozyma sp.)のいずれか1種であってもよいが、これらに限定するものではない。
また、この方法では、脂肪酸源が、大豆油、キャノーラ油、菜種油、オリーブ油、ヒマシ油、パーム油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、ジャトロファ油、動物由来脂肪、廃食用油、非食用植物源由来の油トリグリセリドの少なくとも1種、又はこれらの少なくとも2種の任意の混合物を含んでいてもよい。
複数のリパーゼは、適切な担体、好ましくは疎水性の脂肪族ポリマーベースの担体又は疎水性の芳香族ポリマー担体に、一緒に固定化してもよい。前記リパーゼのそれぞれを、適切な担体に固定化してもよく、前記リパーゼが固定化される担体は、同一又は異なっている。
担体は、好ましくは、有機でも無機でもよい多孔質担体である。担体の例は、シリカ及び/又はアルミナベースの担体などであるがこれらに限定されない多孔質無機担体、及びポリマー又はポリマーベースの担体などであるがこれらに限定されない有機担体であり、これらの担体は、エポキシ及び/又はアルデヒド基から選択された活性官能基、又はイオン性基を、任意選択で含有してもよい。
また、本発明のこの態様の方法では、前記脂肪酸源に含まれる脂肪酸アシル基又は遊離脂肪酸から脂肪酸メチルエステルへの変換を、反応中の様々な時点でモニタしてもよく、反応媒体は、反応中の任意の所望の時点で適切な手段によって除去してもよく、それによって反応が停止され、形成された脂肪酸メチルエステル及び任意選択で形成されたグリセロールが反応媒体から単離される。反応は、特に、前記脂肪酸源に含まれる脂肪酸アシル基又は遊離脂肪酸から脂肪酸メチルエステルへの変換率が少なくとも70%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも95%に達したときに、停止させてもよい。
さらに別の態様では、本発明は、脂肪酸のアルキルエステル、好ましくは、メチルエステル(バイオディーゼル)などの脂肪酸の短鎖アルキルエステルを調製するための無溶媒微水法であって、(a)脂肪酸源を提供し、短鎖アルコール、好ましくはメタノール、又は任意のその他のアルコール供与体を、前記脂肪酸源に、リパーゼ製剤の存在下で段階的に添加し、前記脂肪酸源に含まれる脂肪酸アシル基又は遊離脂肪酸から脂肪酸メチルエステルへの変換率が少なくとも70%に達するまで適切な条件下で反応を進行させ、但し前記リパーゼ製剤は、適切な担体に固定化された少なくとも1種のリパーゼ、又は適切な担体に一緒に又は別々に固定化された少なくとも2種のリパーゼ、好ましくは3種のリパーゼの混合物を含むものであり、その間に形成されたグリセロールを反応混合物から連続的に除去して、主に残留未反応グリセリド及び形成された脂肪酸アルキルエステルを含有する有機相をもたらすステップと;(b)前記脂肪酸源に含まれる脂肪酸アシル基又は遊離脂肪酸から脂肪酸メチルエステルへの変換率が少なくとも95%に達するまで、前記有機相を、適切な条件下、ステップ(a)で定義されたリパーゼ製剤の存在下で、短鎖遊離アルコール、好ましくはメタノール、又は任意のその他のアルコール供与体と反応させるステップとを含む、上述の方法に関する。
この態様の方法におけるリパーゼ、リパーゼ製剤、酵素担体、脂肪酸源は、他の態様で使用したものと類似している。
さらになお、本発明は、不溶性担体に固定化されたリパーゼの混合物を調製するための方法であって、前記混合物は、カンジダ・アンタークティカB由来のリパーゼと、シュードモナス種、アルカリゲネス種、ブルクホルデリア種、及びサーモマイセス・ラヌギノサ由来の少なくとも1種のリパーゼとを含むものであり、(a)上記リパーゼの1種を含有する緩衝溶液、及び第2のリパーゼを含有する別の緩衝溶液、又は上記リパーゼの混合物を含有する単一緩衝溶液を、ポリマー担体、好ましくはイオン交換樹脂、又は吸着剤に;より具体的には疎水性の脂肪族又は芳香族ポリマーベースの担体に、好ましくは、緩衝液:有機溶媒が1:10から10:1の比で固定化媒体にそれぞれ添加されたn−ヘキサンなどの疎水性有機溶媒の存在下で接触させるステップ;(b)ステップ(a)で得られた系を少なくとも4時間、室温で混合するステップ;(c)固定化されたリパーゼ混合物を濾別し、乾燥して含水率を5%未満にするステップを含む、上述の方法に関する。
本発明のこの態様で使用される不溶性の担体は、好ましくは、多孔質で網状の疎水性脂肪族又は芳香族ポリマーベースの担体であり、特に、それぞれAmberlite XAD 7HP又はAmberlite XAD 1600である。
本発明は、本発明の方法によって調製された固定化リパーゼ混合物を用いた方法によって調製される、バイオディーセルにも関する。
前記脂肪酸短鎖アルキルエステルは、本発明の全ての態様において、好ましくは脂肪酸メチル、エチル、イソプロピル、又はブチルエステル(バイオディーゼル)である。
さらにその他の態様では、本発明は、脂肪酸アルキルエステル、好ましくは脂肪酸短鎖アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステルを、無溶媒系内で調製するための方法であって、脂肪酸源を提供するステップと、遊離アルコール、好ましくは短鎖遊離アルコール、特にメタノール若しくは高級アルコール、又は任意のその他のアルコール供与体を、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸源トリグリセリドが脂肪酸アルキルエステルに、好ましくは短鎖アルキルエステルに、特に脂肪酸メチルエステル(FAME)に変換されるまで、適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤は、第1のリパーゼ及び第2のリパーゼを含み、前記リパーゼは、適切な担体に別々に又は一緒に固定化されるものであり、前記第1のリパーゼは、部分グリセリドに対するその活性に比べ、トリグリセリドに対してより高いエステル交換活性を示し、前記第2のリパーゼは、トリグリセリドに対するその活性に比べ、部分グリセリドに対してより高いエステル交換活性を示し、前記2種のリパーゼは、最終生成物を得るのにそれらのエステル交換活性において相乗効果を示す、上述の方法に関する。
さらにその他の態様では、本発明は、脂肪酸アルキルエステル、好ましくは脂肪酸短鎖アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステルを、無溶媒系内で調製するための方法であって、脂肪酸源を提供するステップと、遊離アルコール、特に短鎖遊離アルコール、好ましくはメタノール若しくは高級アルコール、又は任意のその他のアルコール供与体を、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸源トリグリセリドが脂肪酸アルキルエステルに、好ましくは脂肪酸短鎖アルキルエステルに、特にメチルエステル(FAME)に変換されるまで適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤は、第1のリパーゼ及び第2のリパーゼを含むものであり、前記リパーゼは、別々に又は一緒に適切な担体に固定化され、前記第1のリパーゼは、第1のエステル交換反応において、アルコールとエステル交換して脂肪酸アルキルエステルを形成するために前記第2のリパーゼに好まれる中間体を放出する、上述の方法に関する。
本発明はさらに、脂肪酸アルキルエステル、好ましくは脂肪酸短鎖アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステルを、微水無溶媒系内で調製するための方法であって、脂肪酸源を提供するステップと、遊離アルコール、好ましくは短鎖遊離アルコール、特にメタノール若しくは高級アルコール、又は任意のその他の遊離アルコール若しくはアルコール供与体を、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸源トリグリセリドが脂肪酸アルキルエステルに、好ましくは脂肪酸短鎖アルキルエステルに、特にメチルエステル(FAME)に変換されるまで、適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤が、第1のリパーゼ及び第2のリパーゼを含み、前記リパーゼは別々に又は一緒に適切な担体に固定化され、前記リパーゼは、一緒に使用する場合にトリグリセリドに対するそれらのエステル交換活性を維持する異なる基質特異性を示し、一方、前記2種のリパーゼの少なくとも一方は、基質としてトリグリセリドを用いたときに別々に使用した場合、エステル交換反応媒体中で減衰するが、基質として部分グリセリド及び脂肪酸を用いた場合、高いエステル交換/エステル化活性をそれぞれ示す、上述の方法に関する。
