JP5737017B2 - 回転機装置 - Google Patents

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Description

本発明は、SRモータ(スイッチド・リラクタンス・モータ)を電動機または発電機として用いる回転機装置に関する。
〔従来技術1〕
SRモータを用いた回転機装置の具体例として、特許文献1に開示される技術が知られている。
この特許文献1のSRモータを図15を参照して説明する。なお、後述する「発明を実施するための形態」および「実施例」と同一機能物に同一符号を付したものである。
特許文献1のSRモータ1は、図15に示すように、
・ステータコア3の半径方向の一方側(図示下側)のステータティース2を、N極に励磁し、
・ステータコア3の半径方向の他方側(図示上側)のステータティース2を、S極に励磁するものであり、
・ステータコア3の半径方向の一方側(図示下側)の各ステータティース2に巻回されるA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cを各ステータティース2に対して一方向に巻き回し、
・ステータコア3の半径方向の他方側(図示上側)の各ステータティース2に巻回されるA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cを各ステータティース2に対して逆方向に巻き回したものである。
この特許文献1は、ステータコア3におけるN極励磁範囲N(ステータティース2がN極に励磁されるステータコア3の範囲)と、S極励磁範囲S(ステータティース2がS極に励磁されるステータコア3の範囲)との連結部分に、磁束変化の小さい部位(図中、楕円の破線で示す部位)を作ることを特徴とする技術であり、N極励磁範囲Nを成す部位のステータコア3と、S極励磁範囲Sを成す部位のステータコア3とを分割することを可能にする技術である。
しかしながら、特許文献1のSRモータ1では、通常のSRモータ1と同様、A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cの発生磁力で出力が決定されるものであり、それ以上の大きな出力を得ることができなかった。
〔従来技術2〕
特許文献1とは異なる技術の回転機装置の具体例として、特許文献2に開示される技術が知られている。
この特許文献2は、SRモータ1を用いた発電システムにおいて、発電システムを始動させるための技術に関するものであり、長時間のエネルギ蓄積能力を有さない電源システムに発電させるための技術である。
この特許文献2のSRモータ1は、図16に示すように、各ステータティース2毎の励磁を行うA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cとは別に、「ステータコア3の半径方向の一方側」をN極に励磁し、「ステータコア3の半径方向の他方側」をS極に励磁するプライミング巻線Pを設けたものである。
プライミング巻線Pは、発電開始初期に通電されてステータコア3を励磁することでプライミング(発電用電源として使用される直流リンクコンデンサの充電)を行う。そして、直流リンクコンデンサの充電が完了するとプライミング巻線PからA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cに通電が切り換えられて、A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cで各ステータティース2の励磁を行って発電を行うものである。
特許文献2に設けられるプライミング巻線Pは、上述したように、発電開始初期はプライミング巻線Pを通電して発電用電源の直流リンクコンデンサを充電する技術であり、特許文献2のSRモータ1の出力は、特許文献1のSRモータ1と同様、A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cの発生磁力で出力が決定されるものであって、それ以上の大きな出力を得ることができなかった。
なお、特許文献2の技術は、本発明とは異なり、隣接するステータティース2の極性には制限が無いものであった。
特開2002−300755号公報 特開2004−48988号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、SRモータの出力の増加が可能な回転機装置を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1の回転機装置は、SRモータの作動中に、アシスト巻線によって「N極励磁範囲Nの各ステータティースをN極に励磁」するとともに「S極励磁範囲Sの各ステータティースをS極に励磁」するものである。
これにより、相巻線の励磁によりN極に励磁されるステータティースにアシスト巻線によるN極の励磁が加わるとともに、相巻線の励磁によりS極に励磁されるステータティースにアシスト巻線によるS極の励磁が加わる。その結果、各ステータティースの磁束量を増加させることができ、SRモータの出力を増加させることができる。
また、請求項1の相電流制御手段は、
・各相巻線毎に独立して設けられ、各相巻線の通電の断続を行う相巻線用スイッチ手段を有する相巻線切替経路と、
・各相巻線切替経路とは別に各相巻線毎に独立して設けられ、各相巻線切替経路の通電停止時に各相巻線の発生電流を流す相巻線電流経路と、
・各相巻線電流経路のそれぞれに設けられて、各相巻線電流経路の断続を行う誘導電流遮断用スイッチ手段と、
を備える。
これにより、アシスト巻線の通電と相巻線の通電とにより通電をしていない相巻線に相互インダクタンスにより誘導電圧が発生して誘導電流が流れる不具合(誘導電流がSRモータの負トルクを発生させる不具合)を、誘導電流遮断用スイッチ手段が相巻線電流経路を切断(OFF)することで回避することが可能になる。
さらに、請求項1の誘導電流遮断用スイッチ手段は、アシスト巻線の通電と、相巻線切替経路による相巻線の通電とにより、相互インダクタンスによる誘導電圧によって誘導電流が流れる相巻線電流経路を切断(OFF)するものである。
これにより、アシスト巻線の通電と相巻線の通電とにより通電をしていない相巻線に相互インダクタンスにより誘導電圧が発生して誘導電流が流れる不具合(誘導電流がSRモータの負トルクを発生させる不具合)を回避することが可能になる。
〔請求項2の手段〕
請求項2は、N極励磁範囲の各ステータティースに巻回される各相巻線と、S極励磁範囲の各ステータティースに巻回される各相巻線との巻方向を逆に設けたものである。
〔請求項3の手段〕
請求項3のアシスト巻線は、N極励磁範囲をN極に励磁し、且つS極励磁範囲をS極に励磁するように、N極励磁範囲とS極励磁範囲の境界部位のスロット内に巻き回されるものである。
〔請求項4の手段〕
請求項4のアシスト巻線は、渡り線が回転方向(周方向)に伸びて設けられるものである。
〔請求項5の手段〕
請求項5のアシスト巻線は、バックヨークの内外に巻き付けられるトロイダル巻である。
〔請求項6の手段〕
請求項6のアシスト電流制御手段は、アシスト巻線の通電の断続を行う少なくても1つのアシスト用スイッチ手段と、このアシスト用スイッチ手段によるアシスト巻線の通電停止時にアシスト巻線の発生電流を流す少なくても1つのアシスト巻線電流経路とを備えて構成されるものである。
〔請求項7の手段〕
請求項7のアシスト用スイッチ手段は、SRモータに要求される出力に応じてアシスト巻線に付与する供給電流値を変更するものである。
このように、アシスト巻線の供給電流値をコントロールすることで、アシスト巻線による出力の増加量を任意に調整することができる。
〔請求項8の手段〕
請求項8のアシスト電流制御手段は、電源のプラス極とアシスト巻線の一端との間において通電の断続を行うプラス側のアシスト用スイッチ手段と、電源のマイナス極とアシスト巻線の他端との間において通電の断続を行うマイナス側のアシスト用スイッチ手段とを備える。
また、アシスト巻線電流経路は、「電源のマイナス極」から「アシスト巻線の一端とプラス側のアシスト用スイッチ手段の間」へのみ電流を流すマイナス側の整流素子と、「アシスト巻線の他端とマイナス側のアシスト用スイッチ手段の間」から「電源のプラス極」へのみ電流を流すプラス側の整流素子とを備える。
これにより、
(i)電源のプラス極からアシスト巻線を介して電源のマイナス極に電流を流す正電圧印加、
(ii)電源のプラス極とアシスト巻線で電流が循環する、あるいは電源のマイナス極とアシスト巻線で電流が循環する0(ゼロ)電圧印加、
(iii)電源のマイナス極からアシスト巻線を介して電源のプラス極に電流を流す負電圧印加、
の3種類の電圧印加が可能になる。
これにより、アシスト巻線に対して細かな通電制御が可能になる。
〔請求項9の手段〕
請求項9のアシスト電流制御手段は、電源のプラス極とアシスト巻線の一端との間において通電の断続を行うプラス側のアシスト用スイッチ手段を備える。
また、アシスト巻線電流経路は、「電源のマイナス極」から「アシスト巻線の一端とプラス側のアシスト用スイッチ手段の間」へのみ電流を流すマイナス側の整流素子によって設けられる。
これにより、
(i)電源のプラス極からアシスト巻線を介して電源のマイナス極に電流を流す正電圧印加、
(ii)電源のマイナス極とアシスト巻線で電流が循環する0(ゼロ)電圧印加、
の2種類の電圧印加が可能になる。
これにより、上記請求項8の手段に比較して、プラス側の整流素子を無くすことができ、コストを抑えることができる。
〔請求項10の手段〕
請求項10のアシスト電流制御手段は、電源のマイナス極とアシスト巻線の他端との間において通電の断続を行うマイナス側のアシスト用スイッチ手段を備える。
また、アシスト巻線電流経路は、「アシスト巻線の他端とマイナス側のアシスト用スイッチ手段の間」から「電源のプラス極」へのみ電流を流すプラス側の整流素子によって設けられる。
これにより、
(i)電源のプラス極からアシスト巻線を介して電源のマイナス極に電流を流す正電圧印加、
(ii)電源のプラス極とアシスト巻線で電流が循環する0(ゼロ)電圧印加、
の2種類の電圧印加が可能になる。
これにより、上記請求項8の手段に比較して、マイナス側の整流素子を無くすことができ、コストを抑えることができる。
請求項11の手段〕
請求項11のアシスト巻線が巻回配置されるスロットの容積は、相巻線のみが巻回配置されるスロットの容積より大きく設けられる。
これにより、アシスト巻線の巻数を増やし、アシスト巻線によるアシストトルクを増加させることができる。
請求項12の手段〕
請求項12のアシスト巻線が巻回される部位のバックヨークは、径方向に凹んだ径方向凹部が設けられる。
これにより、アシスト巻線が巻回配置されるスロットの容積を大きくすることができ、アシスト巻線の巻数を増やして、アシスト巻線によるアシストトルクを増加させることができる。
請求項13の手段〕
請求項13の径方向凹部には、ステータコアを成す積層磁性鋼板を結合する結合部(ボルト挿通穴やカシメ部など)が設けられる。
アシスト巻線が巻回される部位のバックヨークは、磁束変化の小さい部位であるため、積層磁性鋼板を結合する結合部を設けても性能に対する影響が小さい。このため、バックヨークの性能劣化を抑えて積層磁性鋼板を結合することができる。
請求項14の手段〕
請求項14のアシスト巻線の巻数は、相巻線の巻数より多い。
これにより、アシスト巻線によるアシストトルクを増加させることができる。
(a)SRモータの概略図、(b)回転数に対する出力を示すグラフである(実施例1)。 相電流制御手段およびアシスト電流制御手段の電気回路図である(実施例1)。 アシスト電流制御手段の電気回路図である(実施例1)。 指令値とアシスト電流の供給電流値との関係を示すグラフである(実施例1)。 相電流制御手段の電気回路図である(実施例1)。 相互インダクタンスによる誘導電流の説明図である(実施例1)。 作動説明用のタイムチャートである(実施例1)。 SRモータの概略図である(実施例2)。 SRモータの概略図である(実施例3)。 SRモータの概略図である(実施例4)。 SRモータの概略図である(実施例5)。 SRモータの概略図である(実施例6)。 SRモータの概略図である(実施例7)。 SRモータの概略図である(実施例8)。 SRモータの概略図である(従来例1)。 SRモータの概略図である(従来例2)。