脂肪酸源は、トリグリセリド、部分グリセリド、遊離脂肪酸、リン脂質、脂肪酸のエステル及びアミドの少なくとも1種であり、又は、少なくとも2種の前記脂肪酸源を含む混合物である。
担体は、ジビニルベンゼン又はジビニルベンゼンとスチレンとの混合物を含む網状の疎水性ポリマー、及び脂肪族アクリルポリマーを含む網状の疎水性脂肪族ポリマーであってもよい。担体は好ましくは、25〜1000Åの範囲、好ましくは40〜100Åの範囲の孔径の、多孔質マトリックスである。
本発明について、添付の図面を参照しながらより詳細に記述する。
それぞれAmberlite XAD 7HPに別々に固定化された、CALB、リパーゼPS、リパーゼTLのエステル化活性を示す図である。反応条件:オレイン酸(2.5g)及びメタノール(3バッチ、それぞれ95mg)を、250mgの固定化済みリパーゼと、30℃で6時間混合した。同じバッチの生体触媒を、同じ条件下で50回の反応サイクルで使用した。 全てがAmberlite XAD 7HPに別々に固定化された、CALB、リパーゼPS、リパーゼTLのエステル交換活性を示す図である。反応条件:大豆油(2.5g)及びメタノール(3バッチ、それぞれ91mg)を、250mgの固定化済みリパーゼと、30℃で6時間混合した。同じバッチの生体触媒を、同じ条件下で50回の反応サイクルで使用した。 CALB及びリパーゼTLに関する、又はCALB及びリパーゼPSに関する、Amberlite XAD 7HPに固定化された多数のリパーゼのエステル交換活性を示す図である。反応条件:大豆油(2.5g)及びメタノール(3バッチ、それぞれ91mg)を、250mgの固定化済みリパーゼと、30℃で6時間混合した。同じバッチの生体触媒を、同じ条件下で50回の反応サイクルで使用した。 Amberlite XAD 7HPに共に固定化されたリパーゼPS及びCALBを使用した、2段階エステル交換プロセスでのFAME%を示す図である。反応条件:反応は、多孔度70〜100μmの焼結ガラスフィルタを底面に備えた二重ジャケット付きガラス反応器内で、生体触媒(30g)を大豆油(220g)及びメチルアルコール(23.9g)に添加することによって開始した。メタノールをバッチごとに添加し、各バッチは化学量論量の1/3であり、又は1滴ずつ滴定した。反応系を、30℃で2時間、機械的に撹拌した。反応媒体を第1の段階から除去し、遠心分離してグリセロールを除去し、次いで第2の段階の反応器に導入し、2時間撹拌した。
バイオディーゼルの酵素的生産を改善し促進させるため、本発明は主に、出発材料の1種であるメタノールへの曝露又はこの方法で形成されるグリセロール及び水への曝露から一般に生ずる、酵素が固定化されている担体からの固定化酵素の切離しに起因した、酵素不活性化又は酵素活性の損失の防止を対象とする。これまで使用されてきた、吸着剤に固定化されたNovozyme 435リパーゼ(カンジダ・アンタークティカリパーゼB(Candida antarcticaリパーゼB))は、上述の酵素活性の減衰に起因する、平均して10回程度の反応サイクル後の活性損失を特徴とする。本発明の目的は、この問題を解決することである。
さらに、96%よりも高い変換率を達成するために、油及びメタノールのエステル交換反応時間は比較的長く、前記Novozyme 435並びにその他のリパーゼの場合、典型的には24〜48時間の範囲である。本発明の目的は、反応時間を著しく短縮することが可能な方法及び酵素製剤を提供することでもある。
さらに、この方法で形成されるグリセロール副産物は、生体触媒粒子上に維持されるために酵素活性の減衰をもたらす。生体触媒へのグリセロールの接着は、酵素活性を低下させ、時には全体的な損失ももたらす。本発明の方法及び製剤は、この問題の解決も対象とする。
さらに、従来技術の研究は、反応系内でモノ及びジグリセリドも含めた部分グリセリドの形成及び蓄積をもたらすリパーゼを使用した。これら基質に対するそのようなリパーゼのエステル交換の低反応速度は、96%よりも高い変換率の達成に必要な反応時間を長くした。本発明は、酵素的エステル交換の過程で形成される中間体の高速クリアランスを促進させる、したがって短い反応時間で高い変換率を達成する、酵素製剤、系、及び方法を提供する。
より具体的には、本発明は、1又は2段階プロセスでの多酵素系の使用であって、上記障害を克服し、予期せぬ結果をもたらし、且つ固定化酵素間での相乗効果及び酵素不活性化又は酵素活性の損失の回避を示し、またリパーゼ−リパーゼとリパーゼ−マトリックスの両方の効率的な組合せも理由とする、上述の使用を提供する。
したがって本発明者らは、脂肪酸アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステル「バイオディーゼル」を生産する酵素的プロセスを改善するために、短鎖アルコール、ポリオール、及び短鎖脂肪酸などの、親水性基質に対して高耐性を有する非常に活性があり安定な固定化酵素製剤を開発した。上記本発明の課題を解決するための手段における上記説明に加え、リパーゼの混合物は、3種以上のリパーゼを含んでもよく、好ましくは3種のリパーゼの混合物であり、第1のリパーゼは、sn−1,3位特異性を有し、第2のリパーゼは、ランダムリパーゼ、特にカンジダ・ルゴサ由来のランダムリパーゼの場合よりもsn−2位に対して選択性を有し、第3のリパーゼは、モノ及びジグリセリドに対して高い親和性を有する。
本出願の全体を通して、位置sn−1、sn−2、又はsn−3に言及する場合、これらは様々なグリセリドのグリセロール主鎖上の位置であることに留意すべきである。
ランダムリパーゼの場合よりもsn−2位に対して高い選択性を有するリパーゼの意味は、そのような酵素は、アルコール又はアルコール供与体とsn−2位の脂肪アシル基との間の反応を触媒することを好み、一方、ランダムリパーゼは、グリセロール主鎖上の全ての3つの位置で脂肪アシル基に対して同じエステル交換活性を示すことである。
以下の実施例に示されるように(例えば、カンジダ・アンタークティカA(CALA)に関連して)、いくつかの酵素は、基質、生産物などによって決定された特に特異的な条件下で、sn−2位に対する位置活性を一意的に示す。この能力に関して本明細書で使用される酵素は、際立ったsn−2位選択性と、sn−2部分グリセリドをエステル交換する能力とを示す。
開発された生体触媒は、ポリマーマトリックス上に、好ましくは多孔質の網状疎水性脂肪族又は芳香族ポリマーベースのマトリックス上に固定化された、種々のタイプのリパーゼの混合物を含む。本発明によれば、種々のリパーゼは、同じ反応ポットに固定化されていてもよく、又は同じ若しくは異なる担体に別々に固定化されていてもよい。任意選択で、短鎖アルコールに対する耐性、エステル化/エステル交換活性、及び生体触媒の作用寿命に関する酵素−担体の最良の組合せに応じて、異なるリパーゼを別々に異なる担体に固定化してもよい。本発明によるリパーゼ混合物は、sn−1,3位特異的なリパーゼを、ランダムリパーゼ、特に部分グリセリドに対して親和性を有するリパーゼと、任意選択でsn−2位に対して高親和性を有する第3のリパーゼと共に含む。
sn−1,3位特異的リパーゼは、サーモマイセス・ラヌギノサ、リゾムコア・ミーヘイ、ムコア・ミーヘイ、シュードモナス種、リゾープス種、ムコア・ジャバニカス、ペニシリウム・ロックフォルティ、アスペルギルス・ニガー、アクロモバクター種、又はブルクホルデリア種であってもよいが、これらに限定するものではない。ランダムリパーゼの場合よりもsn−2位に対して高い特異性を有するリパーゼは、カンジダ・アンタークティカAリパーゼ、及びシュードモナス種由来のリパーゼであってもよいが、これらに限定するものではない。部分グリセリドに対して高親和性を有するリパーゼは、カンジダ・アンタークティカB、カンジダ・ルゴサ、アルカリゲネス種、又はペニシリウム・カメムベルティーであってもよいが、これらに限定するものではない。本出願の範囲内で企図されるその他のリパーゼは、リゾープス・ニベウス、リゾープス・オリザエ、ブルクホルデリア種、クロモバクテリウム・ビスコスム、パパイヤ種子、又はパンクレアチンであってもよい。