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
以下においてSRモータ1を用いた回転機装置の具体例(実施例)を、図面を参照して説明する。以下の実施例は具体的な一例を示すものであって、本発明が実施例に限定されないことはいうまでもない。
なお、以下の実施例において、上記「発明を実施するための形態」と同一符号は同一機能物を示すものである。
[実施例1]
図1〜図7を参照して実施例1を説明する。
回転機装置の用途は限定されるものではないが、具体的な一例としてこの実施例では、電気自動車やハイブリッド車両など、車両走行用(車両駆動用)として車両に搭載される例を示す。
SRモータ1は、図1(a)に示すように、
・A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cによって「N極に励磁されるステータティース2が回転方向に連続するN極励磁範囲N」および「S極に励磁されるステータティース2が回転方向に連続するS極励磁範囲」が設けられるステータコア3と、
・N極励磁範囲Nにおける全てのステータティース2をN極に励磁するとともに、S極励磁範囲における全てのステータティース2をS極に励磁するアシスト巻線αと、
を具備するものである。
また、SRモータ1におけるA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cは、図2に示す相電流制御手段4によって通電制御されるものであり、SRモータ1におけるアシスト巻線αは、図2に示すアシスト電流制御手段5によって通電制御されるものである。
なお、相電流制御手段4およびアシスト電流制御手段5は、ECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)の指示信号に従って、A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cおよびアシスト巻線αの通電制御を実行するものである。
SRモータ1の具体的な構造を図1(a)を参照して説明する。
SRモータ1は、上述したA相巻線A、B相巻線B、C相巻線C、アシスト巻線αおよびステータコア3の他に、ロータコア6を備える。
この実施例のステータコア3は、機械角360°の間に等間隔で配置された6個のステータティース2(ステータ突極)の他に、各ステータティース2を磁気的に結合するバックヨーク7を備える。
具体的に、この実施例1のSRモータ1は、ステータコア3の内側にロータコア6が配置されるインナーロータタイプである。
このため、この実施例のステータコア3は、モータハウジング内(具体的には筒状を呈するヨーク内)に固定配置される円環状のバックヨーク7と、このバックヨーク7から内径方向に突出する6個のステータティース2とを備える。
さらに具体的に説明すると、ステータコア3は、表面に絶縁膜が形成された電磁鋼板(軟鉄板、 珪素鋼板、アモルファス金属板等)を多数積層したものである。
この実施例のロータコア6は、機械角360°の間に等間隔で配置された4個のロータティース8(ロータ突極)と、ロータ軸(出力軸)に結合するリングコア9とを備える。
具体的に、この実施例1のSRモータ1は、上述したようにインナーロータタイプである。このため、この実施例のロータコア6は、モータハウジングに対して軸受を介して回転自在に支持されたロータ軸の周囲に固定されるリングコア9と、このリングコア9から外径方向に突出する4個のロータティース8とを備える。
さらに具体的に説明すると、ロータコア6は、上述したステータコア3と同様、表面に絶縁膜が形成された電磁鋼板(軟鉄板、 珪素鋼板、アモルファス金属板等)を多数積層したものである。
ここで、ステータコア3の軸芯とロータコア6の軸芯は同軸に配置されるものであり、ロータコア6が回転する際に、ステータティース2とロータティース8は非接触であり、且つステータティース2とロータティース8が対向する状態においてステータティース2とロータティース8の間に所定のクリアランスが形成されるものである。
SRモータ1は、各ステータティース2の励磁を行う手段としてA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cを搭載する。
このA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cは、各ステータティース2の回転方向間に形成される各スロットの内部に短節巻で且つ集中巻で配置されるものである。
具体的に、A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cのそれぞれは、回転方向に180°対向するステータティース2の周囲に巻かれた状態で配置されるものである。
ここで、6個のステータティース2のうち、回転方向で隣接する3個{図1(a)の上側}のステータティース2がA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cの通電によって常にN極に励磁され、回転方向で隣接する残りの3個{図1(a)の下側}のステータティース2がA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cの通電によって常にS極に励磁されるように設けられている。
この結果、ステータコア3のうち、
・半径方向の一方側{図1(a)の上側のステータティース2+図1(a)の上側のバックヨーク7}が各相巻線の通電によってN極に励磁されるN極励磁範囲Nに設けられ、