異なるリパーゼの固定化は、ワンポットで又は別々に実施することができる。
不溶性担体は、その官能基に、物理的吸着によって又は共有結合によって、リパーゼを結合することが可能である。本明細書で使用される「物理的に吸着された」又は「物理吸着」という用語は、それぞれ「固定化された」及び「固定化」と同義であってもよい。担体及びマトリックスという用語は、本明細書では同義で使用してもよい。担体は、シリカ又はアルミナベースの担体などの多孔質無機担体、それぞれAmberlite(登録商標)XAD 7HP及びAmberlite(登録商標)XAD 1600などの疎水性脂肪族及びアクリル系網状ポリマー又は疎水性芳香族網状ポリマーベースの担体などであるがこれらに限定されない有機担体からなる群から好ましくは選択された、有機又は無機であってもよい疎水性の多孔質担体であることが好ましく、前記担体は、任意選択で、エポキシ若しくはアルデヒド基などの活性官能基、又はイオン性基を含有してもよい。適切な担体の、特定の非限定的な例は、Amberlite XAD、例えばXAD 4、XAD 16、XAD−1600、XAD 7HP、XAD 16HP、XAD 1180、Amberlite FPA53、Amberlite FPC22H、Amberlite FPA4OCl、Amberlite IRC50、Duolite、例えばA7、A561、A568、及びDuolite C467、Amberlyst A−21、Dowex Monosphere 77、Dowex Optipore L493、Dow Styrene DVB、MTO Dowex Optipore SD−2、Dowex MAC−3、Purolire A109、及びSepabeads、例えばEC−EA、EC−EP、EC−BU、及びEC−ODなどである。好ましい担体は、ジビニルベンゼン、又はジビニルベンゼン及びスチレンを含む疎水性網状芳香族ポリマー、及び網状脂肪族アクリル系ポリマーを含む疎水性脂肪族ポリマーを含むものである。
他の態様では、本発明は、本発明の課題を解決するための手段に詳述されるバイオディーゼルを調製するための方法を提供する。
さらに、本発明によるバイオディーゼルの調製方法では、酵素担体から自己脱着する反応生成物及び/又は副産物の全て又は一部を連続的に除去してもよい。(1種又は複数の)酵素を担持する担体からの生成物/副産物の自己又は自発的脱着は、本発明の固定化酵素系の独特の性質である。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、この特徴は、固定化生体触媒付近から形成された親水性グリセロール又はその他の親水性基質を弾くのに寄与する、マトリックスの疎水的性質に起因する可能性がある。開示された酵素的プロセスは、98%よりも高い原材料からそれに対応する脂肪酸アルキルエステルへの変換率を達成するために、1段階で又は2段階で実施することができる。本発明の新規の方法は、本発明によるリパーゼ製剤、又は固体担体に固定化された単一リパーゼを用いることができる。そのような場合、リパーゼは、ランダム又はsn−1,3−特異的にすることができ、リパーゼ/担体の組合せは、強固で効率的な酵素製剤が得られるよう慎重に設計される。脱着されたグリセロールは反応媒体中に放出され、次いで本明細書に記述されるように機械的手段によって系外に除去することができる。そのような系の使用は、形成されたグリセロールによるビーズの接着により生成された、生体触媒凝集体の生成を防止する。酵素凝集体の形成は、本発明の系及び方法によって克服される、酵素活性の減衰又はマスキングに関与する重要な因子の1つである。
98%よりも高い原材料の変換率を達成するために、2タイプのプロセス構成を使用した:
1.反応器内に生体触媒を保持するが、反応媒体を反応器の外側に浸透させる、底面焼結ガラスフィルタを備えた撹拌済みのタンク反応器。そのような反応器構成は、固定化酵素から自己脱着される副産物、特にグリセロールを反応器の底面に沈め、焼結ガラスフィルタを通して外側に浸透させる。結果は、脱着形成されたグリセロール及び同様に過剰な水の、反応媒体からの連続的な除去であり、合成に対する反応のシフトをもたらし、それによって98%よりも高い変換率が達成される。この反応器内で使用された生体触媒は、その位置特異性並びにその由来を考慮して、単一又は多数のタイプのリパーゼを含んでもよい。
2.底面焼結ガラスフィルタを備えた2個の連続した撹拌済みタンク反応器。沈降タンク又は遠心分離器を、これら2個の反応器の間に使用する。第1の反応器は、単一又は多数のタイプのリパーゼを含む固定化生体触媒を含有してもよい。両方の反応器の間の沈降タンク又は遠心分離器の役割は、反応媒体から形成されたグリセロール及び過剰な水を除去することであり、それによって、98%よりも高い値への、原材料からそれに対応する脂肪酸アルキルエステルへの変換率の上昇が、第2の反応器内で妥当な反応時間でもたらされる。
本発明の方法では、系内に部分グリセリド(モノ及びジグリセリド)の蓄積はない。そのような部分グリセリドは、典型的には酵素活性の損失と共に蓄積されたグリセロールにも関与する。以下の実施例に示されるように、本発明の方法では、生体触媒活性は意外なことに、同じ酵素製剤の反復使用において100サイクル超にもわたり維持される。反応時間は、96%よりも高い変換率を達成するために従来技術のその他の生体触媒を使用する場合には24時間超であるのに比べ、4時間未満に短縮される。これらの特徴は、本発明の酵素製剤及び方法に、高い経済的価値を与える。
底面にフィルタを備えたサーモスタット付き反応器に含有される反応混合物を、脂肪アシル基又は脂肪酸が脂肪酸アルキルエステルに、典型的には脂肪酸メチルエステルに変換されるまで、適切な条件下で反応させる。反応媒体を、重力によって又は窒素圧力を反応器の最上部に加えることによって、底面フィルタに通して濾過する。
98%よりも高い変換率を妥当な反応時間で、好ましくは4時間未満で達成するために、反応を2段階で実施することができる。まず、脂肪酸源を、メタノールなどの短鎖アルコール又はアルコール供与体と約2時間反応させ、70%よりも高い脂肪酸アルキルエステルへの変換率を得た。反応媒体は、反応器内に生体触媒を維持する反応器底面から除去される。反応媒体は、形成されたグリセロールを除去するために、相内に分離され又は遠心分離される。次いで残留する未反応グリセリド及び形成された脂肪酸アルキルエステルを主に含有する上部有機相を、第2の連続反応器に導入し、ポリマーマトリックスに固定化された1種又は複数のリパーゼの存在下でメタノールと反応させる。
この方法は、98%よりも高い含量の脂肪酸アルキルエステル及び副産物、即ちグリセロールを、高品質でもたらす。調製された多酵素固定化製剤は、100サイクル超の再使用後の活性化損失が取るに足らないものであるのでリサイクル可能である。
バイオディーゼルをもたらす、脂肪酸源とメタノールなどのアルコール又は別のアルコール供与体との反応は、固定化酵素の混合物をカラムに充填し、反応混合物をカラム内に通すことによって所望の生成物が得られるよう、連続的に操作することもできる。
バッチごとに撹拌タンク反応器内で操作することができる、バイオディーゼルを生産するための反応器モードは、生体触媒をカラム内に充填した状態で、連続的に操作することもできることに言及すべきである。
1種又は複数のリパーゼを担持するのに適切な固体担体は、上述の通りである。いくつかの特定の担体を、以下の実施例に、特に表1に示す。
好ましくは、n−ヘキサンなどの疎水性有機溶媒は、それぞれ緩衝液:有機溶媒が1:10から10:1の比で、固定化媒体に添加することができる。本発明の方法によって調製された本発明の固定化酵素は、非常に活性があり、特に安定で、且つ短鎖アルコール、短鎖脂肪酸、及び典型的には廃油中に存在するその他の不活性化酵素因子などの親水性基質に対して高い耐性のものである。第1の段階における約90%の脂肪酸源の変換率及び第2の段階における98%よりも高い変換率は、反応の100サイクル後でさえ維持される。この安定性は、主に経済的に重要なものである。
固定化は、当技術分野に記述される手順に従って行うことができる。特に有利な固定化方法は、参照により本明細書に完全に組み込まれる出願人の同時係属のWO2008/084470に記載されている。簡単に言うと、不溶性担体に固定化されたリパーゼの調製は、水性緩衝溶液及び少なくとも1種の第1の有機溶媒を含む2相系を提供するステップ;前記界面酵素と2相系とを混合するステップ;担体を、得られた混合物に添加して、混合するステップ;及び得られた混合物から、前記担体に固定化された界面酵素を単離するステップによって、行われる。
酵素の選択は、本発明の酵素製剤の効率に関して、特に多種リパーゼ系に関して重要なものである。組合せは、反応の苛酷な条件下での活性の減衰又は損失が回避されるように、選択すべきである。これは、系内の2又は多酵素製剤が相乗的に作用するので、実現することができる。本明細書で使用される相乗作用という用語は、酵素の不活性化の回避又は酵素活性の減衰若しくは損失を意味することも理解されよう。例えば、理論に拘泥するものではないが、エステル交換中間体のいくつか、主にモノグリセリド及びジグリセリドは、シュードモナス種(本明細書では、SP)由来のリパーゼ及びサーモマイセス・ラヌギノーゼ(本明細書では、TL)由来のリパーゼの、エステル交換活性の不活性化又は減衰に関与するようである。一方、カンジダ・アンタークティカB(本明細書では、CALB)由来のリパーゼは、モノグリセリド及びジグリセリドに対して高い特異性を有する。CALBとPS又はTLとの存在は、本明細書に定義される相乗効果を保証し、したがって、反復使用においても著しい活性損失なしに、複合生体触媒が維持される。さらに、高いsn−2親和性を有する追加の第3のリパーゼの存在によって、反応媒体からの低クリアランス速度によって特徴付けられる、タイプsn−2アシル化グリセロールの、形成されたエステル交換反応中間体の濃度レベルが低下する。酵素の特定の組合せ、及びそれらの設計の基礎をなす理論的根拠については、以下の実施例に、より詳細に記述される。本出願の文脈におけるリパーゼ固定化の主要点は、酵素タンパク質を適合する最も適切なマトリックスを見出すことである。これは、リパーゼ−マトリックスの特定の組合せに関して高いエステル交換活性を所有することが、反復使用での活性の維持を保証するものではないからである。本発明者らは、本明細書に記述されるものなどであるがこれらに限定するものではない、特に効率的な組合せを確立した。
特に好ましい酵素の組合せは、本明細書に記述される疎水性マトリックスに固定化されたリパーゼTL及びCALB、リパーゼPS及びCALB、リパーゼTL、CALB、及びCALAと、リパーゼPS、CALB、及びCALAである。
本発明による2種リパーゼ又は3種リパーゼ系の使用は、メタノール及び油の高いエステル交換活性を保持し、且つ極端な反応条件化で高い安定性も保持するものであるが、開発された生体触媒に、バイオディーゼルの生産における経済的価値を与え且つ低コストの生体触媒をもたらし、したがって最も効率的に再使用することができる。
以下の実施例で示されるように、本発明により脂肪酸短鎖アルキルエステルを調製するための酵素的プロセスは、第1のリパーゼ及び第2のリパーゼを含んでもよく、前記リパーゼは、別々に又は一緒に適切な担体に固定化されており、且つ前記第1のリパーゼは、部分グリセリドに対するその活性に比べてトリグリセリドに対してはより高いエステル交換活性を示し、前記第2のリパーゼは、トリグリセリドに対するその活性に比べて部分グリセリドに対してはより高いエステル交換活性を示すものであり、前記2種のリパーゼは、最終的な脂肪酸アルキルエステル生成物が得られるように、それらのエステル交換活性で相乗効果を示す。
さらに別の実施形態では、本発明の方法で使用されるリパーゼ製剤は、第1のリパーゼ及び第2のリパーゼであって、前記リパーゼは、別々の又は一緒に適切な担体に固定化されており、前記第1のリパーゼは、第1のトランスエステル反応において中間体を放出するが、これは、前記第2のリパーゼがアルコール又はアルコール供与体とエステル交換して脂肪酸アルキルエステルを形成するのに好まれるものである、上述の第1のリパーゼ及び第2のリパーゼを含んでもよい。
アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、又は、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、及びn−オクタデカノールなどの任意のその他の高級アルコール、又は任意のアルコール供与体の少なくとも1種、又はこれらの少なくとも2種の任意の混合物を含んでいてもよい。アルコール供与体は、好ましくは、酢酸メチルなどの短鎖アルキルカルボキシレートである。
さらになお、リパーゼ製剤は、第1のリパーゼ及び第2のリパーゼであって、前記リパーゼは、別々に又は一緒に適切な担体に固定化されており、前記リパーゼは、一緒に使用するときにトリグリセリドに対してそれらのエステル交換活性を維持する異なる基質特異性を示し、同時に前記2種のリパーゼの少なくとも一方は、基質としてトリグリセリドを使用した場合、別々に使用したときにエステル交換反応媒体中で減衰するが、基質として部分トリグリセリド又は脂肪酸を使用した場合には高いエステル交換/エステル化活性を示す、上述の第1のリパーゼ及び第2のリパーゼを含んでもよい。
開示され記述されるように、本発明は、本明細書に開示された特定の例、プロセスステップ、及び材料に限定されず、したがってプロセスステップ及び材料は、いくらか変えてもよいことが理解されよう。本明細書で使用される用語は、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることから、特定の実施形態を記述する目的でのみ使用され、限定しようとするものではないことも理解されよう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、この文脈が他に明瞭に指示しない限り、複数表示を含むことに留意すべきである。
本明細書及び以下に続く特許請求の範囲の全体を通して、文脈が他に必要としない限り、「含む(comprise)」という単語、及び「含む(comprises)」や「含む(comprising)」などの変形例は、表示された整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を含むが、任意のその他の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を除外するものではないことを示唆することが理解されよう。
以下の実施例は、本発明の態様を実施する際に本発明者らによって用いられた技法の代表例である。これらの技法は、本発明を実施するのに好ましい実施形態の例示であるが、当業者なら、本発明の開示に照らし、本発明が意図する範囲から逸脱することなく数多くの修正を加えることができることが認識されることを、理解すべきである。
(例1)
ポリマー担体に固定化された単一リパーゼの調製
サーモマイセス・ラヌギノサ由来のリパーゼ((TL)、リポザイムTL 100Lを1ml)、又はサーモマイセス・ラヌギノーゼ由来のリパーゼ濃縮物(Novozymes、デンマーク)を、0.05M及びpH8のTRIS緩衝溶液(12ml)中に可溶化した。リパーゼ溶液を、室温で8時間振盪し又は撹拌することによって、酵素担体(1g、使用した様々な担体を、以下の表1に示す。)と接触させた。好ましくは、n−ヘキサンなどの疎水性有機溶媒を、固定化媒体に、それぞれ緩衝液:有機溶媒が1:10〜10:1になるよう添加する。固定化酵素を含有する担体を濾別し、デシケータ内で一晩乾燥することにより、固定化リパーゼが得られた。同じ手順を、シュードモナス種由来のリパーゼ(リパーゼPS 100mg、天野エンザイム、日本)、アルカリゲネス種由来のリパーゼ(リパーゼQLM 50mg、名糖産業、日本)、カンジダ・アンタークティカリパーゼA(CALA 1ml、Novozymes、デンマーク)、又はカンジダ・アンタークティカリパーゼB濃縮物(CALB−L 1ml、Novozymes、デンマーク)を使用して、繰り返した。これらの固定化リパーゼは、本発明の新規な方法において別々に使用することができ、又は、ワンポット反応系で若しくは連続2段階以上のプロセスで、種々の重量比で組み合せて使用することができ、それによって、脂肪酸源とアルコール、典型的にはバイオディーゼル用のメタノールとのエステル化/エステル交換反応を介して脂肪酸アルキルエステル(バイオディーゼル)を調製する。バイオディーゼルを生成するための反応器モードは、撹拌タンク反応器内でバッチごとに又は生体触媒がカラムに充填されている場合には連続的に、操作することができる。
(例2)
多種リパーゼ固定化生体触媒の調製