・ステータコア3の半径方向の他方側{図1(a)の下側のステータティース2+図1(a)の下側のバックヨーク7}が各相巻線の通電によってS極に励磁されるS極励磁範囲Sに設けられている。
ここで、この実施例では、
・N極励磁範囲Nの各ステータティース2に巻回される図1(a)の上側のA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cは、各ステータティース2に対して一方向(例えば左巻方向)に巻き回され、
・S極励磁範囲Sの各ステータティース2に巻回される図1(a)の下側のA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cは、各ステータティース2に対して逆方向(例えば右巻方向)に巻き回されるものである。
このようにN極励磁範囲NにおけるA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cと、S極励磁範囲SにおけるA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cとの巻線方向を逆に設けることで、全ての相巻線に対する通電方向を同じにしても、N極励磁範囲Nの各ステータティース2にN極を生じさせ、S極励磁範囲Sの各ステータティース2にS極を生じさせることができる。
なお、SRモータ1の概略図では、巻線方向の違いを「○内に・」と「○内に×」の印で示すものである。
次に、アシスト巻線αの具体的な一例を図1(a)を参照して説明する。
アシスト巻線αは、アシスト電流制御手段5によって通電されることで、N極励磁範囲N(3つのステータティース2を含む)を同時にN極に励磁するとともに、S極励磁範囲S(3つのステータティース2を含む)を同時にS極に励磁するものである。
この実施例のアシスト巻線αは、N極励磁範囲NとS極励磁範囲Sの境界部位のスロット内に巻回されるものである。
また、この実施例のアシスト巻線αは、渡り線α’が回転方向に伸びて巻き回されるものである。
次に、アシスト電流制御手段5を図3、図4を参照して説明する。
アシスト電流制御手段5は、
・アシスト巻線αの通電の断続を行う少なくても1つのアシスト用スイッチ手段Sαと、・このアシスト用スイッチ手段Sα切断時にアシスト巻線αの磁気エネルギーを電源に回生、または還流させる少なくても1つのアシスト巻線電流経路11と、
を備えて構成されるものであり、アシスト用スイッチ手段SαがECUにより通電制御される。
以下において、アシスト電流制御手段5の具体的な一例を、図3(a)〜(c)を参照して説明する。
図3(a)に示すアシスト電流制御手段5は、電源のプラス極とアシスト巻線αの一端との間において通電の断続を行うプラス側のアシスト用スイッチ手段Sα、および電源のマイナス極とアシスト巻線αの他端との間において通電の断続を行うマイナス側のアシスト用スイッチ手段Sαを備えて構成される。
また、図3(a)に示すアシスト巻線電流経路11は、「電源のマイナス極」から「アシスト巻線αの一端とプラス側のアシスト用スイッチ手段Sαの間」へのみ電流を流すマイナス側の整流素子Dαと、「アシスト巻線αの他端とマイナス側のアシスト用スイッチ手段Sαの間」から「電源のプラス極」へのみ電流を流すプラス側の整流素子Dαとを備えて構成される。
図3(a)に示すアシスト電流制御手段5を採用することにより、
(i)電源のプラス極からアシスト巻線αを介して電源のマイナス極に電流を流す正電圧印加、
(ii)電源のプラス極とアシスト巻線αで電流が循環する、あるいは電源のマイナス極とアシスト巻線αで電流が循環する0(ゼロ)電圧印加、
(iii)電源のマイナス極からアシスト巻線αを介して電源のプラス極に電流を流す負電圧印加、の3種類の電圧印加が可能になる。
このため、アシスト巻線αに対して細かな通電制御が可能になる。
図3(b)に示すアシスト電流制御手段5は、電源のプラス極とアシスト巻線αの一端との間において通電の断続を行うプラス側のアシスト用スイッチ手段Sαを備え、このプラス側のアシスト用スイッチ手段Sαのみによってアシスト巻線αの通電制御を行うものである。
また、図3(b)に示すアシスト巻線電流経路11は、「電源のマイナス極」から「アシスト巻線αの一端とプラス側のアシスト用スイッチ手段Sαの間」へのみ電流を流すマイナス側の整流素子Dαを備える。
図3(b)に示すアシスト電流制御手段5を採用することにより、
(i)電源のプラス極からアシスト巻線αを介して電源のマイナス極に電流を流す正電圧印加、
(ii)電源のマイナス極とアシスト巻線αで電流が循環する0(ゼロ)電圧印加、
の2種類の電圧印加が可能になる。
その結果、上述した図3(a)に示すアシスト電流制御手段5に比較して応答性が劣化するが、応答性が求められない場合には図3(b)に示すアシスト電流制御手段5で十分である。また、上述した図3(a)に示すプラス側の整流素子Dαを無くすことができ、コストを抑えることができる。
図3(c)に示すアシスト電流制御手段5は、電源のマイナス極とアシスト巻線αの他端との間において通電の断続を行うマイナス側のアシスト用スイッチ手段Sαを備え、このマイナス側のアシスト用スイッチ手段Sαのみによってアシスト巻線αの通電制御を行うものである。
また、図3(c)に示すアシスト巻線電流経路11は、「アシスト巻線αの他端とマイナス側のアシスト用スイッチ手段Sαの間」から「電源のプラス極」へのみ電流を流すプラス側の整流素子Dαによって設けられる。
図3(c)に示すアシスト電流制御手段5を採用することにより、
(i)電源のプラス極からアシスト巻線αを介して電源のマイナス極に電流を流す正電圧印加、
(ii)電源のプラス極とアシスト巻線αで電流が循環する0(ゼロ)電圧印加、
の2種類の電圧印加が可能になる。
その結果、上述した図3(a)に示すアシスト電流制御手段5に比較して応答性が劣化するが、応答性が求められない場合には図3(c)に示すアシスト電流制御手段5で十分である。また、上述した図3(a)に示すマイナス側の整流素子Dαを無くすことができ、コストを抑えることができる。