サーモマイセス・ラヌギノサ由来のリパーゼ(リポザイムTL 100Lを1ml、Novozymes、デンマーク)、及びカンジダ・アンタークティカBリパーゼ濃縮物(1ml、CALB−L、Novozymes、デンマーク)を、0.05M及びpH8の緩衝溶液(12ml)中に可溶化した。両方の酵素を含有する溶液を、共にRohm及びHaas、米国(1g)のAmberlite XAD 7HP又はAmberlite XAD 1600などの担体と、室温で8時間振盪し又は撹拌することによって接触させた。好ましくは、n−ヘキサンなどの疎水性有機溶媒を、固定化媒体に、それぞれ緩衝液:有機溶媒が1:10〜10:1になるよう添加する。固定化酵素を含有する担体を濾別し、デシケータ内で一晩乾燥することにより、固定化多種リパーゼ製剤が得られた。同じ手順を、リパーゼPS(100mg、天野エンザイム、日本)及びカンジダ・アンタークティカBリパーゼ濃縮物(1ml、CALB−L、Novozymes、デンマーク)、リパーゼPS(100mg、天野エンザイム、日本)及びサーモマイセス・ラヌギノサリパーゼ濃縮物(1ml、CALB−L、Novozyme、デンマーク)を共に含有する溶液を使用して、繰り返した。その他の多酵素系は、例えばアルカリゲネス種由来のリパーゼ(50mg、リパーゼQLM、名糖産業、日本)をリパーゼPS又はリパーゼTLと組み合せて使用するなどして、調製することができる。その他のリパーゼ製剤は、同様の又は異なる担体に全て固定化された3種の異なる酵素、特にリパーゼTL、CAL−A、及びCAL−B、又はリパーゼPS、CAL−A、及びCAL−Bを含有していてもよい。
(例3)
固定化リパーゼを使用した脂肪酸メチルエステル(FAME、バイオディーゼル)の調製
表1は、異なる担体に別々にそれぞれ固定化された、サーモマイセス・ラヌギノーゼ(TL)、シュードモナス種(PS)、及びカンジダ・アンタークティカB(CALB)由来のリパーゼを使用した、エステル交換反応で形成された脂肪酸メチルエステルのパーセンテージ(FAME%)を示す。反応は、多孔度が70〜100μmの焼結ガラスフィルタを底面に備えた二重ジャケット付きガラス反応器内で、固定化リパーゼ(30g)を大豆油(220g)及びメチルアルコール(23.9g)(化学量論比は、油トリグリセリドとメタノールとの間でそれぞれ1:3である。)に添加することにより、実施した。メタノールを、各バッチが化学量論量の1/3であるバッチに添加し、又は1滴ずつ滴定した。全ての反応系中の水の濃度は、0.1〜2%の範囲にあった。反応系を、30℃で機械的に撹拌する。原材料の変換プロセスは、上記条件下での8時間の反応時間の後にGCを使用して、脂肪酸メチルエステル、部分グリセリド、及びトリグリセリドのパーセンテージを測定することにより決定される。
結果を表1に示すが、例1による種々の個別に固定化されたリパーゼ(30g)を使用して、大豆油トリグリセリド(220g)及びメタノール(23.9g)を含むエステル交換系で形成された脂肪酸メチルエステルのパーセンテージが示されている。反応混合物は、30℃で8時間、機械的に撹拌した。
Figure 0005737943
(例4)
固定化多種リパーゼ製剤を使用した脂肪酸メチルエステル(バイオディーゼル)の合成
表2は、別々に又はワンポット系内の同じ担体に一緒に固定化された、サーモマイセス・ラヌギノーゼ(TL)リパーゼ及びカンジダ・アンタークティカリパーゼB(CALB)、又はシュードモナス種(PS)リパーゼ及びカンジダ・アンタークティカリパーゼBを含む、Amberlite XAD 7HPに固定化された多種リパーゼ製剤を使用した、エステル交換反応で形成された脂肪酸メチルエステルのパーセンテージ(FAME%)を示す。また、CALBの代わりに、アルカリゲネス種由来のリパーゼ(リパーゼQLM、名糖産業、日本)を、リパーゼPS又はTLと組み合せて使用した。反応は、多孔度70〜100μmの焼結ガラスフィルタを底面に備えた二重ジャケット付きガラス反応器内で、固定化リパーゼ製剤(30g)を大豆油(220g)及びメチルアルコール(23.9g)に添加することにより実施した。メタノールをバッチごとに添加したが、各バッチは化学量論量の1/3であり、又は1滴ずつ滴定した。反応系を、30℃で機械的に撹拌した。原材料の変換の進行は、上述の条件下で2、3、及び6時間の反応時間の後にガスクロマトグラフィ(GC)を使用して、脂肪酸メチルエステル、部分グリセリド、及びトリグリセリドのパーセンテージを測定することにより決定される。
表2に示される結果は、リパーゼTL及びPSが、6時間の反応時間の後に95%よりも高い変換率のFAMEに到達できず、一方CALBのエステル交換活性は比較的低かったことを示す。リパーゼTL及びCALBを含む多種リパーゼ固定化製剤は、意外なことに、リパーゼTL又はCALBを別々に用いた対照実験よりも高いエステル交換活性を示した。
表2に示されるように、リパーゼPS及びCALBを含む多種リパーゼ固定化製剤は、対照実験での86%未満に比べ、典型的には99%よりも高い改善された相乗的エステル交換活性も示した。同じ相乗傾向は、リパーゼQLMをリパーゼTL及びPSと組み合せて使用した場合に観察された。
表2は、例2により調製されたAmberlite XAD 7HPに固定化された異なる多種リパーゼ混合物を使用する、及び対照実験として例1により調製された固定化リパーゼも使用する、大豆油トリグリセリド(220g)及びメタノール(23.9g)を含むエステル交換系内で、2、3、及び6時間の反応時間の後に形成された脂肪酸メチルエステルのパーセンテージを示す。反応混合物は、30℃で6時間、機械的に混合した。
Figure 0005737943
(例5)
同じバッチの生体触媒を使用したバッチ反応における固定化リパーゼの反復エステル化活性
生体活性のエステル化活性は、Amberlite XAD 7HP(250mg)に固定化された3種のリパーゼ(TL、PS、CALB)の1種を、オレイン酸(2.5g)及び化学量論の1/3のメタノール(285mg)が入っているスクリューキャップバイアルに添加することによって試験した。メタノールの量の残り2/3を、2時間及び4時間の反応時間の後に、2つの均等なバッチに添加した。反応混合物の組成を、6時間後に分析した。反応媒体をバイアルから廃棄し、新しいバッチの新鮮な基質を、同じバッチの酵素を使用して導入した。図1は、Amberlite XAD 7HPにそれぞれ個別に固定化された同じバッチのリパーゼPS、リパーゼTL、又はCALBを使用した、50回の反応サイクルにおける反応媒体中のFAME%を示す。
図1に示される結果は、固定化CALB、リパーゼPS、及びTL製剤が全て、効率的に、遊離脂肪酸及びメタノールのエステル化を触媒したことを示す。CALBの反復エステル化活性は、50回の反応サイクル後も実に安定であり、一方リパーゼTL及びPSは、50回の反応サイクル後にそれぞれ、初期エステル化活性の26%及び16%を直線的に失った。
(例6)
同じバッチの生体触媒を使用したバッチ反応における固定化リパーゼの反復エステル交換活性
反復使用における生体触媒のエステル交換活性は、Amberlite XAD 7HPに固定化された3種のリパーゼの1種(250mg)を、大豆油(2.5g)及びメタノールの化学量論量の1/3(91g)が入っているスクリューキャップバイアルに添加することによって試験した。メタノールの量の残り2/3は、2時間及び4時間の反応時間の後に2つの均等なバッチに添加した。反応混合物の組成を6時間後に分析した。反応媒体をバイアルから廃棄し、新しいバッチの新鮮な基質を、同じバッチの酵素を使用して導入した。
図2は、同じバッチの生体触媒を使用した50回の反応サイクルにおける、CALB、リパーゼPS、及びリパーゼTLのそれぞれのエステル交換活性を示す。結果は、リパーゼPS及びTLの両方のエステル交換活性が、85%よりも低いFAME%をもたらし、直線的に減衰し、50回の反応サイクル後にこれらの初期エステル交換活性が平均して70%に達したことを示す。CALBの初期エステル交換活性は、比較的低く、予期せぬことに11回の反応サイクル後にその活性を直線的に失った。
(例7)
脂肪酸及びアルコールのエステル化反応のための、エステル交換活性欠如CALBの使用
例6に記述された、11回の反応サイクル後にそのエステル交換活性を失ったAmberlite XAD 7HPに固定化されたCALB(250mg)を、オレイン酸(2.5g)及びメタノール(285mg)のエステル化に使用した。同じバッチの生体触媒を、10回の反応サイクルに使用した。予期せぬことに、分析結果は、生体触媒が高いエステル化活性を有することを示すが、先の実験ではそのエステル交換活性を失ったことが示される。同じバッチの生体触媒を使用した、10回の連続実験操作の平均FAME%は、85%であった。
(例8)
部分グリセリド及びアルコールのエステル交換反応のための、エステル交換活性欠如CALBの使用
例6に記述された、11回の反応サイクル後にそのエステル交換活性を失ったAmberlite XAD 7HPに固定化されたCALB(250mg)を、モノオレイン(3g)及びメタノール(270mg)のエステル交換に使用した。同じバッチの生体触媒を、10回の反応サイクルに使用した。予期せぬことに、分析結果は、生体触媒が部分グリセリド及びメタノールに対して高いエステル交換活性を有することを示すが、先の実験ではトリグリセリド及びメタノールのそのエステル交換活性を失ったことが示される。同じバッチの生体触媒を使用した、10回の連続実験操作の平均FAME%は、80%よりも高かった。
(例9)
同じバッチの生体触媒を使用したバッチ反応における、固定化多種リパーゼ製剤の反復エステル交換活性
固定化多種リパーゼ製剤のエステル交換活性は、例1及び2による、全てがAmberlite XAD 7HPに固定化されたリパーゼPS及びCALB又はリパーゼTL及びCALB(250mg)を、大豆油(2.5g)及びメタノールの化学量論量の1/3(91mg)が入っているスクリューキャップバイアルに添加することによって試験した。メタノールの量の残り2/3を、2時間及び4時間の反応時間の後に2つの均等なバッチに添加した。反応媒体を、反応の6時間後にバイアルから廃棄し、新しいバッチの新鮮な基質を、同じバッチの酵素を使用して導入した。図3は、50サイクル中に同じバッチの生体触媒を使用した反応媒体でのFAME%を示す。図3に示される結果は、両方の多種リパーゼ製剤のエステル交換活性が、予期せぬことに、同じバッチの生体触媒を使用した50回の反応サイクルで安定であることを示す。
(例10)
2段階プロセスで固定化多種リパーゼ製剤を使用した、脂肪酸メチルエステル(バイオディーゼル)の合成
表3は、別々に固定化され又はワンポット系内に固定化されたリパーゼTL及びCALB又はリパーゼPS及びCALBを含む、Amberlite XAD 7HPに固定化された多種リパーゼ製剤を使用した、エステル交換反応媒体のFAME%を示す。反応は、多孔度が70〜100μmの底面に焼結ガラスフィルタを備えた二重ジャケット付きガラス反応器内で、固定化リパーゼ製剤(30g)を大豆油(220g)及びメチルアルコール(23.9g)に添加することにより実施した。メタノールをバッチに添加し、各バッチは化学量論量の1/3のものであり、又は1滴ずつ滴定した。反応系を、30℃で2時間、機械的に撹拌した。基質変換率が好ましくは70%よりも高い値に達した場合、窒素圧力を加えることによって、又は焼結ガラスフィルタへのその重力によって、反応媒体を反応器底面から濾過する。反応媒体を、遠心分離にかけ、又は相分離が生ずるようにする。グリセロールを含有する下相を除去し、未反応のグリセリド及びFAMEを含有する有機相を、固定化リパーゼを載せた第2の連続底面焼結ガラスフィルタに導入する。第2の反応器中の媒体を、最初に必要とされたメタノールの化学量論量の3分の1と共に、30℃で2時間機械的に撹拌する。反応の進行は、2時間後にGCを使用して、脂肪酸メチルエステル、部分グリセリド、及びトリグリセリドのパーセンテージを測定することによって追跡した。
表3に示される結果は、対照実験として使用された両方のリパーゼTL及びPSが、第1のステップでは85%よりも低いFAME%を、また第2のステップでは98%のFAME%もたらすことが可能であるのに対し、Amberlite 7HPに固定化されたCALBは、2段階反応後に15%を超えない比較的低いエステル交換活性を示したことを示す。リパーゼPS及びCALBを含む多種リパーゼ製剤は、第1のステップで92%FAMEをもたらし、第2のステップで100%のFAMEをもたらした。同様に、リパーゼTL及びCALBを含む多種リパーゼ製剤は、90%という比較的高いFAME%をもたらし、第2のステップで変換がほぼ終了するようであった。リパーゼTL及びPSの組合せは、第1のステップで高いパーセンテージのFAMEをもたらし、第2のステップで変換がほぼ終了するようであった。これらの結果は、上記使用されたリパーゼの組合せの、エステル交換活性の相乗作用を裏付けている。
表3は、例2により調製されたAmberlite XAD 7HPに固定化された異なる多種リパーゼ製剤を使用する、大豆油トリグリセリド(220g)及びメタノール(23.9g)を含むエステル交換反応系に関して、各ステップごとに、2時間の反応時間の後に形成された脂肪酸メチルエステルのパーセンテージを示す。反応混合物を、30℃で2時間、機械的に撹拌した。相分離後に、上方の有機相を、同じ反応条件化で動作する、固定化リパーゼが入っている第2の反応器に導入した。
Figure 0005737943
表3は、種々の相乗的な酵素の組合せに関する、様々な可能性を示す(図3及び図4からわかるように、多酵素系を使用して、1種の酵素を使用した図2と比較した。)。
反応時間は、CALBの存在により2〜3時間にまで短縮されるが、これは、リパーゼPS又はリパーゼTLのみを別々に使用した場合に典型的には反応時間の延長及び酵素の不活性化に関与する形成されたグリセロールのクリアランスに加えて、中間体の部分グリセリド、即ちモノ及びジグリセリドのクリアランスに関与する。
(例11)
同じ生体触媒を連続バッチで使用する2段階プロセスで固定化多種リパーゼ製剤を使用した、脂肪酸メチルエステル(バイオディーゼル)の合成
図4は、別々に又はワンポット系内に固定化されたリパーゼPS及びCALBを含む、Amberlite XAD 7HPに固定化された多種リパーゼ製剤を使用した、エステル交換反応媒体に関する、段階1及び2でのFAME%を示す。反応は、底面に多孔度70〜100μmの焼結ガラスフィルタを備えた二重ジャケット付きガラス反応器内で、生体触媒(30g)を大豆油(220g)及びメチルアルコール(23.9g)に添加することによって実施した。メタノールをバッチに添加し、各バッチは化学量論量の1/3のものであり、又は1滴ずつ滴定した。反応系を、30℃で2時間、機械的に撹拌した。基質変換率が好ましくは80%超に達する場合、反応媒体を、窒素圧力によって又は焼結ガラスフィルタへのその重力によって、濾過する。反応媒体を、遠心分離にかけ、又は相分離が生ずるようにする。グリセロールを含有する下相を除去し、未反応のグリセリド及びFAMEを含有する有機相を、同じ生体触媒を載せた第2の連続底面焼結ガラスフィルタに導入する。第2の反応器内の媒体を、最初に必要とされたメタノールの化学量論量の3分の1と共に、30℃で2時間、機械的に撹拌する。反応媒体を、同じ生体触媒を維持する反応器から除去する。この手順を、少なくとも100サイクル繰り返した。図4は、2段階プロセスの各サイクルにおける、2時間の反応時間の後のFAME%を示す。図4の結果は、第1の段階の後のFAMEのパーセンテージが、平均して約88%であり、第2のステップの後に平均して約99%に達したことを示す。予期せぬことに、結果は、多種リパーゼ固定化製剤の活性が非常に高く、著しい活性損失は、同じバッチの生体触媒を使用する100回の反応サイクル中に観察されなかったことを示す。
(例12)
異なる基質特異性のリパーゼを使用したバイオディーゼルの生成
表4は、様々な基質選択性の種々の多種リパーゼ製剤を使用した、大豆油トリグリセリド及びメタノールのエステル交換反応のための、異なる時間間隔の後に形成された脂肪酸メチルエステルのパーセンテージを示す。リパーゼは、Amberlite XAD 1600などの多孔質疎水性担体を使用して、例2に記述した方法より固定化させた。
表4:例2により調製されたAmberlite XAD1600(15重量%)に固定化された、異なる多種リパーゼ製剤を使用した、大豆油トリグリセリド(2.5g)及びメタノール(285mg)を含むエステル交換反応系に関する、異なる時間間隔の後に形成された脂肪酸メチルエステルのパーセンテージ。メタノールを、2時間の反応時間中に、3つの均等なバッチに添加した。反応混合物を振盪し、30℃でインキュベートした。種々の酵素製剤間の重量比は、60%PS:40%CALB及び60%PS:20%CALB:20%CALAであった。TL:CALB及びTL:CALB:CALAの間も同様の重量比を使用した。