また、この実施例のアシスト用スイッチ手段Sαは、SRモータ1に要求される出力に応じてアシスト巻線αに付与する供給電流値を変更するように設けられている。
アシスト巻線αの具体的な電流制御例を、図4(a)、(b)を参照して説明する。
ここで、ECUからSRモータ1の出力の要求値が「出力指令(指令値)」として付与される。
図4(a)に示す具体例は、「出力指令」の増加に伴ってアシスト巻線αに付与する供給電流値を、例えばデューティ比制御等により増加するものであり、アシスト巻線αに付与する供給電流値の増加によりアシスト巻線αによる励磁力(アシスト励磁)を大きくするものである。
図4(b)に示す具体例は、「出力指令」が所定指令値を超えた後に「出力指令」の増加に伴ってアシスト巻線αに付与する供給電流値をデューティ比制御等により増加するものであり、「出力指令」が所定指令値を超えた後にアシスト巻線αに付与する供給電流値の増加によりアシスト巻線αによる励磁力(アシスト励磁)を大きくするものである。
次に、相電流制御手段4を図5〜図7を参照して説明する。
相電流制御手段4は、
・A相巻線Aの通電の断続を行う相巻線用スイッチ手段Sa1、Sa2を有するA相巻線切替経路12aと、
・B相巻線Bの通電の断続を行う相巻線用スイッチ手段Sb1、Sb2を有するB相巻線切替経路12bと、
・C相巻線Cの通電の断続を行う相巻線用スイッチ手段Sc1、Sc2を有するC相巻線切替経路12cと、
・A相巻線Aの通電停止時にA相巻線Aの発生電流を流すA相巻線電流経路13aと、
・B相巻線Bの通電停止時にB相巻線Bの発生電流を流すB相巻線電流経路13bと、
・C相巻線Cの通電停止時にC相巻線Cの発生電流を流すC相巻線電流経路13cと、
・A相巻線電流経路13aの断続を行うA相誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3と、
・B相巻線電流経路13bの断続を行うB相誘導電流遮断用スイッチ手段Sb3と、
・C相巻線電流経路13cの断続を行うC相誘導電流遮断用スイッチ手段Sc3と、
を備えて構成されるものであり、
各相巻線用スイッチ手段Sa1、Sa2、Sb1、Sb2、Sc1、Sc2および各誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3がECUにより通電制御される。
なお、各誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3は、通電開始を制御できる素子であれば良く、例えばIGBT、SCR等を用いたものである。
ここで、
・相巻線用スイッチ手段Sa1は電源のプラス極とA相巻線Aの一端との間において通電の断続を行い、相巻線用スイッチ手段Sa2はA相巻線Aの他端と電源のマイナス極との間において通電の断続を行うものであり、
・相巻線用スイッチ手段Sb1は電源のプラス極とB相巻線Bの一端との間において通電の断続を行い、相巻線用スイッチ手段Sb2はB相巻線Bの他端と電源のマイナス極との間において通電の断続を行うものであり、
・相巻線用スイッチ手段Sc1は電源のプラス極とC相巻線Cの一端との間において通電の断続を行い、相巻線用スイッチ手段Sc2はC相巻線Cの他端と電源のマイナス極との間において通電の断続を行うものである。
続いて、相巻線電流経路13a、13b、13cおよび誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3の具体的な一例を図5(a)、(b)を参照して説明する。
図5(a)に示す相巻線電流経路13a、13b、13cは、「電源のマイナス極」と「相巻線の一端とプラス側の相巻線用スイッチ手段の間」を接続するマイナス側迂回路と、「相巻線の他端とマイナス側の相巻線用スイッチ手段の間」から「電源のプラス極」へのみ電流を流すプラス側の整流素子Da、Db、Dcとを備えて構成される。
また、図5(a)に示す誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3は、相巻線電流経路13a、13b、13cにおけるマイナス側迂回路に設けられて、マイナス側迂回路の断続を行うように設けられている。
図5(b)に示す相巻線電流経路13a、13b、13cは、「電源のマイナス極」から「相巻線の一端とプラス側の相巻線用スイッチ手段の間」へのみ電流を流すマイナス側の整流素子Da、Db、Dcと、「相巻線の他端とマイナス側の相巻線用スイッチ手段の間」と「電源のプラス極」を接続するプラス側迂回路とを備えて構成される。
また、図5(b)に示す誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3は、相巻線電流経路13a、13b、13cにおけるプラス側迂回路に設けられて、プラス側迂回路の断続を行うように設けられている。
ここで、誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3を設ける目的を、図6、図7を参照して説明する。なお、図6(a)は問題点の説明のために、誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3に代えて整流素子Dを用いたものである。
A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cとアシスト巻線αは磁気的に結合している。このため、「ある相の相巻線(具体的には、A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cのいずれか)の通電」と「アシスト巻線αの通電」により、通電制御されていない相の相巻線において誘起電圧が発生する。この誘起電圧が電源電圧を超えると、図6(a)の破線に示すように誘導電流が流れる。即ち、通電制御されていない相の相巻線(A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cのいずれか)に図6(a)の矢印に示す誘導電流Xが流れる。