Figure 0005737943
表4に示される結果は、リパーゼTL又はリパーゼPSなどの1,3位特異性を有するリパーゼ、及びCALBなどの部分グリセリドに対して選択性を有するリパーゼを、CALAなどの2位に対して高選択性であるリパーゼと共に含む多酵素系を使用した結果、類似の酵素製剤であるがsn−2位に対して高選択性であるリパーゼ、即ちCALAを添加しない酵素製剤を使用した場合に比べ、バイオディーゼルの生成のためのエステル交換反応速度が著しく改善したことを示す。
表5は、いずれもRohm and Haas、USA製の、多孔質疎水性担体、即ちAmberlite XAD 1600、又はDuolote A7などの多孔質親水性担体に固定化された、リパーゼTL、CALB、及びCALAを含む2種の多種リパーゼ製剤のエステル交換活性を示す。結果は、上記リパーゼの組合せを疎水性担体に固定化した場合、より高いエステル交換活性が得られると共に、非常に改善された操作安定性も得られたことを示す。表5から、疎水性担体に固定化されたリパーゼを含む生体触媒は、同じバッチの酵素を20回の連続した実験操作で使用した場合に活性損失を最小限に抑えた状態で、その初期エステル化活性を維持したのに対し、同じリパーゼであるが親水性担体に固定化されたリパーゼを使用するエステル交換活性は、実質的に減衰し、同じバッチの生体触媒を使用した20バッチ後に、その初期活性の40%になったことがわかる。結果は、バイオディーゼルを生成するためのリパーゼの固定化には、同じ酵素の固定化で親水性担体を使用する場合に比べ、疎水性担体が好ましいことが、明らかに示されている。
表5は、多孔質疎水性担体、Amberlite XAD 1600、又は多孔質親水性担体Duolite A7に全て固定化されているリパーゼTL、CALB、及びCALAを含む、多種リパーゼ製剤のエステル交換活性を示す。反応条件:大豆油(2.5g)及びメタノール(3バッチ、各91mg)を250mgの固定化リパーゼ製剤と、30℃で4時間混合した。同じバッチの生体触媒を、20回の反応サイクル中で、同じ条件下で使用した。
Figure 0005737943

Claims (23)

  1. 無溶媒微水系内で、脂肪酸のアルキルエステルを調製するための方法であって、
    脂肪酸トリグリセリド源を提供するステップと、遊離アルコール又はアルコール供与体を、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸トリグリセリド源中のトリグリセリドが脂肪酸アルキルエステルに変換されるまで、適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤は、少なくとも2種のリパーゼを含むものであり、前記リパーゼは、疎水性の脂肪族ポリマーベースの担体及び疎水性の芳香族ポリマーベースの担体のいずれか1種である担体に別々に又は一緒に固定化されており、前記リパーゼの少なくとも1種は、部分グリセリドに対して高い親和性を有しており、前記リパーゼの少なくとも1種はsn−1,3位特異的であり、前記リパーゼ製剤は、任意選択でグリセロール主鎖のsn−2位に対して高い選択性を有する第3のリパーゼを含み、前記sn−1,3位特異的リパーゼは、サーモマイセス・ラヌギノーゼ(Thermomyces lanuginose)、リゾムコア・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)、ムコア・ミーヘイ(Mucor miehei)、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、リゾープス種(Rhizopus sp.)、ムコア・ジャバニカス(Mucor java nicus)、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アクロモバクター種(Acromobacter sp.)、及びブルクホルデリア種(Burkholderia sp.)のいずれかに由来するリパーゼからから選択され、部分グリセリドに対して高い親和性を有する前記リパーゼは、カンジダ・アンタークティカB(Candida antarctica B)、カンジダ・アンタークティカA(Candida antarctica A)、アルカリゲネス種(Alcaligenes sp.)、及びペニシリウム・カメムベルティー(Penicillium camembertii)のいずれかに由来するリパーゼから選択される上記方法。
  2. 前記アルコールが、短鎖アルコールであり、前記脂肪酸アルキルエステルが、脂肪酸短鎖アルキルエステルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アルコールが、メタノールであり、前記脂肪酸アルキルエステルが、脂肪酸メチルエステル(FAME)である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. sn−2位に対して高い選択性を有する前記第3のリパーゼが、カンジダ・アンタークティカA(Candida antarctica A)又はシュードザイマ種(Pseudozyma sp.)に由来する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記脂肪酸源が、大豆油、キャノーラ油、菜種油、オリーブ油、ヒマシ油、パーム油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、ジャトロファ油、動物由来脂肪、廃食用油、非食用植物源由来の油トリグリセリドの少なくとも1種、又はこれらの少なくとも2種の任意の混合物を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記リパーゼが、前記担体に一緒に固定化されている、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記リパーゼのそれぞれが1つの前記担体に固定化されており、前記リパーゼが固定化されている担体は同一であり又は異なっている、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  8. 前記担体が、多孔質担体であり、前記担体は、エポキシ及び/又はアルデヒド基から選択された活性官能基、又はイオン性基を任意選択で含有してもよい、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 無溶媒微水系内で、脂肪酸メチルエステルを調製するための方法であって、脂肪酸トリグリセリド源を提供するステップと、メタノールを、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸トリグリセリド源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸トリグリセリド源に含まれる脂肪酸アシル基から脂肪酸メチルエステルへの変換率が少なくとも70%に達するまで、適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤は、担体に一緒に若しくは別々に固定化された少なくとも2種のリパーゼの混合物を含み、前記担体は、疎水性の脂肪族ポリマーベースの担体及び疎水性の芳香族ポリマーベースの担体のいずれか1種であり、前記リパーゼの少なくとも1種は、部分グリセリドに対する親和性を増し、前記リパーゼの少なくとも1種はsn−1,3−位特異的であり、前記リパーゼ製剤は、ランダムリパーゼよりもsn−2位に対して高い選択性を有する第3のリパーゼを任意に含む上記方法。
  10. 前記リパーゼ製剤が、少なくとも3種のリパーゼを含み、前記リパーゼは、前記担体に別々に又は一緒に固定化されている、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第3のリパーゼは、ランダムリパーゼよりもsn−2位に対して高い選択性を有する、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記sn−1,3位特異的リパーゼが、サーモマイセス・ラヌギノーゼ(Thermomyces lanuginose)、リゾムコア・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)、ムコア・ミーヘイ(Mucor miehei)、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、リゾープス種(Rhizopus sp.)、ムコア・ジャバニカス(Mucor java nicus)、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アクロモバクター種(Acromobacter sp.)、及びブルクホルデリア種(Burkholderia sp.)のいずれかに由来するリパーゼから選択され、部分グリセリドに対して高い親和性を有する前記リパーゼは、カンジダ・アンタークティカB(Candida antarctica B)、アルカリゲネス種(Alcaligenes sp.)、及びペニシリウム・カメムベルティー(Penicillium camembertii)のいずれかに由来するリパーゼから選択され、ランダムリパーゼよりもsn−2位に対して高い選択性を有する前記任意選択の第3のリパーゼは、カンジダ・アンタークティカA(Candida antarctica A)及びシュードザイマ種(Pseudozyma sp.)のいずれかに由来する、請求項9に記載の方法。
  13. 前記脂肪酸源が、大豆油、キャノーラ油、菜種油、オリーブ油、ヒマシ油、パーム油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、ジャトロファ油、動物由来脂肪、廃食用油、非食用植物源由来の油トリグリセリドの少なくとも1種、又はこれらの少なくとも2種の任意の混合物を含む、請求項9に記載の方法。
  14. 前記リパーゼのそれぞれが、各前記担体に固定化され、前記リパーゼが固定化される担体は、同一又は異なっている、請求項9に記載の方法。
  15. 請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法において使用する際の不溶性担体に固定化されたリパーゼの混合物を調製するための方法であって、前記不溶性担体が、多孔質で網状の疎水性脂肪族又は疎水性芳香族ポリマーベースの担体であり、前記混合物は、カンジダ・アンタークティカB(Candida antarctica B)由来のリパーゼと、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、アルカリゲネス種(Alcaligenes sp.)、ブルクホルデリア種(Burkholderia sp.)、及びサーモマイセス・ラヌギノサ(Thermomyces lanuginosa)のいずれか由来の少なくとも1種のリパーゼとを含み、
    (a)カンジダ・アンタークティカB(Candida antarctica B)由来のリパーゼと、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、アルカリゲネス種(Alcaligenes sp.)、ブルクホルデリア種(Burkholderia sp.)、及びサーモマイセス・ラヌギノサ(Thermomyces lanuginosa)のいずれか由来の少なくとも1種のリパーゼとを含有する緩衝溶液を、疎水性の脂肪族ポリマーベースの担体及び疎水性の芳香族ポリマーベースの担体であるポリマー担体に接触させるステップ;
    (b)ステップ(a)で得られた系を少なくとも4時間、室温で混合するステップ;
    (c)固定化されたリパーゼ混合物を濾別し、乾燥して含水率を5%未満にするステップ
    を含む上記方法。
  16. 請求項15の方法において、ステップ(a)が、緩衝液:有機溶媒が1:10から10:1の比でそれぞれ固定化媒体に添加された疎水性有機溶媒の存在下で実施される方法。
  17. 前記有機溶媒が、n−ヘキサンである請求項16の方法。
  18. 前記脂肪酸アルキルエステルが、脂肪酸メチル、エチル、イソプロピル、又はブチルエステルである、請求項1及び7のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記脂肪酸アルキルエステルが、脂肪酸ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、又はn−オクタデシルエステルである、請求項1及び7のいずれか一項に記載の方法。
  20. 脂肪酸短鎖アルキルエステルを無溶媒系内で調製するための方法であって、脂肪酸トリグリセリド源を提供するステップと、遊離短鎖アルコール又は短鎖アルコール供与体を、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸トリグリセリド源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸トリグリセリド中のトリグリセリドが脂肪酸短鎖アルキルエステルに変換されるまで、適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤は、第1のリパーゼ及び第2のリパーゼを含み、前記リパーゼは、疎水性の脂肪族ポリマーベースの担体及び疎水性の芳香族ポリマーベースの担体のいずれか1種である疎水性担体に別々に又は一緒に固定化されるものであり、前記第1のリパーゼは、部分グリセリドに対するその活性に比べ、トリグリセリドに対してより高いエステル交換活性を示し、前記第2のリパーゼは、トリグリセリドに対するその活性に比べ、部分グリセリドに対してより高いエステル交換活性を示し、前記2種のリパーゼは、最終生成物を得るのにそれらのエステル交換活性において相乗効果を示す上記方法。
  21. 脂肪酸短鎖アルキルエステルを無溶媒系内で調製するための方法であって、脂肪酸トリグリセリド源を提供するステップと、遊離短鎖アルコール、又は任意のその他の短鎖アルコール供与体を、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸トリグリセリド源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸源中のトリグリセリドが脂肪酸短鎖アルキルエステルに変換されるまで、適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤は、第1のリパーゼ及び第2のリパーゼを含み、前記リパーゼは、疎水性の脂肪族ポリマーベースの担体及び疎水性の芳香族ポリマーベースの担体のいずれか1種である疎水性担体に別々に又は一緒に固定化されるものであり、前記第1のリパーゼは、第1のエステル交換反応のポリマーベースの担体においてモノグリセリド及びジグリセリドの少なくとも1種である中間体であって脂肪酸アルキルエステルを形成するアルコールとのエステル交換のために前記第2のリパーゼに好まれる中間体を放出する上記方法。
  22. 脂肪酸短鎖アルキルエステルを無溶媒系内で調製するための方法であって、脂肪酸トリグリセリド源を提供するステップと、遊離短鎖アルコール、又は任意のその他の短鎖アルコール供与体を、リパーゼ製剤の存在下で前記脂肪酸トリグリセリド源に段階的に添加するステップと、前記脂肪酸源中のトリグリセリドが脂肪酸短鎖アルキルエステルに変換されるまで、適切な条件下で反応を進行させるステップとを含み、前記リパーゼ製剤は、第1のリパーゼ及び第2のリパーゼを含み、前記リパーゼは、疎水性の脂肪族ポリマーベースの担体及び疎水性の芳香族ポリマーベースの担体のいずれか1種である疎水性担体に別々に又は一緒に固定化されるものであり、前記リパーゼは、一緒に使用したときにトリグリセリドに対してそれらのエステル交換活性を維持する異なる基質特異性を示し、同時に、前記2種のリパーゼの少なくとも一方は、基質としてトリグリセリドを用いたときに別々に使用した場合、エステル交換反応媒体中で減衰するが、基質として部分グリセリド及び脂肪酸を用いた場合にそれぞれ高いエステル交換/エステル化活性を示す上記方法。
  23. 前記短鎖アルコールが、メタノールであり、前記短鎖脂肪酸アルキルエステルが、脂肪酸メチルエステルである、請求項20から22のいずれかに記載の方法。
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