この誘導電流Xは、通電制御されていない相の相巻線が巻回されたステータティース2を励磁してしまう。即ち、モータ制御のための励磁対象となっていないステータティース2を励磁してしまう。その結果、SRモータ1に負トルクが発生し、SRモータ1の効率を低下させる不具合が生じる。
上記の不具合を回避する手段として、この実施例では、上述したように、各相巻線電流経路13a、13b、13cのそれぞれに誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3を設け、図6(b)に示すように、相互インダクタンスによって誘導電流Xが流れる区間だけ誘導電流Xが流れる相巻線の誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3をOFFして、誘導電流Xが流れる相巻線電流経路13a、13b、13cを切断するものである。
具体的な各相巻線用スイッチ手段Sa1、Sa2、Sb1、Sb2、Sc1、Sc2および各誘導電流遮断用スイッチ手段Sa3、Sb3、Sc3のON−OFFパターンのタイムチャートを図7に示す。
これにより、「アシスト巻線αの通電」と「相巻線の通電」とにより、相互インダクタンスによって通電を受けていない相巻線に誘導電流Xが流れる不具合(誘導電流XがSRモータ1の負トルクを発生させる不具合)を回避することができる。
なお、図6および図7における「符号IaはA相巻線Aを流れる電流値」を示し、「符号IbはB相巻線Bを流れる電流値」を示し、「符号IcはC相巻線Cを流れる電流値」を示し、「符号Iαはアシスト巻線αを流れる電流値」を示すものである。
次に、アシスト巻線αの通電を停止した状態におけるSRモータ1の基本作動を説明する。なお、以下の説明では、図1(a)に示すように、A相巻線Aの左回転隣りのスロットにB相巻線Bが配置され、そのB相巻線Bの左回転隣りのスロットにC相巻線Cが配置されるものとする。
説明の便宜上、最初に3相のうちのA相巻線Aのみに電流を流すものとする。
これにより、A相巻線Aが巻回された対向する2つのステータティース2に磁極が生じ、その磁極が生じたステータティース2にロータティース8が磁気吸引される。
続いて、3相のうちのB相巻線Bのみに電流を流す。
これにより、B相巻線Bが巻回された対向する2つのステータティース2に磁極が生じ、その磁極が生じたステータティース2にロータティース8が磁気吸引される。その結果、ロータに右回転の回転力が生じる。
続いて、3相のうちのC相巻線Cのみに電流を流す。
これにより、C相巻線Cが巻回された対向する2つのステータティース2に磁極が生じ、その磁極が生じたステータティース2にロータティース8が磁気吸引される。その結果、ロータに右回転の回転力が生じる。
以下、3相のうちのA相巻線Aに電流を流す通電パターン、3相のうちのB相巻線Bに電流を流す通電パターン、3相のうちのC相巻線Cに電流を流す通電パターンを順次繰り返し、その毎にロータには右回転の回転力が生じる。
この時(アシスト巻線αの通電がなされていない状態)のSRモータ1の回転速度と出力との関係を、図1(b)の実線Iに示す。
なお、各通電パターンを逆順序で繰り返すことにより、SRモータ1を逆回転させることができる。
次に、アシスト巻線αを通電したSRモータ1の作動を説明する。
アシスト巻線αの通電制御は、A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cの通電制御に加えられるものであり、A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cの通電制御にアシスト巻線αの通電が加えられると、N極励磁範囲Nにおける全てのステータティース2にN極のアシスト励磁が実行されるとともに、S極励磁範囲Sにおける全てのステータティース2にS極のアシスト励磁が実行される。
これにより、A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cによる発生磁力に、アシスト巻線αの発生磁力が加算される。
即ち、
・A相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cの励磁によってN極に励磁されるステータティース2に、アシスト巻線αによるN極の励磁が加わり、
・逆巻されたA相巻線A、B相巻線B、C相巻線Cの励磁によってS極に励磁されるステータティース2に、アシスト巻線αによるS極の励磁が加わり、
結果的に各ステータティース2における磁束量を増加させることができる。
このように、SRモータ1にアシスト巻線αを設け、SRモータ1の作動時にアシスト巻線αを通電することにより、各ステータティース2の磁束量を増加させることができるため、アシスト巻線αによる励磁のアシストが無い場合{例えば、図1(b)の実線I}に比較し、SRモータ1の出力を図1(b)の実線IIに示すように増加させることができる。
[実施例2]
図8を参照して実施例2を説明する。なお、以下の各実施例において上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
この実施例2のアシスト巻線αは、バックヨーク7の内外に巻き付けられるトロイダル巻によって設けられるものである。アシスト巻線αをトロイダル巻で設けても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
[実施例3]
図9を参照して実施例3を説明する。
実施例3〜実施例8は、アシスト巻線αが巻回配置されるスロットの容積を、相巻線のみが巻回配置されるスロットの容積より大きく設けたものである。
具体的に、この実施例3は、アシスト巻線αが巻回配置されるスロットの回転方向の幅を、相巻線のみが巻回配置されるスロットの回転方向の幅より大きく設けたものであり、各ステータティース2の形状変更により各スロット面積を調整するものである。
このように、アシスト巻線αが巻回配置されるスロットの容積を大きく設けることにより、アシスト巻線αの巻数を増やし、アシスト巻線αによるアシストトルクを増加させることができる。
具体的な一例として、アシスト巻線αの巻数を相巻線の巻数より多く設けることが容易になり、アシスト巻線αによるアシストトルクを増加させることができる。
[実施例4]
図10を参照して実施例4を説明する。
この実施例4は、アシスト巻線αが巻回される部位のバックヨーク7に径方向に凹んだ径方向凹部21を設けることで、アシスト巻線αが巻回配置されるスロットの容積を大きく設けるものである。
これにより、アシスト巻線αの巻数を増やして、アシスト巻線αによるアシストトルクを増加させることができる。
[実施例5]
図11を参照して実施例5を説明する。
この実施例5は、径方向凹部21の他のバリエーションを示すものであり、この実施例5は、径方向凹部21の径方向外側に径方向外側に膨出した膨出部22を設けたものである。
なお、SRモータ1のヨークの内周面に、この実施例の膨出部22と係合する溝を設けて、ヨークに対するステータコア3の結合力(回り止め効果)を高めても良い。
[実施例6]
図12を参照して実施例6を説明する。
この実施例6は、極数の他のバリエーションを示すものである。
上記実施例1〜5では、ステータティース2の数が6個で、ロータティース8の数が4個の4極のSRモータ1を例に示した。
これに対し、この実施例6は、ステータティース2の数が12個で、ロータティース8の数が8個の8極のSRモータ1を示すものである。
具体的に、この実施例6のSRモータ1は、3相の相巻線(A相巻線A、B相巻線B、C相巻線C)を2系統備えるものであり、ステータコア3には90°毎にN極励磁範囲NとS極励磁範囲Sとが交互に配置されている。
また、この実施例6では、アシスト巻線αも2つのN極励磁範囲Nと2つのS極励磁範囲Sをそれぞれ同極で励磁するように巻回されている。
このように、極数が異なっても、アシスト巻線αによって出力を増加させることができる。
[実施例7]
図13を参照して実施例7を説明する。
この実施例13は、径方向凹部21に、ステータコア3を成す積層磁性鋼板を軸方向(回転軸方向)に結合する結合部23を設けたものであり、具体的にこの実施例では径方向凹部21に積層磁性鋼板の結合用のボルトを挿通するボルト挿通穴(結合部23の一例)を設けたものである。
アシスト巻線αが巻回される部位のバックヨーク7は、磁束変化の小さい部位であるため、アシスト巻線αが巻回される部位のバックヨーク7に積層磁性鋼板を結合する結合部23を設けても性能に対する影響が小さい。このため、バックヨーク7の性能劣化を抑えて積層磁性鋼板を結合することができる。
[実施例8]
図14を参照して実施例8を説明する。
上記の各実施例ではSRモータ1の一例としてステータコア3の内側でロータコア6が回転駆動されるインナーロータタイプにアシスト巻線αを設ける例を示した。
これに対し、この実施例8はステータコア3の外側でロータコア6が回転駆動されるアウターロータタイプのSRモータ1にアシスト巻線αを設ける例を示すものである。
このように、アウターロータタイプのSRモータ1であっても、アシスト巻線αによって出力を増加させることができる。
上記の実施例では、車両駆動用の回転機装置に本発明を適用する例を示したが、車両駆動用に限定されるものではなく、電気自動車等に搭載される空調装置の冷媒圧縮機(コンプレッサ)を駆動する回転機装置など、車両に搭載されて回転力を発生させる他の回転機装置に本発明を適用しても良い。
もちろん、本発明は車両用に限定されるものではなく、産業用機器、家庭用機器などに搭載される種々の回転機装置に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、インナーロータタイプのSRモータ1と、アウターロータタイプのSRモータ1に本発明を適用する例を示したが、ステータコア3の軸方向にロータコア6が配置されるタイプのSRモータ1に本発明を適用しても良い。
もちろん、上記実施例において開示した相巻線の相数、ステータティース2の数、ロータティース8の数などは、具体的な一例であって、用途等に応じて適宜変更可能なものである。
上記の実施例では、SRモータ1を電動機として用いる例を示したが、SRモータ1に回転力を与えて発電機として用いる装置に本発明を適用しても良い。
1 SRモータ
2 ステータティース
3 ステータコア
4 相電流制御手段
5 アシスト電流制御手段
6 ロータコア
7 バックヨーク
11 アシスト巻線電流経路
12a A相巻線切替経路
12b B相巻線切替経路
12c C相巻線切替経路
13a A相巻線電流経路
13b B相巻線電流経路
13c C相巻線電流経路
21 径方向凹部
22 膨出部
23 結合部
A A相巻線
B B相巻線
C C相巻線
Dα アシスト巻線電流経路に設けられる整流素子
N N極励磁範囲
S S極励磁範囲
Sa1、Sa2、Sb1、Sb2、Sc1、Sc2 相巻線用スイッチ手段
Sa3、Sb3、Sc3 誘導電流遮断用スイッチ手段
Sα アシスト用スイッチ手段
α アシスト巻線
α’アシスト巻線の渡り線

Claims (14)

  1. SRモータ(1)を用いた回転機装置において、
    前記SRモータ(1)は、
    複数の相巻線によって、N極に励磁されるステータティース(2)が回転方向に連続するN極励磁範囲(N)、およびS極に励磁されるステータティース(2)が回転方向に連続するS極励磁範囲(S)が設けられるステータコア(3)と、
    前記N極励磁範囲(N)をN極に励磁するとともに、前記S極励磁範囲(S)をS極に励磁するアシスト巻線(α)とを具備し、
    各相巻線の通電制御を行う相電流制御手段(4)は、
    各相巻線毎に独立して設けられ、各相巻線の通電の断続を行う相巻線用スイッチ手段(Sa1、Sa2、Sb1、Sb2、Sc1、Sc2)を有する相巻線切替経路(12a、12b、12c)と、
    各相巻線切替経路(12a、12b、12c)とは別に各相巻線毎に独立して設けられ、各相巻線切替経路(12a、12b、12c)の通電停止時に各相巻線の発生電流を流す相巻線電流経路(13a、13b、13c)と、
    各相巻線電流経路(13a、13b、13c)のそれぞれに設けられて、各相巻線電流経路(13a、13b、13c)の断続を行う誘導電流遮断用スイッチ手段(Sa3、Sb3、Sc3)とを備え、
    前記誘導電流遮断用スイッチ手段(Sa3、Sb3、Sc3)は、前記アシスト巻線(α)の通電と、前記相巻線切替経路(12a、12b、12c)による各相巻線の通電とにより、相互インダクタンスによる誘導電圧によって誘導電流(X)が流れる前記相巻線電流経路(13a、13b、13c)を切断することを特徴とする回転機装置。
  2. 請求項1に記載の回転機装置において、
    前記N極励磁範囲(N)の各ステータティース(2)に巻回される各相巻線は、各ステータティース(2)に対して一方向に巻き回され、
    前記S極励磁範囲(S)の各ステータティース(2)に巻回される各相巻線は、各ステータティース(2)に対して逆方向に巻き回されることを特徴とする回転機装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回転機装置において、
    前記アシスト巻線(α)は、前記N極励磁範囲(N)をN極に励磁し、且つ前記S極励磁範囲(S)をS極に励磁するように、前記N極励磁範囲(N)と前記S極励磁範囲(S)の境界部位のスロット内に巻き回されることを特徴とする回転機装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回転機装置において、
    前記アシスト巻線(α)は、渡り線(α’)が回転方向に伸びて設けられていることを特徴とする回転機装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の回転機装置において、
    前記アシスト巻線(α)は、前記ステータコア(3)におけるバックヨーク(7)の内外に巻き付けられるトロイダル巻であることを特徴とする回転機装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の回転機装置において、
    前記アシスト巻線(α)の通電制御を行うアシスト電流制御手段(5)は、
    前記アシスト巻線(α)の通電の断続を行う少なくても1つのアシスト用スイッチ手段(Sα)と、
    このアシスト用スイッチ手段(Sα)による前記アシスト巻線(α)の通電停止時に前記アシスト巻線(α)の発生電流を流す少なくても1つのアシスト巻線電流経路(11)と、
    を備えることを特徴とする回転機装置。
  7. 請求項6に記載の回転機装置において、
    前記アシスト用スイッチ手段(Sα)は、前記SRモータ(1)に要求される出力に応じて前記アシスト巻線(α)に付与する供給電流値を変更することを特徴とする回転機装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の回転機装置において、
    前記アシスト電流制御手段(5)は、電源のプラス極と前記アシスト巻線(α)の一端との間において通電の断続を行うプラス側のアシスト用スイッチ手段(Sα)と、前記電源のマイナス極と前記アシスト巻線(α)の他端との間において通電の断続を行うマイナス側のアシスト用スイッチ手段(Sα)とを備え、
    前記アシスト巻線電流経路(11)は、前記電源のマイナス極から前記アシスト巻線(α)の一端と前記プラス側のアシスト用スイッチ手段(Sα)の間へのみ電流を流すマイナス側の整流素子(Dα)と、前記アシスト巻線(α)の他端と前記マイナス側のアシスト用スイッチ手段(Sα)の間から前記電源のプラス極へのみ電流を流すプラス側の整流素子(Dα)とを備えることを特徴とする回転機装置。
  9. 請求項6または請求項7に記載の回転機装置において、
    前記アシスト電流制御手段(5)は、電源のプラス極と前記アシスト巻線(α)の一端との間において通電の断続を行うプラス側のアシスト用スイッチ手段(Sα)を備え、
    前記アシスト巻線電流経路(11)は、前記電源のマイナス極から前記アシスト巻線(α)の一端と前記プラス側のアシスト用スイッチ手段(Sα)の間へのみ電流を流すマイナス側の整流素子(Dα)によって設けられることを特徴とする回転機装置。
  10. 請求項6または請求項7に記載の回転機装置において、
    前記アシスト電流制御手段(5)は、電源のマイナス極と前記アシスト巻線(α)の他端との間において通電の断続を行うマイナス側のアシスト用スイッチ手段(Sα)を備え、
    前記アシスト巻線電流経路(11)は、前記アシスト巻線(α)の他端と前記マイナス側のアシスト用スイッチ手段(Sα)の間から前記電源のプラス極へのみ電流を流すプラス側の整流素子(Dα)によって設けられることを特徴とする回転機装置。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の回転機装置において、
    前記アシスト巻線(α)が巻回配置されるスロットの容積は、前記相巻線のみが巻回配置されるスロットの容積より大きく設けられることを特徴とする回転機装置。
  12. 請求項11に記載の回転機装置において、
    前記アシスト巻線(α)が巻回される部位のバックヨーク(7)は、径方向に凹んだ径方向凹部(21)が設けられることを特徴とする回転機装置。
  13. 請求項12に記載の回転機装置において、
    前記径方向凹部(21)には、前記ステータコア(3)を成す積層磁性鋼板を結合する結合部(23)が設けられることを特徴とする回転機装置。
  14. 請求項1〜請求項13のいずれかに記載の回転機装置において、
    前記アシスト巻線(α)の巻数は、前記相巻線の巻数より多いことを特徴とする回転機装置。
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